JP4648531B2 - ユニット式建物の設計システムおよび設計方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の柱の上下端を梁で連結した立体的なフレームを備えた建物ユニットが複数組み合わされたユニット式建物の設計および構造計算を行うユニット式建物の設計システム、ならびに、この設計システムを用いて、その設計および構造計算を行うためのユニット式建物の設計方法に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、工場で箱状の建物ユニットを各種製造しておき、完成した建物ユニットを建築現場で組合わせて建築されるユニット式建物が知られている。
このようなユニット式建物によれば、建物ユニットを工場で製造するので、建築現場での作業が軽減され、高品質の建物を従来建築に比べて著しく短期間で顧客に提供できるという利点がある。
ユニット式建物は、建築現場での作業を軽減するという観点から、箱形の建物ユニットを組み合わせるものが好ましい。
箱形の建物ユニットとしては、四隅の柱の上端および下端を梁で連結した直方体状のフレームを有する建物ユニットが一般的である。この建物ユニットは、梁の長さ寸法が異なっており、平面形状が長辺および短辺を有する長方形となっている。
また、一階の床から二階の天井まで上下方向に連続した吹き抜け空間を形成するために、天井あるいは床を備えていない吹抜用建物ユニットも、建物ユニットとして用意されている。
【0003】
このようなユニット式建物を設計するにあたり、設計者の負担を軽減するとともに、設計作業に要する時間を短縮するために、コンピュータで建物本体およびその基礎の設計を行うCAD装置が利用されている。
このようなCAD装置としては、特開平11−143924号公報に示されるように、CAD装置に蓄積すべき建物ユニットのデータ量が低減されるようにしたものがある。
すなわち、前述のCAD装置では、設置部位に応じた通常の建物ユニットを選択し、選択した建物ユニットについて、天井の有無を設定入力することで、吹抜用建物ユニットを選択しなくとも、吹抜用建物ユニットの設定が行えるようになっている。
このようにすれば、ユニット式建物を構成する建物ユニットの種類が多くとも、CAD装置に入力するにあたり、建物ユニットを選択する際における選択範囲が縮小されるうえ、CAD装置に蓄積すべき建物ユニットのデータ量が低減されるようになる。
【0004】
一方、建物ユニットは、種類によってフレームの強度が異なり、例えば、吹き抜けを形成するために天井のブレースあるいは床天井が省略された吹抜用建物ユニットや、玄関ポーチと連続する土間床を形成するために、床梁の一部分が省略された玄関用建物ユニットは、フレームの構造が通常の建物ユニットとは相違するので、その強度も通常の建物ユニットとは異なっている。
このため、顧客の要求に応じて様々な建物ユニットを採用してユニット式建物を設計すると、地震に耐えうる充分な強度を備えているか否か等を確認する必要が生じる。
このため、設計が完了したユニット式建物の強度計算を迅速に行うために、特開2000−57181号公報に示されるように、コンピュータを利用した構造解析装置が知られている。
この構造解析装置は、構造計算を行う中央処理部と、ユニット式建物の形成に用いられる複数種類の建物ユニットの各フレームについてのデータが蓄積された記憶装置とを有するものである。
ここで、構造解析を行うにあたり、設計が完了したユニット式建物のデータを入力することで、前記ユニット式建物のフレームに対応した立体的なモデルを、構造解析装置の仮想空間に形成し、当該モデルに基づいて、中央処理部がユニット式建物の構造計算を迅速に行うようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述のようなCAD装置および構造解析装置では、CAD装置でユニット式建物の設計が完了してからでないと、構造解析装置によるユニット式建物の構造計算が行えないので、設計作業処理および構造計算処理の両方を同時に並行処理することができないので、発注されたユニット式建物の設計が開始されてから、構造計算が完了するまでに時間がかかり、リードタイムを長引かせるという問題がある。
【0006】
また、構造計算処理が完了したユニット式建物であっても、顧客の要求によりユニット式建物の設計図面に変更が加えられると、構造計算処理を再度行い、当該ユニット式建物の強度確認を行っているので、設計変更が多いと、設計作業および構造計算にかかる時間や手間が著しく増えるという問題が生じる。
【0007】
さらに、CADプログラムおよび構造計算プログラムを一つのコンピュータにインストールし、CAD装置および構造解析装置を一体化し、設計作業が完了すると、自動的に構造計算が開始されるようにすることが考えられるが、コンピュータの記憶装置には、ユニット式建物を構成する建物ユニット等の部品に関する部品データが蓄積されたCADプログラム用のデータベースと、ユニット式建物の各フレームについてのデータが蓄積された構造計算プログラム用のデータベースとを別個に設ける必要があるので、コンピュータの記憶装置が大容量となり、メンテナンスに要する時間が長引くうえ、構造計算プログラムに比べると、CADプログラムの利用時間の方が長いので、構造計算プログラムおよびそのデータベースの利用率が低いという問題が生じる。
【0008】
本発明の目的は、設計の開始から構造計算の完了までの時間が短縮されるようになるユニット式建物の設計システムおよび設計方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明は、図面をも参照して説明すると、複数の柱の上下端を梁で連結した立体的なフレームを備えた建物ユニットが複数組み合わされたユニット式建物の設計および構造計算を行うユニット式建物の設計システム1であって、ユニット式建物の設計を行う設計用コンピュータ4と、ユニット式建物の構造計算を行う構造計算用コンピュータ3とを備え、前記設計用コンピュータは、ユニット式建物に関する建物データを形成するために入力されるデータに、建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根についてのデータがすべて含まれた場合に、前記建物データを前記構造計算用コンピュータに通信手段2を介して送信し、前記構造計算用コンピュータは、前記通信手段を介して受信した前記建物データに基づいて構造計算を行い、前記構造計算の結果を、前記設計用コンピュータに前記通信手段を介して送信することを特徴とするものである。
ここで、ユニット式建物は、建物ユニットの配列、ならびに、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根の仕様が決まると、その具体的な骨組み構造が特定できるようになるという特性を備えており、本第1発明は、このユニット式建物の特性を利用し、設計開始から構造計算完了までの時間を短縮するものである。すなわち、本第1発明では、建物ユニットの配列、ならびに、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根の仕様が決まると、ユニット式建物の骨組み構造が特定されるので、建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根についてのデータ入力が完了すると、設計システム1により、ユニット式建物の具体的な骨組み構造が自動的に設定可能となり、前述のデータ入力がなされたことを認識すれば、設計作業が完了していなくとも、構造計算が開始できるようになり、設計作業処理および構造計算処理の両方を部分的に並行処理することで、設計の開始から構造計算の完了までの時間が短縮される。
また、通信手段2を介して設計用コンピュータ4と構造計算用コンピュータ3とが接続されているため、具体的には以下の効果がある。CADプログラムと、構造計算プログラムとを別々のコンピュータにインストールしても、設計作業の完了により、構造計算が自動的に開始されるようにすることができる。そのうえ、CADプログラムの実行に必要となる部品データが蓄積されたデータベースと、構造計算プログラムの実行に必要となる各フレームについてのデータが蓄積されたデータベースとが別個のコンピュータ3,4の記憶装置20A,20Bにそれぞれ設けられるようになるので、コンピュータ3,4の記憶装置が著しく大容量となることがなく、メンテナンスに要する時間が短縮される。しかも、構造計算プログラムがインストールされた1台の構造計算用コンピュータ3に対し、CADプログラムがインストールされた設計用コンピュータ4を複数台設ければ、ユニット式建物1軒当たりにおける構造計算プログラムの利用時間がCADプログラムに比べて著しく短くとも、複数台の設計用コンピュータ4が処理した複数軒のユニット式建物の構造計算を、1台の構造計算用コンピュータ3で処理することとなるので、構造計算プログラムおよびそのデータベースの利用率が向上する。
【0010】
本発明の第2発明は、複数の柱の上下端を梁で連結した立体的なフレームを備えた建物ユニットが複数組み合わされたユニット式建物の設計および構造計算を行う設計システム1を用いて、その設計および構造計算を行うためのユニット式建物の設計方法であって、前記設計システムには、ユニット式建物の設計を行う設計用コンピュータ4と、ユニット式建物の構造計算を行う構造計算用コンピュータ3とが設けられ、ユニット式建物に関する建物データを形成するために前記設計用コンピュータに入力されるデータに、建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根についてのデータがすべて含まれた場合に、前記建物データを前記構造計算用コンピュータに通信手段2を介して送信し、前記通信手段を介して受信した前記建物データに基づいて前記構造計算用コンピュータに構造計算を行わせ、前記構造計算の結果を、前記設計用コンピュータに前記通信手段を介して送信することを特徴とする。このような第2発明では、前述のように、建物ユニットの配列、ならびに、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根の仕様が決まると、ユニット式建物の骨組み構造が特定されるので、設計作業が完了する前に、構造計算を開始することが可能となり、設計作業処理および構造計算処理の両方が部分的に同時に処理され、設計の開始から構造計算の完了までの時間が短縮されるようになる。
【0011】
以上において、前記建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根について入力された前記データに変更があるか否かを検出する変更検出手段15Cを備えていることが好ましい。このような変更検出手段15Cを設け、構造計算用コンピュータ3で構造計算を行う前に、前記建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根について入力された前記データに変更があるか否かを検出すれば、顧客の要求によりユニット式建物の設計図面に変更が加えられた際に、建物ユニットの配列等について入力された前記データに変更がない場合には、ユニット式建物の具体的な骨組み構造に変更がないことが自動的に検出され、不要な構造計算処理が省略されるようになるので、設計変更が多くとも、設計作業および構造計算にかかる時間や手間の増大が抑制されるようになる。
【0013】
さらに、構造計算用コンピュータ3には、前記設計用コンピュータ4で設計したユニット式建物に適した基礎の断面データを算出する基礎設計手段13が設けられていることが望ましい。ここで、建物の基礎は、その上の建物本体の寸法や重量だけでなく、当該基礎が設けられる敷地の地耐力や地形等の様々な条件に応じて、その仕様が設定されるものである。このため、その上に載置される建物本体が同一であっても、敷地の条件によって、様々な仕様の基礎を形成する必要があり、設計用コンピュータで設計するにあたり、基礎を部品として取り扱うと、様々な種類の基礎についてのデータを部品データとしてデータベースに蓄積する必要が生じ、コンピュータの記憶装置が大容量となってしまう。一方、前述のような基礎設計手段13を設ければ、敷地の諸条件に適応するとともに、設計対象となるユニット式建物に対して最適な基礎が設計されるようになるとともに、高基礎や偏心基礎等の特殊な基礎を含む様々な基礎の設計が行えるようになるうえ、このように様々な基礎の設計が行えるようにしても、基礎についてのデータを部品データとしてデータベースに蓄積する必要がなくなるので、例えば、設計用コンピュータ4の記憶装置20Bが大容量とならない。
【0014】
この際、設計用コンピュータ4には、基礎設計手段13が算出した断面データに基づいて基礎図面を自動生成する基礎図面生成手段16が設けられていることが好ましい。このような基礎図面生成手段16を設ければ、基礎設計手段13が算出した基礎が自動的に図面化されるうえ、設計用コンピュータ4は、基礎図面生成手段16が生成した図面に基づいて、基礎を形成する部材を拾うことができるので、構造計算用コンピュータ3で基礎の断面データを算出するようにしても、基礎を含むユニット式建物全体の積算作業が自動的に行われるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態に係る設計システム1が示されている。この設計システム1は、プレハブ住宅製造会社において、その商品であるユニット式建物の設計および構造計算を行うためのものであり、通信手段であるインターネット2を介して相互に接続可能となった複数のパーソナルコンピュータ3,4A〜4Dを備えている。
なお、ユニット式建物は、立体的なフレームを有する建物ユニットを複数組み合わせたものである。また、建物ユニットのフレームは、柱の上下端を梁で連結した箱状とされるとともに、柱と梁との接合が剛接合となった、いわゆるラーメン構造となっている。
【0016】
パーソナルコンピュータ3は、プレハブ住宅製造会社に設けられた技術部門に設置された構造計算手段である。このパーソナルコンピュータ3には、ユニット式建物の構造計算を行うための構造計算プログラムがインストールされるとともに、構造計算プログラムの構造計算に必要となるユニット式建物のデータが蓄積されたデータベースが設けられている。
【0017】
パーソナルコンピュータ4A〜4Dは、各地でユニット式建物配置の販売および施工を行う取扱店に設置された設計手段である。
取扱店は、各地の顧客の窓口となり、顧客の要求によりユニット式建物の設計および積算を行う営業部門である。この取扱店で、顧客が要求するユニット式建物の設計を行うために、パーソナルコンピュータ4A〜4Dには、ユニット式建物の設計を行うためのCADプログラムがインストールされるとともに、CADプログラムに必要となるユニット式建物のデータが蓄積されたデータベースが設けられている。
【0018】
これらのパーソナルコンピュータ3,4の各々には、図2に示されるように、その主要構成要素である中央処理装置5と、キーボード6、図示しないマウスおよびディスプレイ7等のマン−マシンインターフェイスと、構造計算の結果を印刷するための図示しないプリンタとが設けられている。
このうち、中央処理装置5には、マイクロプロセッサ等からなる高速演算素子を備えた演算部10と、大容量のハードディスク装置等からなる記憶部20とが設けられている。
ここで、プレハブ住宅製造会社のパーソナルコンピュータ3は、各取扱店から発注されるユニット式建物の受注を行う受注処理装置をも兼用しており、各取扱店のパーソナルコンピュータ4は、プレハブ住宅製造会社へユニット式建物の生産を発注するための発注装置をも兼用している。
【0019】
パーソナルコンピュータ3の記憶部20A には、建物ユニットの様々なフレームを形成する柱および梁が構成する構面の強度データが多数蓄積されている構面情報蓄積部21と、ユニット式建物の基礎を設計するにあたり、その雛形となる複数種類の基礎の仕様を示す数値データである初期値が多数蓄積されている初期値蓄積部22と、パーソナルコンピュータ4で設計されたユニット式建物に関する建物データを蓄積する建物情報蓄積部23A とが設けられている。
【0020】
このうち、初期値蓄積部22は、各種のユニット式建物の規模毎に、そのユニット式建物が備えている階層の数、前記ユニット式建物が建築される敷地の地耐力、および、前記ユニット式建物が建築される地域に応じて、予め雛形となる基礎を各種設計し、かつ、各基礎の構造計算を行って、各基礎の仕様に関する各数値を予め算出しておき、これらの数値を初期値として蓄積したものである。
この初期値蓄積部22に蓄積された初期値としては、例えば、前述の基礎の断面における各寸法の他に、基礎の内部に埋め込まれる配筋材の種類および直径、ならびに、配筋材の各配列形式おける配列本数等の数値等が挙げられる。
【0021】
ここで、建物ユニットとしては、形状が異なるものが各種用意されている。
例えば、四隅の柱の上下端を梁で連結した直方体状のフレームを有する標準建物ユニット、直方体状のフレームから玄関部分の床梁を省略した玄関用建物ユニット、四隅の柱の上端を連結する天井梁の少なくとも一部が傾斜した台形ユニット、平面視で床梁よりも室内側へ外壁部が後退したセットバックユニット、内部に階段室が設けられた階段建物ユニット、下階の天井が上階の天井と同じ高さレベルに設けられる吹き抜け室を形成するための吹き抜け用建物ユニット、建物の外壁面に突設されるバルコニーユニット、エレベータシャフトが設けられるエレベータユニット、および、内部に車庫が設けられるとともに、車庫部の床梁が省略されたカーポートユニット等が用意されている。
【0022】
パーソナルコンピュータ3の演算部10A は、各種のソフトウェがインストールされており、インストールされた複数のソフトウェアを同時に並行処理するマルチタスク機能を有している。
演算部10A には、インターネット2を経由してパーソナルコンピュータ4と双方向通信を行うための通信制御部11A と、パーソナルコンピュータ3内のデータの流れを制御する制御部12A と、初期値蓄積部22の初期値を利用するとともに、設計されたユニット式建物に適した基礎の断面データを算出する基礎設計手段としての基礎設計部13と、設計されたユニット式建物に充分な強度があるか否かを検査するために、その強度を計算する構造計算部14とが設けられている。
【0023】
このうち、構造計算部14は、計算対象となるユニット式建物の建物データを建物情報蓄積部23A から受信し、当該ユニット式建物に含まれる全構面を抽出し、構面情報蓄積部21に蓄積された強度データの中から、抽出した各構面に応じた強度データを選択し、選択した強度データに基づいて、当該ユニット式建物の構造計算を行うものである。
ここで、ユニット式建物に含まれる全構面の抽出には、ユニット式建物の建物データとして、当該ユニット式建物に設けられる建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根についての建物データが必要となっている。
このため、建物情報蓄積部23A には、パーソナルコンピュータ4で設計されたユニット式建物に関する建物データのうち、建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根についての建物データがパーソナルコンピュータ4から送信されて蓄積されるようになっている。
なお、構造計算部14は、ユニット式建物の構造計算が完了すると、当該ユニット式建物が充分な強度を備えている場合には、構造検査合格通知を、強度が不足している場合には、不具合な箇所とその内容を示す不具合データを、パーソナルコンピュータ4へ返送するようになっている。これらの構造検査合格通知および不具合データには、当該ユニット式建物を特定するためのIDコードがつけられており、構造検査合格通知および不具合データが返送される際には、当該ユニット式建物の構造計算が完了したことを示すの構造計算完了フラグが前述のIDコードに添付されるようになっている。
【0024】
基礎設計部13は、ユニット式建物の建物データとして、当該ユニット式建物に設けられる建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根についての建物データと、ユニット式建物が建築される敷地の地盤条件データとに基づき、初期値蓄積部22の初期値を利用して断面データを算出するものである。
具体的には、基礎設計部13は、前述のような建物データからユニット式建物の規模および平面形状を算定し、ユニット式建物の規模および平面形状と、敷地の地盤条件データとから基礎に要求される強度を算定し、初期値蓄積部22の初期値の中から、算定した強度に近似した強度を有する基礎の初期値を抽出した後、設計中のユニット式建物に最適な基礎となるように、抽出した初期値を修正するものである。
このため、基礎設計部13は、パーソナルコンピュータ4において建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根についての建物データと、ユニット式建物が建築される敷地の地盤条件データとの入力が完了していれば、ユニット式建物の設計処理が全部完了していなくとも、基礎の断面データを算出することが可能となっている。
【0025】
パーソナルコンピュータ4の記憶部20B には、ユニット式建物を形成する建物ユニット等の部品に関する部品データが蓄積された建物部品情報蓄積部24と、基礎の各部を図面で表現するための基礎図面データが蓄積された基礎図面情報蓄積部25と、ユニット式建物を形成する各部品および基礎打設に用いられる各部材の価格に関する価格データが蓄積された積算情報蓄積部26と、当該パーソナルコンピュータ4で設計したユニット式建物に関する建物データのすべてを蓄積する建物情報蓄積部23B とが設けられている。
【0026】
パーソナルコンピュータ4の演算部10B は、パーソナルコンピュータ3の演算部10A と同様に、各種のソフトウェがインストールされ、これら複数のソフトウェアを同時に並行処理するマルチタスク機能を有している。
演算部10B には、インターネット2を経由してパーソナルコンピュータ3と双方向通信を行うための通信制御部11B と、パーソナルコンピュータ4内のデータの流れを制御する制御部12B と、建物部品情報蓄積部24の部品データを利用してユニット式建物を設計するとともに、設計したユニット式建物を図面化する建物設計作図部15と、パーソナルコンピュータ3の基礎設計部13で算出した基礎の断面データに基づいて、基礎の図面を構成する基礎図面データを形成するとともに、ユニット式建物に適した基礎の図面を自動生成する基礎図面生成手段である基礎図面生成部16と、基礎を含んだユニット式建物全体の積算を行う積算部17とが設けられている。
【0027】
このうち、建物設計作図部15は、設計作業を行うにあたり、建物部品情報蓄積部24に蓄積された部品データの中から所望の部品の部品データを、オペレータに選択入力させるとともに、その位置を指定させる建物図面作成部15A を有するものである。
建物図面作成部15A は、オペレータに部品の構造や寸法等についての基本仕様を選択させ、その基本仕様に応じた部品データを入力させるとともに、オペレータが指定した各部品の位置座標を部品データに添付し、これらの部品および位置に関する部品データを編集してユニット式建物の図面を構成する建物データを形成するものである。
そして、建物図面作成部15A は、自らが作成した建物データに基づいて、ユニット式建物の図面を自動生成する機能を有している。
また、建物設計作図部15によって設計されたユニット式建物の建物データは、建物情報蓄積部23B に蓄積されるようになっている。
【0028】
建物設計作図部15は、建物図面作成部15A の他に、建物設計作図部15による設計処理をモニターし、建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根についての部品データが、建物データを形成するために入力されたことを認識する認識手段である認識部15B と、建物図面作成部15A が形成した建物データが変更された際に、当該建物データに含まれているデータのうち、建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根について入力されたデータに変更があるか否かを検出する変更検出手段である変更検出部15C とを備えている。
【0029】
この際、認識部15B は、設計処理を行っている建物図面作成部15A から最新の建物データを所定周期毎に受信し、建物データとして、建物ユニット、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根の仕様と位置を示す部品データがすべて含まれているか否かを検出し、これらの部品データが建物データにすべて含まれている場合には、建物データが未完成であっても、当該建物データをパーソナルコンピュータ3へ送信する機能を備えたものである。
また、構造計算部14は、ユニット式建物の構造計算を完了したパーソナルコンピュータ4から返送される、当該ユニット式建物の構造計算完了フラグ付IDコードを受信し、IDコードに添付された構造計算完了フラグを最新の建物データに添付するようになっている。
【0030】
変更検出部15C は、建物図面作成部15A が設計処理を行っているユニット式建物の建物データが構造計算済であるか否かを検出し、構造計算済である場合に、建物データに含まれる部品データのうち、建物ユニット、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根の仕様と位置を示す部品データについて変更の有無を検出するものである。そして、変更検出部15C は、これらの部品データについての変更を検出すると、変更された建物データは、変更作業が完了していなくとも、当該建物データをパーソナルコンピュータ3へ送信する機能を備えている。
【0031】
ここで、変更検出部15C は、構造計算完了フラグが建物データに添付されているか否かを検査することにより、ユニット式建物の建物データが構造計算済であるか否かを検出するものとなっている。
【0032】
また、建物図面作成部15A は、設計変更処理を完了すると、設計変更されたユニット式建物の建物データに何回目の変更であるかを示す変更次数データを付与するとともに、建物データに含まれる部品データのうち、建物ユニット、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根の仕様と位置を示す部品データについては、変更された部品データにのみ、建物データに付与されたものと同じ変更次数データを付与するようになっている。
一方、変更検出部15C は、建物データに付与された変更次数データと、全部品データに付与された各変更次数データとを比較し、これらの変更次数データがひとつでも一致した場合に、建物ユニット、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根について入力されたデータに変更があったものとの判定し、これらの変更次数データが完全に不一致である場合に、前述のデータに変更がなかったものと判定するようになっている。
【0033】
積算部17は、建物図面作成部15A が形成した建物データおよび基礎図面生成部16が形成した基礎図面データから、ユニット式建物を形成する部品および基礎打設に用いられる部材を拾い、これらの部品および部材の価格データを、積算情報蓄積部26から抽出し、これにより、ユニット式建物の建築工事一式の工事金額を示す顧客提出用の見積書を作成するものである。
【0034】
そして、取扱店が顧客から建築工事一式を受注した際に、パーソナルコンピュータ4に対して所定の操作を行うと場合等には、パーソナルコンピュータ4からパーソナルコンピュータ3へ、ユニット式建物の発注通知と、当該ユニット式建物の建物データ一式が送信されるようになっている。
パーソナルコンピュータ3は、ユニット式建物の発注通知を受信すると、工場のCAM装置等に受注したユニット式建物の建物データ一式を送信する受注処理を行うようになっている。
また、パーソナルコンピュータ3は、受注処理を行うのとほぼ同時に、取扱店へ確認するために、受注したユニット式建物の部品一覧データをパーソナルコンピュータ4へ送信するようになっている。
この部品一覧データは、ユニット式建物を形成する全部品の名称、概略仕様および価格と、パーソナルコンピュータ3で行った構造計算や基礎断面データ算出の費用とを示すものである。この部品一覧データにより、プレハブ住宅製造会社から請求されるユニット式建物の製造費用が取扱店で把握できるようになっている。
【0035】
次に、本実施形態におけるユニット式建物の設計手順を説明する。
まず、取扱店において、顧客の要求に応じたユニット式建物を設計するにあたり、取扱店のオペレータは、パーソナルコンピュータ4を操作して、顧客の要求に応じたユニット式建物を形成する部品の部品データを入力するととに、その位置を指定し、建物データをこうちくしていく。
そして、建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根についてのデータが入力されると、直ちに、パーソナルコンピュータ4は、その時点での建物データをパーソナルコンピュータ3へ送信するとともに、そのまま設計処理を進行させる。
【0036】
パーソナルコンピュータ3は、パーソナルコンピュータ4から建物データを受信すると、その建物データを、一旦、建物情報蓄積部23A に記憶させる。
これにより、パーソナルコンピュータ3は、一のパーソナルコンピュータ4から送られてきたユニット式建物の建物データについて構造計算を行っているときに、他のパーソナルコンピュータ4から別の建物データが送信されてきても、途中で中止することなく、構造計算処理を継続でき、一台のパーソナルコンピュータ3でも、複数台のパーソナルコンピュータ4から随時送られてくる建物データを効率よく処理することが可能となる。
パーソナルコンピュータ3は、構造計算処理を完了すると、構造検査合格通知または不具合データをパーソナルコンピュータ4に送信する。
【0037】
パーソナルコンピュータ4は、パーソナルコンピュータ3からの構造検査合格通知を受信すると、そのまま設計処理を継続する一方、不具合データを受信すると、オペレータとともに不具合データに基づいて設計中のユニット式建物の不具合を修正した後、設計処理を再開する。
【0038】
ここで、パーソナルコンピュータ4に、建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根についての建物データと、ユニット式建物が建築される敷地の地盤条件データとを入力すると、パーソナルコンピュータ3で基礎の断面データを算出できる。
このため、前述の建物データおよび地盤条件データの入力してから、ユニット式建物の図面が完成するまでの間の適宜な時点に、パーソナルコンピュータ4から、当該建物データおよび地盤条件データをパーソナルコンピュータ3へ送信し、パーソナルコンピュータ3に基礎の断面データを算出させる。
パーソナルコンピュータ3は、基礎の断面データの算出が完了すると、当該断面データをパーソナルコンピュータ4へ返送する。パーソナルコンピュータ4は、返送された断面データに基づき、基礎の図面を作成する。
【0039】
ユニット式建物および基礎の図面が完成したら、ユニット式建物の建築工事一式の見積書を作成し、顧客に図面および見積書をチェックしてもらう。
ここで、図面が示すユニット式建物の仕様が顧客の要求に満たない、あるいは、見積金額が顧客の予算を超過しているために、顧客から承認が得られない場合には、図面および見積書を持ち帰って、設計変更を行う。
【0040】
パーソナルコンピュータ4で設計変更作業で図面の修正を行う。この設計変更作業より、建物ユニット、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根について入力されたデータが変更された場合には、パーソナルコンピュータ3で構造計算および基礎の断面データの算出が再度行われ、これにより、設計変更されたユニット式建物に充分な強度が確保される。
設計変更後のユニット式建物および基礎の図面が完成したら、パーソナルコンピュータ4で見積書を作成し、顧客のチェックしてもらう。このような設計変更作業は、顧客から承認が得られるまで繰り返される。
【0041】
そして、図面および見積金額についての承認が顧客から得られたら、パーソナルコンピュータ4からパーソナルコンピュータ3へ発注通知が送信され、以上により、設計業務が完了する。
この後、発注通知を受信したパーソナルコンピュータ3は、パーソナルコンピュータ4へユニット式建物の部品一覧データを返送するとともに、パーソナルコンピュータ4から送信されてきた建物データ一式を工場へ転送する。
工場では、ユニット式建物を形成する建物ユニットを製造し、完成した建物ユニットは、建築現場に納入され、受領書を回収したプレハブ住宅製造会社は、請求書を取扱店に送付する。
【0042】
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、設計手段であるパーソナルコンピュータ4に、建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根についてのデータが入力されたことを認識する認識部15B を設け、建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根についてのデータ入力が完了すると、設計作業が完了していなくとも、構造計算手段であるパーソナルコンピュータ3で構造計算が開始できるようにしたので、設計作業処理および構造計算処理の両方が部分的に並行処理されるようになり、設計の開始から構造計算の完了までの時間が短縮することができる。
【0043】
また、設計変更により、建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根について入力されたデータに変更があるか否かを検出する変更検出部15C パーソナルコンピュータ4に設け、パーソナルコンピュータ3で構造計算を行う前に、建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根について入力されたデータに変更があるか否かを検出することで、構造計算を再度行う必要があるか否かを判定するようにしたので、不要な構造計算処理が省略されるようになり、設計変更が多くとも、設計作業および構造計算にかかる時間や手間の増大を抑制することができる。
【0044】
さらに、構造計算手段であるパーソナルコンピュータ3と、設計手段である複数のパーソナルコンピュータ4A〜4Dとを、通信手段であるインターネット2を介して相互に接続可能としたので、CADプログラムの実行に必要となる部品データが蓄積されたデータベースと、構造計算プログラムの実行に必要となる各フレームについてのデータが蓄積されたデータベースとが別個の記憶装置20A, 20Bにそれぞれ設けられるようになり、メンテナンスに要する時間を短縮できる。
しかも、構造計算用に1台設けられたパーソナルコンピュータ3に対し、CAD用のパーソナルコンピュータ4を複数台設けることができ、ユニット式建物1軒当たりにおける構造計算に要する時間が、設計処理に比べて著しく短くとも、複数台のパーソナルコンピュータ4が処理した複数軒のユニット式建物の構造計算を、1台のパーソナルコンピュータ3で処理するようになるので、パーソナルコンピュータ3の利用率を向上することができる。
【0045】
また、パーソナルコンピュータ4で設計したユニット式建物に適した基礎の断面データを算出する基礎設計部13を設け、敷地の条件に対応し、かつ、ユニット式建物に適した基礎断面をパーソナルコンピュータ3で設定するようにしたので、様々な仕様の基礎を設計するようにしても、パーソナルコンピュータ4の建物部品情報蓄積部24には、様々な種類の基礎についてのデータを部品データとして蓄積する必要がなくなり、記憶部20B の建物部品情報蓄積部24に必要な記憶容量を低減できるうえ、建物部品情報蓄積部24のメンテナンス作業を容易にすることができる。
【0046】
さらに、パーソナルコンピュータ3の基礎設計部13が算出した断面データに基づいて基礎図面を自動生成する基礎図面生成部16をパーソナルコンピュータ4に設け、パーソナルコンピュータ3側で算定した断面を有する基礎をパーソナルコンピュータ4側で自動的に図面化するようにしたので、パーソナルコンピュータ4の積算部17で、ユニット式建物側の部品だけでなく、基礎の部材についても拾い作業が行えるようになり、マイクロコンピュータ3で基礎の断面データを算出するようにしても、パーソナルコンピュータ4で基礎を含むユニット式建物全体の積算作業を自動的に行うことができる。
【0047】
なお、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、次に示すような変形等をも含むものである。
すなわち、設計システムとしては、設計手段と構造計算手段とを異なる敷地に建築された建物にそれぞれ別個に設けたものに限らず、同一の建物の内部に設計手段と構造計算手段とを設けたものでもよい。
この場合、通信手段としては、インターネットを利用したものに限らず、LANあるいはイントラネット等の通信網を利用したものでもよい。
さらに、設計システムとしては、設計手段と構造計算手段とを異なるコンピュータにそれぞれ別個に設けたものに限らず、同一のコンピュータに設計手段と構造計算手段とを設けたものでもよい。
【0048】
【発明の効果】
本発明の請求項1または請求項5に記載の発明によれば、建物ユニットの配列、ならびに、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根についてのデータの入力後に、設計作業が完了していなくとも、構造計算を開始するようになるので、設計作業処理および構造計算処理の両方を部分的に並行処理することが可能となり、設計の開始から構造計算の完了までの時間を短縮することができる。
また、具体的には、以下の効果がある。CADプログラムと、構造計算プログラムとを別々のコンピュータにインストールしても、設計作業の完了により、構造計算を自動的に開始することができるうえ、CADプログラムの実行に必要となる部品データが蓄積されたデータベースと、構造計算プログラムの実行に必要となる各フレームについてのデータが蓄積されたデータベースとが別個のコンピュータの各記憶装置に設けられるようになるので、コンピュータの記憶装置が著しく大容量となることがなく、データベースのメンテナンスに要する時間を短縮することができる。しかも、構造計算プログラムがインストールされた1台の構造計算用コンピュータに対し、CADプログラムがインストールされたCAD用コンピュータを複数台設けることが可能となるので、ユニット式建物1軒当たりにおける構造計算プログラムの利用時間がCADプログラムに比べて著しく短くとも、複数台のCAD用コンピュータが処理した複数軒のユニット式建物の構造計算を、1台の構造計算用コンピュータで処理することができ、構造計算プログラムおよびそのデータベースの利用率を向上できる。
【0049】
本発明の請求項2または請求項6に記載の発明によれば、構造計算を行う前に、建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根についての変更があるか否かを検出することにより、ユニット式建物の具体的な骨組み構造について変更の有無が自動的に検出され、不要な構造計算処理が省略されるようになるので、設計変更が多くとも、設計作業および構造計算にかかる時間や手間の増大を抑制することができる。
【0051】
本発明の請求項3または請求項7に記載の発明によれば、敷地の諸条件に適応するとともに、設計対象となるユニット式建物に対して最適な基礎を設計することができ、基礎についてのデータを部品データとしてデータベースに蓄積する必要がなくなるので、多数の部品データを蓄積したデータベースが著しく大きくなることがなく、当該データベースのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0052】
本発明の請求項4または請求項8に記載の発明によれば、基礎設計手段が算出した基礎を自動的に図面化できるうえ、設計用コンピュータと構造計算用コンピュータとを別個に設け、構造計算用コンピュータで基礎の断面データを算出するようにしても、設計用コンピュータに基礎図面生成手段を設けることにより、基礎図面生成手段が生成した図面に基づいて、設計用コンピュータ側で基礎を形成する部材を拾うことができるので、基礎を含むユニット式建物全体の積算作業を自動的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の全体を示す模式図である。
【図2】同実施形態の要部を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 設計システム
2 通信手段としてのインターネット
3 構造計算手段としてのパーソナルコンピュータ
4 設計手段としてのパーソナルコンピュータ
13 基礎設計手段としての基礎設計部
15B 認識手段としての認識部
15C 変更検出手段としての変更検出部
16 基礎図面生成手段としての基礎図面生成部
Claims (8)
- 複数の柱の上下端を梁で連結した立体的なフレームを備えた建物ユニットが複数組み合わされたユニット式建物の設計および構造計算を行うユニット式建物の設計システムであって、
ユニット式建物の設計を行う設計用コンピュータと、ユニット式建物の構造計算を行う構造計算用コンピュータとを備え、前記設計用コンピュータは、ユニット式建物に関する建物データを形成するために入力されるデータに、建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根についてのデータがすべて含まれた場合に、前記建物データを前記構造計算用コンピュータに通信手段を介して送信し、前記構造計算用コンピュータは、前記通信手段を介して受信した前記建物データに基づいて構造計算を行い、前記構造計算の結果を、前記設計用コンピュータに前記通信手段を介して送信することを特徴とするユニット式建物の設計システム。 - 請求項1に記載のユニット式建物の設計システムにおいて、
前記建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根について入力された前記データに変更があるか否かを検出する変更検出手段を備えていることを特徴とするユニット式建物の設計システム。 - 請求項1または請求項2に記載のユニット式建物の設計システムにおいて、
前記構造計算用コンピュータには、前記設計用コンピュータで設計したユニット式建物に適した基礎の断面データを算出する基礎設計手段が設けられていることを特徴とするユニット式建物の設計システム。 - 請求項3に記載のユニット式建物の設計システムにおいて、
前記設計用コンピュータには、前記基礎設計手段が算出した前記断面データに基づいて基礎図面を自動生成する基礎図面生成手段が設けられていることを特徴とするユニット式建物の設計システム。 - 複数の柱の上下端を梁で連結した立体的なフレームを備えた建物ユニットが複数組み合わされたユニット式建物の設計および構造計算を行う設計システムを用いて、その設計および構造計算を行うためのユニット式建物の設計方法であって、
前記設計システムには、ユニット式建物の設計を行う設計用コンピュータと、ユニット式建物の構造計算を行う構造計算用コンピュータとが設けられ、
ユニット式建物に関する建物データを形成するために前記設計用コンピュータに入力されるデータに、建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根についてのデータがすべて含まれた場合に、前記建物データを前記構造計算用コンピュータに通信手段を介して送信し、前記通信手段を介して受信した前記建物データに基づいて前記構造計算用コンピュータに構造計算を行わせ、前記構造計算の結果を、前記設計用コンピュータに前記通信手段を介して送信することを特徴とするユニット式建物の設計方法。 - 請求項5に記載のユニット式建物の設計方法において、
前記構造計算用コンピュータで構造計算を行う前に、前記建物ユニットの配列、玄関、吹き抜け、バルコニおよび屋根について入力された前記データに変更があるか否かを検出することを特徴とするユニット式建物の設計方法。 - 請求項5または請求項6に記載のユニット式建物の設計方法において、
前記構造計算用コンピュータには、前記設計用コンピュータで設計したユニット式建物に適した基礎の断面データを算出する基礎設計手段が設けられ、前記設計用コンピュータから送信された前記建物データを受信した後に、前記基礎設計手段が前記基礎の前記断面データを算出することを特徴とするユニット式建物の設計方法。 - 請求項7に記載のユニット式建物の設計方法において、
前記設計用コンピュータには、前記基礎設計手段が算出した前記断面データに基づいて基礎図面を自動生成する基礎図面生成手段が設けられ、前記基礎設計手段は、前記基礎の断面データを算出すると、当該断面データを前記設計用コンピュータへ送信し、前記基礎図面生成手段は、前記断面データを受信した後に、基礎図面を自動生成することを特徴とするユニット式建物の設計方法。
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