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JP2007190579A - 金属板材の圧延方法および圧延装置 - Google Patents

金属板材の圧延方法および圧延装置 Download PDF

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篤 石井
Shigeru Ogawa
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Takashi Hisatsune
貴史 久恒
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Abstract

【課題】従来より簡易的な設備でキャンバーのない金属板材を製造する圧延方法および圧延装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも作業ロールと補強ロールとを有する金属板材の圧延機を用いて行う金属板材の圧延方法において、該補強ロールを基準としてオフセットさせ、そのオフセットしている側の該作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力、すなわち、オフセット分力を測定し、該オフセット分力の作業側と駆動側との差異を演算し、この差異に基づいて該圧延機のロール開度の左右非対称成分を制御することを特徴とする、金属板材の圧延方法及び、この方法を実現する装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属板材の圧延方法および圧延装置に関し、特に、キャンバーのない、あるいは極めてキャンバーの軽微な金属板材を従来より簡易的な設備で安定して製造することのできる、金属板材の圧延方法および圧延装置に関する。
金属板材の圧延工程において、圧延板材をキャンバーすなわち左右曲がりのない状態で圧延することは、圧延材の平面形状不良や寸法精度不良を回避するだけでなく、蛇行や尻絞りといった通板トラブルを回避するためにも重要である。尚、本発明では、表記を簡単にするために、圧延方向を正面とした場合の左右である圧延機の作業側および駆動側のことを左右と称することにする。
このような問題に対し、特許文献1では、圧延機の入側および出側において圧延材の幅方向位置を測定する装置を配備し、この測定値から圧延材のキャンバーを演算し、これを修正するように圧延機入側に配備したエッジャーロールの位置を調整するキャンバー制御技術が開示されている。
また、特許文献2には、圧延機入側および出側に配備されたエッジャーロールの荷重の左右差に基づいて、該圧延機のロール開度の左右差すなわち圧下レベリングを制御するキャンバー制御技術が開示されている。
また、特許文献3には、圧延荷重の左右差の実測値を分析して、ロール開度の左右差すなわち圧下レベリングを制御するか、またはサイドガイドの位置を制御するキャンバー制御技術が開示されている。
また、特許文献4には、入側のエッジャーロールとサイドガイド、そして出側サイドガイドで圧延材を拘束してキャンバー制御する方法が開示されている。
しかしながら、上記の特許文献1に記載された、圧延材の幅方向位置測定によるキャンバー制御技術に関する発明では、既に発生したキャンバーを修正することが基本となっており、キャンバーの発生を未然に防止することは実質的に不可能である。
特許文献2記載の、圧延機入出側のエッジャーロール荷重左右差に基づくキャンバー制御技術に関する発明では、入側の圧延材に既にキャンバーが存在する場合、これが入側のエッジャーロール荷重差の外乱になって高い制御精度を得ることが困難になる。また、出側のエッジャーロールは圧延材先端がエッジャーロールに衝突することを避けるため圧延材先端通板時は退避しておく必要があり、圧延材先端からキャンバー制御を実施することも困難である。
また、特許文献3に記載の、圧延荷重左右差によるキャンバー制御に関する発明では、圧延材の入側板厚が板幅方向に不均一であったり、圧延材の温度分布が板幅方向に不均一な場合は、圧延荷重の左右差からキャンバーを推定する方法は極めて精度が悪くなったりして実用的ではない。
特許文献4に記載の、入側エッジャーロール、入側サイドガイドおよび出側サイドガイドによるキャンバー制御に関する発明では、出側サイドガイドが出側圧延材を完全に拘束することができれば出側キャンバーを零とすることが可能となるが、圧延操業を円滑に実施するには出側サイドガイドを圧延材板幅より広げておく必要があり、この余裕代の分だけ圧延材にキャンバーを生じることになる。
上記したような従来技術の問題は、結局、種々の原因によって発生するキャンバーを高精度かつ時間遅れなく測定、制御する方法がないことに起因していると言える。
上記技術の問題点を解決できる可能性のある技術として、特許文献5に記載の、圧延方向力左右差によるキャンバー制御の技術がある。この技術は、キャンバーの原因となる伸び率の左右差に起因して材料に作用するモーメントを作業ロールチョックに作用する圧延方向力の左右差として直接検出し、圧下レベリング制御するもので、外乱の影響を受けずかつ時間遅れなく測定、制御が実現できる。
一般に、圧延によってキャンバーを生ずる原因としては、ロールギャップ設定不良、圧延材の入側板厚左右差あるいは変形抵抗左右差等があげられるが、何れの原因の場合でも、最終的には、圧延によって生じる圧延方向の伸び歪に左右差を生じることで先進率および後進率が板幅方向に変化し、圧延材の出側速度および入側速度に左右差を生じキャンバーを生じることになる。このとき、例えば、圧延材先端部圧延時は、既に圧延が終了した出側の圧延材長さは短いので出側速度に左右差を生じることは比較的自由であるが、入側速度に左右差を生じるためには入側に存在する圧延材全体を水平面内で剛体回転させる必要がある。しかしながら先端部圧延時は一般に入側に長い未圧延材が残っているので、圧延材自身の重量とテーブルローラーとの摩擦によって、上記剛体回転に抗するモーメントが発生する。このモーメントは、圧延機の作業ロールに反力として伝わることになるので、作業ロールチョック部に作用する圧延方向力に左右差を生じることで最終的には支持されることになる。
上記のような先端部圧延時の主として入側圧延材から作用するモーメントは、作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力を測定して、作業側の圧延方向力と駆動側の圧延方向力との差異すなわち圧延方向力左右差を演算することで検知できる。このモーメントは、上記したようにキャンバー発生の原因となる伸び歪の左右差が生じたときにのみ発生し、しかも伸び歪差の発生とほぼ同時に該モーメントも発生するので、上記圧延方向力左右差を小さくする方向に、当該圧延機のロール開度の左右非対称成分すなわち圧下レベリングを操作することで、キャンバーの発生を未然に防止することが可能となる。
上記の原理は、圧延材尾端部圧延時も同様であり、尾端部圧延時は、既に圧延が終了した出側の圧延材長さが長いので、伸び歪そして先進率の左右差を生じようとしたときに主として出側圧延材からこれに抗するモーメントが発生し、これが作業ロールに反力として伝達されるので、この場合も作業ロールチョックに作用する圧延方向力の左右差を測定・演算することで伸び歪の左右差の発生を検知することができ、該圧延方向力左右差を小さくする方向に当該圧延機のロール開度の左右非対称成分すなわち圧下レベリングを操作することで、尾端部におけるキャンバーの発生も未然に防止することが可能となる。
以上のような原理に基づき、作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力を測定して、作業側の圧延方向力と駆動側の圧延方向力との差異すなわち圧延方向力左右差を演算し、この圧延方向力左右差を小さくする方向に、当該圧延機の圧下レベリングを操作する圧延方法が特許文献5に記載の発明として開示されている。
特開平4−305304号公報 特開平7−214131号公報 特開2001−105013号公報 特開平8−323411号公報 国際公開WO2004−082860号公報
しかしながら、特許文献5において開示された発明では、作業ロールチョックの作業側と駆動側の圧延方向の入側と出側に作用する圧延方向力を測定するために、作業ロールチョックの作業側と駆動側の入側と出側の双方に荷重検出装置の設置または入側と出側の片方に油圧アクチュエータが備わった設備の場合は圧力センサともう片方に荷重検出装置の設置が必須となるため、このような測定装置がすべて備わっていない圧延機では上述のキャンバー制御は適用することができないといった懸念があった。
そこで、本発明は、以上のキャンバー制御に関する従来技術の問題点を有利に解決して、キャンバーのない、あるいは極めてキャンバーの軽微な金属板材を従来に比べ簡易的な設備で、安定して製造することのできる、金属板材の圧延方法および圧延装置を提供することを目的とするものである。
発明者らは、鋭意研究の末に、上記懸念を解決する手段として以下のような知見を得た。すなわち、補強ロールを基準として作業ロールをオフセットすることによって、オフセットした側の作業ロールチョックに常に圧延方向の力(以下、オフセット分力ともいう)が作用するので、この圧延方向の力すなわちオフセット分力を作業側と駆動側で測定し、このオフセット分力の作業側と駆動側の差異に基づいて圧下レベリング制御することで作業ロールチョックの圧延方向の入側と出側の双方に荷重検出装置が備わっていない圧延機、つまり、従来に比べ簡易的な設備においても圧延方向力左右差によるキャンバー制御が実施できることを知見した。
上記したような従来技術の問題点を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)少なくとも作業ロールと補強ロールとを有する金属板材の圧延機を用いて行う金属板材の圧延方法において、前記補強ロールを基準としてオフセットさせ、そのオフセットしている側の前記作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力(以下、オフセット分力ともいう)を測定し、該オフセット分力の作業側と駆動側との差異を演算し、この差異に基づいて前記圧延機のロール開度の左右非対称成分を制御することを特徴とする、金属板材の圧延方法。
(2)少なくとも作業ロールと補強ロールを有する金属板材の圧延機を含む圧延装置において、前記作業ロールのオフセットしている側の作業側と駆動側のロールチョックに荷重検出装置を有し、当該荷重検出装置が前記補強ロールを基準としてオフセットしている側の前記作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用するオフセット分力を測定する機能を有することを特徴とする、金属板材の圧延装置。
(3)前記荷重検出装置による測定値に基づいて前記作業ロールチョックに作用するオフセット分力の作業側と駆動側の差異を演算する演算装置と、該演算値に基づいて前記圧延機のロール開度の左右非対称成分制御量を演算する演算装置と、前記ロール開度の左右非対称成分制御量の演算値に基づいて前記圧延機のロール開度を制御する制御装置を有することを特徴とする、前記(2)に記載の金属板材の圧延装置。
(1)に記載の本発明の金属板材の圧延方法では、上記のような問題を解消するために、該補強ロールを基準としてオフセットしている側の該作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用するオフセット分力を測定し、該オフセット分力の作業側と駆動側との差異を演算し、この差異すなわちオフセット分力左右差を小さくする方向に圧下レベリング制御を実施することでキャンバーを制御する方法を提案している。このオフセット分力は、補強ロールを基準として作業ロールをオフセットすることで、常にオフセットした側の作業ロールチョックに作用するので、オフセットした側のみの作業ロールチョックに荷重検出装置を備えることで測定することができる。さらにこれによって、圧延方向入側と出側の双方に荷重検出装置が備わっていない従来に比べ簡易的な設備においても、上述のキャンバー制御を実施でき、従来に比べ荷重検出装置の削減が可能となるため、設備のコストの低減が実現できる。
以上のように、(1)に記載の本発明の金属板材の圧延方法では、作業側と駆動側の圧延方向の力すなわちオフセット分力を測定し、このオフセット分力左右差を小さくする方向に圧下レベリング制御を実施することで、キャンバー発生の直接原因となる圧延による伸び歪の左右差の正確な検出・測定ができ、これを均一化するための圧下レベリング操作を実施することにより、実質的にキャンバー発生のない、あるいは極めてキャンバーの軽微な圧延が実現可能となる。
次に、(1)に記載の本発明の金属板材の圧延方法を実施するための圧延装置に関する本発明の効果について説明する。
(2)に記載の本発明の金属板材の圧延装置では、補強ロールを基準としてオフセットしている側の作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに荷重検出装置が備えられているので、作業側および駆動側それぞれのロールチョックに作用する圧延方向の力すなわちオフセット分力を求めることができる。これら作業側ロールチョックに作用するオフセット分力と駆動側ロールチョックに作用するオフセット分力の差異を演算することで、(1)に記載の金属板材の圧延方法を実施することが可能となる。
(3)に記載の本発明の金属板材の圧延装置では、(2)に記載の圧延装置に加え、以下の機能を有する。
1)作業ロールチョックに作用するオフセット力の作業側と駆動側の差異を演算する演算装置を備えられているので、作業側ロールチョックに作用するオフセット分力と駆動側ロールチョックに作用するオフセット分力の差異すなわちオフセット分力左右差を演算することができる。
2)オフセット分力左右差を求めることによって、キャンバーの原因となる圧延方向の伸び歪の左右差に起因して圧延材より作業ロールに作用するモーメントを検出することができる。
3)オフセット分力左右差に基づいて伸び歪を左右均等化するための圧延機のロール開度の左右非対称成分制御量を演算する演算装置と、該ロール開度の左右非対称成分制御量の演算値に基づいて該圧延機のロール開度を制御する制御装置が配備されているので、オフセット分力左右差に基づくキャンバー制御が実施できる。
結局、以上の機能によって、(1)に記載の金属板材の圧延方法を実施することが可能となり、伸び歪の左右差の発生を未然に防ぎ、キャンバーのない、あるいは極めてキャンバーの軽微な金属板材を圧延することが可能となる。
以上のように、本発明の圧延方法および圧延装置を用いることによって、従来より簡易的な設備で、キャンバーのない、あるいは極めてキャンバーの軽微な金属板材を安定して製造することが可能となり、金属板材の圧延工程の生産性、歩留の大幅な向上および設備コストの低減が実現できる。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。
図1には、(1)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置または(2)若しくは(3)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態を示す。尚、図1は基本的に作業側の装置構成のみを図示しているが、駆動側にも同様の装置が存在する。上補強ロール3を基準として上作業ロール1が出側にオフセットしている。圧延機の上作業ロール1に作用するオフセット分力は基本的には上作業ロールチョック5によって支持されるが、上作業ロールチョックのオフセット側には上作業ロールオフセット側荷重検出装置9が配備されており、上作業ロールチョックを圧延方向に固定しているプロジェクトブロック(図示せず)等の部材と上作業ロールチョックの間に作用する力を測定することができる。オフセット分力は、常にオフセット側の圧延方向に作用するので(ここでは出側)、オフセット側と反対側(ここでは入側)に荷重検出装置がなくても、上作業ロールチョック5の圧延方向に作用する力すなわちオフセット分力を算出することができる。
また、これらの荷重検出装置は圧縮力のみを測定する構造とすれば良いので装置構成を簡単で安価にすることが可能となる。その上、オフセット側のみに荷重検出装置を配置すれば良いので従来に比べ荷重検出装置が削減でき、設備コスト及びその設置のための改造コストの低減が実現できる。さらに下作業ロール2に作用するオフセット分力についても、下作業ロールチョック6のオフセット側に配備された下作業ロールオフセット側荷重検出装置10の測定値に基づき、下作業ロールチョック6に作用するオフセット分力を演算する。次に作業ロールオフセット分力上下合力演算装置12において、上作業ロールオフセット側荷重検出装置9の測定値と下作業ロールオフセット側荷重検出装置10の測定値の和をとることによって、上下作業ロールに作用するオフセット分力上下合力を算出する。上記のような手続きは作業側のみならず駆動側も全く同じ装置構成で演算を実施し、その結果が駆動側の作業ロールオフセット分力上下合力13として得られる。そして作業側−駆動側オフセット分力差演算装置15によって作業側の演算結果と駆動側の演算結果との差異が計算され、これによって作業ロールチョックに作用する圧延方向力の作業側と駆動側の差異すなわちオフセット分力左右差が計算されることになる。オフセット分力は、一般に圧延荷重と共に増加するが、本発明のキャンバー制御においては、オフセット分力の作業側と駆動側の差異として利用するので、この影響はキャンセルされる。また、オフセット分力を発生させるための作業ロールのオフセットについては、オフセット分力がキャンバー発生で生じる圧延方向力より大きくなるように圧延荷重等の操業条件に基づき適切な値に設定すれば良い。次に、該オフセット分力左右差の演算結果に基づいて、圧下レベリング制御量演算装置16において、オフセット分力左右差を適正な目標値にしキャンバーを防止するための圧延機のロール開度の左右非対称成分制御量を演算する。ここでは、前記オフセット分力左右差に基づいて、例えば、比例(P)ゲイン、積分(I)ゲイン、微分(D)ゲインを考慮したPID演算によってロール開度の左右非対称成分制御量を演算する。そしてこの制御量演算結果に基づいて、圧下レベリング制御装置17によって圧延機のロール開度の左右非対称成分を制御することで、従来より簡易的な設備で、キャンバー発生のない、あるいは極めてキャンバーの軽微な圧延が実現できる。
図2には、(1)に記載の本発明の圧延方法に関する圧延装置または(2)若しくは(3)に記載の本発明の圧延装置の他の好ましい実施の形態を示す。図2の実施形態では、図1の実施形態に比べて、下作業ロールチョックに作用するオフセット分力の検出装置および演算装置を省略している。一般に伸び歪の左右差に起因して圧延材から作業ロールに作用するモーメントは、必ずしも上下作業ロールに均等に作用するとは限らないが、その時系列変化挙動については、上下作業ロールで傾向が逆転することはない。したがって、作業側−駆動側オフセット分力差演算装置15において、作業側の上作業ロールオフセット側荷重検出装置9の測定値と駆動側の上作業ロールオフセット側荷重検出装置測定値14の差を演算し、圧下レベリング制御量演算装置16において適正な制御ゲインを設定することによって、上下どちらか一方の作業ロールに作用するオフセット分力左右差に基づく良好なキャンバー制御を実現することができる。
図3には、(2)または(3)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態を示す。図3の圧延装置では、ハウジングに固定されたプロジェクトブロック21、22に内蔵されたロールバランス装置(図示せず)によって作業ロールチョックが鉛直方向に支持されている。上作業ロール1は上補強ロール3を基準として出側にオフセットしている。そして上作業ロールチョック5に作用するオフセット分力を測定するため、オフセット側のプロジェクトブロック21と上作業ロールチョック5との間に上作業ロールオフセット側荷重検出装置9が配備されている。また、下作業ロール2は下補強ロール4を基準として出側にオフセットしている。そして、下作業ロールチョック6に作用するオフセット分力を測定するため、オフセット側のプロジェクトブロック21と下作業ロールチョック6との間に下作業ロールオフセット側荷重検出装置10が配備されている。このようにオフセット分力は、常にオフセットした側の作業ロールチョックに作用するので、オフセットした側のみの作業ロールチョックに荷重検出装置を備えることで作業ロールチョックの圧延方向に作用する力を正確に測定することが可能となる。
図4には、(2)または(3)に記載の本発明の圧延装置の他の好ましい実施の形態を示す。図4の圧延装置では、上補強ロールチョック7が上作業ロールチョック5を抱え込んだ型式となっている。この場合、上作業ロール1は上補強ロール3を基準として出側にオフセットしているので、上作業ロールチョック5に作用するオフセット分力を測定するため上作業ロールチョック5と上補強ロールチョック7との間に上作業ロールオフセット側荷重検出装置9を配備している。この場合もオフセット分力は、常にオフセットした側の作業ロールチョックに作用するので、オフセットした側のみの作業ロールチョックに荷重検出装置を備えることで作業ロールチョックの圧延方向に作用する力を正確に測定することが可能となる。
図1に示した圧延機を用いて、本発明の(1)に記載の板圧延方法を適用した場合の実施例について説明する。
表1には、本発明のオフセット分力左右差に基づくキャンバー制御を先端部および定常部に適用した場合のキャンバーの実測値を示す。また、表1には比較例1として、同一の寸法および圧延条件の圧延材について、圧延方向入側と出側の双方に荷重検出装置が備わっている圧延機において入側と出側の荷重検出装置の測定値から圧延方向力を算出し作業側と駆動側の圧延方向力の差異に基づきキャンバー制御を行った場合の先端部および定常部のキャンバーの実測値、並びに、比較例2として、従来のサイドガイドによるキャンバー制御を行った場合の先端部および定常部のキャンバーの実測値も一緒に示す。表1に示す通り、1mあたりのキャンバー実測値は、本発明および比較例1ともほぼ同一の値であることがわかる。また、本発明および比較例1のキャンバー実測値は、比較例2と比べ先端部、定常部共に小さかったことがわかる。
Figure 2007190579
以上のように、本発明の圧延方法および圧延装置を用いることによって、従来より簡易的な設備で、キャンバーのない、あるいは極めてキャンバーの軽微な圧延が実現できることが確認でき、従来に比べ荷重検出装置の省略が可能となったため、設備コスト及びその改造コストの低減が実現できた。
(1)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置または(2)若しくは(3)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態を模式的に示す図である。 (1)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置または(2)若しくは(3)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態を模式的に示す図である。 (2)または(3)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態を模式的に示す図である。 (2)または(3)に記載の本発明の圧延装置の他の好ましい実施の形態を模式的に示す図である。
符号の説明
1 上作業ロール
2 下作業ロール
3 上補強ロール
4 下補強ロール
5 上作業ロールチョック(作業側)
6 下作業ロールチョック(作業側)
7 上補強ロールチョック(作業側)
8 下補強ロールチョック(作業側)
9 上作業ロールオフセット側荷重検出装置(作業側)
10 下作業ロールオフセット側荷重検出装置(作業側)
11 圧下装置
12 作業ロールオフセット分力上下合力演算装置[加算器](作業側)
13 作業ロールオフセット分力合力(駆動側)
14 上作業ロールオフセット側荷重検出装置測定値(駆動側)
15 作業側−駆動側オフセット分力差演算装置
16 圧下レベリング制御量演算装置
17 圧下レベリング制御装置
18 金属板材
19 圧延方向
20 ミルハウジング
21 出側プロジェクトブロック
22 入側プロジェクトブロック
23 圧延荷重検出装置

Claims (3)

  1. 少なくとも作業ロールと補強ロールとを有する金属板材の圧延機を用いて行う金属板材の圧延方法において、前記補強ロールを基準としてオフセットさせ、そのオフセットしている側の前記作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力(以下、オフセット分力ともいう)を測定し、該オフセット分力の作業側と駆動側との差異を演算し、この差異に基づいて前記圧延機のロール開度の左右非対称成分を制御することを特徴とする、金属板材の圧延方法。
  2. 少なくとも作業ロールと補強ロールを有する金属板材の圧延機を含む圧延装置において、前記作業ロールのオフセットしている側の作業側と駆動側のロールチョックに荷重検出装置を有し、当該荷重検出装置が前記補強ロールを基準としてオフセットしている側の前記作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用するオフセット分力を測定する機能を有することを特徴とする、金属板材の圧延装置。
  3. 前記荷重検出装置による測定値に基づいて前記作業ロールチョックに作用するオフセット分力の作業側と駆動側の差異を演算する演算装置と、該演算値に基づいて前記圧延機のロール開度の左右非対称成分制御量を演算する演算装置と、前記ロール開度の左右非対称成分制御量の演算値に基づいて前記圧延機のロール開度を制御する制御装置を有することを特徴とする、請求項2に記載の金属板材の圧延装置。

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