JP2807430B2 - 窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法 - Google Patents
窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法Info
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焼結体およびその製造方法に係り、さらに詳しくは、低
温焼結で緻密化が可能で、かつガラス封止や銅メタライ
ズが容易で、高抗折強度を有する窒化アルミニウム焼結
体およびその製造方法に関する。
の高速化、高集積化等に伴って、回路基板や半導体パッ
ケージ等に対する要求特性も厳しくなりつつある。例え
ば、半導体素子から発生する熱を効率よく放散するため
に、高い熱伝導性が要求され、また半導体素子の熱的応
力による破壊等の危険性をできるだけ小さくするため
に、熱膨張係数が半導体素子のそれに近いことや高強度
を有することが要求されている。
料としてのセラミックス材料としては、アルミナ(Al2
O 3 )セラミックスがこれまで一般的に用いられてき
た。しかしながら、アルミナセラミックスは従来のプラ
スチック材料やガラス材料と比べれば熱伝導性が高いも
のの、熱伝導率が20W/m K 程度と不十分であると共に、
熱膨張係数が 7×10-6/Kとシリコンの熱膨張係数(4.5×
10-6/K)の約 2倍であるため、半導体素子の高集積化や
高速化に対応するには十分な特性を有しているとはいえ
ない。
スに代って窒化アルミニウム(AlN)焼結体が注目さ
れ、多層回路基板の絶縁材料等への応用が多方面で研究
されている。AlN焼結体は熱膨張係数が 4.0×10-6/K
で、シリコンの熱膨張係数とほぼ等しく、半導体素子の
熱的応力を十分小さくできると共に、高熱伝導率を有す
ることから、半導体素子の高集積化や高速化に伴う発熱
量の増大にも十分対応できるものである。しかしなが
ら、窒化アルミニウムは共有結合性が強く、難焼結材料
であるため、緻密な焼結体を得るためには 2073K程度の
焼結温度が必要であった。
めには低コスト化が急務であり、その試みとして既存の
連続炉の使用を実現すべく、低温焼結が検討されてい
る。近年の研究開発の結果、AlN焼結助剤の改良によ
って、超微紛のAlN粉末等を用いなくとも 1873K前後
の温度まで焼結温度を低下させることが可能になりつつ
ある。
場合には、AlN焼結体のガラス封止性等を、また回路
基板等として用いる場合には、AlN焼結体の銅メタラ
イズ性を考慮する必要がある。すなわち、AlN焼結体
をQFP(クワァドフラッドパッケージ)等のパッケー
ジ材料に供する場合、半導体素子を搭載した後、この素
子を保護するためにキャップを使用したガラス封止を行
うことがあるため、ガラス封止性が良好であることが望
まれる。同様に、AlN焼結体に回路を形成する場合
に、一般的な銅メタライズを容易に適用し得ることが望
まれる。
N焼結体の低温焼成化技術としては、例えば希土類元素
化合物とアルカリ土類酸化物とを同時に添加する方法
(特開昭 61-117160号公報参照)が提案されており、こ
の方法では焼成温度が 1973K以下でも焼結は可能である
が、また表面にガラス封止に必要な成分が存在していな
いため、良好なガラス封止性を得ることはできない。
化、高熱伝導率化等を目的として、周期律表の4A族、
5A族、6A族、7A族および8A族の遷移金属元素か
ら選ばれる少なくとも 1種を添加する方法(特開昭 62-
153173号公報参照)が提案されており、この方法によれ
ば1873〜 1923Kの焼結温度でも緻密化は可能であるが、
ガラス封止性に劣ると共にグレース化も難しく、さらに
銅メタライズも困難であることが予想される。さらに、
周期律表の2A族元素および希土類金属の酸化物とBお
よび遷移金属を同時に添加する方法(特開平2-130064号
公報参照)も提案されているが、同様に良好なガラス封
止性を有するAlN焼結体を得ることは難しいと考えら
れる。
は、低温焼結で高密度およびアルミナと比較して良好な
熱伝導性を達成した上で、ガラス封止性、銅メタライズ
性、抗折強度等を改善することが課題とされていた。
になされたもので、1673〜 1873K程度の温度で緻密化さ
せることが可能で、アルミナと比較して良好な熱伝導性
を有し、かつガラス封止性、銅メタライズ性、抗折強度
が良好な窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法を
提供することを目的としている。
873K程度の低温焼成で緻密化することができ、焼結体表
面に助剤成分の大量のにじみ出しもなく、しかもアルミ
ナと同等程度まで熱伝導率を低下させずに、ガラスを用
いて容易に封止することができ、グレーズ化が容易で、
さらには銅メタライズが容易で、高抗折強度を有する窒
化アルミニウム焼結体を提供するために、窒化アルミニ
ウムへの添加物種および添加量について種々検討したと
ころ、AlN粉末にB元素、Si元素、O元素、Al元
素、周期律表の3A族元素および2A族元素の単体また
は化合物を合計で20重量% 以上65重量% 以下の範囲で添
加することによって、上記した目的が達成できることを
見出した。
もので、本発明の窒化アルミニウム焼結体は、AlN
と、B元素、O元素、Si元素、Al元素、周期律表の
3A族元素および2A族元素からなる構成物とを有する
窒化アルミニウム焼結体であって、前記構成物を20〜65
重量% の範囲で含有すると共に、前記構成物中のB元
素、Si元素、O元素、3A族元素および2A族元素の
組成比が(3A族元素):(2A族元素):(酸素):
(硼素):(珪素)=(16〜31):(4〜10):(9〜1
7):(0.4〜1.6):(0.3〜1.2)であり、かつ熱伝導率が4
0〜80W/m K であることを特徴としている。
製造方法は、AlN粉末に、少なくともΒ元素、Si元
素、O元素、周期律表の3A族元素および2A族元素の
単体または化合物を、これら各元素の主たる出発原料に
よる前記元素の組成比を(3A族元素):(2A族元
素):(酸素):(硼素):(珪素)=(16〜31):(4
〜10):(9〜17):(0.4〜1.6):(0.3〜1.2)を満足させ
つつ合計で20〜65重量%の範囲で添加して、焼結体原料
を調製する工程と、前記焼結体原料を1673〜1873K の温
度で焼成する工程とを有することを特徴としている。
してのB元素、O元素、Si元素、Al元素、周期律表
の3A族元素および2A族元素からなる構成物(副構成
物)を20〜65重量% の範囲で含有するものであり、この
副構成物は周期律表の3A族元素および2A族元素の少
なくとも一方を含むアルミネート化合物、B元素単体あ
るいはB元素を含む化合物(例えばAlボレート化合物
や希土類ボレート化合物等)、およびSi元素単体ある
いはSi元素を含む化合物等として存在するものであ
る。このような副構成物は、焼成時にはAlN焼結体の
低温焼結を可能にする成分として機能すると共に、焼結
後にはガラス封止性や銅メタライズ性、さらには抗折強
度の向上に寄与する。
満であると、AlN焼結体表面に占める副構成相、主に
3A族元素や2A族元素のアルミネート化合物等の酸化
物、さらにはAlボレート化合物や希土類ボレート化合
物の占める面積が低下する。通常粒界相に存在する酸化
物やボレート化合物はガラスとの濡れ性が良好で、ガラ
ス封止に対して有効に作用するにもかかわらず、焼結体
表面での存在量が少ないとグレーズ化やガラス封止を容
易に行うことができず、さらには銅メタライズを良好に
行うことができない。つまり、AlN焼結体の酸化工程
等によって、ガラスの濡れ性が良好な層を常に形成する
ことが必要になってくる。副構成物量は40重量% 以上が
より好ましく、さらにガラス封止性を考慮すると50重量
% 以上が望ましい。
量% を超えると、焼結体の微構造の変化から、具体的に
は高熱伝導なAlN結晶粒が隣接するAlN結晶粒と大
きな面で接触しなくなり、熱伝導率がAl2 O 3の熱伝
導率と同程度となってしまい、高熱伝導性を特徴とする
AlNを用いる利点がなくなる。さらに、焼結体表面に
助剤成分が大量ににじみ出して表面平滑性等が損われ
る。
元素、O元素、周期律表の3A族元素および2A族元素
の単体または化合物を、これら各元素の主たる出発原料
による元素の組成比(重量比)を(3A族元素):(2
A族元素):(酸素):(硼素):(珪素)=(16〜3
1):(4〜10):(9〜17):(0.4〜1.6):(0.3〜1.2)を
満足させてAlN粉末に添加した焼結体原料を用いるこ
とで、低温焼結による緻密化を再現性よく実現すること
が可能となる。言い換えると、本発明のAlN焼結体に
おける副構成物中のΒ元素、Si元素、O元素、周期律
表の3A族元素および2A族元素の組成比を(3A族元
素):(2A族元素):(酸素):(硼素):(珪素)
=(16〜31):(4〜10):(9〜17):(0.4〜1.6):(0.3
〜1.2)とすることで、緻密な焼結体が低温焼結で再現性
よく得られる。
上記した各元素の組成比は、あくまでも各元素の主たる
出発原料に基く元素の組成比であることが好ましい。こ
こで言う各元素の主たる出発原料による元素量とは、例
えば3A族元素および2A族元素については、Β元素を
これら元素との化合物として添加する場合の3A族元素
および2A族元素は含まず、また酸素に関してはAlN
中に含まれる酸素量とアルミナ中の酸素量の合計であ
り、3A族元素、2A族元素、Si元素を酸化物として
添加する場合の酸素量は含まない。
として使用する場合、焼結体を均一に着色することが好
ましい。着色剤としては、周期律表の4A族、5A族、
6A族元素が有効であり、これらを元素換算で0.05〜
0.9重量% の範囲で含有することで、均一に着色するこ
とができる。
Al元素、周期律表の3A族元素および2A族元素から
なる副構成物を20〜65重量% の範囲で含有するAlN焼
結体は、1673〜 1873K程度の低温焼結で緻密化(例えば
3.29〜3.40g/cm3 )できると共に、40〜80W/m K という
アルミナに比較して良好な熱伝導率を有し、かつ良好な
ガラス封止性、銅メタライズ性、および良好な抗折強度
が得られる。
態について説明する。
めの製造方法について述べる。本発明のAlN焼結体
は、以下に示す製造方法を適用して作製することが好ま
しい。本発明のAlN焼結体を製造するために用いるA
lN粉末は、平均粒子径が0.02〜 1.0μm の範囲で、か
つ不純物酸素量が 0.6〜 2重量% の範囲のものが好まし
く、これら以外については特に限定されるものではな
い。平均粒子径が0.02〜 1.0μm のAlN粉末は、低温
焼結における緻密化に寄与する。より好ましい平均粒子
径は0.04〜 0.8μm の範囲である。なお、 0.1μm 以下
の超微粉はハンドリングが困難になると共に、不純物酸
素量が多くなる可能性があるため、そのような場合には
0.3〜 0.7μm のAlN粉末を使用するとよい。
Nの焼結に寄与するものである。酸素量が 0.6重量% 未
満であると、AlΝの焼結性が低下し、一方酸素量が 2
重量% を超えると熱伝導率がAl2 Ο3 と同程度まで低
下してしまい、40W/m K 以上の熱伝導率の達成が困難と
なる。AlN粉末の酸素含有量は 0.7〜 1.5重量% の範
囲がさらに好ましく、望ましくは 0.8〜 1.3重量% の範
囲である。
Β元素、Si元素、O元素、周期律表の3A族元素およ
び2A族元素の単体または化合物を合計で20〜65重量%
の範囲で添加して、焼結体原料を調製する。具体的に
は、焼結助剤としてScおよびYを含む希土類元素の単
体および/または化合物とアルカリ土類元素の単体およ
び/または化合物を添加し、さらに硼素の単体および/
または化合物、珪素の単体および/または化合物を添加
する。また、必要に応じてAlの酸化物等を添加する。
これらは合計で20〜65重量% の範囲で、AlN粉末に添
加される。なお、酸素は3A族元素や2A族元素の酸化
物、あるいはAlの酸化物等や、AlN粉末に含まれる
不純物酸素等として添加される。
む希土類元素)としては、Sc、Y、La、Ce、P
r、Nd、Sm、Eu、Gd、Τb、Dy、Ηo、E
r、Τm、Yb、Luがいずれも使用することができ
る。周期律表の2A族元素(アルカリ土類元素)として
は、Ca、Mg、Sr、Ba、Beがいずれも使用する
ことができる。特に工業的には、YとCaが好ましく使
用される。これら元素は酸化物として添加することが特
に好ましく、また焼結条件下で酸化物となる化合物を用
いてもよい。つまり、炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、硫
酸塩、水酸化物等を使用することができる。さらに、3
A族元素や2A族元素は、ハロゲン化物、酸ハロゲン化
物、アセチリド化合物、炭化物、水素化物、窒化物、ケ
イ化物、硫化物等の形で添加してもよい。硼素は単体で
添加してもよいし、またAlボレート、希土類ボレー
ト、アルカリ土類ボレート等のボレート化合物、酸化
物、TiやW等の遷移金属との化合物等として添加して
もよい。珪素は単体で添加してもよいし、また窒化物、
酸化物、TiやW等の遷移金属との化合物等として添加
してもよい。
土類元素化合物の添加量、原料粉末中に含まれる酸素量
やAl酸化物の添加量、さらには硼素の単体もしくは化
合物や珪素の単体もしくは化合物の添加量は、合計量で
20〜65重量% を満足させると共に、低温焼結による緻密
化をより再現性よく実現するために、(希土類元素):
(アルカリ土類元素):(酸素):(硼素):(珪素)
=(16〜31):(4〜10):(9〜17):(0.4〜1.6):(0.3
〜1.2)の組成比(重量比)を満足させることが好まし
い。この組成の中心値は(希土類元素):(アルカリ土
類元素):(酸素):(硼素):(珪素)=23.6: 7.
1:11: 0.8:0.62である。この前後の値、すなわち上
記範囲内であれば低温焼結を容易に実現することができ
る。より好ましくは、(希土類元素):(アルカリ土類
元素):(酸素):(硼素):(珪素)=(18〜29):
(5〜9):(9〜15):(0.5〜1.4):(0.4〜1.0)であり、さ
らに好ましくは、(希土類元素):(アルカリ土類元
素):(酸素):(硼素):(珪素)=(20〜27):(6
〜8):(10:13):(0.5〜1.2):(0.4〜0.9)である。
酸素量と添加するAl酸化物(Al2 O3 )中の酸素量
との合計を示すものであり、希土類酸化物やアルカリ土
類酸化物等を用いたときの酸素量は上記組成比には含ま
れないものとする。同様に、着色剤としてWO3 等を用
いたときの酸素や硼素源にΒ2 O3 を用いたときの酸素
等も、上記組成比には含まれないものとする。また、硼
素源として希土類ボレートやアルカリ土類ボレートを用
いる場合のこれらボレート化合物に含まれる希土類元素
やアルカリ土類元素の量も、上記組成比には含まれない
ものとする。ただし、全体量としては20〜65重量% の範
囲を満足しなければならない。上述した希土類元素、ア
ルカリ土類金属元素、硼素、珪素および酸素の単体また
は化合物は、40〜65重量% の範囲で添加することがより
好ましく、さらに好ましくは50〜65重量% の範囲であ
る。
原料粉末は、ボールミル等を用いて十分に混合する。焼
結体原料粉末には、必要に応じて焼結体の着色剤を添加
してもよい。着色剤としては、Τi、Zr、Hf、W、
Mo等の周期律表の4A族、6A族の遷移金属の単体、
酸化物、炭化物、弗化物、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸
塩、窒化物(Mn単体または化合物は用いない)等が挙
げられる。
を適用することができる。常圧焼結法による場合は、焼
結体原料粉末にバインダを加え、混練、造粒、整粒を行
った後、所望の形状に成形する。成形法としては、金型
プレス、静水圧プレス、シート成形等が適用できる。次
いで、成形体を例えばN2 ガス気流中あるいは空気気流
中で加熱してバインダを除去した後、常圧焼結する。焼
結温度は使用する添加物の種類にもよるが、1673〜 187
3Kの範囲に設定することが好ましい。焼結温度が 1673K
未満であると、本発明による添加物組成を使用しても緻
密化が困難であり、一方 1873Kを超えると低温焼結によ
る製造コストの低減等の実現が困難となる。
成)によれば、2A族元素や3A族元素の化合物等を単
独で添加するときよりも低温での焼結が可能となり、さ
らに前述した添加物の好ましい組成比、すなわち(希土
類元素):(アルカリ土類元素):(酸素):(硼
素):(珪素)=(16〜31):(4〜10):(9〜17):
(0.4〜1.6):(0.3〜1.2)を満足させることによって、こ
の組成範囲外の場合より低温で緻密化焼結が可能とな
る。焼結温度は1733〜〜 1863Kの範囲とすることが好ま
しく、さらに好ましくは1753〜 1853Kの範囲である。焼
結時間は 0.5〜 100時間の範囲とすることが好ましい。
より好ましくは 1〜60時間、さらに好ましくは 4〜30時
間である。
前述したボールミル等で混合した焼結体原料粉末をプレ
ス成形してもよいし、また直接ホットプレスしてもよ
い。この際の焼結温度条件等は、上述した常圧焼結と同
様である。
する。
m のAlN粉末50.7重量% に対して、平均粒径 0.1μm
、純度99.9重量% のY2 O3 を 19.69重量% 、CaC
O3 を 11.65重量% 、平均粒径 0.8μm のAl2 O3 を
14.27重量% 、平均粒径 1μm のLaΒ6 を1.65重量%
、平均粒径 0.5μm のSi3 N4 を0.66重量% 、およ
び着色剤としてWO3 を 0.3重量% 添加し、これらにn-
ブタノールを加えて湿式ボールミルにより解砕、混合し
た後、n-ブタノ一ルを除去して焼結体原料粉末とした。
バインダを 5重量% 添加して造粒した後、この造粒粉を
50MPa の一軸加圧下で成形して、凹型形状の成形体を作
製した。この成形体を空気雰囲気中で773Kまで加熱し
て、アクリル系バインダを除去した。次いで、脱バイン
ダ体をAlN焼結体からなる焼結容器中にセットし、グ
ラファイト製ヒータ炉で 1気圧の窒素ガス雰囲気下にて
1823Kで 6時間焼成して、AlN焼結体を得た。
焼きムラがなく、また清浄な表面を有していた。密度を
アルキメデス法で測定したところ、3.30g/cm3 と十分に
緻密化していた。また、AlN焼結体から直径10mm、厚
さ 3mmの円板を切り出し、294±2Kの室温下で JIS-R161
1に従ってレーザーフラッシュ法で熱伝導率を測定した
ところ、70W/m K と良好な値を示した。
ねる形で、窒素雰囲気中でガラス封止を行った。封止に
用いたガラス組成は下記の表1に示す通りである。
しチャンバ中に40分間放置した後、チャンバ内を 0.1Pa
オーダで真空に引いて、再び空気を 1気圧まで導入し
た。このへリウム洗浄工程を 3回行った後、試料をチャ
ンバから取り出し、空気中で30分間放置した。このよう
に処理した後、へリウムリーク試験(ファインリーク検
知)を行った。へリウムリーク量の検出は質量分析計で
行った。その結果、 1.0×10-10 atm ・cc・ s-1未満と
良好な値を示した。さらに、グロスリーク試験を行っ
た。具体的には、393Kに加温した住友3M社製フロリナ
ート40番中に試料を入れて 3分間放置したが気泡の発生
はなく、グロスリークも確認されなかった。このよう
に、本発明のAlN焼結体はガラス封止性に優れること
が確認された。なお、銅メタライズ性についても良好な
結果が得られた。
6および表7に示す焼結条件(温度および時間)を適用
する以外は、実施例1と同様な方法でAlN焼結体を作
製した。なお、表5は添加物の組成比(希土類元素:ア
ルカリ土類元素:酸素:硼素:珪素)等を示すものであ
る。得られた各AlN焼結体の特性を実施例1と同様に
して測定した。その結果を表6および表7に併せて示
す。なお、表6および表7における表面状態が良好と
は、色ムラや焼きムラがなく、しかも目視で表面に多大
な析出物が見られないことを意味している。
ミニウム焼結体は、1673〜 1873K前後の低温焼結で緻密
化が可能であると共に、40W/m K 以上の熱伝導率と高抗
折強度を有しており、かつガラス封止や銅メタライズを
良好に行うことができる。従って、回路基板やパッケー
ジ基体等として好適な窒化アルミニウム焼結体を提供す
ることが可能となる。
Claims (2)
- 【請求項1】 AlNと、B元素、Si元素、O元素、
Al元素、周期律表の3A族元素および2A族元素から
なる構成物とを有する窒化アルミニウム焼結体であっ
て、前記構成物を20〜65重量% の範囲で含有すると共
に、前記構成物中のB元素、O元素、Si元素、3A族
元素および2A族元素の組成比が(3A族元素):(2
A族元素):(酸素):(硼素):(珪素)=(16〜3
1):(4〜10):(9〜17):(0.4〜1.6):(0.3〜1.2)で
あり、かつ熱伝導率が40〜80W/m K であることを特徴と
する窒化アルミニウム焼結体。 - 【請求項2】 AlN粉末に、少なくともΒ元素、Si
元素、O元素、周期律表の3A族元素および2A族元素
の単体または化合物を、これら各元素の主たる出発原料
による前記元素の組成比を(3A族元素):(2A族元
素):(酸素):(硼素):(珪素)=(16〜31):(4
〜10):(9〜17):(0.4〜1.6):(0.3〜1.2)を満足させ
つつ合計で20〜65重量% の範囲で添加して、焼結体原料
を調製する工程と、 前記焼結体原料を1673〜 1873Kの温度で焼成する工程と
を有することを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製
造方法。
Priority Applications (1)
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