JP3525704B2 - りん化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハ及び発光ダイオード - Google Patents
りん化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハ及び発光ダイオードInfo
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Description
シャルウエハ及び発光ダイオード(以下「LED」)に
存する。
示用素子として現在幅広く用いられており、その中でも
III−V族化合物半導体はそのほとんどの材料として用
いられている。III−V族化合物半導体は可視光、赤外
光の波長に相当するバンドギャップを有するため、発光
素子への応用がなされてきた。その中でもGaAsPは
LED用として需要は大きく、LEDの特性として発光
出力と寿命が最も重要であり、この品質の向上が要求さ
れてきた。
光層とするLEDは、発光効率を上げるため、アイソエ
レクトロニックトラップとして窒素(N)をドープして
光出力を向上させている。一般には石英製のリアクタを
用いた気相成長法により、N型の層だけ成長した後に、
発光層表面に亜鉛を拡散してP型の層を形成してPN接
合を形成し、これにより安定にLEDを得るようにして
いる。
一般的な構造を示す。例として単結晶基板がGaPであ
る場合で説明する。図2においてN型のGaP単結晶基
板20上に、基板と同一組成のホモ層24、基板と最上
層の格子定数の差を緩和するために混晶比xを連続的に
1.0〜x0まで変化させたGaAs1-xPxグレード組
成層21、GaAs1-x0Px0一定組成層22、窒素をド
ープしたGaAs1-x0Px0低キャリア濃度一定組成層2
3を順次エピタキシャル成長した構造からなっている。
エピタキシャルウエハの最上層である低キャリア濃度一
定組成層23は発光層となり、LEDの発光波長を得る
ための一定組成x0をもち、窒素と、N型のドーパント
であるテルル(Te)又は硫黄(S)を所定のキャリア
濃度になるようにドープしている。通常は赤色発光(波
長640nm)用としては、x0=約0.60である。
窒素(N)はGaAsP中にドープされると発光センタ
ーとなるアイソエレクトロニックトラップとなる。アイ
ソエレクトロニックトラップは電気的には不活性でキャ
リア濃度には寄与しない。発光層に窒素をドープするこ
とで発光効率を約10倍高めている。
ピタキシャル層を形成してなるGaAsPエピタキシャ
ルウエハをLEDとするためには、まず、PN接合を形
成する。通常、N型のエピタキシャル層表面に亜鉛(Z
n)を熱拡散してPN接合を形成するが、P型のドーパ
ントを導入しながら、P型のGaAsPエピタキシャル
層を表面に新たに形成することもできる。次いで、図4
に示す様に、エピタキシャル層16中にPN接合17を
形成したエピタキシャルウエハの表面と、GaP基板側
にオーミック電極18を形成して、素子分離してLED
が製造される。
小限にとどめ、注入されたキャリアの寿命を長くして高
光出力のLEDを得るためには、キャリア濃度を3.5
〜8.8×1015cm-3にすれば良い(特公昭58−1
539号公報)。さらにキャリア濃度を3×1015cm
-3以下にすれば、光出力の向上と長寿命化が同時に実現
できる(特開平6−196756号公報)。ただし、そ
の後の検討の結果、0.5×1015cm-3以下となる
と、LEDの順方向電圧が増加し、不良を生じる場合が
あることが判明したので、これ以上のキャリア濃度であ
ることが好ましい。
したときの抵抗を低減するために、0.5〜5×1017
cm-3程度のキャリア濃度とすることが一般的である。
これ以下ではLEDの順方向電圧の増加をまねき、これ
以上であれば、キャリア濃度の増加に従い結晶欠陥が増
加して発光した光が吸収され、LEDの光出力の低下を
招く。
のキャリア濃度を最適化させることで高光出力化と長寿
命化を実現してきた。しかし、需要の多様化により、さ
らに一層の長寿命が要求されるようになった。例えば、
自動車に搭載した時LEDを頻繁に交換することは不可
能であり、運転の安全面からも信頼性に対する要求が一
層厳しくなるのは当然である。LEDの用途の多様化に
より、特に信頼性の要求が極めて高いLEDが要求され
ることになった。現在では技術の進歩により、すでに高
光出力が得られている。LEDの光出力の向上よりも、
むしろLEDの信頼性を要求する品質が必要となった。
るLED及びその材料となるGaAs1-xPx(0.45
<x<1)エピタキシャルウエハを提供することであ
る。
る課題を解決すべく鋭意検討の結果、LEDの寿命を向
上させるには、PN接合部分の発熱減少が長寿命化に有
効と考えれば、とくにPN接合近傍にキャリア濃度を特
に高めた高キャリア濃度領域15を形成すれば良いと考
えた。
制するためには、LEDの直列抵抗分による発熱を抑え
ることである。LED化するためにP型ドーパントであ
るZnを発光層である低キャリア濃度一定組成層23内
に拡散したとき、キャリア濃度が1×1019cm-3以上
ドープされるので、P型の層の比抵抗は問題にならな
い。発光層は前述の通り、高い光出力を得るためには9
×1015cm-3以下の範囲以外の濃度にドープすること
は困難である。検討の結果GaAsP結晶は混晶である
ため、同じキャリア濃度であれば、GaPやGaAsの
単結晶基板よりも数倍比抵抗が高いことが明らかになっ
た。PN接合の発熱を効率的に抑え、直列抵抗を低下さ
せるためには、発光層以外の層のキャリア濃度を高めれ
ば良いことがわかった。具体的には発光層以外の層を、
従来の0.5〜5×1017cm-3より高いキャリア濃度
に高めれば長寿命のLEDが得られると考えれられた。
上に、N型のGaAs1-xPx(0≦x≦1)エピタキシ
ャル層を有してなるりん化ひ化ガリウムエピタキシャル
ウエハにおいて、該エピタキシャル層は、その表面側
に、キャリア濃度が6.5×1017cm-3未満で層厚2
μm以上の低キャリア濃度領域を有し、かつ該低キャリ
ア濃度領域の基板側に隣接してキャリア濃度が6.5×
1017cm-3以上である層厚3μm以上の高キャリア濃
度領域を有することを特徴とするりん化ひ化ガリウムエ
ピタキシャルウエハ、及びかかるエピタキシャルウエハ
から作成することを特徴とする発光ダイオードに存す
る。
ハ及び発光ダイオードの具体的実施態様を図1に基づい
て、詳細に説明する。単結晶基板10は通常GaP又は
GaAsの何れかが選択されるが、発光層となる低キャ
リア濃度領域13がGaAs1-xPx(0.45<x<
1)からなる場合は、単結晶基板10はGaPであるこ
とが、LEDの発光色に対して透明であり、LEDとし
て高い光出力を得るために好ましい。キャリア濃度は
0.5〜30×1017cm-3、好ましくは2〜10×1
017cm-3である。
表面側、即ち、基板とは反対側に、キャリア濃度が6.
5×1017cm-3未満で層厚2μm以上の低キャリア濃
度領域13を有し、かつ該低キャリア濃度領域13の基
板側に隣接して、キャリア濃度が6.5×1017cm-3
以上、好ましくは6.5×1017〜30×1017cm -3
である層厚3μm以上の高キャリア濃度領域15を有す
る。
により0<x<1)エピタキシャル層を、キャリア濃度
でなく、組成の観点から見た場合、通常、少なくともグ
レード組成層11及び一定組成層12を有する。このほ
か、単結晶基板10と同じ結晶であるホモ層13は特に
形成しなくとも可能だが、ミスフィット転位の発生を抑
制するためにホモ層14を0.1〜100μm、好まし
くは0.5〜15μm形成した方が、安定に高輝度が得
られるので好ましい。ホモ層14のキャリア濃度は、概
ねグレード組成層11の成長開始点と同じであることが
好ましい。グレード組成層11の層厚は、好ましくは2
〜100μm、より好ましくは10〜35μmである。
領域15との境界は、通常前記一定組成層12内に存す
るが、グレード組成層11内でもよく、或いはグレード
組成層11と一定組成層の境界と一致していても、高キ
ャリア濃度領域12の厚さが3μm以上確保されていれ
ばよい。ただし、グレード組成層11内で発生したミス
フィット転位等の結晶欠陥の影響を少なくして、より結
晶性の良い低キャリア濃度領域13を得るためには、図
1の様に、高キャリア濃度領域15と低キャリア濃度領
域13の境界が一定組成層内にあることが好ましく、特
に、高キャリア濃度領域15の表面側2〜25μm程度
が一定組成であることが好ましい。
度は多少変動しても良い。本発明においては、キャリア
濃度6.5×1017cm-3を境に、それより上を高キャ
リア濃度領域、下を低キャリア濃度領域と機械的に定義
するが、実際には境界近傍における両者のキャリア濃度
はかけはなれていることが多い。高キャリア濃度領域1
5から低キャリア濃度領域13へのキャリア濃度の遷移
は、通常急峻であるが、段階的であってもよい。段階的
に遷移させる場合、中間的なキャリア濃度の領域(かか
る領域も、本発明においては、高キャリア濃度領域又は
低キャリア濃度領域のいずれかに分類される)が、20
μm以下、好ましくは10μm以下とすれば、寿命向上
の効果が得られやすい。高キャリア濃度領域15のキャ
リア濃度は30×1017cm-3以下であれば、結晶性が
悪化してエピタキシャル層表面に結晶欠陥が発生した
り、LEDの光出力の低下を生じる等の問題がなく好ま
しい。また、層厚が3μm以上で顕著な寿命向上の効果
が見られ、60μm以下ならLEDの光出力が低下する
問題なく好ましい。
濃度が9×1015cm-3以下が好ましいが、0.5×1
015cm-3以下になるとキャリア濃度の制御が困難とな
ったり、比抵抗が高くなってLEDの順方向電圧の増加
を招くことがあるので、好ましい平均キャリア濃度は
0.5〜9×1015cm-3である。また、層厚は2μm
以上である。ただし、この層厚は、その上にP型のエピ
タキシャル層を更に成長して形成する場合、或いは既に
かかるP層が形成されている場合における必要最小限の
厚さであって、P型ドーパントの拡散によりPN接合を
低キャリア濃度領域内に形成する場合は、拡散深さが通
常4〜15μmなので、低キャリア濃度領域の層厚は5
μm以上必要である。50μmを超えると高濃度領域1
5から離れすぎるので好ましくない。即ち、PN接合
は、低キャリア濃度領域を2〜35μm程度残す様に形
成するのが好ましい。
組成が0.45<x<1の場合、間接遷移型バンド構造
を持つので、発光効率を高めるため、少なくとも低キャ
リア濃度の一定組成層内には、窒素をドープすることが
一般的である。しかし、低キャリア濃度領域外の層の全
部のキャリア濃度を上げてしまえば、発光した光の吸収
を生じる。光吸収が増えれば、LEDの光出力は低下す
る。また、結晶性の見地から見ても、キャリア濃度を過
度に高めれば、点欠陥などが増加し結晶性が落ちてく
る。結晶性が悪くなれば、光出力の低下ばかりでなく、
光吸収をする結晶欠陥の準位がバンドギャップ内に発生
し、さらに光吸収を増加させる。エピタキシャル成長は
成長前半の影響を後半に大きく影響する。従って、特に
エピタキシャル成長前半はできるだけキャリア濃度を下
げることが、結晶性にとって好ましい。
グレード組成層11のキャリア濃度は単結晶基板10側
から一定組成層12に向かっておおむね増加し、グレー
ド組成層11の後半から終点、及び隣接する一定組成層
内で最大の高キャリア濃度を有する高キャリア濃度領域
15を有するキャリア濃度プロファイルをもつ構造とす
ることで達せられる。具体的には、前記グレード組成層
11の前半のキャリア濃度は後半のキャリア濃度よりも
低く、グレード組成層11開始のキャリア濃度は、概ね
0.5×1017〜5×1017cm-3とすればよい。
エピタキシャル層表面に隣接させてエピタキシャル成長
した後、前記表面からP型の導電型のドーパント、通常
は亜鉛を低キャリア濃度領域内の一定組成層に拡散させ
ることにより、PN接合を形成する。GaAsPエピタ
キシャルウエハは通常は気相成長法により製造される
が、前述した様に、低キャリア濃度の一定組成層を成長
して、その成長途中から、成長ガス中に例えばZnをジ
エチル亜鉛((C2H5)2Zn)を導入することで、Z
nをドープしてPN接合を形成してもよい。
点もしくは隣接する一定組成層内12まで、前記キャリ
ア濃度プロファイルを得るために、ドーパントガスをお
おむね増加させながら成長させれば、所定のキャリア濃
度プロファイルを容易に得ることができる。ドーパント
ガスの流量は連続的に増加させても良いが、1段又は複
数段のステップ状増加させても問題ない。ドーパントガ
ス流量はグレード組成層11の中から一定組成層12の
間で増加させることが好ましい。
の結晶欠陥が多く存在するため、キャリア(電子)の移
動度が低い。同じキャリア濃度でも比抵抗が高くなるの
で、グレード組成層11の後半から終点付近にかけて、
最大のドーパント流量にすることが好ましい。組成グレ
ード層は、連続的な組成変化だけでなく、複数の階段状
の組成変化であっても、エピタキシャル層の比抵抗は主
にキャリア濃度で決定されるため効果は同じである。
ァイルの測定方法は、エピタキシャル層を斜めに研磨し
た後、ショットキーバリアダイオードをその表面に作製
し、C−V法によって測定できる。また英国ポーラロン
社のシミコンダクタ・プロファイル・プロッタの様に、
直接エピタキシャル層を電解液でエッチングしながら測
定する方法でも同様に測定できる。
化の面で最も有効である。クロライド法や有機金属気相
法(MOCVD)でも効果は同じである。
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、下記実施
例により限定されるものではない。 (実施例1〜3及び比較例1〜3)まず、実施例1を説
明する。GaP基板及び高純度ガリウム(Ga)を、G
a溜め用石英ボ−ト付きのエピタキシャル・リアクタ−
内の所定の場所に、それぞれ設置した。GaP基板は硫
黄(S)が2〜10×1017原子個/cm3添加され、
直径約50mmの円形で、(100)面から[001]
方向に10゜偏位した面をもつGaP基板を用いた。こ
れらを、同時に回転するホルダー上に配置した。次に窒
素(N2)ガスを該リアクタ−内に15分間導入し空気
を充分置換除去した後、キャリヤ・ガスとして高純度水
素(H2)を毎分9600cc導入し、N2の流れを止め
昇温工程に入った。上記Ga入り石英ボ−ト設置部分及
びGaP単結晶基板設置部分の温度が、それぞれ800
℃及び850℃一定に保持されていることを確認した
後、ピーク発光波長640±5nm(赤色)のGaAs
1-xPxエピタキシャル膜の気相成長を開始した。
n型不純物であるジエチルテルル((C2H5)2Te)
を毎分120cc導入し、周期律表第III族元素成分と
してのGaClを、毎分369cc生成させるため高純
度塩化水素ガス(HCl)を上記石英ボ−ト中のGa溜
に吹き込み、Ga溜上表面より吹き出させた。他方、周
期律表第V族元素成分として、H2で濃度10%に希釈
したりん化水素(PH3)を毎分750cc導入しつ
つ、20分間にわたり、第1の層(図1におけるホモ層
14)であるGaPエピタキシャル層をGaP単結晶基
板上に成長させた。
各ガスの導入量を変えることなく、H2で濃度10%に
希釈したひ化水素(AsH3)の導入量を、毎分0cc
から毎分480ccまで徐々に増加させ、 90分間に
わたり、第2のGaAs1-xPxエピタキシャル層を第1
のGaPエピタキシャル層上に成長させた。次の20分
間は、(C2H5)2Te、HCl、PH3、AsH3の導
入量を変えることなく、保持しつつ、第3のGaAs
0.4P0.6エピタキシャル層(一定組成層)を第2のGa
As1-xPxエピタキシャル層上に成長させた。
0.5cc導入することで、第4の層(図1におけるG
aAs1-x0Px0Nドープ一定組成層13)である低ドー
プ層のキャリア濃度になるようにして、HCl、P
H3、AsH3の導入量を変えることなく導入しながらこ
れに窒素アイソエレクトロニック・トラップ添加用とし
て従来用いられている高純度アンモニア・ガス(N
H3)を毎分420cc導入することで添加して第4の
GaAs1-xPxエピタキシャル層を第3のGaAs1-x
Pxエピタキシャル層上に成長させ、成長を終了した。
4のエピタキシャル層の膜厚はおおよそ、それぞれ5μ
m、30μm、8μm、21μmであった。第4のエピ
タキシャル層のキャリア濃度は、拡散前のエピタキシャ
ルウエハ表面にショットキーバリアダイオードを作製し
て、C−V法によって測定し、キャリア濃度は3〜5×
1015cm-3であった。高ドープ層である第1、第2、
第3のエピタキシャル層のキャリア濃度はエピタキシャ
ル層をラッピングとエッチングによって約1゜の角度で
斜めに除去したあとショットキー・バリアダイオードを
その表面に作製し、C−V法によって測定した。測定の
結果、図5に示す通り第2、第3の層のは全体38μm
が6.5×1017cm-3以上の高濃度領域となってい
た。キャリア濃度は第2の層と第3の層内で概ね一定で
あるが、グレード第2の層内で第1の層から第3の層方
向に7.5×1017cm-3から9×1017cm-3緩やか
な増加を示し、第2の層で一定になっていた。第4の層
に隣接する第3の層全体と、第3の層の終点付近にわた
る15μmの範囲の平均のキャリア濃度を高濃度領域の
キャリア濃度とした。高濃度領域15のキャリア濃度は
9×1017cm-3であった。成長したエピタキシャルウ
エハをZnAs2を拡散源としてP型不純物であるZn
と共に何もコーティングしないで石英アンプル内に真空
封入させて、760℃の温度で表面から4μmの深さま
で拡散した。光出力は光法によって測定した。続いて、
真空蒸着による電極形成等を行って直径220μm×1
80μm(厚さ)のメサ型のLEDを形成して、寿命試
験を行った。寿命試験の通電条件は、TO−18ヘッダ
ーにLEDチップをマウントし、室温で240A/cm
2でDUTY(有効通電時間率)=1/2の50Hzの
パルス駆動で168時間行った。さらに実施例2〜3と
比較例1〜3として、第1の層から第3の層のエピタキ
シャル成長における(C2H5)2Teの導入量を毎分1
5cc、毎分40cc、毎分80cc、毎分200c
c、毎分260ccとした以外は、前記と同様にして、
さらに追加して合計5回エピタキシャル成長を繰り返し
た。(C2H5)2Teの導入量を毎分200cc、毎分
260ccの場合には実用上は問題ない程度であるが、
ピラッミッド状の結晶欠陥がエピタキシャル層表面に部
分的に出現した。すべてエピタキシャル層の膜厚および
第4の層のキャリア濃度は実施例1とほぼ同じであっ
た。第2の層と第3の層にけるキャリア濃度も実施例1
と同様であり、高濃度領域15のキャリア濃度を同様に
決定した。高濃度領域15がない比較例は、実施例1と
同じく、第4の層に隣接する第3の層全体と、第3の層
の終点付近にわたる15μmの範囲の平均のキャリア濃
度を、高濃度領域15のキャリア濃度とした。図3にL
EDの寿命試験通電後の光出力の残存率及び光出力と高
濃度領域15のキャリア濃度の関係を示す。図3の点線
で示される光出力は、寿命試験前のLEDの光出力と
し、実線で示される光出力の残存率は寿命試験前と前記
条件で駆動後のLEDの光出力の比率とした。残存率は
従来の高濃度領域が3×1017cm-3で87%に対し
て、6.5〜30×1017cm-3で92〜98%と最も
高かった。光出力は従来の3×1017cm-3で光出力6
5に対して、9〜30×10 17cm-3で光出力48であ
った。実用上も光出力35以上であれば全く問題なく、
特に長寿命を要求するLED用としてはむしろ高い光出
力が得られている。光出力は高ドープ層のキャリア濃度
が6×1017cm-3以下ではほとんど変化がなかった。
について述べたが、他の発光色の範囲でも全く同じ効果
が得られることは言うまでもない。 (実施例4)(C2H5)2Teの導入量を第1の層のエ
ピタキシャル成長において毎分40ccとし、第2の層
のエピタキシャル成長において毎分40ccから毎分2
00ccに徐々に増加させ、第3の層のエピタキシャル
成長において毎分200ccとした以外は前記実施例と
同様にしてエピタキシャル成長を完了した。ピラッミッ
ド状の結晶欠陥はなく、良好なエピタキシャル層表面が
得られた。
と比較例1〜3と同じように測定した。そのキャリア濃
度プロファイルを図6に示す。グレード組成層のキャリ
ア濃度はホモ層付近で2.5×1017cm-3で、徐々に
増加して第2の層(グレード組成層)終点付近で最大の
1.5×1018cm-3であった。LEDの光出力と寿命
試験を行ったところ、光出力は55、光出力の残存率は
94%であった。高濃度領域を隣接させることで寿命向
上と高い光出力を実現できた。
シャルウエハにおいて、特に優れた寿命をもつLED
を、実用上問題とならない光出力の大きな低下をせずに
実現できる。本発明は基板はGaPを例にとったが、G
aAsでも効果は同じである。これにより、GaAsP
のLED需要の増加が期待される。
ェハの層構成の断面説明図。
一般的層構成の断面説明図。
は、高濃度領域のキャリア濃度と寿命試験通電後の光出
力の残存率を示し、点線は、高濃度領域のキャリア濃度
と光出力の関係を示す。
ア濃度プロファイル。
ア濃度プロファイル。
定組成層、13 低キャリア濃度領域、14 ホモ層、
15 高キャリア濃度領域、16 エピタキシャル層、
17 PN接合、18 電極 20 GaP単結晶基板、21 GaAs1-xPxグレー
ド組成層、22 GaAs1-x0Px0一定組成層、23
窒素ドープGaAs1-x0Px0低キャリア濃度一定組成
層、24 GaPホモ層 A GaP基板、B ホモ層、C グレード組成層、D
高キャリア濃度一定組成層、E 低キャリア濃度領
域、F 高キャリア濃度領域
Claims (9)
- 【請求項1】N型の単結晶基板上に、N型のGaAs
1-XPX(0≦x≦1)エピタキシャル層を有してなるり
ん化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハにおいて、該エ
ピタキシャル層は、その表面側に、キャリア濃度が6.
5×1017cm-3未満で層厚2μm以上の低キャリア濃
度領域を有し、かつ該低キャリア濃度領域の単結晶基板
側に隣接してキャリア濃度が6.5×1017cm-3以上
である層厚3μm以上の高キャリア濃度領域を有するこ
と、及び、該エピタキシャル層は、少なくともグレード
組成層及び一定組成層からなり、該グレード組成層のキ
ャリア濃度は、単結晶基板側から一定組成層に向かって
増加し、該グレード組成層の後半から終点及び隣接する
一定組成層のいずれかで最大の高キャリア濃度となるキ
ャリア濃度プロファイルを有することを特徴とするりん
化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハ。 - 【請求項2】前記高キャリア濃度領域と低キャリア濃度
領域との境界が、前記一定組成層内に存することを特徴
とする請求項1記載のりん化ひ化ガリウムエピタキシャ
ルウエハ。 - 【請求項3】前記低キャリア濃度領域は、平均キャリア
濃度が9×1015cm-3以下であり、前記高キャリア濃
度領域は、キャリア濃度が6.5×1017〜30×10
17cm-3であることを特徴とする請求項1又は2に記載
のりん化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハ。 - 【請求項4】前記グレード組成層の前半の平均キャリア
濃度は後半の平均キャリア濃度よりも低く、グレード組
成層の開始キャリア濃度は、0.5×1017〜5×10
17cm-3であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
かに記載のりん化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハ。 - 【請求項5】高キャリア濃度領域は層厚が3〜60μm
であり、低キャリア濃度領域は層厚が5〜50μmであ
ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のり
ん化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハ。 - 【請求項6】低キャリア濃度領域はGaAs1-XP
X(0.45<x<1)からなり、少なくとも窒素がド
ープされていること特徴とする請求項1〜5のいずれか
に記載のりん化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハ。 - 【請求項7】単結晶基板が、GaAs又はGaPからな
ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のり
ん化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハ。 - 【請求項8】前記N型のGaAs1-XPX(0≦x≦1)
エピタキシャル層上に、更にP型のGaAs1-XPX(0
≦x≦1)エピタキシャル層を有してなることを特徴と
する請求項1〜7のいずれかに記載のエピタキシャルウ
エハ。 - 【請求項9】 請求項8記載のエピタキシャルウエハか
ら作製することを特徴とする発光ダイオード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP28025797A JP3525704B2 (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | りん化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハ及び発光ダイオード |
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