JP3062328B2 - 2,9−ジクロロキナクリドンで着色されたエンジニアリングプラスチックならびに塗料 - Google Patents
2,9−ジクロロキナクリドンで着色されたエンジニアリングプラスチックならびに塗料Info
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- JP3062328B2 JP3062328B2 JP3329350A JP32935091A JP3062328B2 JP 3062328 B2 JP3062328 B2 JP 3062328B2 JP 3329350 A JP3329350 A JP 3329350A JP 32935091 A JP32935091 A JP 32935091A JP 3062328 B2 JP3062328 B2 JP 3062328B2
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- dichloroquinacridone
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- engineering plastic
- pigment
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- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/16—Nitrogen-containing compounds
- C08K5/34—Heterocyclic compounds having nitrogen in the ring
- C08K5/3412—Heterocyclic compounds having nitrogen in the ring having one nitrogen atom in the ring
- C08K5/3432—Six-membered rings
- C08K5/3437—Six-membered rings condensed with carbocyclic rings
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09B—ORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
- C09B48/00—Quinacridones
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- C09B—ORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
- C09B67/00—Influencing the physical, e.g. the dyeing or printing properties of dyestuffs without chemical reactions, e.g. by treating with solvents grinding or grinding assistants, coating of pigments or dyes; Process features in the making of dyestuff preparations; Dyestuff preparations of a special physical nature, e.g. tablets, films
- C09B67/0001—Post-treatment of organic pigments or dyes
- C09B67/0014—Influencing the physical properties by treatment with a liquid, e.g. solvents
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09D—COATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
- C09D7/00—Features of coating compositions, not provided for in group C09D5/00; Processes for incorporating ingredients in coating compositions
- C09D7/40—Additives
- C09D7/41—Organic pigments; Organic dyes
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Description
【0001】キナクリドンは7,14−ジオキソ−5,
7,12,14−テトラヒドロキノロン(2,3−b)
アクリドンとも呼称され、価値ある顔料である。多くの
特許ならびに刊行物は、1μm以下の粒子サイズを有す
る特定の透明または不透明キナクリドン顔料を含有する
キナクリドンならびにキナクリドン誘導体の製造方法を
記載している。
7,12,14−テトラヒドロキノロン(2,3−b)
アクリドンとも呼称され、価値ある顔料である。多くの
特許ならびに刊行物は、1μm以下の粒子サイズを有す
る特定の透明または不透明キナクリドン顔料を含有する
キナクリドンならびにキナクリドン誘導体の製造方法を
記載している。
【0002】この系統の顔料は、独特の顔料特性を有す
る下記式の線形2,9−ジクロロキナクリドンを含んで
いる。
る下記式の線形2,9−ジクロロキナクリドンを含んで
いる。
【化1】
【0003】この2,9−ジクロロキナクリドンは、高
温プラスチックおよび重合体の着色に使用可能であるの
で、これまで大きな需要を満たしてきた。しかしなが
ら、顔料形状の生成物を得るためには、合成反応からの
粗製9−ジクロロキナクリドンをさらに加工する必要が
あった。かかる加工が必要とされる理由は、顔料が彩色
条件を満足するためには有機顔料の粒子サイズはある特
定の限度以下、すなわち通常は約1.0μm以下でなけ
ればならないという事実にある。粗製2,9−ジクロロ
キナクリドンは通常この条件を満足していない。
温プラスチックおよび重合体の着色に使用可能であるの
で、これまで大きな需要を満たしてきた。しかしなが
ら、顔料形状の生成物を得るためには、合成反応からの
粗製9−ジクロロキナクリドンをさらに加工する必要が
あった。かかる加工が必要とされる理由は、顔料が彩色
条件を満足するためには有機顔料の粒子サイズはある特
定の限度以下、すなわち通常は約1.0μm以下でなけ
ればならないという事実にある。粗製2,9−ジクロロ
キナクリドンは通常この条件を満足していない。
【0004】このための加工法がいくつか提案されてい
る。たとえば米国特許第4015998号明細書は、
2,9−ジクロロキナクリドンの熱安定型の製法ならび
にこの2,9−ジクロロキナクリドンをモリブデート・
オレンジの50乃至97重量%と組み合わせ使用する特
別な用法を開示している。また、米国特許第31576
59号明細書は、硫酸の存在下におけるα−、β−およ
びγ−型の2,9−ジクロロキナクリドンの製造法を開
示している。さらに、米国特許第4895949号明細
書は、出発キナクリドン物質をアルコールおよび塩基の
存在下において環境温度またはほぼ環境温度で摩砕する
ことによって少なくとも1種のキナクリドン誘導体と元
のキナクリドンとの顔料固溶体を製造する方法を開示し
ている。また、ドイツ国特許第2753357号明細書
は、予備摩砕された2,9−ジクロロキナクリドンを1
種またはそれ以上の界面活性剤の存在下において85℃
のアルカリ性媒質と接触させて顔料型へ変換する方法を
開示している。
る。たとえば米国特許第4015998号明細書は、
2,9−ジクロロキナクリドンの熱安定型の製法ならび
にこの2,9−ジクロロキナクリドンをモリブデート・
オレンジの50乃至97重量%と組み合わせ使用する特
別な用法を開示している。また、米国特許第31576
59号明細書は、硫酸の存在下におけるα−、β−およ
びγ−型の2,9−ジクロロキナクリドンの製造法を開
示している。さらに、米国特許第4895949号明細
書は、出発キナクリドン物質をアルコールおよび塩基の
存在下において環境温度またはほぼ環境温度で摩砕する
ことによって少なくとも1種のキナクリドン誘導体と元
のキナクリドンとの顔料固溶体を製造する方法を開示し
ている。また、ドイツ国特許第2753357号明細書
は、予備摩砕された2,9−ジクロロキナクリドンを1
種またはそれ以上の界面活性剤の存在下において85℃
のアルカリ性媒質と接触させて顔料型へ変換する方法を
開示している。
【0005】上記した公知方法により特に高温プラスチ
ックに使用しうる品質の顔料が得られるが、得られた顔
料の性能特性が一定しておらず、特定の用途によりバラ
ツキがある。さらに、これらの公知方法は一般に多工程
の作業を含むので、より簡単でより経済的な方法が望ま
れていた。さらにまた、従来の有機顔料は熱安定性が不
十分である場合が少なくなかったので、この点からも一
層の改良が望まれていた。すなわち、改善された熱安定
性を示す顔料の提供が強く要望されていた。しかして、
今回本発明によって、誠に驚くべきことながら、比表面
積が30m2/g以下、好ましくは4乃至25m2/g、
最も好ましくは4乃至20m2/gという比較的大きな
粒子サイズを有する粗製2,9−ジクロロキナクリドン
が、高分子有機材料、すなわちエンジニアリングプラス
チック内に使用された場合に卓越した熱安定性を示すこ
とが見い出された。この顔料のいま1つの特徴は、粒子
サイズの小さい2,9−ジクロロキナクリドンの公知マ
ゼンタ色に比較して、より赤味の濃い色を呈することで
ある。これらの利点は、本発明による特定の粗製2,9
−ジクロロキナクリドン顔料を高分子有機材料、特に高
性能熱可塑性プラスチックに、その加工の間に、配合す
ることによって得られる。
ックに使用しうる品質の顔料が得られるが、得られた顔
料の性能特性が一定しておらず、特定の用途によりバラ
ツキがある。さらに、これらの公知方法は一般に多工程
の作業を含むので、より簡単でより経済的な方法が望ま
れていた。さらにまた、従来の有機顔料は熱安定性が不
十分である場合が少なくなかったので、この点からも一
層の改良が望まれていた。すなわち、改善された熱安定
性を示す顔料の提供が強く要望されていた。しかして、
今回本発明によって、誠に驚くべきことながら、比表面
積が30m2/g以下、好ましくは4乃至25m2/g、
最も好ましくは4乃至20m2/gという比較的大きな
粒子サイズを有する粗製2,9−ジクロロキナクリドン
が、高分子有機材料、すなわちエンジニアリングプラス
チック内に使用された場合に卓越した熱安定性を示すこ
とが見い出された。この顔料のいま1つの特徴は、粒子
サイズの小さい2,9−ジクロロキナクリドンの公知マ
ゼンタ色に比較して、より赤味の濃い色を呈することで
ある。これらの利点は、本発明による特定の粗製2,9
−ジクロロキナクリドン顔料を高分子有機材料、特に高
性能熱可塑性プラスチックに、その加工の間に、配合す
ることによって得られる。
【0006】この熱安定性2,9−ジクロロキナクリド
ンは、たとえば米国特許第2816114号ならびに第
3342823号明細書に記載されているような公知方
法によって2,9−ジクロロキナクリドンを合成するこ
とによって製造することができる。これら公知製造方法
の最後の合成工程は、メタノール/塩基系内における
2,9−ジクロロ−6,13−ジヒドロキナクリドンの
2,9−ジクロロキナクリドンへの酸化である。別の方
法として、粒子サイズの大きい2,9−ジクロロキナク
リドンは、ポリリン酸中において5−ジ(p−クロロア
ニリノ)テレフタル酸を環化し、続いて粒子成長させる
ことによっても得ることができる。得られた粗生成物は
本発明の目的のために直接使用することもできるし、ま
た均一な表面積のより小さい顔料を形成するためのコン
ディショニング処理にかけることもできる。
ンは、たとえば米国特許第2816114号ならびに第
3342823号明細書に記載されているような公知方
法によって2,9−ジクロロキナクリドンを合成するこ
とによって製造することができる。これら公知製造方法
の最後の合成工程は、メタノール/塩基系内における
2,9−ジクロロ−6,13−ジヒドロキナクリドンの
2,9−ジクロロキナクリドンへの酸化である。別の方
法として、粒子サイズの大きい2,9−ジクロロキナク
リドンは、ポリリン酸中において5−ジ(p−クロロア
ニリノ)テレフタル酸を環化し、続いて粒子成長させる
ことによっても得ることができる。得られた粗生成物は
本発明の目的のために直接使用することもできるし、ま
た均一な表面積のより小さい顔料を形成するためのコン
ディショニング処理にかけることもできる。
【0007】任意工程であるこのコンディショニング
は、粗製2,9−ジクロロキナクリドンを極性溶剤に懸
濁し、この混合物を50℃以上の温度、好ましくは10
0乃至200℃の温度に、コンディショニングが完了す
るまで、通常は選択された条件により1乃至24時間、
加熱することによって実施される。コンディショニング
は加圧下で実施することもできるが、大気圧下で実施す
るのが好ましい。適当な極性溶剤としては下記のものが
考慮される。脂肪族および芳香族のC1−C8−アルコー
ル;脂肪族ジオール、たとえばヘキサンジオール−1,
2またはプロピレングリコール;環式アルコール、たと
えばシクロヘキサノールまたはテトラヒドロフルフリル
アルコール;エステル、たとえばコハク酸ジブチルまた
は安息香酸メチル;ジメチルスルホキシド;テトラメチ
ルスルホン;氷酢酸;ケトン、たとえばシクロヘキサノ
ン;エーテル、たとえばエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ブトキシエタノール、ジフェニルエーテルまた
はアニソール;芳香族炭化水素、たとえばニトロベンゼ
ン;N−メチルホルムアミド;N,N,N’,N’−テ
トラメチル尿素、N,N−ジメチルアセトアミド;N,
N−ジメチルホルムアミドまたはN−メチルピロリド
ン。好ましい極性溶剤は、アルコール、プロピレングリ
コールのごとき脂肪族ジオール;N−メチルピロリド
ン;N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルスル
ホキシドである。
は、粗製2,9−ジクロロキナクリドンを極性溶剤に懸
濁し、この混合物を50℃以上の温度、好ましくは10
0乃至200℃の温度に、コンディショニングが完了す
るまで、通常は選択された条件により1乃至24時間、
加熱することによって実施される。コンディショニング
は加圧下で実施することもできるが、大気圧下で実施す
るのが好ましい。適当な極性溶剤としては下記のものが
考慮される。脂肪族および芳香族のC1−C8−アルコー
ル;脂肪族ジオール、たとえばヘキサンジオール−1,
2またはプロピレングリコール;環式アルコール、たと
えばシクロヘキサノールまたはテトラヒドロフルフリル
アルコール;エステル、たとえばコハク酸ジブチルまた
は安息香酸メチル;ジメチルスルホキシド;テトラメチ
ルスルホン;氷酢酸;ケトン、たとえばシクロヘキサノ
ン;エーテル、たとえばエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ブトキシエタノール、ジフェニルエーテルまた
はアニソール;芳香族炭化水素、たとえばニトロベンゼ
ン;N−メチルホルムアミド;N,N,N’,N’−テ
トラメチル尿素、N,N−ジメチルアセトアミド;N,
N−ジメチルホルムアミドまたはN−メチルピロリド
ン。好ましい極性溶剤は、アルコール、プロピレングリ
コールのごとき脂肪族ジオール;N−メチルピロリド
ン;N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルスル
ホキシドである。
【0008】粒子サイズの大きい2,9−ジクロロキナ
クリドンへのコンディショニングの間における水の存在
は、処理の障害とならない程度の量においては許容され
る。極性溶剤の量は、顔料に対して3乃至20重量部、
好ましくは7乃至14重量部である。合成または任意コ
ンディショニング工程が終了したならば、顔料を濾過単
離し、プレスケーキを溶剤および/または水で洗って乾
燥する。得られた顔料はα−結晶型またはγ−結晶型
2,9−ジクロロキナクリドン、あるいはα−および/
またはβ−および/またはγ−2,9−ジクロロキナク
リドンの混合物であり、好ましくはγ−2,9−ジクロ
ロキナクリドン顔料またはαおよびβ−2,9−ジクロ
ロキナクリドン顔料の混合物であり、その表面積は30
m2/g以下、好ましくは4乃至25m2/g、そして最
も好ましくは4乃至20m2/gである。
クリドンへのコンディショニングの間における水の存在
は、処理の障害とならない程度の量においては許容され
る。極性溶剤の量は、顔料に対して3乃至20重量部、
好ましくは7乃至14重量部である。合成または任意コ
ンディショニング工程が終了したならば、顔料を濾過単
離し、プレスケーキを溶剤および/または水で洗って乾
燥する。得られた顔料はα−結晶型またはγ−結晶型
2,9−ジクロロキナクリドン、あるいはα−および/
またはβ−および/またはγ−2,9−ジクロロキナク
リドンの混合物であり、好ましくはγ−2,9−ジクロ
ロキナクリドン顔料またはαおよびβ−2,9−ジクロ
ロキナクリドン顔料の混合物であり、その表面積は30
m2/g以下、好ましくは4乃至25m2/g、そして最
も好ましくは4乃至20m2/gである。
【0009】顔料を改質するためのいま1つの任意処理
として、次のような組織改良剤を顔料に配合することが
できる。少なくとも12個の炭素原子を有する脂肪酸、
そのアミド、エステルまたは塩、たとえばステアリン酸
またはベヘン酸、ラウリルアミン、ステアリルアミン、
脂肪族1,2−ジオール、エポキシ化大豆油、ワック
ス、樹脂酸または樹脂酸塩。これら添加剤は、顔料を基
準にして0.05乃至20重量%、好ましくは1乃至1
0重量%の量で配合することができる。
として、次のような組織改良剤を顔料に配合することが
できる。少なくとも12個の炭素原子を有する脂肪酸、
そのアミド、エステルまたは塩、たとえばステアリン酸
またはベヘン酸、ラウリルアミン、ステアリルアミン、
脂肪族1,2−ジオール、エポキシ化大豆油、ワック
ス、樹脂酸または樹脂酸塩。これら添加剤は、顔料を基
準にして0.05乃至20重量%、好ましくは1乃至1
0重量%の量で配合することができる。
【0010】本発明による粒子サイズの大きい顔料は、
高分子有機材料の着色に好適である。表面積が約30m
2/g以上である粒子サイズの小さい公知のγ−結晶型
2,9−ジクロロキナクリドンはマゼンタ色であるが、
これに対して本発明によるγ−結晶型顔料はきわめて魅
力的な赤色を呈し、そして最終的な着色された系内で卓
越した熱安定性を示す。
高分子有機材料の着色に好適である。表面積が約30m
2/g以上である粒子サイズの小さい公知のγ−結晶型
2,9−ジクロロキナクリドンはマゼンタ色であるが、
これに対して本発明によるγ−結晶型顔料はきわめて魅
力的な赤色を呈し、そして最終的な着色された系内で卓
越した熱安定性を示す。
【0011】本発明による熱安定性顔料は、高せん断力
のカレンダー加工、キャスティング、モールディングな
どによって製品に加工される高分子有機材料を着色する
ために好適である。本発明による新規な熱安定性顔料
は、被着色高分子有機材料に対して0.01乃至30重
量%、好ましくは0.1乃至10重量%の量で使用する
ことができる。本発明の新規な熱安定性顔料による高分
子有機材料の着色は、場合によってはマスターバッチの
形態で、ロールミル、ミキサーまたは摩砕装置を含む高
せん断技術を使用して本新規顔料を当該基材に混合する
ことによって実施することができる。加工前に有機材料
と本顔料とを組合わせたものは、新規なプレミックスと
見なされる。顔料着色された高分子有機材料は、次に公
知の方法によって所望の最終形状に加工される。たとえ
ばカレンダーがけ、プレス、押出し、ブラッシング、キ
ャスティング、射出成形などによって成形品に加工され
る。ここにおいて、成形品とは特に応力の配向によって
得られる物品、たとえばモールディング品、キャスティ
ング品、繊維のリボン、ロールシートなどを意味する。
のカレンダー加工、キャスティング、モールディングな
どによって製品に加工される高分子有機材料を着色する
ために好適である。本発明による新規な熱安定性顔料
は、被着色高分子有機材料に対して0.01乃至30重
量%、好ましくは0.1乃至10重量%の量で使用する
ことができる。本発明の新規な熱安定性顔料による高分
子有機材料の着色は、場合によってはマスターバッチの
形態で、ロールミル、ミキサーまたは摩砕装置を含む高
せん断技術を使用して本新規顔料を当該基材に混合する
ことによって実施することができる。加工前に有機材料
と本顔料とを組合わせたものは、新規なプレミックスと
見なされる。顔料着色された高分子有機材料は、次に公
知の方法によって所望の最終形状に加工される。たとえ
ばカレンダーがけ、プレス、押出し、ブラッシング、キ
ャスティング、射出成形などによって成形品に加工され
る。ここにおいて、成形品とは特に応力の配向によって
得られる物品、たとえばモールディング品、キャスティ
ング品、繊維のリボン、ロールシートなどを意味する。
【0012】本発明による顔料によって着色されうる熱
可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチックまたはエラ
ストマーの例を以下に示す。セルロースエーテル;セル
ロースエステルたとえばエチルセルロース;線状または
架橋ポリウレタン;線状、架橋または不飽和ポリエステ
ル;ポリカーボネート、ポリオレフィンたとえばポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブチレンまたはポリ−4
−メチルペンテン−1;ポリスチレン;ポリスルホン;
ポリアミド、ポリシクロアミド、ポリイミド、ポリエー
テル、ポリエーテルケトンたとえばポリフェニレンオキ
シド、さらにはポリ−p−キシレン、ポリハロゲン化ビ
ニルたとえばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リアクリロニトリル、アクリル系重合体、ポリアクリレ
ート、ポリメタクリレート、ゴム、シリコーン重合体、
フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、メラミン/ホルム
アルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂、エポキ
シ樹脂、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル
−ブタジエンゴムまたはクロロプレンゴム。これらは単
独または混合物でありうる。成型加工前に高分子有機材
料に可塑剤を配合して、非剛性製品を作ること、または
ポリマーの脆性を減少させることができる。適当な可塑
剤の例としてはリン酸、フタル酸、セバシン酸などのエ
ステルが考慮される。本発明による熱安定性顔料を重合
体に混入する前または後に可塑剤を配合することができ
る。
可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチックまたはエラ
ストマーの例を以下に示す。セルロースエーテル;セル
ロースエステルたとえばエチルセルロース;線状または
架橋ポリウレタン;線状、架橋または不飽和ポリエステ
ル;ポリカーボネート、ポリオレフィンたとえばポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブチレンまたはポリ−4
−メチルペンテン−1;ポリスチレン;ポリスルホン;
ポリアミド、ポリシクロアミド、ポリイミド、ポリエー
テル、ポリエーテルケトンたとえばポリフェニレンオキ
シド、さらにはポリ−p−キシレン、ポリハロゲン化ビ
ニルたとえばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リアクリロニトリル、アクリル系重合体、ポリアクリレ
ート、ポリメタクリレート、ゴム、シリコーン重合体、
フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、メラミン/ホルム
アルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂、エポキ
シ樹脂、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル
−ブタジエンゴムまたはクロロプレンゴム。これらは単
独または混合物でありうる。成型加工前に高分子有機材
料に可塑剤を配合して、非剛性製品を作ること、または
ポリマーの脆性を減少させることができる。適当な可塑
剤の例としてはリン酸、フタル酸、セバシン酸などのエ
ステルが考慮される。本発明による熱安定性顔料を重合
体に混入する前または後に可塑剤を配合することができ
る。
【0013】従来の多くの有機顔料は高性能熱可塑性プ
ラスチックに配合して使用された場合に、その顔料が高
温で一部溶解するため、当該着色製品が紫外線に対して
露光されると蛍光を発する傾向がある。これに対して、
本発明により製造された2,9−ジクロロキナクリドン
を含有する着色物品は実質的に蛍光を発することがな
く、きわめて卓越した熱安定性を示す。したがって、高
温にさらされることによる色の鈍化、変色などが実質的
に回避される。
ラスチックに配合して使用された場合に、その顔料が高
温で一部溶解するため、当該着色製品が紫外線に対して
露光されると蛍光を発する傾向がある。これに対して、
本発明により製造された2,9−ジクロロキナクリドン
を含有する着色物品は実質的に蛍光を発することがな
く、きわめて卓越した熱安定性を示す。したがって、高
温にさらされることによる色の鈍化、変色などが実質的
に回避される。
【0014】本発明による新規な顔料を他の有機および
/または無機顔料および/または重合体可溶性染料と組
合せて使用することによって、きわめてユニークな純粋
かつ美麗な色を得ることができる。さらに、本顔料は有
機マトリックスに容易に配合されることができ、これに
より高い不透明性、彩度ならびに優れた耐光堅牢性およ
び耐光性を有する均質な着色物が与えられる。
/または無機顔料および/または重合体可溶性染料と組
合せて使用することによって、きわめてユニークな純粋
かつ美麗な色を得ることができる。さらに、本顔料は有
機マトリックスに容易に配合されることができ、これに
より高い不透明性、彩度ならびに優れた耐光堅牢性およ
び耐光性を有する均質な着色物が与えられる。
【0015】加工中に適当なせん断力を受け、高い不透
明度を要求される塗料組成物も本顔料を使用して調製す
ることができる。たとえば、次のような塗料に使用する
ことができる:熱硬化性塗料、風乾または物理乾燥塗
料、あるいは架橋性化学反応塗料、特に高温反応性の常
用結合剤を含有している、たとえばアクリル樹脂、アル
キド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
ブロックイソシアナート樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、
セルロースエーテル樹脂、およびこれらの組合せからな
る群より選択された結合剤を含有している焼付け塗料。
本発明による顔料は、自動車産業において常用されてい
る塗料に使用することができる。特にアクリル/メラミ
ン樹脂系、アルキド/メラミン樹脂系、あるいは熱可塑
性アクリル樹脂系または熱硬化性アクリル樹脂系あるい
はまた水性塗料系に使用することができる。以下、本発
明を実施例によってさらに説明する。実施例中の部は、
別途記載のない限り、すべて重量部である。
明度を要求される塗料組成物も本顔料を使用して調製す
ることができる。たとえば、次のような塗料に使用する
ことができる:熱硬化性塗料、風乾または物理乾燥塗
料、あるいは架橋性化学反応塗料、特に高温反応性の常
用結合剤を含有している、たとえばアクリル樹脂、アル
キド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
ブロックイソシアナート樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、
セルロースエーテル樹脂、およびこれらの組合せからな
る群より選択された結合剤を含有している焼付け塗料。
本発明による顔料は、自動車産業において常用されてい
る塗料に使用することができる。特にアクリル/メラミ
ン樹脂系、アルキド/メラミン樹脂系、あるいは熱可塑
性アクリル樹脂系または熱硬化性アクリル樹脂系あるい
はまた水性塗料系に使用することができる。以下、本発
明を実施例によってさらに説明する。実施例中の部は、
別途記載のない限り、すべて重量部である。
【0016】実施例1A 2,9−ジクロロキナクリドンの製造:
化合物2,9−ジクロロキナクリドンを、米国特許第2
821529号明細書の実施例 II に記載されている方
法に従って製造した。ただし、m−クロロアニリンの代
わりにp−クロロアニリンを使用した。ジヒドロ化合物
の酸化も、同実施例に記載されている一般的方法に準じ
て実施した。すなわち、攪拌器と還流冷却器とを具備し
た容器に、2,9−ジクロロ−6,13−ジヒドロキナ
クリドンの240g、メタノール960g、および水4
20g中の水酸化カリウム480gの溶液を装填した。
この混合物を50乃至60℃の温度で45分間攪拌後、
m−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム180gと水
180gとを添加した。酸化が完了するまでこの混合物
を還流加熱した。この時に単離された試料は、約0.1な
いし5μmの平均顔料粒子サイズを示した。このあと、
すい250gを添加し、固体を濾過単離し、顔料からア
ルカリがなくなるまで水洗し、そのプレスケーキを80
℃の炉内で乾燥して、コンディショニングされた2,9
−ジクロロキナクリドン顔料228gを得た。この顔料
は、BET法で測定した比表面積が18m2/gであっ
た。そのX線回折図はα−型およびγ−型の2,9−ジ
クロロキナクリドンの混合物であることを示した。顔料
濃度0.5重量%で高密度ポリエチレンへ押出し方法に
よってこの顔料を配合した時、優れた堅牢性を有する赤
色が得られた。実施例1B 温度計、攪拌器、冷却器を具備した2リットル容量のフ
ラスコに、ポリリン酸200gを装填して70℃まで加
熱した。このあと、2,5−ジ−(p−クロロアニリ
ノ)−テレフタル酸40gを添加し、この混合物を14
5乃至150℃まで加熱し、この温度に2時間保持し
た。130℃において、この混合物に水34.9gをゆ
っくりと滴下し(H3PO4 90%まで)、そしてさらに
2時間145乃至150℃の温度に保持した。140℃
において、この混合物に350mlの水を30分間かけ
て添加し、この混合物をさらに30分間90乃至95℃
の温度に保持した。生成物スラリーを濾過し、そのプレ
スケーキを再度400mlの水に懸濁し、そして水酸化
ナトリウムの50%水溶液を添加してpHを12.0に
調整した。この顔料懸濁物を90℃で30分間攪拌し、
濾過した。そのプレスケーキを塩基がなくなるまで水洗
し、乾燥した。しかして、比表面積が28.5m2/gの
2,9−ジクロロキナクリドン顔料35.62gを得
た。この顔料を高密度ポリエチレンに配合したところ、
顔料は光、熱および気候に対して優秀な堅牢性を示し
た。
化合物2,9−ジクロロキナクリドンを、米国特許第2
821529号明細書の実施例 II に記載されている方
法に従って製造した。ただし、m−クロロアニリンの代
わりにp−クロロアニリンを使用した。ジヒドロ化合物
の酸化も、同実施例に記載されている一般的方法に準じ
て実施した。すなわち、攪拌器と還流冷却器とを具備し
た容器に、2,9−ジクロロ−6,13−ジヒドロキナ
クリドンの240g、メタノール960g、および水4
20g中の水酸化カリウム480gの溶液を装填した。
この混合物を50乃至60℃の温度で45分間攪拌後、
m−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム180gと水
180gとを添加した。酸化が完了するまでこの混合物
を還流加熱した。この時に単離された試料は、約0.1な
いし5μmの平均顔料粒子サイズを示した。このあと、
すい250gを添加し、固体を濾過単離し、顔料からア
ルカリがなくなるまで水洗し、そのプレスケーキを80
℃の炉内で乾燥して、コンディショニングされた2,9
−ジクロロキナクリドン顔料228gを得た。この顔料
は、BET法で測定した比表面積が18m2/gであっ
た。そのX線回折図はα−型およびγ−型の2,9−ジ
クロロキナクリドンの混合物であることを示した。顔料
濃度0.5重量%で高密度ポリエチレンへ押出し方法に
よってこの顔料を配合した時、優れた堅牢性を有する赤
色が得られた。実施例1B 温度計、攪拌器、冷却器を具備した2リットル容量のフ
ラスコに、ポリリン酸200gを装填して70℃まで加
熱した。このあと、2,5−ジ−(p−クロロアニリ
ノ)−テレフタル酸40gを添加し、この混合物を14
5乃至150℃まで加熱し、この温度に2時間保持し
た。130℃において、この混合物に水34.9gをゆ
っくりと滴下し(H3PO4 90%まで)、そしてさらに
2時間145乃至150℃の温度に保持した。140℃
において、この混合物に350mlの水を30分間かけ
て添加し、この混合物をさらに30分間90乃至95℃
の温度に保持した。生成物スラリーを濾過し、そのプレ
スケーキを再度400mlの水に懸濁し、そして水酸化
ナトリウムの50%水溶液を添加してpHを12.0に
調整した。この顔料懸濁物を90℃で30分間攪拌し、
濾過した。そのプレスケーキを塩基がなくなるまで水洗
し、乾燥した。しかして、比表面積が28.5m2/gの
2,9−ジクロロキナクリドン顔料35.62gを得
た。この顔料を高密度ポリエチレンに配合したところ、
顔料は光、熱および気候に対して優秀な堅牢性を示し
た。
【0017】実施例2 温度計、攪拌器、冷却器を具備した1リットル容量のフ
ラスコに、N−メチルピロリドンの400mlと粗製
2,9−ジクロロキナクリドンの450gとを装填し
た。この懸濁物を160℃に加熱し、そしてこの温度に
おいて8時間攪拌した。このあと、顔料懸濁物を40℃
に冷却し、濾過した。プレスケーキを最初メタノール
で、次に水で洗って100℃において乾燥した。しかし
て、比表面積が9.8m2/g(公知BET法で測定)
のコンディショニングされた2,9−ジクロロキナクリ
ドンの444gを得た。0.5%顔料濃度でこの顔料を
モールディングによってポリカーボネートに配合した
時、優れた熱安定性を示した。上記の熱安定性2,9−
ジクロロキナクリドンのX線回折パターンをフィルムに
記録し、その面間隔(d値)および倍照角(double gl
ancing angle)を測定した。透過記録は、ギニエカメラ
[Enraf-Nonius FR 522 (登録商標)]およびCu−K
−α−1照射線(波長=1.54060オングストロー
ム)を使用して実施した。水晶を較正度物質として使用
し、d値を粉末回折ファイルから求めた。 次表は、ほ
とんどの反射のd値を視覚的に評価した相対的線強度を
付して示すと共にそれらの合成倍照角を示すものであ
る。この表から、得られた生成物がγ−型2,9−ジク
ロロキナクリドンであることがわかる。
ラスコに、N−メチルピロリドンの400mlと粗製
2,9−ジクロロキナクリドンの450gとを装填し
た。この懸濁物を160℃に加熱し、そしてこの温度に
おいて8時間攪拌した。このあと、顔料懸濁物を40℃
に冷却し、濾過した。プレスケーキを最初メタノール
で、次に水で洗って100℃において乾燥した。しかし
て、比表面積が9.8m2/g(公知BET法で測定)
のコンディショニングされた2,9−ジクロロキナクリ
ドンの444gを得た。0.5%顔料濃度でこの顔料を
モールディングによってポリカーボネートに配合した
時、優れた熱安定性を示した。上記の熱安定性2,9−
ジクロロキナクリドンのX線回折パターンをフィルムに
記録し、その面間隔(d値)および倍照角(double gl
ancing angle)を測定した。透過記録は、ギニエカメラ
[Enraf-Nonius FR 522 (登録商標)]およびCu−K
−α−1照射線(波長=1.54060オングストロー
ム)を使用して実施した。水晶を較正度物質として使用
し、d値を粉末回折ファイルから求めた。 次表は、ほ
とんどの反射のd値を視覚的に評価した相対的線強度を
付して示すと共にそれらの合成倍照角を示すものであ
る。この表から、得られた生成物がγ−型2,9−ジク
ロロキナクリドンであることがわかる。
【表1】
【0018】実施例3 温度計、攪拌器、冷却器を具備した1リットル容量のフ
ラスコに、N,N−ジメチルホルムアミドの400ml
と粗製2,9−ジクロロキナクリドンの400gとを装
填した。この懸濁物を還流するまで加熱し、そして還流
温度において7時間半攪拌した。このあと顔料懸濁物を
40℃に冷却し、濾過した。プレスケーキを最初メタノ
ールで、次に水で洗って100℃において乾燥した。し
かして、コンディショニングされた2,9−ジクロロキ
ナクリドの396gを得た。この顔料は、その比表面積
が9.7m2/gであった。実施例1ならびに2と同様に
この顔料を高性能プラスチックに配合したところ優れた
熱安定性を示した。
ラスコに、N,N−ジメチルホルムアミドの400ml
と粗製2,9−ジクロロキナクリドンの400gとを装
填した。この懸濁物を還流するまで加熱し、そして還流
温度において7時間半攪拌した。このあと顔料懸濁物を
40℃に冷却し、濾過した。プレスケーキを最初メタノ
ールで、次に水で洗って100℃において乾燥した。し
かして、コンディショニングされた2,9−ジクロロキ
ナクリドの396gを得た。この顔料は、その比表面積
が9.7m2/gであった。実施例1ならびに2と同様に
この顔料を高性能プラスチックに配合したところ優れた
熱安定性を示した。
【0019】実施例4 実施例3の操作を繰り返した。ただし今回は溶剤として
アニソールを使用し、そして攪拌を170℃において7
時間行なった。同様に所望の特性を有する2,9−ジク
ロロキナクリドンを得た。
アニソールを使用し、そして攪拌を170℃において7
時間行なった。同様に所望の特性を有する2,9−ジク
ロロキナクリドンを得た。
【0020】実施例5 実施例3の操作を繰り返した。ただし今回は溶剤として
プロピレングリコールを使用し、そして攪拌を170乃
至175℃において6時間行なった。同様に良好な堅牢
性を有する2,9−ジクロロキナクリドンを得た。
プロピレングリコールを使用し、そして攪拌を170乃
至175℃において6時間行なった。同様に良好な堅牢
性を有する2,9−ジクロロキナクリドンを得た。
【0021】実施例6 実施例3の操作を繰り返した。ただし今回は溶剤として
tert−アミルアルコールを使用し、そして攪拌を加
圧下のオートクレーブ中において145乃至155℃で
8時間行なった。同様に良好な堅牢性を有する2,9−
ジクロロキナクリドンを得た。
tert−アミルアルコールを使用し、そして攪拌を加
圧下のオートクレーブ中において145乃至155℃で
8時間行なった。同様に良好な堅牢性を有する2,9−
ジクロロキナクリドンを得た。
【0022】実施例7 ポリ塩化ビニル 63.0g, エポキシ化大豆油 3.0g, バリウム/カドミウム熱安定化剤 2.0g, ジオクチルフタレート 32.0g, 実施例1で製造された2,9−ジクロロキナクリドン 1.0g, を、ガラスビーカー中において攪拌棒で攪拌混合した。
この混合物を実験室用2本ロールミルに8分間かけて、
厚さ0.4mmの軟質ポリ塩化ビニルシートをつくっ
た。圧延温度は160℃、ロールの回転速度は25rp
m.そしてフリクションは1:1.2であった。折りた
たみ、排出および供給はコンスタントに実施された。得
られた軟質PVC(ポリ塩化ビニル)シートは、着色濃
度の高い赤色に着色されていた。その熱、光およびマイ
グレーションに対する堅牢性は優秀であった。
この混合物を実験室用2本ロールミルに8分間かけて、
厚さ0.4mmの軟質ポリ塩化ビニルシートをつくっ
た。圧延温度は160℃、ロールの回転速度は25rp
m.そしてフリクションは1:1.2であった。折りた
たみ、排出および供給はコンスタントに実施された。得
られた軟質PVC(ポリ塩化ビニル)シートは、着色濃
度の高い赤色に着色されていた。その熱、光およびマイ
グレーションに対する堅牢性は優秀であった。
【0023】実施例8 実施例3で得られた2,9−ジクロロキナクリドン顔料
5g,CHIMASORB 944 LD(立体障害アミン光
安定化剤) 2.5g,TINUVIN 328(ベンゾ
トリアゾルUV吸収剤)1.0g, IRGANOX 1010
(立体障害フェノール酸化防止剤)
1.0g, IRGAFOS 168(亜リン酸塩プロセス安定
化剤) 1.0g, (上記添加剤は
すべてCIBA−GEIGY社から供給された)を、バ
ンバリー・ミキサーに入れて高密度ポリエチレンの10
00gと混合した。ミキサーの回転速度は175乃至2
00rpm、そして総滞在時間は約3分間であった。顔
料着色されたこの溶融樹脂を、まだ温かく柔軟な間に、
細断して造粒機に供給した。得られた顆粒を射出成形機
(BATTENFELD 1000)にかけて射出成形
した。205℃、260℃、315℃の温度を使用し、
いずれの温度の場合も滞留時間は5分間、サイクル時間
は30秒間であった。比較のために、比表面積が67m
2/gの市販の粒子サイズの小さい2,9−ジクロロキナ
クリドン顔料(MONASTRAL Magenta RT-235-D, CIBA-GEI
GY社製品)を上記と同様に高密度ポリエチレンに配合し
た。D−65光源、C.I.E.実験用規模と特定部品
を含む10度観測器とを有する色分光光度計を使用し
て、205℃で成形されたチップのL、A、B色空間座
標値を測定した。さらに、この205℃で成形されたチ
ップと比較した260℃および315℃成形チップの総
色差値(ΔE)を測定した。下表に得られた測定値を示
す。
5g,CHIMASORB 944 LD(立体障害アミン光
安定化剤) 2.5g,TINUVIN 328(ベンゾ
トリアゾルUV吸収剤)1.0g, IRGANOX 1010
(立体障害フェノール酸化防止剤)
1.0g, IRGAFOS 168(亜リン酸塩プロセス安定
化剤) 1.0g, (上記添加剤は
すべてCIBA−GEIGY社から供給された)を、バ
ンバリー・ミキサーに入れて高密度ポリエチレンの10
00gと混合した。ミキサーの回転速度は175乃至2
00rpm、そして総滞在時間は約3分間であった。顔
料着色されたこの溶融樹脂を、まだ温かく柔軟な間に、
細断して造粒機に供給した。得られた顆粒を射出成形機
(BATTENFELD 1000)にかけて射出成形
した。205℃、260℃、315℃の温度を使用し、
いずれの温度の場合も滞留時間は5分間、サイクル時間
は30秒間であった。比較のために、比表面積が67m
2/gの市販の粒子サイズの小さい2,9−ジクロロキナ
クリドン顔料(MONASTRAL Magenta RT-235-D, CIBA-GEI
GY社製品)を上記と同様に高密度ポリエチレンに配合し
た。D−65光源、C.I.E.実験用規模と特定部品
を含む10度観測器とを有する色分光光度計を使用し
て、205℃で成形されたチップのL、A、B色空間座
標値を測定した。さらに、この205℃で成形されたチ
ップと比較した260℃および315℃成形チップの総
色差値(ΔE)を測定した。下表に得られた測定値を示
す。
【表2】 上記のL、A、B色空間座標値は、市販の粒子サイズの
小さい2,9−ジクロロキナクリドン顔料に比較して本
発明による粒子サイズの大きい顔料は色が実質的に変化
しており、そしてΔE値に反映されているように熱安定
性がはるかに優れていることを示している。
小さい2,9−ジクロロキナクリドン顔料に比較して本
発明による粒子サイズの大きい顔料は色が実質的に変化
しており、そしてΔE値に反映されているように熱安定
性がはるかに優れていることを示している。
【0024】実施例9 ポリカーボネート(LEXAN,ゼネラルエレクトリック社) 1000g, IRGAFOS 168 1.0g, TINUVIN 329 3.0g, IRGANOX 1076 1.0g, (上記添加剤はすべてCIBA-GEIGY社から供給) 実施例2で得られた2,9−ジクロロキナクリドン 2.5g, を1ガロン容量の広口プラスチック容器に装填した。こ
の混合物をペイントシェーカー上で3分間振り混ぜ、そ
のあと真空炉中で160℃において5時間乾燥し、そし
て射出成形機(BATTENFELD 1000)にかけて射出成形し
た。滞留時間は5分間であった。サイクル時間は260
℃および315℃の温度において30秒間であった。比
較のため、市販の粒子サイズの小さい2,9−ジクロロ
キナクリドン顔料(MONASTRAL Magenta RT-235-D)を上
記と同様にポリカーボネートに配合した。前記実施例と
同様に260℃において成形されたチップのL、A、B
色空間座標値を測定した。さらにまた、260℃におい
て成形されたチップと比較した315℃成形チップの総
色差値(ΔE)を測定した。得られた測定値を下表に示
す。
の混合物をペイントシェーカー上で3分間振り混ぜ、そ
のあと真空炉中で160℃において5時間乾燥し、そし
て射出成形機(BATTENFELD 1000)にかけて射出成形し
た。滞留時間は5分間であった。サイクル時間は260
℃および315℃の温度において30秒間であった。比
較のため、市販の粒子サイズの小さい2,9−ジクロロ
キナクリドン顔料(MONASTRAL Magenta RT-235-D)を上
記と同様にポリカーボネートに配合した。前記実施例と
同様に260℃において成形されたチップのL、A、B
色空間座標値を測定した。さらにまた、260℃におい
て成形されたチップと比較した315℃成形チップの総
色差値(ΔE)を測定した。得られた測定値を下表に示
す。
【表3】 以上のごとく、極性エンジニアリングプラスチックポリ
カーボネートに配合された場合において、本発明による
粒子サイズの大きい顔料は色調の変化を示し(市販顔料
に比較して)、かつまた卓越した熱安定性を示した。
カーボネートに配合された場合において、本発明による
粒子サイズの大きい顔料は色調の変化を示し(市販顔料
に比較して)、かつまた卓越した熱安定性を示した。
【0025】実施例10 ポリエチレンテレフタレート100gと実施例1乃至6
のいずれか1つで得られた顔料の0.1gとの混合物
を、ロールギアベッド上に置いたガラスびんに入れて1
5分間混合した。この混合物を、実験用押出機でリボン
状に押出し成形した。優れた耐光堅牢性および耐熱を有
する均一鮮明な赤色に着色されたリボンを得た。
のいずれか1つで得られた顔料の0.1gとの混合物
を、ロールギアベッド上に置いたガラスびんに入れて1
5分間混合した。この混合物を、実験用押出機でリボン
状に押出し成形した。優れた耐光堅牢性および耐熱を有
する均一鮮明な赤色に着色されたリボンを得た。
【0026】実施例11 APILON 52−651 ポリウレタン(イタリー
国、APl spc Mussolente製品)を使用して実施例10の
操作をくりかえし、優秀な耐光堅牢性を有する均一鮮明
な赤色に着色されたポリウレタンのリボンを得た。
国、APl spc Mussolente製品)を使用して実施例10の
操作をくりかえし、優秀な耐光堅牢性を有する均一鮮明
な赤色に着色されたポリウレタンのリボンを得た。
【0027】実施例12 ULTRANYL KR 4510ポリフェニレンエーテ
ル/ポリアミド混合物(BASF製品)を使用して実施
例10の操作をくりかえし、優れた堅牢性を有する均一
鮮明な赤色に着色されたリボンを得た。
ル/ポリアミド混合物(BASF製品)を使用して実施
例10の操作をくりかえし、優れた堅牢性を有する均一
鮮明な赤色に着色されたリボンを得た。
【0028】実施例13 DEGALAN G7ポリメチルメタクリレート顆粒
(BAYER製品)を使用して前記実施例10の操作を
くりかえし実施し、優れた堅牢性を有する鮮明な赤色に
着色されたリボンを得た。
(BAYER製品)を使用して前記実施例10の操作を
くりかえし実施し、優れた堅牢性を有する鮮明な赤色に
着色されたリボンを得た。
【0029】実施例14 基材としてCYCOLAC T−1000アクリロニト
リル−ブタジェン−スチレン顆粒(ゼネラルエレクトリ
ック社)を使用して実施例8の操作をくりかえし、優秀
な熱および光堅牢性を示す赤色に着色されたチップを得
た。
リル−ブタジェン−スチレン顆粒(ゼネラルエレクトリ
ック社)を使用して実施例8の操作をくりかえし、優秀
な熱および光堅牢性を示す赤色に着色されたチップを得
た。
【0030】実施例15 基材としてMOPLEN S50Gポリプロピレン顆粒
(MONTEDISON社)を使用して実施例8の操作をくりかえ
し、優秀な熱および光堅牢性を示す赤色に着色されたチ
ップを得た。
(MONTEDISON社)を使用して実施例8の操作をくりかえ
し、優秀な熱および光堅牢性を示す赤色に着色されたチ
ップを得た。
【0031】実施例16 基材としてVESTAMIDポリアミド顆粒(HUEL
S社)を使用して実施例8の操作をくりかえし、優秀な
熱および光堅牢性を示す赤色に着色されたチップを得
た。
S社)を使用して実施例8の操作をくりかえし、優秀な
熱および光堅牢性を示す赤色に着色されたチップを得
た。
【0032】実施例17 下記成分の混合物20gに、実施例2によって製造され
た粒子サイズの大きい2,9−ジクロロキナクリドン6
gを攪拌混入した。 芳香族炭化水素(SOLVESSO 150, ESSO 社) 50g, 酢酸ブチル 15g, ケトオキシム基剤均染剤 5g, メチルイソブチルケトン 25g, シリコーン油(SOLVESSO 150 中1%) 5g。 完全に分散された後、アクリル樹脂(キシレン/ブタノ
ールの3:1混合物中51%)(BAYCRYL L 530,BASF
社)48.3gおよびメラミン樹脂(MAPRENALTTX, HOE
CHST社;ブタノール中55%)23.7gを添加した。
このバッチを短時間水平ビードミル中で剪断力を加えて
均質化し、そして得られた塗料組成物を金属板上にスプ
レー塗布し、これを130℃において30分間焼付けし
た。得られた仕上塗装は、堅牢性の優れた赤色を示し
た。エナメル組成物は流動性が非常に良く、そして顔料
の分散状態は優良であった。
た粒子サイズの大きい2,9−ジクロロキナクリドン6
gを攪拌混入した。 芳香族炭化水素(SOLVESSO 150, ESSO 社) 50g, 酢酸ブチル 15g, ケトオキシム基剤均染剤 5g, メチルイソブチルケトン 25g, シリコーン油(SOLVESSO 150 中1%) 5g。 完全に分散された後、アクリル樹脂(キシレン/ブタノ
ールの3:1混合物中51%)(BAYCRYL L 530,BASF
社)48.3gおよびメラミン樹脂(MAPRENALTTX, HOE
CHST社;ブタノール中55%)23.7gを添加した。
このバッチを短時間水平ビードミル中で剪断力を加えて
均質化し、そして得られた塗料組成物を金属板上にスプ
レー塗布し、これを130℃において30分間焼付けし
た。得られた仕上塗装は、堅牢性の優れた赤色を示し
た。エナメル組成物は流動性が非常に良く、そして顔料
の分散状態は優良であった。
【0033】実施例18 下記成分をボールミル中において96時間十分に摩砕混合した。 ポリエステル樹脂、SOLVESSO 150中60%、(DYNAPOL H 700, DYNAMIT NOBEL社) 25.2g, メラミン樹脂、ブタノール中55%、(MAPRENAL MF 650, HOECHST社) 2.7g, アセト酪酸セルロース(キシレン/酢酸ブチル1:2混合物中25%) 15.5g, 鉱物油/カルボン酸エステル基剤触媒(IRGASOL TZ6, CIBA-GEIGY 社) 1.1g, 酢酸ブチル 23.3g, キシレン 11.6g, SOLVESSO 150(ESSO 社) 11.6g, 実施例2で得られた大粒子サイズ2,9-ジクロロキナクリドン 9.6g。 得られた顔料分散物を、酢酸ブチル/キシレン/SOL
VESSO 150混合物(上記と同じ混合比)を用い
てドイツ標準規格DIN4による粘土が約18秒(20
℃)となるまで希釈し、そして金属シート上にスプレー
塗布した。約40℃において2分間空気中に暴露した
後、この塗層の上にさらに下記の組成の着色されていな
いクリアートップコートを塗布した。 アクリル樹脂、キシレン中60%,(VIACRYL VC 373, VIANORA 社) 53.3g, メラミン樹脂、ブタノール中55%,(MAPRENAL MF590, HOECHST 社) 27.3g, シリコーン油A、キシレン中1%(BAYER社) 1.0g, ベンゾトリアゾール誘導体(TINUVIN 900, CIBA-GEIGY 社) 1.0g, キシレン 5.4g, SOLVESSO 150 (ESSO 社) 4.0g, エチレングリコールアセテート 3.0g。 塗層を40℃において30分間空気中に暴露し、次に1
35℃において30分間焼付けた。これによって堅牢性
の優れた赤色塗装を得た。
VESSO 150混合物(上記と同じ混合比)を用い
てドイツ標準規格DIN4による粘土が約18秒(20
℃)となるまで希釈し、そして金属シート上にスプレー
塗布した。約40℃において2分間空気中に暴露した
後、この塗層の上にさらに下記の組成の着色されていな
いクリアートップコートを塗布した。 アクリル樹脂、キシレン中60%,(VIACRYL VC 373, VIANORA 社) 53.3g, メラミン樹脂、ブタノール中55%,(MAPRENAL MF590, HOECHST 社) 27.3g, シリコーン油A、キシレン中1%(BAYER社) 1.0g, ベンゾトリアゾール誘導体(TINUVIN 900, CIBA-GEIGY 社) 1.0g, キシレン 5.4g, SOLVESSO 150 (ESSO 社) 4.0g, エチレングリコールアセテート 3.0g。 塗層を40℃において30分間空気中に暴露し、次に1
35℃において30分間焼付けた。これによって堅牢性
の優れた赤色塗装を得た。
【0034】実施例19 本実施例は、本発明による粒子サイズの大きい2,9−
ジクロロキナクリドンをハイソリッドエナメルに配合す
る例を示す。顔料分散物の調合 1/2パイント容量の缶に実施例3によって製造された
顔料24gを入れ、次にアクリル樹脂68.6gとキシ
レン57.5gとを入れる。この混合物をプロペラ攪拌
器でおだやかに攪拌する。この分散物は、結合剤に対す
る顔料の比が0.5である場合に、顔料16%と固形分
48%とを含有する。触媒と安定化剤の溶液の調製 プロペラ攪拌器付きの1ガロン容量のジャーに、酢酸エ
チル855g、紫外線防止剤溶液2039g、およびア
ミン溶液(キシレン、メタノール、ブタノール中N−プ
ロピルアミン)33gを仕込む。これにメタノール4
7.0gとドデシルベンゼンスルホン酸156gとの混
合物を添加する。得られた溶液を20分間攪拌する。塗料の調合 上記の顔料調合物33.4g、アクリル樹脂38.2
g、メラミン樹脂27.0gおよび上記触媒と安定化剤
の溶液28.9gとを混合し、そしてNo.4 FORD
カップを使用して13乃至14秒の噴霧粘度までキシレ
ンを用いて希釈する。以上により得られた塗料(massto
ne)を、下塗りしたアルミ板にスプレー塗布し、10分
間環境空気に暴露した後、130℃において30分間焼
付けした。得られた赤色に着色された塗膜はすぐれた耐
光性を示した。上記と同様の方法で、ただし顔料として
市販の粒子サイズの小さいγ−2,9−ジクロロキナク
リドン(MONASTRAL Magenta RT-235-D)を使用して得ら
れた塗膜と比較した。その色は、D65光源、C.I.
E.実験用スケール、および特定部品を含む10度観測
器を使用して分光光度計で計器的に読み取った色値、す
なわち下記のL、A、B色空間座標値で特徴的に示され
る。 塗膜に含まれている顔料 L A B 大粒子サイズ2,9−ジクロロキナクリドン 34.8 32.1 15.3 市販の2,9−ジクロロキナクリドン 29.0 21.8 4.5 上記のデータは、本発明により製造された大粒子サイ
ズ2,9−ジクロロキナクリドンが自動車用塗装系に使
用された場合に、市販の2,9−ジクロロキナクリドン
顔料と比較して、異なる色調を呈することを示してい
る。要約すると、本発明によって、粒子サイズの大きい
2,9−ジクロロキナクリドンの新規な用途が開発され
たことが理解される。なお、特許請求の範囲によって画
定される本発明の範囲から逸脱することなく、比率、実
施方法、材料などに関して各種の変更が可能である。
ジクロロキナクリドンをハイソリッドエナメルに配合す
る例を示す。顔料分散物の調合 1/2パイント容量の缶に実施例3によって製造された
顔料24gを入れ、次にアクリル樹脂68.6gとキシ
レン57.5gとを入れる。この混合物をプロペラ攪拌
器でおだやかに攪拌する。この分散物は、結合剤に対す
る顔料の比が0.5である場合に、顔料16%と固形分
48%とを含有する。触媒と安定化剤の溶液の調製 プロペラ攪拌器付きの1ガロン容量のジャーに、酢酸エ
チル855g、紫外線防止剤溶液2039g、およびア
ミン溶液(キシレン、メタノール、ブタノール中N−プ
ロピルアミン)33gを仕込む。これにメタノール4
7.0gとドデシルベンゼンスルホン酸156gとの混
合物を添加する。得られた溶液を20分間攪拌する。塗料の調合 上記の顔料調合物33.4g、アクリル樹脂38.2
g、メラミン樹脂27.0gおよび上記触媒と安定化剤
の溶液28.9gとを混合し、そしてNo.4 FORD
カップを使用して13乃至14秒の噴霧粘度までキシレ
ンを用いて希釈する。以上により得られた塗料(massto
ne)を、下塗りしたアルミ板にスプレー塗布し、10分
間環境空気に暴露した後、130℃において30分間焼
付けした。得られた赤色に着色された塗膜はすぐれた耐
光性を示した。上記と同様の方法で、ただし顔料として
市販の粒子サイズの小さいγ−2,9−ジクロロキナク
リドン(MONASTRAL Magenta RT-235-D)を使用して得ら
れた塗膜と比較した。その色は、D65光源、C.I.
E.実験用スケール、および特定部品を含む10度観測
器を使用して分光光度計で計器的に読み取った色値、す
なわち下記のL、A、B色空間座標値で特徴的に示され
る。 塗膜に含まれている顔料 L A B 大粒子サイズ2,9−ジクロロキナクリドン 34.8 32.1 15.3 市販の2,9−ジクロロキナクリドン 29.0 21.8 4.5 上記のデータは、本発明により製造された大粒子サイ
ズ2,9−ジクロロキナクリドンが自動車用塗装系に使
用された場合に、市販の2,9−ジクロロキナクリドン
顔料と比較して、異なる色調を呈することを示してい
る。要約すると、本発明によって、粒子サイズの大きい
2,9−ジクロロキナクリドンの新規な用途が開発され
たことが理解される。なお、特許請求の範囲によって画
定される本発明の範囲から逸脱することなく、比率、実
施方法、材料などに関して各種の変更が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エドワード イー.ジャフ アメリカ合衆国,19810 デラウェア, ウィルミントン,クレンショウ ドライ ヴ 3 (56)参考文献 特開 平4−253979(JP,A) 特開 昭53−71129(JP,A) 特開 昭60−38470(JP,A) 特開 昭52−39728(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/20 C09D 3/12 C08K 5/00 - 13/08 C08L 1/00 - 101/16 CA(STN)
Claims (14)
- 【請求項1】 エンジニアリングプラスチック基材また
は塗料を着色する方法において、4乃至25m2/gの
比表面積を有する2,9−ジクロロキナクリドン(ただ
し長さが1乃至45μm、幅が0.1乃至20μm、厚
さが0.05乃至5μmの小板状のものを除く)0.0
1乃至30重量%(該エンジニアリングプラスチック基
材を構成する高分子有機材料または該塗料の樹脂成分で
ある高分子有機材料を基準として)を該エンジニアリン
グプラスチック基材または塗料に配合することを特徴と
するエンジニアリングプラスチック基材または塗料の着
色方法。 - 【請求項2】 2,9−ジクロロキナクリドンがα−
2,9−ジクロロキナクリドン、γ−2,9−ジクロロ
キナクリドン、またはα−およびγ−2,9−ジクロロ
キナクリドンの混合物である請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 比表面積が4乃至20m2/gの範囲で
ある請求項2記載の方 法。 - 【請求項4】 配合の間、該エンジニアリングプラスチ
ック基材または塗料に機械的せん断力を加える請求項1
記載の方法。 - 【請求項5】 粗製2,9−ジクロロキナクリドンを使
用する請求項1記載の方法。 - 【請求項6】 エンジニアリングプラスチック基材また
は塗料に配合する前に高められた温度の極性溶剤を用い
て該2,9−ジクロロキナクリドンを処理する請求項1
記載の方法。 - 【請求項7】 セルロースエーテル、セルロースエステ
ル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、
ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリア
ミド、ポリシクロアミド、ポリイミド、ポリエーテル、
ポリエーテルケトン、ポリハロゲン化ビニル、ポリテト
ラフルオロエチレン、アクリル系およびメタクリル系重
合体、ゴム、シリコーン樹脂、フェノール/ホルムアル
デヒド樹脂、メラミン/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/
ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、ジエンゴム、お
よびそれらの共重合体からなる群より選択されるエンジ
ニアリングプラスチック基材が着色される請求項1記載
の方法。 - 【請求項8】 塗料の樹脂成分がアクリル樹脂、アルキ
ド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
ブロックトイソシアナート樹脂、ベンゾグアナミン樹
脂、セルロースエステル樹脂、およびそれらの混合物か
らなる群より選択される塗料が着色される請求項1記載
の方法。 - 【請求項9】 2,9−ジクロロキナクリドンが前記エ
ンジニアリングプラスチック基材または塗料の重量を基
準として0.1乃至10重量%の濃度で存在している請
求項1記載の方法。 - 【請求項10】 高分子有機材料と4乃至25m2/g
の比表面積を有する2,9−ジクロロキナクリドン(た
だし長さが1乃至45μm、幅が0.1乃至20μm、
厚さが0.05乃至5μmの小板状のものを除く)0.
1乃至30重量%(該高分子有機材料の重量を基準とし
て)とを含有する組成物。 - 【請求項11】 2,9−ジクロロキナクリドンがα−
2,9−ジクロロキナクリドン、γ−2,9−ジクロロ
キナクリドン、またはα−およびγ−2,9−ジクロロ
キナクリドンの混合物である請求項10記載の組成物。 - 【請求項12】 比表面積が4乃至20m2/gの範囲
である請求項11記載の組成物。 - 【請求項13】 高分子有機材料がセルロースエーテ
ル、セルロースエステル、ポリウレタン、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレ
ン、ポリスルホン、ポリアミド、ポリシクロアミド、ポ
リイミド、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、ポリハ
ロゲン化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、アクリ
ル系およびメタクリル系重合体、ゴム、シリコーン樹
脂、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、メラミン/ホ
ルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂、エ
ポキシ樹脂、ジエンゴム、およびそれらの共重合体から
なる群より選択されるエンジニアリングプラスチックで
ある請求項10記載の組成物。 - 【請求項14】 高分子有機材料がアクリル樹脂、アル
キド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
ブロックトイソシアナート樹脂、ベンゾグアナミン樹
脂、セルロースエステル樹脂、およびそれらの混合物か
らなる群より選択される塗料の樹脂成分である請求項1
0記載の組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US07/641,033 US5095056A (en) | 1991-01-14 | 1991-01-14 | 2,9-dichloroquinacridone-pigmented engineering plastics and coatings |
US641033 | 1991-01-14 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04311769A JPH04311769A (ja) | 1992-11-04 |
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---|---|---|---|
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---|---|
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US5362780A (en) * | 1993-06-15 | 1994-11-08 | Ciba-Geigy Corporation | Compositions based on 2,9-dichloroquinacridone pigments |
US5424429A (en) * | 1993-09-15 | 1995-06-13 | Ciba-Geigy Corporation | Preparation of pigmentary 2,9-dichloroquinacridone |
US5387281A (en) * | 1993-12-01 | 1995-02-07 | Ciba-Geigy Corporation | Compositions based on 2,9-Dichloroquinacridone pigments |
US5641351A (en) * | 1995-04-14 | 1997-06-24 | Ciba-Geigy Corporation | Pigment compositions based on 3,6-di(biphenyl)1,4-diketo-pyrrolo[3,4c]-pyrrole |
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US5863459A (en) * | 1997-05-09 | 1999-01-26 | Sun Chemical Corporation | Fluorescent yellow azo pigments |
US5904878A (en) * | 1997-05-14 | 1999-05-18 | Sun Chemical Corporation | Fluorescent orange azo pigments |
US6402829B1 (en) | 2000-12-20 | 2002-06-11 | Sun Chemical Corporation | Process for preparing a substantially pure gamma phase quinacridone pigment of large particle size |
US6869472B2 (en) * | 2001-01-30 | 2005-03-22 | Ciba Specialty Chemicals Corporation | 2,9-dichloroquinacridone pigment |
WO2012045708A1 (en) * | 2010-10-06 | 2012-04-12 | Basf Se | Pigment composition for mass colouration of aliphatic polyamide |
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---|---|---|---|---|
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US3157659A (en) * | 1959-10-10 | 1964-11-17 | Basf Ag | Process for preparing 2, 9-dichloro-quinacridone |
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US4094699A (en) * | 1976-12-01 | 1978-06-13 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Process for converting premilled quinacridone to pigmentary form |
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-
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- 1991-01-14 US US07/641,033 patent/US5095056A/en not_active Expired - Lifetime
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- 1991-12-09 EP EP91810958A patent/EP0495338B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1991-12-09 DE DE69114827T patent/DE69114827T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1991-12-13 JP JP3329350A patent/JP3062328B2/ja not_active Expired - Lifetime
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