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JP2018051628A - 圧延制御方法、鋼板の製造方法、圧延制御装置および鋼板の製造装置 - Google Patents

圧延制御方法、鋼板の製造方法、圧延制御装置および鋼板の製造装置 Download PDF

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JP2018051628A
JP2018051628A JP2017181038A JP2017181038A JP2018051628A JP 2018051628 A JP2018051628 A JP 2018051628A JP 2017181038 A JP2017181038 A JP 2017181038A JP 2017181038 A JP2017181038 A JP 2017181038A JP 2018051628 A JP2018051628 A JP 2018051628A
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健志 山根
Kenji Yamane
健志 山根
啓悟 大杉
Keigo Osugi
啓悟 大杉
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Abstract

【課題】被圧延材の全長にわたって板クラウンを制御することができる圧延制御方法、鋼板の製造方法、圧延制御装置および鋼板の製造装置を提供すること。【解決手段】圧延制御方法は、被圧延材Wの幅方向における板厚分布を示す板クラウンを制御可能なワークロールベンダー13,14と、圧延機1の出側に設置され、被圧延材Wの幅方向における少なくとも2点の板厚を測定することにより圧延機1の出側における板クラウンを測定する板厚計18と、を備える圧延機1の圧延制御方法であり、圧延機1による圧延中に、予め設定された板クラウンの目標値と、板厚計18によって測定された板クラウンの測定値との間に差異がある場合、同一圧延パス内において、ワークロールベンダー13,14が板クラウンを制御する際の制御量を、差異に基づいて算出される制御変更量によって変更する。【選択図】図1

Description

本発明は、圧延制御方法およびそれを利用した鋼板の製造方法と、圧延制御装置およびそれを利用した鋼板の製造装置とに関する。
圧延における板クラウンの制御は、被圧延材(鋼板)の板厚制御のみならず、被圧延材の平坦度(形状)を決定する重要な要素技術である。ここで、「板クラウン」とは、被圧延材の幅方向における板厚分布のことであり、具体的には被圧延材の幅方向中央部の板厚と幅方向端部の板厚との差を示している。また、「平坦度」とは、被圧延材の板長の差の、幅方向における分布のことを示しており、具体的には伸び差率[%]等により定義される。
従来、被圧延材の板クラウンを制御するための技術が提案されており、例えばワークロールに凸状のカーブを付与することによりワークロールのたわみを補償する方法、ワークロールのチョックに圧力を付与することによりワークロールのたわみを制御するワークロールベンダーを用いる方法、またはバックアップロールからの反力が作用する領域を狭くしてワークロールのたわみを制御する板クラウン制御用アクチュエータ(例えばワークロールシフト等)を用いる方法等が提案されている。
また、被圧延材の平坦度は、その後の工程において重要な意味を持つ要素の一つであり、従来はこの平坦度を制御することを目的として板クラウンの制御を行っていた。例えば、以下に示す特許文献1〜3では、圧延後における被圧延材の実際の平坦度をセンサで測定し、その平坦度形状が目標のものとなるように板クラウン制御用アクチュエータを制御する手法が提案されている。
特開2000−94020号公報 特開2005−319492号公報 特開2006−272460号公報
昨今、特に造船材の分野では、船の燃費向上を志向して、公差範囲内で極力薄い鋼板、すなわち軽量な鋼板を用いることが望まれている。従って、被圧延材の平坦度のみならず、被圧延材の全長にわたって所望の板クラウンとなるように造り込むことが必要となってきている。しかしながら、特許文献1〜3で示された制御方法は、あくまで被圧延材の平坦度を制御することを目的としているため、被圧延材の全長にわたって板クラウンを制御することはできない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、被圧延材の全長にわたって板クラウンを制御することができる圧延制御方法、鋼板の製造方法、圧延制御装置および鋼板の製造装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る圧延制御方法は、被圧延材の幅方向における板厚分布を示す板クラウンを制御可能な板クラウン制御機構と、圧延機の出側に設置され、前記被圧延材の幅方向における少なくとも2点の板厚を測定することにより前記圧延機の出側における前記板クラウンを測定する板厚計と、を備える圧延機の圧延制御方法において、前記圧延機による圧延中に、予め設定された前記板クラウンの目標値と、前記板厚計によって測定された前記板クラウンの測定値との間に差異がある場合、同一圧延パス内において、前記板クラウン制御機構が前記板クラウンを制御する際の制御量を、前記差異に基づいて算出される制御変更量によって変更することを特徴とする。
また、本発明に係る圧延制御方法は、上記発明において、前記同一圧延パス内において、予め設定された前記板クラウンの目標値と、前記板厚計によって測定された前記板クラウンの測定値との間に差異がある場合、前記板クラウン制御機構が前記板クラウンを制御する際の制御量、および、前記差異に基づいて算出される制御変更量は、いずれも前記被圧延材の幅広がりによる影響が補正されてなることを特徴とする。
また、本発明に係る圧延制御方法は、上記発明において、前記被圧延材の幅広がりによる影響は、少なくとも前記被圧延材の板厚、板幅、変形抵抗および圧下率を考慮して補正されてなることを特徴とする。
また、本発明に係る圧延制御方法は、上記発明において、前記同一圧延パス内において、予め設定された前記板クラウンの目標値と、前記板厚計によって測定された前記板クラウンの測定値との間に差異がある場合、下記式(1)で示される制御量Pに対して、下記式(2)で示される制御変更量ΔPを加算することを特徴とする。
Figure 2018051628
Figure 2018051628
(但し、上記式(1)および上記式(2)において、Crは圧延機の出側における板クラウンの目標値、Cri−1は圧延機の入側における板クラウンの計算値または実績値、ΔCrは被圧延材の幅広がりによる影響を補正する板クラウン補正項、αはワークロールの幅方向に均一荷重が作用した際のワークロールのたわみが圧延後の板クラウンに及ぼす影響比率、βは圧延前の板クラウンが圧延後の板クラウンに及ぼす影響比率、Icは圧延荷重によってワークロールがたわむ影響係数、Pは圧延荷重、Icは板クラウン制御機構によってワークロールがたわむ影響係数、WRprofileは無負荷時のワークロールプロフィル、Icは無負荷時のワークロールプロフィルが圧延後の板クラウンに及ぼす影響係数、である。また、上記式(2)において、CrFbは板厚計によって測定された圧延後の板クラウンの測定値である)
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る鋼板の製造方法は、上記圧延制御方法を含むことを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る圧延制御装置は、被圧延材の幅方向における板厚分布を示す板クラウンを制御可能な板クラウン制御機構と、圧延機の出側に設置され、前記被圧延材の幅方向における少なくとも2点の板厚を測定することにより前記圧延機の出側における前記板クラウンを測定する板厚計と、を備える圧延機の圧延制御装置において、前記圧延機による圧延中に、予め設定された前記板クラウンの目標値と、前記板厚計によって測定された前記板クラウンの測定値との間に差異がある場合、同一圧延パス内において、前記板クラウン制御機構が前記板クラウンを制御する際の制御量を、前記差異に基づいて算出される制御変更量によって変更することを特徴とする。
また、本発明に係る圧延制御装置は、上記発明において、前記同一圧延パス内において、予め設定された前記板クラウンの目標値と、前記板厚計によって測定された前記板クラウンの測定値との間に差異がある場合、前記板クラウン制御機構が前記板クラウンを制御する際の制御量、および、前記差異に基づいて算出される制御変更量は、いずれも前記被圧延材の幅広がりによる影響が補正されてなることを特徴とする。
また、本発明に係る圧延制御装置は、上記発明において、前記被圧延材の幅広がりによる影響は、少なくとも前記被圧延材の板厚、板幅、変形抵抗および圧下率を考慮して補正されてなることを特徴とする。
また、本発明に係る圧延制御装置は、上記発明において、前記同一圧延パス内において、予め設定された前記板クラウンの目標値と、前記板厚計によって測定された前記板クラウンの測定値との間に差異がある場合、下記式(1)で示される制御量Pに対して、下記式(2)で示される制御変更量ΔPを加算することを特徴とする。
Figure 2018051628
Figure 2018051628
(但し、上記式(1)および上記式(2)において、Crは圧延機の出側における板クラウンの目標値、Cri−1は圧延機の入側における板クラウンの計算値または実績値、ΔCrは被圧延材の幅広がりによる影響を補正する板クラウン補正項、αはワークロールの幅方向に均一荷重が作用した際のワークロールのたわみが圧延後の板クラウンに及ぼす影響比率、βは圧延前の板クラウンが圧延後の板クラウンに及ぼす影響比率、Icは圧延荷重によってワークロールがたわむ影響係数、Pは圧延荷重、Icは板クラウン制御機構によってワークロールがたわむ影響係数、WRprofileは無負荷時のワークロールプロフィル、Icは無負荷時のワークロールプロフィルが圧延後の板クラウンに及ぼす影響係数、である。また、上記式(2)において、CrFbは板厚計によって測定された圧延後の板クラウンの測定値である)
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る鋼板の製造装置は、上記圧延制御装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、被圧延材の同一圧延パス内において、板クラウンの目標値と測定値との間に差異が生じた際に、その都度、板クラウン制御機構の制御量を補正するため、被圧延材の全長にわたって所望の板クラウンとなるように制御することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る圧延制御装置を含む、鋼板の製造装置の構成を模式的に示す概略図である。 図2は、本発明の実施形態に係る圧延制御装置を利用した圧延制御方法を説明するためのフローチャートである。 図3は、本発明の実施形態に係る圧延制御装置を利用した圧延制御方法の効果を確認するための実施例において、板クラウンと板長との関係を示すグラフである。
本発明に係る圧延制御方法、鋼板の製造方法、圧延制御装置および鋼板の製造装置について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、以下の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[鋼板の製造装置]
本発明の実施形態に係る鋼板の製造装置は、板クラウンが制御された鋼板を製造するものであり、図1に示すように、圧延機1と、制御装置2と、を備えている。圧延機1は、ワークロール11,12と、ワークロールベンダー13,14と、バックアップロール15,16と、ロードセル17と、板厚計18と、を備えている。
ワークロール11,12は、被圧延材Wを搬送方向(長手方向)に搬送する搬送経路を挟んで、被圧延材Wの板厚方向に対向するように配置されている。ワークロール11,12は、搬送経路に沿って順次搬送される被圧延材Wをその板厚方向において挟み込みながら回転(自転)することにより、被圧延材Wを連続的に圧延する。
ワークロールベンダー(板クラウン制御機構)13,14は、被圧延材Wの板クラウンを制御する。ワークロールベンダー13,14は、具体的には被圧延材Wの板クラウンの制御を目的として、被圧延材Wの板厚方向にワークロール11,12をそれぞれ曲げるロール曲げ動作を行う。ワークロールベンダー13,14は、ワークロール11,12のそれぞれに配置される。
ワークロールベンダー13は、具体的には、ワークロール11のロール軸(図示省略)を回転可能に軸支しつつ、被圧延材Wの板厚方向の曲げ力をワークロール11に付与する。その際、ワークロール11に付与される曲げ力の方向(上方向)は、バックアップロール15からワークロール11に加えられる荷重の方向(下方向)とは反対の方向となる。また、ワークロール11に付与される曲げ力の大きさは、後記する制御量算出部21によって算出されるワークロールベンダー圧の制御量に基づいて決定される。ワークロールベンダー13の動作は、後記する制御量算出部21によって算出されるワークロールベンダー圧の制御量に基づいて、後記する制御部23によって制御される。
また、ワークロールベンダー14は、具体的には、ワークロール12のロール軸(図示省略)を回転可能に軸支しつつ、被圧延材Wの板厚方向の曲げ力をワークロール12に付与する。その際、ワークロール12に付与される曲げ力の方向(下方向)は、バックアップロール16からワークロール12に加えられる荷重の方向(上方向)とは反対の方向となる。また、ワークロール12に付与される曲げ力の大きさは、後記する制御量算出部21によって算出されるワークロールベンダー圧の制御量に基づいて決定される。ワークロールベンダー14の動作は、後記する制御量算出部21によって算出されるワークロールベンダー圧の制御量に基づいて、後記する制御部23によって制御される。
バックアップロール15,16は、一対のワークロール11,12を挟んで対向するように配置されている。上側のバックアップロール15は、上側のワークロール11の外周面に上方向から接触し、当該ワークロール11を下方向に押圧する。これにより、バックアップロール15は、被圧延材Wの圧延に要する荷重をワークロール11に付与する。また、下側のバックアップロール16は、下側のワークロール12の外周面に下方向から接触し、当該ワークロール12を上方向に押圧する。これにより、バックアップロール16は、被圧延材Wの圧延に要する荷重をワークロール12に付与する。
ロードセル17は、バックアップロール15に設けられており、被圧延材Wに付与される圧延荷重を検出する。そして、ロードセル17は、検出した圧延荷重を制御装置2(具体的には制御量算出部21および制御変更量算出部22)に対して出力する。
板厚計18は、被圧延材Wの板クラウンを測定する。板厚計18は、圧延機1の出側に設置され、被圧延材Wの幅方向における少なくとも2点の板厚を測定することにより圧延機1の出側における板クラウン(被圧延材Wの幅方向中央部の板厚と幅方向端部の板厚との差)を測定する。そして、板厚計18は、板クラウンの測定値を制御装置2(具体的には制御量算出部21および制御変更量算出部22)に対して出力する。
なお、板厚計18は、圧延機1の出側の他に、圧延機1の入側にも設けてもよい。このように圧延機1の入側にも板厚計18を配置することにより、後記する式(1)および式(2)において、圧延機1の入側における板クラウンの実績値(Cri−1)を加味しつつ、ワークロールベンダー圧の制御量Pおよび制御変更量ΔPを算出することができるため、精度が向上する。
[圧延制御装置]
本発明の実施形態に係る圧延制御装置を構成する制御装置2は、具体的にはパーソナルコンピュータやワークステーション等の汎用の情報処理装置によって実現されるものであり、例えばCPU、ROM、RAM等を主要構成部品としている。制御装置2は、制御量算出部21と、制御変更量算出部22と、制御部23と、を備えている。
制御量算出部21は、被圧延材Wの板クラウンを制御する際の、ワークロールベンダー13,14によるワークロールベンダー圧の制御量を算出する。制御量算出部21は、被圧延材Wの圧延開始前と、圧延中のそれぞれの場面でワークロールベンダー圧の制御量を算出する。
例えば制御量算出部21は、被圧延材Wの圧延開始前に、下記式(1)に基づいて、ワークロールベンダー圧の制御量Pを算出する。そして、制御量算出部21は、算出したワークロールベンダー圧の制御量Pを制御部23に対して出力する。
Figure 2018051628
ここで、上記式(1)において、Crは圧延機1の出側における板クラウンの目標値、Cri−1は圧延機1の入側における板クラウンの計算値または実績値、ΔCrは被圧延材Wの幅広がりによる影響を補正する板クラウン補正項、αは転写率であり、ワークロール11,12の幅方向に均一荷重が作用した際のワークロール11,12のたわみが圧延後の板クラウンに及ぼす影響比率、βは遺伝係数であり、圧延前の板クラウンが圧延後の板クラウンに及ぼす影響比率、Icは圧延荷重によってワークロール11,12がたわむ影響係数、Pは圧延荷重、Icはワークロールベンダー13,14によってワークロール11,12がたわむ影響係数、WRprofileは無負荷時のワークロールプロフィル、Icは無負荷時のワークロールプロフィルが圧延後の板クラウンに及ぼす影響係数、である。
なお、前記したCrは、予め作成された目標値のためのテーブル等を参照して入力される。また、前記したCri−1は、圧延機1の入側に板厚計18が設けられていない場合は、前パスにおける出側の板クラウンであり、予め求めた計算値が入力される。一方、前記したCri−1は、圧延機1の入側に板厚計18が設けられている場合は、当該板厚計18で測定された板クラウンの実績値(測定値)が入力される。また、前記したΔCr,α,β,Ic,Ic,WRprofile,Icは、圧延条件等をもとに、予め計算によって求められる。また、Pには、圧延前であるため0が入力される。
また、制御量算出部21は、圧延機1によって被圧延材Wの圧延が開始された後に、上記式(1)に基づいて、所定の制御周期でワークロールベンダー圧の制御量Pを算出する。その際、制御量算出部21は、ロードセル17から圧延中の圧延荷重Pを取得し、上記式(1)に代入することにより、圧延荷重Pを加味したワークロールベンダー圧の制御量Pを算出する。そして、制御量算出部21は、算出したワークロールベンダー圧の制御量Pを制御部23に対して出力する。
さらに、制御量算出部21は、後記するように、圧延機1による被圧延材Wの圧延中(同一圧延パス内)において、板クラウンの目標値Crと、板厚計18によって測定された板クラウンの測定値CrFbとの間に差異がある場合、上記式(1)で算出したワークロールベンダー圧の制御量Pに対して、後記する制御変更量算出部22によって算出されるワークロールベンダー圧の制御変更量ΔPを加算する。そして、制御量算出部21は、算出したワークロールベンダー圧の制御量P+ΔPを制御部23に対して出力する。なお、制御変更量ΔPの算出方法については後記する。
制御変更量算出部22は、圧延機1による被圧延材Wの圧延中(同一圧延パス内)において、板クラウンの目標値Crと、板厚計18によって測定された板クラウンの測定値CrFbとの間に差異があるか否かを判定し、差異がある場合(|Cr−CrFb|>0である場合)、下記式(2)に基づいて、ワークロールベンダー圧の制御変更量ΔPを算出する。そして、制御変更量算出部22は、算出したワークロールベンダー圧の制御変更量ΔPを制御量算出部21に対して出力する。
Figure 2018051628
ここで、上記式(2)において、CrFbは板厚計18によって測定された圧延後の板クラウンの測定値である。
制御部23は、制御量算出部21から入力される制御量に基づいて、ワークロールベンダー13,14のワークロールベンダー圧を制御する。制御部23は、具体的には、圧延機1による被圧延材Wの圧延中(同一圧延パス内)において、制御量算出部21によって所定の制御周期で算出される制御量Pに基づいて、ワークロールベンダー圧を制御する。また、制御部23は、圧延機1による被圧延材Wの圧延中(同一圧延パス内)において、板クラウンの目標値Crと、板厚計18によって測定された板クラウンの測定値CrFbとの間に差異がある場合、制御量算出部21によって算出される制御量P+ΔPに基づいて、ワークロールベンダー圧を制御する。
なお、前記したワークロールベンダー圧の制御量Pおよび制御変更量ΔPは、上記式(1)および上記式(2)に示すように、板クラウン補正項ΔCrを加味して算出される。そのため、制御量Pおよび制御変更量ΔPは、いずれも被圧延材Wの幅広がりによる影響が補正された値となる。また、前記した板クラウン補正項ΔCrは、少なくとも被圧延材の板厚、板幅、変形抵抗および圧下率を考慮して設定される。そのため、制御量Pおよび制御変更量ΔPにおける被圧延材Wの幅広がりによる影響は、少なくとも被圧延材の板厚、板幅、変形抵抗および圧下率を考慮して補正される。
[圧延制御方法]
本実施形態に係る圧延制御装置を利用した圧延制御方法について、図2を参照しながら説明する。なお、同図に示すように、圧延制御方法に含まれるステップS1〜S7のうち、ステップS1,S2は圧延機1による圧延開始前に実施され、ステップS3〜S7は圧延機1による圧延中(圧延開始後)において、同一圧延パス内で、かつ所定の制御周期で実施される。
まず、制御装置2は、被圧延材Wの圧延開始前に、予め作成したテーブル等を参照し、所望の板クラウン(板クラウンの目標値)Crを決定する(ステップS1)。続いて、制御装置2の制御量算出部21は、前記した式(1)に基づいて、ワークロールベンダー圧の制御量Pを算出する(ステップS2)。
続いて、被圧延材Wの圧延が開始された後に、制御装置2の制御部23は、制御量算出部21から入力される制御量Pに基づいて、ワークロールベンダー13,14のワークロールベンダー圧を制御する(ステップS3)。続いて、板厚計18は、圧延機1の出側の板クラウン(板クラウンの測定値)CrFbを測定する(ステップS4)。
続いて、制御装置2の制御変更量算出部22は、ステップS1で決定された板クラウンの目標値Crと、ステップS4で測定された板クラウンの測定値CrFbとの間に差異があるか否か(|Cr−CrFb|>0)を判定する(ステップS5)。
板クラウンの目標値Crと板クラウンの測定値CrFbとの間に差異がない場合(ステップS5でNo)、処理を終了する。一方、板クラウンの目標値Crと板クラウンの測定値CrFbとの間に差異がある場合(ステップS5でYes)、制御変更量算出部22は、前記した式(2)に基づいて、ワークロールベンダー圧の制御変更量ΔPを算出する(ステップS6)。
続いて、制御装置2の制御量算出部21は、ステップS2で算出された制御量Pに対して、ステップS6で算出された制御変更量ΔPを加算することにより、ワークロールベンダー圧の制御量を再算出する(ステップS7)。そして、ステップS3に戻り、再算出された制御量P+ΔPに基づいて、ワークロールベンダー13,14のワークロールベンダー圧が制御される。以降は、所定の制御周期でステップS3〜S7を繰り返す。
[鋼板の製造方法]
ここで、図2では、圧延制御装置を利用した圧延制御方法に含まれるステップについて説明したが、これらのステップに加えて圧延機1による圧延ステップを含めることにより、鋼板の製造方法として実施することも可能である。
以上説明したような本実施形態に係る圧延制御方法、鋼板の製造方法、圧延制御装置および鋼板の製造装置によれば、被圧延材Wの圧延中に板クラウンを測定し、その測定値を利用して、同一の被圧延材Wにおける尾端側(板クラウンの測定点よりも尾端側)の圧延条件変更に反映させる制御(ダイナミック制御)を行う。すなわち、被圧延材Wの同一圧延パス内において、板クラウンの目標値Crと測定値CrFbとの間に差異が生じた際に、その都度、ワークロールベンダー13,14の制御量を補正する。従って、本実施形態に係る圧延制御方法、鋼板の製造方法、圧延制御装置および鋼板の製造装置によれば、被圧延材Wの全長にわたって所望の板クラウンとなるように制御することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本実施例では、同一寸法(板厚7.88mm、板幅3220mm)かつ同一変形抵抗の鋼板を2枚用意し、粗圧延機で同一厚まで圧延した後、仕上圧延機に搬送し、板クラウンの目標値を0.040mmとして圧延した。そして、圧延後に、仕上圧延機の出側14mの位置に配置したγ線板厚計によって、各鋼板の幅方向中央部の板厚と幅方向端部の板厚との差を測定し、板クラウンを評価した。
図3(a)は、従来の圧延制御方法、すなわち図2で説明したステップのうちのステップS1〜S3のみを実施した場合の板クラウンの全長チャートである。また、図3(b)は、本発明に係る圧延制御方法(図2参照)を実施した場合の板クラウンの全長チャートである。なお、図3(a)および図3(b)における縦軸は板クラウン、横軸は板長である。
図3(a)に示すように、従来の圧延制御方法では、板クラウンが適切に制御できておらず、板長が長くなるほど板クラウンが大きくなっていることがわかる。一方、図3(b)に示すように、本発明に係る圧延制御方法では、板長にかかわらず板クラウンがほぼ一定の範囲内に収まっており、板クラウンが適切に制御できていることがわかる。
以上、本発明に係る圧延制御方法、鋼板の製造方法、圧延制御装置および鋼板の製造装置について、発明を実施するための形態および実施例により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
例えば、前記した圧延制御装置および鋼板の製造装置では、図1に示すように、板クラウン制御機構の一例としてワークロールベンダー13,14を示したが、板クラウン制御機構は板クラウンを制御可能に構成されていればよい。板クラウン制御機構は、例えばワークロール11,12の軸方向に分割された複数のアクチュエータ等で構成されていてもよい。
1 圧延機
11,12 ワークロール
13,14 ワークロールベンダー(板クラウン制御機構)
15,16 バックアップロール
17 ロードセル
18 板厚計
2 制御装置
21 制御量算出部
22 制御変更量算出部
23 制御部
W 被圧延材

Claims (10)

  1. 被圧延材の幅方向における板厚分布を示す板クラウンを制御可能な板クラウン制御機構と、
    圧延機の出側に設置され、前記被圧延材の幅方向における少なくとも2点の板厚を測定することにより前記圧延機の出側における前記板クラウンを測定する板厚計と、
    を備える圧延機の圧延制御方法において、
    前記圧延機による圧延中に、予め設定された前記板クラウンの目標値と、前記板厚計によって測定された前記板クラウンの測定値との間に差異がある場合、同一圧延パス内において、前記板クラウン制御機構が前記板クラウンを制御する際の制御量を、前記差異に基づいて算出される制御変更量によって変更することを特徴とする圧延制御方法。
  2. 前記同一圧延パス内において、予め設定された前記板クラウンの目標値と、前記板厚計によって測定された前記板クラウンの測定値との間に差異がある場合、前記板クラウン制御機構が前記板クラウンを制御する際の制御量、および、前記差異に基づいて算出される制御変更量は、いずれも前記被圧延材の幅広がりによる影響が補正されてなることを特徴とする請求項1に記載の圧延制御方法。
  3. 前記被圧延材の幅広がりによる影響は、少なくとも前記被圧延材の板厚、板幅、変形抵抗および圧下率を考慮して補正されてなることを特徴とする請求項2に記載の圧延制御方法。
  4. 前記同一圧延パス内において、予め設定された前記板クラウンの目標値と、前記板厚計によって測定された前記板クラウンの測定値との間に差異がある場合、下記式(1)で示される制御量Pに対して、下記式(2)で示される制御変更量ΔPを加算することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の圧延制御方法。
    Figure 2018051628
    Figure 2018051628
    (但し、上記式(1)および上記式(2)において、Crは圧延機の出側における板クラウンの目標値、Cri−1は圧延機の入側における板クラウンの計算値または実績値、ΔCrは被圧延材の幅広がりによる影響を補正する板クラウン補正項、αはワークロールの幅方向に均一荷重が作用した際のワークロールのたわみが圧延後の板クラウンに及ぼす影響比率、βは圧延前の板クラウンが圧延後の板クラウンに及ぼす影響比率、Icは圧延荷重によってワークロールがたわむ影響係数、Pは圧延荷重、Icは板クラウン制御機構によってワークロールがたわむ影響係数、WRprofileは無負荷時のワークロールプロフィル、Icは無負荷時のワークロールプロフィルが圧延後の板クラウンに及ぼす影響係数、である。また、上記式(2)において、CrFbは板厚計によって測定された圧延後の板クラウンの測定値である)
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の圧延制御方法を含むことを特徴とする鋼板の製造方法。
  6. 被圧延材の幅方向における板厚分布を示す板クラウンを制御可能な板クラウン制御機構と、
    圧延機の出側に設置され、前記被圧延材の幅方向における少なくとも2点の板厚を測定することにより前記圧延機の出側における前記板クラウンを測定する板厚計と、
    を備える圧延機の圧延制御装置において、
    前記圧延機による圧延中に、予め設定された前記板クラウンの目標値と、前記板厚計によって測定された前記板クラウンの測定値との間に差異がある場合、同一圧延パス内において、前記板クラウン制御機構が前記板クラウンを制御する際の制御量を、前記差異に基づいて算出される制御変更量によって変更することを特徴とする圧延制御装置。
  7. 前記同一圧延パス内において、予め設定された前記板クラウンの目標値と、前記板厚計によって測定された前記板クラウンの測定値との間に差異がある場合、前記板クラウン制御機構が前記板クラウンを制御する際の制御量、および、前記差異に基づいて算出される制御変更量は、いずれも前記被圧延材の幅広がりによる影響が補正されてなることを特徴とする請求項6に記載の圧延制御装置。
  8. 前記被圧延材の幅広がりによる影響は、少なくとも前記被圧延材の板厚、板幅、変形抵抗および圧下率を考慮して補正されてなることを特徴とする、請求項7に記載の圧延制御装置。
  9. 前記同一圧延パス内において、予め設定された前記板クラウンの目標値と、前記板厚計によって測定された前記板クラウンの測定値との間に差異がある場合、下記式(1)で示される制御量Pに対して、下記式(2)で示される制御変更量ΔPを加算することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の圧延制御装置。
    Figure 2018051628
    Figure 2018051628
    (但し、上記式(1)および上記式(2)において、Crは圧延機の出側における板クラウンの目標値、Cri−1は圧延機の入側における板クラウンの計算値または実績値、ΔCrは被圧延材の幅広がりによる影響を補正する板クラウン補正項、αはワークロールの幅方向に均一荷重が作用した際のワークロールのたわみが圧延後の板クラウンに及ぼす影響比率、βは圧延前の板クラウンが圧延後の板クラウンに及ぼす影響比率、Icは圧延荷重によってワークロールがたわむ影響係数、Pは圧延荷重、Icは板クラウン制御機構によってワークロールがたわむ影響係数、WRprofileは無負荷時のワークロールプロフィル、Icは無負荷時のワークロールプロフィルが圧延後の板クラウンに及ぼす影響係数、である。また、上記式(2)において、CrFbは板厚計によって測定された圧延後の板クラウンの測定値である)
  10. 請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の圧延制御装置を備えることを特徴とする鋼板の製造装置。
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