JP3270503B2 - 熱収縮性硬質フィルム - Google Patents
熱収縮性硬質フィルムInfo
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Description
用途に供するもので、特に耐衝撃性、経時安定性(寸
法、耐物性低下)、機械的強度、腰強さ、透明性、収縮
性に優れた、特殊なビニル芳香族系共重合体組成物を用
いた硬質の熱収縮性フィルムに関する。
熱収縮性フィルムとして、硬質塩化ビニル(PVC)フ
ィルム、ポリエステル(PET)系フィルム、スチレン
系フィルム、等が一般的に知られている。硬質PVCフ
ィルムは、可塑剤使用によるところの衛生上、品質上
(温水中での白化現象等)の問題に加えて、焼却時に発
生する塩素系ガスによる公害上の問題があって地球環境
問題の解決にはまだ不充分である。最近、PET系フィ
ルムが衛生上、又は焼却時の上記問題点のクリーン性、
燃焼熱が少ないこと等、で使用され始めているが、非晶
性共重合体は高価であり又結晶性樹脂の非晶質化の技術
が充分とはいえず樹脂の結晶性等に基づく品質安定性に
問題がある。そのため加熱収縮時に要求される微妙な挙
動特性が変動して、包装用熱収縮性フィルムとして安定
性に欠けるという問題がある。
ン(GPPS)、又はスチレン(S)とブタジエン系ゴ
ム(BR)のグラフト共重合体を含むポリスチレン(H
IPS)、またはスチレンブロックとブタジエンブロッ
クとのブロック共重合体(SBBC)、あるいはこれら
の少なくとも1種を含むブレンド組成物等よりなるフィ
ルム等が使用されている。まず、GPPSフィルムは、
透明性に優れるがビカット軟化点(VSPと称するAS
TM−D1525法に準じて荷重1kg、昇温スピード
20℃/分で測定したもの)が100〜106℃と比較
的高いために熱収縮開始温度が高くなり、低温での収縮
性が悪く、また脆くて裂け易く、更にフィルムを折り曲
げて使用するような用途では折り曲げた部分が切れる、
などの問題が生じている。次にHIPSフィルムは、G
PPSの脆さと低温収縮性が改良されてるが、透明性が
劣るほかにフィルムの腰が弱い問題と寸法の自然収縮の
問題があり品質的にはまだ十分でない(特開昭60−4
8325号公報)。該HIPSの透明性を改良したSB
BCは、低温収縮性も改良されるが、押出中、リワーク
品でのゲル化の問題がある。又フィルムの腰が更に弱く
なり、それに加えて寸法の自然収縮・物性の低下が大き
くなるために、これらの理由で使用時の機械適性や装着
適性が著しく悪くなって、硬質収縮性フィルムとして性
能を満足させるには不十分である。またSBBCとPS
とのブレンドフィルムはSBBCフィルム(特公昭60
−30705号公報、特開昭60−6414号公報)よ
り腰の改良に効果が見られるが、低温収縮性と衝撃強度
及び透明性が低下するところに問題が残されている。
芳香族系炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエ
ステル(例えばアクリル酸ブチル)等との共重合体、と
の混合組成物等々のフィルムの提案がある(特公平3−
12535号公報、特公平3−18813号公報)。こ
れらのフィルムは、透明性、低温収縮性、腰の強さ、寸
法収縮性、脆さ等の点で前述した各種フィルムのどれよ
り総合的に優れているが、高温で経時した場合の耐衝撃
性に難がある。これは例えば、機械で急に繰出し(引張
り)使用するような使い方でフィルム切れすることがあ
るので、実用的にはまだ完全とは言えないレベルにあ
る。また、フィルムの伸び(引張伸度)が経時低下する
問題や、印刷処理での機械的強度の低下が見られる為
に、これらの品質の改善が求められている。
な問題点は硬質の熱収縮性フィルムの包装機械に装着運
転したときの引張衝撃によるフィルム切れの発生であ
り、次いでシュリンクトンネルでの仕上がりでの皺、位
置ずれ、破れの発生等である。本発明は、以上の諸欠点
を解決すべく鋭意研究の結果、腰があり且つ低温収縮
性、耐衝撃性、その他諸特性(例えば機械的強度、透明
性他)に優れたフィルムを得るために、特定のスチレン
系樹脂組成物を開発し、これを適宜延伸成膜して該フィ
ルムに特定範囲の熱収縮力を保持させたフィルムを提供
するものである。
第1に、後述する特定の共重合体(A)と共重合体
(B)及び重合体(C)を所定の割合に配合した混合組
成物を使用することであり、第2は、該混合組成物の延
伸フィルムの熱収縮力を所定の値になるよう調整するこ
とであり、この2つの要件を満たすことによって収縮特
性、品質安定性に優れた本発明を完成したのである。
(a 1 )アクリル酸、(a 2 )炭素数C 1 〜C 12 のアルコ
ールとアクリル酸とのエステル誘導体、(a 3 )メタア
クリル酸、(a 4 )炭素数C 1 〜C 12 のアルコールとメ
タアクリル酸とのエステル誘導体、(a 5 )α、β不飽
和ジカルボン酸、または(a 6 )これらジカルボン酸と
C 2 〜C 12 のアルコールとのモノ又はジエステル誘導体
である単量体より選ばれる少なくとも1種の脂肪族不飽
和カルボン酸系誘導体と、の共重合体で、ビカット軟化
点が105℃を超えない該共重合体(A)5〜95重量
%と、少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素が主体よ
りなる重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエン
誘導体を主体として重合した重合体ブロックとよりなる
共重合体(B)5〜95重量%とを主体にした混合組成
物、あるいは又、該混合組成物で共重合体(A)は同量
とし、該共重合体(B)は4〜94重量%と、該ブロッ
ク共重合体(B)の共役ジエン由来の不飽和結合部分の
少なくとも1部を水添処理した重合体ブロックを主体と
した共重合体、又は該ブロック共重合体(B)のカルボ
ン酸変性共重合体、又は該ブロック共重合体(B)の1
部を水添処理したブロック共重合体のカルボン酸変性共
重合体、又はブロック共重合体(B)のカルボン酸変性
共重合体の1部を水添処理した共重合体、又はメチルメ
タアクリレート−ブタジエン−スチレン系共重合体、又
はポリエステル系重合体より選ばれる少なくとも1種の
重合体(C)1〜30重量%とを主体とした混合組成物
からなる、少なくとも1軸に延伸されたフィルムで、少
なくとも主延伸方向の熱収縮力が151〜800g/m
m2 で、且つ上記の対直角方向の熱収縮力が5〜150
g/mm2 であることによって、硬質の熱収縮性フィル
ムの主要な問題点である包装機械に装着運転したときの
引張衝撃によるフィルム切れの発生、及びシュリンクト
ンネルでの仕上がり状態での皺、位置ずれ、破れの発生
等がなくなることを見出したものである。
に、本発明の第1の構成要件である樹脂及び該混合組成
物について述べる。本発明で用いる共重合体(A)は、
ビニル芳香族系炭化水素と、脂肪族カルボン酸アルキル
エステルあるいはその1部がカルボン酸である単量体よ
り選ばれる少なくとも1種の脂肪族不飽和カルボン酸系
誘導体と、の共重合体で、ビカット軟化点(以下VSP
と称する)が105℃を超えない該共重合体成分を表わ
す。該共重合体は、該共重合体に用いられる単量体の種
類、共重合比率を適宜調整することで、熱収縮フィルム
としての収縮適性温度が任意にコントロールできるので
本発明に重要な成分である。該共重合体にはこの重要な
特性とは反対に硬くて脆い性質があるので、後述するブ
ロック重合体(B)を配合するか、あるいはこれに加え
て後述する重合体(C)を配合することによって後述の
優れた性能が発揮されるのである。該共重合体(A)の
配合比率は5〜95重量%で、好ましくは20〜80重
量%、より好ましくは30〜70重量%が良い。5重量
%未満では添加効果が発現しないので好ましくなく、9
5重量%を超えるとフィルムが硬くて脆くなり実用上使
え難くなる。
レン−ブチルアクリレート共重合体(SBAと称する)
がある。該共重合体はスチレンとブチルアルリレートの
比率によってVSPが−55℃〜105℃の広範囲のも
のが得られるが、低温での収縮性を重視する場合は、例
えばVSP72℃(ブチルアクリレート(以下BAと称
す)含有量約18重量%)程度のものが良好であり、ま
た比較的高温での収縮性を必要とするときは、例えばV
SP91℃(BA含有量約10重量%)程度のものが良
好で、実際には使用条件に合わせて最適なVSPを選ぶ
のが好ましい。一般的にVSPは105℃以下であれば
好ましく、より好ましくは100℃以下、更に好ましく
は95℃以下、最も好ましくは90℃以下である。ここ
ではVSPの下限値は特に他成分(B)の種類、混合量
によっても異なる故示していないが、一般的には常温
(約25℃)より約10℃以上高い温度でないと該樹脂
の日常の取扱い、又は多量使用時の製品の常温保管中に
寸法変化、収縮力低下現象等を発生するため実用的でな
くなり、VSPは好ましくは40℃以上、より好ましく
は50℃以上である(一般に共重合体(A)が40重量
%以上の場合に該当)。又該共重合体が少量で40重量
%を超えなく、5重量%以上の場合は、上記にこだわら
なく、可塑剤的なレベルのもの、つまりVSPが−55
℃以上、好ましくは−30℃以上、より好ましくは−1
0℃以上のものも使用しても良い。
して例えばアクリル酸との金属塩等を0.01〜5.0
重量%の範囲で添加して、樹脂の粘度を適宜調節して成
膜における延伸適性の改良又はフィルム物性の改良等を
図ってもよい。この場合イオン架橋源の量が5.0重量
%を超えると樹脂の流動性が著しく悪化するので好まし
くない。又共重合体を後でアイオノマー化又はフィルム
表層、又は厚み方向に傾斜的にアイオノマー化しても良
い。
は重量平均分子量5万〜60万、より好ましくは10万
〜50万、更により好ましくは20万〜45万の範囲で
ある。該分子量が60万を超えると経時物性の低下が少
ないフィルムが得られるが、樹脂の溶融時の流動性が悪
くなることや、本発明で示す他の共重合体(A)との相
溶性が低下するので好ましくない。また5万未満では熱
収縮力の経時低下が大きくなるので好ましくない。
共重合体(A)に用いるビニル芳香族系炭化水素とは主
としてスチレン系の単量体のことをいい、具体的にはス
チレン、α−アルキル置換スチレン例えばα−メチルス
チレン類、核アルキル置換スチレン類、核ハロゲン置換
スチレン類等から選ばれたもので、目的により適当なも
のを少なくとも1種選べば良い。
飽和カルボン酸系誘導体とは、(a 1 )アクリル酸、
(a 2 )アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチ
ル、アクリル酸ヘキシル、等の炭素数C1 〜C12好まし
くはC2 〜C12のアルコールとアクリル酸とのエステル
誘導体、または(a 3 )メタアクリル酸、または同様に
(a 4 )炭素数C1 〜C12好ましくはC2 〜C12、より
好ましくはC3 〜C12のアルコールとメタアクリル酸と
のエステル誘導体、また(a 5 )α、β不飽和ジカルボ
ン酸、例えばフマル酸、イタコン酸、マレイン酸等、ま
たは(a 6 )これらジカルボン酸とC2 〜C12のアルコ
ールとのモノ又はジエステル誘導体から少なくとも1種
選ばれるものである。これらは一般に該エステル類主体
のものでその量が好ましくは50モル%以上、より好ま
しくは70モル%以上のものである。又その種類は好ま
しくはアクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル
等のエステル類を主体にするものが良い。又これらのエ
ステル類のそれぞれの単独の重合体でのガラス転移点
(Tg)が0℃以下程度、好ましくは−10℃以下とな
る単量体の少なくとも1種を含む成分と、スチレンとの
共重合体がより好ましい。また該スチレン系誘導体成分
又は該カルボン酸系誘導体のTgが高いものを用いても
結果として、共重合体が低いTgを有した他の単量体の
性質が優と出る2成分、又は3成分以上、場合により4
成分以上の混合脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体又は同
様に該スチレン系成分を共重合しても良い、又該エステ
ルのアルコールの炭素数がC1 の場合(特にメタアクリ
ル酸メチル)は、他の同炭素数C2 以上のものを同時に
含む多元共重合体が好ましい。又これ等にジエン系モノ
マーを更に共重合しても良く、又、これ等の共重合体の
ジエン系に由来する部分の少なくとも1部を水添したも
のでも良く、又これ等上記すべての場合にジエン系ゴム
を少なくとも1部含む重合体を利用したいわゆるグラフ
ト共重合体にした所の各種マトリックスの粒子(平均
径:0.01〜10μmで、いわゆるマトリックス取込
み、サラミ構造等のものを含む)を含むいわゆる透明ハ
イインパクト(HI)化したものがより好ましい。これ
等には例えばスチレン−ブチルアクリレート−メチルメ
タアクリレート−ジエン含有ゴム系の重合体(グラフト
部を含む)、共重合体又は通常のHI処方のもの等があ
る。又スチレン成分主体の部分が少なくとも1部ブロッ
ク的な部分を有し、他部分が該不飽和カルボン酸系成分
主体の部分を少なくとも1部有する共重合体、又は該他
部分がスチレン系成分又は該カルボン酸成分とのランダ
ム部分を有する上記の自由な組合わせの共重合体でも良
い。
系成分のランダム共重合体、又は両成分のブロック的共
重合体、又はどちらかがランダム的で、他方がブロック
的な共重合体、又はどちらかのブロック的部分が両成分
のテーパー状重合体となったもの等で、これ等に更に自
由な重合体主鎖の、自由な位置(重合体又はセグメント
部分の少なくとも1つの末端部分、少なくとも1つの中
央部分等をいう)に炭素数C1 〜C22の炭化水素基(例
えばアルキル基、シクロヘキサン構造等を少なくとも1
部有するもの)を少なくとも1つ含むものが諸強度特性
上好ましい。これ等は重合触媒残渣、連鎖移動剤残渣又
は特定の化合物を重合中に加えて重合すれば良い。前者
には例えば公知のパーオキサイド系の触媒として1官能
のもの、またはそれ以上の2、3、4、5……官能のも
のから少なくとも1つ自由に選ばれる。又多官能のもの
には例えばシクロヘキサン環を有した4官能ケトール構
造のもの等がある。又、追加して連鎖移動剤を用いても
良く、これ等には例えばn−ブチルメルカプタン、n−
ドデシルメルカプタンなどがある。
(B)は、少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素より
なる重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエン誘
導体を主体として重合したブロックとよりなるブロック
共重合体である。該ブロック共重合体(B)は、該共重
合体に用いられるブロックの比率又は同分子量を適宜調
整することで、熱収縮フィルムとしての柔軟性、タフネ
ス、収縮適性温度等が任意にコントロールできるので、
本発明に不可欠な成分である。該ブロック共重合体には
この重要な特性と、共重合体(A)の脆いという性質と
を補完するというもう1つの重要な特性を有するが、単
独ではこれと反対にフィルムとしての硬さ(腰強さ)に
欠ける性質があるので、前述の共重合体(A)と配合し
たり、更にそれに加えて後述する重合体(C)とを配合
することによって優れた性能を発揮するのである。該ブ
ロック共重合体(B)の配合比率は共重合体(A)に対
して配合するときは5〜95重量%(これにさらに重合
体(C)を配合するときは4〜94重量%となる)で、
好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜7
0重量%が良い。5重量%未満(共重合体(A)と共重
合体(B)と重量体(C)の3元組成のときは4重量%
未満)では添加効果が発現しないので好ましくなく、9
5重量%(共重合体(A)と共重合体(B)と重量体
(C)を配合するときは94重量%)を超えるとフィル
ムの硬さ(腰強さ)、低温収縮性、寸法安定性等が不足
するので実用上有利に使え難い。
してスチレン−ブタジエン−ブロック共重合体(SBB
Cと称する)がある。該ビニル芳香族炭化水素とは、前
述の共重合体(A)に用いたものと同一のグループから
少なくとも1種を選んで用いれば良く、また他の1つの
成分である該共役ジエンを主体とする成分とは、共役2
重結合を有するオレフィン類で、例えば1,3−ブタジ
エン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメ
チル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、
1,3−ヘキサジエン等であり、これらのグループから
適当なものを少なくとも1種選んで用いれば良い。1,
3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、イ
ソプレン、クロロプレン等が好ましい例である。また差
し支えなければ他の単量体と更に共重合してもかまわな
い。
が大別して3種類以上あるが、例えば完全リニアー型
(例えばB−S−B−S、S−B−S等がその1例で、
この場合のBはブタジエン系ブロック、Sはスチレン系
ブロックを表わす)、ブランチ型、放射状型、その他の
組合せ型等種々あるが、いずれの型のSBBCを使用し
ても構わない。SBBC中のジエン総量は5〜90重量
%、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは15
〜70重量%、更に好ましくは30〜50重量%が良
い。ジエン総量が5重量%未満ではフィルムのタフネス
が不十分であり、90%を超すとフィルムに腰がなくな
るので好ましくない。又これ等はジエン量の異なるもの
を2種以上ブレンドしても良い。又上記どちらか又は両
方のブロックが相手の成分をそのブロック内部に更にラ
ンダム状、テーパー状等に自由に含むものでも良い。S
BBCの分子量としては、重量平均分子量で1万〜10
0万、好ましくは3万〜80万、より好ましくは10〜
60万のものが適している。これらは分子量の異なる重
合体を少なくとも1種配合しても良い。分子量が1万未
満ではフィルムの機械的強度が不十分であり、100万
を超すと本発明の示す共重合体(B)との混合分散性が
悪化し又押出性も悪くなって均質なフィルムが得られ難
い。
記の少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素よりなる重
合体ブロックと、少なくとも1部分の共役ジエン由来の
不飽和結合部分の少なくとも1部を水添処理した重合体
ブロックを、主体とした共重合体、または該共重合体
(B)のカルボン酸変性共重合体等より選ばれる少なく
とも1種の重合体、又はブロック共重合体(B)の1部
を水添処理したブロック共重合体のカルボン酸変性共重
合体、又はブロック共重合体(B)のカルボン酸変性共
重合体の1部を水添処理した共重合体、又はメチルメタ
アクリレート−ブタジエン−スチレン系共重合体、ポリ
エステル(特に低晶性又は非晶性のポリエステル系共重
合体)等から選ばれる少なくとも1種の重合体のことを
表わす。該重合体(C)は、前述の共重合体(A)とブ
ロック共重合体(B)の配合物に加えることによって、
該両成分の相溶性を向上して、フィルムのタフネスや引
張伸度や耐折強度をさらに向上せしめ、特に低配向方向
に由来する強度を向上するし、また物性の経時劣化を抑
制するなどの作用があるので、本発明にとって重要な成
分であり、配合によって優れた性能が発揮されるのであ
る。該重合体(C)の配合比率は1〜30重量%で、好
ましくは2〜20重量%、より好ましくは3〜10重量
%が良い。1重量%未満では、添加効果がないし、30
重量%を超えるとフィルムの透明性が低下するので好ま
しくない。
チレン系熱可塑性エラストマー等(以下TPSと称す
る)がある。該ビニル芳香族炭化水素とは、前述の共重
合体(A)に用いたものと同一のグループから少なくと
も1種を選んで用いれば良く、また他の1つである該共
役ジエン成分とは、前述の共重合体(B)に用いた共役
ジエン成分のものと同一のグループから選ばれた少なく
とも1種をいう。該水添処理した重合体とは、該共役ジ
エン由来の不飽和結合部分の少なくとも1部分を水素等
と、触媒による反応で得られるもの等をいい、反応性の
官能基を有するものでもそうでないものでもいずれでも
良い。また共役ジエンの水添比率は10%以上、好まし
くは40%以上、より好ましくは80%以上のものが良
い。該水添比率が10%未満では、SBBCとの性能に
差がなく、特に少量の添加でフィルムの耐折強度の向上
効果が見られないので好ましくない。またTPS中のス
チレン総量は、70重量%以下、好ましくは60重量%
以下、より好ましくは50重量%以下のものが良い。該
スチレン総量が70重量%を超すとフィルムが硬くて脆
くなり、さらに熱収縮特性が高温側にずれてしまう問題
や、熱収縮力が高くなり過ぎてフィルムの熱収縮力の調
整が著しく困難になる、等の問題があるので好ましくな
い。これらの該重合体は単独あるいは少なくとも2種以
上の重合体を適宜選んで配合することもできる。またカ
ルボン酸変性共重合体とは、上記のSBBC又は水添S
BBC等にアクリル酸、フタル酸、フマル酸、イタコン
酸、マレイン酸、メタアクリル酸……等を0.5〜10
重量%グラフト共重合したものをいう。
なくとも共重合体(A)と共重合体(B)の2種類、又
は少なくとも共重合体(A)と共重合体(B)と重合体
(C)の3種類の成分あるいは混合物を、規定した配合
比率で混合した組成物を使用することを要件としている
が、これに限定するものでなく、例えばフィルムに使用
する一般的な添加剤(可塑剤、石油樹脂類、帯電防止
剤、滑剤、防曇剤、無機微粉体、酸化防止剤、着色剤な
ど)を混合してもよい。
フェノールアクリレート系〔例えば:2−ter−ブチ
ル−6(3′−ter−ブチル−5′−メチル−2′−
ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレー
ト及びこれ等の誘導体がある〕を用いることが好まし
い。より好ましくは上記化合物に加え燐系の酸化防止剤
〔例えば:トリ(2,4−ジ−ter−ブチル)−フェ
ニルフォスファイト,トリ(4−ノニル)−フェニルフ
ォスファイト等〕を使用するのが良い。更に上記2種の
タイプに加え、イオウ含有系の酸化防止剤を加えるのが
良い場合が多い。又これ等はそれぞれ単独に使用しても
良いし自由に組合わせても良い。該各酸化防止剤の添加
量は、混合樹脂100重量部に対してそれぞれ0.01
〜10.0重量部、好ましくは0.05〜5.0重量
部、より好ましくは0.10〜4.0重量部、更に好ま
しくは0.15〜3.0重量部である。0.01重量部
未満では樹脂の熱劣化(例えば、架橋や分子量低下等)
の防止作用が発現せず、また10.0重量部を超えると
いくつかの問題(例えば、分散不良、フィルムの強度低
下、透明性の低下、コスト高等)が起こるので好ましく
ない。
ド系のものを使用するのが好ましい。例えばアミン系と
して、ヒドロキシエチルアルキルアミン及びその誘導
体、アミド系としてはヒドロキシエチル脂肪酸アミド及
びその誘導体等が使用される。帯電防止剤の添加量は、
樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好まし
くは0.2〜5重量部、より好ましくは0.4〜3.0
重量部である。0.1重量部未満では帯電防止効果が現
れ難いし、10重量部を超えるとフィルム表面の光沢が
失われて美観が悪くなるほかフィルムの印刷適性が悪く
なるので好ましくない。又、可塑剤としては、DOP、
DOA、ATBC、DBS等の酸エステル類、MOのご
とき流動パラフィン類を0.5〜10重量%、好ましく
は1〜5重量%加えても良い。
縮特性について説明する。本発明の混合組成物からなる
延伸フィルムの熱収縮力とは、ASTM−D2838に
準拠して測定するもので、その条件は100℃のシリコ
ーン浴槽に浸漬して発現するピーク値(ピーク値が発現
しない場合は30秒後の値)で表わすが、包装用熱収縮
性フィルムとしてシュリンクラベル等に最適収縮性を付
与するには、主延伸方向の熱収縮力は151〜800g
/mm2 で、対直角方向の熱収縮力が5〜150g/m
m2 にそれぞれ調整されてることが必要である。これら
の熱収縮力は、例えば縦方向と横方向が該範囲内にコン
トロールすることによって初めて熱収縮フィルムとして
の性能、例えばシュリンク仕上がり性、縦切れ耐性等が
顕著に向上し満足のいく熱収縮フィルムが得られるもの
である。1例として説明すれば、主延伸方向の例えば横
方向としての主収縮方向の熱収縮力は151〜800g
/mm2 、好ましくは200〜550g/mm2 、より
好ましくは250〜450g/mm2 の範囲が良い。1
51g/mm2 未満では、熱収縮させた後の被包装物へ
のフィルムのフィット性が悪くて実用上問題があり、8
00g/mm2 を超すと別の問題、1例を挙げればフィ
ルム寸法の経時による自然収縮が大きくなってそのため
寸法不足等の問題、ロール経時後での平面性悪化等が発
生し実用上使用でき難くなる問題がある。また、対直角
方向としての熱収縮力は、例えば縦方向の熱収縮力は5
〜150g/mm2 、好ましくは10〜100g/mm
2 、より好ましくは15〜80g/mm2 の範囲が良
い。5g/mm2 未満では、経時伸び低下が発生しその
結果包装時に縦切れが多発する場合があるため好ましく
なく、又150g/mm2 を超すと例えばシュリンクラ
ベルのように縦横の収縮バランスを厳しく要求される用
途等では、仕上がり寸法幅が短くなったり、収縮時端部
がカールしたり、被包装物からフィルムがはずれたり、
収縮してほしくない部分が収縮しフィルムが曲がってし
まう等の問題が発生し、仕上がり不良を起こすので好ま
しくない。この例は熱収縮力の大きい方を横方向として
説明したが、縦方向として実施しても構わない。上述し
たように本発明は、少なくとも1軸延伸したフィルムに
おいて熱収縮力を主延伸方向と対直角方向とで一方のレ
ベルに他方が対応するように、適宜コントロールするこ
とによって最適な熱収縮性フィルムを完成せしめたもの
で、相対する2方向の熱収縮力の各範囲を共に満足する
ことが重要な要件である。
満足することによって、例えば1例をあげれば即ち混合
組成物とフィルムの熱収縮力をそれぞれの範囲に規定す
ることによって、これまで問題であった熱収縮性フィル
ムの包装機械での引張衝撃によるフィルム切れがなくな
り、シュリンクトンネルでの仕上がりで皺、ずれ、破れ
の発生等をなくすことができたのである。
10秒後の値)は、主延伸方向が一般に10〜85%、
好ましくは15〜75%、より好ましくは25〜70
%、更に好ましくは30〜65%以上で、対直角方向が
0〜50%、好ましくは0〜35%、より好ましくは0
〜25%である。また100℃での熱収縮率(100℃
油浴中で10秒後の値)は、主延伸方向が一般に10〜
90%、好ましくは20〜80%で、対直角方向が0〜
80%、好ましくは1〜70%である。
来不出来に直接影響するので、シュリンク対象物あるい
はまたシュリンク条件(例えば熱媒、温度、時間、加熱
方式等)等に応じてタテとヨコのバランスを適宜選択す
る。従って熱収縮率は一概に定められないが、仕上がり
に不都合な熱収縮率のレベル、例えば80℃で主延伸方
向が10%未満だと収縮不十分の問題が起きるし、また
85%を超えると縮み過ぎてフィルムがずれたりするの
で好ましくない。80℃で対直角方向が50%を超える
と、例えばシュリンクラベルでは幅方向まで大きく収縮
するのでラベルとして不適当な問題が出て来る。同様な
ことが100℃での主延伸方向や対直角方向の収縮率に
ついてもいえるのである。
度が少なくとも5kg・cmであることがフィルムの実
用性能に重要で、好ましくは10kg・cm以上、より
好ましくは20kg・cm以上、更により好ましくは3
0kg・cm以上である。5kg・cm未満では、包装
機械で急に繰り出した(引張り)ときフィルム切れが発
生し、生産性が悪くなる。このように落錘衝撃強度で表
わされる耐フィルム切れ特性は、本発明に基づいて確保
されたのである。
は、少なくとも110kg/mm2であることが好まし
く、より好ましくは140kg/mm2以上、更により
好ましくは175kg/mm2以上である。主延伸方向
の弾性率は、フィルムの腰の強さを表すもので、例えば
機械適性の向上や被包装体への装着をスムースにする等
実用上重要な特性である。上限値は本発明の樹脂組成の
範囲であれば特に定めなくて良いが、例えば一般には2
00kg/mm2程度である。110kg/mm2未満で
は、フィルムに腰(硬さ)が不足するので包装機械等に
かかり難かったり、装着不良等が発生して生産性を低下
させる問題がある。この対策として1部ではフィルム厚
みを厚くしたりしているところもあるが、これはコスト
的に好ましい方法ではない。
伸あるいは2軸延伸したもので、同時2軸や逐次2軸な
ど一般的に使用されている設備、例えばテンター延伸
法、バブル延伸法、ローラー延伸法等で代表される延伸
成膜設備等で延伸されたフィルムを意味し、いかなる設
備で成膜したものでも良い。また、フィルムの厚みは、
その用途により異なるが通常5〜800μで、好ましく
は10〜500μ、より好ましくは20〜300μが良
い。また本発明フィルムの延伸倍率は制限はないが熱収
縮力を適宜調整するためには、延伸温度にも影響される
が、一般には主延伸方向に2.0〜10.0倍、好まし
くは2.5〜8.0倍で、同様に対直角方向には1.1
〜2.5倍、好ましくは1.2〜2.0倍である。また
好ましい両者の比率は前者/後者比で1.8〜9.1、
より好ましくは2.0〜6.7である。
0℃の範囲で、共重合体(A)、同(B)のVSPによ
って適時決定される。又本フィルムは、多層フィルムの
少なくとも1層として利用しても良く、その場合、同種
(同種の樹脂つまりスチレン系共重合体、SBBC系重
合体の少なくとも1種と組合わせたもの)多層フィル
ム、又は異種(上述以外のもの)多層フィルムの少なく
とも1層(表層、内部層)として利用しても良い。その
場合、2、3、4、5、6、7層等、その他の自由な組
み合わせがある。
に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比
較例において、フィルム等の各種性能評価に用いる項目
の意義及び内容は、次の評価方法、評価尺度に基づくも
のである。尚、評価するフィルムの経時は特にことわり
ない限り成膜1日から3日の間、23℃の雰囲気中に保
管したものを用いる。 1シュリンク仕上がり性:シュリンクラベルとしての性
能を判定するもので、方法には熱媒体として蒸気と熱風
の2通りがあり、どちらも綺麗に仕上れば最も良い。 a法:蒸気式シュリンクトンネル(全長2m)でトンネ
ル内温度87℃、通過時間10秒のとき1.5リットル
のPETボトル(30℃の水が充填された、最大径91
mm、高さ310mmの円筒こけし状容器)に、筒状に
したフィルム(折り幅148mm、高さ90mm)をセ
ットしたものをトンネルにいれシュリンクさせたものに
ついて、シュリンクの仕上がり状態を判定する。 b法:熱風式シュリンクトンネル(全長2m)でトンネ
ル内温度135℃、通過時間10秒のとき、1.5リッ
トルのPETボトル(30℃の水が充填された、最大径
91mm、高さ310mmの円筒こけし状容器)に、筒
状にしたフィルム(折り幅148mm、高さ90mm)
をセットしたものをトンネルにいれシュリンクさせたも
のについて、シュリンクの仕上がり状態を判定する。 判定:◎:皺なし、破れなし、位置ずれ(所定の位置か
らずれてしまうこと)なし、縦収縮2%以内で良好な仕
上がりの状態。
では上記◎と同レベル。縦収縮は5%以内で商品価値の
下限レベル。 △:皺の発生と位置ずれが認められ、縦収縮が10%以
上見られる。 ×:皺、破れ、位置ずれ、縦収縮の程度が非常に悪く、
商品価値が無い状態。 2フィット性:前項のトンネルによるシュリンク状態
で、a法b法でシュリンクしたフィルムがボトルにフィ
ットしているかどうか見るもので、シュリンク仕上がり
と同様シュリンクラベルの重要な性能を判定する。ベス
ト条件でシュリンクさせて容器にセットされたフィルム
を指先で円周方向に軽く回転させてその動きの程度をみ
る。(前項の2法のそれぞれ10個ずつ評価して1つで
も下記のものがあればそのランクとする) ◎:ボトルとのあいだの隙間がなく、全く回転しない ○:僅かに隙間のあるのもあるが、回転しない △:僅かに回転(2mm以内)する ×:緩くてクルクル回転する 3落錘衝撃強度:フィルムの急激な繰り出し(引張り)
でのフィルム切れの程度を判定するもので、フィルムに
不可欠な重要特性を表わす。落錘衝撃強度は高いほど性
能が優れ、少なくとも5kg・cmが必要で、フィルム
切れが多発するのを防止するとともに生産性を高く維持
するのに欠かすことができない。
直径38mm、自重32g(重量20g単位加減算方
式)、落下高さ:66cm)してフィルムの落錘衝撃強
度Dを計算で求める。(1サンプルにつき少なくとも3
0回の落下試験を実施する。小数点以下は四捨五入) ◎:21kg・cm以上 ○:5〜20kg・cm △:3〜4kg・cm ×:2kg・cm以下 4腰強さ(弾性率):フィルムの腰(硬さ)を判定する
もので、機械適性や装着性に影響するので、高い値のも
のが優れる。
の値を測定する。(n=5の平均値で小数点以下は四捨
五入) ◎:175kg/mm2 以上 ○:140〜174kg/mm2 △:110〜139kg/mm2 ×:109kg/mm2 以下 5耐折強度:フィルムは折り曲げて筒状にして使用する
ので、折り曲げた時の折り目に傷が付いて切れ難いかど
うか判定する。切れるまでの折り曲げ回数の多いものが
優れる。
gで主延伸方向の対直角方向の値(2枚折りで重ねた状
態)を測定する。(n=5の平均値で小数点以下は四捨
五入) ◎:101回以上 ○:31〜100回 △:11〜30回 ×:10回未満 6引張破断強度:フィルムの機械的強度を判定するもの
で、破断強度の高いものが優れる。
の対直角方向の値を測定する。(n=5の平均値) ◎:3.5kg/mm2 以上 ○:3.0〜3.5kg/mm2 未満 △:2.5〜3.0kg/mm2 未満 ×:2.5kg/mm2 未満 7引張伸度:フィルムの伸び易さを成膜1日後と30日
後(30℃保管)の両方を測定し、伸度が高くて経時低
下しないものが、包装機械でのフィルム切れがすくな
く、また印刷工程での溶剤や加熱等による品質低下がな
く優れている。引張伸度は高いのが良い。
の対直角方向の値を測定する。(n=5の平均値) a.伸度:成膜1日後のフィルムについて測定する。 ◎:170〜210% ○:150〜170%未満 △:120〜150%未満 ×:120%未満 b.耐経時劣化:成膜後30℃30日経過後のフィルム
について測定し、伸度の経時低下率Eを求める。
伸度E0 に対する30℃30日オーブン中保管後のフィ
ルムの伸度E1 から次式で求める。 E(%)=E1 ×100/E0 ◎:95%以上 ○:85〜95%未満 △:60〜85%未満 ×:60%未満 8光学特性:フィルムの透明性や光沢は、フィルムの商
品価値を大きく左右する。透明で、光沢の良いものが優
れている。HAZEは小さい値、GLOSSは大きい値
ほど良い。 a.透明性:ASTM−D1003に準拠してHAZE
(%)を測定する。(n=5の平均値) ◎:1.8%未満 ○:1.8〜2.5%未満 △:2.5〜5.0%未満 ×:5.0%以上 b.光沢:ASTM−D2457(角度45°)に準拠
してGLOSS値(%)測定する。(n=5の平均値) ◎:165%以上 ○:125〜165%未満 △:100〜125%未満 ×:100%未満 9寸法の自然収縮率:フィルムの例えば流通時の保管状
態(雰囲気温度、保管時間)によって、フィルムの寸法
変化(収縮)するのはサイズが小さくなって容器にはま
り難くなるなどのトラブルの原因になるので、寸法変化
率は少ないことがフィルムの品質上重要である。
0℃30日間オーブン中に保管後の寸法L1 を次式で計
算し、寸法収縮率Lを求める。 L(%)=(L0 −L1 )×100/L0 ◎:1.5%未満 ○:1.5〜3.0%未満 △:3.0〜6.0%未満 ×:6.0%以上 10総合評価:上記の1〜9までの測定評価結果をもと
に熱収縮性硬質フィルムとしての総合判定の基準は次の
通り。
と2と3には△、×がないこと 良いレベル ○:◎が6個以上あり、1と2と3には
△、×がないこと 不合格レベル △:◎が4個以上あるが、△と×の合計
が4個以内のもの 不合格レベル ×:上のいずれにもあてはまらないも
の。 総合判定で、◎と○までのランクにあるものは実用上合
格のレベルであり、◎は特に品質が優れる。
体(A)(以下(A)と略する)としてSBA−1(ス
チレン−ブチルアクリレート共重合体、BA=18重量
%、アクリル酸亜鉛を0.1重量部添加重合したイオン
架橋樹脂、重量平均分子量38万、VSP=72℃)を
実施例1には60重量%、実施例2には57重量%を、
又共重合体(B)(以下(B)と略する)としてSBB
C−1(B−S−B−S型スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体:結合スチレン量70重量%、分子量20
万、VSP82℃、MFI(JIS−K6870、20
0℃5kg)5g/10分)を実施例1、2共に40重
量%を、さらに実施例2には重合体(C)(以下(C)
と略する)としてTPS−1(水添スチレン−ブタジエ
ン共重合体:結合スチレン量30重量%、MFR(AS
TM−D1238、230℃2.16kg)3.4g/
10分)を3重量%、それぞれ合計100重量%をブレ
ンダーでよくブレンドした。この混合物には、ブレンダ
ーでブレンドする前に、樹脂混合物100重量部に対し
て、添加剤混合物(フェノールアクリレート系の酸化防
止剤(2−ter−ブチル−6(3′−ter−ブチル
−5′−メチル−2′−ヒドロキシベンジル)−4−メ
チルフェニルアクリレート)を0.5重量部、燐系の酸
化防止剤(トリ(2,4−ジ−ter−ブチル)−フェ
ニルフォスファイト)を0.2重量部、さらに他の燐系
の酸化防止剤(トリ(4−ノニル)−フェニルフォスフ
ァイト)を0.3重量部、アミン系の帯電防止剤(ヒド
ロキシエチルアルキルアミン)を0.7重量部を含む)
を添加した。
出機中で190℃の温度で混合溶融しTダイより押出し
均一なシートを成形した。実施例1、2は、該シートを
ロール延伸機で92℃でMD方向に1.6倍延伸した
後、テンター延伸設備でオーブン温度87℃でTD方向
に6.0倍に延伸して50μの逐次二軸延伸フィルムを
得た。該フィルムの主延伸方向(TD)と対直角方向
(MD)の熱収縮力値は、実施例1では、それぞれ38
5,32g/mm2 、実施例2では、それぞれ380,
30g/mm2 であった。また、比較例1、2では、実
施例2と同じ混合物を使用して、同一設備で、MDの延
伸条件のみを変えて熱収縮力の異なるフィルムを成膜し
た。即ち、比較例1と2では、TD延伸を実施例1と同
じにしてMD延伸を93℃1.05倍にしたのが比較例
1で、MD延伸を90℃2.8倍にしたのが比較例2で
ある。これらのフィルムの主延伸方向(TD)と対直角
方向(MD)の熱収縮力値は、比較例1でそれぞれ35
0,3g/mm2 であり、比較例2でそれぞれ360,
200g/mm2 であった。
ムについてシュリンク仕上がり性をはじめとする各種性
能を評価した。その結果を表1に示す。表1に見るとお
り、該混合組成物の成膜フィルムの主延伸方向の対直角
方向の熱収縮力値が、小さ過ぎても(比較例1)大き過
ぎても(比較例2)シュリンク仕上がり性が悪くなり、
これに対して適度の熱収縮力値のもの(実施例1、2)
はシュリンク仕上がり性をはじめとする各種の優れた特
性が発現されることがはっきり認められる。また特に熱
収縮力が小さいと、引裂衝撃によるひきちぎれが発生
し、また折り曲げに弱く、引張伸度の経時劣化が大きく
なって品質安定性に欠けるなど実用上重要な特性が低下
して商品価値が無くなることが明らかである。
2(スチレン−ブチルアクリレート共重合体、BA=1
8重量%、重量平均分子量44万、VSP=72℃)を
57重量%、(B)及び(C)及び添加剤は、実施例2
と同一のものを、実施例2と各々同量使用し、以下実施
例2と同様にブレンドして混合物を得た。実施例3は、
該混合物を実施例2と同一設備で同条件で逐次二軸した
フィルムで、該フィルムの主延伸方向(TD)と対直角
方向(MD)の熱収縮力値は、それぞれ400,40
(g/mm2 )であった。また、比較例3、4では、該
混合物をそのまま使用し、同一設備で、TDの延伸条件
を主に変えて熱収縮力の異なるフィルムを成膜した。即
ち、比較例3と4では、MD延伸温度を実施例2と同じ
にして、MD延伸倍率では比較例3が1.7倍、比較例
4が1.6倍(実施例2と同じ)に設定し、次にTD延
伸条件を95℃1.05倍にしたのが比較例3であり、
87℃11.0倍にしたのが比較例4である。これらの
フィルムで、比較例3の主延伸方向(MD)と対直角方
向(TD)の熱収縮力値は、それぞれ60,20(g/
mm2 )であり、比較例4での主延伸方向(TD)と対
直角方向(MD)の熱収縮力値は、それぞれ900,3
5(g/mm2 )であった。尚、得たフィルムの厚み
は、比較例3が50μ,比較例4が40μである。
様に熱収縮性硬質フィルムとしての各種性能を評価した
結果を表2に示す。表2に見られるように、フィルムの
主延伸方向の熱収縮力値が小さすぎても(比較例3)大
き過ぎても(比較例4)、シュリンク仕上がり性が悪く
なる。これに対し適度の熱収縮力値の場合(実施例3)
はシュリンク仕上がり性をはじめとする種々の特性が優
れていることがはっきり認められる。反対に、熱収縮力
が小さ過ぎるとシュリンク不足で奇麗な仕上がりが難か
しく、経時物性の低下や、耐折強度が弱いなどの問題が
発生したり、さらに熱収縮力が大き過ぎるとシュリンク
し過ぎて、位置ずれが起きて仕上がり状態に歪みがでた
り、シュリンク中にフィルムが切れたり、またフィルム
の寸法の自然収縮が大きくなるため、流通段階で寸法が
変化してしまう等の問題があって好ましくないことが明
瞭である。
−ブチルアクリレート共重合体、BA=10%、重量平
均分子量45万、VSP=91℃)を60重量%、
(B)としてSBBC−2(S−B−S型スチレン−ブ
タジエンブロック共重合体、結合スチレン量72重量
%、VSP79℃、MFI(JIS−K6870、20
0℃5kg)5.6g/10分)を34重量%、(C)
としてTPS−2(水添スチレン−ブタジエン共重合
体:結合スチレン量40重量%、MFR(ASTM−D
1238、230℃2.16kg)0.5g/10分)
を6重量%、合計100重量%と添加剤(実施例1に同
じ)をブレンダーでよくブレンドして実施例4の混合物
とした。また(A)として、実施例4と同じSBA−3
を52重量%、(B)としてSBBC−3((S−B)
n−X型(放射型)スチレン−ブタジエンブロック共重
合体、結合スチレン量75重量%、VSP93℃、MF
I(JIS−K6870、200℃5kg)6g/10
分)を40重量%、(C)としてTPS−3(S−EB
−S型水添スチレン−ブタジエン共重合体:結合スチレ
ン量30重量%、MFR(ASTM−D1238、23
0℃2.16kg)0.7g/10分)を8重量%、合
計100重量%及び添加剤(実施例1に同じ)をブレン
ダーでよくブレンドして実施例5の混合物とした。ま
た、(A)としてSBA−4(SBA−1とSBA−2
を等重量比で混合したもの)を57重量%、(B)とし
てSBBC−1を40重量%、(C)としてTPS−1
を3重量%、合計100重量%及び添加剤(実施例1に
同じ)をブレンダーでブレンドして実施例6の混合物と
した。また、(A)としてSBA−5(スチレン−ブチ
ルアクリレート−メチルメタアクリレート−ジエン含有
グラフトゴム系共重合体(いわゆる透明ハイインパクト
処方)スチレン:ブチルアクリレート:メチルメタアク
リレート:ジエン含有ゴムの重量比=44:31:1
0:15、重量平均分子量40万、VSP=85℃)を
70重量%、(B)としてSBBC−1を28重量%、
(C)としてTPS−1を2重量%、合計100重量%
及び添加剤(実施例1に同じ)をブレンダーでよくブレ
ンドして実施例7の混合物とした。また、(A)として
SBA−6(スチレン−ブチルアクリレート−メチルメ
タアクリレート系共重合体、スチレン:ブチルアクリレ
ート:メチルメタアクリレートの重量比=47:42:
11、重量平均分子量42万、VSP=89℃)を70
重量%、(B)と、(C)のそれぞれの重量は実施例7
と同量とし、合計100重量%及び添加剤(実施例1に
同じ)をブレンダーでよくブレンドして実施例8の混合
物とした。また、(A)と(C)のそれぞれの重量は実
施例8と同量とし、(B)としてSBBC−4(SBB
C−1とSBBC−2とを等重量比で混合したもの)を
28重量%とし、合計100重量%及び添加剤(実施例
1に同じ)をブレンダーでよくブレンドして実施例9の
混合物とした。また、(A)と(C)のそれぞれの重量
は実施例8と同じとし、(B)としてSBBC−5(直
鎖状B−S−B−S型スチレン−ブタジエンブロック共
重合体エラストマー、ハードセグメントのポリスチレン
がドメイン形成して物理架橋機能をもちソフトセグメン
トがゴム機能を有し、両セグメントがミクロ相分離構造
をとってネットワークを形成している。M1(190℃
2.16kg)2.6g/10分)を28重量%とし、
合計100重量%及び添加剤(実施例1に同じ)をブレ
ンダーでよくブレンドして実施例10の混合物とした。
また、(A)としてSBA−2を53重量%、(B)と
してSBBC−1を40重量%、(C)としてTPS−
4(メチルメタアクリレート−ブタジエン−スチレン系
共重合体、鍾淵化学工業株式会社、商品名:カネエース
B−31)を7重量%とし、合計100重量%及び添加
剤(実施例1に同じ)をブレンダーでよくブレンドして
実施例11の混合物とした。また、(B)とその重量は
実施例11と同じとし、(A)としてSBA−2を50
重量%とし、(C)としてPET−1(コポリエステル
樹脂、イーストマン・ケミカル社、商品名:Kodar
PETG−6763)を10重量%とし、合計100重
量%を及び添加剤(実施例1に同じ)ブレンダーでよく
ブレンドして実施例12の混合物とした。また、(B)
とその重量は実施例12と同じとし、(A)としてSB
A−2を58重量%とし、(C)としてTPS−5(カ
ルボン酸変性水添ブロック共重合体、B−S−B−S型
反応性飽和型熱可塑性エラストマー、ブタジエン由来の
2重結合部分の水添率88%、MFR(ASTM−D1
238、230℃2.16kg)2.2g/10分)を
2重量%とし、合計100重量%及び添加剤(実施例1
に同じ)をブレンダーでよくブレンドして実施例13の
混合物とした。
を、実施例1と同一設備で、表3に示すそれぞれの延伸
条件でフィルムを成膜して、実施例4,5,6,7,
8,9,10,11,12,13の順にそれぞれ60
μ,100μ,50μ,50μ,50μ,50μ,50
μ,50μ,50μ,50μの厚みのものを得た。これ
らのフィルムの主延伸方向(TD)と対直角方向(M
D)の熱収縮力値は、実施例4がそれぞれ500,80
g/mm2 であり、実施例5が260,100g/mm
2 であり、実施例6が390,35g/mm2 であり、
実施例7が460,79g/mm2 であり、実施例8が
480,87g/mm2 であり、実施例9が470,8
3g/mm2 であり、実施例10が360,40g/m
m2 であり、実施例11が500,35g/mm2 であ
り、実施例12が550,36g/mm2 であり、実施
例13が400,38g/mm2 であった。これらのフ
ィルムについて、熱収縮性硬質フィルムとしての各種性
能を評価した結果を表3と表4に示す。
と混合組成比を本発明の範囲で適宜選び、且つ成膜した
フィルムの主延伸方向と対直角方向の各熱収縮応力値が
本発明の範囲にあるものは、シュリンク仕上がり性をは
じめとする諸特性が著しく優れているものであった。特
に実施例7,8では、スチレン−ブチルアクリレート共
重合体にメチルメタアクリレートやジエン含有ゴム等が
含まれた共重合体でも著しい効果を発揮することが理解
できるし、また実施例6,9が示す様に(A)や(B)
において、それぞれ異なる樹脂を配合したものを使用し
ても、本発明の目的が達せられることなどがわかる。ま
た、実施例12が示す様に(C)にコポリエステル樹脂
を使用したものでは引張破断強度の向上に特徴が見られ
ることが分かる。また、実施例全般に見られるごとく、
(C)としてのスチレン−ブタジエン共重合体のカルボ
ン酸変性共重合体や、共役ジエン由来の不飽和結合部分
の1部を水添処理したブロック共重合体を1〜30重量
%の範囲で使用したものでは、フィルムの諸特性が優れ
る他に耐折強度の向上が顕著であることがわかる。
(B)としてSBBC−1を93重量%、(C)として
TPS−1を5重量%とし、合計100重量%及び添加
剤(実施例1に同じ)をブレンダーでよくブレンドして
比較例5の混合物とした。また(A)と(B)と(C)
にはそれぞれ比較例5と同一のものを使用し、その重量
比がそれぞれ96,4,0重量%、合計100重量%及
び添加剤(実施例1に同じ)をブレンダーでよくブレン
ドして比較例6の混合物とし、同様にそれぞれ95,
3,2重量%、合計100重量%及び添加剤(実施例1
に同じ)をブレンダーでよくブレンドして比較例7の混
合物とした。また、(A)としてSBA−5を3重量
%、(B)としてSBBC−1を96重量%、(C)と
してTPS−1を1重量%とし、合計100重量%及び
添加剤(実施例1に同じ)をブレンダーでよくブレンド
して比較例8の混合物とした。また(A)と(B)と
(C)にはそれぞれ比較例8と同一のものを使用し、そ
の重量比がそれぞれ50,50,0重量%、合計100
重量%及び添加剤(実施例1に同じ)をブレンダーでよ
くブレンドして比較例9の混合物とした。
実施例1と同一設備で、表4に示すそれぞれの延伸条件
でフィルムを成膜して、比較例5,6,7,8,9の順
にそれぞれ60μ,40μ,45μ,60μ,50μの
厚みのものを得た。これらのフィルムの主延伸方向(T
D)と対直角方向(MD)の熱収縮力値は、比較例5が
それぞれ280,30g/mm2であり、比較例6が4
50,50g/mm2であり、比較例7が440,80
g/mm2であり、比較例8が270,45g/mm2で
あり、比較例9が360,4g/mm2であった。これ
らのフィルムについて、熱収縮性硬質フィルムとしての
各種性能を評価した結果を表5と表6に示す。
と混合組成比を本発明の範囲からはずれたものでは、成
膜したフィルムの主延伸方向と対直角方向の各熱収縮力
値が本発明の範囲にあっても、混合組成物の総合的性質
の特性不備から、熱収縮性硬質フィルムとして重要な性
能が発揮されないことになる。例えば、特に重要なシュ
リンク仕上がり性において皺、位置ずれ、破れの発生が
見られたり、耐引張衝撃切れ性・腰強さ(弾性率)・耐
折強度・引張伸度とその耐経時劣化・寸法の自然収縮・
光学特性などのいずれかのどこかの面で著しい性能低下
が起こるため、実用上多くの欠陥が生じる。即ち、使用
する樹脂の種類と混合組成比が本発明の規定範囲にない
場合は欠陥フィルムとなってしまうことが明らかであ
る。
まで詳述したように少なくとも共重合体(A)共重合体
(B)重合体(C)の3種類の共重合体並びに重合体を
規定した配合比率で混合した組成物を使用し、且つ該混
合組成物で成膜されたフィルムの熱収縮力が、少なくと
も主延伸方向とそれの対直角方向との値を規定値におさ
めることによって、硬質の熱収縮性フィルムの主要な問
題点である包装機械に装着運転したときの引張衝撃によ
るフィルム切れの発生、及びまたはシュリンクトンネル
での仕上がり状態での皺、位置ずれ、破れの発生等が全
くなくなったことであり、これによって作業性・生産性
・製品の美観が非常に向上した、優れたフィルムが提供
できるに至らしめたものである。
Claims (4)
- 【請求項1】 ビニル芳香族系炭化水素と、(a 1 )ア
クリル酸、(a 2 )炭素数C 1 〜C 12 のアルコールとア
クリル酸とのエステル誘導体、(a 3 )メタアクリル
酸、(a 4 )炭素数C 1 〜C 12 のアルコールとメタアク
リル酸とのエステル誘導体、(a 5 )α、β不飽和ジカ
ルボン酸、または(a 6 )これらジカルボン酸とC 2 〜
C 12 のアルコールとのモノ又はジエステル誘導体である
単量体より選ばれる少なくとも1種の脂肪族不飽和カル
ボン酸系誘導体と、の共重合体で、ビカット軟化点が1
05℃を超えない該共重合体(A)5〜95重量%と、
少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素が主体よりなる
重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエン誘導体
を主体として重合した重合体ブロックとよりなる共重合
体(B)5〜95重量%とを主体とした混合組成物から
なる、少なくとも1軸に延伸されたフィルムで、少なく
とも主延伸方向の熱収縮力が151〜800g/mm2
で、且つ上記の対直角方向の熱収縮力が5〜150g/
mm2 であることを特徴とする熱収縮性硬質フィルム。 - 【請求項2】 ビニル芳香族系炭化水素と、(a 1 )ア
クリル酸、(a 2 )炭素数C 1 〜C 12 のアルコールとア
クリル酸とのエステル誘導体、(a 3 )メタアクリル
酸、(a 4 )炭素数C 1 〜C 12 のアルコールとメタアク
リル酸とのエステル誘導体、(a 5 )α、β不飽和ジカ
ルボン酸、または(a 6 )これらジカルボン酸とC 2 〜
C 12 のアルコールとのモノ又はジエステル誘導体である
単量体より選ばれる少なくとも1種の脂肪族不飽和カル
ボン酸系誘導体と、の共重合体で、ビカット軟化点が1
05℃を超えない該共重合体(A)5〜95重量%と、
少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素が主体よりなる
重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエン誘導体
を主体として重合した重合体ブロックとよりなる共重合
体(B)4〜94重量%と、該ブロック共重合体(B)
の共役ジエン由来の不飽和結合部分の少なくとも1部を
水添処理した重合体ブロックを主体とした共重合体、又
は該ブロック共重合体(B)のカルボン酸変性共重合
体、又はブロック共重合体(B)の1部を水添処理した
ブロック共重合体のカルボン酸変性共重合体、又はブロ
ック共重合体(B)のカルボン酸変性共重合体の1部を
水添処理した共重合体、又はメチルメタアクリレート−
ブタジエン−スチレン系共重合体、又はポリエステル系
共重合体より選ばれる少なくとも1種の重合体(C)1
〜30重量%とを主体とした混合組成物からなる、少な
くとも1軸に延伸されたフィルムで、少なくとも主延伸
方向の熱収縮力が151〜800g/mm2 で、且つ上
記の対直角方向の熱収縮力が5〜150g/mm2 であ
ることを特徴とする熱収縮性硬質フィルム。 - 【請求項3】 落錘衝撃強度が少なくとも5kg・cm
である請求項1又は2記載のフィルム。 - 【請求項4】 主延伸方向の80℃での熱収縮率が10
〜85%、主延伸方向の弾性率が少なくとも110kg
/mm2である請求項1又は2記載のフィルム。
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