[go: up one dir, main page]

JP3177663B2 - 塗装方法 - Google Patents

塗装方法

Info

Publication number
JP3177663B2
JP3177663B2 JP30213691A JP30213691A JP3177663B2 JP 3177663 B2 JP3177663 B2 JP 3177663B2 JP 30213691 A JP30213691 A JP 30213691A JP 30213691 A JP30213691 A JP 30213691A JP 3177663 B2 JP3177663 B2 JP 3177663B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl
group
resin
paint
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30213691A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05138112A (ja
Inventor
直民 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP30213691A priority Critical patent/JP3177663B2/ja
Publication of JPH05138112A publication Critical patent/JPH05138112A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3177663B2 publication Critical patent/JP3177663B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上塗り塗料の塗装方法
に関し、例えば、建築外装、自動車、産業機械、スチー
ル製家具、家電用品、あるいはプラスチックなどに使用
される上塗り塗料の塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】加水分解
性シリル基(加水分解性基の結合したケイ素含有基)含
有ビニル系重合体が常温で硬化し、コンクリート、ガラ
ス、鋼板、アルミニウムなどの無機物に対する密着性が
よく、耐候性の優れた樹脂であることが見出され、すで
に特許出願されている(特開昭54−36395号公報
など)。しかしながら、このビニル系重合体も有機物に
対する密着性は必ずしも満足のいくものではなく、下塗
りあるいは中塗り塗料を塗装した後、優れた耐候性、耐
酸性等を付与する目的で加水分解性シリル基含有ビニル
系重合体を上塗りすると、塗膜間での密着性が不充分と
なることがあった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記問題点
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。
【0004】すなわち、本発明の塗装方法は、それぞれ
油性塗料、合成樹脂塗料、セルロース塗料および水溶性
塗料からなる群より選択された少なくとも一種である下
塗りあるいは中塗り塗料が塗装されている上に、 (a)主鎖が実質的にビニル系重合体からなり、加水分
解性基の結合したケイ素含有基(以下、加水分解性シリ
ル基ともいう)を1分子中に少なくとも1個有するビニ
ル系樹脂、および (b)硬化触媒 からなる硬化性組成物を主成分とする上塗り塗料を塗装
する方法であって、前記下塗りあるいは中塗り塗料に、 (c)主鎖が実質的にビニル系重合体からなり、加水分
解性シリル基を1分子中に少なくとも1個有し、さらに
共重合成分として水酸基を有するビニル系単量体に由来
する繰り返し単位を含有するビニル系樹脂が含まれてい
ることを特徴とする。
【0005】本発明に用いる上塗り塗料用硬化性組成物
には、(a)成分である、主鎖が実質的にビニル系重合
体からなり、加水分解性シリル基を1分子中に少なくと
も1個有するビニル系樹脂(以下、加水分解性シリル基
含有ビニル系樹脂ともいう)が含有されている。
【0006】この加水分解性シリル基含有ビニル系樹脂
の主鎖が実質的にビニル系重合体からなるため、硬化物
の耐候性、耐薬品性などが優れるとともに、共重合組成
を変更することにより、軟質から硬質まで幅広い樹脂設
計が可能である。また、湿分が存在すると加水分解して
シラノール基となり、さらにシロキサン結合が生成して
硬化する加水分解性シリル基を、1分子中に少なくとも
1個、好ましくは2個以上有するため、湿分の存在下、
室温で硬化させることができるとともに、化学的に安定
なシロキサン結合を生成するために、硬化物の耐候性、
耐薬品性をさらに向上させることができる。
【0007】前記加水分解性シリル基含有ビニル系樹脂
の分子量にはとくに限定はないが、作業性、安定性、塗
膜の外観性(光沢値、目視での評価)などの点から、数
平均分子量が2,000〜80,000程度、とくに好
ましくは3,000〜25,000程度のものが一般的
に使用される。
【0008】前記加水分解性シリル基含有ビニル系樹脂
は、たとえばビニルモノマーと加水分解性シリル基含有
モノマーとを共重合させることにより得られるが、主鎖
または側鎖の一部として全体の50%以下の範囲でウレ
タン結合あるいはシロキサン結合などを含んでいてもよ
い。
【0009】本発明に用いる(a)成分である加水分解
性シリル基含有ビニル系樹脂を製造する際に用いるビニ
ルモノマーにはとくに限定はないが、その具体例として
は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチ
ル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メ
タ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メ
チルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、東亜合成化学工業(株)製のアロ
ニクスM−5700、東亜合成化学工業(株)製のマク
ロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB
−6、AK−5、ダイセル化学工業(株)製のPlac
cel FA−1、Placcel FA−3、Pla
ccel FA−4、Placcel FM−1、Pl
accel FM−4;(メタ)アクリル酸のヒドロキ
シアルキルエステル類などのα,β−エチレン性不飽和
カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸も
しくはリン酸エステル類との縮合生成物たるリン酸エス
テル基含有ビニル系化合物;スチレン、α−メチルスチ
レン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒド
ロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素
系ビニル系化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸
などの不飽和カルボン酸、それらの塩(アルカリ金属
塩、アンモニウム塩、アミン塩など)、それらの酸無水
物(無水マレイン酸など)、または、それらと炭素数1
〜20の直鎖または分岐のアルコールとのジエステルま
たはハーフエステルなどの不飽和カルボン酸のエステ
ル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレ
ートなどのビニルエステルやアリル化合物;ビニルピリ
ジン、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有
ビニル系化合物;イタコン酸ジアミド、クロトンアミ
ド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニ
ルピロリドンなどのアミド基含有ビニル系化合物;2−
ヒドロキシエチルビニルエーテル、メチルビニルエーテ
ル、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、
イソプレン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニ
ルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその他のビニ
ル系化合物などがあげられる。これらのビニルモノマー
は単独で用いても、また2種以上を併用してもよい。
【0010】前記加水分解性シリル基含有モノマーの具
体例としては、分子内に不飽和結合を有するシラン誘導
体、たとえば
【化1】
【化2】
【化3】 などがあげられ、末端にアルコキシシリル基をウレタン
結合あるいはシロキサン結合を介して有する(メタ)ア
クリレートも含まれる。これらの加水分解性シリル基含
有モノマーは1種で用いてもよく、2種以上併用しても
よい。
【0011】これら加水分解性シリル基含有モノマーと
ビニルモノマーとの共重合体の製法にはとくに限定はな
く、たとえば特開昭54−36395号公報、同57−
36109号公報、同58−157810号公報などに
示される方法によればよく、とくにアゾビスイソブチロ
ニトリルなどのアゾ系ラジカル開始剤を用いた溶液重合
法によるのが、取扱いが容易であるなどの点から好まし
い。
【0012】また、必要に応じて、たとえばn−ドデシ
ルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチ
ルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、 (CHO)Si−S−S−Si(OCH、 (CHO)Si−S−Si(OCHなどの
連鎖移動剤の1種以上を用いることにより、分子量を調
節することができる。加水分解性シリル基を分子中に有
する連鎖移動剤、たとえばγ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシランなどをモノマー混合溶液に添加して連続
追加すると、分子量調節の作用と同時にビニル系重合体
の末端に加水分解性シリル基を導入することができるの
で、有用である。
【0013】前記溶液重合に用いる溶剤の例としては、
たとえばトルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘ
キサンなどの炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなど
の酢酸エステル類;メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、n−ブタノールなどのアルコール類;エチル
セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート
などのエーテル類;メチルエチルケトン、アセト酢酸エ
チル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、メチ
ルイソブチルケトン、アセトンなどのケトン類などがあ
げられるが、これらに限定されるものではなく、非反応
性の溶剤であれば使用しうる。
【0014】本発明に用いる(b)成分である硬化触媒
の具体例としては、たとえばジブチルスズジラウレー
ト、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズジラウ
レート、ジオクチルスズジマレエート、オクチル酸スズ
などの有機スズ化合物;リン酸、モノメチルホスフェー
ト、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェー
ト、モノオクチルホスフェート、モノデシルホスフェー
ト、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジ
ブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジデシ
ルホスフェートなどのリン酸またはリン酸エステル;ア
ルキルチタン酸塩;トリス(エチルアセトアセテート)
アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミ
ニウムのような有機アルミニウム化合物;テトラブチル
ジルコネート、テトラキス(アセチルアセトナート)ジ
ルコニウム、テトライソブチルジルコネート、ブトキシ
トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウムのような
有機ジルコニウム化合物;マレイン酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバチン酸、イタコン酸、クエン酸、コハ
ク酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、こ
れらの酸無水物、パラトルエンスルホン酸などの酸性化
合物;ヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミ
ン、N,N−ジメチルドデシルアミン、ドデシルアミン
などのアミン類;これらアミンと酸性リン酸エステルと
の混合物または反応物;水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムなどのアルカリ性化合物などがあげられる。
【0015】これら硬化触媒のうち、有機スズ化合物、
酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルとアミンとの
混合物もしくは反応物、飽和もしくは不飽和多価カルボ
ン酸またはその酸無水物、反応性シリコン化合物、有機
チタネート化合物、有機アルミニウム化合物、またはこ
れらの混合物が活性も高く好ましい。
【0016】前記加水分解性シリル基含有ビニル系樹脂
100部(重量部、以下同様)に対する硬化触媒の添加
量は、一般に0.01〜20部、好ましくは0.01〜
10部である。
【0017】本発明に用いる上塗り塗料用の硬化性組成
物には脱水剤は用いても用いなくてもよいが、長期間に
わたる安定性やくり返し使用しても問題のない安定性を
確保するためには、1種または2種以上の脱水剤を用い
る方が好ましい。
【0018】この脱水剤の具体例としては、たとえばオ
ルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチ
ル、オルト酢酸エチル、メチルトリメトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、メチルシリケート、エチルシリケ
ートなどの加水分解性エステル化合物があげられる。こ
れらの加水分解性エステル化合物は、加水分解性シリル
基含有ビニル系樹脂の重合前、重合中、あるいは重合後
のどの段階で加えてもよい。
【0019】下塗りあるいは中塗り塗料に添加される
(c)成分(主鎖が実質的にビニル系重合体からなり、
加水分解性シリル基を1分子中に少なくとも1個有し、
さらに共重合成分として水酸基を有するビニル系単量体
に由来する繰り返し単位を含有するビニル系樹脂)は、
加水分解性シリル基を含むために、上塗りされる(a)
成分と反応し、密着力が向上する。また、この(c)成
分は、共重合成分として水酸基を有するビニル系単量体
に由来する繰り返し単位を含有するために、極性が強
く、下塗りあるいは中塗り塗料との相溶性が向上する。
また、この共重合成分中の水酸基が反応する場合もあ
り、(c)成分が下塗りあるいは中塗り塗料と強く親和
することにより、(a)成分との密着力の向上に寄与す
る。
【0020】(c)成分の数平均分子量は、安定性や密
着性の点から、2,000〜25,000程度であり、
とくに好ましくは3,000〜15,000である。
(c)成分を得るには、水酸基を有するビニル系単量体
を必須成分として共重合する以外は、(a)成分で説明
した加水分解性シリル基含有モノマー、ビニルモノマ
ー、重合方法、連鎖移動剤、溶剤および脱水剤を使用で
きる。
【0021】この水酸基を有するビニル系単量体として
は、たとえば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシエチルビニルエーテル、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、東亜合成化学工業(株)製の
アロニクス5700、4−ヒドロキシスチレン、日本触
媒化学工業(株)製のHE−10、HE−20、HP−
10およびHP−20(いずれも末端に水酸基を有する
アクリル酸エステルオリゴマー)、日本油脂(株)製の
ブレンマーPPシリーズ(ポリプロピレングリコールメ
タクリレート)、ブレンマーPEシリーズ(ポリエチレ
ングリコールモノメタクリレート)、ブレンマーPEP
シリーズ(ポリエチレングリコールポリプロピレングリ
コールメタクリレート)、ブレンマーAP−400(ポ
リプロピレングリコールモノアクリレート)、ブレンマ
ーAE−350(ポリエチレングリコールモノアクリレ
ート)、ブレンマーNKH−5050(ポリプロピレン
グリコールポリトリメチレンモノアクリレート)および
ブレンマーGLM(グリセロールモノメタクリレー
ト)、水酸基含有ビニル系化合物とε−カプロラクトン
との反応により得られるε−カプロラクトン変性ヒドロ
キシアルキルビニル系モノマーなどがあげられる。なか
でも、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニ
ル系モノマーを用いると、得られる(c)成分は、ポリ
エステル部位を有するために極性が高く、下塗りあるい
は中塗り塗料への相溶性が良好である。また、水酸基が
主鎖よりポリエステル部位を介して離れているために、
水酸基の効果の発現が効果的である。
【0022】このε−カプロラクトン変性ヒドロキシア
ルキルビニル系モノマーの代表的なものとしては、たと
えば、式
【化4】 (式中、RはHまたはCH、nは1以上の整数を示
す。)で表わされる構造を有するダイセル化学工業
(株)製のPlaccel FA−1(R=H、n=
1)、Placcel FA−3(R=H、n=3)、
Placcel FA−4(R=H、n=4)、Pla
ccel FM−1(R=CH、n=1)およびPl
accel FM−4(R=CH、n=4)、UCC
(株)製のTONE M−100(R=H、n=2)お
よびTONE M−201(R=CH、n=1)など
があげられる。
【0023】これらの水酸基含有ビニル系単量体は、1
種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0024】(c)成分の水酸基価は、(c)成分の樹
脂固形分に対して0.5〜100mgKOH/g、好ま
しくは1〜50mgKOH/gである。0.5mgKO
H/g未満では密着性が低下し、100mgKOH/g
を超えると安定性が低下する。
【0025】(c)成分の下塗りあるいは中塗り塗料に
対する添加量は、下塗りあるいは中塗り塗料の主剤10
0部に対して樹脂固形分として0.5〜50部、好まし
くは1〜30部である。0.5部未満では密着性改良の
効果がなく、50部を超えると保存安定性が低下する。
【0026】(c)成分が添加される下塗りあるいは中
塗り塗料としては、油性塗料、合成樹脂塗料、セルロー
ス塗料、水溶性塗料があげられる。特に合成樹脂塗料に
有効であり、中でも、ポリウレタン塗料、熱硬化性アク
リル樹脂塗料、アミノアルキド樹脂塗料に著しく効果が
ある。これは、(c)成分に含まれる水酸基が、ポリウ
レタン塗料のイソシアネート基、アミノアルキド樹脂塗
料や熱硬化性アクリル樹脂塗料のメラミン等と反応する
ためと考えられる。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づき説明する。
【0028】合成例1 (a)成分(加水分解性シリル
基含有ビニル系樹脂)の合成 撹拌装置、温度計、チッ素導入管、滴下ロートおよび冷
却管を備えた反応器にキシレン360gを仕込み、11
0℃に加熱した。この反応器に、n−ブチルアクリレー
ト375g、メチルメタクリレート535g、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン80g、アクリ
ルアミド10gおよびアゾビスイソブチロニトリル9g
よりなる溶液を3時間かけて連続添加した。添加終了
後、別に用意したアゾビスイソブチロニトリル1gおよ
びトルエン70gからなる溶液を、さらに1時間かけて
添加し、さらに1時間後重合を行ない、加水分解性シリ
ル基含有ビニル系樹脂(a)を得た。
【0029】得られた樹脂溶液をキシレンで希釈して5
0%に調整し、粘度800cp(23℃)の無色透明な
液体を得た。また、得られた樹脂のGPC(ゲル浸透ク
ロマトグラフィ)法による数平均分子量は約15,00
0であった。
【0030】合成例2 (c)成分(水酸基含有加水分
解性シリル基含有ビニル系樹脂)の合成 モノマーおよび開始剤の使用割合を以下に示したように
変更した以外は合成例1と同様にして、不揮発分濃度5
0%、数平均分子量4,000、水酸基価8.6mgK
OH/gの水酸基含有加水分解性シリル基含有ビニル系
樹脂(c)を得た。
【0031】 n−ブチルアクリレート 420g メチルメタクリレート 360g γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 150g Placcel FA−3 70g アゾビスイソブチロニトリル 55g
【0032】実施例1、比較例1 鉄板を240研磨紙で研ぎ、キシレンで脱脂した。こ
の鉄板に、市販のアクリルウレタン樹脂塗料白エナメル
主剤100gに対して合成例2で得た(c)を20gと
規定量のアクリルウレタン硬化剤を添加した後にシンナ
ーで希釈した塗料を、スプレー塗装した。常温で7日間
放置した後、この塗装鉄板に、合成例1で得た(a)の
希釈溶液(固形分100g)とジオクチルスズジマレエ
ート(硬化触媒)5gを混合した後にシンナーで希釈し
た塗料を、スプレー塗装した。常温で7日間放置した後
に密着性試験を行なった結果(実施例1)を表1に示し
た。(c)が無添加の場合の結果(比較例1)も表1に
示した。
【0033】実施例2、比較例2 実施例1と同様に調整した鉄板に、市販のアクリルメラ
ミン樹脂塗料白エナメル主剤100gに対して合成例2
で得た(c)を10g添加した後にシンナーで希釈した
塗料を、スプレー塗装し、140℃で30分焼付けた。
サンプル板の温度が室温にもどってから、合成例1で得
た(a)の希釈溶液(固形分100g)とジオクチルス
ズジマレエート5gを混合した後にシンナーで希釈した
塗料を、スプレー塗装し、120℃で20分焼付け後に
密着性試験を行なった(実施例2)。(c)が無添加の
場合の結果(比較例2)も併せて表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明の塗装方法によれば、加水分解性
シリル基含有ビニル系樹脂を含む上塗り塗料をそれぞれ
油性塗料、合成樹脂塗料、セルロース塗料および水溶性
塗料からなる群より選択された少なくとも一種である下
塗りあるいは中塗り塗料の塗膜上に上塗りした場合で
も、塗膜間の密着性が良好である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 183/00 C09D 183/00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 1/36 B05D 7/24 302 C09D 183/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれ油性塗料、合成樹脂塗料、セルロ
    ース塗料および水溶性塗料からなる群より選択された少
    なくとも一種である下塗りあるいは中塗り塗料が塗装さ
    れている上に、 (a)主鎖が実質的にビニル系重合体からなり、加水分
    解性基の結合したケイ素含有基を1分子中に少なくとも
    1個有するビニル系樹脂、および (b)硬化触媒 からなる硬化性組成物を主成分とする上塗り塗料を塗装
    する方法であって、前記下塗りあるいは中塗り塗料に、 (c)主鎖が実質的にビニル系重合体からなり、加水分
    解性基の結合したケイ素含有基を1分子中に少なくとも
    1個有し、さらに共重合成分として水酸基を有するビニ
    ル系単量体に由来する繰り返し単位を含有するビニル系
    樹脂が含まれていることを特徴とする塗装方法。
  2. 【請求項2】前記合成樹脂塗料が、ポリウレタン塗料、
    熱硬化性アクリル樹脂塗料およびアミノアルキド樹脂塗
    料からなる群より選択された少なくとも一種である請求
    項1記載の塗装方法。
  3. 【請求項3】前記(c)成分中の共重合成分である水酸
    基を有するビニル系単量体が、ε−カプロラクトン変性
    ヒドロキシアルキルビニル系モノマーである請求項1又
    は2に記載の塗装方法。
JP30213691A 1991-11-18 1991-11-18 塗装方法 Expired - Fee Related JP3177663B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30213691A JP3177663B2 (ja) 1991-11-18 1991-11-18 塗装方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30213691A JP3177663B2 (ja) 1991-11-18 1991-11-18 塗装方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05138112A JPH05138112A (ja) 1993-06-01
JP3177663B2 true JP3177663B2 (ja) 2001-06-18

Family

ID=17905344

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30213691A Expired - Fee Related JP3177663B2 (ja) 1991-11-18 1991-11-18 塗装方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3177663B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05138112A (ja) 1993-06-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4053713B2 (ja) 親水性硬化性組成物を用いた塗膜
JP2632167B2 (ja) 熱硬化性組成物
JP2886007B2 (ja) 塗料用硬化性組成物
DE69301158T2 (de) Härtbare Lackzusammensetzung
JP3318805B2 (ja) 熱硬化性上塗り塗料用組成物
JP3011945B2 (ja) 複層塗装用硬化性組成物
JP3177663B2 (ja) 塗装方法
JP4112683B2 (ja) プライマー組成物及び塗膜形成方法
JP3369276B2 (ja) 常温硬化性樹脂組成物
JP3086737B2 (ja) 塗料用硬化性組成物
JP3412916B2 (ja) 塗料用硬化性組成物
JP2695003B2 (ja) 硬化性組成物
JP3385372B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性組成物
JP3435599B2 (ja) 建築外装用親水性硬化性組成物、及び建築外装表面に対する親水性付与方法
JP3167172B2 (ja) 硬化性組成物
JP2832438B2 (ja) 熱硬化性組成物
JP2884186B2 (ja) 上塗塗料
JP3069979B2 (ja) 硬化性組成物
JPH10212454A (ja) 親水性硬化性組成物
JP2001181551A (ja) フッ素系塗料用組成物および該組成物の塗装方法
JP3318059B2 (ja) 硬化性組成物
JP3522998B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物
JP3124360B2 (ja) 塗料用硬化性組成物
JP2002226767A (ja) 塗料用硬化性組成物及び塗装物
JP3318117B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080413

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090413

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100413

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100413

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110413

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees