以下、実施形態に係る横型ピロー包装機1を図面に基づいて説明する。なお、以下に記載する本発明の実施形態は、本発明を具体化する際の一例を示すものであって、本発明の範囲を実施形態の記載の範囲に限定するものではない。従って、本発明は、実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。
図1は、横型ピロー包装機1の側面図である。図2は、横型ピロー包装機1の平面図である。横型ピロー包装機1は、供給装置(図示省略)から供給される製品Pを1つずつ包装する装置である。図1及び図2に示すように、横型ピロー包装機1は、供給コンベア10と、フィルム送り装置20と、搬送装置30と、センタシール装置40と、エンドシール装置及びガセット装置を含むエンドユニット50と、吸引装置60とを主に備える。
供給コンベア10は、供給装置から順番に供給される製品Pを、フォーマ26(製筒器)に供給する。図1に示すように、供給コンベア10は、駆動スプロケット14と、従動スプロケット15と、駆動スプロケット14及び従動スプロケット15に掛け渡された無端環状の搬送チェーン16と、駆動スプロケット14を駆動させる駆動モータ17とで構成される。
また、搬送チェーン16には、複数のプッシャ18が設けられている。複数のプッシャ18は、製品Pの搬送方向に所定の間隔を隔てて配置されている。隣接する2つのプッシャ18の間には、供給装置から供給される製品Pが進入する。そして、プッシャ18は、製品Pの後端に当接して、当該製品Pを押す。
フィルム送り装置20は、搬送装置30に向けて帯状フィルムFwを送る。図1及び図2に示すように、フィルム送り装置20は、帯状フィルムFwが巻回された巻取り軸21と、駆動ローラ22と、従動ローラ23と、送りモータ24と、ガイドローラ25a、25bと、フォーマ26とを主に備える。
帯状フィルムFwは、製品Pを包装する袋の材料となる帯状の包装材である。帯状フィルムFwは、熱を加えることによって溶着することが可能な膜状の部材であって、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、アルミ裏打紙、アルミ蒸着紙などが挙げられる。なお、紙ベース(すなわち、アルミ裏打紙、アルミ蒸着紙)の帯状フィルムFwは、プラスチック素材の帯状フィルムFwと比較して、剛性が高い(換言すれば、腰が強い)。
駆動ローラ22及び従動ローラ23は、帯状フィルムFwを挟持した状態で回転する。駆動ローラ22は、送りモータ24の駆動力が伝達されて回転する。これにより、駆動ローラ22及び従動ローラ23は、巻取り軸21に巻回された帯状フィルムFwを、フォーマ26に向けて繰り出す。ガイドローラ25a、25bは、巻取り軸21から駆動ローラ22及び従動ローラ23を経てフォーマ26に至る帯状フィルムFwの搬送経路に沿って配置され、繰り出される帯状フィルムFwにテンションを付与する。
フォーマ26は、フィルム送り装置20で送られた帯状フィルムFwを筒状に成形すると共に、供給コンベア10から供給された製品Pが筒状に成形された帯状フィルムFwに進入する入口となる。フォーマ26は、フィルム送り装置20からセンタシール装置40に至る帯状フィルムFwの搬送経路上に配置されている。また、フォーマ26は、供給コンベア10の搬送方向の下流側の端部に対面して配置されている。
フィルム送り装置20によって送られた帯状フィルムFwは、フォーマ26に沿って移動する過程で、搬送方向に直交する幅方向の両端部が下方で重ね合わされることによって筒状に成形される。また、供給コンベア10から供給された製品Pは、フォーマ26の内部空間を通過することによって、筒状に成形された帯状フィルムFwの内部に進入する。
図1に示すように、帯状フィルムFwは、ガイドローラ25bからフォーマ26の間において、斜め下方に搬送される。また、帯状フィルムFwの搬送方向は、フォーマ26によって水平方向に切り換えられる。すなわち、フォーマ26、搬送装置30、センタシール装置40、エンドユニット50、及び吸引装置60を通過する過程において、筒状に成形された帯状フィルムFwの搬送方向と、製品Pの搬送方向とは一致する。
本明細書で単に「搬送方向」と表記したときは、フォーマ26より下流側における筒状に成形された帯状フィルムFw及び製品Pの搬送方向(すなわち、水平方向)を指すものとする。また、筒状に成形された帯状フィルムFwの搬送方向及び厚み方向に直交する方向を「筒状に成形された帯状フィルムFwの幅方向(単に「幅方向」と表記することがある)」と定義する。すなわち、フォーマ26より下流側における幅方向は、水平面上において搬送方向に直交する方向を指す。
搬送装置30は、フォーマ26によって筒状に成形された帯状フィルムFwを、搬送方向に搬送する。搬送装置30は、フォーマ26より搬送方向の下流側に配置されている。また、搬送装置30は、フォーマ26を通過して筒状に成形された帯状フィルムFw及び製品Pより下方に配置されている。図1及び図2に示すように、搬送装置30は、支持プレート31と、一対のフィルム送りローラ32、33と、送りモータ34と、搬送コンベア35、36と、一対のガイド板37、38と、倒し板39とを主に備える。
支持プレート31は、フォーマ26より搬送方向の下流側に接続されている。支持プレート31は、筒状に成形された帯状フィルムFwに内包された製品Pを支持する。また、支持プレート31は、搬送方向において、搬送コンベア35の位置まで延設されている。さらに、支持プレート31には、幅方向の中央部を筒状に成形された帯状フィルムFwの搬送方向に沿って延びるスリット31aが設けられている。筒状に成形された帯状フィルムFwの重ね合わされた端部Tは、スリット31aを通じて支持プレート31の下面側に突出している。
一対のフィルム送りローラ32、33は、支持プレート31の下面側に配置されている。一対のフィルム送りローラ32、33は、スリット31aを通じて突出した筒状に成形された帯状フィルムFwの重ね合わされた端部Tを挟持する。フィルム送りローラ32は、送りモータ34の駆動力が伝達されて回転する。そして、一対のフィルム送りローラ32、33は、筒状に成形された帯状フィルムFwの重ね合わされた端部Tを挟持して、センタシール装置40に向けて搬送方向に搬送する。
搬送コンベア35、36は、一対のフィルム送りローラ32、33及びセンタシール装置40より搬送方向の下流側に配置されている。また、搬送コンベア35、36は、フォーマ26を通過した筒状に成形された帯状フィルムFw及び製品Pより下方に配置されている。そして、搬送コンベア35、36は、製品Pを内包した筒状に成形された帯状フィルムFwの下面に当接して回転することによって、筒状に成形された帯状フィルムFwを搬送方向に搬送する。
一対のガイド板37、38は、筒状に成形された帯状フィルムFwの幅方向の両側面に対面して配置されている。また、一対のガイド板37、38は、搬送方向に延設されている。さらに、一対のガイド板37、38は、フィルム送りローラ32、33(より詳細には、後述する圧着ローラ43、44)より搬送方向の下流側で、エンドユニット50(より詳細には、後述するガセット爪55a、55c)より搬送方向の上流側の範囲に設けられている。そして、一対のガイド板37、38は、筒状に成形された帯状フィルムFwの両側面をガイドする。
センタシール装置40は、フォーマ26によって筒状に成形された帯状フィルムFwの重ね合わされた端部Tをシールする。センタシール装置40は、フォーマ26及び一対のフィルム送りローラ32、33より搬送方向の下流側で、エンドユニット50及び吸引装置60より搬送方向の上流側に配置されている。また、センタシール装置40は、筒状に成形された帯状フィルムFw及び製品P(換言すれば、支持プレート31)より下方に配置されている。センタシール装置40は、一対のバーヒータ41、42と、一対の圧着ローラ43、44と、一対の目付ローラ45、46と、目付モータ47とを主に備える。
一対のバーヒータ41、42は、フォーマ26より搬送方向の下流側において、支持プレート31の下面側に配置されている。また、一対のバーヒータ41、42は、スリット31aを通じて突出した筒状に成形された帯状フィルムFwの重ね合わされた端部Tを挟んで対向配置されている。そして、一対のバーヒータ41、42は、スリット31aを通じて突出した筒状に成形された帯状フィルムFwの重ね合わされた端部Tを加熱する。これにより、筒状に成形された帯状フィルムFwの重ね合わされた端部Tが溶融状態になる。
一対の圧着ローラ43、44は、一対のバーヒータ41、42より搬送方向の下流側において、支持プレート31の下面側に配置されている。また、一対の圧着ローラ43、44は、スリット31aを通じて突出した筒状に成形された帯状フィルムFwの重ね合わされた端部Tを挟持して加圧することで、溶融状態の重ね合わされた端部Tをシール(溶着)する。
一対の目付ローラ45、46は、一対の圧着ローラ43、44より搬送方向の下流側において、支持プレート31の下面側に配置されている。また、一対の目付ローラ45、46は、スリット31aを通じて突出した筒状に成形された帯状フィルムFwの重ね合わされた端部Tを挟持する。さらに、一対の目付ローラ45、46の外周面には、周方向に延びる複数の円周溝が形成されている。そして、目付ローラ45は、目付モータ47の駆動力が伝達されて回転する。これにより、一対の圧着ローラ43、44によってシールされた端部Tに目付が施される。
図3は、図2のA-A、B-Bにおける断面図である。図3(A)に示すように、スリット31aを通じて突出した筒状に成形された帯状フィルムFwの重ね合わされた端部Tは、一対の目付ローラ45、46に挟持されているときに、下方に突出している。端部Tがこの状態で搬送コンベア35に到達すると、製品Pと搬送コンベア35とに挟まれて潰れてしまう。そこで、端部Tは、搬送コンベア35に到達する前に、倒し板39によって筒状に成形された帯状フィルムFwの底面側に押し倒される。
図1に示すように、倒し板39は、目付ローラ45、46より搬送方向の下流側で、搬送コンベア35より搬送方向の上流側に配置されている。また、倒し板39は、搬送方向におけるガイド板37、38の延設範囲に配置されている。また、図3(B)に示すように、倒し板39は、支持プレート31の下面に配置されている。さらに、倒し板39は、スリット31aの一方側から他方側に向けて斜め下方に突出している。そして、倒し板39は、センタシール装置40によってシールされた筒状に成形された帯状フィルムFwの端部Tに当接して、当該端部Tを筒状に成形された帯状フィルムFwの底面側に倒す。
図1に示すように、エンドユニット50は、センタシール装置40及び吸引装置60より搬送方向の下流側に配置されている。エンドユニット50は、筒状に成形された帯状フィルムFwの幅方向の両側面を内側に折り込む。また、エンドユニット50は、製品Pを内包し且つ両側面が内側に折り込まれた筒状に成形された帯状フィルムFwを、搬送方向における製品Pの両端でシールすることによって、製品Pを収容した袋Bpを成形する。さらに、エンドユニット50は、隣接する袋Bpの境界を切断することによって、袋Bpを1つずつ分離する。
図4は、エンドユニット50の構成を示す図である。エンドユニット50は、筒状に成形された帯状フィルムFwの搬送方向の端部をシールするエンドシール装置と、筒状に成形された帯状フィルムFwの幅方向の両側面を内側に折り込むガセット装置とをユニット化したものである。エンドシール装置は、昇降ブロック52a、52bと、ヒータブロック53a、53bと、横シーラ駆動モータ(図示省略)とを主に備える。ガセット装置は、ガセット爪55a、55b、55c、55dと、スライドブロック56a、56bと、エアシリンダ57a、57bと、板カム58a、58bと、カムフォロア59a、59bとを主に備える。
昇降ブロック52a、52bは、筒状に成形された帯状フィルムFwの搬送経路を挟んで、上下方向に対向配置されている。また、昇降ブロック52a、52bは、横シーラ駆動モータの駆動力が伝達されて、所謂「ボックスモーション動作」を行う。ボックスモーション動作とは、上下方向の移動と搬送方向の移動とを組み合わせて、昇降ブロック52a、52bそれぞれを公転運動させる動作を指す。
まず、昇降ブロック52a、52bは、ヒータブロック53a、53bを離間させ且つ再び近接させる過程において、搬送方向と逆向きに移動する。次に、昇降ブロック52a、52bは、ヒータブロック53a、53bを近接させた状態で搬送方向に移動する。そして、昇降ブロック52a、52bは、搬送方向の下流端において、ヒータブロック53a、53bをさらに近接させて、筒状に成形された帯状フィルムFwをシールする。なお、本明細書では、昇降ブロック52a、52b(ヒータブロック53a、53b)の上下方向の移動に着目し、搬送方向への移動については説明を省略する。
ヒータブロック53aは、昇降ブロック52aの下面に固定されている。ヒータブロック53bは、昇降ブロック52bの上面に固定されている。すなわち、ヒータブロック53a、53bは、筒状に成形された帯状フィルムFwの搬送経路を挟んで、上下方向に対向配置されている。ヒータブロック53a、53bの互いに対向する面(すなわち、ヒータブロック53aの下面、ヒータブロック53bの上面)は、シール面である。
そして、ヒータブロック53a、53bは、図4(A)に示す離間位置と、図4(C)及び図4(D)に示す当接位置との間を、昇降ブロック52a、52bと共に上下方向に移動可能に構成されている。離間位置とは、ヒータブロック53a、53bのシール面同士が離間している位置である。一方、当接位置とは、ヒータブロック53a、53bのシール面同士が当接している状態である。
そして、ヒータブロック53a、53bは、ヒータ(図示省略)によって加熱される。その結果、当接位置のヒータブロック53a、53bのシール面に挟まれた筒状に成形された帯状フィルムFwがシール(溶着)される。
図2に示すように、ガセット爪55a、55bは、筒状に成形された帯状フィルムFwの幅方向の一方側において、筒状に成形された帯状フィルムFwの搬送方向に離間してスライドブロック56aに固定されている。ガセット爪55c、55dは、筒状に成形された帯状フィルムFwの幅方向の他方側において、筒状に成形された帯状フィルムFwの搬送方向に離間してスライドブロック56bに固定されている。すなわち、ガセット爪55a、55bと、ガセット爪55c、55dとは、筒状に成形された帯状フィルムFwの搬送経路を挟んで幅方向に対向配置されている。さらに、ガセット爪55a、55cはエンドシール装置より搬送方向の上流側に配置され、ガセット爪55b、55dはエンドシール装置より搬送方向の下流側に配置されている。
エアシリンダ57aは、スライドブロック56aに支持されたガセット爪55a、55bを、図4(A)及び図4(D)に示す退避位置と、図4(C)に示す突出位置との間で、筒状に成形された帯状フィルムFwの幅方向に移動させる。エアシリンダ57bは、スライドブロック56bに支持されたガセット爪55c、55dを、退避位置と突出位置との間で、筒状に成形された帯状フィルムFwの幅方向に移動させる。より詳細には、エアシリンダ57a、57bが伸長すると、ガセット爪55a~55dが退避位置に移動する。一方、エアシリンダ57a、57bが縮小すると、ガセット爪55a~55dが突出位置に移動する。
板カム58aは、筒状に成形された帯状フィルムFwの幅方向の一方側において、昇降ブロック52aに支持されている。板カム58bは、筒状に成形された帯状フィルムFwの幅方向の他方側において、昇降ブロック52aに支持されている。板カム58a、58bは、筒状に成形された帯状フィルムFwに近づく向きに昇り傾斜となるカム面を備える。
カムフォロア59a、59bは、スライドブロック56a、56bに支持されている。カムフォロア59a、59bは、エアシリンダ57a、57bが縮小する過程で、板カム58a、58bのカム面に係合し、昇降ブロック52aの上下動に伴うカム面の移動軌跡に沿って、スライドブロック56a、56bに支持されたガセット爪55a~55dの上下方向の位置を制御する。
エンドユニット50の初期位置は、図4(A)に示すように、ヒータブロック53a、53bが離間位置で且つガセット爪55a~55dが退避位置である。そして、図4(A)~図4(C)に示すように、横シーラ駆動モータを駆動して、ヒータブロック53a、53bを離間位置から当接位置に移動させると共に、エアシリンダ57a、57bを縮小して、ガセット爪55a~55dを退避位置から突出位置に移動させる。図4(A)~図4(C)におけるヒータブロック53a、53bの移動と、ガセット爪55a~55dの移動とは、連動して行われる。
次に、図4(C)及び図4(D)に示すように、エアシリンダ57a、57bを伸長させて、ガセット爪55a~55dを突出位置から退避位置に移動させる。このとき、ヒータブロック53a、53bは、当接位置に保持される。そして、ガセット爪55a~55dが退避位置に到達した後に、横シーラ駆動モータを駆動して、ヒータブロック53a、53bを当接位置から離間位置に移動させる。これにより、エンドユニット50が図4(A)の初期位置に戻る。
これにより、筒状に成形された帯状フィルムFwの両側面は、エンドシール装置より搬送方向の上流側がガセット爪55a、55cによって内側に折り込まれ、エンドシール装置より搬送方向の下流側がガセット爪55b、55dによって内側に折り込まれる。また、筒状に成形された帯状フィルムFwは、ガセット爪55a、55cとガセット爪55b、55dとの間において、ヒータブロック53a、53bによってシールされる。さらに、筒状に成形された帯状フィルムFwのシール部分がカッタで切断される。この動作を繰り返すことによって、製品Pを1つずつ内包した複数の袋Bpが順番に形成される。
吸引装置60は、筒状に成形された帯状フィルムFwを上方に吸引しながら搬送方向に搬送する。図1及び図2に示すように、吸引装置60は、センタシール装置40及び倒し板39より搬送方向の下流側で、エンドユニット50(より詳細には、ガセット爪55a、55c)より搬送方向の上流側に配置されている。また、吸引装置60は、搬送方向におけるガイド板37、38の延設範囲に配置されている。さらに、吸引装置60は、フォーマ26を通過して筒状に成形された帯状フィルムFw及び製品Pより上方に配置されている。
図5は、本実施形態に係る吸引装置60の斜視図である。図1及び図5に示すように、吸引装置60は、フレーム61と、回動軸62と、回動フレーム63と、一対の支持シャフト64a、64bと、一対の側板65a、65bと、駆動輪66と、従動輪67と、バキュームボックス68と、無端環状ベルト69と、搬送モータ70と、吸引ポンプ71とを主に備える。
フレーム61は、搬送モータ70及び吸引ポンプ71を含む吸引装置60全体を支持する。回動軸62は、搬送方向に延設されている。回動軸62は、フレーム61に回動可能に支持されている。回動フレーム63は、回動軸62に支持されている。すなわち、回動フレーム63は、回動軸62と共に回動する。一対の支持シャフト64a、64bは、回動フレーム63に支持されている。一対の支持シャフト64a、64bは、搬送方向に離間した位置において、各々が幅方向に延設されている。また、一対の支持シャフト64a、64bは、軸方向にスライド可能に回動フレーム63に支持されている。
一対の側板65a、65bは、一対の支持シャフト64a、64bの先端側に支持されている。一対の側板65a、65bは、幅方向に離間した位置において、各々が搬送方向に延設されている。駆動輪66及び従動輪67は、一対の側板65a、65bの間に配置されている。駆動輪66及び従動輪67は、一対の側板65a、65bによって、幅方向に延びる回転軸線周りに回転可能に支持されている。
駆動輪66は、搬送方向における一対の側板65a、65bの下流端に支持されている。従動輪67は、搬送方向における一対の側板65a、65bの上流端に支持されている。すなわち、駆動輪66及び従動輪67は、搬送方向に離間した位置において、一対の側板65a、65bに支持されている。
本実施形態に係る駆動輪66は、エンドユニット50より搬送方向の上流側に配置されている。また、本実施形態に係る従動輪67は、センタシール装置40及び倒し板39より搬送方向の下流側に配置されている。但し、駆動輪66及び従動輪67の離間距離は、図1の例より短くてもよいし、長くてもよい。また、駆動輪66及び従動輪67の配置は逆転していてもよい。
バキュームボックス68は、一対の側板65a、65bに支持されている。バキュームボックス68は、幅方向における一対の側板65a、65bの間で、且つ搬送方向における駆動輪66及び従動輪67の間に配置されている。バキュームボックス68の下面には、空気を吸引するための吸引口(図示省略)が形成されている。すなわち、バキュームボックス68は、搬送方向におけるセンタシール装置40及びエンドユニット50の間に配置されている。
無端環状ベルト69は、駆動輪66及び従動輪67に掛け渡されている。また、無端環状ベルト69は、バキュームボックス68を囲んでいる。また、無端環状ベルト69の下端は、製品Pの上端より上方に位置している。さらに、無端環状ベルト69には、複数の貫通口が形成されている。複数の貫通口は、バキュームボックス68の下面に対面する位置を通過する際に、吸引口に連通する。貫通口の大きさ及び密度は、例えば、帯状フィルムFwの剛性に応じて適宜設定される。
搬送モータ70は、駆動輪66を回転させるための駆動力を発生させる。搬送モータ70と駆動輪66とは、後述する駆動力伝達機構85、駆動ギヤ72、従動ギヤ73、及び駆動軸74を介して接続されている。駆動ギヤ72は、駆動力伝達機構85を介して搬送モータ70の駆動力が伝達されることによって回転する。従動ギヤ73は、駆動ギヤ72の下側に噛合されている。駆動軸74は、一端が従動ギヤ73に接続され、他端が駆動輪66に接続されている。
これにより、搬送モータ70の駆動力が駆動力伝達機構85、駆動ギヤ72、従動ギヤ73、及び駆動軸74を介して伝達されることによって、駆動輪66が回転する。そして、駆動輪66の回転に伴って無端環状ベルト69が回転する。無端環状ベルト69の回転方向は、下側(筒状に成形された帯状フィルムFwに対面する側)が搬送方向に移動し、上側が搬送方向と逆方向に移動する方向である。
吸引ポンプ71は、空気通路(例えば、ホース)を通じて、バキュームボックス68に接続されている。吸引ポンプ71は、外部電源75の電力がインバータ76を介して供給されることによって、バキュームボックス68から空気を吸引する。これにより、連通する貫通口及び吸引口を通じて、無端環状ベルト69の下面の空気が吸引される。その結果、吸引装置60は、バキュームボックス68の吸引口が形成された範囲内において、筒状に成形された帯状フィルムFwを上方に吸引しながら搬送方向に搬送することができる。
また、インバータ76の設定を変更することにより、吸引ポンプ71に供給する電力の周波数を可変させて、吸引力を調整することができる。インバータ76の設定変更は、インバータ76の操作パネルを操作して行ってもよいし、外部からの指令信号によって行ってもよい。
図6は、一対のガイド板37、38の間隔と、無端環状ベルト69の幅との関係を示す図である。図6に示すように、一対のガイド板37、38は、最大間隔W1と最小間隔W2との間で幅方向の間隔を調整可能に構成されている。一対のガイド板37、38の間隔を調整する具体的な構成は特に限定されないが、例えば、ラック&ピニオン機構などの周知の構成を採用することができる。これにより、一対のガイド板37、38の間隔を製品Pの幅に合わせることができる。
一例として、無端環状ベルト69の搬送方向の長さは、図6(A)に示すように、一対のガイド板37、38の最小間隔W2より短く設定されていてもよい。他の例として、無端環状ベルト69の搬送方向の長さは、図6(B)に示すように、一対のガイド板37、38の最大間隔W1より長く設定されていてもよい。また、無端環状ベルト69に形成された複数の貫通口は、開閉可能に構成されていてもよい。そして、筒状に成形された帯状フィルムFwの上面を吸引装置60によって吸引する際には、図6(B)に“●”で示すように、一対のガイド板37、38より幅方向の外側に位置する貫通口を閉塞してもよい。
図7は、無端環状ベルト69を幅方向に進退させる構成を示す図である。吸引装置60は、一対の側板65a、65b、駆動輪66、従動輪67、及びバキュームボックス68と共に、無端環状ベルト69を幅方向に進退可能に支持している。より詳細には、吸引装置60は、無端環状ベルト69を、筒状に成形された帯状フィルムFwに対面し得る位置に進出させ(図7(A))、筒状に成形された帯状フィルムFwと幅方向にずれた位置に退出させる(図7(B))。吸引装置60は、無端環状ベルト69を幅方向に進退させるために、規制部材77と、ガイドローラ78と、ストッパ79とをさらに備える。
規制部材77は、フレーム61に固定されている。ガイドローラ78は、搬送方向に延びる回転軸線周りに回動可能にフレーム61に支持されている。規制部材77及びガイドローラ78は、一対の支持シャフト64a、64bそれぞれに対応付けて設けられている。ストッパ79は、一対の支持シャフト64a、64bの基端部(回動フレーム63を挟んで無端環状ベルト69と反対側の端部)に取り付けられている。
図7(A)に示すように、支持シャフト64a、64bが水平方向に延設されているとき、支持シャフト64a、64bの基端が規制部材77の下面に当接し、ストッパ79が規制部材77の側面に当接する。これにより、筒状に成形された帯状フィルムFwに対面する位置に無端環状ベルト69が進出した状態となる。また、筒状に成形された帯状フィルムFwに対面し得る位置から無端環状ベルト69が退出する方向に、支持シャフト64a、64bがスライドすることが規制される。
次に、オペレータが無端環状ベルト69を上昇させる向きに回動フレーム63を回動させると、支持シャフト64a、64bの基端及びストッパ79が規制部材77から離間する。これにより、筒状に成形された帯状フィルムFwに対面し得る位置から無端環状ベルト69が退出する方向に、支持シャフト64a、64bがスライド可能になる。また、従動ギヤ73は、駆動ギヤ72から離間する。
次に、図7(B)に示すように、自重またはオペレータの手動によって、無端環状ベルト69が回動フレーム63に近づく方向に支持シャフト64a、64bをスライドさせると、ガイドローラ78は、支持シャフト64a、64bの上面に当接して回転する。これにより、無端環状ベルト69は、筒状に成形された帯状フィルムFwに対面し得る位置から退出する。また、ガイドローラ78が支持シャフト64a、64bの上面に当接することによって、図7(A)の状態に戻る方向の支持シャフト64a、64bの回動が規制される。
次に、オペレータが図7(B)に示す支持シャフト64a、64bを、無端環状ベルト69が回動フレーム63から遠ざかる方向にスライドさせると、無端環状ベルト69等の自重によって、支持シャフト64a、64bの延設方向が水平方向に近づく方向に回動フレーム63が回動する。これにより、無端環状ベルト69は、筒状に成形された帯状フィルムFwに対面し得る位置に進出する。また、支持シャフト64a、64bの基端及びストッパ79が規制部材77に当接すると共に、従動ギヤ73が駆動ギヤ72に噛合される。
図8は、無端環状ベルト69を昇降させる構成を示す図である。図9は、搬送モータ70の駆動力を駆動ギヤ72に伝達する駆動力伝達機構85の模式図である。吸引装置60は、一対の側板65a、65b、駆動輪66、従動輪67、及びバキュームボックス68と共に、無端環状ベルト69を上下方向に昇降可能に支持している。図8及び図9に示すように、吸引装置60は、固定ブロック80と、一対のスライドレール81a、81bと、一対のスライダ82a、82bと、ベース板83と、高さ調整ハンドル84と、駆動力伝達機構85とをさらに備える。
固定ブロック80及び一対のスライドレール81a、81bは、横型ピロー包装機1に固定されている。一対のスライドレール81a、81bは、搬送方向に離間した位置において、各々が上下方向に延設されている。スライダ82a、82bは、上下方向にスライド可能にスライドレール81a、81bに支持されている。ベース板83は、一対のスライダ82a、82bに取り付けられて、スライダ82a、82bと共に上下方向にスライドする。また、ベース板83は、上下方向に延びる送りねじを介して、上下方向に移動可能に固定ブロック80に支持されている。さらに、ベース板83は、フレーム61を支持している。
高さ調整ハンドル84は、送りねじ機構を回転させるためのハンドルである。すなわち、ベース板83は、オペレータが高さ調整ハンドル84を正回転させることによって上昇し、オペレータが高さ調整ハンドル84を逆回転させることによって下降する。これにより、ベース板83に支持されたフレーム61が無端環状ベルト69と共に昇降する。
駆動力伝達機構85は、入力軸86(搬送モータ70の出力軸)の回転駆動力を、駆動ギヤ72に接続された出力軸93に伝達する役割を担う。また、駆動力伝達機構85は、無端環状ベルト69の上下方向の位置に拘わらず、搬送モータ70の駆動力を駆動ギヤ72に伝達することができる。図8及び図9に示すように、駆動力伝達機構85は、プーリ87~91と、プーリ87、88、91に掛け渡された無端ベルト92とを備える。
プーリ87~91は、幅方向に延びる回転軸線周りに回動可能に構成されている。プーリ87は、入力軸86に接続された入力軸プーリである。プーリ91は、出力軸93に接続された出力軸プーリである。プーリ88~90は、無端ベルト92にテンションを付与するアイドルプーリである。プーリ87、88は、横型ピロー包装機1に回転可能に固定された固定プーリである。一方、プーリ89~91は、ベース板83に回転可能に支持されて、上下方向に移動可能な可動プーリである。
プーリ87、88は、上下方向に離間して配置されている。プーリ89、90は、上下方向におけるプーリ87、88の間に配置されている。また、プーリ89、90は、プーリ87、88より搬送方向の下流側で、プーリ91より搬送方向の上流側に配置されている。さらに、プーリ89、90は、上下方向に離間して配置されている。プーリ91は、上下方向におけるプーリ89、90の間に配置されている。また、プーリ91は、プーリ89、90より搬送方向の下流側に配置されている。プーリ87、88、91は、無端ベルト92の内周面に当接している。プーリ89、90は、無端ベルト92の外周面に当接している。
これにより、プーリ87の回転が無端ベルト92を通じてプーリ91に伝達される。また、図9に示すように、ベース板83を昇降させると、プーリ89~91が相対位置を変えることなく上下方向に移動する。より詳細には、ベース板83が上昇すると、プーリ88、89の間隔が短くなり、プーリ87、90の間隔が長くなる。一方、ベース板83が下降すると、プーリ88、89の間隔が長くなり、プーリ87、90の間隔が短くなる。
上記の実施形態によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
図10は、図2のC-Cにおける断面であって、吸引装置60を搭載しない場合(A)と搭載した場合(B)とを比較する図である。図10(A)に示すように、吸引装置60を搭載しない従来の横型ピロー包装機1の場合、筒状に成形された帯状フィルムFwの上面が下降して、両側面の形状を保つことができない。この傾向は、帯状フィルムFwの剛性が低い(腰が弱い)ほど顕著になる。
一方、図10(B)に示すように、筒状に成形された帯状フィルムFwを吸引装置60で上方に吸引することによって、筒状に成形された帯状フィルムFwの幅方向の両側面を、ガセット爪55a~55dの進退方向に対して直交(換言すれば、ガイド板37、38と平行)させることができる。これにより、帯状フィルムFwの剛性に拘わらず、ガセットを適切に形成することができる。また、吸引装置60が筒状に成形された帯状フィルムFwを吸引しながら搬送するので、筒状に成形された帯状フィルムFwの搬送方向の移動を妨げることがない。
また、上記の実施形態によれば、筒状に成形された帯状フィルムFwの幅方向の両側面を一対のガイド板37、38によってガイドすることによって、筒状に成形された帯状フィルムFwの両側面をガセット爪55a~55dの進退方向に対して直交させることができる。また、一対のガイド板37、38の延設範囲に倒し板39を設けることによって、筒状に成形された帯状フィルムFwが倒し板39によって幅方向に移動しようとするのを規制することができる。また、一対のガイド板37、38の間隔を調整可能とすることによって、様々な大きさの製品Pに対応することができる。
さらに、一対のガイド板37、38の間隔と無端環状ベルト69の幅とを、図6(A)のように設定することによって、製品Pの幅に拘わらず、筒状に成形された帯状フィルムFwの幅方向の中央を選択的に吸引することができる。一方、一対のガイド板37、38の間隔と無端環状ベルト69の幅とを、図6(B)のように設定することによって、製品Pの幅に拘わらず、筒状に成形された帯状フィルムFwの上面全体を吸引することができる。
なお、吸引装置60から従動輪67及び無端環状ベルト69を省略してもよい。図11は、変形例に係る吸引装置60Aの要部斜視図である。なお、上記の実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。図11に示すように、変形例に係る吸引装置60Aは、円筒形状(ドラム形状)の駆動輪66Aの側面に複数の貫通口を形成すると共に、駆動輪66Aの内部にバキュームボックス68を収容してもよい。