JP2500150B2 - 撥水撥油コ―ティング膜及びその製造方法 - Google Patents
撥水撥油コ―ティング膜及びその製造方法Info
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- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撥水撥油性を必要とす
る電化製品や自動車、産業機器等で用いる撥水撥油フロ
ロカーボン系コーティング膜の製造方法に関するもので
ある。
る電化製品や自動車、産業機器等で用いる撥水撥油フロ
ロカーボン系コーティング膜の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電化製品、自動車、産業機器、鏡、眼鏡
レンズ等には、耐熱性、耐候性、耐摩耗性の超薄膜コー
ティングが要望されている。
レンズ等には、耐熱性、耐候性、耐摩耗性の超薄膜コー
ティングが要望されている。
【0003】従来より撥水撥油を目的とした広く用いら
れているコーティング膜の製造方法は、一般に、Al基
体などの表面をブラスト処理、ワイヤーブラシや化学エ
ッチング等で荒し、表面を粗面化処理し、さらにプライ
マー等を塗布した後、ポリ4フッ化エチレン等のフロロ
カーボン系微粉末をエタノール等に懸濁させた弗素エナ
メル等の塗料を塗布し乾燥後、400℃程度で1時間程
度ベーキング(焼き付け処理)をおこない、基体表面に
フロロカーボン系ポリマーを焼き付ける方法が用いられ
てきた。
れているコーティング膜の製造方法は、一般に、Al基
体などの表面をブラスト処理、ワイヤーブラシや化学エ
ッチング等で荒し、表面を粗面化処理し、さらにプライ
マー等を塗布した後、ポリ4フッ化エチレン等のフロロ
カーボン系微粉末をエタノール等に懸濁させた弗素エナ
メル等の塗料を塗布し乾燥後、400℃程度で1時間程
度ベーキング(焼き付け処理)をおこない、基体表面に
フロロカーボン系ポリマーを焼き付ける方法が用いられ
てきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では製造が容易である反面、ポリマーと基体は単にア
ンカー効果でのみ接着されているに過ぎないため、基体
との密着性に限界があり、また、コーティング膜表面は
400℃の高温ベーキングをおこなうため表面が平坦化
されて良好な撥水撥油面が得られなかった。従って、電
化製品や自動車、産業機器等の撥水撥油性のコーティン
グ膜を必要とする機器の製造方法としては不十分であっ
た。
法では製造が容易である反面、ポリマーと基体は単にア
ンカー効果でのみ接着されているに過ぎないため、基体
との密着性に限界があり、また、コーティング膜表面は
400℃の高温ベーキングをおこなうため表面が平坦化
されて良好な撥水撥油面が得られなかった。従って、電
化製品や自動車、産業機器等の撥水撥油性のコーティン
グ膜を必要とする機器の製造方法としては不十分であっ
た。
【0005】本発明は前記従来技術の課題を解決するた
め、基体と密着性よく且つピンホールが無く、しかも表
面にミクロンオーダの小さな凸凹があり撥水撥油性、耐
久性が優れたフッ素を含有するコーティング膜を提供す
ることを目的とする。
め、基体と密着性よく且つピンホールが無く、しかも表
面にミクロンオーダの小さな凸凹があり撥水撥油性、耐
久性が優れたフッ素を含有するコーティング膜を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の撥水撥油コーティング膜は、基体表面にポ
リシロキサン薄膜またはシロキサン化学吸着単分子膜を
形成し、その上にフロロカーボン基及びシロキサン基を
含むポリマーと、表面が親水性の微粒子を混ぜた塗膜よ
りなる凸凹の薄膜が、シロキサン結合によって化学結合
してなるという構成を備えたものである。
め、本発明の撥水撥油コーティング膜は、基体表面にポ
リシロキサン薄膜またはシロキサン化学吸着単分子膜を
形成し、その上にフロロカーボン基及びシロキサン基を
含むポリマーと、表面が親水性の微粒子を混ぜた塗膜よ
りなる凸凹の薄膜が、シロキサン結合によって化学結合
してなるという構成を備えたものである。
【0007】次に本発明の撥水撥油コーティング膜の製
造方法は、表面に水酸基を有する基体の表面に、クロロ
シリル基を有する物質を混合した非水系溶媒に接触させ
て前記基体表面の水酸基と前記クロロシリル基を反応さ
せ、前記物質を前記基体表面に化学吸着させる工程と、
フロロカーボン基及びクロロシリル基またはアルコキシ
シリル基を含む物質と、表面が親水性の微粒子を混合し
た非水系の溶媒を基体表面に塗布する工程と、基体を加
熱ベーキングする工程を含むという構成を備えたもので
ある。
造方法は、表面に水酸基を有する基体の表面に、クロロ
シリル基を有する物質を混合した非水系溶媒に接触させ
て前記基体表面の水酸基と前記クロロシリル基を反応さ
せ、前記物質を前記基体表面に化学吸着させる工程と、
フロロカーボン基及びクロロシリル基またはアルコキシ
シリル基を含む物質と、表面が親水性の微粒子を混合し
た非水系の溶媒を基体表面に塗布する工程と、基体を加
熱ベーキングする工程を含むという構成を備えたもので
ある。
【0008】前記構成においては、基体として、金属ま
たはセラミックを用いることが好ましい。
たはセラミックを用いることが好ましい。
【0009】また前記構成においては、基体として、予
め表面を酸素を含むプラズマ雰囲気で処理して親水性化
したプラスチックを用いることが好ましい。
め表面を酸素を含むプラズマ雰囲気で処理して親水性化
したプラスチックを用いることが好ましい。
【0010】また前記構成においては、クロロシリル基
を有する物質が、SiCl4 、SiHCl3 、SiH2
Cl2 、またはCl−(SiCl2 O)n −SiCl3
(nは整数)から選ばれる少なくとも一つであることが
好ましい。
を有する物質が、SiCl4 、SiHCl3 、SiH2
Cl2 、またはCl−(SiCl2 O)n −SiCl3
(nは整数)から選ばれる少なくとも一つであることが
好ましい。
【0011】また前記構成においては、フロロカーボン
基及びクロロシリル基を含む物質として、CF3 −(C
F2 )n −R−SiXp Cl3-p (nは0または整数、
Rはアルキレン基、エチレン基、アセチレン基(エチニ
レン基と同一)、またはシリコン、酸素原子を含む置換
基、XはHまたはアルキル基、シクロアルキル基、アリ
ル基、およびこれらの誘導体から選ばれる置換基、pは
0または1または2)を用いることが好ましい。
基及びクロロシリル基を含む物質として、CF3 −(C
F2 )n −R−SiXp Cl3-p (nは0または整数、
Rはアルキレン基、エチレン基、アセチレン基(エチニ
レン基と同一)、またはシリコン、酸素原子を含む置換
基、XはHまたはアルキル基、シクロアルキル基、アリ
ル基、およびこれらの誘導体から選ばれる置換基、pは
0または1または2)を用いることが好ましい。
【0012】また前記構成においては、フロロカーボン
基及びアルコキシシリル基を含む物質として、CF3 −
(CF2 )n −R−SiYq (OA)3-q (nは0また
は整数、Rはアルキレン基、エチレン基、アセチレン基
(エチニレン基)、またはシリコン、酸素原子を含む置
換基、Yは水素原子またはアルキル基、シクロアルキル
基、アリル基、およびこれらの誘導体から選ばれる置換
基、OAはアルコキシ基(ただし、AはHまたはアルキ
ル基)、qは0または1または2)を用いることが好ま
しい。
基及びアルコキシシリル基を含む物質として、CF3 −
(CF2 )n −R−SiYq (OA)3-q (nは0また
は整数、Rはアルキレン基、エチレン基、アセチレン基
(エチニレン基)、またはシリコン、酸素原子を含む置
換基、Yは水素原子またはアルキル基、シクロアルキル
基、アリル基、およびこれらの誘導体から選ばれる置換
基、OAはアルコキシ基(ただし、AはHまたはアルキ
ル基)、qは0または1または2)を用いることが好ま
しい。
【0013】また前記構成においては、フロロカーボン
基及びクロロシリル基を有する物質を混合した非水系の
溶媒中に、前記物質の架橋剤としてSiXs Cl
4-s (XはHまたはアルキル基の置換基、sは0または
1または2)を添加することが好ましい。
基及びクロロシリル基を有する物質を混合した非水系の
溶媒中に、前記物質の架橋剤としてSiXs Cl
4-s (XはHまたはアルキル基の置換基、sは0または
1または2)を添加することが好ましい。
【0014】また前記構成においては、フロロカーボン
基及びアルコキシシリル基を有する物質を混合した溶媒
中に、架橋剤としてSiYt (OA)4-t (Yはアルキ
ル基の置換基、OAはアルコキシ基、(ただし、AはH
またはアルキル基)tは0または1または2)を添加す
ることが好ましい。
基及びアルコキシシリル基を有する物質を混合した溶媒
中に、架橋剤としてSiYt (OA)4-t (Yはアルキ
ル基の置換基、OAはアルコキシ基、(ただし、AはH
またはアルキル基)tは0または1または2)を添加す
ることが好ましい。
【0015】また前記構成においては、表面が親水性の
微粒子として金属またはセラミックを用いることが好ま
しい。
微粒子として金属またはセラミックを用いることが好ま
しい。
【0016】また前記構成においては、表面に水酸基を
有する基体の表面を、クロロシリル基を有する物質を混
合した非水系溶媒に接触させ、水酸基とクロロシリル基
を反応させ、前記物質を前記基体表面に析出させる工程
と、非水系有機溶媒を用い前記基体上に残る余分な前記
クロロシリル基を有する物質を洗浄除去し、前記基体上
にクロロシリル基を有する物質よりなる化学吸着単分子
膜を形成する工程と、フロロカーボン基及びクロロシリ
ル基またはアルコキシシリル基を含む物質と、表面が親
水性の微粒子を混合した非水系溶媒を基体表面に析出さ
せる工程と、基体を加熱ベーキングする工程を含むこと
が好ましい。
有する基体の表面を、クロロシリル基を有する物質を混
合した非水系溶媒に接触させ、水酸基とクロロシリル基
を反応させ、前記物質を前記基体表面に析出させる工程
と、非水系有機溶媒を用い前記基体上に残る余分な前記
クロロシリル基を有する物質を洗浄除去し、前記基体上
にクロロシリル基を有する物質よりなる化学吸着単分子
膜を形成する工程と、フロロカーボン基及びクロロシリ
ル基またはアルコキシシリル基を含む物質と、表面が親
水性の微粒子を混合した非水系溶媒を基体表面に析出さ
せる工程と、基体を加熱ベーキングする工程を含むこと
が好ましい。
【0017】
【作用】前記本発明によれば、基体表面にポリシロキサ
ン薄膜またはシロキサン化学吸着単分子膜を介してフロ
ロカーボン基及びクロロシリル基を含む物質が重合して
なるポリマーと、表面が親水性の微粒子を混ぜた塗膜ま
たはフロロカーボン基及びシロキサン基(Si−O−
基)を含むポリマーと表面が親水性の微粒子を混ぜた塗
膜よりなる凸凹の薄膜が、基体表面と化学結合してなる
ので、基体と密着性よく、ピンホールも無く、しかも表
面にミクロンオーダの小さな凸凹があり撥水撥油性、耐
久性が優れたフッ素を含有するコーティング膜とするこ
とができる。
ン薄膜またはシロキサン化学吸着単分子膜を介してフロ
ロカーボン基及びクロロシリル基を含む物質が重合して
なるポリマーと、表面が親水性の微粒子を混ぜた塗膜ま
たはフロロカーボン基及びシロキサン基(Si−O−
基)を含むポリマーと表面が親水性の微粒子を混ぜた塗
膜よりなる凸凹の薄膜が、基体表面と化学結合してなる
ので、基体と密着性よく、ピンホールも無く、しかも表
面にミクロンオーダの小さな凸凹があり撥水撥油性、耐
久性が優れたフッ素を含有するコーティング膜とするこ
とができる。
【0018】また前記本発明方法によれば、表面に水酸
基を含む基体を用い、クロロシリル基を複数個含む物質
を混ぜた非水系溶媒を塗布し、前記基体表面の水酸基と
前記クロロシリル基を複数個含む物質のクロロシリル基
を反応させることにより、基体表面にSiOH結合を多
数持つ薄膜を基体上に作成できる。その後さらに、フロ
ロカーボン基及びクロロシリル基を含む物質と表面が親
水性の微粒子を混ぜた非水系の溶媒、あるいはフロロカ
ーボン基及びアルコキシシリル基を含む物質と表面が親
水性の微粒子を混ぜた溶媒を塗布し、基体諸とも水分を
含む雰囲気中で加熱ベーキング(加熱処理またはキュア
リング)を行なうことで前記クロロシリル基やアルコキ
シシリル基相互あるいは前記クロロシリル基やアルコキ
シシリル基と前工程で基体表面に形成されたSiOH結
合を多数持つ薄膜のSiOH基とが脱塩酸あるいは脱ア
ルコール反応を生じ、フロロカーボン基を有するポリマ
ーよりなるフロロカーボン系コーティング膜が、基体表
面に形成されたSiOH結合を多数持つ薄膜にSiO結
合を介して化学結合さる。ここで作成されたフロロカー
ボン系コーティング膜は前記表面が親水性の微粒子を取
り込んだ形で作成できる。
基を含む基体を用い、クロロシリル基を複数個含む物質
を混ぜた非水系溶媒を塗布し、前記基体表面の水酸基と
前記クロロシリル基を複数個含む物質のクロロシリル基
を反応させることにより、基体表面にSiOH結合を多
数持つ薄膜を基体上に作成できる。その後さらに、フロ
ロカーボン基及びクロロシリル基を含む物質と表面が親
水性の微粒子を混ぜた非水系の溶媒、あるいはフロロカ
ーボン基及びアルコキシシリル基を含む物質と表面が親
水性の微粒子を混ぜた溶媒を塗布し、基体諸とも水分を
含む雰囲気中で加熱ベーキング(加熱処理またはキュア
リング)を行なうことで前記クロロシリル基やアルコキ
シシリル基相互あるいは前記クロロシリル基やアルコキ
シシリル基と前工程で基体表面に形成されたSiOH結
合を多数持つ薄膜のSiOH基とが脱塩酸あるいは脱ア
ルコール反応を生じ、フロロカーボン基を有するポリマ
ーよりなるフロロカーボン系コーティング膜が、基体表
面に形成されたSiOH結合を多数持つ薄膜にSiO結
合を介して化学結合さる。ここで作成されたフロロカー
ボン系コーティング膜は前記表面が親水性の微粒子を取
り込んだ形で作成できる。
【0019】一方、クロロシリル基を複数個含む物質を
混ぜた非水系溶媒を塗布する工程に置いて、クロロシリ
ル基を複数個含む物質を混ぜた非水系溶媒を塗布し、前
記基体表面の水酸基と前記クロロシリル基を複数個含む
物質のクロロシリル基を反応させた後、さらに非水系有
機溶媒を用い前記基体上に残った未反応の余分なクロロ
シリル基を複数個含む物質を洗浄除去し、さらに水洗す
ると、前記基体上にシラノール基(−SiOH)を複数
個含むポリシロキサン系化学吸着単分子膜を形成でき
る。
混ぜた非水系溶媒を塗布する工程に置いて、クロロシリ
ル基を複数個含む物質を混ぜた非水系溶媒を塗布し、前
記基体表面の水酸基と前記クロロシリル基を複数個含む
物質のクロロシリル基を反応させた後、さらに非水系有
機溶媒を用い前記基体上に残った未反応の余分なクロロ
シリル基を複数個含む物質を洗浄除去し、さらに水洗す
ると、前記基体上にシラノール基(−SiOH)を複数
個含むポリシロキサン系化学吸着単分子膜を形成でき
る。
【0020】この方法では、基体表面に形成されたSi
OH結合は必ずシロキサン結合を介して基体とつながっ
ており、このSiOH結合を有する単分子膜上にフロロ
カーボン基及びクロロシリル基を含む物質と表面が親水
性の微粒子を混ぜた非水系の溶媒、あるいはフロロカー
ボン基及びアルコキシシリル基を含む物質と表面が親水
性の微粒子を混ぜた溶媒を塗布し、基体諸とも水分を含
む雰囲気中で加熱ベーキングを行なうと前記クロロシリ
ル基やアルコキシシリル基相互あるいは前記クロロシリ
ル基やアルコキシシリル基と前工程で基体表面に形成さ
れたSiOH結合を多数持つポリシロキサン系単分子膜
のOH基とが脱塩酸あるいは脱アルコール反応を生じ、
フロロカーボン基を有するポリマーがSiO結合を介し
て基体と化学結合される。
OH結合は必ずシロキサン結合を介して基体とつながっ
ており、このSiOH結合を有する単分子膜上にフロロ
カーボン基及びクロロシリル基を含む物質と表面が親水
性の微粒子を混ぜた非水系の溶媒、あるいはフロロカー
ボン基及びアルコキシシリル基を含む物質と表面が親水
性の微粒子を混ぜた溶媒を塗布し、基体諸とも水分を含
む雰囲気中で加熱ベーキングを行なうと前記クロロシリ
ル基やアルコキシシリル基相互あるいは前記クロロシリ
ル基やアルコキシシリル基と前工程で基体表面に形成さ
れたSiOH結合を多数持つポリシロキサン系単分子膜
のOH基とが脱塩酸あるいは脱アルコール反応を生じ、
フロロカーボン基を有するポリマーがSiO結合を介し
て基体と化学結合される。
【0021】従って、極めて密着性が優れ、かつ前記表
面が親水性の微粒子を取り込んだ形のフロロカーボン系
コーティング膜を作成できる。なお、このとき、フロロ
カーボン系コーティング膜の厚みを前記表面が親水性の
微粒子の直径より薄くしておけば、当然前記表面が親水
性の微粒子により表面が凸凹となり、しかもこのとき表
面が親水性の微粒子の表面も基板表面と同様にフロロカ
ーボン系のコーティング膜でおおわれるので、きわめて
撥水撥油性の優れた表面に任意の凸凹のあるフロロカー
ボン系コーティング膜が作成できる。
面が親水性の微粒子を取り込んだ形のフロロカーボン系
コーティング膜を作成できる。なお、このとき、フロロ
カーボン系コーティング膜の厚みを前記表面が親水性の
微粒子の直径より薄くしておけば、当然前記表面が親水
性の微粒子により表面が凸凹となり、しかもこのとき表
面が親水性の微粒子の表面も基板表面と同様にフロロカ
ーボン系のコーティング膜でおおわれるので、きわめて
撥水撥油性の優れた表面に任意の凸凹のあるフロロカー
ボン系コーティング膜が作成できる。
【0022】なお、このとき表面の凸凹の荒さは、添加
する微粒子の直径と添加量で制御できる。また、表面に
水酸基を含む基体としては、自然酸化膜で覆われた金属
またはセラミックを用いることができるが、プラスチッ
クのような酸化膜を持たない物質であれば、予め表面を
酸素を含むプラズマ雰囲気で処理して親水性化しておけ
ばよい。
する微粒子の直径と添加量で制御できる。また、表面に
水酸基を含む基体としては、自然酸化膜で覆われた金属
またはセラミックを用いることができるが、プラスチッ
クのような酸化膜を持たない物質であれば、予め表面を
酸素を含むプラズマ雰囲気で処理して親水性化しておけ
ばよい。
【0023】また、表面が水酸基を含む微粒子として
は、自然酸化膜で覆われた金属またはセラミック、ガラ
ス等を用いることができるが、プラスチックのような酸
化膜を持たない物質であれば、予め表面を酸素を含むプ
ラズマ雰囲気で処理して親水性化しておけばよい。
は、自然酸化膜で覆われた金属またはセラミック、ガラ
ス等を用いることができるが、プラスチックのような酸
化膜を持たない物質であれば、予め表面を酸素を含むプ
ラズマ雰囲気で処理して親水性化しておけばよい。
【0024】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。
説明する。
【0025】本発明で用いるクロロシリル基を複数個含
む物質としては、SiCl4 、またはSiHCl3 、S
iH2 Cl2 、Cl−(SiCl2 O)n −SiCl3
(nは整数)等を用いることが可能であり、フロロカー
ボン基及びクロロシリル基を含む物質としては、CF3
−(CF2 )n −R−SiXp Cl3-p (nは0または
整数、Rはアルキレン基、エチレン基、アセチレン基
(エチニレン基)またはSiや酸素原子を含む置換基、
XはHまたはアルキル基等の置換基、pは0または1ま
たは2)、さらにフロロカーボン基及びアルコキシシリ
ル基を含む物質としては、CF3 −(CF2 )n −R−
SiYq (OA)3-q (nは0または整数、Rはアルキ
レン基、エチレン基、アセチレン基(エチニレン基)ま
たはSiや酸素原子を含む置換基、YはHまたはアルキ
ル基などの置換基、OAはアルコキシ基(ただし、Aは
Hまたはアルキル基)、qは0または1または2)を用
いることが可能である。
む物質としては、SiCl4 、またはSiHCl3 、S
iH2 Cl2 、Cl−(SiCl2 O)n −SiCl3
(nは整数)等を用いることが可能であり、フロロカー
ボン基及びクロロシリル基を含む物質としては、CF3
−(CF2 )n −R−SiXp Cl3-p (nは0または
整数、Rはアルキレン基、エチレン基、アセチレン基
(エチニレン基)またはSiや酸素原子を含む置換基、
XはHまたはアルキル基等の置換基、pは0または1ま
たは2)、さらにフロロカーボン基及びアルコキシシリ
ル基を含む物質としては、CF3 −(CF2 )n −R−
SiYq (OA)3-q (nは0または整数、Rはアルキ
レン基、エチレン基、アセチレン基(エチニレン基)ま
たはSiや酸素原子を含む置換基、YはHまたはアルキ
ル基などの置換基、OAはアルコキシ基(ただし、Aは
Hまたはアルキル基)、qは0または1または2)を用
いることが可能である。
【0026】さらに、形成されたフロロカーボン系コー
ティング膜の硬度を調節するためには、フロロカーボン
基及びクロロシリル基を含む物質を混ぜた非水系の溶媒
の場合は、前記物質の架橋剤としてSiXs Cl
4-s (XはHまたはアルキル基などの置換基、sは0ま
たは1または2)を添加して用い、フロロカーボン基及
びアルコキシシリル基を含む物質を混ぜた溶媒の場合
は、架橋剤としてSiYt (OA)4-t (Yはアルキル
基などの置換基、OAはアルコキシ基、(ただし、Aは
Hまたはアルキル基)tは0または1または2)を用い
ることで、作成されたフロロカーボン系コーティング膜
内の3次元架橋密度が調整でき、表面に任意の凸凹のあ
るフロロカーボン系コーティング膜の硬度を制御できる
作用がある。
ティング膜の硬度を調節するためには、フロロカーボン
基及びクロロシリル基を含む物質を混ぜた非水系の溶媒
の場合は、前記物質の架橋剤としてSiXs Cl
4-s (XはHまたはアルキル基などの置換基、sは0ま
たは1または2)を添加して用い、フロロカーボン基及
びアルコキシシリル基を含む物質を混ぜた溶媒の場合
は、架橋剤としてSiYt (OA)4-t (Yはアルキル
基などの置換基、OAはアルコキシ基、(ただし、Aは
Hまたはアルキル基)tは0または1または2)を用い
ることで、作成されたフロロカーボン系コーティング膜
内の3次元架橋密度が調整でき、表面に任意の凸凹のあ
るフロロカーボン系コーティング膜の硬度を制御できる
作用がある。
【0027】以下、図1及び図20を用いて説明する。
なお実施例中の%は、とくに示さない限り重量%を意味
する。
なお実施例中の%は、とくに示さない限り重量%を意味
する。
【0028】実施例1 図1に示すように、親水性基体1{ガラス等のセラミク
ス、AlやCu等の金属、表面を親水化したプラスチッ
ク基板(プラスチックの様な表面に酸化膜を持たない物
質であれば、予め表面を酸素を含むプラズマ雰囲気中
で、例えば100Wで20分処理して親水性化即ち表面
に水酸基を導入しておけばよい。)}を用意し、クロロ
シリル基を複数個含む物質(例えば、SiCl4 、また
はSiHCl3 、SiH2 Cl2 、Cl−(SiCl2
O)n −SiCl3 (nは整数)。特に、Cl−(Si
Cl2 O)n −SiCl3 を用いれば、表面を親水化す
る効果が大きい)を混ぜた非水系溶媒(例えばクロロホ
ルム溶媒に1重量パーセント溶解したもの)を塗布す
る。
ス、AlやCu等の金属、表面を親水化したプラスチッ
ク基板(プラスチックの様な表面に酸化膜を持たない物
質であれば、予め表面を酸素を含むプラズマ雰囲気中
で、例えば100Wで20分処理して親水性化即ち表面
に水酸基を導入しておけばよい。)}を用意し、クロロ
シリル基を複数個含む物質(例えば、SiCl4 、また
はSiHCl3 、SiH2 Cl2 、Cl−(SiCl2
O)n −SiCl3 (nは整数)。特に、Cl−(Si
Cl2 O)n −SiCl3 を用いれば、表面を親水化す
る効果が大きい)を混ぜた非水系溶媒(例えばクロロホ
ルム溶媒に1重量パーセント溶解したもの)を塗布す
る。
【0029】例えば、トリクロロシリル基を複数個含む
物質としてCl−(SiCl2 O)2 −SiCl3 を用
いれば、基板1表面には親水性のOH基が形成されてい
るので表面で脱塩酸反応が生じ下記に示す(化1)のよ
うに分子が−SiO−結合を介して基体表面に固定され
る。
物質としてCl−(SiCl2 O)2 −SiCl3 を用
いれば、基板1表面には親水性のOH基が形成されてい
るので表面で脱塩酸反応が生じ下記に示す(化1)のよ
うに分子が−SiO−結合を介して基体表面に固定され
る。
【0030】
【化1】 その後、水分を含む雰囲気中で乾燥させれば、基板と反
応していないCl基は水と反応して脱塩酸反応するので
図2に示すようなポリシロキサンよりなる塗膜2が形成
される。なお、このときできた塗膜は基板界面で−Si
O−の化学結合を介して結合されているので剥がれにく
い。また、ここでポリシロキサンの塗膜は表面にSiO
H結合を数多く持つ。
応していないCl基は水と反応して脱塩酸反応するので
図2に示すようなポリシロキサンよりなる塗膜2が形成
される。なお、このときできた塗膜は基板界面で−Si
O−の化学結合を介して結合されているので剥がれにく
い。また、ここでポリシロキサンの塗膜は表面にSiO
H結合を数多く持つ。
【0031】そこでさらに、フロロカーボン基及びクロ
ロシリル基を含む物質と表面に親水性のOH基を含む微
粒子を混ぜた非水系の溶媒(例えば、CF3 −(C
F2 )n−R−SiXp Cl3-p (nは0または整数、
Rはアルキレン基、エチレン基、アセチレン基(エチニ
レン基)またはSiや酸素原子を含む置換基、XはHま
たはアルキル基等の置換基、pは0または1または2)
を数パーセントの濃度でノルマルヘキサデカン90%、
クロロホルム10%の溶媒に溶解したもの)を塗布し
(図3)、水分を含む雰囲気中で200℃、30分程度
ベーキングを行なう。そうすると、ポリシロキサンの塗
膜および表面が親水性の微粒子は表面に−OH基が露出
しているため、フッ素を含むクロロシラン系界面活性剤
のクロロシリル基と−OH基が脱塩酸反応して表面に…
…Si(O−)3 の結合が生成され、フッ素を含むシロ
キサンフロロカーボン系ポリマー膜3が下層のポリシロ
キサンの塗膜および微粒子と化学結合した状態で形成さ
れる(図4)。
ロシリル基を含む物質と表面に親水性のOH基を含む微
粒子を混ぜた非水系の溶媒(例えば、CF3 −(C
F2 )n−R−SiXp Cl3-p (nは0または整数、
Rはアルキレン基、エチレン基、アセチレン基(エチニ
レン基)またはSiや酸素原子を含む置換基、XはHま
たはアルキル基等の置換基、pは0または1または2)
を数パーセントの濃度でノルマルヘキサデカン90%、
クロロホルム10%の溶媒に溶解したもの)を塗布し
(図3)、水分を含む雰囲気中で200℃、30分程度
ベーキングを行なう。そうすると、ポリシロキサンの塗
膜および表面が親水性の微粒子は表面に−OH基が露出
しているため、フッ素を含むクロロシラン系界面活性剤
のクロロシリル基と−OH基が脱塩酸反応して表面に…
…Si(O−)3 の結合が生成され、フッ素を含むシロ
キサンフロロカーボン系ポリマー膜3が下層のポリシロ
キサンの塗膜および微粒子と化学結合した状態で形成さ
れる(図4)。
【0032】例えば、CF3 CH2 O(CH2 )15Si
Cl3 1%と、直径が0.5〜50ミクロン(さらに好
ましくは1〜10ミクロン)の表面に親水性のOH基を
含むシリカ微粒子4を10%程度の濃度で溶かした80
%のn−ヘキサデカン、12%四塩化炭素、8%クロロ
ホルム溶液を調整し、前記表面にSiOH結合を数多く
持つポリシロキサン塗膜の形成された基板表面に塗布
し、水分を含む雰囲気中で200℃、30分程度ベーキ
ングを行なうと、CF3 CH2 O(CH2 )15Si(O
−)3 の結合が生成され、0.5〜50ミクロン(さら
に好ましくは1〜10ミクロン)の凸凹を持つ1〜5ミ
クロン(μm)厚さのフロロカーボン系コーティング膜
が製造できた(図5)。なお、この塗膜は碁番目試験を
行なっても全く剥離することがなかった。
Cl3 1%と、直径が0.5〜50ミクロン(さらに好
ましくは1〜10ミクロン)の表面に親水性のOH基を
含むシリカ微粒子4を10%程度の濃度で溶かした80
%のn−ヘキサデカン、12%四塩化炭素、8%クロロ
ホルム溶液を調整し、前記表面にSiOH結合を数多く
持つポリシロキサン塗膜の形成された基板表面に塗布
し、水分を含む雰囲気中で200℃、30分程度ベーキ
ングを行なうと、CF3 CH2 O(CH2 )15Si(O
−)3 の結合が生成され、0.5〜50ミクロン(さら
に好ましくは1〜10ミクロン)の凸凹を持つ1〜5ミ
クロン(μm)厚さのフロロカーボン系コーティング膜
が製造できた(図5)。なお、この塗膜は碁番目試験を
行なっても全く剥離することがなかった。
【0033】このときまた、フロロカーボン基及びクロ
ロシリル基を含む物質を混ぜた非水系の溶媒中に前記物
質の架橋剤としてSiXs Cl4-s (XはHまたはアル
キル基などの置換基、sは0または1または2)を添加
(例えば、SiCl4 を3重量パーセント)しておけ
ば、CF3 CH2 O(CH2 )15Si(O−)3 の結合
が、……Si(O−)3 の結合を介して3次元的に架橋
されて、SiCl4 を添加してない場合に比べ約2倍の
硬度のフロロカーボン系コーティング膜が製造できた。
ロシリル基を含む物質を混ぜた非水系の溶媒中に前記物
質の架橋剤としてSiXs Cl4-s (XはHまたはアル
キル基などの置換基、sは0または1または2)を添加
(例えば、SiCl4 を3重量パーセント)しておけ
ば、CF3 CH2 O(CH2 )15Si(O−)3 の結合
が、……Si(O−)3 の結合を介して3次元的に架橋
されて、SiCl4 を添加してない場合に比べ約2倍の
硬度のフロロカーボン系コーティング膜が製造できた。
【0034】ちなみに、このようにして作成された表面
に10ミクロン程度の凹凸があるフロロカーボン系コー
ティング膜の水に対する濡れ角度はおよそ140〜15
0度であった。
に10ミクロン程度の凹凸があるフロロカーボン系コー
ティング膜の水に対する濡れ角度はおよそ140〜15
0度であった。
【0035】一方、図6に示すように、親水性基板1
(図6)をトリクロロシリル基を複数個含む物質を混ぜ
た非水系溶媒、例えばクロロホルム溶媒に1重量パーセ
ント溶解した溶液に1時間程度浸漬すると、基板1表面
には親水性のOH基が存在するので表面で脱塩酸反応が
生じ下記に示す(化2)のように分子が吸着固定され
る。
(図6)をトリクロロシリル基を複数個含む物質を混ぜ
た非水系溶媒、例えばクロロホルム溶媒に1重量パーセ
ント溶解した溶液に1時間程度浸漬すると、基板1表面
には親水性のOH基が存在するので表面で脱塩酸反応が
生じ下記に示す(化2)のように分子が吸着固定され
る。
【0036】
【化2】 その後、非水系の溶媒例えばクロロホルムで洗浄、さら
に水で洗浄すると、基板と反応していないCl−(Si
Cl2 O)2 −SiCl3 分子は除去され、基板表面に
下記に示す(化3)、(化4)等のポリシロキサンの化
学吸着単分子膜5が得られる(図7)。
に水で洗浄すると、基板と反応していないCl−(Si
Cl2 O)2 −SiCl3 分子は除去され、基板表面に
下記に示す(化3)、(化4)等のポリシロキサンの化
学吸着単分子膜5が得られる(図7)。
【0037】
【化3】
【0038】
【化4】 なお、このときできた単分子膜5は基板とは−SiO−
の化学結合を介して完全に結合されているので剥がれる
ことが無い。また、得られた単分子膜は表面にSiOH
結合を数多く持つ。
の化学結合を介して完全に結合されているので剥がれる
ことが無い。また、得られた単分子膜は表面にSiOH
結合を数多く持つ。
【0039】そこでさらに、フロロカーボン基及びクロ
ロシリル基を含む物質と表面が親水性の微粒子を混ぜた
非水系の溶媒、例えば、CF3 (CF2 )7 (CH2 )
2 SiCl3 を1%と、直径が0.5〜50ミクロン
(さらに好ましくは1〜10ミクロン)の表面に親水性
のOH基を含むシリカ微粒子4を10%程度の濃度で溶
かした80%n−ヘキサデカン、12%四塩化炭素、8
%クロロホルム溶液を調整し、前記表面にSiOH結合
を数多く持つ単分子膜の形成された基板表面に塗布し、
水分を含む雰囲気中で200℃、30分程度ベーキング
を行なう。これにより、CF3 (CF2 )7 (CH2 )
2 Si(O−)3 の結合が生成され(図8)、0.5〜
50ミクロン(さらに好ましくは1〜10ミクロン)の
凹凸のある1〜20ミクロン厚さの微粒子を含むフロロ
カーボン系コーティング膜6が下層のポリシロキサン単
分子膜と化学結合した状態で形成できた(図9)。な
お、この塗膜は碁番目試験を行なっても全く剥離するこ
とがなかった。
ロシリル基を含む物質と表面が親水性の微粒子を混ぜた
非水系の溶媒、例えば、CF3 (CF2 )7 (CH2 )
2 SiCl3 を1%と、直径が0.5〜50ミクロン
(さらに好ましくは1〜10ミクロン)の表面に親水性
のOH基を含むシリカ微粒子4を10%程度の濃度で溶
かした80%n−ヘキサデカン、12%四塩化炭素、8
%クロロホルム溶液を調整し、前記表面にSiOH結合
を数多く持つ単分子膜の形成された基板表面に塗布し、
水分を含む雰囲気中で200℃、30分程度ベーキング
を行なう。これにより、CF3 (CF2 )7 (CH2 )
2 Si(O−)3 の結合が生成され(図8)、0.5〜
50ミクロン(さらに好ましくは1〜10ミクロン)の
凹凸のある1〜20ミクロン厚さの微粒子を含むフロロ
カーボン系コーティング膜6が下層のポリシロキサン単
分子膜と化学結合した状態で形成できた(図9)。な
お、この塗膜は碁番目試験を行なっても全く剥離するこ
とがなかった。
【0040】このときまた、フロロカーボン基及びクロ
ロシリル基を含む物質を混ぜた非水系の溶媒中に前記物
質の架橋剤としてSiCl4 を15重量パーセントして
おいた場合、約5倍の硬度のフロロカーボン系コーティ
ング膜が製造できた。
ロシリル基を含む物質を混ぜた非水系の溶媒中に前記物
質の架橋剤としてSiCl4 を15重量パーセントして
おいた場合、約5倍の硬度のフロロカーボン系コーティ
ング膜が製造できた。
【0041】また、同様のコーティングを行なう際、フ
ロロカーボン系ポリマー(ポリ4フッ化エチレン)の微
粒子をさらに20%程度分散添加したフロロカーボン基
及びクロロシリル基を含む物質を混ぜた非水系の溶媒を
用いて行なった場合、硬度は従来並となったが従来に比
べて極めて密着性の優れた表面に凹凸のあるフロロカー
ボン系コーティング膜が製造できた。
ロロカーボン系ポリマー(ポリ4フッ化エチレン)の微
粒子をさらに20%程度分散添加したフロロカーボン基
及びクロロシリル基を含む物質を混ぜた非水系の溶媒を
用いて行なった場合、硬度は従来並となったが従来に比
べて極めて密着性の優れた表面に凹凸のあるフロロカー
ボン系コーティング膜が製造できた。
【0042】さらにまた、上記実施例では、フロロカー
ボン系界面活性剤として、CF3 CH2 O(CH2 )15
SiCl3 、およびCF3 (CF2 )7 (CH2 )2 S
iCl3 を用いたが、アルキル鎖部分にエチレン基やア
セチレン基(エチニレン基)を付加したり組み込んでお
けば、塗膜形成後5メガラド程度の電子線照射で架橋で
きるのでさらに10倍程度の硬度の塗膜も容易に得られ
る。
ボン系界面活性剤として、CF3 CH2 O(CH2 )15
SiCl3 、およびCF3 (CF2 )7 (CH2 )2 S
iCl3 を用いたが、アルキル鎖部分にエチレン基やア
セチレン基(エチニレン基)を付加したり組み込んでお
けば、塗膜形成後5メガラド程度の電子線照射で架橋で
きるのでさらに10倍程度の硬度の塗膜も容易に得られ
る。
【0043】またフロロカーボン系界面活性剤として上
記のもの以外にも、CF3 (CH2)2 Si(CH3 )
2 (CH2 )15SiCl3 、CF3 (CF2 )3 (CH
2 )2 Si(CH3 )2 (CH2 )9 SiCl3 、CF
3 COO(CH2 )15SiCl3 等が利用できた。
記のもの以外にも、CF3 (CH2)2 Si(CH3 )
2 (CH2 )15SiCl3 、CF3 (CF2 )3 (CH
2 )2 Si(CH3 )2 (CH2 )9 SiCl3 、CF
3 COO(CH2 )15SiCl3 等が利用できた。
【0044】実施例2 例えば、図11に示すように、図1と同様に親水性基板
11をトリクロロシリル基を複数個含む物質を混ぜた非
水系溶媒(例えばクロロホルム溶媒に1重量パーセント
溶解したもの)に浸漬して引き上げる。
11をトリクロロシリル基を複数個含む物質を混ぜた非
水系溶媒(例えばクロロホルム溶媒に1重量パーセント
溶解したもの)に浸漬して引き上げる。
【0045】たとえばトリクロロシリル基を複数個含む
物質として、Cl−(SiCl2 O)2 −SiCl3 を
用いれば、基板11表面には親水性のOH基がされてい
るので表面で脱塩酸反応が生じ下記に示す(化5)のよ
うに分子が−SiO−結合を介して基板に固定される。
物質として、Cl−(SiCl2 O)2 −SiCl3 を
用いれば、基板11表面には親水性のOH基がされてい
るので表面で脱塩酸反応が生じ下記に示す(化5)のよ
うに分子が−SiO−結合を介して基板に固定される。
【0046】
【化5】 その後、水分を含む雰囲気中で乾燥させれば、基板と反
応していないCl基は水と反応して脱塩酸反応するの
で、図12に示すようなポリシロキサンよりなる塗膜1
2が形成される。なお、このときできた塗膜は基板界面
で−SiO−の化学結合を介して結合されているので剥
がれにくい。また、形成されたポリシロキサンの塗膜は
表面にSiOH結合を数多く持つ。
応していないCl基は水と反応して脱塩酸反応するの
で、図12に示すようなポリシロキサンよりなる塗膜1
2が形成される。なお、このときできた塗膜は基板界面
で−SiO−の化学結合を介して結合されているので剥
がれにくい。また、形成されたポリシロキサンの塗膜は
表面にSiOH結合を数多く持つ。
【0047】そこでさらに、フロロカーボン基及びアル
コキシシリル基を含む物質と表面に親水性のOH基を含
む微粒子を混ぜたアルコール溶媒(例えば、CF3 −
(CF2 )n −R−SiYq (OA)3-q (nは0また
は整数、Rはアルキレン基、エチレン基、アセチレン基
(エチニレン基)、またはSiや酸素原子を含む置換
基、YはHまたはアルキル基などの置換基、OAはアル
コキシ基(ただし、AはHまたはアルキル基)、qは0
または1または2)を数パーセントの濃度でメタノール
に溶解したもの)を塗布し(図13)、200℃30分
程度ベーキングを行なうとポリシロキサンの塗膜および
表面が親水性の微粒子は表面に−OH基が露出している
ため、フッ素を含むアルコキシシラン系界面活性剤のア
ルコキシ基と−OH基が脱アルコール反応して表面に…
…Si(O−)3 の結合が生成され、フッ素を含むシロ
キサンフロロカーボン系ポリマー膜13が下層のポリシ
ロキサンの塗膜12及び微粒子と化学結合した状態で形
成される(図14)。
コキシシリル基を含む物質と表面に親水性のOH基を含
む微粒子を混ぜたアルコール溶媒(例えば、CF3 −
(CF2 )n −R−SiYq (OA)3-q (nは0また
は整数、Rはアルキレン基、エチレン基、アセチレン基
(エチニレン基)、またはSiや酸素原子を含む置換
基、YはHまたはアルキル基などの置換基、OAはアル
コキシ基(ただし、AはHまたはアルキル基)、qは0
または1または2)を数パーセントの濃度でメタノール
に溶解したもの)を塗布し(図13)、200℃30分
程度ベーキングを行なうとポリシロキサンの塗膜および
表面が親水性の微粒子は表面に−OH基が露出している
ため、フッ素を含むアルコキシシラン系界面活性剤のア
ルコキシ基と−OH基が脱アルコール反応して表面に…
…Si(O−)3 の結合が生成され、フッ素を含むシロ
キサンフロロカーボン系ポリマー膜13が下層のポリシ
ロキサンの塗膜12及び微粒子と化学結合した状態で形
成される(図14)。
【0048】例えば、CF3 CH2 O(CH2 )15Si
(OCH3 )3 1%と、直径が0.5〜50ミクロン
(さらに好ましくは1〜10ミクロン)の表面に親水性
のOH基を含むシリカ微粒子14を10%程度の濃度で
溶かしたエタノール溶液を調整し、前記表面にSiOH
結合を数多く持つポリシロキサン塗膜の形成された基板
表面に塗布し、200℃、30分程度ベーキングを行な
うと、CF3 CH2 O(CH2 )15Si(O−)3 の結
合が生成され、0.5〜50ミクロン(さらに好ましく
は1〜10ミクロン)の凸凹のある1〜5ミクロン厚さ
のフロロカーボン系コーティング膜が製造できた(図1
5)。なお、この塗膜は碁番目試験を行なっても全く剥
離することがなかった。
(OCH3 )3 1%と、直径が0.5〜50ミクロン
(さらに好ましくは1〜10ミクロン)の表面に親水性
のOH基を含むシリカ微粒子14を10%程度の濃度で
溶かしたエタノール溶液を調整し、前記表面にSiOH
結合を数多く持つポリシロキサン塗膜の形成された基板
表面に塗布し、200℃、30分程度ベーキングを行な
うと、CF3 CH2 O(CH2 )15Si(O−)3 の結
合が生成され、0.5〜50ミクロン(さらに好ましく
は1〜10ミクロン)の凸凹のある1〜5ミクロン厚さ
のフロロカーボン系コーティング膜が製造できた(図1
5)。なお、この塗膜は碁番目試験を行なっても全く剥
離することがなかった。
【0049】またこのとき、フロロカーボン基及びアル
コキシシリル基を含む物質を混ぜた溶媒中に前記物質の
架橋剤としてSiYt (OA)4-t (Yはアルキル基な
どの置換基、OAはアルコキシ基(ただし、AはHまた
はアルキル基)、tは0または1または2)を添加(例
えば、Si(OCH3 )4 を5重量パーセント)してお
けば、CF3 CH2 O(CH2 )15Si(O−)3 の結
合が、……Si(O−)3 の結合を介して3次元的に架
橋されて、Si(OCH3 )4 を添加してない場合に比
べ、約2倍の硬度のフロロカーボン系コーティング膜が
製造できた。
コキシシリル基を含む物質を混ぜた溶媒中に前記物質の
架橋剤としてSiYt (OA)4-t (Yはアルキル基な
どの置換基、OAはアルコキシ基(ただし、AはHまた
はアルキル基)、tは0または1または2)を添加(例
えば、Si(OCH3 )4 を5重量パーセント)してお
けば、CF3 CH2 O(CH2 )15Si(O−)3 の結
合が、……Si(O−)3 の結合を介して3次元的に架
橋されて、Si(OCH3 )4 を添加してない場合に比
べ、約2倍の硬度のフロロカーボン系コーティング膜が
製造できた。
【0050】ちなみに、このようにして作成された表面
に10ミクロン程度の凹凸があるフロロカーボン系コー
ティング膜の水に対する濡れ角度はおよそ135〜14
0度であった。
に10ミクロン程度の凹凸があるフロロカーボン系コー
ティング膜の水に対する濡れ角度はおよそ135〜14
0度であった。
【0051】さらに、親水性基板11(図16)をトリ
クロロシリル基を複数個含む物質を混ぜた非水系溶媒
(例えばクロロホルム溶媒に1重量パーセント溶解した
もの)に1時間程度浸漬する。
クロロシリル基を複数個含む物質を混ぜた非水系溶媒
(例えばクロロホルム溶媒に1重量パーセント溶解した
もの)に1時間程度浸漬する。
【0052】例えば、トリクロロシリル基を複数個含む
物質としてCl−(SiCl2 O)2 −SiCl3 を用
いれば、基板11表面には親水性のOH基があるので表
面で脱塩酸反応が生じ、下記に示す(化6)のように分
子が吸着固定される。
物質としてCl−(SiCl2 O)2 −SiCl3 を用
いれば、基板11表面には親水性のOH基があるので表
面で脱塩酸反応が生じ、下記に示す(化6)のように分
子が吸着固定される。
【0053】
【化6】 その後、非水系の溶媒例えばクロロホルムで洗浄、さら
に水で洗浄すると、基板と反応していないCl−(Si
Cl2 O)2 −SiCl3 分子は除去され、基板表面に
下記に示す(化7)、(化8)等のポリシロキサン単分
子膜15が得られる(図17)。
に水で洗浄すると、基板と反応していないCl−(Si
Cl2 O)2 −SiCl3 分子は除去され、基板表面に
下記に示す(化7)、(化8)等のポリシロキサン単分
子膜15が得られる(図17)。
【0054】
【化7】
【0055】
【化8】 なお、このときできた単分子膜15は基板とは−SiO
−の化学結合を介して完全に結合されているので剥がれ
ることが全く無い。また、得られた単分子膜は表面にS
iOH結合を数多く持つ。
−の化学結合を介して完全に結合されているので剥がれ
ることが全く無い。また、得られた単分子膜は表面にS
iOH結合を数多く持つ。
【0056】そこでさらに、フロロカーボン基及びアル
コキシシリル基を含む物質と表面が親水性の微粒子を混
ぜた溶媒、例えばCF3 (CF2 )7 (CH2 )2 Si
(OC2 H5 )3 を1%と、直径が0.5〜50ミクロ
ン(さらに好ましくは1〜10ミクロン)の表面に親水
性のOH基を含むシリカ微粒子14を10%程度の濃度
で溶かしたメタノール溶液を調整し、前記表面にSiO
H結合を数多く持つ単分子膜の形成された基板表面に塗
布し(図18)、200℃、30分程度ベーキングを行
なうと、CF3 CH2 O(CH2 )15Si(O−)3 の
結合が生成され、0.5〜50ミクロン(さらに好まし
くは1〜10ミクロン)の凸凹のある1〜10ミクロン
厚さのフロロカーボン系コーティング膜16が形成でき
た(図19〜20)。なお、この塗膜16は下層のポリ
シロキサン単分子膜と化学結合した状態で形成されるの
で、碁番目試験を行なっても全く剥離することがなかっ
た。このときまた、フロロカーボン基及びアルコキシシ
リル基を含む物質を混ぜた溶媒中に前記物質の架橋剤と
してSi(OC3 H7 )4 を10重量パーセント添加し
ておいた場合、約4倍の硬度のフロロカーボン系コーテ
ィング膜が製造できた。
コキシシリル基を含む物質と表面が親水性の微粒子を混
ぜた溶媒、例えばCF3 (CF2 )7 (CH2 )2 Si
(OC2 H5 )3 を1%と、直径が0.5〜50ミクロ
ン(さらに好ましくは1〜10ミクロン)の表面に親水
性のOH基を含むシリカ微粒子14を10%程度の濃度
で溶かしたメタノール溶液を調整し、前記表面にSiO
H結合を数多く持つ単分子膜の形成された基板表面に塗
布し(図18)、200℃、30分程度ベーキングを行
なうと、CF3 CH2 O(CH2 )15Si(O−)3 の
結合が生成され、0.5〜50ミクロン(さらに好まし
くは1〜10ミクロン)の凸凹のある1〜10ミクロン
厚さのフロロカーボン系コーティング膜16が形成でき
た(図19〜20)。なお、この塗膜16は下層のポリ
シロキサン単分子膜と化学結合した状態で形成されるの
で、碁番目試験を行なっても全く剥離することがなかっ
た。このときまた、フロロカーボン基及びアルコキシシ
リル基を含む物質を混ぜた溶媒中に前記物質の架橋剤と
してSi(OC3 H7 )4 を10重量パーセント添加し
ておいた場合、約4倍の硬度のフロロカーボン系コーテ
ィング膜が製造できた。
【0057】また、同様のコーティング大を行なう際、
フロロカーボン系ポリマー(ポリ4フッ化エチレン)の
微粒子をさらに20%分散添加したフロロカーボン基及
びアルコキシシリル基を含む物質を混ぜた非水系の溶媒
を用いて行なった場合中、硬度は従来並となったが従来
に比べて極めて密着性の優れたフロロカーボン系コーテ
ィング膜が製造できた。
フロロカーボン系ポリマー(ポリ4フッ化エチレン)の
微粒子をさらに20%分散添加したフロロカーボン基及
びアルコキシシリル基を含む物質を混ぜた非水系の溶媒
を用いて行なった場合中、硬度は従来並となったが従来
に比べて極めて密着性の優れたフロロカーボン系コーテ
ィング膜が製造できた。
【0058】さらにまた、上記実施例では、試薬として
CF3 CH2 O(CH2 )15Si(OCH3 )3 、CF
3 (CF2 )7 (CH2 )2 Si(OC2 H5 )3 を用
いたが、アルキル鎖部分にエチレン基やアセチレン基
(エチニル基)を付加したり組み込んでおけば、塗膜形
成後5メガラド程度の電子線照射で架橋できるのでさら
に10倍程度の硬度の塗膜も容易に得られた。
CF3 CH2 O(CH2 )15Si(OCH3 )3 、CF
3 (CF2 )7 (CH2 )2 Si(OC2 H5 )3 を用
いたが、アルキル鎖部分にエチレン基やアセチレン基
(エチニル基)を付加したり組み込んでおけば、塗膜形
成後5メガラド程度の電子線照射で架橋できるのでさら
に10倍程度の硬度の塗膜も容易に得られた。
【0059】また、フロロカーボン系界面活性剤として
上記のもの以外にもCF3 (CH2 )2 Si(CH3 )
2 (CH2 )15Si(OCH3 )3 、CF3(CF2 )
3 (CH2 )2 Si(CH3 )2 (CH2 )9 Si(O
CH3 )3 、CF3 COO(CH2 )15Si(OC2 H
5 )3 等が利用できる。
上記のもの以外にもCF3 (CH2 )2 Si(CH3 )
2 (CH2 )15Si(OCH3 )3 、CF3(CF2 )
3 (CH2 )2 Si(CH3 )2 (CH2 )9 Si(O
CH3 )3 、CF3 COO(CH2 )15Si(OC2 H
5 )3 等が利用できる。
【0060】以上の実施例によれば、基体表面をクロロ
シリル基を有する化合物で処理し、ポリシロキサン膜を
形成する。その上にフロロカーボン基及びシロキサン基
を含む化合物として、例えばトリクロロシラン化合物ま
たはトリアルコキシシラン化合物のような界面活性剤を
用いて、表面の−OH基と反応させることにより、基体
表面と化学結合した薄膜を形成する。このとき密着性を
高めるため親水性の微粒子を存在させる。このようにす
ると基体と密着性よく、撥水撥油性、耐久性などに優れ
たフッ素を含有するコーティング膜が得られる。
シリル基を有する化合物で処理し、ポリシロキサン膜を
形成する。その上にフロロカーボン基及びシロキサン基
を含む化合物として、例えばトリクロロシラン化合物ま
たはトリアルコキシシラン化合物のような界面活性剤を
用いて、表面の−OH基と反応させることにより、基体
表面と化学結合した薄膜を形成する。このとき密着性を
高めるため親水性の微粒子を存在させる。このようにす
ると基体と密着性よく、撥水撥油性、耐久性などに優れ
たフッ素を含有するコーティング膜が得られる。
【0061】
【発明の効果】以上説明した通り、本願の発明の方法を
用いれば親水性基板表面に撥水撥油性膜の優れた1〜1
0ミクロンの凸凹のあるフロロカーボン系コーティング
膜を基板と化学結合した状態で高密度にピンホール無
く、かつ均一な厚みで、非常に薄く形成できる。従っ
て、耐久性の極めて高い高性能フロロカーボン系コーテ
ィング膜を得ることができる。
用いれば親水性基板表面に撥水撥油性膜の優れた1〜1
0ミクロンの凸凹のあるフロロカーボン系コーティング
膜を基板と化学結合した状態で高密度にピンホール無
く、かつ均一な厚みで、非常に薄く形成できる。従っ
て、耐久性の極めて高い高性能フロロカーボン系コーテ
ィング膜を得ることができる。
【図1】本発明の第1実施例の処理工程前の基板の分子
レベルの拡大概念図。
レベルの拡大概念図。
【図2】本発明の第1実施例の処理工程中の分子レベル
の拡大概念図。
の拡大概念図。
【図3】本発明の第1実施例の処理工程中の分子レベル
の拡大概念図。
の拡大概念図。
【図4】本発明の第1実施例の処理工程後の分子レベル
の拡大概念図。
の拡大概念図。
【図5】本発明の第1実施例によって得られた撥水・撥
油膜の拡大概念図。
油膜の拡大概念図。
【図6】本発明の第1実施例を示す処理工程前の基板の
分子レベルの拡大概念図。
分子レベルの拡大概念図。
【図7】本発明の第1実施例の処理工程中の分子レベル
の拡大概念図。
の拡大概念図。
【図8】本発明の第1実施例の処理工程中の分子レベル
の拡大概念図。
の拡大概念図。
【図9】本発明の第1実施例の処理工程後の分子レベル
の拡大概念図。
の拡大概念図。
【図10】本発明の第1実施例によって得られた撥水撥
油膜の拡大概念図。
油膜の拡大概念図。
【図11】本発明の第2実施例の処理工程前の基板の分
子レベルの拡大概念図。
子レベルの拡大概念図。
【図12】本発明の第2実施例の処理工程中の分子レベ
ルの拡大概念図。
ルの拡大概念図。
【図13】本発明の第2実施例の処理工程中の分子レベ
ルの拡大概念図。
ルの拡大概念図。
【図14】本発明の第2実施例の処理工程後の分子レベ
ルの拡大概念図。
ルの拡大概念図。
【図15】本発明の第2実施例によって得られた撥水撥
油膜の拡大概念図。
油膜の拡大概念図。
【図16】本発明の第2実施例を示す処理工程前の基板
の分子レベルの拡大概念図。
の分子レベルの拡大概念図。
【図17】本発明の第2実施例の処理工程中の分子レベ
ルの拡大概念図。
ルの拡大概念図。
【図18】本発明の第2実施例の処理工程中の分子レベ
ルの拡大概念図。
ルの拡大概念図。
【図19】本発明の第2実施例の処理工程後の分子レベ
ルの拡大概念図。
ルの拡大概念図。
【図20】本発明の第2実施例によって得られた撥水撥
油膜の拡大概念図。
油膜の拡大概念図。
1,11 親水性基板 2,12 ポリシロキサン塗膜 3,6,13,16 フロロカーボン系コーティング膜 4,14 表面が親水性の微粒子 5,15 ポリシロキサン単分子膜
Claims (11)
- 【請求項1】 基体表面にポリシロキサン薄膜またはシ
ロキサン化学吸着単分子膜を形成し、その上にフロロカ
ーボン基及びシロキサン基を含むポリマーと、表面が親
水性の微粒子を混ぜた塗膜よりなる凸凹の薄膜が、シロ
キサン結合によって化学結合してなる撥水撥油コーティ
ング膜。 - 【請求項2】 表面に水酸基を有する基体の表面に、ク
ロロシリル基を有する物質を混合した非水系溶媒に接触
させて前記基体表面の水酸基と前記クロロシリル基を反
応させ、前記物質を前記基体表面に化学吸着させる工程
と、 フロロカーボン基及びクロロシリル基またはアルコキシ
シリル基を含む物質と、表面が親水性の微粒子を混合し
た非水系の溶媒を基体表面に塗布する工程と、基体を 加熱ベーキングする工程を含む撥水撥油コーティ
ング膜の製造方法。 - 【請求項3】 基体として、金属またはセラミックを用
いる請求項2記載の撥水撥油コーティング膜の製造方
法。 - 【請求項4】 基体として、予め表面を酸素を含むプラ
ズマ雰囲気で処理して親水性化したプラスチックを用い
る請求項2記載の撥水撥油コーティング膜の製造方法。 - 【請求項5】 クロロシリル基を有する物質が、SiC
l4 、SiHCl3、SiH2 Cl2 、またはCl−
(SiCl2 O)n −SiCl3 (nは整数)から選ば
れる少なくとも一つである請求項2記載の撥水撥油コー
ティング膜の製造方法。 - 【請求項6】 フロロカーボン基及びクロロシリル基を
含む物質として、CF3 −(CF2 )n −R−SiXp
Cl3-p (nは0または整数、Rはアルキレン基、エチ
レン基、アセチレン基、またはシリコン、酸素原子を含
む置換基、XはHまたはアルキル基、シクロアルキル
基、アリル基、およびこれらの誘導体から選ばれる置換
基、pは0または1または2)を用いる請求項2記載の
撥水撥油コーティング膜の製造方法。 - 【請求項7】 フロロカーボン基及びアルコキシシリル
基を含む物質として、CF3 −(CF2 )n −R−Si
Yq (OA)3-q (nは0または整数、Rはアルキレン
基、エチレン基、アセチレン基、またはシリコン、酸素
原子を含む置換基、Yは水素原子またはアルキル基、シ
クロアルキル基、アリル基、およびこれらの誘導体から
選ばれる置換基、OAはアルコキシ基(ただし、AはH
またはアルキル基)、qは0または1または2)を用い
る請求項2記載の撥水撥油コーティング膜の製造方法。 - 【請求項8】 フロロカーボン基及びクロロシリル基を
有する物質を混合した非水系の溶媒中に、前記物質の架
橋剤としてSiXs Cl4-s (XはHまたはアルキル基
の置換基、sは0または1または2)を添加する請求項
2記載の撥水撥油コーティング膜の製造方法。 - 【請求項9】 フロロカーボン基及びアルコキシシリル
基を有する物質を混合した溶媒中に、架橋剤としてSi
Yt (OA)4-t (Yはアルキル基の置換基、OAはア
ルコキシ基、(ただし、AはHまたはアルキル基)tは
0または1または2)を添加する請求項2記載の撥水撥
油コーティング膜の製造方法。 - 【請求項10】 表面が親水性の微粒子として金属また
はセラミックを用いる請求項2記載の撥水撥油コーティ
ング膜の製造方法。 - 【請求項11】 表面に水酸基を有する基体の表面を、
クロロシリル基を有する物質を混合した非水系溶媒に接
触させ、水酸基とクロロシリル基を反応させ、前記物質
を前記基体表面に析出させる工程と、 非水系有機溶媒を用い前記基体上に残る余分な前記クロ
ロシリル基を有する物質を洗浄除去し、前記基体上にク
ロロシリル基を有する物質よりなる化学吸着単分子膜を
形成する工程と、 フロロカーボン基及びクロロシリル基またはアルコキシ
シリル基を含む物質と、表面が親水性の微粒子を混合し
た非水系溶媒を基体表面に析出させる工程と、 基体を 加熱ベーキングする工程を含む撥水撥油コーティ
ング膜の製造方法。
Priority Applications (13)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3813391A JP2500150B2 (ja) | 1991-02-06 | 1991-02-06 | 撥水撥油コ―ティング膜及びその製造方法 |
KR1019910024106A KR970002941B1 (ko) | 1990-12-25 | 1991-12-24 | 투광성기체 및 그 제조방법 |
CA 2059733 CA2059733C (en) | 1991-01-23 | 1992-01-21 | Water- and oil-repelling film and method of manufacturing the same |
EP98110689A EP0864622A3 (en) | 1991-01-23 | 1992-01-21 | Water- and oil- repellant article |
DE69218811T DE69218811T2 (de) | 1991-01-23 | 1992-01-21 | Wasser- und ölabweisender adsorbierter Film und Verfahren zu dessen Herstellung |
EP02008972A EP1224983A3 (en) | 1991-01-23 | 1992-01-21 | Transparent substrate and method for preparing same |
EP98110719A EP0867490A3 (en) | 1991-01-23 | 1992-01-21 | Water- and oil- repellant article |
EP94114633A EP0629673B1 (en) | 1991-01-23 | 1992-01-21 | Water- and oil-repelling adsorbed film |
DE69232591T DE69232591T2 (de) | 1991-01-23 | 1992-01-21 | Wasser- und Ölabweisende adsorbierte Folie |
EP19920100938 EP0497189B1 (en) | 1991-01-23 | 1992-01-21 | Water- and oil-repelling absorbed film and method of manufacturing the same |
KR92000850A KR960008915B1 (en) | 1991-01-23 | 1992-01-22 | Water and oil repelling film and method of manufacturing the same |
US07/824,287 US5324566A (en) | 1991-01-23 | 1992-01-23 | Water and oil repelling film having surface irregularities and method of manufacturing the same |
US08/186,117 US5437894A (en) | 1991-01-23 | 1994-01-25 | Method of manufacturing a water- and oil-repelling film having surface irregularities |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3813391A JP2500150B2 (ja) | 1991-02-06 | 1991-02-06 | 撥水撥油コ―ティング膜及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04255343A JPH04255343A (ja) | 1992-09-10 |
JP2500150B2 true JP2500150B2 (ja) | 1996-05-29 |
Family
ID=12516941
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3813391A Expired - Lifetime JP2500150B2 (ja) | 1990-12-25 | 1991-02-06 | 撥水撥油コ―ティング膜及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2500150B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
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JP2000144056A (ja) | 1998-11-10 | 2000-05-26 | Ikuo Narisawa | 水滴滑落性に優れた表面処理基材及びその製造方法 |
FR2792628B1 (fr) * | 1999-04-22 | 2001-06-15 | Saint Gobain Vitrage | Substrat texture susceptible de constituer un vitrage, procede pour son obtention |
JP4600611B2 (ja) * | 1999-10-29 | 2010-12-15 | 昭和電工株式会社 | 耐磨耗性撥水性塗料及び耐磨耗性撥水性表面を有する物品 |
US20100195946A1 (en) * | 2007-08-01 | 2010-08-05 | Xiao Bo Zhou | Coated bearing |
US10293449B2 (en) | 2013-05-17 | 2019-05-21 | 3M Innovative Properties Company | Easy-clean surface and method of making the same |
EP3431284B1 (en) * | 2016-03-14 | 2020-07-01 | Denka Company Limited | Liquid-repellent resin sheet and article using same |
WO2018210370A1 (de) * | 2017-05-17 | 2018-11-22 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Radnaben-wälzlageranordnung mit einer hydrophoben beschichtung |
-
1991
- 1991-02-06 JP JP3813391A patent/JP2500150B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04255343A (ja) | 1992-09-10 |
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