JP2015193955A - 浮き出し模様を持つ三層構造不織布及びその製造方法 - Google Patents
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形状(以下、「略Y4形状」という。)であって、該ポリエステル長繊維相互間は熱融着によって結合されており、前記表面層を構成するコットン繊維は高圧水流の作用によって外方へ浮き出て、前記表面層に浮き出し模様が現れており、前記裏面層を構成するコットン繊維は外方へ浮き出ることなく、前記裏面層は平滑であることを特徴とする浮き出し模様を持つ三層構造不織布及びその製造方法に関するものである。
[ポリエステル不織布の製造例]
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)92mol%及びイソフタール酸(IPA)8mol%を用い、ジオール成分としてエチレングリコール(EG)100mol%を用いて共重合し、低融点ポリエステル(相対粘度〔ηrel〕1.44、融点230℃)を得た。この低融点ポリエステルに、結晶核剤として4.0質量%の酸化チタンを添加して、低融点ポリエステル樹脂を準備した。一方、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)100mol%とジオール成分としてエチレングリコール(EG)100mol%を用いて共重合し、高融点ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、相対粘度〔ηrel〕1.38、融点260℃)を準備した。そして、図7に示したノズル孔を用い、V字部に低融点ポリエステル樹脂を供給し、+字部に高融点ポリエステル樹脂を供給して、紡糸温度285℃、単孔吐出量8.33g/分で溶融紡糸した。なお、低融点ポリエステル樹脂の供給量と高融点ポリエステル樹脂の供給量の重量比は、1:2であった。
[長繊維不織布の製造]
融点260℃、極限粘度[η]0.70ポリエチレンテレフタレートを準備し、公知の溶融紡糸装置を用い、繊維の横断面が円形となる紡糸孔を30個備えた紡糸口金より、紡糸温度280℃でポリエステル長繊維を溶融紡出した。紡糸口金とエアーサッカーまでの距離は140cmに設定し、紡出長繊維をエアーサッカーに導入した。このとき、ひとつのエアーサッカーに30本の長繊維を導入した。そして、エアーサッカーにて、長繊維の繊度が3.0デシテックスとなるように紡糸速度5000m/分で牽引し、紡出長繊維は、開繊装置でばらばらになるように開繊させた後、コンベアネット上に捕集・堆積させて、長繊維ウェブを得た。得られた長繊維ウエブを、エンボスロール(エンボスロールの凸部の面積0.42mm2、面積率37%)とフラットロールとからなる熱エンボス装置に導き、両ロールの表面温度235℃、線圧490N/cmの条件下で部分的に熱圧接処理を施し、目付40g/m2の長繊維不織布を得た。この長繊維不織布は、構成繊維である長繊維の横断面が円形であるため、実施例1で用いたポリエステル不織布に比べて、高圧水流の通過性が劣り、また剛性も低いものであった。
実施例1で用いたポリエステル不織布に代えて、上記で得られた長繊維不織布を用いる他は、実施例1と同一の方法で三層不織布を得た。
得られた三層不織布は、中央に配した長繊維不織布が高圧水流を十分に通過させずに、しかも低剛性であるため、8.33MPaの圧力で噴射された高圧水流によって、長繊維不織布が金属製孔開き板の穿孔に対応して図6の如き態様で変形し、コットン表面ウェブに明確な浮き出し模様が形成されなかった。また、コットン裏面ウェブも、長繊維不織布が低剛性であるため、8.33MPaの圧力で噴射された高圧水流によって、図6の如き態様で変形し、平滑な状態を維持していなかった。
[長繊維不織布の製造]
チーグラナッタ系重合触媒を用いて重合された、メルトフローレート25g/10分、密度0.958g/cm3及び融点130℃の高密度ポリエチレンを準備した。一方、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)100mol%とジオール成分としてエチレングリコール(EG)100mol%を用いて共重合し、高融点ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、相対粘度〔ηrel〕1.38、融点260℃)を準備した。そして、公知の芯鞘型紡糸孔を備えた溶融紡糸装置にて、紡糸温度285℃、単孔吐出量2.54g/分で鞘部がポリエチレンで芯部がポリエステルの横断面円形である芯鞘複合型長繊維を溶融紡糸した。なお、高密度ポリエチレンの供給量と高融点ポリエステルの供給量の重量比は、1:2であった。紡糸孔から排出された複合型長繊維を、2m下のエアーサッカー入口に導入し、複合型長繊維の繊度が6.6デシテックスとなるように牽引した。エアーサッカー出口から排出された複合型長繊維を開繊装置にて開繊した後、移動するネット製コンベア上に集積し、長繊維ウェブを得た。この長繊維ウェブを、表面温度が120℃のエンボスロール(各エンボス凸部先端の面積は0.7mm2で、ロール全面積に対するエンボス凸部の占める面積率は15%)とフラットロールからなる熱融着装置に導入し、両ロール間の線圧300N/cmの条件で熱融着して、目付15g/m2の鞘部がポリエチレン、芯部がポリエステルの芯鞘型複合長繊維からなる長繊維不織布を得た。この長繊維不織布は、構成繊維である複合型長繊維の横断面が円形であるため、実施例1で用いたポリエステル不織布に比べて、高圧水流の通過性が劣り、また剛性も低いものであった。特に、低目付であるため、比較例1で用いた長繊維不織布に比べて、剛性の低いものであった。
実施例1で用いたポリエステル不織布に代えて、上記で得られた長繊維不織布を用いる他は、実施例1と同一の方法で三層不織布を得た。
得られた三層不織布は、中央に配した長繊維不織布が高圧水流を十分に通過させずに、しかも低剛性であるため、8.33MPaの圧力で噴射された高圧水流によって、長繊維不織布が金属製孔開き板の穿孔に対応して図8の如き態様で変形した。すなわち、長繊維不織布が比較例1のものに比べても低剛性であるため、コットン裏面ウェブも長繊維不織布自体も、8.33MPaの圧力で噴射された高圧水流によって、図8の如き態様で変形し、平滑な状態を維持していなかった。
2 略Y4形状で形成された凹部
3 略Y4形状で形成された凸部
4 略Y4形状で形成された小凹部
5 略Y4形状中の略+字部
6 略Y4形状中の略V字部
10 ポリエステル不織布
11 コットン表面ウェブ
12 コットン裏面ウェブ
13 孔開き板
14 孔開き板中の孔
20 長繊維不織布
Claims (4)
- ポリエステル長繊維で構成されてなるポリエステル不織布の表裏面に、コットン繊維を主体として構成されてなる表面層及び裏面層が積層されてなり、表面層及び裏面層を構成する該コットン繊維は、該ポリエステル長繊維と高圧水流によって交絡されている三層構造不織布であって、
前記ポリエステル長繊維層を構成するポリエステル長繊維の横断面形状は、略Y字の下端で上下左右に連結した
形状(以下、「略Y4形状」という。)であって、該ポリエステル長繊維相互間は熱融着によって結合されており、
前記表面層を構成するコットン繊維は高圧水流の作用によって外方へ浮き出て、前記表面層に浮き出し模様が現れており、
前記裏面層を構成するコットン繊維は外方へ浮き出ることなく、前記裏面層は平滑であることを特徴とする浮き出し模様を持つ三層構造不織布。 - 略Y4形状の各々の略V字部が低融点ポリエステルよりなり、その他の略+字部が高融点ポリエステルよりなる複合型ポリエステル長繊維よりなる請求項1記載の浮き出し模様を持つ三層構造不織布。
- 低融点ポリエステルの熱融着によって、ポリエステル長繊維相互間が結合されている請求項2記載の浮き出し模様を持つ三層構造不織布。
- 横断面形状が略Y4形状であるポリエステル長繊維を構成繊維とし、該ポリエステル長繊維相互間は熱融着によって結合されてなるポリエステル不織布の表裏面に、コットン繊維を主体として集積されてなるコットン表面ウェブ及びコットン裏面ウェブを積層してなる三層構造ウェブを準備する工程、
前記三層構造ウェブの前記コットン表面ウェブ側から高圧水流を施して、前記コットン表面ウェブを構成しているコットン繊維と前記ポリエステル長繊維とを交絡させる工程、 前記三層構造ウェブの前記コットン裏面ウェブ側から高圧水流を施して、前記コットン裏面ウェブを構成しているコットン繊維と前記ポリエステル長繊維とを交絡させる工程及び、
前記コットン表面ウェブに孔開き模様を有する孔開き板を当接させて、コットン裏面ウェブ側から、前記各高圧水流よりも高い圧力の高圧水流を施して、前記コットン表面ウェブを構成するコットン繊維を孔開き板の孔開き模様中に押し込める工程を具備することを特徴とする浮き出し模様を持つ三層構造不織布の製造方法。
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