[go: up one dir, main page]

JPH0881266A - 窒化アルミニウム焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体の製造方法

Info

Publication number
JPH0881266A
JPH0881266A JP6221342A JP22134294A JPH0881266A JP H0881266 A JPH0881266 A JP H0881266A JP 6221342 A JP6221342 A JP 6221342A JP 22134294 A JP22134294 A JP 22134294A JP H0881266 A JPH0881266 A JP H0881266A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rare earth
weight
sintered body
sintered compact
aln
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6221342A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyasu Sumino
裕康 角野
Mitsuo Kasori
光男 加曽利
Akihiro Horiguchi
昭宏 堀口
Katsuyoshi Oishi
克嘉 大石
Fumio Ueno
文雄 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP6221342A priority Critical patent/JPH0881266A/ja
Publication of JPH0881266A publication Critical patent/JPH0881266A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、 AlN焼結体の製造方法に関する
もので、 低い焼結温度にも関わらず十分緻密でかつ高い
熱伝導率を持つAlN焼結体が得られ、 かつ得られた焼
結体表面には粒界相のしみ出しにともなう色むらや焼き
むらが認められず反りやうねりがなく、 焼結体表面の清
浄性と平滑性に優れているいるため、 製品歩留りが高
く、 かつ後加工を大幅に簡便にすることが可能となる。 【構成】窒化アルミニウム粉末に(a) 希土類酸化物ある
いは焼成により希土類酸化物となる化合物を少なくとも
一種、および(b) アルカリ土類酸化物あるいは焼成によ
りアルカリ土類酸化物となる化合物を少なくとも一種添
加し、さらに(c) 希土類ハロゲン化物、希土類酸ハロゲ
ン化物、あるいはアルカリ土類ハロゲン化物より選ばれ
た少なくとも一種を全体の1.5 重量%以下の割合で添加
し、かつ酸素に対するハロゲンの重量割合が0.03以上0.
3 以下となるよう混合して焼成することを特徴とする窒
化アルミニウム焼結体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製造コストの低い絶縁
基板、ヒートシンク、半導体パッケージ等の材料に適す
る窒化アルミニウム( AlN) 焼結体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】窒化アルミニウム( AlN) 焼結体は、
熱伝導率がアルミナ(Al2O3) などに比べてかなり高く、
かつ熱膨張率がシリコン(Si)に近いため半導体実装用の
放熱性基板として用いられている。また、高温下での高
強度性、溶融金属との反応性が乏しいなどの特性を持ち
合わせるため他の分野への応用が広がりつつある。近
年、AlN焼結体の高熱伝導率化の研究が進み、200W・m
-1・K-1級の焼結体およびパッケージなどが得られるよう
になった。この窒化アルミニウムの高熱伝導率化は、A
lN結晶粒子の酸素をトラップする焼結助剤、例えばア
ルカリ土類金属化合物または希土類化合物を添加して通
常1700℃以上の高温で焼結させることによって達成され
る。しかしながら、このように高温で焼結されたAlN
は、結晶粒子の成長にともない機械的強度が低下するな
どの問題が生じる。このようなAlN焼結体の機械的強
度の低下は、半導体チップ実装用基板やパッケージに応
用する場合において致命的である。そこで、焼結温度の
低下が必要となる。
【0003】さらに、今後AlN焼結体の用途を拡大さ
せるためには低コスト化が急務であり、その試みとして
連続炉の使用を実現すべく、焼結温度の低下が検討され
ている。近年の研究開発の結果、AlN焼結助剤の改良
により超微紛のAlN粉末などを使用することなく1600
℃前後まで低温化することが可能になりつつある。
【0004】これまでに焼結温度の低下に有効な焼結助
剤としては、希土類酸化物とアルカリ土類酸化物の同時
添加が例えば特開平1-183469に開示されている。この結
果では、Y2O3とCaO を同時に添加することにより、1600
℃でも8 時間の焼結で3.27g・cm-3の密度と139W・m-1 ・K
-1が達成されているが、開示されている粒界相成分から
考えると完全にポアフリーで緻密な焼結体とはなってい
ないと考えられる。
【0005】また焼結温度低下に有効な他の焼結助剤と
しては、希土類元素、あるいはアルカリ土類金属のハロ
ゲン化物が、例えば特開昭61-209959 号公報や特公平5-
17190 号公報、および特開昭62-153173 号公報などに開
示されている。しかし、これまでの方法では低温での焼
結とはいえ1700℃より低い温度で十分に緻密でかつ熱伝
導率の高い焼結体は得られていない。特開昭61-209959
号公報、特開昭62-153173 号公報で開示されている方法
では、1600℃では100W・m-1・K-1を越える高い熱伝導率を
達成することができておらず、また特開昭62-105960 号
公報では熱伝導率は120W・m-1・K- 1 が達成されているも
ののすべて1700℃以上の焼成で得られたものである。さ
らに、われわれの追試の結果、希土類あるいはアルカリ
土類金属のハロゲン化物を多量に添加すると表面に多く
の析出物が出現し、焼きむらや色むらのもととなるだけ
でなく表面の平滑性が低下するために、後工程で導体回
路を形成する際に研磨工程を必要とするなど多くの問題
を内包していることが判明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を鑑みてなされたもので、その目的は高熱伝導性でかつ
表面が清浄な優れたAlN焼結体を、より低温での焼結
により安価な製造コストで提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の骨子
は、新たに見い出した添加物組成にある。AlNがを主
成分とし、新規な組成からなる添加物を含む成形体を、
非酸化性雰囲気中で焼結することにより以下の効果が得
られる。すなわち、(1)1600 ℃前後の低い焼結温度にも
関わらず、120W・m-1K-1 以上の高い熱伝導率が得られ
る、(2) 焼結上がりで焼きむらや色むらおよび反りやう
ねりがなく、製品歩留りに優れている、(3) 焼結上がり
で焼結体表面が清浄で、後加工が大幅に簡便にすること
ができる。
【0008】本発明は以下の方法により具体化される。
すなわち、窒化アルミニウム粉末に焼結助剤として(a)
希土類酸化物あるいは焼成により希土類酸化物となる化
合物を少なくとも一種、および(b) アルカリ土類酸化物
あるいは焼成によりアルカリ土類酸化物となる化合物を
少なくとも一種添加し、さらに(c) 希土類ハロゲン化
物、希土類酸ハロゲン化物、あるいはアルカリ土類ハロ
ゲン化物より選ばれた少なくとも一種を全体の1.5 重量
%以下の割合で添加し、かつ酸素に対するハロゲンの重
量割合が0.03以上0.3 以下となるよう添加して原料粉末
を調合し、有機バインダを添加後に所望の形状に成形
し、脱バインダした後、非酸化性雰囲気中で1700℃より
低い温度で焼結するものである。
【0009】本発明で用いるAlN粉末は、実質上入手
可能なあらゆる粉末を用いても差し支えないが、焼結性
および熱伝導率のため不純物酸素量が0.2 以上1.4 重量
%未満、平均一次粒子径が0.03〜3.5 μm 、より好まし
くは0.05〜2.5 μm が望ましい。この範囲にあるAlN
粉末を単独もしくは混合して用いることができる。ここ
で、AlN粉末の平均粒径が0.05μm 未満である場合は
混合粉体の成形が困難になる恐れがあり、3.5 μm を越
えると、焼結性が劣るためである。また、不純物酸素量
が0.2 重量%未満では焼結前の混合や成形の取扱い段階
でAlNが変質するまたは充分に焼結が進まない恐れが
あり、1.4 重量%を越えると、最終的には熱伝導率が低
下する場合がある。
【0010】前記(a) と(b) の希土類酸化物、アルカリ
土類酸化物あるいは焼成により希土類酸化物、アルカリ
土類酸化物となる化合物は粉体または液体として添加さ
れる。焼成により前記酸化物となる化合物としては、例
えば、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、アルコキシト などが挙
げられる。または、アルカリ土類酸化物粉末を添加した
後、希土類の硝酸塩をアルコール に溶解した後添加するな
ど、種々の組合せが可能である。アルカリ土類元素はC
a、Ba、Sr、希土類元素はSc、Y とランタン系列の元素
から成り、その添加量は(a) と(b) を酸化物換算で合計
で0.1 〜10重量%が望ましい。0.1 重量%未満では焼結
が不充分で、また充分に焼結したとしても熱伝導率が低
い。一方10重量%を越えると、(c) で添加するハロゲン
含有化合物との割合から(c) のハロゲン含有化合物の添
加量が1.5 重量%以上となり、結果として焼結体表面に
多くの析出物が現れ表面の清浄性や平滑性が失われ、後
工程で研磨などにより除去する必要が生じて好ましくな
い。
【0011】(c) で添加する希土類、アルカリ土類のハ
ロゲン化物、酸ハロゲン化物としてはフッ素、塩素、臭
素およびヨウ素の化合物が挙げられ、それらの添加量は
全体の1.5 重量%以下とすることが望ましい。1.5 重量
%以上となると先述のように焼結体表面に多くの析出物
が現れ好ましくない。また全体に含まれる酸素重量との
割合を制御することも重要である。ここで" 全体に含ま
れる酸素重量" とは、前記原料粉末内の化合物に起因す
るすべての酸素の重量であり、具体的には前記AlN粉
末に含まれる不純物酸素と焼結助剤である(a) 、(b) 、
(c) ならびに後述する添加しても許容される添加剤に含
まれる酸素の合計である。なお、" 添加剤に含まれる酸
素" とは酸化物換算であり、焼成中に揮散する成分( 例
えば添加剤が炭酸塩の場合のCO2 ガス等) に含まれる酸
素は除外される。酸素に対するハロゲンの重量割合(X/
O:Xは前記原料粉末に含まれるハロゲンの重量、O は同
酸素の重量) が0.3 より多くとなるとやはり焼結体表面
に析出物が現れ、一方0.03未満になると低温での緻密化
や熱伝導率の向上にに対する有効性が失われてしまう。
より好ましくは0.05以上0.25以下である。
【0012】前記AlN粉末および焼結助剤からなる原
料粉末中に、必要に応じて着色化、高強度化のためにT
i、W 、Mo、Ta、Nb、Mn等の遷移金属の酸化物、炭化
物、フッ化物、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩などを前記
AlN粉末に対して遷移金属換算で0.05〜1重量%の範
囲で配合してもよい。さらに、焼結温度低下のために有
効なAl2O3 等のアルミニウム化合物、リンの化合物、ホ
ウ素の化合物や機械的強度を増すために酸化珪素(SiO
2)、窒化珪素(Si3N4) などの珪素化合物をAlN粉末に
対して1重量%以下の範囲で配合することも許容する。
【0013】前記原料粉末は、バインダを添加し混練、
造粒を行った後成形することが望ましい。また、この際
用いる成形方法としては、例えば金型プレス、静水圧プ
レスまたはシート成形法などを採用することができる。
前記バインダとしては、例えば、アクリル系、メタクリ
ル系、PVB 系などが使用される。これら、バインダを分
散させる溶媒として、例えば、n−ブタノールなどのア
ルコール系、メチルイソブチル、トルエン、キシレンな
どが使用される。これらバインダの添加量は、使用する
AlN粉末の粒度によっても異なるが2 〜12w t%、より
好ましくは4 〜10wt% である。
【0014】次いで前記成形体を通常窒素ガス気流中な
どの非酸化性雰囲気中で最高温度1000℃以下まで加熱し
て前記バインダを除去した後、非酸化性雰囲気中1700℃
未満で、より好ましくは1400℃以上1700℃未満の範囲で
焼結される。なお、前記バインダを除去する工程は、A
lNの酸化などに留意して加熱する最高温度を適宜選択
することにより、空気などの酸素を含む雰囲気、あるい
は水蒸気を含む雰囲気を用いることも可能である。前記
焼結過程では、1700℃以上の温度で焼成するとハロゲン
の蒸気圧が高くなりハロゲン成分の蒸発が激しくなると
ともに液相となった粒界相の粘性が低くなるために、結
果として表面への粒界相成分の移行が激しくなり表面の
清浄性と平滑性が失われる恐れがある。また1400℃未満
では完全に緻密化するまでに必要な焼成時間が長くなり
あまり好ましくない。また前記焼結工程の圧力は0.1 気
圧以上10.0気圧以下で行うことが望ましい。0.1 気圧未
満になると前記成形体内部に含まれる(c) のハロゲン化
物の蒸発あるいは酸ハロゲン化物の分解が激しくなり、
ハロゲン成分が焼結に有効に働かなくなる。一方、10.0
気圧より高くなると成形体中にハロゲンが過度に残留
し、その焼結性が不十分になる恐れがある。焼結時の非
酸化性雰囲気としては窒素および/ またはアルコン や、こ
れらに一部が水素、炭酸ガスなどである混合ガスなどが
選択可能で、AlN、BN、カーボンから選ばれた焼成
容器中で、カーボン、タングステン、モリブデンなどか
ら選ばれたヒータを具備する焼結炉中で焼結することが
望ましい。焼結プロファイルは、最高温度まで単調に昇
温しても、また段階的に昇温することも可能である。
【0015】本発明からなるAlN焼結体は、高温高強
度材やヒートシンクとして使用することも可能である
が、メタライズして各種に回路基板として使用される。
本発明からなるAlN焼結体を絶縁部分として形成する
ことで優れた熱放散性や機械強度そして導体層での剥
離、断線などの欠陥がない良好な回路性能を得ることが
可能である。例えば、DBC 、QFP 、PGA 、BGA 、DIP 、
薄膜、厚膜などの電気または電子回路に用いることが出
来る。使用される導電材料としてはW 、Mo、Pt、Pd、Ni
などが挙げられる。回路基板は以下のような方法で製造
される。すなわち、まず第1の工程として、AlNと添
加物からなる混合粉体、バインダそして溶媒を合わせて
充分に混練して、粉体の解砕、分散を行い、併せて所定
の粘度のスラリーとする。得られたスラリーをドクター
ブレード法等でシート化した後、加熱乾燥して溶媒を除
去しグリーンシートとする。次に、第2の工程としてグ
リーンシートの少なくとも一表面に導電ペーストを、例
えばスクリーン印刷法で所望のの回路パターンを形成す
る。この時、多層回路を形成するためには、あらかじめ
グリーンシートに穴を開け、この穴に例えば圧入法で導
電ペーストを充填し層間の電気的接続を得る。次に、前
記の導体回路が形成されたグリーンシートを非酸化性雰
囲気中で加熱して導電ペースト中のバインダを除去す
る。必要に応じて、さらに表面に回路パターンを形成
し、また、熱間加圧してグリーンシートの積層を行う。
第3の工程として、グリーンシート中のバインダを非酸
化性雰囲気中で加熱除去した後焼結される。焼結後は必
要に応じてトリミングや薄膜や厚膜の回路形成や、外部
電極を形成することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に
説明する。なお、これら実施例は本発明の理解を容易に
する目的で記載されるものであり、本発明を特に限定す
るものではない。 ( 実施例1)平均一次粒径が0.6 μmで不純物酸素量が
0.9 重量%のAlN粉末に、平均粒径が0.1 μm、純度
99.9%のY2O3粉末を2.3 重量%と平均粒径が0.2 μm、
純度99.9% のCaCO3 をCaO 換算で1重量%添加し、さら
に平均粒径が0.2 μmのYF3を0.7 重量%と平均粒径が
0.1 μmで純度99.9%のWO3 をW換算で0.3 重量%添加
したものに、n−ブタノールを加え湿式ボールミルによ
り解砕、混合した後、n−ブタノールを除去して原料粉
体とした。続いて、この原料粉にアクリル系バインダ5
重量部を有機溶剤とともに添加して造粒した後、50MPa
の圧力で一軸加圧して成形体を作製した(F/O=0.16) 。
この成形体をAlN焼結体からなる容器にセットし、窒
素ガス1気圧の雰囲気下で1600℃で6 時間グラファイト
製ヒータ炉内で焼成してAlN焼結体を得た。得られた
焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ、
3.30g・cm-3と充分に緻密化していた。また焼結体表面に
は粒界相のしみ出しによる色むらや焼きむらは認められ
なかった。焼結体から、直径10mm、厚さ3mm の円板を切
り出し、21±2 ℃の室温下でJIS-R1611 に従ってレーザ
ーフラッシュ法で熱伝導率を測定したところ、150W・m-1
・K-1であった。また、JIS-R1601 にのっとって4 点曲げ
強度を測定したところ、平均が280MPaと焼結温度が低い
にも関わらず高強度であった。 ( 実施例2)平均一次粒径が0.8 μmで不純物酸素濃度
が0.7 重量%のAlN粉末に、平均粒径が0.1 μm、純
度99.9%のDy2O3 粉末を3重量%と平均粒径が0.2 μ
m、純度99.9% のCaCO3 をCaO 換算で1重量%添加し、
さらに平均粒径が0.3 μmで純度99.9%のCaF2を1.2 重
量%と平均粒径が0.1 μm、純度99.9% の酸化チタン(T
iO2)粉末をTi換算で0.3 重量%添加し、実施例1と同様
の方法で成形、脱バインダし、AlN製容器内に入れ窒
素ガス0.8 気圧の雰囲気下で1550℃で10時間焼成してA
lN焼結体を得た(F/O=0.29)。得られた焼結体の密度は
3.31g・cm-3と完全に緻密化しており、焼結体表面は清浄
であった。室温での熱伝導率は155W・m-1・K-1と比較的高
い値であった。 ( 比較例1)実施例1と同じ原料粉体を用いて、ただしY
F3 は添加しないで他は実施例1と同様の方法で焼結ま
でを行ってAlN焼結体を得た。得られた焼結体の密度
は3.27g・cm-3であり、SEM で焼結体の破断面を観察した
ところ1μm程度のポアが所々に観察され完全には緻密
化していなかった。また熱伝導率も128W・m-1・K-1と実施
例1よりもやや低かった。 ( 比較例2)実施例1と同じ原料粉体を用いて、ただしY
F3 の添加量を2 重量%として他は実施例2と同様の方
法で焼結までを行ってAlN焼結体を得た。得られた焼
結体の密度は3.31g・cm-3と完全に緻密化していたが、焼
結体表面はイットリウムの酸フッ化物やイットリウムア
ルミネート、イットリウムカルシウムアルミネートから
なる大小の白い斑点で覆われており、表面研削などの後
加工なしで実用に供されるものではなかった。 ( 実施例3〜10)AlN 粉および添加物組成を種々に変
え、実施例1 と同様な方法で焼結した。これらの組成と
得られた焼結体の特性を表ー1と2 に示した。ここで表-1
の(A)AlN粉の欄でAve.は平均粒径( μm) 、Oxy.は不純
物酸素量( 重量%) を示す。また、(B) の欄で化合物の
右に示した数字は重量%である。なお、W はWO3 もしく
はW メタルで添加した。TiはTiO2で添加した。( C)欄に
はX/O(X はハロゲン) の値を重量比で示した。さらに
(D) の欄には焼成温度と時間を示したが、雰囲気は窒素
1気圧中とした。
【0017】表-2で密度はg・cm-3、熱伝導率はW・m-1・K-
1 の単位で記載されており、測定方法は実施例1 と同じ
である。表面状態が良好とは色むらや焼きむらがなく、
しかも目視で表面に何らの析出物が見られないことを意
味している。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】 ( 実施例11)不純物酸素量0.98重量%、平均一次粒子径
0.6 μm のAlN粉末に対して、平均粒径0.1 μm 、純
度99.9%のY2O3を2.5 重量%、平均粒径0.5 μm で純度
99.9%のCaCO3 をCaO 換算で0.50重量%、平均粒径0.2
μm で純度99.9%のCaF2を0.5 重量%、平均粒径0.1 μ
m で純度99.9重量%のWO3 をW 換算で0.3 重量%、さら
に純度99.9%のSi3N4 を0.5 重量%添加し(F/O=0.14 )
、更にアクリル系バインダと共にアルコール系溶媒中
に分散し、粘度が約5000CPS のスリップを調製した。続
いて、前記スリップをドクターブレード法により約0.3m
m の均一な厚さを有するグリーンシートを作製した。続
いて、前記グリーンシートを所望の寸法に裁断し、各グ
リーンシートに層間の電気的接続を得るためのビアホー
ルを形成した。前期ビアホールに平均粒径0.8 μm のタ
ングステン粒子からなるタングステンペーストを圧入し
て充填した。ビアホールが形成されたグリーンシート上
にタングステンペーストをスクリーン印刷して、導体回
路となる所望のパターンを形成した。
【0020】このような方法で得た各グリーンシートを
所望数積層し、熱間プレスにより一体化した。その後、
外形加工を施し、窒素雰囲気中で最高温度700 ℃まで加
熱して、バインダを除去した。脱バインダ後の積層物を
AlN容器中に入れ、カーボン製ヒータを有する焼結炉
で窒素雰囲気中、1550℃、6 時間で焼結することでAl
N焼結体パッケージとした。
【0021】得られたパッケージは反り、うねり、クラ
ックがなく、また表面には粒界相のしみ出しにともなう
色むらや焼きむらなどは認められず平滑であり、微構造
をSEM で観察したところ、AlN層とW 層共に充分緻密
化していた。 ( 実施例12)実施例30と同じ組成、同じ方法で得られ
た、ドクターシートを3枚熱間プレスで積層した後、窒
素雰囲気中で最高温度700 ℃まで加熱して、バインダを
除去した。脱バインダ後の積層物をAlN容器中に入
れ、カーボン製ヒータを有する焼結炉で窒素雰囲気中、
1600℃、4 時間で焼結した。得られたAlN焼結体を加
工して35×35×0.7mm3の板状とした。これを、空気中で
1130℃で3 時間加熱して、焼結体表面に厚さ約1 μm の
α-Al2O3層を形成させた。続いて、前記焼結体の35×35
mm2 で囲まれる面に酸素を400ppm含有する銅板を接触さ
せ、酸素を7ppm含有する窒素カ ス 雰囲気中で、最高温度
1070℃で3 分間保持して、前記焼結体と銅板を接合させ
て回路基板とした。得られた回路基板の接合界面を観察
したところ、強固な接合形態となっており、ピール強度
を測定したところ、10kgf・cm-1と高い強度であった。
【0022】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明からなる焼結体
は1600℃前後の低い焼結温度にも関わらず十分緻密で、
130W・m-1K-1 以上の高い熱伝導率が得られる。さらに焼
結体表面には粒界相のしみ出しにともなう斑点などの色
むらや焼きむらおよび反りやうねりがなく清浄性と平滑
性にすぐれ、製品歩留りに優れており、後加工を大幅に
簡便化することができ、低コストのAlN焼結体を提供
可能とする。また、本発明からなる焼結体は、高強度か
つ高熱伝導性であることから構造材やメタライズを施し
た回路基板などの他の用途にも応用できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 克嘉 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 上野 文雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウム粉末に(a) 希土類酸化物
    あるいは焼成により希土類酸化物となる化合物を少なく
    とも一種、および(b) アルカリ土類酸化物あるいは焼成
    によりアルカリ土類酸化物となる化合物を少なくとも一
    種添加し、さらに(c) 希土類ハロゲン化物、希土類酸ハ
    ロゲン化物、あるいはアルカリ土類ハロゲン化物より選
    ばれた少なくとも一種を全体の1.5 重量%以下の割合で
    添加し、かつ酸素に対するハロゲンの重量割合が0.03以
    上0.3 以下となるよう混合して焼成することを特徴とす
    る窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】窒化アルミニウム粉末が1.4 重量%未満の
    酸素を含んでいることを特徴とする請求項1記載の窒化
    アルミニウム焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】焼成温度が1700℃より低い温度であること
    を特徴とする請求項1又は2記載の窒化アルミニウム焼
    結体の製造方法。
JP6221342A 1994-09-16 1994-09-16 窒化アルミニウム焼結体の製造方法 Pending JPH0881266A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6221342A JPH0881266A (ja) 1994-09-16 1994-09-16 窒化アルミニウム焼結体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6221342A JPH0881266A (ja) 1994-09-16 1994-09-16 窒化アルミニウム焼結体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0881266A true JPH0881266A (ja) 1996-03-26

Family

ID=16765308

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6221342A Pending JPH0881266A (ja) 1994-09-16 1994-09-16 窒化アルミニウム焼結体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0881266A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11310462A (ja) * 1998-04-28 1999-11-09 Kyocera Corp 窒化アルミニウム質焼結体及びその製造方法
KR100350365B1 (ko) * 1998-07-10 2002-08-28 스미토모덴키고교가부시키가이샤 세라믹 기재
JP2007297225A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Denki Kagaku Kogyo Kk 窒化アルミニウム基板

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11310462A (ja) * 1998-04-28 1999-11-09 Kyocera Corp 窒化アルミニウム質焼結体及びその製造方法
KR100350365B1 (ko) * 1998-07-10 2002-08-28 스미토모덴키고교가부시키가이샤 세라믹 기재
JP2007297225A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Denki Kagaku Kogyo Kk 窒化アルミニウム基板

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002201075A (ja) 窒化けい素セラミックス基板およびそれを用いた窒化けい素セラミックス回路基板並びにその製造方法
JP3662955B2 (ja) 回路基板および回路基板の製造方法
JP2937850B2 (ja) 窒化アルミニウム焼結体の製造方法
JP2009120483A (ja) 半導体モジュールおよびそれを用いた電子機器
JPH06206772A (ja) 窒化アルミニウム焼結体およびセラミック回路基板
JPH0881266A (ja) 窒化アルミニウム焼結体の製造方法
JPH0881267A (ja) 窒化アルミニウム焼結体、その製造方法と窒化アルミニウム回路基板、その製造方法
JP2807430B2 (ja) 窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法
JP4434384B2 (ja) 窒化アルミニウム焼結体とそれを用いた半導体装置
JP2899893B2 (ja) 窒化アルミニウム質焼結体およびその製造方法
JP2807429B2 (ja) 窒化アルミニウム焼結体
JP2742600B2 (ja) 窒化アルミニウム質焼結体およびその製造方法
JP3231822B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2777344B2 (ja) 窒化アルミニウム焼結体の製造方法
JP4384101B2 (ja) 窒化けい素セラミックス基板およびそれを用いた窒化けい素セラミックス回路基板
JPH10251069A (ja) 窒化珪素回路基板及び半導体装置
JPH0891935A (ja) 窒化アルミニウム焼結体、窒化アルミニウム焼結体の製造方法および回路基板
JP2001122666A (ja) 窒化アルミニウム焼結体と、それを用いた半導体装置および加熱用装置
JP4535575B2 (ja) 窒化珪素質多層配線基板
JP4516057B2 (ja) 窒化けい素配線基板およびその製造方法
JP3038320B2 (ja) 回路基板用窒化アルミニウム焼結体の製造方法
JP3895211B2 (ja) 窒化けい素配線基板の製造方法
JPH0888453A (ja) セラミック回路基板およびセラミック回路基板の製造方法
JPH0881269A (ja) 高熱伝導性焼結体および回路基板
JP2772580B2 (ja) 窒化アルミニウム質焼結体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040423

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040903