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JP3179220U - 耐摩耗性シート部材 - Google Patents

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由孝 吉田
賢司 野村
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Abstract

【課題】相手部材への傷つき性が低く、初期から耐摩耗性に優れ、その耐摩耗性が持続する耐摩耗性シート部材を提供することを課題としている。
【解決手段】柔軟なシート状基材1と、シート状基材1表面に積層された有機樹脂層2aと有機樹脂層2aの硬化前に有機樹脂層2aの表面に単層付着された略球状無機粒子2bとからなる単層粒子樹脂層2と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本考案は、耐摩耗性に優れるシート部材に関する。詳しくは、物の搬送等に使用する搬送部品に貼り付けて使用する耐摩耗性シート部材に関する。
ローラ等の部品表面の耐摩耗性を向上させる方法として、溶射やメッキ等がある。しかし、溶射では処理できる部材が溶射温度に耐える材料に限られる。また、メッキではメッキ材料との密着性や線膨張係数などによる割れ等から処理できる部材の種類に制限がある。
上記の耐摩耗性処理の問題を解決する耐摩耗性シート部材が開発された(例えば、特許文献1参照。)。これは、シート状基材に高硬度の球状粒子を含む塗料の塗膜を形成したものである。
特開平11−302578号公報
上記従来の耐摩耗性シート部材では、塗料中の球状粒子が多くなると塗装ノズルが詰り塗装することが困難になるため球状粒子を多くすることができない。その結果、塗膜中の球状粒子は不均一で隣り合う粒子と粒子の間隔も広い。しかも、搬送する物と当接する最表面は粒子でなく塗膜樹脂である。
したがって、従来の耐摩耗性シート部材は特にランニング初期の耐摩耗性が劣っている。時間が経過すると、最表面の塗膜が削り取られ、搬送される物品は粒子が分散した塗膜樹脂と接することになるが、粒子の密度が低く且つ不均質であるため耐摩耗性が良くない。
物品の搬送に使用する部品に貼り付けてその部品の耐摩耗性を上げる耐摩耗性シート部材として、例えば従来のサンドペーパ等を用いることが考えられる。しかし、サンドペーパは相手部材を研磨加工するものであり、相手部材への傷つき性が高く搬送に使用する部品に貼り付けて使用することは容易でない。
本考案は、上記の問題に鑑みてなされたもので、相手部材への傷つき性が低く、初期から耐摩耗性に優れ、その耐摩耗性が持続する耐摩耗性シート部材を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するためになされた本考案の耐摩耗性シート部材は、柔軟なシート状基材と、前記シート状基材表面に積層された有機樹脂層と前記有機樹脂層の硬化前に該有機樹脂層表面に単層付着された略球状無機粒子とからなる単層粒子樹脂層と、を有することを特徴とする。
略球状粒子は有機樹脂層の硬化前に該有機樹脂層表面に単層で付着されるので略球状無機粒子を多くすることができる。その結果、略球状無機粒子は有機樹脂層に均一且つ高密度に分散される。しかも最表面の略球状粒子は有機樹脂に覆われることがない。したがって、搬送される物品が高密度で均一な略球状無機粒子に接するので、耐摩耗性が良好である。また、無機粒子が略球状であるので、搬送される物品を傷つけることが抑制される。柔軟なシート状基材を使用しているので、曲げ追従性が高く搬送に使用する搬送部品に装着し易い。また、略球状無機粒子が接着剤としての有機樹脂層でシート状基材に強固に固定されているので、略球状無機粒子が剥離することが抑制される。
上記の耐摩耗性シート部材において、前記単層粒子樹脂層は、少なくとも1層以上積層された複数層の前記単層粒子樹脂層をもつものとすることができる。
略球状無機粒子が複数層固定されているので、耐摩耗性を長期間維持することができる。積層される層数は5層以下、好ましくは3層以下である。5層以下では耐摩耗性シート部材の柔軟性が良好である。
また、前記シート状基材は厚さが1mm以下であるとよい。これにより、曲げ追従性が一層高くなる。
また、前記シート状基材の前記有機樹脂層が形成される表面の平均表面粗さ(Ra)は0.2〜20μmであるとよい。これにより、シート状基材と有機樹脂層との接着性が向上する。
また、前記シート状基材は樹脂又は金属であるとよい。これにより、曲げ追従性が高く、破れ難くなる。
また、前記略球状無機粒子の硬度が前記シート状基材の硬度より約2倍以上高いとよい。これにより、シート状基材に硬度の低い材料を使用することができ、一層曲げ追従性が向上する。
また、前記シート状基材のハードビッカース硬度(Hv)が130以下であるとよい。曲げ追従性をより一層高くすることができる。また、略球状無機粒子の硬度Hvが200以上であるので、シート状基材のHvが130以下であると、基材より略球状無機粒子の硬度を約2倍以上にすることができる。
また、前記略球状無機粒子の平均粒径は10〜200μmであるとよい。前記略球状無機粒子の平均粒径は、好ましくは20〜150μm、より好ましくは30〜60μmである。
粒径を10μm以上とする理由は、10μm以上にすると、粒子がシート状基材表面に積層された有機樹脂層に埋もれない割合が増えるからである。粒径を200μm以下とする理由は、200μm以下にすると、有機樹脂層から剥離する割合が減るからである。
また、前記略球状無機粒子はガラス粒子を除くとよい。略球状無機粒子がガラス粒子を含まないので、ガラス粒子の割れ等により搬送される物品を傷つけることが一層抑制される。
略球状粒子は有機樹脂層の硬化前に該有機樹脂層表面に単層付着されるので略球状無機粒子を多くすることができる。その結果、略球状無機粒子は有機樹脂層に均一且つ高密度に分散される。しかも最表面の略球状粒子は有機樹脂に覆われることがない。したがって、耐摩耗性が良好である。また、無機粒子が略球状であるので、搬送される物品を傷つけることが抑制される。柔軟なシート状基材を使用しているので、曲げ追従性が高い。
本考案に係る実施形態の耐摩耗性シート部材の断面模式図である。 変形態様の耐摩耗性シート部材の断面模式図である。 実施例1の耐摩耗性シート部材の拡大断面写真である。 実施例5の耐摩耗性シート部材の拡大断面写真である。 比較例6の耐摩耗性シート部材の拡大断面写真である。
本考案の耐摩耗性シート部材は、図1に示すように、シート状基材1と、シート状基材1の表面に積層された有機樹脂層2aと有機樹脂層2aの表面に固定された略球状無機粒子2bとからなる単層粒子樹脂層2と、を有する。
シート状基材1としては金属材料、高分子材料などが用いられるが、従来のサンドブラスト処理ができなかった厚さが1mm以下の薄板、特に0.5mm以下の薄板とすることができる。厚さが1mm以下の薄板でよいので、曲げ追従性に優れており搬送等に使用する搬送部品に巻き付けることができる。
金属材料としては、曲げ追従性の観点からアルミニウム及びその合金、銅及びその合金、マグネシウム及びその合金、軟鉄等のハードビッカース硬度(Hv)が130以下の低硬度金属材料が好ましい。後述の略球状無機粒子3の多くがHv200程度であるので、シート状基材1のHvが130以下であると、略球状無機粒子3の硬度をシート状基材1の硬度の約2倍にすることができる。
シート状基材1が高分子材料の場合、Hv130以下を満たす高分子材料としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、酢酸セルロース(MS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリスチレン(PS)、スチレン・アクリルニトリル共重合体(AS)、スチレン・ブタジエン・アクリルニトリル共重合体(ABS)、ポリエチレン(PE)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、結晶性ポリマー(LCP)、ポリアリエート(PAR)、ポリサルフォン(PSF)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、フェノール(PF)、ユリア(UF)、メラミン(MF)、エポキシ(EP)、フラン(FF)、アルキド、不飽和ポリエステル(UP)、ジアリフタレート(PDAP)、シリコーン等のプラスチック、及び、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン・プロピレンゴム(EPDM・EPM)、クロロピレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、エチレン・酢酸ビニルゴム(EVA)、エピクロルヒドリンゴム(CO・ECO)、ニトリルゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM・ANM)、ウレタンゴム(U)、多硫化ゴム(T)、シリコーンゴム(Si)、フッ素ゴム(FKM)等のゴム材料が好ましい。
上記材料のシート状基材1に例えばエポキシ樹脂をスプレー塗装して有機樹脂層2aを形成し、ウエットな有機樹脂層2aの上に略球状無機粒子を降り掛け付着させ、余分な略球状無機粒子を除去し、乾燥・焼成すると、図1に示すように略球状無機粒子2bが単層となるように固定される。
上記工程を繰り返すことにより図2に示すような単層粒子樹脂層2が2と2の2層からなる非粘着性シート部材が製造される。
有機樹脂層2aを形成する有機樹脂としては、上記ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂の他にフェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリビスマレイド・トリアジン樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を用いることができる。
有機樹脂層2aの厚さは1〜200μmの範囲、好ましくは5〜30μmの範囲である。厚さを1μm以上とする理由は、1μm以上にすると略球状無機粒子3の固定力が増すからである。厚さを200μm以下とする理由は、厚さを200μm以下にすると、シート状基板1の反りの発生が抑制されるからである。
有機樹脂バインダーとして熱硬化性樹脂が好ましい。有機樹脂バインダーが熱硬化性樹脂の場合、シート状基材1が低耐熱性でも或いは摩擦熱や加温による樹脂の変形と軟化があっても、略球状無機粒子3の離脱や重なり等が抑制される。
有機樹脂バインダーを塗装する前に、シート状基材1を化学処理やサンドブラスト等で粗面化するとよい。粗面化されたシート状基材1の表面粗さ(Ra)は0.2〜20μmであるとよい。これにより、有機樹脂層2aとシート状基材1の結合を強固にすることができる。ここで、表面粗さ(Ra)は、JIS B0601:2001の中心線平均粗さを示す。
略球状無機粒子2bの例として、セラミックビーズや無機材料の溶射粒子が挙げられるが、無機材料の溶射粒子が機能的(耐摩耗性・高硬度性)、経済的に好ましい。ガラスビーズは衝撃により割れやすく、摩擦する相手部材を傷つけるため好ましくない。ここで、略球状粒子とは、角張った部位のない球状粒子、非球状粒子或いは球状粒子が複数個連結した繭状粒子、瓢箪状粒子、楕円体状粒子を含むものとする。
溶射無機材料としては、金属(アルミ及びその合金、コバルト合金、銅及びその合金、鉄合金、モリブデン及びその合金、ニッケル及びその合金、チタン、タンタル、タングステン等)、サーメット(クロムカーバイト系、タングステンカーバイト系、チタンカーバイト系)、セラミック(Al2O3、SiO2、TiO2、Cr2O3、MgO、ZrO2、Y2O3の単体及び混合物)等から選ばれたシート状基材1より硬度が高いものを1種類又は複数選択して使用することができる。
本実施形態の耐摩耗性シート部材は、金属やセラミックスなどの搬送部品に使用される。
(実施例1)
PET樹脂の100mm×50mm×1mm(厚さ)をアセトン溶剤で脱脂して乾燥したものを柔軟なシート状基材とした。このシート状基材の上にエポキシ(ナガセケムテック(株)製、AV138)を10μm塗装し、その上に全面に亘って略球状Al2O3粒子(日本ユテク(株)製、1275H、硬度:Hv697、粒径:20〜53μm)を振り掛けて、付着しない粒子をエアーで払い、ローラで均した。その後、常温で24時間乾燥した。これを実施例1の耐摩耗性シート部材とする。
実施例1の耐摩耗性シート部材の場合、図3に示すように略球状Al2O3粒子はエポキシの表面を介して埋設されること無く、表面に単層となるように個々に分散固定されている。
(実施例2)
ポリカーボネート樹脂の100mm×50mm×1mm(厚さ)をアセトン溶剤で脱脂して乾燥したものをシート状基材とした。このシート状基材の上にエポキシ(ナガセケムテック(株)製、AV138)を10μm塗装し、その上に全面に亘て略球状NiCrBSiFe粒子(日本ユテク(株)製、10680、硬度:Hv213、粒径:45〜150μm)を降り掛けて、付着しない粒子をエアーで払い、ローラで均した。その後、常温で24時間乾燥した。これを実施例2の耐摩耗性シート部材とする。
(実施例3)
ニトリルゴム(NBR)の100mm×50mm×1mm(厚さ)をアセトン溶剤で脱脂して乾燥したものをシート状基材とした。このシート状基材の上にエポキシ・ウレタン(LOAD社製、LORD7701)を20μm塗装し、その上に全面に亘って略球状Al2O3粒子(日本ユテク(株)製、1275H 、硬度:Hv697、粒径:20〜53μm)を降り掛けて、付着しない粒子をエアーで払い、ローラで均した。その後、常温で24時間乾燥した。これを実施例3の耐摩耗性シート部材とする。
(実施例4)
SUS304(硬度:Hv150)の100mm×100mm×0.1mm(厚さ)をアセトン溶剤で脱脂して乾燥したものを柔軟なシート状基材とした。このシート状基材の上にポリイミド(宇部興産(株)製、U−ワニスA)を12μm塗装し、その上に全面に亘て略球状NiCrBSiFe粒子(日本ユテク(株)製、10680、硬度:Hv213、粒径:45〜150μm)を降り掛けて、付着しない粒子をエアーで払い、ローラで均した。その後、常温で24時間乾燥した。これを実施例4の耐摩耗性シート部材とする。
(実施例5)
JIS規格A5052(アルミニウムの純度:99.52%、硬度:Hv55)の100mm×50mm×0.3mm(厚さ)をアセトン溶剤で脱脂して乾燥したものを柔軟なシート状基材とした。このシート状基材の上にポリイミド(宇部興産(株)製、U−ワニスA)を5μm塗装し、その上に全面に亘って略球状Al2O3粒子(日本ユテク(株)製、1275H 、硬度:Hv697、粒径:20〜53μm)を降り掛けて、付着しない粒子をエアーで払い、ローラで均した。その後、80℃で60分乾燥後350℃×30分焼成した。このポリイミドを塗装しその上に全面に亘って略球状Al2O3粒子を降り掛けて付着しない粒子をエアーで払い、ローラで均し、その後、80℃で60分乾燥後350℃×30分焼成する工程を3回繰り返した。これを実施例5の耐摩耗性シート部材とする。
この耐摩耗性シート部材の場合、図4に示すように略球状Al2O3粒子が3層に積層されている。
(実施例6)
実施例5の「略球状Al2O3粒子(日本ユテク(株)製、1275H 、硬度:Hv697、粒径:20〜53μm」を、「略球状NiCrBSiFe粒子(日本ユテク(株)製、10680、硬度:Hv213、粒径:45〜150μm」に変更した以外は実施例5と同じである。これを実施例6の耐摩耗性シート部材とする。
(比較例1)
♯180サンドペーパ(KOVAX社製、ABRASIVE PAPER ♯180)を比較例1の耐摩耗性シート部材とする。
(比較例2)
実施例5と同じJIS規格A5052(アルミニウムの純度:99.52%、硬度:Hv55)の100mm×100mm×0.3mm(厚さ)に溶射を行い粗面化した。これを比較例2の耐摩耗性シート部材とする。
(比較例3)
実施例5と同じJIS規格A5052(アルミニウムの純度:99.52%、硬度:Hv55)の100mm×100mm×0.3mm(厚さ)をアセトン溶剤で脱脂して乾燥したものをシート状基材とした。このシート状基材の上に実施例5と同じポリイミド(宇部興産(株)製、U−ワニスA)を12μm塗装し、その上に全面に亘って略角状NiAl粒子(日本ユテク(株)製、29029、硬度:Hv150、粒径:35〜130μm)を降り掛けて、付着しない粒子をエアーで払い、ローラで均した。その後、実施例5と同じように80℃で60分乾燥後350℃×30分焼成した。これを比較例3の耐摩耗性シート部材とする。
(比較例4)
比較例3の「略角状NiAl粒子(日本ユテク(株)製、29029、硬度:Hv150、粒径:35〜130μm)」を「SiCパウダー(昭和電工(株)製、A-4、硬度:Hv2150、粒径:5μm未満)」に変更した以外は比較例3と同じである。これを比較例4の耐摩耗性シート部材とする。
(比較例5)
比較例3の「略角状NiAl粒子(日本ユテク(株)製、29029、硬度:Hv150、粒径:35〜130μm)」を「ZrSiO4粒子(不二製作所製、不二ジルコンビーズFZS-300、硬度:Hv1250、粒径:300〜425μm)に変更した以外は比較例3と同じである。これを比較例5の耐摩耗性シート部材とする。
(比較例6)
これは、実施例1の比較例である。PET樹脂の100mm×50mm×1mm(厚さ)をアセトン溶剤で脱脂して乾燥したものを柔軟なシート状基材とした。このシート状基材の上にエポキシ(ナガセケムテック(株)製、AV138)に略球状Al2O3粒子(日本ユテク(株)製、1275H、硬度:Hv697、粒径:20〜53μm)を100部添加してスプレー塗装した。その後、常温で24時間乾燥した。これを比較例6の耐摩耗性シート部材とする。
この比較例6の耐摩耗性シート部材は、背景技術で述べた従来の耐摩耗性シート部材に相当する。この耐摩耗性シート部材は図5に示すように、塗膜中の球状Al2O3粒子は不均一で隣り合う粒子と粒子の間隔も広い。しかも、搬送する物品と当接する最表面は粒子でなく塗膜樹脂である。
上記実施例1〜6の耐摩耗性シート部材及び比較例1〜6の耐摩耗性シート部材の耐摩耗性及び相手材への傷つき性を次のようにして評価した。
耐摩耗性は、2種類のサンドペーパでの研磨後と研磨前の粗さの変化量で評価した。すなわち、研磨前の中心線平均粗さRaと♯400及び♯180サンドペーパ(KOVAX社製、ABRASIVE PAPER ♯400、♯180)での20回研磨後の中心線平均粗さRaを、表面粗さ測定器(東京精密機器(株)、表面粗さ形状測定機、HANDY-SURF E-35A)で測定することで評価した。
相手材への傷つき性は、JIS規格A5052(アルミニウムの純度:99.52%)の100mm×100mm×1mm(厚さ)を1Kgの荷重を掛けて押し付け、20回擦り付けた後の表面粗さRaを、表面粗さ測定器(東京精密機器(株)、表面粗さ形状測定機、HANDY-SURF E-35A)で測定することで評価した。
上記実施例1〜6の耐摩耗性シート部材及び比較例1〜6の耐摩耗性シート部材の曲げ追従性、基材変形性を次のようにして評価した。すなわち、直径150mmの丸棒に巻き付けるために手で曲げた時の曲がり状態を目視評価した。また、基材に耐摩耗性処理を行った後の基材の変形を目視評価した。
各測定結果、評価結果を表1に示す。
実施例1の耐摩耗性シート部材(図3)、実施例5の耐摩耗性シート部材(図4)及び比較例6の耐摩耗性シート部材(図5)を比較すると、次のことがわかる。すなわち、本考案の耐摩耗性シート部材の場合、略球状無機粒子は有機樹脂層に均一且つ高密度に分散されており、最表面の略球状粒子は有機樹脂に覆われることがないのに対し、従来の耐摩耗性シート部材の場合、塗膜中の略球状粒子は不均一で隣り合う粒子と粒子の間隔も広く、搬送する物品と当接する最表面は粒子でなく塗膜樹脂であることがわかる。
また、表1からわかるように、例えば♯180ペーパテストのように、実施例の耐摩耗性シート部材の研磨前後の変化量が0.5μm未満であるのに対し、比較例の耐摩耗性シート部材のそれが1〜3μm程度である。したがって、実施例の耐摩耗性シート部材は耐摩耗性に優れていることがわかる。そして、その理由は、略球状無機粒子が本考案の耐摩耗性シート部材の場合、表面に露出しており、従来の耐摩耗性シート部材の場合、樹脂で覆われているためであると云うことができる。
また、相手材への傷つき性は、相手材の粗さRaが実施例の耐摩耗性シート部材の場合、0.7前後であるのに対し、比較例の耐摩耗性シート部材の場合、1.4或いは1.85と約2倍或いは約3倍大きい。したがって、実施例の耐摩耗性シート部材は相手材への傷つき性に優れていることがわかる。
また、実施例の耐摩耗性シート部材は曲げ追従性に優れ、変形しなかった。
1・・・・・・シート状基材
2・・・・・・単層粒子樹脂層
2a・・・・有機樹脂層
2b・・・・略球状無機粒子

Claims (9)

  1. 柔軟なシート状基材と、
    前記シート状基材表面に積層された有機樹脂層と前記有機樹脂層の硬化前に該有機樹脂層表面に単層付着された略球状無機粒子とからなる単層粒子樹脂層と、を有することを特徴とする耐摩耗性シート部材。
  2. 前記単層粒子樹脂層は少なくとも1層以上積層された複数層の前記単層粒子樹脂層をもつ請求項1に記載の耐摩耗性シート部材。
  3. 前記シート状基材は厚さが1mm以下である請求項1又は2に記載の耐摩耗性シート部材。
  4. 前記シート状基材の前記有機樹脂層が形成される表面の平均表面粗さ(Ra)は0.2〜20μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐摩耗性シート部材。
  5. 前記シート状基材は樹脂又は金属である請求項1〜4の何れか項に記載の耐摩耗性シート部材。
  6. 前記略球状無機粒子の硬度が前記シート状基材の硬度より約2倍以上高い請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐摩耗性シート部材。
  7. 前記シート状基材のハードビッカース硬度(Hv)が130以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐摩耗性シート部材。
  8. 前記略球状無機粒子の平均粒径は10〜200μmである請求項1〜7のいずれか1項に記載の耐摩耗性シート部材。
  9. 前記略球状無機粒子はガラス粒子を除く請求項1〜8のいずれか1項に記載の耐摩耗性シート部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024195690A1 (ja) * 2023-03-19 2024-09-26 東洋アルミニウム株式会社 積層体

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