JPH0790495A - 高強度鋼線及びその製造方法 - Google Patents
高強度鋼線及びその製造方法Info
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- JPH0790495A JPH0790495A JP25914793A JP25914793A JPH0790495A JP H0790495 A JPH0790495 A JP H0790495A JP 25914793 A JP25914793 A JP 25914793A JP 25914793 A JP25914793 A JP 25914793A JP H0790495 A JPH0790495 A JP H0790495A
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Landscapes
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- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 加工度が小さくても高強度化が図れる線材の
製造方法を提供する。 【構成】 重量%でC:0.7〜1.0、Si:1.0
以下、Mn:0.7以下、Cr:0.5以下と、V及び
Nbの少なくとも一方を0.02〜1.0含有し、残部
が鉄及び不可避的不純物からなる線材に以下の処理を施
す。 線材を950〜1200℃で保持する。 その後650〜500℃まで急冷して5秒以上5分以
下保持する。 室温まで冷却した後減面率60から98%の線引加工
を施す。 さらに300〜500℃に加熱して二次硬化させる。
製造方法を提供する。 【構成】 重量%でC:0.7〜1.0、Si:1.0
以下、Mn:0.7以下、Cr:0.5以下と、V及び
Nbの少なくとも一方を0.02〜1.0含有し、残部
が鉄及び不可避的不純物からなる線材に以下の処理を施
す。 線材を950〜1200℃で保持する。 その後650〜500℃まで急冷して5秒以上5分以
下保持する。 室温まで冷却した後減面率60から98%の線引加工
を施す。 さらに300〜500℃に加熱して二次硬化させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はPC鋼線,亜鉛めっき
線,ばね用鋼線等に用いられる高強度鋼線とその製造方
法に関するものである。
線,ばね用鋼線等に用いられる高強度鋼線とその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高強度鋼線の強度化技術としては
次のようなものがある。 (1) パーライト鋼 C量を高くして高強度のFe3 C(セメンタイト)の
量を増やす方法(特開平5-171276号、同156370号公報)
や、セメンタイトとフェライトの間隔を狭くして強化す
る方法。 Nb,Vを添加してγ粒径を小さくすることで強化を
図る方法(特開平5-171268号、特開昭63-179017 号公
報)。
次のようなものがある。 (1) パーライト鋼 C量を高くして高強度のFe3 C(セメンタイト)の
量を増やす方法(特開平5-171276号、同156370号公報)
や、セメンタイトとフェライトの間隔を狭くして強化す
る方法。 Nb,Vを添加してγ粒径を小さくすることで強化を
図る方法(特開平5-171268号、特開昭63-179017 号公
報)。
【0003】(2) マルテンサイト鋼 一般にマルテンサイト鋼を焼戻してNbやVを析出さ
せ、2次硬化により強化する方法。
せ、2次硬化により強化する方法。
【0004】(3) 加工硬化 パーライト鋼に代表される比較的加工性の良好な鋼材料
をベースに線引加工に伴う加工硬化により強度化を図る
ことが知られている。この場合、一般には加工度が高い
ほど強度は向上するが、加工限界(それ以上加工すると
断線などが起こる加工度)等により強度が決まる。 その一方で不純物を低減した低炭素鋼に特殊熱処理を
施すことによって加工度が非常に大きくとれる(99.
99%)複合化組織を得て、引張強度500kgf/mm2 と
いった鋼線を得る方法もある(日本金属学会会報,第28
巻,第4号,1989) 。
をベースに線引加工に伴う加工硬化により強度化を図る
ことが知られている。この場合、一般には加工度が高い
ほど強度は向上するが、加工限界(それ以上加工すると
断線などが起こる加工度)等により強度が決まる。 その一方で不純物を低減した低炭素鋼に特殊熱処理を
施すことによって加工度が非常に大きくとれる(99.
99%)複合化組織を得て、引張強度500kgf/mm2 と
いった鋼線を得る方法もある(日本金属学会会報,第28
巻,第4号,1989) 。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように高強度化に
関する技術が種々提案されているが、先ずの材料は伸
線加工に伴う加工硬化で350kgf/mm2 といった高強度
化ができるものの、これだけの加工を行う素材を得る熱
処理条件はC量が高いほど困難になり、量産では製造条
件が狭くなる。又、セメンタイトとフェライトの2相の
加工硬化による強度化を図るため加工度をある程度大き
くする必要があるが、加工度が大きすぎると靱性が低下
するという問題もある。
関する技術が種々提案されているが、先ずの材料は伸
線加工に伴う加工硬化で350kgf/mm2 といった高強度
化ができるものの、これだけの加工を行う素材を得る熱
処理条件はC量が高いほど困難になり、量産では製造条
件が狭くなる。又、セメンタイトとフェライトの2相の
加工硬化による強度化を図るため加工度をある程度大き
くする必要があるが、加工度が大きすぎると靱性が低下
するという問題もある。
【0006】次にの材料は高強度化が図れるものの無
添加材に対する強度の向上程度が小さい。又、の材料
は疲労特性に優れるものの引張強度が低いものしか得ら
れず、さらにの技術は加工度が非常に大きく製造コス
トが高くなり過ぎるといった問題があった。このような
事情に鑑み、本発明は加工度が小さくても高強度化が図
れ、かつ実用的強度を有する線材を得ることを目的とす
る。
添加材に対する強度の向上程度が小さい。又、の材料
は疲労特性に優れるものの引張強度が低いものしか得ら
れず、さらにの技術は加工度が非常に大きく製造コス
トが高くなり過ぎるといった問題があった。このような
事情に鑑み、本発明は加工度が小さくても高強度化が図
れ、かつ実用的強度を有する線材を得ることを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明線材は、重量%でC:0.7〜1.0、Si:
1.0以下、Mn:0.7以下、Cr:0.5以下と、
V及びNbの少なくとも一方を0.02〜1.0含有
し、残部が鉄及び不可避的不純物からなるパーライト組
織の鋼線であって、フェライト中にV若しくはNbの炭
化物が体積%で0.05〜1.0析出し、この炭化物の
大きさが0.1μm以下であることを特徴とする。
に本発明線材は、重量%でC:0.7〜1.0、Si:
1.0以下、Mn:0.7以下、Cr:0.5以下と、
V及びNbの少なくとも一方を0.02〜1.0含有
し、残部が鉄及び不可避的不純物からなるパーライト組
織の鋼線であって、フェライト中にV若しくはNbの炭
化物が体積%で0.05〜1.0析出し、この炭化物の
大きさが0.1μm以下であることを特徴とする。
【0008】又、その製造方法の特徴は前記組成の線材
に次の処理を施すことにある。 線材を950〜1200℃で保持する その後650〜500℃まで急冷して5秒以上5分以
下保持する 室温まで冷却した後減面率60から98%の線引加工
を施す さらに300〜500℃に加熱して2次硬化させる
に次の処理を施すことにある。 線材を950〜1200℃で保持する その後650〜500℃まで急冷して5秒以上5分以
下保持する 室温まで冷却した後減面率60から98%の線引加工
を施す さらに300〜500℃に加熱して2次硬化させる
【0009】
【作用】上記構成の限定理由を述べる。 [高強度線材] (1) 成分 C:0.7未満では強度が不足し、1.0を越えると靱
性が不足するからである。 Si:1.0以下で固溶強化が図れるからである。1.
0を越えると靱性が不足する。 Mn:0.7を越えると偏析に伴う組織異常から靱性及
び強度が低下するため、0.7以下として焼入れ性を確
保した。 Cr:0.5以下とすることで組織の微細化が図れ強度
が向上するからである。0.5を越えると靱性が低下す
る。 V,Nb:0.02未満では強度向上効果が小さく(強
度は向上するが2次硬化が少ない)、逆に1.0を越え
ても強度向上効果が小さい。0.02〜1.0の範囲と
することで十分2次硬化できる。
性が不足するからである。 Si:1.0以下で固溶強化が図れるからである。1.
0を越えると靱性が不足する。 Mn:0.7を越えると偏析に伴う組織異常から靱性及
び強度が低下するため、0.7以下として焼入れ性を確
保した。 Cr:0.5以下とすることで組織の微細化が図れ強度
が向上するからである。0.5を越えると靱性が低下す
る。 V,Nb:0.02未満では強度向上効果が小さく(強
度は向上するが2次硬化が少ない)、逆に1.0を越え
ても強度向上効果が小さい。0.02〜1.0の範囲と
することで十分2次硬化できる。
【0010】(2) フェライト中にV,Nbの炭化物が体
積%で0.05〜1.0析出し、この炭化物の大きさが
0.1μm以下であること セメンタイト中に析出しても強度向上効果が小さくこの
ような条件が必要となる。0.05%未満では強度向上
効果が少なく、逆に1.0%を越えると強度は向上する
が靱性が低下する。又、この炭化物の大きさが0.1μ
m未満では加工性を阻害する。
積%で0.05〜1.0析出し、この炭化物の大きさが
0.1μm以下であること セメンタイト中に析出しても強度向上効果が小さくこの
ような条件が必要となる。0.05%未満では強度向上
効果が少なく、逆に1.0%を越えると強度は向上する
が靱性が低下する。又、この炭化物の大きさが0.1μ
m未満では加工性を阻害する。
【0011】[製造方法] (1) 線材を950〜1200℃で保持 この加熱により炭化物を全てオーステナイト中に溶け込
ませる。950℃未満では固溶不足で、1200℃を越
えるとγ粒が粗大化し強度が低下する。 (2) 650〜500℃まで急冷して5秒以上5分以下保
持 フェライト中へNb,Vの炭化物を極力少なくし加工性
の良好なパーライト組織を得るためである。650℃を
越えると初析セメンタイトが、500℃未満ではベイナ
イト等の加工性に劣る組織が析出する。又、伸線前に
V,Nbの炭化物が析出すると伸線加工性が低下する。 (3) 減面率60から98%の線引加工を施す 60%未満では強度向上効果が小さく、98%を越える
と靱性が低下する。 (4) 300〜600℃に加熱して2次硬化させる 300℃未満では効果が小さく、500℃を越えると2
次硬化よりもマトリックスの軟化が大きくトータルとし
て強度が低下する。
ませる。950℃未満では固溶不足で、1200℃を越
えるとγ粒が粗大化し強度が低下する。 (2) 650〜500℃まで急冷して5秒以上5分以下保
持 フェライト中へNb,Vの炭化物を極力少なくし加工性
の良好なパーライト組織を得るためである。650℃を
越えると初析セメンタイトが、500℃未満ではベイナ
イト等の加工性に劣る組織が析出する。又、伸線前に
V,Nbの炭化物が析出すると伸線加工性が低下する。 (3) 減面率60から98%の線引加工を施す 60%未満では強度向上効果が小さく、98%を越える
と靱性が低下する。 (4) 300〜600℃に加熱して2次硬化させる 300℃未満では効果が小さく、500℃を越えると2
次硬化よりもマトリックスの軟化が大きくトータルとし
て強度が低下する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。表
1に示す組成の供試材No1から14を溶解・鋳造し、6m
mφの圧延材を得た。以下の各実施例ではこの圧延材を
供試材として用いる。尚、No1は比較例である。
1に示す組成の供試材No1から14を溶解・鋳造し、6m
mφの圧延材を得た。以下の各実施例ではこの圧延材を
供試材として用いる。尚、No1は比較例である。
【0013】
【表1】
【0014】(実施例1)No1,4,7の供試材を10
00℃で15分間加熱後70℃/sec 以上の冷却速度で
600℃まで冷却し、次いで600℃の鉛浴中で60秒
保持してその後水冷した。そしてこれらの各材料を6m
mφから4,3,2,1mmφまで伸線加工してそれぞ
れの引張強度を測定した。その結果を図1に示す。図示
のように、いずれも加工度が上昇するに伴い強度も向上
している。さらに、これらの各線材に400℃×20分
の加熱により2次硬化させたところ、実施例はいずれも
10kg/mm2向上したのに対し、比較例は10kg/mm2低下
した。これらのことからNo4,7の両実施例はNo1の比
較例に比べ高強度化を達成できていることが確認され
た。
00℃で15分間加熱後70℃/sec 以上の冷却速度で
600℃まで冷却し、次いで600℃の鉛浴中で60秒
保持してその後水冷した。そしてこれらの各材料を6m
mφから4,3,2,1mmφまで伸線加工してそれぞ
れの引張強度を測定した。その結果を図1に示す。図示
のように、いずれも加工度が上昇するに伴い強度も向上
している。さらに、これらの各線材に400℃×20分
の加熱により2次硬化させたところ、実施例はいずれも
10kg/mm2向上したのに対し、比較例は10kg/mm2低下
した。これらのことからNo4,7の両実施例はNo1の比
較例に比べ高強度化を達成できていることが確認され
た。
【0015】(実施例2)次に同材料を700,65
0,500,450℃の鉛浴で保持したところ、700
℃のものは初析セメンタイトが析出し、450℃のもの
はベイナイトが析出していずれも減面率80%程度の伸
線で断線した。このことから650から500℃の温度
で保持(パーライト変態)させる必要のあることが判明
した。尚、保持時間はパーライト変態が終了できるよう
5秒以上とした。又、変態が終了できればそれ以上保持
しても生産性が劣ることから5分以下とした。
0,500,450℃の鉛浴で保持したところ、700
℃のものは初析セメンタイトが析出し、450℃のもの
はベイナイトが析出していずれも減面率80%程度の伸
線で断線した。このことから650から500℃の温度
で保持(パーライト変態)させる必要のあることが判明
した。尚、保持時間はパーライト変態が終了できるよう
5秒以上とした。又、変態が終了できればそれ以上保持
しても生産性が劣ることから5分以下とした。
【0016】(実施例3)さらに全ての供試材No1〜14
を1000℃で15分加熱後600℃まで急冷し、60
0℃の鉛浴中で1分間保持してパーライト変態を終了さ
せた後室温まで冷却した。そしてこれらの材料を2mm
まで伸線加工し、400℃で2次硬化させて強度を調べ
てみた。その結果を表2に示す。
を1000℃で15分加熱後600℃まで急冷し、60
0℃の鉛浴中で1分間保持してパーライト変態を終了さ
せた後室温まで冷却した。そしてこれらの材料を2mm
まで伸線加工し、400℃で2次硬化させて強度を調べ
てみた。その結果を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】同表に示すように、供試材No5,8,10,
12は伸線加工の際断線が発生した。供試材No1,2,
6,14は伸線後の強度は高いものの2次硬化による強化
は見られず、従来のNb,V添加材と同等の強度であっ
た。又、No11,13は強度は高いものの伸び・絞りなどの
靱性値が著しく低く、実用には適しないことがわかっ
た。これに対して、No3,4,7,9のものはいずれも
2次硬化による高強度化が可能であった。尚、No3,
4,7,9と同等の高強度化を図るためには、Nb,V
を添加せずC量を1.0〜1.1%とすることで達成で
きることがわかっている。しかし、その場合は鉛炉の温
度制御が厳しく、本発明のように650〜500℃とい
った生産性の良好な広い条件で製造することは困難であ
った。
12は伸線加工の際断線が発生した。供試材No1,2,
6,14は伸線後の強度は高いものの2次硬化による強化
は見られず、従来のNb,V添加材と同等の強度であっ
た。又、No11,13は強度は高いものの伸び・絞りなどの
靱性値が著しく低く、実用には適しないことがわかっ
た。これに対して、No3,4,7,9のものはいずれも
2次硬化による高強度化が可能であった。尚、No3,
4,7,9と同等の高強度化を図るためには、Nb,V
を添加せずC量を1.0〜1.1%とすることで達成で
きることがわかっている。しかし、その場合は鉛炉の温
度制御が厳しく、本発明のように650〜500℃とい
った生産性の良好な広い条件で製造することは困難であ
った。
【0019】(実施例4)伸線加工が可能で2次硬化の
効果があったNo3,4,7,9の各材料を用いてさらに
最適の2次硬化の得られる条件を検討した。試験方法は
6mmφの圧延材を2mmφまで伸線し、それに温度を
変えて熱処理(2次硬化)を施して、各材料の引張強度
を測定する。比較のため熱処理を施していない材料の引
張強度も測定した。その結果を図2に示す。図示のよう
に、熱処理温度が100℃以上で強度の向上が見られる
が、500℃を越えると逆に低下する。特に、300℃
以上500℃以下の温度範囲で強度の向上が顕著であっ
た。
効果があったNo3,4,7,9の各材料を用いてさらに
最適の2次硬化の得られる条件を検討した。試験方法は
6mmφの圧延材を2mmφまで伸線し、それに温度を
変えて熱処理(2次硬化)を施して、各材料の引張強度
を測定する。比較のため熱処理を施していない材料の引
張強度も測定した。その結果を図2に示す。図示のよう
に、熱処理温度が100℃以上で強度の向上が見られる
が、500℃を越えると逆に低下する。特に、300℃
以上500℃以下の温度範囲で強度の向上が顕著であっ
た。
【0020】(実施例5)実施例4で用いた各材料の組
織を走査型電子顕微鏡及び透過型電子顕微鏡で観察し、
各熱処理温度毎のV・Nbの炭化物析出量を調べた。そ
の結果を図3に示す。さらにこれらの供試材について、
熱処理温度と絞りの関係も調べた。その結果を図4に示
す。図3に示すように、V・Nbの炭化物が0.05vo
l %以上で強度が高まっていることがわかる。しかし、
同1%を越えると図4の500℃における供試材No4の
ように、靱性(絞り)が著しく劣るため上限は1%が好
ましい。なお、析出物の大きさは0.1μm以下であっ
た。
織を走査型電子顕微鏡及び透過型電子顕微鏡で観察し、
各熱処理温度毎のV・Nbの炭化物析出量を調べた。そ
の結果を図3に示す。さらにこれらの供試材について、
熱処理温度と絞りの関係も調べた。その結果を図4に示
す。図3に示すように、V・Nbの炭化物が0.05vo
l %以上で強度が高まっていることがわかる。しかし、
同1%を越えると図4の500℃における供試材No4の
ように、靱性(絞り)が著しく劣るため上限は1%が好
ましい。なお、析出物の大きさは0.1μm以下であっ
た。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば従
来のパーライト鋼よりも高強度の鋼線を得ることができ
る。特に、従来から行われているC量を高めて高強度化
を図る方法よりも幅広い条件で製造することができる。
又、2次硬化を利用するため伸線加工時は比較的低強度
で伸線性も良好である。
来のパーライト鋼よりも高強度の鋼線を得ることができ
る。特に、従来から行われているC量を高めて高強度化
を図る方法よりも幅広い条件で製造することができる。
又、2次硬化を利用するため伸線加工時は比較的低強度
で伸線性も良好である。
【図1】線径(加工度)と引張強度の関係を示すグラフ
である。
である。
【図2】2次硬化温度と引張強度の関係を示すグラフで
ある。
ある。
【図3】2次硬化温度とV・Nb炭化物の析出量の関係
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図4】2次硬化温度と絞りの関係を示すグラフであ
る。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%でC:0.7〜1.0、Si:
1.0以下、Mn:0.7以下、Cr:0.5以下と、
V及びNbの少なくとも一方を0.02〜1.0含有
し、残部が鉄及び不可避的不純物からなるパーライト組
織の鋼線であって、フェライト中にV若しくはNbの炭
化物が体積%で0.05〜1.0析出し、該炭化物の大
きさが0.1μm以下であることを特徴とする高強度鋼
線。 - 【請求項2】 重量%でC:0.7〜1.0、Si:
1.0以下、Mn:0.7以下、Cr:0.5以下と、
V及びNbの少なくとも一方を0.02〜1.0含有
し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる線材に以下の
処理を施すことを特徴とする高強度鋼線の製造方法。 線材を950〜1200℃で保持する その後650〜500℃まで急冷して5秒以上5分以
下保持する 室温まで冷却した後減面率60から98%の線引加工
を施す さらに300〜500℃に加熱する
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25914793A JPH0790495A (ja) | 1993-09-22 | 1993-09-22 | 高強度鋼線及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25914793A JPH0790495A (ja) | 1993-09-22 | 1993-09-22 | 高強度鋼線及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0790495A true JPH0790495A (ja) | 1995-04-04 |
Family
ID=17329992
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25914793A Pending JPH0790495A (ja) | 1993-09-22 | 1993-09-22 | 高強度鋼線及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0790495A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR101372651B1 (ko) * | 2011-09-23 | 2014-03-10 | 주식회사 포스코 | 저온인성이 우수한 고강도 강선용 선재, 강선 및 그 제조방법 |
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-
1993
- 1993-09-22 JP JP25914793A patent/JPH0790495A/ja active Pending
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