JP3457498B2 - 高強度pc鋼棒およびその製造方法 - Google Patents
高強度pc鋼棒およびその製造方法Info
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Description
よび建築、橋梁等のプレストレストコンクリート構造物
の補強材として広く使われているPC鋼棒に関わるもの
であり、特にスポット溶接が可能で引張強さが1230
MPa以上であるとともに遅れ破壊特性および一様伸び
に優れた高強度PC鋼棒およびその製造方法に関するも
のである。
レストレストコンクリート構造物の補強材として広く使
われているPC鋼材は、通常、PC鋼線及びPC鋼より
線、PC鋼棒が使われている。PC鋼線は、パテンティ
ング処理をした後、伸線加工することにより製造され
る。一方、PC鋼棒は、例えば特公平5−41684号
公報に記載されているように、C量が0.25〜0.3
5%の中炭素鋼を用いて熱間圧延後、焼入れ・焼戻し処
理をすることによって製造されている。PC鋼線の強度
はPC鋼棒に比べ高いものの、C含有量が高いためにス
ポット溶接ができないという欠点がある。これに対し
て、PC鋼棒のスポット溶接性はPC鋼線に比べ良好で
あるが、「プレストレストコンクリート設計施工規準・
同解説」(日本建築学会編集、丸善)の43〜45頁に
記載されているように、強度が1275MPa(130
kgf/mm2)を超えるような高強度PC鋼棒は、P
C鋼線に比べて遅れ破壊特性が劣っている。また、特公
平5−59967号公報に記載されているように、スポ
ット溶接部は急冷されるためマルテンサイトを主体とし
た組織となり、スポット溶接部で遅れ破壊が発生しやす
くなるという問題点がある。更に、最近では、特開平7
−3396号公報に記載されているように、パイルなど
の用途に対して曲げ靭性を向上させるために一様伸びの
優れたPC鋼棒の開発が要請されている。
の知見として、例えば、特公平5−59967号公報で
は、P、S含有量を低減することが有効であるとしてい
る。確かに、低P、低S化は遅れ破壊に対して有効であ
るが、現行のPC鋼棒のP、S含有量はいずれも既に
0.01%前後となっている。P、S含有量を更に低減
することは可能であるが、製造コストが高くなる欠点が
ある。特公平5−41684号公報では、Si、Mn含
有量を規制するとともに焼入れ処理後、焼戻し工程中で
曲げ加工または引き抜き加工を施すことが提案されてい
る。また、特開平5−7963号公報では、PC鋼棒と
鉄線とのスポット溶接部周辺に樹脂被覆層を設けて遅れ
破壊に対する感受性を低下させることが提案されてい
る。更に、特開平6−212346号公報では、Niな
どの合金元素の添加によって遅れ破壊特性を向上させる
手段が提案されている。しかしながら、いずれの提案
も、大幅な遅れ破壊特性の改善には至っていない。
来の知見として、例えば、特開平7−3396号公報で
は焼戻し温度を500℃以上の高温で行う方法が提案さ
れているが、C量が0.45%以上と高いためにスポッ
ト溶接が出来ないと言う欠点がある。また、特開平8−
158010号公報では、SiおよびAlの多量添加が
一様伸びの向上に対して有効であると述べている。しか
し、Si、Alを多量に添加すると、スポット溶接部の
遅れ破壊特性が低下し、また製造コストも高くなる欠点
がある。
が可能な高強度PC鋼棒において、遅れ破壊特性と一様
伸びの個々の課題は勿論のこと、この両者を抜本的に向
上させた高強度PC鋼棒を製造することに限界があっ
た。
状に鑑みなされたものであって、スポット溶接が可能で
且つ遅れ破壊特性と一様伸びの良好な強度が1230M
Pa以上の高強度のPC鋼棒を実現するとともにその製
造方法を提供することを目的とするものである。
れ・焼戻し処理によって製造した種々の強度レベルのP
C鋼棒を用いて、遅れ破壊挙動を詳細に解析した。遅れ
破壊は鋼材中の水素に起因して発生していることは既に
明らかにされており、そこで、本解析では遅れ破壊特性
について、遅れ破壊が発生しない「限界拡散性水素量」
を求めることにより評価した。この方法は、電解水素チ
ャージにより種々のレベルの拡散性水素量を試料に含有
させた後、遅れ破壊試験中に試料から大気中に水素が抜
けることを防止するためにCdめっきを施し、その後、
大気中で所定の荷重を負荷し、遅れ破壊が発生しなくな
る拡散性水素量を評価するものである。図1に拡散性水
素量と遅れ破壊に至るまでの破断時間の関係について解
析した一例を示す。試料中に含まれる拡散性水素量が少
なくなるほど遅れ破壊に至るまでの時間が長くなり、拡
散性水素量がある値以下では遅れ破壊が発生しなくな
る。この水素量を「限界拡散性水素量」と定義する。限
界拡散性水素量が高いほど鋼材の耐遅れ破壊特性は良好
であり、鋼材の成分、熱処理等の製造条件によって決ま
る鋼材固有の値である。なお、試料中の拡散性水素量は
ガスクロマトグラフで容易に測定することができる。
させる手段、即ち遅れ破壊特性ならびに一様伸びを向上
させるために組織形態の観点から種々検討を重ねた結
果、マルテンサイトもしくは焼戻しマルテンサイトとフ
ェライトからなる層状組織の形成、あるいは炭窒化物が
析出したフェライトとマルテンサイトもしくは焼戻しマ
ルテンサイトの層状組織を形成させれば、1230MP
aを超えるような高強度域でも、限界拡散性水素量が高
く、遅れ破壊特性が大幅に向上すると言う全く新たな知
見を得た。また、このような層状組織に制御することに
より、一様伸びも格段に向上することを見い出した。更
に、マルテンサイトもしくは焼戻しマルテンサイトとフ
ェライトからなる層状組織およびフェライト中に析出し
た炭窒化物と遅れ破壊特性、一様伸びの関係を詳細に解
析し、その最適な製造条件を確立することによって本発
明をなしたものである。
のであって、その要旨とするところは下記の通りであ
る。
の組織が実質的にマルテンサイトとフェライトの層状組
織(PC鋼棒の長手方向に配向したものを除く)からな
り、マルテンサイト間の平均間隔が10μm以下である
ことを特徴とする高強度PC鋼棒。
の組織が実質的に焼戻しマルテンサイトとフェライトの
層状組織(PC鋼棒の長手方向に配向したものを除く)
からなり、マルテンサイト間の平均間隔が10μm以下
であることを特徴する高強度PC鋼棒。
的不純物よりなり、 鋼の組織が実質的に焼戻しマルテン
サイトとフェライトの層状組織からなり、マルテンサイ
ト間の平均間隔が10μm以下であり、フェライト中に
V、Nb、Ti、Taの内の1種または2種以上の炭窒
化物が析出していることを特徴とする高強度PC鋼棒。
的不純物よりなることを特徴とする上記(1)または
(2)記載の高強度PC鋼棒。
的不純物よりなることを特徴とする上記(1)または
(2)記載の高強度PC鋼棒。
的不純物よりなることを特徴とする上記(3)記載の高
強度PC鋼棒。
囲であることを特徴とする上記(1)〜(6)の内のい
ずれかに記載の高強度PC鋼棒。
C1〜AC3の温度範囲に加熱後、20℃/秒以上の冷
却速度で冷却することを特徴とする高強度PC鋼棒の製
造方法。
200〜600℃の温度範囲で焼き戻すことを特徴とす
る高強度PC鋼棒の製造方法。
後、0.3%以上の塑性歪みを付与し、引き続き200
〜600℃の温度範囲で焼き戻すことを特徴とする高強
度PC鋼棒の製造方法。
後、200〜600℃の温度範囲に加熱し0.3%以上
の塑性歪みを付与することを特徴とする高強度PC鋼棒
の製造方法。
(8)〜(11)の内のいずれか一つに記載の高強度P
C鋼棒の製造方法。
(8)〜(11)の内のいずれか一つに記載の高強度P
C鋼棒の製造方法。
(8)〜(11)の内のいずれか一つに記載の高強度P
C鋼棒の製造方法。
て説明する。まず、本発明で目的とする高強度PC鋼棒
の遅れ破壊特性と一様伸びの向上に対して最も重要な点
である組織形態の限定理由について述べる。
ルテンサイトとフェライトの層状組織の走査型電子顕微
鏡写真の一例を図2に示す。図2はマルテンサイトとフ
ェライトの場合であるが、マルテンサイトとフェライト
は微細な層状組織になっていることがわかる。なお、こ
の組織を焼き戻すと焼戻しマルテンサイトとフェライト
の層状組織となる。マルテンサイトもしくは焼戻しマル
テンサイトとフェライトの微細な層状組織に制御するこ
とによって、遅れ破壊特性と一様伸びの両者を同時に向
上させることが可能となる。遅れ破壊特性と一様伸びに
及ぼす組織形態の影響について解析した一例を図3、図
4に示す。マルテンサイトもしくは焼戻しマルテンサイ
トとフェライトの層状組織にすることによって、限界拡
散性水素量が高く、また一様伸びが大幅に向上すること
がわかる。これに対して、従来の焼入れ・焼戻し方法に
よる焼戻しマルテンサイトの単一の組織では、限界拡散
性水素量と一様伸びが低い。高強度で且つ遅れ破壊特性
と一様伸びを大幅に向上させるためには、マルテンサイ
トもしくは焼戻しマルテンサイトとフェライトの層状組
織において、マルテンサイト間もしくは焼戻しマルテン
サイト間の平均間隔は10μm以下が好ましく、より好
ましい条件は5μm以下である。平均間隔は切断法によ
って測定することができる。また、層状組織のマルテン
サイトもしくは焼戻しマルテンサイト中に残留オーステ
ナイトあるいは少量のベイナイト、パーライトが存在し
ていても、一様伸び、遅れ破壊特性に対して何ら差し支
えがない。また、マルテンサイトもしくは焼戻しマルテ
ンサイトの層状組織において、フェライト分率は10〜
70%の範囲が好ましい条件である。これは、フェライ
ト分率が10%未満では、大幅な一様伸びの向上が期待
できず、一方、70%を越えると1230MPa以上の
高強度にすることが困難になるためである。PC鋼棒の
高強度化および遅れ破壊特性と一様伸びの向上を同時に
達成する点で、より好ましいフェライト分率の範囲は、
20〜60%である。
組織において、フェライト中にV、Nb、Ti、Taの
内の1種または2種以上の炭窒化物を析出させると、図
3に示したように遅れ破壊特性が一層向上する。更に、
析出強化によって強度が増加するととともにリラクゼー
ション特性も向上させる効果がある。
理由について述べる。
須の元素であるが、0.2%未満では目的とする高強度
のPC鋼棒が得られず、一方0.4%を越えるとスポッ
ト溶接性が著しく劣化するため、0.2〜0.4%の範
囲に制限した。
させるとともに固溶体硬化作用によって強度を高める作
用がある。3%を超えても添加量に見合う効果が期待で
きず、スポット溶接部の遅れ破壊特性が低下するため、
3%以下の範囲に制限した。好ましい範囲は、0.2〜
2.5%である。
るばかりでなく、焼入性を高めるために有効な元素であ
るが、0.2%未満では上記の効果が得られず、一方
2.0%を越えるとスポット溶接性が悪化するために、
0.2〜2.0%の範囲に制限した。
ことによりオーステナイト粒の粗大化を防止する効果を
有しているが、0.005%未満ではこれらの効果が発
揮されず、0.1%を越えても効果が飽和するため0.
005〜0.1%の範囲に限定した。
あるが、本発明においては、更にこの鋼に (A)Cr:0.05〜2.0% Mo:0.05〜1.0% Ni:0.05〜5.0% Cu:0.05〜1.0% W:0.05〜0.5% B:0.0003〜0.005% の1種または2種以上、あるいは (B)V:0.05〜0.3% Nb:0.005〜0.1% Ti:0.005〜0.05% Ta:0.005〜0.5% の1種または2種以上の(A)、(B)の群の一方また
は両方を含有せしめることができる。(A)群の元素は
主に焼入れ性と遅れ破壊特性を向上させる目的で添加す
るものである。一方、(B)群の元素は、前述したよう
にフェライト中に炭窒化物を析出させ、遅れ破壊特性と
リラクゼーション特性の向上効果、強度の増加、更に結
晶粒を微細化させることを目的に添加するものである。
させるとともに焼戻し処理時の軟化抵抗を増加させるた
めに有効な元素であるが、0.05%未満ではその効果
が十分に発揮できず、一方2.0%を超えるとスポット
溶接性が劣化するために0.05〜2.0%に限定し
た。
破壊特性を向上させ、強い焼戻し軟化抵抗を有し熱処理
後の引張強さを高めるために有効な元素であり、更にリ
ラクゼーション特性を向上させる効果も有しているが、
0.05%未満ではその効果が少なく、一方1.0%を
越えて添加してもその効果が飽和するため、0.05〜
1.0%の範囲に制限した。
るために添加するが、0.05%未満ではその効果が少
なく、一方5.0%を越えても添加量にみあう効果が発
揮できないため、0.05〜5.0%の範囲に制限し
た。
イトの強度を高めるために有効な元素であるが、0.0
5%未満では効果が発揮できず、1.0%を超えると熱
間加工性が劣化するため、0.05〜1.0%に制限し
た。
があり、更に焼入性を著しく高める効果も有している
が、Bが0.0003%未満では前記の効果が発揮され
ず、0.005%を超えても効果が飽和するため0.0
003〜0.005%に制限した。
遅れ破壊特性を向上させるとともに降伏強度の増加、リ
ラクゼーション特性を向上させる効果があるが、0.0
5%未満では前記作用の効果が得られず、一方0.3%
を越えても効果が飽和するため0.05〜0.3%に限
定した。
ることにより、遅れ破壊特性を向上させるとともに降伏
強度の増加とリラクゼーション特性を向上させる効果が
ある。0.005%未満では上記効果が不十分であり、
一方0.1%を越えるとこの効果が飽和するため0.0
05〜0.1%に制限した。
ることにより、遅れ破壊特性を向上させるとともに降伏
強度の増加とリラクゼーション特性の向上に有効な元素
であるが、0.005%未満ではこれらの効果が発揮さ
れず、0.05%を越えても効果が飽和するため0.0
05〜0.05%の範囲に限定した。
ることにより、遅れ破壊特性を向上させるとともに降伏
強度の増加とリラクゼーション特性を向上させる効果が
あるが、0.005%未満では前記の効果が発揮され
ず、0.5%を越えて添加しても効果が飽和するため、
0.005〜0.5%に限定した。
PC鋼棒の遅れ破壊特性を向上させる観点から、それぞ
れ0.015%以下が好ましい範囲である。また、Nは
Al、V、Nb、Tiの窒化物を生成することにより結
晶粒の細粒化、降伏強度の増加、リラクゼーション特性
の向上効果があるため、0.002〜0.015%が好
ましい範囲である。
上記成分の鋼をAc1〜Ac 3の温度範囲に加熱後、20
℃/秒以上の冷却速度で冷却するか、あるいは冷却後に
200〜600℃の温度範囲で焼き戻すか、または冷却
後に0.3%以上の塑性歪みを付与し引き続き200〜
600℃の温度範囲で焼き戻すか、もしくは冷却後に2
00〜600℃の温度範囲に加熱し0.3%以上の塑性
歪みを付与するものである。以下に製造条件の限定理由
を述べる。
領域に加熱するものであり、この際、加熱温度がAc1
未満あるいはAc 3を越えると、最終的にマルテンサイ
トもしくは焼戻しマルテンサイトとフェライトの層状組
織が得られないため、加熱温度範囲をAc1〜Ac 3に限
定した。なお、(Ac1+10)〜(Ac 3−10)℃の
範囲がより好ましい条件である。加熱時間は、加熱方法
によっても異なるため特に限定しないが、2秒以上が好
ましい条件である。これは、2秒未満であると多量のセ
メンタイトが残存する可能性があるためである。また、
マルテンサイトもしくは焼戻しマルテンサイトとフェラ
イトの層状組織の微細化を図る上で、加熱する前の鋼
は、マルテンサイトまたは焼戻しマルテンサイトあるい
はベイナイトもしくはパーライトを主体とした組織に調
整しておくことが望ましく、この際のフェライト分率
は、10%未満であることが好ましい条件である。な
お、加熱前の組織を制御する手段としては、熱間圧延後
の冷却速度の調整、あるいは通常の焼入れ・焼戻し、オ
ーステナイト化処理後の冷却速度の調整などがあり、い
ずれの方法でもかまわない。
と、冷却中に多量のフェライト、パーライト、ベイナイ
トが生成し強度が低下する可能性が高くなるため、冷却
速度の下限を20℃/秒に限定した。冷却中に生成しや
すいフェライト、パーライト、ベイナイトを出来るだけ
防止する観点で、好ましい冷却速度は50℃/秒以上で
ある。なお、冷却の終了温度は、マルテンサイト変態温
度以下(Ms点以下)である。
クゼーション特性を向上させるために行うものである。
特に、V、Nb、Ti、Taを含む鋼では、焼戻し処理
によってフェライト中にこれらの合金元素の炭窒化物が
生成し、リラクゼーション特性以外に遅れ破壊特性も向
上させる。この際、200℃未満では焼戻しの効果が少
なく、一方、600℃を越えると強度が低下し高強度の
PC鋼棒の製造が困難になるため、焼戻し温度範囲を2
00〜600℃に限定した。なお、遅れ破壊特性の向上
の点で、焼戻し時の加熱速度は20℃/秒以上が好まし
い条件である。
以上の塑性歪みを付与し、その後に焼き戻すか、焼戻し
の際に0.3%以上の塑性歪みを付与しても良い。この
目的は、降伏強度の増加とリラクゼーション特性を向上
させるためである。0.3%未満では、上記の効果が少
ないため、下限を0.3%に限定した。なお、塑性歪み
を付与する手段は、引張り歪み、矯直加工による歪みな
ど、いかなる方法でも良い。
する前、加熱・冷却後あるいは焼戻し処理後に線径調
整、異形加工などの目的で軽度の伸線加工あるいは塑性
加工を行っても遅れ破壊特性、一様伸びの顕著な劣化は
なく、なんら制限を受けるものではない。
体的に説明する。
延後の冷却速度の調整あるいはオーステナイト化処理後
の焼入れ、焼戻しによって種々の組織形態にした後、A
c1〜Ac 3の温度範囲に加熱し熱間加工を行い、その
後、冷却した。焼戻しは高周波加熱で行い、塑性歪み
は、引張り試験機を使って付与した。
質、遅れ破壊特性、リラクゼーション特性について評価
した。遅れ破壊特性は、スポット溶接を施した試料を用
いて、前に述べた限界拡散性水素量で評価を行い、負荷
応力は引張強さの80%の条件で実施した。リラクゼー
ション試験は、JIS G 3137の方法で行った。
これらの結果を、表2に示す。
表3の試験No.17〜26は比較例である。同表に見
られるように本発明例はいずれもPC鋼棒の引張強さが
1230MPa以上であるとともに、マルテンサイトも
しくは焼戻しマルテンサイトとフェライトの微細な層状
組織、または焼戻しマルテンサイトと炭窒化物が析出し
たフェライトの微細な層状組織にすることにより、従来
のPC鋼棒に比べ限界拡散性水素量が高く遅れ破壊特性
に優れ、且つ高い一様伸びのPC鋼棒が実現されてい
る。また、リラクゼーションも従来PC鋼棒と同レベル
にある。
8、19は、いずれも従来の製造方法で製造したもので
ある。即ち、通常の焼入れ・焼戻し処理によって製造し
たものであり、組織が焼戻しマルテンサイトの単一組織
の例である。このため、限界拡散性水素量が低くスポッ
ト溶接部の遅れ破壊特性が悪く、また一様伸びも低い。
度が不適切な例である。即ち、No.20は加熱温度が
Ac3を越えているために、オーステナイトの単相にな
り、焼戻しマルテンサイトの単一組織となったために一
様伸びが低く、遅れ破壊特性も改善が出来ていない。ま
た、No.21は加熱温度がAc1以下であるために、
セメンタイトが球状化した高温焼戻しマルテンサイト組
織となり、高強度化が達成出来ていない。
冷却速度が低すぎるために、冷却途中に多量のフェライ
トおよびパーライトが生成し、強度が低下した例であ
る。
鋼の成分が不適切な例である。即ち、No.23はC含
有量が高すぎ、No.25はMn含有量が高く、またN
o.26はSi含有量が高すぎるために、いずれもスポ
ット溶接部に亀裂が発生し、溶接部の遅れ破壊特性が著
しく劣化した例である。No.24はC含有量が低すぎ
るために目的とする強度が達成出来ていない。
明はマルテンサイトもしくは焼戻しマルテンサイトとフ
ェライトの微細な層状組織、または焼戻しマルテンサイ
トと炭窒化物が析出したフェライトの微細な層状組織に
することにより、スポット溶接が可能な高強度PC鋼棒
の遅れ破壊特性と一様伸びを大幅に向上させることを可
能にするとともに、鋼の化学成分、熱処理条件等を最適
に選択することによって、その製造方法を確立したもの
であり、産業上の効果は極めて顕著なものがある。
す図である。
を示す金属組織の走査型電子顕微鏡写真である。
例を示す図である。
示す図である。
Claims (14)
- 【請求項1】 質量%で、 C:0.2〜0.4%、 Si:3.0%以下、 Mn:0.2〜2.0%、 Al:0.005〜0.1% を含有し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、 鋼
の組織が実質的にマルテンサイトとフェライトの層状組
織(PC鋼棒の長手方向に配向したものを除く)からな
り、マルテンサイト間の平均間隔が10μm以下である
ことを特徴とする高強度PC鋼棒。 - 【請求項2】 質量%で、 C:0.2〜0.4%、 Si:3.0%以下、 Mn:0.2〜2.0%、 Al:0.005〜0.1% を含有し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、鋼
の組織が実質的に焼戻しマルテンサイトとフェライトの
層状組織(PC鋼棒の長手方向に配向したものを除く)
からなり、焼戻しマルテンサイト間の平均間隔が10μ
m以下であることを特徴する高強度PC鋼棒。 - 【請求項3】 質量%で、 C:0.2〜0.4%、 Si:3.0%以下、 Mn:0.2〜2.0%、 Al:0.005〜0.1% を含有し、更に V:0.05〜0.3%、 Nb:0.005〜0.1%、 Ti:0.005〜0.05%、 Ta:0.005〜0.5% の1種または2種以上を含有し、残部がFe及び不可避
的不純物よりなり、 鋼の組織が実質的に焼戻しマルテン
サイトとフェライトの層状組織からなり、焼戻しマルテ
ンサイト間の平均間隔が10μm以下であり、フェライ
ト中にV、Nb、Ti、Taの内の1種または2種以上
の炭窒化物が析出していることを特徴とする高強度PC
鋼棒。 - 【請求項4】 更に Cr:0.05〜2.0%、 Mo:0.05〜1.0%、 Ni:0.05〜5.0%、 Cu:0.05〜1.0%、 W:0.05〜0.5%、 B:0.0003〜0.005% の1種または2種以上を含有し、残部がFe及び不可避
的不純物よりなることを特徴とする請求項1または2記
載の高強度PC鋼棒。 - 【請求項5】 質量%で、更に V:0.05〜0.3%、 Nb:0.005〜0.1%、 Ti:0.005〜0.05%、 Ta:0.005〜0.5% の1種または2種以上を含有し、残部がFe及び不可避
的不純物よりなることを特徴とする請求項1または2記
載の高強度PC鋼棒。 - 【請求項6】 質量%で、更に Cr:0.05〜2.0%、 Mo:0.05〜1.0%、 Ni:0.05〜5.0%、 Cu:0.05〜1.0%、 W:0.05〜0.5%、 B:0.0003〜0.005% の1種または2種以上を含有し、残部がFe及び不可避
的不純物よりなることを特徴とする請求項3記載の高強
度PC鋼棒。 - 【請求項7】 フェライト分率が10〜70%の範囲で
あることを特徴する請求項1〜5の内のいずれかに記載
の高強度PC鋼棒。 - 【請求項8】 質量%で、 C:0.2〜0.4%、 Si:3.0%以下、 Mn:0.2〜2.0%、 Al:0.005〜0.1% を含有し残部がFe及び不可避的不純物よりなる鋼をA
C1〜AC3の温度範囲に加熱後、20℃/秒以上の冷
却速度で冷却することを特徴とする高強度PC鋼棒の製
造方法。 - 【請求項9】 請求項8記載の製造方法の後、200〜
600℃の温度範囲で焼き戻すことを特徴とする高強度
PC鋼棒の製造方法。 - 【請求項10】 請求項8記載の製造方法の後、0.3
%以上の塑性歪みを付与し、引き続き200〜600℃
の温度範囲で焼き戻すことを特徴とする高強度PC鋼棒
の製造方法。 - 【請求項11】 請求項8記載の製造方法の後、200
〜600℃の温度範囲に加熱し0.3%以上の塑性歪み
を付与することを特徴とする高強度PC鋼棒の製造方
法。 - 【請求項12】 質量%で、 Cr:0.05〜2.0%、 Mo:0.05〜1.0%、 Ni:0.05〜5.0%、 Cu:0.05〜1.0%、 W:0.05〜0.5%、 B:0.0003〜0.005% の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求
項8,9、10および11の内のいずれかに記載の高強
度PC鋼棒の製造方法。 - 【請求項13】 質量%で、 V:0.05〜0.3%、 Nb:0.005〜0.1%、 Ti:0.005〜0.05%、 Ta:0.005〜0.5% の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求
項8,9、10および11の内のいずれかに記載の高強
度PC鋼棒の製造方法。 - 【請求項14】 質量%で、 Cr:0.05〜2.0%、 Mo:0.05〜1.0%、 Ni:0.05〜5.0%、 Cu:0.05〜1.0%、 W:0.05〜0.5%、 B:0.0003〜0.005% の1種または2種以上を含有し、更に V:0.05〜0.3%、 Nb:0.005〜0.1%、 Ti:0.005〜0.05%、 Ta:0.005〜0.5% の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求
項8,9、10および11の内のいずれかに記載の高強
度PC鋼棒の製造方法。
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