JP3246210B2 - 高強度高靭性溶融めっき鋼線およびその製造方法 - Google Patents
高強度高靭性溶融めっき鋼線およびその製造方法Info
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Description
鋼撚線、バネ用鋼線、吊り橋用ケーブル等に有用な耐食
性に優れた高強度高靭性溶融めっき鋼線の製造方法に関
するものである。
ーブル等の高強度線材を製造する場合、ある程度の線径
を有する高炭素鋼線材にパテンティング処理を行い、さ
らに所定の線径まで伸線加工して、その後耐食性を付与
するための溶融Znめっきが施されるのが一般的であ
る。しかしながらこの方法では、伸線加工後に400℃
以上の高温での溶融めっき処理を行うため、せっかく伸
線加工によって向上した線材の強度が、再び低下してし
まうという問題があった。また伸線の度合いを増大させ
て強度を高めれば高めるほど、めっき処理による強度低
下が大きくなるため、結局この方法ではめっき鋼線の高
強度化が困難であった。
せて強度向上を図ることが、安価で効果も大きいことか
ら、工業的に望ましい方法として検討されている。しか
し、C含有量が0.9%以上の過共析領域では、パテン
ティング時にオーステナイト粒界に沿って脆い初析セメ
ンタイトがネットワーク状に生成するため、伸線加工時
に初析セメンタイトの割れを起点とする断線が発生し、
伸線加工性が劣化するという問題が新たに生じた。
線強度を高め伸線後の鋼線強度も向上させる効果と、鋼
線の焼入性を向上させて初析セメンタイトの析出を押さ
える効果を持つ元素である。また、これらの効果だけで
なく、めっき処理による強度低下を抑制する効果も有し
ており溶融めっき鋼線の高強度化には非常に有効な元素
であるが、過剰な添加が鋼線の靭延性を低下させること
も知られている。
融めっきした後、加工や熱を加えることによって、高強
度高靭性を有する鋼線を得ようとする提案がいくつかな
されている。例えば、特開平4−246125号では溶
融Zn−Alめっきを施した後に矯正加工およびブルー
イング処理を施す方法が開示されている。また、特開平
4−236756号、特開平4−236742号には、
溶融Zn−Alめっきを施した後に伸線加工および加熱
処理を施す方法が開示されている。しかし、吊橋用めっ
き鋼線のようにめっき後の鋼線の加工ができない品種の
場合は、これらの従来技術を応用することはできない。
ることによって、捻回時の縦割れが抑制できることが知
られており、例えば、特公平3−66386号には表面
の圧縮残留応力を特定範囲に制御した鋼線が開示されて
いる。しかし、この様に残留応力を制御しても、溶融め
っき工程を通過する鋼線の場合、線温が上昇してしまう
ため残留応力の効果はほとんど得られない。
程を通過しても、良好な捻回時の縦割れ特性と回転曲げ
疲労特性を有する高強度高靭性溶融めっき鋼線とその製
造方法を提供することを目的とする。
明の高強度高靭性溶融めっき鋼線は、 C:0.7〜1.2% Si:0.5〜2.0% Mn:0.2〜1.0% Al:0.02〜0.07% N:0.0030〜0.0150%を含有し、残部Fe
および不可避不純物からなる高炭素鋼線に溶融めっきを
施しためっき鋼線であって、めっき層と基材の界面から
中心へ向かって50μmまでの基材表層部の平均ビッカ
ース硬さHvと、めっき鋼線の引張強度TS(kgf/mm2)
の比:Hv/TSが2以下であるところに要旨を有す
る。
0.05〜0.5%、Cr:0.05〜1.0%、N
i:0.05〜1.0%、Co:0.05〜1.0%、
W:0.05〜1.0%の1種以上や、V:0.05〜
0.5%、Nb:0.01〜0.2%、Ti:0.01
〜0.2%、B:0.0005〜0.0050%の1種
以上を含有していてもよい。
基材の界面から中心へ向かって50μmまでの基材表層
部の平均ビッカース硬さHvと、めっき鋼線の引張強度
TS(kgf/mm2)の比:Hv/TSを2以下にするため
に、上記高炭素鋼線に、熱間圧延後直接パテンティング
処理を行うかもしくは再オーステナイト化後にパテンテ
ィング処理を行って微細パーライトを主要組織とする鋼
線とした後に冷間伸線を行い、この冷間伸線後の鋼線の
表面のみに焼戻し処理を施し、次いで溶融ZnまたはZ
n−Alめっきを施す方法が推奨される。このときの、
焼戻し処理手段が、高周波加熱法またはレーザー加熱法
であることは本発明法の好ましい実施態様である。
かって50μmまでの基材表層部の平均ビッカース硬さ
Hvと、めっき鋼線の引張強度TS(kgf/mm2)の比:H
v/TSを2以下にするために、焼戻しではなく、冷間
伸線前の鋼線に脱炭処理を行う方法を採用することも本
発明法の好ましい実施態様である。
由を説明する。 C:0.7〜1.2% Cは、鋼線の強度を上げるために有効な元素であり、経
済的でもある。C含有量が0.7%より少ないと、鋼線
の強度向上効果を発揮するには不充分である。しかし、
C量が1.2%を超えると鋼線の延性の低下が顕著とな
る。
溶体の強度を顕著に高める効果がある。さらに、フェラ
イト中のSiは、伸線後に行われる溶融めっき時の強度
低下を低減させる効果がある。これらの効果は鋼線中に
Siが含まれていれば認められるが、より顕著に発現す
るのはSiが0.5%以上のときである。しかし、Si
を過剰に添加すると、伸線後の鋼線の延性が低下するの
で、Si量の上限は2.0%とした。
て鋼線の断面内の組織の均一性を高める効果を有する。
しかし、Mnを過剰に添加するとMnの偏析部にマルテ
ンサイト、ベイナイト等の過冷組織が生成して伸線加工
性が低下するため、含有量の上限は1.0%とした。
テナイト粒度の粗大化防止に有効である。しかし、添加
量が0.02%より少ないとこの効果の発現が不充分で
あり、過剰に添加すると窒化物量が増加し過ぎて伸線性
を悪化させるため0.07%を超えて添加してはならな
い。
イト粒度の粗大化防止に有効である。添加量が0.00
30%より少ないとこの効果が充分発現されない。また
0.0150%を超えて添加すると、Alの窒化物が増
加し過ぎて伸線性に悪影響を及ぼすだけでなく、固溶N
が伸線中の時効を促進することがあるため上限を0.0
150%とした。
し、残部Feおよび不可避不純物からなるものである
が、次に挙げる化学成分、すなわち、Cu、Cr、N
i、CoおよびWよりなる群から選択される1種以上、
あるいはさらに、V、NbおよびTiよりなる群から選
択される1種以上の化学成分を積極的に添加した鋼種に
おいても本発明法を好適に用いることができる。
が、0.05%より少ない添加量では効果が小さ過ぎ
る。しかし過剰に添加すると、強度向上効果が飽和する
だけでなく、粒界脆化を招くため、熱間圧延時に鋳塊表
面がひび割れてしまうことがあるので上限を0.5%と
した。
は、Crによってパーライトにおけるラメラ間隔が微細
化することによる。この効果が認められるのは0.05
%以上の添加量のときであるが、1.0%を超えて添加
すると変態終了時間が長くなり過ぎるため、生産性の点
から好ましくない。
の靭性を高める効果を有する。この効果が認められるの
は0.05%以上の添加量のときであるが、1.0%を
超えて添加すると変態終了時間が長くなり過ぎるため、
生産性の点から好ましくない。
出を抑制する。しかし1.0%を超えて添加してもその
効果は飽和し、不経済であるため上限を1.0%とし
た。
用を有する。しかし1.0%を超えて添加しても、その
効果は飽和し、逆に延靭性の低下を引き起こすため上限
を1.0%とした。
〜0.2%、Ti:0.01〜0.2%、B:0.00
05〜0.0050% これらの元素は、鋼線中で微細な炭窒化物を形成し、析
出硬化によって鋼線の強度を向上させると共に、加熱時
のオーステナイト粒度の粗大化防止に役立つ。上記下限
値より少ない添加量ではこの効果は認められない。一
方、上限値を超えて添加すると、炭窒化物量が増大し過
ぎ、炭窒化物自体の粒子径も大きくなり過ぎるため延性
が悪くなる。
するものであるが、本発明において最もポイントとなる
必須構成要件は、溶融めっき鋼線のめっき層と基材の界
面から中心へ向かって50μmまでの基材表層部の平均
ビッカース硬さHvと、めっき鋼線の引張強度TS(kg
f/mm2)の比:Hv/TSが2以下であるという点であ
る。本発明者等が一般的な鋼線の上記比Hv/TSを検
討したところ、2.8〜2.9であった。従って、強度
TSが大きくなるとHvも大きくなっていることがわか
る。しかし、鋼線の強度が高くなると延性が悪化するた
め、捻回時の縦割れ性も劣ったものとなってしまう。こ
の点について本発明者等が検討した結果、鋼線の表面層
のみを軟化すれば高強度でしかも捻回時の縦割れの発生
がない鋼線が得られることを見出したものである。
は、めっき層と金属基材の界面から中心へ向かって50
μmまでの部分である。すなわち、めっき前の鋼線にお
いては鋼線表面から深さ50μmまでの部分である。こ
の表面層のみを後述の焼入れまたは脱炭によって軟化さ
せる(軟化後の表面層を表面軟化層ということがある)
ことによって、捻回時の縦割れを可及的に抑制すること
ができる。図1には、表面軟化層の深さ(めっき層と金
属基材の界面から中心へ向かって測定される層の深さ)
を変化させた時のめっき鋼線の回転曲げ疲労試験で測定
された疲労限(繰り返し回数1000万回で破断しない
応力)を示した。図1から明らかな様に表面軟化層が5
0μmを超えると疲労限が低下していくので、本発明で
は軟化させるべき表面層を鋼線表面から50μmまでと
規定した。
の平均ビッカース硬さで規定する。表面層の平均ビッカ
ース硬さHvは、コード法で測定される値を採用した。
コード法とは、R.H.Gassner, Metal Progress, March,
59(1978)に示された方法である。具体的には、図2に示
す様に、鋼線を表層から中心へ向かって斜めに研磨し、
研磨面端部からΔの点でビッカース硬さを測定する。研
磨面長さをC、鋼線の半径をrとすれば測定点の深さd
はd=r−{r2 −Δ・(C−Δ)}1/2 で与えられ
る。本発明では表面層のHvを、めっき層と金属基材の
界面から鋼線中心方向へ向かって深さ10、20、3
0、40、50μmのそれぞれの部分について測定した
Hvの平均値と定めた。コード法は、鋼線表面近傍の硬
さを比較的大きな荷重で測定できるため、誤差は従来法
に比べ非常に小さくなる。
き鋼線の引張強度TSと表面軟化層の平均ビッカース硬
さHvの関係を示した。捻回試験の破面状態で正常なも
のを白丸、異常破面を黒丸としてプロットしている。点
線はHv/TS=2の直線である。図3からも明らかな
様に、同じTSを示すめっき鋼線であっても、Hv/T
Sが2を超えるめっき鋼線はすべて異常破面である。表
面軟化層のHvが捻回時の破面状態に大きな影響を及ぼ
すことがわかる。従って本発明では、Hv/TSが2以
下であることを必須要件とした。
法を説明する。本発明のめっき鋼線は、前記化学成分の
高炭素鋼線を、熱間圧延→直接もしくは再オーステナイ
ト化後にパテンティング→冷間伸線→溶融ZnまたはZ
n−Alめっきという工程を通して高強度高靭性溶融め
っき鋼線とするものである。本発明では上述の様に鋼線
の表面層を軟化させる必要があるので、上記工程中、冷
間伸線前または後に鋼線表面層のみを焼戻す方法、また
は冷間伸線前の鋼線表面層の脱炭を行う方法を採用する
ことが推奨される。鋼線の表面層を焼き戻すための好ま
しい方法としては、高周波加熱またはレーザー加熱が挙
げられる。
ィング処理時に同時に行うことが製造効率的に好まし
い。パテンティングのときの加熱時間を長めに設定する
ことによって脱炭が可能である。なお、焼戻しと脱炭の
両方を行って表面層の軟化を行ってもよい。
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。
をそれぞれ重量%で示した。表1に示した鋼を、まず溶
融めっき後の最終線径3mmのものは7.5mmに、最
終線径5mmのものは12mmに、最終線径7mmにす
る場合は14mmに熱間圧延し、その線径のまま鉛パテ
ンティング処理(再加熱:950℃×5分、恒温変態:
540℃×4分)を行った。パテンティング時に脱炭を
行う場合(表4)は、再加熱の時間を10分とした。
℃以下に保持したままで目標線径に伸線した。続く直線
加工の後に、表2に示した実験では、出力一定の高周波
加熱炉内に鋼線を通した。このとき、線速を変えながら
表面軟化層の深さ(厚み)と硬さを変化させている。焼
戻しの後は、溶融Znめっきを施した。表3には、出力
一定のCO2 レーザーで線速を変えながら表面層軟化処
理を行い、溶融Znめっきを施した鋼線についての結果
を示した。表4には、パテンティング時に脱炭を行った
溶融Znめっき鋼線の特性結果を示した。
は以下の通りである。 〔表面層の平均ビッカース硬さHv:平均硬さHvと省
略する〕コード法で測定される値を採用し、めっき層と
金属基材の界面から鋼線中心方向へ向かって10、2
0、30、40、50μmのそれぞれの部分について測
定したビッカース硬さHvの平均値。 〔捻回時の異常破面率〕10本のサンプルを捻回試験に
供し、異常破面が発生する比率をパーセントで示した。 〔回転曲げ疲労特性〕繰り返し回数1000万回で破断
しない応力(疲労限)が40kgf/mm2以上のもの
を「良好」とした。 〔判定〕めっき鋼線の引張強度が200kgf/mm2以上で、異
常破面率が0%、かつ回転曲げ疲労特性が良好なものを
○として、いずれかひとつでも満足しないものを×とし
た。
験No. 1〜28は、高周波加熱で表面層を軟化させた実
験例である。No. 1はCの少ない鋼種Aを用いているた
め、引張強度が低かった。No. 2、3および7、8は本
発明例であり、強度、捻回時の特性、回転疲労特性のい
ずれにも優れていた。No. 4は、表面軟化層は25μm
と本発明規定範囲内であるが、軟化が不充分でHv/T
Sが2を超えたため、捻回時の縦割れ発生率が100%
と非常に劣っている。No. 5は表面軟化処理を施してい
ないため、やはり異常破面率が高い。No. 6、10は、
軟化させた表面層が50μmをこえているので回転曲げ
特性が劣ったものとなった。No. 7、8はBを用いてい
るが、めっき後の伸線工程での減面率が低いため強度が
低く、No. 9は軟化が不充分でHv/TSが2を超えた
ため捻回試験時の異常破面率が多い。
れを用いたNo. 11では初析セメンタイトが多く析出し
て伸線性が低下し、冷間伸線時に断線した。No. 12は
Siが多過ぎる鋼種Eを用いているので延性が低下し、
やはり断線が多発した。また、No. 13はMnの少ない
鋼種Fを用いたため伸線可能であったが、鋼線の強度が
不充分である。鋼種GはMnが多いので過冷組織の存在
のために伸線性が悪く(No. 14)、鋼種IはAlが多
いため窒化物が多く生成し伸線不能であった(No. 1
6)。また、Alの少ない鋼種Hを用いたNo. 15は、
結晶粒径が粗大化したため、伸線性に劣るものとなっ
た。
発明鋼を用いて、本発明の規定範囲の表面軟化層を有し
Hv/TSを満足するものであるため、引張強度、捻回
時の特性、回転曲げ疲労特性のいずれにも優れためっき
鋼線が得られている。No. 19は表面層の軟化度合いが
不充分であるため、Hv/TSが2を超えてしまった。
No. 18はCrが上限値を超える鋼種Lを用いているの
で、変態時間が長時間となり、今回のパテンティング条
件では時間内に変態が終了しなかったことによって、過
冷組織が存在し断線が多発したものである。No. 28
は、Nが上限値を超える鋼種Tを用いたため、伸線中の
時効硬化作用が強過ぎて断線してしまった。
ザー加熱によってめっき前の鋼線の表面層を焼戻しした
実験例である。表3においても表2の高周波加熱の場合
と同様に、本発明の規定範囲の表面軟化層を有しHv/
TSを満足する実験例のもの(本発明例)は、引張強
度、捻回時の特性、回転曲げ疲労特性のいずれにも優れ
ためっき鋼線が得られている。また表4には、パテンテ
ィング時に脱炭させて鋼線表面層の軟化を行った実験例
を示した。この例においても、本発明の効果が明らか
で、表面軟化層が大き過ぎる実験No. 43では回転曲げ
疲労特性が悪く、また表面軟化層の軟化が不充分でHv
/TSが2を超えている実験No. 42、45、47は捻
回時の異常破面率が高いものであった。
捻回時の縦割れを抑制するためには、めっき前の鋼線の
表面層50μmを焼戻しまたは脱炭によって軟化させる
ことが効果的であることを知見したので、高強度高靭性
であり、かつ捻回時の縦割れの発生がなく、しかも回転
曲げ疲労特性にも優れた溶融めっき鋼線とその製造方法
を提供することができた。本発明の方法はPC鋼線、亜
鉛メッキ鋼線、バネ用鋼線、吊り橋用ケーブル、ACS
R(送電線ケーブルの補強用素線)用めっき鋼線等の高
強度化が必要な鋼線用途にも非常に有用である。
影響を示すグラフである。
する鋼線側面図および断面図である。
ビッカース硬さHvの関係を示すグラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】C:0.7〜1.2%(重量%、以下同
じ) Si:0.5〜2.0% Mn:0.2〜1.0% Al:0.02〜0.07% N:0.003〜0.015%を含有し、残部Feおよ
び不可避不純物からなる高炭素鋼線に溶融めっきを施し
ためっき鋼線であって、めっき層と基材の界面から中心
へ向かって50μmまでの基材表層部の平均ビッカース
硬さHvと、めっき鋼線の引張強度TS(kgf/mm2) の
比:Hv/TSが2以下であることを特徴とする高強度
高靭性溶融めっき鋼線。 - 【請求項2】C:0.7〜1.2% Si:0.5〜2.0% Mn:0.2〜1.0% Al:0.02〜0.07% N:0.003〜0.015%を含有し、さらに、 Cu:0.05〜0.5% Cr:0.05〜1.0% Ni:0.05〜1.0% Co:0.05〜1.0% W:0.05〜1.0%の1種以上を含有し、残部Fe
および不可避不純物からなる高炭素鋼線に溶融めっきを
施しためっき鋼線であって、めっき層と基材の界面から
中心へ向かって50μmまでの基材表層部の平均ビッカ
ース硬さHvと、めっき鋼線の引張強度TS(kgf/mm2)
の比:Hv/TSが2以下であることを特徴とする高強
度高靭性溶融めっき鋼線。 - 【請求項3】C:0.7〜1.2% Si:0.5〜2.0% Mn:0.2〜1.0% Al:0.02〜0.07% N:0.0030〜0.0150%を含有し、さらに、 Cu:0.05〜0.5% Cr:0.05〜1.0% Ni:0.05〜1.0% Co:0.05〜1.0% W:0.05〜1.0%の1種以上と、 V:0.05〜0.5% Nb:0.01〜0.2% Ti:0.01〜0.2% B:0.0005〜0.0050%の1種以上を含有
し、残部Feおよび不可避不純物からなる高炭素鋼線に
溶融めっきを施しためっき鋼線であって、めっき層と基
材の界面から中心へ向かって50μmまでの基材表層部
の平均ビッカース硬さHvと、めっき鋼線の引張強度T
S(kgf/mm2)の比:Hv/TSが2以下であることを特
徴とする高強度高靭性溶融めっき鋼線。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の高炭素
鋼線に、熱間圧延後直接パテンティング処理を行うかも
しくは再オーステナイト化後にパテンティング処理を行
って微細パーライトを主要組織とする鋼線とした後に冷
間伸線を行い、この冷間伸線後の鋼線の表面のみに焼戻
し処理を施し、次いで溶融ZnまたはZn−Alめっき
を施すことによって、該めっき層と基材金属の界面から
中心へ向かって50μm以下の鋼線表層部の平均ビッカ
ース硬さHvと、めっき鋼線の引張強度TS(kgf/mm2)
の比:Hv/TSを2以下にすることを特徴とする高強
度高靭性溶融めっき鋼線の製造方法。 - 【請求項5】 高周波加熱法によって前記鋼線の表面の
みに焼戻し処理を施すものである請求項4に記載の製造
方法。 - 【請求項6】 レーザー加熱法によって前記鋼線の表面
のみに焼戻し処理を施すものである請求項4に記載の製
造方法。 - 【請求項7】 請求項1〜3のいずれかに記載の高炭素
鋼線に、熱間圧延後直接パテンティング処理を行うかも
しくは再オーステナイト化後にパテンティング処理を行
って微細パーライトを主要組織とする鋼線とし、この鋼
線の表面のみに脱炭処理を施してから冷間伸線を行い、
次いで溶融ZnまたはZn−Alめっきを施すことによ
って、該めっき層と基材金属の界面から中心へ向かって
50μm以下の鋼線表層部の平均ビッカース硬さHv
と、めっき鋼線の引張強度TS(kgf/mm2)の比:Hv/
TSを2以下にすることを特徴とする高強度高靭性溶融
めっき鋼線の製造方法。
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