JP2672238B2 - 溶接機用トランス - Google Patents
溶接機用トランスInfo
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- JP2672238B2 JP2672238B2 JP4297211A JP29721192A JP2672238B2 JP 2672238 B2 JP2672238 B2 JP 2672238B2 JP 4297211 A JP4297211 A JP 4297211A JP 29721192 A JP29721192 A JP 29721192A JP 2672238 B2 JP2672238 B2 JP 2672238B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶接機用トランスに関
し、さらに詳しくは、小型でスペース効率に優れ、外部
への漏れ磁界の影響が少なく、かつ、保守性に優れた溶
接機用トランスに関する。
し、さらに詳しくは、小型でスペース効率に優れ、外部
への漏れ磁界の影響が少なく、かつ、保守性に優れた溶
接機用トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】産業界においては、種々のワークを溶接
するために、インバータ式直流抵抗溶接機が広範に用い
られている。この種の溶接機は、例えば、ロボットアー
ムの先端に整流器を含むトランス部分および溶接チップ
を取り付け、所定の溶接作業を行うように構成されてい
る。
するために、インバータ式直流抵抗溶接機が広範に用い
られている。この種の溶接機は、例えば、ロボットアー
ムの先端に整流器を含むトランス部分および溶接チップ
を取り付け、所定の溶接作業を行うように構成されてい
る。
【0003】この場合、整流器を含むトランス部分の小
型軽量化は、溶接用ロボット自体の高速化、生産性向上
の観点から、重要な要望事項である。そのためには、各
構成部分の小型化と同時にその配置方法が重要である。
型軽量化は、溶接用ロボット自体の高速化、生産性向上
の観点から、重要な要望事項である。そのためには、各
構成部分の小型化と同時にその配置方法が重要である。
【0004】例えば、従来、トランス本体の前面に2個
乃至4個のダイオードを平面的に配列したものがあっ
た。しかし、このような配置方法を採用する限り、整流
器の占有面積を個々のダイオード面積の2倍乃至4倍以
下にすることは困難である。そして、各ダイオードの面
積がトランスの出力電流容量から決定される以上、その
ような整流器を含むトランス全体を小型化することには
限界がある。
乃至4個のダイオードを平面的に配列したものがあっ
た。しかし、このような配置方法を採用する限り、整流
器の占有面積を個々のダイオード面積の2倍乃至4倍以
下にすることは困難である。そして、各ダイオードの面
積がトランスの出力電流容量から決定される以上、その
ような整流器を含むトランス全体を小型化することには
限界がある。
【0005】また、このような溶接機用トランスにあっ
ては、保守性は重要な評価項目である。中でもダイオー
ドは保守頻度が比較的高い構成部品である。従来は、こ
れを上記のようにトランス本体の前面に平面的に配置す
ることにより、保守性を向上させようとする試みがあっ
た。しかし、ダイオードをトランスに取り付けたままこ
れを分解修理する方法では、ロボット装置の休止時間が
増大するという問題を解決できない。
ては、保守性は重要な評価項目である。中でもダイオー
ドは保守頻度が比較的高い構成部品である。従来は、こ
れを上記のようにトランス本体の前面に平面的に配置す
ることにより、保守性を向上させようとする試みがあっ
た。しかし、ダイオードをトランスに取り付けたままこ
れを分解修理する方法では、ロボット装置の休止時間が
増大するという問題を解決できない。
【0006】さらに、一般に溶接機用トランスでは、二
次回路、例えば二次コイルの巻き始めおよび巻き終わり
の各端部導体、またはセンタタップ出力導体等に極めて
大きい電流が流れる。そのため、その電流が誘起する磁
界がトランス近傍を走る電力ケーブル等に作用して、無
用な力や振動を生じさせる現象が見られる。このような
現象はロボットの溶接動作や他の周辺機器の動作の障害
となることがあるので、極力排除することが望ましい。
次回路、例えば二次コイルの巻き始めおよび巻き終わり
の各端部導体、またはセンタタップ出力導体等に極めて
大きい電流が流れる。そのため、その電流が誘起する磁
界がトランス近傍を走る電力ケーブル等に作用して、無
用な力や振動を生じさせる現象が見られる。このような
現象はロボットの溶接動作や他の周辺機器の動作の障害
となることがあるので、極力排除することが望ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、二次コイル
に誘起される高周波電流を整流して直流溶接電流として
溶接チップ間に供給する直流抵抗溶接機用トランスにお
ける前記の問題点に鑑み、小型でスペース効率に優れ、
外部への漏れ磁界の影響が少なく、かつ、保守性にも優
れた溶接機用トランスを提供することを目的とする。
に誘起される高周波電流を整流して直流溶接電流として
溶接チップ間に供給する直流抵抗溶接機用トランスにお
ける前記の問題点に鑑み、小型でスペース効率に優れ、
外部への漏れ磁界の影響が少なく、かつ、保守性にも優
れた溶接機用トランスを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る溶接機用トランスは、センタタップ
付きの二次コイルの巻き始め端および巻き終わり端であ
る各出力端に誘起される高周波電流を各々整流器を介し
て全波整流し、直流溶接電流として溶接チップ間に供給
する直流溶接機用トランスにおいて、前記二次コイルに
は、前記センタタップと前記各出力端間に、各々並列に
構成された複数のコイルが一体的に設けられていること
を特徴とする。
めに、本発明に係る溶接機用トランスは、センタタップ
付きの二次コイルの巻き始め端および巻き終わり端であ
る各出力端に誘起される高周波電流を各々整流器を介し
て全波整流し、直流溶接電流として溶接チップ間に供給
する直流溶接機用トランスにおいて、前記二次コイルに
は、前記センタタップと前記各出力端間に、各々並列に
構成された複数のコイルが一体的に設けられていること
を特徴とする。
【0009】また、本発明に係る溶接機用トランスは、
前記各々並列に構成された複数のコイルは、前記各出力
端のうち一方の出力端から分岐して平行に延びて前記セ
ンタタップに接続される複数の第1コイルと、前記セン
タタップから分岐して平行に延びて他方の出力端に接続
される複数の第2のコイルとから構成され、 前記複数の
第1コイルを構成する各コイルと前記複数の第2コイル
を構成する各コイルとが、交互に配設されるように構成
されていることを特徴とする。
前記各々並列に構成された複数のコイルは、前記各出力
端のうち一方の出力端から分岐して平行に延びて前記セ
ンタタップに接続される複数の第1コイルと、前記セン
タタップから分岐して平行に延びて他方の出力端に接続
される複数の第2のコイルとから構成され、 前記複数の
第1コイルを構成する各コイルと前記複数の第2コイル
を構成する各コイルとが、交互に配設されるように構成
されていることを特徴とする。
【0010】さらに、本発明に係る溶接機用トランス
は、前記複数の第1コイルを構成する各コイルと前記複
数の第2コイルを構成する各コイルとが、交互に配設さ
れるように構成された前記二次コイルの、各第1コイル
および各第2コイルのそれぞれのコイルを挟むように一
次コイルが分割して配設されて構成されていることを特
徴とする。
は、前記複数の第1コイルを構成する各コイルと前記複
数の第2コイルを構成する各コイルとが、交互に配設さ
れるように構成された前記二次コイルの、各第1コイル
および各第2コイルのそれぞれのコイルを挟むように一
次コイルが分割して配設されて構成されていることを特
徴とする。
【0011】さらにまた、本発明に係る溶接機用トラン
スは、 前記二次コイルには、前記センタタップと前記
各出力端間に、各々並列に構成された2つのコイルが一
体的に設けられていることを特徴とする。
スは、 前記二次コイルには、前記センタタップと前記
各出力端間に、各々並列に構成された2つのコイルが一
体的に設けられていることを特徴とする。
【0012】さらにまた、本発明に係る溶接機用トラン
スは、前記二次コイルには、冷却媒体用通路が設けられ
ていることを特徴とする。
スは、前記二次コイルには、冷却媒体用通路が設けられ
ていることを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明に係る溶接機用トランスでは、一次コイ
ルに流れる高周波電流により二次コイルに誘起される電
流をダイオードを介して整流し、直流電流として溶接チ
ップ間に供給する。
ルに流れる高周波電流により二次コイルに誘起される電
流をダイオードを介して整流し、直流電流として溶接チ
ップ間に供給する。
【0014】この場合、前記二次コイルには、前記セン
タタップと前記各出力端間に、各々並列に構成された複
数のコイルが一体的に設けられている。この構成によ
り、駆動時における漏れ磁束が少なく、一次コイルと二
次コイル間の結合率が極めて高い。従って、二次コイル
に生じる直流溶接電流の立ち上がり時間が極めて短いも
のとなる。この結果、一次コイル側の直流電流の周波数
を高く設定することができ、これによって高出力を得る
ことができるととともに、コア断面積を減少させ、小型
軽量な溶接機用トランスを提供することができる。
タタップと前記各出力端間に、各々並列に構成された複
数のコイルが一体的に設けられている。この構成によ
り、駆動時における漏れ磁束が少なく、一次コイルと二
次コイル間の結合率が極めて高い。従って、二次コイル
に生じる直流溶接電流の立ち上がり時間が極めて短いも
のとなる。この結果、一次コイル側の直流電流の周波数
を高く設定することができ、これによって高出力を得る
ことができるととともに、コア断面積を減少させ、小型
軽量な溶接機用トランスを提供することができる。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【実施例】本発明に係る溶接機用トランスについて、実
施例を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明
する。
施例を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明
する。
【0019】図1は、本実施例の溶接機用トランスが適
用される直流抵抗溶接装置の全体構成を示す。この溶接
装置は、交流電源10と、この交流電流から直流電流を
生成するコンバータ回路12と、この直流電流を高周波
電流に変換するインバータ回路14と、この高周波電流
を直流電流に変換する整流器を含む溶接機用トランス1
6と、前記直流電流に基づいてワークW1、W2の溶接
を行う溶接部18とから基本的に構成される。
用される直流抵抗溶接装置の全体構成を示す。この溶接
装置は、交流電源10と、この交流電流から直流電流を
生成するコンバータ回路12と、この直流電流を高周波
電流に変換するインバータ回路14と、この高周波電流
を直流電流に変換する整流器を含む溶接機用トランス1
6と、前記直流電流に基づいてワークW1、W2の溶接
を行う溶接部18とから基本的に構成される。
【0020】この場合、溶接部18は、図示しないロボ
ットによってワークW1、W2の所定部位に移動可能な
一対のガンアーム20a、20bと、前記各ガンアーム
20a、20bの先端部に取着される溶接チップ22
a、22bとを備える。
ットによってワークW1、W2の所定部位に移動可能な
一対のガンアーム20a、20bと、前記各ガンアーム
20a、20bの先端部に取着される溶接チップ22
a、22bとを備える。
【0021】次に、図2、図3および図5、図6に基づ
き溶接機用トランス16の構成を説明する。なお、図
2、図3は整流器のダイオード面が二次コイル巻軸に平
行に置かれた場合であり、図5、図6はダイオード面が
二次コイル巻軸に垂直に置かれた場合を示している。そ
れ以外の構成は同一である。
き溶接機用トランス16の構成を説明する。なお、図
2、図3は整流器のダイオード面が二次コイル巻軸に平
行に置かれた場合であり、図5、図6はダイオード面が
二次コイル巻軸に垂直に置かれた場合を示している。そ
れ以外の構成は同一である。
【0022】溶接機用トランス16は、帯状の導電性薄
板をコイル状に折曲形成した一次コイル24と、前記一
次コイル24と磁気的に結合すべく、導電性のブロック
体をコイル状に形成した二次コイル26と、前記一次コ
イル24および二次コイル26の磁路に沿って配設され
磁気回路を構成するコア28a、28bと、整流器アセ
ンブリ30とから構成される。
板をコイル状に折曲形成した一次コイル24と、前記一
次コイル24と磁気的に結合すべく、導電性のブロック
体をコイル状に形成した二次コイル26と、前記一次コ
イル24および二次コイル26の磁路に沿って配設され
磁気回路を構成するコア28a、28bと、整流器アセ
ンブリ30とから構成される。
【0023】一次コイル24は、同一方向に周回するコ
イル部39a〜39hを有し、前記コイル部39aおよ
び39hの端部がインバータ回路14に夫々接続され
る。
イル部39a〜39hを有し、前記コイル部39aおよ
び39hの端部がインバータ回路14に夫々接続され
る。
【0024】二次コイル26は、図3に示すように、導
体ブロック44(第1端子部)が形成された一端部から
平行に延びた後、一旦下方向に折曲し、次いで、センタ
タップ部に至る2つの第1コイル40a、40bと、セ
ンタタップ部から平行に延びた後、一旦下方向に折曲
し、次いで、導体ブロック46(第3端子部)が形成さ
れた二次コイル26の他端部に至る2つの第2コイル4
2a、42bとからなる。第1コイル40a、40bと
第2コイル42a、42bとは、2回路並列接続、セン
タタップ付きの2ターンコイルを形成する。
体ブロック44(第1端子部)が形成された一端部から
平行に延びた後、一旦下方向に折曲し、次いで、センタ
タップ部に至る2つの第1コイル40a、40bと、セ
ンタタップ部から平行に延びた後、一旦下方向に折曲
し、次いで、導体ブロック46(第3端子部)が形成さ
れた二次コイル26の他端部に至る2つの第2コイル4
2a、42bとからなる。第1コイル40a、40bと
第2コイル42a、42bとは、2回路並列接続、セン
タタップ付きの2ターンコイルを形成する。
【0025】前記センタタップ部からは導体ブロック4
8(第2端子部)が突出する。導体ブロック48は、導
体ブロック44および46に平行にかつそれらから等距
離を隔てつつ延在した後、左右いずれかへ引き出され
る。
8(第2端子部)が突出する。導体ブロック48は、導
体ブロック44および46に平行にかつそれらから等距
離を隔てつつ延在した後、左右いずれかへ引き出され
る。
【0026】この二次コイル26を構成する第1コイル
40aの側部と、第1コイル40a、40b間と、第1
コイル40b、第2コイル42a間と、第2コイル42
a、42b間と、第2コイル42bの側部には、一次コ
イル24のコイル部39a、39bおよび39c、39
dおよび39e、39fおよび39g、39hが図示し
ない絶縁用スペーサを介して装着される。
40aの側部と、第1コイル40a、40b間と、第1
コイル40b、第2コイル42a間と、第2コイル42
a、42b間と、第2コイル42bの側部には、一次コ
イル24のコイル部39a、39bおよび39c、39
dおよび39e、39fおよび39g、39hが図示し
ない絶縁用スペーサを介して装着される。
【0027】整流器アセンブリ30は、2枚の電極板3
2および34と、この電極板32および34の間に対向
して挟持される一対のダイオードD1およびD2と、こ
のダイオードD1およびD2の間に介在する端子板36
と、これらを一体に圧着する押圧手段により構成され
る。
2および34と、この電極板32および34の間に対向
して挟持される一対のダイオードD1およびD2と、こ
のダイオードD1およびD2の間に介在する端子板36
と、これらを一体に圧着する押圧手段により構成され
る。
【0028】押圧手段は2枚の加圧板52、52と、加
圧板52、52と電極板32および34との間に夫々挿
入される皿ばね54、54と、締め付けボルト56によ
り構成される。
圧板52、52と電極板32および34との間に夫々挿
入される皿ばね54、54と、締め付けボルト56によ
り構成される。
【0029】前記電極板32および34は、夫々導体ブ
ロック44および46に電気的に接続される。この場
合、図2、図3では電極板32および34が二次コイル
巻軸に平行に置かれ、図5、図6では該電極板32、3
4が二次コイル巻軸に垂直に置かれている。また、端子
板36の一端は外部に突出し、前記センタタップ部から
突出する導体ブロック48とともに、溶接用直流回路の
正極および負極を構成する。
ロック44および46に電気的に接続される。この場
合、図2、図3では電極板32および34が二次コイル
巻軸に平行に置かれ、図5、図6では該電極板32、3
4が二次コイル巻軸に垂直に置かれている。また、端子
板36の一端は外部に突出し、前記センタタップ部から
突出する導体ブロック48とともに、溶接用直流回路の
正極および負極を構成する。
【0030】また、二次コイル26、導体ブロック4
4、46、電極板32、34、および端子板36は、図
4および図7に一点鎖線で示すように、夫々その内部
に、各結着面で接続され連通する冷却水通路60および
62を有している。すなわち、電極板34から入り、導
体ブロック46、二次コイル26の第2コイル42a、
42b、センタタップ部、二次コイル26の第1コイル
40a、40b、導体ブロック44を経て、電極板34
から排出される冷却水通路60と、端子板36に出入り
する冷却水通路62である。
4、46、電極板32、34、および端子板36は、図
4および図7に一点鎖線で示すように、夫々その内部
に、各結着面で接続され連通する冷却水通路60および
62を有している。すなわち、電極板34から入り、導
体ブロック46、二次コイル26の第2コイル42a、
42b、センタタップ部、二次コイル26の第1コイル
40a、40b、導体ブロック44を経て、電極板34
から排出される冷却水通路60と、端子板36に出入り
する冷却水通路62である。
【0031】本実施例の溶接機用トランスおよびそれが
適用される溶接装置は、基本的には以上のように構成さ
れるものであり、次にその作用効果について説明する。
適用される溶接装置は、基本的には以上のように構成さ
れるものであり、次にその作用効果について説明する。
【0032】先ず、この溶接装置は、次のように動作す
る(図1参照)。交流電源10より供給された交流電流
は、コンバータ回路12によって直流電流に変換され、
次いで、インバータ回路14において高周波電流に変換
される。そして、この高周波電流が溶接機用トランス1
6の一次コイル24に供給される。
る(図1参照)。交流電源10より供給された交流電流
は、コンバータ回路12によって直流電流に変換され、
次いで、インバータ回路14において高周波電流に変換
される。そして、この高周波電流が溶接機用トランス1
6の一次コイル24に供給される。
【0033】一次コイル24に高周波電流が流れると、
コア28a、28bを介して二次コイル26に高周波電
圧が誘起される。この高周波電圧はダイオードD1およ
びD2によって全波整流され、高周波電圧の半周期毎
に、第1コイル40a、40bまたは第2コイル42
a、42bを流れる直流電流として、ガンアーム20
a、20bを介して溶接チップ22a、22b間に供給
され、ワークW1、W2の溶接が行われる。
コア28a、28bを介して二次コイル26に高周波電
圧が誘起される。この高周波電圧はダイオードD1およ
びD2によって全波整流され、高周波電圧の半周期毎
に、第1コイル40a、40bまたは第2コイル42
a、42bを流れる直流電流として、ガンアーム20
a、20bを介して溶接チップ22a、22b間に供給
され、ワークW1、W2の溶接が行われる。
【0034】ここで、上記の溶接装置に適用される溶接
機用トランス16では、平行に配設した2つの第1コイ
ル40a、40bおよび第2コイル42a、42bによ
り二次コイル26を構成しており、且つ、第1コイル4
0a、40bまたは第2コイル42a、42bに同時に
電流が流れるように構成しているため、駆動時における
漏れ磁束が少なく、一次コイル24および二次コイル2
6間の結合率が極めて高い。従って、二次コイル26に
生じる直流溶接電流の立ち上がり時間が極めて短いもの
となる。この結果、一次コイル24側の直流電流の周波
数を高く設定することができ、これによって高出力を得
ることができるとともに、コア断面積を減少させ、小型
軽量な溶接機用トランス16を提供することができる。
機用トランス16では、平行に配設した2つの第1コイ
ル40a、40bおよび第2コイル42a、42bによ
り二次コイル26を構成しており、且つ、第1コイル4
0a、40bまたは第2コイル42a、42bに同時に
電流が流れるように構成しているため、駆動時における
漏れ磁束が少なく、一次コイル24および二次コイル2
6間の結合率が極めて高い。従って、二次コイル26に
生じる直流溶接電流の立ち上がり時間が極めて短いもの
となる。この結果、一次コイル24側の直流電流の周波
数を高く設定することができ、これによって高出力を得
ることができるとともに、コア断面積を減少させ、小型
軽量な溶接機用トランス16を提供することができる。
【0035】この場合、二次コイル26の巻き始めおよ
び巻き終わりの各端部導体ブロック44、46に接続さ
れた2枚の電極板32、34を介して、一対のダイオー
ドD1、D2を対向させて配置するので、2個のダイオ
ードが立体的に積み重ねられ、整流器アセンブリ30と
しての占有面積はダイオード合計面積の1/2に近い値
になる。
び巻き終わりの各端部導体ブロック44、46に接続さ
れた2枚の電極板32、34を介して、一対のダイオー
ドD1、D2を対向させて配置するので、2個のダイオ
ードが立体的に積み重ねられ、整流器アセンブリ30と
しての占有面積はダイオード合計面積の1/2に近い値
になる。
【0036】また、二次コイル26のセンタタップ部の
出力導体ブロック48の一部を、二次コイル26の巻き
始めおよび巻き終わりの各端部導体ブロック44、46
に平行に延在せしめるので、少なくともこれら各導体が
平行する部分においては、高周波電流の半周期毎に、巻
き始めおよび巻き終わりの各端部導体ブロック44、4
6のいずれか一方とセンタタップ部の出力導体ブロック
48には、大きさが等しく向きが反対の電流が流れる。
従って、その部分を流れる電流が作り出す磁界は相互に
打ち消し合い、トランス外近傍における磁界の作用が軽
減される。
出力導体ブロック48の一部を、二次コイル26の巻き
始めおよび巻き終わりの各端部導体ブロック44、46
に平行に延在せしめるので、少なくともこれら各導体が
平行する部分においては、高周波電流の半周期毎に、巻
き始めおよび巻き終わりの各端部導体ブロック44、4
6のいずれか一方とセンタタップ部の出力導体ブロック
48には、大きさが等しく向きが反対の電流が流れる。
従って、その部分を流れる電流が作り出す磁界は相互に
打ち消し合い、トランス外近傍における磁界の作用が軽
減される。
【0037】さらに、2枚の電極板32、34、一対の
ダイオードD1、D2およびダイオード間端子板36を
押圧手段により一体に圧着してなる整流器アセンブリ3
0を、端部導体ブロック44、46間に着脱自在に取り
付ける構造を採用しているので、整流器アセンブリ30
に何らかの故障を生じた場合、それを取り外し、良品と
交換するだけで修理を完了することができる。
ダイオードD1、D2およびダイオード間端子板36を
押圧手段により一体に圧着してなる整流器アセンブリ3
0を、端部導体ブロック44、46間に着脱自在に取り
付ける構造を採用しているので、整流器アセンブリ30
に何らかの故障を生じた場合、それを取り外し、良品と
交換するだけで修理を完了することができる。
【0038】また、二次コイル26および各導体32、
34、36、44、46の内部には冷却水通路60、6
2が形成されており、この冷却水通路60、62を流れ
る冷却水により二次コイルおよび各導体中で発生するジ
ュール熱が系外に排出される。これにより温度と抵抗値
の相乗的累加現象が食い止められるので、コイルや各導
体部分の断面積を小さくすることができる。
34、36、44、46の内部には冷却水通路60、6
2が形成されており、この冷却水通路60、62を流れ
る冷却水により二次コイルおよび各導体中で発生するジ
ュール熱が系外に排出される。これにより温度と抵抗値
の相乗的累加現象が食い止められるので、コイルや各導
体部分の断面積を小さくすることができる。
【0039】また、この二次コイル26の冷却に伴っ
て、二次コイル26に沿って配設された一次コイル24
も冷却されるため、その抵抗値が低下し、従って、高電
流を容易に得ることができる。
て、二次コイル26に沿って配設された一次コイル24
も冷却されるため、その抵抗値が低下し、従って、高電
流を容易に得ることができる。
【0040】なお、上述した実施例では、第1コイル4
0a、40bおよび第2コイル42a、42bを夫々一
対としたが、これに限定されるものではなく、二対以上
とすることもできる。
0a、40bおよび第2コイル42a、42bを夫々一
対としたが、これに限定されるものではなく、二対以上
とすることもできる。
【0041】
【発明の効果】本発明に係る溶接機用トランスによれ
ば、センタタップと巻き始め端および巻終わり端の各出
力端間に、各々並列に構成された複数のコイルが一体的
に設けられた二次コイルの構成としている。このため、
駆動時における漏れ磁束が少なく、一次コイルと二次コ
イル間の結合率が極めて高い。従って、二次コイルに生
じる直流溶接電流の立ち上がり時間が極めて短いものと
なる。この結果、一次コイル側の直流電流の周波数を高
く設定することができ、これによって高出力を得ること
ができるととともに、コア断面積を減少させ、小型軽量
な溶接機用トランスを提供することができる。
ば、センタタップと巻き始め端および巻終わり端の各出
力端間に、各々並列に構成された複数のコイルが一体的
に設けられた二次コイルの構成としている。このため、
駆動時における漏れ磁束が少なく、一次コイルと二次コ
イル間の結合率が極めて高い。従って、二次コイルに生
じる直流溶接電流の立ち上がり時間が極めて短いものと
なる。この結果、一次コイル側の直流電流の周波数を高
く設定することができ、これによって高出力を得ること
ができるととともに、コア断面積を減少させ、小型軽量
な溶接機用トランスを提供することができる。
【0042】また、各導体部分を流れる電流が作り出す
磁界が相互に打ち消し合うような構成を採用する結果、
トランス外近傍における磁界の作用が軽減され、外部へ
の漏れ磁界の影響が少ない。
磁界が相互に打ち消し合うような構成を採用する結果、
トランス外近傍における磁界の作用が軽減され、外部へ
の漏れ磁界の影響が少ない。
【0043】
【図1】本発明に係る溶接機用トランスが適用される直
流抵抗溶接装置の構成図である。
流抵抗溶接装置の構成図である。
【図2】本発明に係る溶接機用トランスであって、ダイ
オード面を二次コイル巻軸に平行に配置したものの構成
斜視図である。
オード面を二次コイル巻軸に平行に配置したものの構成
斜視図である。
【図3】図2に示す溶接機用トランスの要部分解斜視図
である。
である。
【図4】図3に示す溶接機用トランスの冷却水通路の説
明図である。
明図である。
【図5】本発明に係る溶接機用トランスであって、ダイ
オード面を二次コイル巻軸に垂直に配置したものの構成
斜視図である。
オード面を二次コイル巻軸に垂直に配置したものの構成
斜視図である。
【図6】図5に示す溶接機用トランスの要部分解斜視図
である。
である。
【図7】図6に示す溶接機用トランスの冷却水通路の説
明図である。
明図である。
16…溶接機用トランス 26…二次コイル 30…整流器アセンブリ 32、34…電極板 36…端子板 40a、40b…二次コイルの第1コイル 42a、42b…二次コイルの第2コイル 44、46…二次コイル端部導体ブロック 48…二次コイルセンタタップ部出力導体ブロック D1、D2…ダイオード
Claims (5)
- 【請求項1】センタタップ付きの二次コイルの巻き始め
端および巻き終わり端である各出力端に誘起される高周
波電流を各々整流器を介して全波整流し、直流溶接電流
として溶接チップ間に供給する直流溶接機用トランスに
おいて、前記二次コイルには、前記センタタップと前記各出力端
間に、各々並列に構成された複数のコイルが一体的に設
けられてい ることを特徴とする溶接機用トランス。 - 【請求項2】請求項1記載のトランスにおいて、前記各々並列に構成された複数のコイルは、前記各出力
端のうち一方の出力端から分岐して平行に延びて前記セ
ンタタップに接続される複数の第1コイルと、前記セン
タタップから分岐して平行に延びて他方の出力端に接続
される複数の第2のコイルとから構成され、 前記複数の第1コイルを構成する各コイルと前記複数の
第2コイルを構成する各コイルとが、交互に配設される
ように構成されてい ることを特徴とする溶接機用トラン
ス。 - 【請求項3】請求項2記載のトランスにおいて、前記複数の第1コイルを構成する各コイルと前記複数の
第2コイルを構成する各コイルとが、交互に配設される
ように構成された前記二次コイルの、各第1コイルおよ
び各第2コイルのそれぞれのコイルを挟むように一次コ
イルが分割して配設されて構成されてい ることを特徴と
する溶接機用トランス。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載のトラ
ンスにおいて、前記二次コイルには、前記センタタップと前記各出力端
間に、各々並列に構成された2つのコイルが一体的に設
けられてい ることを特徴とする溶接機用トランス。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載のトラ
ンスにおいて、前記二次コイルには、冷却媒体用通路が設けられてい る
ことを特徴とする溶接機用トランス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4297211A JP2672238B2 (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 溶接機用トランス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4297211A JP2672238B2 (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 溶接機用トランス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06151211A JPH06151211A (ja) | 1994-05-31 |
JP2672238B2 true JP2672238B2 (ja) | 1997-11-05 |
Family
ID=17843622
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4297211A Expired - Fee Related JP2672238B2 (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 溶接機用トランス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2672238B2 (ja) |
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DE102007001234A1 (de) * | 2007-01-08 | 2008-07-10 | Robert Bosch Gmbh | Halbleiterbaugruppe zum Anschluss an eine Transformatorwicklung und Transformatoranordnung |
DE102007001233A1 (de) * | 2007-01-08 | 2008-07-10 | Robert Bosch Gmbh | Windungselement für eine Spulenwicklung und Transformatoranordnung |
JP2008270347A (ja) * | 2007-04-17 | 2008-11-06 | Densei Lambda Kk | トランス |
JP2011222694A (ja) * | 2010-04-08 | 2011-11-04 | Nippon Soken Inc | リアクトル装置 |
DE102010045079A1 (de) * | 2010-09-13 | 2012-03-15 | Elektron Bremen Gmbh | Transformator für eine Schweißzange |
WO2012167428A1 (zh) * | 2011-06-08 | 2012-12-13 | 深圳市鸿栢科技实业有限公司 | 水冷散热次高频变压器及其散热装置 |
JP5199493B1 (ja) * | 2012-02-22 | 2013-05-15 | 株式会社向洋技研 | 溶接トランスと溶接装置 |
JP5220931B1 (ja) * | 2012-02-29 | 2013-06-26 | 株式会社向洋技研 | 溶接トランスと溶接トランス組体と溶接装置 |
DE202012101057U1 (de) * | 2012-03-23 | 2013-06-24 | DALEX Schweißmaschinen GmbH & Co. KG | Widerstandsschweißtransformator |
JP5717006B2 (ja) * | 2012-10-29 | 2015-05-13 | 株式会社向洋技研 | スタッド溶接方法 |
JP6067370B2 (ja) * | 2012-12-21 | 2017-01-25 | 新電元工業株式会社 | 点火装置 |
JP5717011B2 (ja) * | 2013-05-30 | 2015-05-13 | 株式会社向洋技研 | 高周波誘導加熱装置用変成器 |
CN103949766B (zh) * | 2014-04-30 | 2016-06-29 | 锦州市圣合科技电子有限责任公司 | 电阻焊机用中频大功率组件 |
JP6520324B2 (ja) * | 2015-04-06 | 2019-05-29 | スミダコーポレーション株式会社 | 降圧トランス |
JP6831612B1 (ja) * | 2019-12-03 | 2021-02-17 | 株式会社向洋技研 | 溶接トランス |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03283511A (ja) * | 1990-03-30 | 1991-12-13 | Honda Motor Co Ltd | 溶接トランス |
JP2541861B2 (ja) * | 1990-03-30 | 1996-10-09 | 本田技研工業株式会社 | 溶接用トランスおよびその製造方法 |
-
1992
- 1992-11-06 JP JP4297211A patent/JP2672238B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06151211A (ja) | 1994-05-31 |
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