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JP2010102818A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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JP2010102818A JP2009202024A JP2009202024A JP2010102818A JP 2010102818 A JP2010102818 A JP 2010102818A JP 2009202024 A JP2009202024 A JP 2009202024A JP 2009202024 A JP2009202024 A JP 2009202024A JP 2010102818 A JP2010102818 A JP 2010102818A
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Abstract

【課題】走行安定性に優れ、且つ、ドロップアウト、エラーレートの悪化、及び、S/N低下の原因となる磁性層表面への裏写りによる凹みを低減した、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】非磁性支持体の一方の面上に非磁性粉末と結合剤を含有する非磁性層、及び、強磁性粉末と結合剤を含有する磁性層をこの順に有し、該支持体の他方の面上にバックコート層を有する磁気記録媒体であって、該バックコート層は、バックコート層中で実質的にストラクチャー又は二次凝集体を形成していない、平均一次粒子径(D50)が0.05〜1.0μmの粒子を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、走行安定性に優れ、かつ、ドロップアウト,エラーレートの悪化、及び、S/N低下の原因となる磁性層表面への裏写りによる凹みを低減した、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体に関する。
磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオテープなどの磁気テープ、又は、フレキシブルディスクなどの磁気ディスクの分野で広く用いられている。これら磁気記録媒体のうち磁気テープは、PET,PENなど非磁性支持体の一方の面上に、磁性塗料や金属蒸着膜などから構成される磁性層を設けると共に、この非磁性支持体の他方の面上にカーボンブラックを含む非磁性粉末を結合剤中に分散させたバックコート層を設けたものが主流である。バックコート層の表面は、通常、カーボンブラックにより粗面化されており、バックコート層の表面と接する製造工程やドライブシステムなどとの摩擦係数の調整、更には、テープの巻き取り過程で起こる、同伴エアーによる巻き崩れの防止など、走行安定性を改良する効果がある。
バックコート層を有する磁気テープとしては、オーディオ用、ビデオ用、コンピュータのデータバックアップ用のテープなどが挙げられる。これらのうち、例えばデータバックアップ用テープは、近年、記録情報の多様化・大容量化に伴い、高記録容量のものが商品化されている。
これら磁気テープの記録容量を高めるには、(i)記録波長を短くしたり、またトラック幅を狭くしたりすることで単位面積当たりの記録密度を上げる手法、(ii)テープの総厚を薄くし、1巻当たりのテープ長を長くする手法、などが用いられる。
(i)では、磁気記録媒体から漏れる磁束が小さくなるため、磁性層と磁気ヘッドとのスペーシングを減らす必要がある。例えば、磁性層の表面に大きな突起やへこみが存在すると、スペーシングロスによる出力低下が起こり、ドロップアウト,エラーレートの悪化、S/N低下の原因となる。このような出力低下を改善するために、高容量データバックアップ用テープの磁性層の表面は、極めて平滑である必要がある。
しかし、通常、磁気テープはコア状のものやカセットハブなどにロール状態に巻かれるため、製造工程,エージング(熱処理など),保管の際に磁性層とバックコート層が接触し、バックコート層表面の凹凸の状態が磁性層の表面に転写(いわゆる、裏写り)して、磁性層の表面が粗面化してしまう。このようにして写った磁性層表面の凹凸は、スペーシングロスによる出力低下をもたらし、その結果、ドロップアウト,エラーレートの悪化、S/N低下の原因となる。
一方、バックコート層表面の凹凸が磁性層の表面に写るのを低減するために、バックコート層の表面を平滑にすると、バックコート層の表面と、それと接する製造工程やドライブシステムなどとの摩擦係数が上がったり、磁気テープの巻き取り過程で起こる、同伴エアーによる巻き崩れが発生したりして、走行安定性が悪化する。
これまでにも、走行安定性の向上と、裏写り防止による電磁変換特性の向上と、を両立させることが企図されてきた。例えば、特許文献1〜6には、バックコート層の中に平均粒子径の異なるカーボンブラックを少なくとも2種類以上含有させる技術が提案されている。
(ii)では、磁気テープに用いる非磁性支持体や、塗布層(バックコート層、磁性層、非磁性層など)の膜厚を薄くすることが行われる。例えば、特許文献7には、比較的薄い膜厚でも表面凹凸が磁性層表面へ転写しにくいバックコート層の提案もなされている。
しかしながら、これまで以上に高容量化が求められる磁気記録媒体においては、走行安定性の向上と、裏写り防止による電磁変換特性の向上と、を両立することは難しかった。
それは、バックコート層の表面を粗面化するのに用いるカーボンブラックがバックコート層の中でストラクチャーや二次凝集体を形成しており、バックコート層の表面に、直径が大きく、高さが高い突起を形成しやすく、そのような突起が磁性層の表面に転写(いわゆる、裏写り)して、磁性層の表面に直径が大きく、深い凹みを形成することが原因であった。
特開平2−7223号公報 特開平2−141925号公報 特開平9−270115号公報 特開平9−115134号公報 特開2006−155695号公報 特公平4−81256号公報 特開2005−222644号公報
このような実状のもとに本発明は創案されたものであり、その目的は、走行安定性に優れ、かつ、ドロップアウト、エラーレートの悪化、及び、S/N低下の原因となる磁性層表面への裏写りによる凹みを低減した、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を提供することにある。
上記目的を達成する手段は、以下の通りである。
[1]非磁性支持体の一方の面上に非磁性粉末と結合剤を含有する非磁性層、及び、強磁性粉末と結合剤を含有する磁性層をこの順に有し、該支持体の他方の面上にバックコート層を有する磁気記録媒体であって、該バックコート層は、バックコート層中で実質的にストラクチャー又は二次凝集体を形成していない、平均一次粒子径(D50)が0.05〜1.0μmの粒子を含有することを特徴とする磁気記録媒体。
[2]該粒子の平均一次粒子径(D50)が0.1〜0.6μmであることを特徴とする[1]に記載の磁気記録媒体。
[3]非磁性支持体の一方の面上に非磁性粉末と結合剤を含有する非磁性層、及び、強磁性粉末と結合剤を含有する磁性層をこの順に有し、該支持体の他方の面上にバックコート層を有する磁気記録媒体であって、該バックコート層は、粒度分布値(D25/D75)が2.0以下の球状粒子を含有することを特徴とする[1]又は[2]に記載の磁気記録媒体。
[4]該粒度分布値(D25/D75)が1.5以下であることを特徴とする[3]に記載の磁気記録媒体。
[5]該粒子が、分級処理により粒度分布値(D25/D75)が2.0以下に調整されていることを特徴とする[3]又は[4]に記載の磁気記録媒体。
[6]該粒子が、架橋構造を有するポリマー粒子であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
[7]該粒子が、アクリル、スチレン、ジビニルベンゼン、ベンゾグアナミン、メラミン、ホルムアルデヒド、ブタジエン、アクリロニトリル、クロロプレンから選ばれる少なくとも1つの成分を含有するポリマー粒子であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
[8]該粒子が熱可塑性を有し、該粒子のガラス転移温度(Tg)又は軟化温度が、20〜160℃であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
[9]該粒子が、シード粒子を含む水分散体において、該シード粒子に架橋、又は、重合性モノマーを吸着させながら乳化重合することによって得られるポリマー粒子であることを特徴とする[1]〜[8]のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
[10]該粒子が二酸化珪素を主成分とする無機粒子であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
[11]該バックコート層が比表面積30m/g未満のカーボンブラックを含有しないことを特徴とする[1]〜[10]のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
[12]該磁性層、非磁性層及びバックコート層に含有される残留溶剤量の総和が0.1〜25mg/gであることを特徴とする[1]〜[11]のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
[13]バックコート層を有する側の表面の押し込み硬度が、磁性層を有する側の表面の押し込み硬度よりも低いことを特徴とする[1]〜[12]のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
[14]非磁性支持体が芳香族ポリアミドを主成分とする非磁性支持体、又は、少なくとも一方の表面に蒸着法で作製した非磁性の金属類、若しくは金属系無機化合物からなる皮膜を有する非磁性支持体であることを特徴とする[1]〜[13]のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
バックコート層の表面に走行安定性を付与するのに必要な突起を形成し、かつ、磁気記録媒体をコア状のものやカセットハブなどに巻いて、エージング(熱処理)、保存などを行っても、ドロップアウト,エラーレートの悪化、及び、S/N低下などの原因となる凹みを低減できる。
結果として、走行安定性、及び、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を提供することができる。
実施例3−1で作製したポリマー粒子Y−1の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の記載では、まず磁気記録媒体の各層について説明し、次いで磁気記録媒体の製造方法について説明し、最後に本発明に係る実施例について説明する。
(磁気記録媒体)
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体の一方の面上に非磁性粉末と結合剤を含有する非磁性層、及び、強磁性粉末と結合剤を含有する磁性層をこの順に有し、該支持体の他方の面上にバックコート層を有する磁気記録媒体である。
磁気記録媒体は高記録容量化を図るために総厚が10μm以下であることが好ましく、より好ましくは8μm以下、特に好ましくは7μm以下である。
(バックコート層)
本発明に用いられるバックコート層は、バックコート層中で実質的にストラクチャー(複数の一次粒子同士が、融合などにより大きな構造体を形成した粒子)や二次凝集体を形成していない、平均一次粒子径(D50)が0.05〜1.0μmの粒子を少なくとも1種類以上含有することを特徴としている。
ここで、平均一次粒子径(D50)とは、大粒子側から体積を換算し、総体積に対して50%を示す粒径であり、塗膜中で実質的に一次粒子として存在するとは、バックコート層に存在する100箇所の粒子において、バックコート層中での粒子の存在状態を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、表面観察、及び、断面観察を行い、粒子がストラクチャーや二次凝集体を形成して存在する箇所が2箇所以下であることを意味する。
粒子がバックコート層中でストラクチャーや二次凝集体を形成せず、一次粒子として存在することで、バックコート層の表面に大きな突起を形成することを防止することができる。結果として、製造工程、エージング(熱処理)、及び、保管において、磁気記録媒体がコア状のものやカセットハブなどにロール状態に巻かれた際に、バックコート層表面の粗大な突起の形状が磁性層の表面に転写(いわゆる、裏写り)して、磁性層の表面に大きな凹みができることを防止することができる。
バックコート層に用いる上記粒子の平均一次粒子径(D50)は、好ましくは0.1〜0.7μm、更に好ましくは0.1〜0.6μm、特に好ましくは0.2〜0.5μmである。
また、上記粒子の平均一次粒子径(D50)は、バックコート層の膜厚の0.2倍〜1.5倍であることが好ましく、より好ましくは0.3倍〜1.3倍、更に好ましくは0.5倍〜1.2倍、特に好ましくは0.75倍〜1.1倍である。
上記粒子は一次粒子の粒度分布が狭い方が好ましい。粒度分布が広いとサイズが大きい一次粒子の存在頻度が増加し、そのような粒子はバックコート層の表面に大きな突起を形成するので、磁性層の表面に大きな凹みを形成しやすくなる。粒度分布値(D25/D75)は小さいほどよく、好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.5以下、特に好ましくは1.3以下、最も好ましくは1.2以下である。
ここで、粒度分布値(D25/D75)は、大粒子側から体積を換算し、総体積に対して75%を示す粒径(D75)と25%を示す粒径(D25)との比(D25/D75)として算出することができる。
粒度分布が狭いほど、バックコート層の表面にサイズや形状が極めて均一な突起を形成することができるので、バックコート層の表面と接する製造工程やドライブシステムなどとの摩擦係数の調整、更には、テープの巻き取り過程で起こる、同伴エアーによる巻き崩れの防止など、走行安定性を改良する効果が高まると共に、磁性層の表面に大きな凹みが増えることも低減できる。
上記粒子の平均一次粒子径や粒度分布を制御するために、粒子に分級処理を施すことも好ましい。分級処理に関しては、公知の乾式分級法、湿式分級法を用いることができ、平均一次粒子径や粒度分布を効果的に調整する点では、湿式分級法が特に好ましい。
上記粒子の形状としては、不定形粒状、略球状、球状であることが好ましく、より好ましくは略球状、球状、特に好ましくは球状である。粒子がこのような形状をとることで、バックコート層の表面に、形状が極めて均一な突起を形成することができる。
上記粒子の具体例としては、公知のポリマー粒子や無機粒子が挙げられる。ポリマー粒子を用いる場合、ポリマー粒子は架橋構造を有していることが好ましい。通常、バックコート層の作製には、汎用の有機溶剤(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールのようなアルコール系溶剤、トルエンなど)を含有するバックコート層作製用の塗布液を用いるため、塗布液中に含有する溶剤に溶解しないことが好ましい。
ポリマー粒子としては、アクリル、スチレン、ジビニルベンゼン、ベンゾグアナミン、メラミン、ホルムアルデヒド、ブタジエン、アクリロニトリル、クロロプレン、含フッ素ポリマーなどから選ばれる少なくとも1つの成分を含有するポリマー粒子であることが好ましく、より好ましくは、アクリル、スチレン、ジビニルベンゼンを含有するポリマー粒子、特に好ましくは、アクリル、スチレンを含有するポリマー粒子である。このような成分を含有することで、平均一次粒子径や粒度分布が制御しやすく、また、バックコート層中でストラクチャーや二次凝集体を形成しにくいポリマー粒子を作製しやすい。
ポリマー粒子は、熱可塑性を有することが好ましい。磁気記録媒体の磁性層の表面は、コア状のものやカセットハブなどにロール状態に巻いて熱処理した際に特に凹みが生成しやすい。これは、熱処理により非磁性支持体の収縮がおこり、磁性層とバックコート層の接触面の面圧力が高くなるためである。
ポリマー粒子が熱可塑性を有することで、磁気記録媒体がコア状のものやカセットハブなどにロール状態に巻いて熱処理した際に、磁性層とバックコート層の間にかかる面圧力に応じてポリマー粒子の形状が変化し、磁性層表面が、ポリマー粒子が形成する突起から受ける圧力が低減する。結果として、バックコート層の表面の突起が磁性層の表面に転写(いわゆる、裏写り)して磁性層の表面に大きな凹みができるのを低減することができる。
ポリマー粒子が熱可塑性を有する場合、ポリマー粒子のガラス転移温度(Tg)、又は、軟化温度は、20〜160℃の範囲にあることが好ましい。更に好ましくは、40〜140℃であり、特に好ましくは50〜120℃である。
ポリマー粒子のガラス転移温度(Tg)、又は、軟化温度は、熱処理温度や保管の際の温度より若干高くても、磁性層、非磁性層、及び、バックコート層の中に含有される添加剤や残留溶剤によって可塑化されて、バックコート層に添加する前のポリマー粒子のガラス転移温度(Tg)、又は、軟化温度よりも低い温度で軟らかくなるため、凹みを低減する効果が発現する。
一方、ガラス転移温度(Tg)、又は、軟化温度が熱処理温度や保管の際の温度よりも過剰に高いと、磁性層とバックコート層の間にかかる面圧力に応じてポリマー粒子の形状が変化する効果が減り、凹みが低減する効果が減る。
また、ポリマー粒子のガラス転移温度(Tg)、又は、軟化温度が熱処理温度よりも過剰に低いと、ポリマー粒子と磁性層の表面が接着する可能性がある。更に、磁性層、非磁性層、バックコート層の乾燥工程、及び、カレンダ処理工程において使用される温度において、ポリマー粒子が軟らかくなりすぎるため、走行性を悪化させる原因となる。特に、シリコーンを主成分とするポリマー粒子は軟化温度が低いため好ましくない。
ポリマー粒子は、シード粒子を含む水分散体において、該シード粒子に架橋、又は、重合性モノマーを吸着させながら乳化重合することによって得られる粒子であることが好ましい。この重合方法(シード重合法)を用いることで、平均一次粒子径(D50)が1.0μ以下で、粒度分布値(D25/D75)が極めて小さいポリマー粒子を作製可能となる。
本発明に好ましく用いられるシード重合法で作製されるポリマー粒子、及び、作製方法は、例えば、特開2005−54108号公報、特開2005−281484号公報に記載されている。
ポリマー粒子は、粒子を作製する過程で、種々の添加剤(例えば、界面活性剤などの乳化剤,重合開始剤,連鎖移動剤,重合禁止剤,など)が用いられる。このような添加剤、更には、ポリマー粒子の作製過程で生成する副生成物(例えば、未架橋のモノマー,ポリマー、など)は、磁気記録媒体の作製において、様々な弊害(例えば、バックコート層から磁性層の表面へ、添加剤や副生成物が転写することによって引き起こされる電磁変換特性の悪化など)を生じる可能性がある。従って、バックコート層に添加する前に取り除くことが好ましい。例えば、ポリマー粒子を水やポリマー粒子を溶かさない有機溶剤等により洗浄し、取り除くことが好ましい。
市販のポリマー粒子としては、ケミスノー(架橋アクリル粒子、架橋ポリスチレン粒子など、綜研化学社製)、アドバンセル(架橋アクリル粒子など、積水化学工業社製)、エポスター(メラミン−ホルムアルデヒド縮合物粒子など、日本触媒社製)、リオスフィア(架橋アクリル粒子など、東洋インキ社製)、ファインスフェア(架橋アクリル粒子、架橋ポリスチレン粒子など、日本ペイント社製)、などがあげられる。
無機粒子としては、二酸化珪素(シリカ)、アルミナ、ジルコニアなどがあげられる。二酸化珪素は、公知の液相合成法や気相合成法で作製して、平均一次粒子径や粒度分布を制御しやすいので特に好ましい。また、アルミナ、ジルコニアも、気相合成法として知られる溶射法により球状の粒子を作製できる点で好ましい。
市販の無機粒子としては、シーホスター(二酸化珪素粒子など、日本触媒製)、アドマファイン(アルミナ粒子など、マイクロン社製)などがあげられる。
上記ポリマー粒子や無機粒子は、バックコート層の塗膜中でストラクチャーや二次凝集体を形成しないように、粒子の作製方法やバックコート層への添加方法など、適宜好ましい手法を用いる必要がある。
上記粒子は目的に応じて、一種類単独で用いても、複数の種類を併用して用いてもよい。
バックコート層には、その他にも種々の機能を付与することができる。例えば、帯電による塵埃などの付着を防止するために、通常、導電性が付与されている。
バックコート層に導電性を付与するためには、カーボンブラックを添加することが好ましい。しかし、カーボンブラックは、通常、粒度分布が広く、また、ストラクチャーや二次凝集体を形成しており、バックコート層の表面に大きな突起を形成しやすく、その大きな突起が裏写りにより磁性層の表面に大きな凹みを形成しやすい。従って、導電性を付与するためにバックコート層に添加するカーボンブラックは粒子サイズを考慮する必要がある。
カーボンブラックは、バックコート層中で大きな突起を形成しないものが良く、比表面積が30m/g以上であることが好ましい。つまり、比表面積が30m/g未満のカーボンブラックを含有しないことが好ましい。
バックコート層に用いるカーボンブラックの比表面積は、好ましくは50m/g以上であり、更に好ましくは100m/g以上、特に好ましくは150m/g以上である。但し、これらのカーボンブラックも添加方法に十分に注意を払う必要があり、ストラクチャーや二次凝集体の形成を極力低減できる方法を用いて、添加することが好ましい。
バックコート層に添加するカーボンブラックとしては、磁気記録媒体に通常使用されているカーボンブラックを広く用いることができる。例えば、ゴム用ファーネスブラック、ゴム用サーマルブラック、カラー用カーボンブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。
DBP吸油量は60〜400ml/100g、pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/ccであることがそれぞれ好ましい。
バックコート層に用いられるカーボンブラックについては、例えば、「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることができる。
市販のカーボンブラックの具体的な例としては、旭カーボン社製(#60、#70、#80、F200など)、三菱化学社製(#2400B、#2300、#900、#1000、#30、#40など)、昭和キャボット社製(N110、N220、N330、IP1000、IP2000など)、東海カーボン社製(シースト9、5H、6、3、116など)、があげられる。
カーボンブラックに対して分散剤などで表面処理を施してもよい。また、樹脂でカーボンブラックをグラフト化して使用してもよいし、カーボンブラックの表面の一部をグラファイト化して使用してもかまわない。また、カーボンブラックを予め結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは、一種類単独又は複数種類を併用して用いることができる。
バックコート層は更に微粒子無機粉末を添加することもできる。微粒子無機粉末としては、モース硬度が5〜9の無機粉末、例えば、α−酸化鉄、α−アルミナ、酸化クロム(Cr)、TiO等が好ましく、特にα−酸化鉄、α−アルミナを用いることが好ましい。これらの微粒子無機粉末を用いることで、バックコート層の耐擦傷性を向上することができる。微粒子無機粉末は、前記カーボンブラックと同様に、バックコート層の表面に大きな突起を形成しないものが好ましく、添加方法も適宜好ましい方法を用いる必要がある。
バックコート層は、塗膜としての強度を付与するために、上記粒子、カーボンブラック、微粒子無機粉末などに、結合剤を添加することが好ましい。
結合剤の使用量は、上記粒子、カーボンブラック、微粒子無機粉末の合計を100質量部とした場合に、40〜200質量部の範囲から選ばれることが好ましく、より好ましくは60〜180質量部であり、特に好ましくは80〜160質量部である。バックコート層の結合剤としては、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応性樹脂等を用いることができる。
本発明のバックコート層は、製造工程やドライブシステムなどとの摩擦係数の調整、テープの巻き取り過程で起こる同伴エアーによる巻き崩れの防止など、走行安定性の改良と磁性層表面の凹みの低減、の両者を両立する表面粗さに設計する必要がある。
バックコート層の中心線平均表面粗さ(Ra)は3〜30nmであることが好ましく、より好ましくは5〜25nm、更に好ましくは7〜20nm、特に好ましくは10〜20nmである。
バックコート層の表面には、150nm以上の高さの突起は存在しないことが好ましい。また、100〜150nmの高さの突起は、0.1mm面積当たり1〜100個であることがよく、好ましくは1〜50個、更に好ましくは1〜25個、特に好ましくは1〜15個である。また、円相当径が4μm以上の突起が無いことが好ましい。好ましくは円相当径で3μm以上の突起が無いこと、更に好ましくは円相当径で2μm以上の突起が無いこと、特に好ましくは円相当径で1.5μm以上の突起が無いことである。バックコート層の中心線平均表面粗さ(Ra)や突起数は、公知の原子間力顕微鏡(AFM)を用いて評価できる。
本発明のバックコート層表面の突起を上記のように制御することで、極めて平滑な表面の磁性層を有し、膜厚6μm以下で寸度安定性に優れた支持体(例えば、後述する芳香族ポリアミドを主成分とする非磁性支持体や、少なくとも一方の表面に蒸着法で作製した非磁性の金属類、若しくは金属系無機化合物からなる皮膜を有する非磁性支持体)を有するテープ状の高密度記録媒体において、特に優れた走行安定性を確保でき、かつ、ドロップアウト、エラーレートの悪化、及び、S/N低下の原因となる磁性層表面の裏写りによる凹みを低減することが可能となり、それは上記粒子を用いることで達成できる。
バックコート層を有する側の表面の押し込み硬度は、磁性層を有する側の表面の押し込み硬度よりも低いことが好ましい。バックコート層を有する側の表面が磁性層を有する側の表面よりも軟らかいことで、磁性層を有する側の表面がバックコート層の表面に存在する突起から受ける圧力が低減され、裏写りによる凹みが低減される。
裏写りによる凹みは、磁気記録媒体をコア状のものにロール状態に巻いて熱処理したり、リールに巻いてカートリッジに収納した磁気記録媒体を高温環境条件で保管したりした際に、非磁性支持体が収縮することによって起こる。従って、熱処理や保管環境における温度条件においてバックコート層を有する側の表面の押し込み硬度が、磁性層を有する側の表面の押し込み硬度よりも低いことが好ましい。
本発明における「押し込み硬度」は、公知の押し込み硬度の測定方法を用いて測定することができる。
例えば、特開2005−339607号公報の図3に示す圧子を用い、図4の定義に従って測定することが好ましい。
特開2005−339607号公報の図3では、三角錐状で、尖端部aの曲率半径が100nm、刃角度(α)が65°、稜間角(β)が115°の形状を有するダイヤモンド圧子が示されており、「押し込み硬度」は、その圧子を用いて、荷重6mgfでバックコート層を有する側の表面、又は、磁性層を有する側の表面に押し込んだときの負荷徐荷曲線に基づいて求められる。上記した特定形状の圧子を6mgfの荷重で押し込むと、圧子の尖端部aは層の表面から0.1μmの深さまで達することはなく、押し込み硬度特性を測定することができる。
尚、上記形状を有する圧子は、バーコビッチ(Verkovich)圧子として知られており、このバーコビッチ圧子を備え、荷重6mgfで測定できる測定装置としては、例えば、(株)エリオニクス製超微小押し込み硬さ測定機(型番:ENT−1100a)等を使用することができる。
特開2005−339607号公報の図4では、荷重を連続的に増加させてバーコビッチ圧子を試料に押し込み、荷重6mgfに達した時点で除荷した時のバーコビッチ圧子の変位量を示した負荷徐荷曲線を示したものである。図4において、曲線Aに示すように、荷重が増加するのに従って変位量も増加し、6mgfにて最大変位量(Hmax)を示す。そして、除荷すると、曲線Bに示すように徐々に変位量が減少する。押し込み硬度(DH)は、上記において求められた最大変位量(Hmax)と最大荷重(Pmax=6mgf)とから、下記(1)式により算出される。
DH=3.7926×10−2{Pmax/(Hmax)}(kg/mm
=0.37{Pmax/(Hmax)}(MPa)・・・(1)
(但し、Pmaxは最大荷重、Hmaxは圧子の最大変位量である。
バックコート層の表面電気抵抗値は、1.0×10Ω/□以下であることが好ましい。より好ましくは1.0×10〜1.0×10Ω/□、更に好ましくは1×10〜1×10Ω/□、特に好ましくは1×10〜5×10Ω/□である。バックコート層の表面電気抵抗値は、特開2008−77698号公報の図1に示す電極を用いて測定することができる。
バックコート層の表面電気抵抗値を適切に設定することで、磁気記録媒体の帯電を防止して、帯電により付着する埃やゴミが原因で発生するドロップアウトの発生を防止することができる。特に、磁気記録媒体は、低温・低湿度環境条件のように含水量が少ない雰囲気中で帯電しやすいので、バックコート層の表面電気抵抗値を上記のように調整することが好ましい。
本発明のバックコート層の膜厚は、0.1〜1.0μmであることが好ましい。磁気記録媒体の高容量化をはかるためには膜厚は薄い方が好ましく、より好ましくは0.2〜0.6μm、特に好ましくは0.2〜0.5μmである。
(非磁性支持体)
非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系支持体、ポリオレフィン系支持体、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、ポリベンゾオキサゾールなどの公知の非磁性支持体が使用できる。本発明では、特に安価であるポリエステル系支持体(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、高強度で、耐熱性や寸度安定性に優れたアラミド系支持体を非磁性支持体として使用することが好ましい。非磁性支持体には単層タイプ、及び、特開平3−224127号公報に示されるような積層タイプの非磁性支持体があり、どちらでも使用できる。
本発明で用いられる支持体は安価であることが好ましい。従って、本発明では、特にポリエステル系支持体を非磁性支持体として使用することが好ましい。
ポリエステルとは、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールのような脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるポリマーである。ポリマーはホモポリマーの他に、第三成分を含有した共重合体であっても構わない。この場合、ジカルボン酸成分として、例えばイソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、及びオキシカルボン酸(例えばp−オキシ安息香酸等)の一種又は二種以上を用いることが可能である。グリコール成分としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の一種又は二種以上を用いることができる。
本発明では、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等を主成分として含有するポリエステル系支持体が好ましい。PETやPENを非磁性支持体の主成分として採用する場合、全酸成分あるいは全グリコール成分に対し、第三成分としてイソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコールの中から選ばれる任意の成分を5モル%(モルパーセント)以上共重合させたポリマーを、非磁性支持体の主成分として用いることも好ましい。
非磁性支持体の主成分のガラス転移温度は100℃以上であることが好ましく、そのような観点からはPENが最も好ましい。PENを主成分とする非磁性支持体の望ましい例が、特開2005−329548号公報や特開2005−330311号公報などに記載されている。
本発明では、磁気記録媒体をコア状のものにロール状態に巻いて熱処理したり、リールに巻いてカートリッジに収納した磁気記録媒体を高温環境条件で保管したりした際に起こるバックコート層表面の突起の裏写りを防止するために、アラミド系支持体や、非磁性支持体(好ましくは、ポリエステル系支持体やアラミド系支持体)の少なくとも一方の表面に蒸着法で作製した非磁性の金属類、若しくは金属系無機化合物からなる皮膜を有する非磁性支持体を用いることが特に好ましい。
アラミド系支持体は、ポリエステル系支持体に比べて、熱処理で発生する体積収縮が少なくバックコート層表面の突起の裏写りを防止する効果が高い。また、非磁性支持体の少なくとも一方の表面に蒸着法で非磁性の金属類、若しくは金属系無機化合物からなる皮膜を付与することで、熱処理で発生する非磁性支持体の体積収縮を低減でき、バックコート層表面の突起の裏写りを防止する効果が高まる。
アラミド系支持体は、芳香族ポリアミドを主成分とすることが好ましい。芳香族ポリアミドとしては、下記一般式(I)及び、一般式(II)の少なくともいずれかで表される繰り返し単位を50モル%以上含むものが好ましく、70モル%以上含むものが特に好ましい。
一般式(I) −(−NH−Ar−NHCO−Ar−CO−)−
一般式(II) −(−NH−Ar−CO−)−
ここで、Ar 、Ar 、Ar は、例えば、
などが挙げられ、X、Yは、−O−,−CH−,−CO−,−SO−,−S−, −C(CH−等から選ばれるが、これに限定されるものではない。更にこれら芳香環上の水素原子の一部が、ハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基、C1〜C3のアルキル基(特にメチル基)、C1〜C3のアルコキシ基などの置換基で置換されているものも含み、また、重合体を構成するアミド結合中の水素が他の置換基によって置換されているものも含む。
特に、上記の芳香環がパラ位で結合されたものが、全芳香環の50%以上、好ましくは75%以上を占める重合体が、支持体の強度、耐熱性が良好となるため好ましい。また吸湿率を小さくする点からは、芳香環上の水素原子の一部がハロゲン基(特に塩素)で置換された芳香環が全体の30%以上である重合体が好ましい。
本発明に用いるアラミド系支持体は、芳香族ポリアミドとして一般式(I)及び一般式(II)の少なくともいずれかで表される繰り替えし単位を50モル%以上含むものが好ましく、50モル%未満は他の繰り返し単位が共重合、又はブレンドされていても差し支えなく、またフィルムの物性を損なわない程度に導電性粒子、易滑剤、酸化防止剤その他の添加剤等がブレンドされていてもよい。
市販のアラミド系支持体としては、ミクトロン(東レ株式会社製)が挙げられる。
非磁性支持体の少なくとも一方の表面に蒸着法で作製する皮膜に用いる非磁性の金属類としては、単体金属、半金属、合金、金属間化合物が挙げられ、例えば、単体金属ではMg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Pd、Ag、Sn、Ta、W、Pt、Au、Pd、が挙げられ、半金属ではC、Si、Ge、Sb、Teなどが挙げられ、これらの金属を混ぜ合わせて合金や金属間化合物としてもよい。
また、蒸着法で作製する皮膜に用いる非磁性の金属系無機化合物としては、例えば、上記金属類の酸化物や窒化物、炭化物、ホウ化物、硫化物、塩化物、などを用いることができる。例えば、CuO、ZnO、Al、SiO、Fe、Fe、AgO、TiO、MgO、SnO、ZrO、InO、MoOなどの酸化物、TiN、GaN、TaN、AlNなどの窒化物、TiC、WC、SiC、NbC、ZrC、FeCなどの炭化物などが挙げられる。上記金属系無機化合物は単体で用いても、複数種類を用いてもよい。
強度、生産性の観点からAl(アルミニウム)を含有することが好ましく、特にAl単体金属、又は、酸化アルミニウムを主成分とすることが好ましい。
蒸着法で作製する皮膜が金属酸化物である場合、含有される酸素濃度は5原子%以上であることが良く、好ましくは5〜70原子%、特に好ましくは10〜60原子%である。酸素濃度を適切に調整することで、靭性、耐擦傷性に優れた皮膜を作製することができる。酸素濃度を調整する手法としては、蒸着装置内に酸素供給ノズルを設置し、蒸着中に酸素ガスを導入することが好ましい。
蒸着法としては、物理蒸着法(例えば、真空蒸着法、スパッタリング法など)や化学蒸着法を用いることができ、本発明の支持体に用いる蒸着法としては物理蒸着法が好ましい。
高容量の磁気記録媒体を作製するためには、非磁性支持体の膜厚は薄いほど好ましい。本発明で用いられる支持体の膜厚は、10μm以下であることが好ましく、より好ましくは2〜8μm、更に好ましくは3〜7μm、特に好ましくは4〜6μmである。支持体の膜厚が2μm以上であれば、使用時に磁気記録媒体が切断することを回避することができる。支持体の膜厚が10μm以下であれば、磁気記録媒体の高容量化を実現することができる。
磁気記録媒体の作製に用いられる非磁性支持体は、通常、非磁性支持体に、カオリン、タルク、二酸化チタン、二酸化珪素(シリカ)、リン酸カルシウム、酸化アルミニウム、ゼオライト、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラックあるいは特公昭59−5216号公報に記載されているような耐熱性高分子微粉体などの不活性微粒子を含有させることで表面の粗さが調整されている。また、不活性微粒子は、粒度分布が狭い方が好ましい。
本発明で用いられる非磁性支持体の表面(磁性層、及び、バックコート層が塗設される面)の中心線平均表面粗さ(Ra)は、1nm以上50nm以下であることが好ましく、より好ましくは1nm以上25nm以下であり、更に好ましくは2nm以上15nm以下であり、特に好ましくは3nm以上10nm以下である。支持体の表面の中心線平均表面粗さ(Ra)が1nm以上であれば、磁気記録媒体の製造工程におけるハンドリング性が良くなり好ましい。また、支持体の表面の中心線平均表面粗さ(Ra)が50nm以下であれば、磁性層やバックコート層の表面に支持体の表面性が影響することが小さくなり好ましい。
支持体の中心線平均表面粗さは、例えば、Zygo社(Zygo Corporati
on)製の汎用3次元表面構造解析装置NewViewシリーズなどを用いることによって測定可能である。
本実施形態で用いられる支持体を100℃の環境条件で30分間放置した後の支持体の熱収縮率は、3%以下であることが好ましく、1.5%以下であることが更に好ましい。また、80℃の環境条件で30分間放置した後の支持体の熱収縮率は、1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることが更に好ましい。また、支持体の破断強度は5〜100kg/mm(49〜980MPa)であることが好ましく、支持体の弾性率は100〜2000kg/mm(0.98〜19.6GPa)であることが好ましい。また、支持体の温度膨張係数は、10−4〜10−8/℃であることが好ましく、10−5〜10−6/℃であることがより好ましい。支持体の湿度膨張係数は、10−4/RH%以下であることが好ましく、10−5/RH%以下であることがより好ましい。支持体のこれらの熱特性、寸法特性、及び機械強度特性は、面内の各方向に関してほぼ等しいことが好ましく、具体的には10%以内の差であることが好ましい。
なお、非磁性支持体に対し、コロナ放電処理、プラズマ処理、熱処理、或いは除塵処理などの各種処理を施してもよい。
(磁性層)
磁性層に含まれる強磁性粉末としては、六方晶フェライト粉末及び強磁性金属粉末を挙げることができる。
用いられる六方晶フェライトとしては、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライトの各置換体、Co置換体等が挙げられる。具体的には、マグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、更に一部スピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられる。その他、これらに含まれる所定の原子以外に、Al、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo,Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでいてもかまわない。一般には、Co−Zn、Co−Ti,Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn,Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した化合物を使用することができる。また、原料や製法に応じて特有の不純物を含有していてもよい。
粒子サイズは、六角板の径が5〜100nmであることが好ましく、より好ましくは10〜60nmであり、特に好ましくは10〜50nmである。特にトラック密度を上げるためMRヘッドで再生させる磁気記録媒体の場合、低ノイズにする必要があるため、板径は40nm以下であることが好ましい。板径が5nm以上であれば熱揺らぎがなく安定な磁化が望め好ましい。板径が100nm以下であれば、ノイズが高くならず高密度磁気記録において好ましい。板状比(板径/板厚)は、1〜15であることが好ましく、より好ましくは1〜7である。板状比が1以上であれば、磁性層中の充填性は高くなり、また十分な配向性を得ることができ好ましい。板状比が15以下であれば、粒子間のスタッキングによるノイズが低減でき好ましい。この粒子サイズ範囲に関し、BET法による比表面積は10〜100m/gを示す。この比表面積は、概ね粒子板径及び板厚に基づく算術計算値と符号する。粒子板径や板厚の分布は、通常狭いほど好ましい。これらの分布は、数値化が困難であるが、粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定する事で比較できる。これらの分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差σで分布を表すと、σ/平均サイズ=0.1〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには、粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことが好ましい。例えば、酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
一般に、抗磁力Hcが500〜5000エルステッド(40〜398kA/m)程度の六方晶フェライト粉末は作製可能である。抗磁力Hcは、高い方が高密度記録に有利であるが、記録ヘッドの能力で制限される。本発明で使用される六方晶フェライトの抗磁力Hcは、2000〜4000Oe(160〜320kA/m)程度であることが好ましく、より好ましくは2200〜3500Oe(176〜280kA/m)である。ヘッドの飽和磁化が1.4テスラを越える場合は、抗磁力Hcを2200Oe(176kA/m)以上にすることが好ましい。抗磁力Hcは、粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。飽和磁化σsは40〜80A・m/kgであることが好ましい。飽和磁化σsは、高い方が好ましいが微粒子になるほど小さくなる傾向がある。飽和磁化σsの改良のために、マグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合することや、含有元素の種類や添加量を適宜選択すること等が良く知られている。また、W型六方晶フェライトを用いることも可能である。六方晶フェライトを分散する際に、六方晶フェライト粉末表面を分散媒やポリマーに合った物質で処理することも行われている。この時に用いられる表面処理剤としては、無機化合物や有機化合物を使用することができ、主な化合物としてはSi、Al、P、等の酸化物又は水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。添加量は六方晶フェライト粉末に対して0.1〜10質量%とすることができる。六方晶フェライト粉末のpHも分散に重要であり、通常4〜12程度のpHに調整され、分散媒やポリマーに応じた最適値があるが、媒体の化学的安定性や保存性の観点から6〜11程度のpHが選択される。六方晶フェライト粉末に含まれる水分も分散に影響し、分散媒やポリマーに応じた最適値があるが、通常0.01〜2.0質量%の水分量が選ばれる。六方晶フェライトの製法としては、(1)酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物と酸化ホウ素等のガラス形成物質とを所望のフェライト組成になるように混合した後、その混合物を溶融し、急冷して非晶質体とし、次いでその非晶質体の混合物を再加熱処理した後、洗浄・粉砕することによってバリウムフェライト結晶粉末を得るガラス結晶化法、(2)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後、100℃以上で液相加熱し、その後、洗浄・乾燥・粉砕を行うことによってバリウムフェライト結晶粉末を得る水熱反応法、(3)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し、その後、1100℃以下で処理して粉砕することによってバリウムフェライト結晶粉末を得る共沈法、等が挙げられるが、本発明では特に製法は限定されない。
磁性層において使用される強磁性金属粉末は、特に制限されるものではないが、α−Feを主成分とする強磁性金属粉末を用いることが好ましい。これらの強磁性金属粉末には、所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでいても構わない。特に、Al、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bのうちの少なくとも1つをα−Fe以外に含むことが好ましく、Co、Y、Alのうちの少なくとも一つを含むことが更に好ましい。Coの含有量は、Feに対して0原子%以上50原子%以下であることが好ましく、更に好ましくは15原子%以上35原子%以下であり、より好ましくは20原子%以上35原子%以下である。Yの含有量は、1.5原子%以上12原子%以下であることが好ましく、更に好ましくは3原子%以上10原子%以下であり、特に好ましくは4原子%以上9原子%以下である。Alの含有量は、1.5原子%以上12原子%以下であることが好ましく、更に好ましくは3原子%以上10原子%以下であり、より好ましくは4原子%以上9原子%以下である。
これらの強磁性金属粉末には、後述する分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前に予め処理が施されていてもかまわない。具体的な処理例は、特公昭44−14090号公報、特公昭45−18372号公報、特公昭47−22062号公報、特公昭47−22513号公報、特公昭46−28466号公報、特公昭46−38755号公報、特公昭47−4286号公報、特公昭47−12422号公報、特公昭47−17284号公報、特公昭47−18509号公報、特公昭47−18573号公報、特公昭39−10307号公報、特公昭46−39639号公報、米国特許第3026215号、同3031341号、同3100194号、同3242005号、同3389014号などに記載されている。
強磁性金属粉末には少量の水酸化物又は酸化物が含まれていてもよい。強磁性金属粉末としては、公知の製造方法により得られたものを用いることができ、下記の方法を挙げることができる。すなわち、複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体とで還元を行う方法、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFe又はFe−Co粒子などを得る方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して還元を行う方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得る方法などが挙げられる。このようにして得られた強磁性金属粉末に対して、公知の徐酸化処理、例えば有機溶剤に浸漬した後に乾燥させる方法、有機溶剤に浸漬した後に酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成し、その後乾燥させる方法、有機溶剤を用いずに酸素ガス及び不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜を形成する方法のいずれかによる徐酸化処理を施すこともできる。
磁性層に使用される強磁性金属粉末のBET法による比表面積は、45〜100m/gであることが好ましく、より好ましくは50〜80m/gである。比表面積が45m/g以上であれば低ノイズであり、100m/g以下であれば良好な表面性を得ることができる。強磁性金属粉末の結晶子サイズは80〜180Åであることが好ましく、より好ましくは100〜180Å、更に好ましくは110〜175Åである。強磁性金属粉末の長軸長は、0.01μm以上0.15μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.02μm以上0.10μm以下であり、更に好ましくは0.03μm以上0.08μm以下である。強磁性金属粉末の針状比は、3以上15以下であることが好ましく、5以上12以下であることが更に好ましい。強磁性金属粉末のσsは、90〜180A・m/kgであることが好ましく、より好ましくは100〜150A・m/kgであり、更に好ましくは105〜140A・m/kgである。強磁性金属粉末の抗磁力は、2000〜3500Oe(160〜280kA/m)であることが好ましく、更に好ましくは2200〜3000Oe(176〜240kA/m)である。
強磁性金属粉末の含水率は0.01〜2%とすることが好ましい。結合剤の種類に応じて強磁性金属粉末の含水率を最適化することが好ましい。強磁性金属粉末のpHは、用いる結合剤との組合せにより最適化することが好ましく、そのpH範囲は4〜12とすることができ、好ましくは6〜10である。強磁性金属粉末に対して、必要に応じ、Al、Si、P又はこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その表面処理量は強磁性金属粉末に対し0.1〜10%とすることができ、表面処理を施した強磁性金属粉末は、脂肪酸などの潤滑剤の吸着量が100mg/m以下になり好ましい。強磁性金属粉末は可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合がある。これらの無機イオンは、本質的に強磁性金属粉末に含まれていない方が好ましいが、200ppm以下であれば特性への影響が少ない。また、本発明に用いられる強磁性金属粉末は、空孔が少ないほうが好ましく、その空孔値は20容量%以下であることが好ましく、更に好ましくは5容量%以下である。また形状については、先に示した粒子サイズについての特性を満足すれば針状、米粒状、紡錘状のいずれでもかまわない。強磁性金属粉末自体のSFDは小さい方が好ましく、0.8以下であることが好ましい。また、強磁性金属粉末の抗磁力Hcの分布を小さくすることが好ましい。尚、強磁性金属粉末のSFDが0.8以下であると、電磁変換特性が良好となり、出力が高く、また、磁化反転がシャープでピークシフトも少なくなるため、高密度デジタル磁気記録に好適である。強磁性金属粉末の抗磁力Hcの分布を小さくするためには、強磁性金属粉末においてはゲ−タイトの粒度分布を良好にしたり、焼結を防止したりするなどの方法がある。
磁性層の結合剤としては、強磁性粉末粒子の微細分散適性や耐久適性(温湿度環境適性)等の点から、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロースアセテートであることが好ましく、特に、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂であることが更に好ましく、ポリウレタン系樹脂であることが最も好ましい。ポリウレタン系樹脂の構造は、特に限定されず、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用できる。
結合剤の質量平均分子量(Mw)としては12万以上の樹脂を構成成分として含むことが好ましい。本実施形態において好ましい逐次重層方式によって磁気記録媒体を作製する場合、磁性層塗布液の塗布後に磁場配向処理を施すと、強磁性粉末粒子同士の凝集(配向凝集)が生じる場合がある。この配向凝集は、膜厚が薄い磁性層を形成するために低濃度の磁性層塗布液を使用する場合に特に顕著に生じる。これは、濃度が薄くなるほど配向処理時の磁力によって強磁性粉末粒子が動き易くなるため、配向凝集し易くなるからである。
磁性層結合剤として、磁気記録媒体において結合剤として従来から使用されている樹脂と比べて分子量の大きな樹脂であって、質量平均分子量(Mw)が12万以上の樹脂を構成成分として含む結合剤成分を使用することで、配向凝集を低減ないしは防止することができる。
このような分子量を有する樹脂は、強磁性粉末粒子に対する吸着性が高いため、磁性層塗布液成分としてそのような樹脂を使用することにより、磁性層塗布液中において強磁性粉末粒子に対する結合剤の吸着量を増大させることができる。こうして結合剤の吸着量が増大することにより、磁性層塗布液中での強磁性粉末粒子同士の立体反発力が増大するため、配向処理時の強磁性粉末粒子同士の配向凝集を抑制することができると考えられる。なお、質量平均分子量が12万以上の樹脂を複数種組み合わせて結合剤に用いることも可能である。
なお、結合剤の質量平均分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析することにより確認することができる。
一方、樹脂の質量平均分子量は、溶解性や合成の容易性等を考慮すると、50万以下であることが好ましく、より好ましくは12万〜30万であり、特に好ましくは15万〜25万である。
また、磁性層は、質量平均分子量(Mw)が12万以上の上述の樹脂を強磁性粉末に対して2.5質量%以上含むことが好ましい。つまり、本発明の磁気記録媒体は、強磁性粉末に対して2.5質量%以上の上述の樹脂を含む磁性層塗布液を用いて形成されたものであることが好ましい。強磁性粉末に対して2.5質量%以上の上記の樹脂を含む磁性層塗布液は、強磁性粉末に対する結合剤の吸着量が多く、配向凝集を効果的に抑制することができる。磁性層中における上記樹脂量は、強磁性粉末に対して4〜40質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、5〜25質量%であることが特に好ましい。
このような樹脂は、ガラス転移温度が−50〜150℃であることが好ましく、より好ましくは0℃〜100℃であり、更に好ましくは30℃〜90℃である。またそのような樹脂において、破断伸びは100〜2000%、破断応力は0.05〜10kg/mm(0.49〜98MPa)、降伏点は0.05〜10kg/mm(0.49〜98MPa)であることが好ましい。前記樹脂は、公知の方法で合成することができ、また市販品として入手可能なものもある。
前記結合剤成分は、前記樹脂からなることができる。つまり、前記結合剤成分は、前記樹脂そのものであってもよい。また、前記結合剤成分は、前記樹脂と熱硬化性官能基を有する化合物との反応生成物であってもよい。本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に形成された非磁性層上に、磁性層塗布液を塗布及び乾燥することにより形成されることが好ましい。前記磁性層塗布液に熱硬化性官能基を有する化合物を添加せずに前記樹脂を加え、そのような磁性層塗布液によって磁性層を形成すれば、前記樹脂そのものを前記結合剤成分として含む磁気記録媒体が得られる。一方、磁性層塗布液に前記樹脂とともに熱硬化性官能基を有する化合物を添加すれば、塗布後の加熱(カレンダ処理、加熱処理等)により硬化反応(架橋反応)が進むため、前記樹脂と熱硬化性官能基を有する化合物との反応生成物を前記結合剤成分として含む磁気記録媒体が得られる。なお、後述するように、磁性層塗布液に対して前記樹脂及び硬化性官能基を有する化合物以外の樹脂成分を添加する場合には、前記反応生成物には、前記樹脂、熱硬化性官能基を有する化合物及び他の樹脂成分の共重合体が含まれ得る。
前記熱硬化性官能基を有する化合物としては、熱硬化性官能基としてイソシアネート基を含有する化合物を用いることが好ましい。中でも、当該化合物として、ポリイソシアネート類が好ましく、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート等を使用することができる。
これらのイソシアネート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレタン社製コロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートMTL、武田薬品社製タケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202、住友バイエル社製デスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL等が挙げられ、これらを単独又は硬化反応性の差を利用して二つ又はそれ以上を組み合わせて用いることもできる。
前記結合剤は、前記結合剤成分以外に他の結合剤成分を含むこともできる。前記結合剤成分と併用可能な他の結合剤成分としては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、及びこれらの混合物を挙げることができる。例えば、併用される熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、−100〜200℃であることが好ましく、より好ましくは−50〜150℃である。
併用可能な熱可塑性樹脂の具体例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル等を構成単位として含む重合体又は共重合体、ポリウレタン系樹脂、各種ゴム系樹脂、セルロースエステルなどがある。
また、併用可能な熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等が挙げられる。これらの樹脂については、朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化型樹脂を使用することも可能である。これらの例及びその製造方法については特開昭62−256219号公報に詳細に記載されている。
以上の樹脂は単独又は組み合わせて使用可能であるが、好ましいものとして塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン系樹脂との組合せ、又はこれらにポリイソシアネートを組み合わせたものが挙げられ、特に好ましくは塩化ビニル系樹脂である。塩化ビニル系樹脂を併用することで、強磁性粉末の分散性を更に高めることができ、電磁変換特性の向上及びヘッド汚れの改良に有効である。
磁性層に使用可能なすべての結合剤成分について、より優れた分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、−COOM、−SOM、−OSOM、−P=O(OM)、−O−P=O(OM)(以上につき「M」は水素原子又はアルカリ金属塩基を示す)、OH、NR、N(「R」は炭化水素基を示す)、エポキシ基、SH、CNなどから選ばれる少なくともひとつ以上の極性基を共重合又は付加反応で導入したものを用いることができる。このような極性基の量は、例えば10−1〜10−8モル/gであり、好ましくは10−2〜10−6モル/gである。
前記結合剤成分の具体的な例としては、ユニオンカーバイト社製VAGH、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、VYES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、PKHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業社製MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TAL、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、MPR−TM、MPR−TAO、電気化学社製1000W、DX80、DX81、DX82、DX83、100FD、日本ゼオン社製MR104、MR105、MR110、MR100、MR555、400X−110A、日本ポリウレタン社製ニッポランN2301、N2302、N2304、大日本インキ社製パンデックスT−5105、T−R3080、T−5201、バーノックD−400、D−210−80、クリスボン6109、7209、東洋紡社製バイロンUR8200、UR8300、UR−8700、RV530、RV280、大日精化社製、ダイフェラミン4020、5020、5100、5300、9020、9022、7020、三菱化成社製MX5004、三洋化成社製サンプレンSP−150、旭化成社製サランF310、F210などが挙げられる。
前記熱硬化性官能基を有する化合物を含む磁性層は、磁性層の加熱により前記樹脂と前記化合物との架橋反応が進み、結果的に前記樹脂と熱硬化性官能基を有する化合物との反応生成物を含む磁性層が得られる。この磁性層は、前記樹脂そのものを含む磁性層と比べて塗膜強度が高いため、より耐久性の高い磁気記録媒体を得ることができる。前記磁性層が熱硬化性官能基を有する化合物を含む場合、その含有量は、磁性層に含有されるすべての結合剤に対して5〜40質量%とすることが好ましく、10〜30質量%とすることが更に好ましく、15〜25質量%とすることが特に好ましい。
前述のように、前記磁性層は、前記樹脂とともに他の結合剤成分(熱硬化性官能基含有化合物、樹脂成分等)を含むことができる。その詳細は先に記載した通りである。質量平均分子量(Mw)が12万以上の上記の樹脂の添加による配向凝集防止と良好な電磁変換特性の確保とを両立する上では、質量平均分子量(Mw)が12万以上の上記の樹脂の量は、全結合剤成分に対して10〜80質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることが更に好ましく、20〜40質量%であることが最も好ましい。また、磁性層の前記樹脂以外の結合剤成分の含有量は、その結合剤成分の添加効果を得る上では、強磁性粉末に対して2.5質量%以上とすることが好ましく、4〜40質量%とすることがより好ましく、5〜30質量%とすることが更に好ましく、5〜25質量%とすることが特に好ましい。
本発明の磁気記録媒体における磁性層の厚さは、例えば0.01〜0.20μmであることが好ましい。質量平均分子量(Mw)が12万以上の樹脂を磁性層に使用することにより、上記範囲の厚さを有する比較的薄い磁性層を逐次重層により形成する際に、配向凝集を抑制することができる。これにより、高い電磁変換特性を有する磁気記録媒体を得ることができる。磁性層の厚さは、より好ましくは0.02〜0.15μmであり、更に好ましくは0.03〜0.12μmである。
磁性層の表面は、中心線平均表面粗さ(Ra)が低いほど好ましい。磁性層の表面粗さは原子間力顕微鏡(AFM)を用いて評価できる。磁性層の中心線平均表面粗さ(Ra)は、10.0nm以下であることが好ましく、より好ましくは1.0〜8.0nmであり、更に好ましくは2.0〜6.0nmであり、特に好ましくは2.5〜5.0nmである。また、磁性層の表面では、高さが10〜20nmの表面微小突起数が1〜500個/100μmであることが好ましく、より好ましくは3〜250個/100μmであり、更に好ましくは5〜150個/100μmであり、特に好ましくは5〜100個/100μmである。
磁性層の中心線平均表面粗さ(Ra)は、前記非磁性支持体の表面性が磁性層の表面に及ぼす影響、磁性層中の強磁性粉末の分散性、磁性層に添加する研磨剤やカーボンブラックの粒子サイズや添加量、等に影響される。
磁性層(磁気記録媒体)の中心線平均表面粗さ(Ra)及び表面微小突起数は、例えば、非磁性層により非磁性支持体の表面性が磁性層の表面に及ぼす影響を低減することによって、強磁性粉末の微細分散性を良好にすることによって、研磨剤やカーボンブラックの粒子サイズを減少することによって、或いは研磨剤やカーボンブラックの添加量を減らすことによって、低減可能である。
また、カレンダ処理工程においても磁性層(磁気記録媒体)の中心線平均表面粗さ(Ra)及び表面微小突起数を低減することができ、例えば線圧力を上げることによって、圧力負荷時間を長くすることによって、或いは処理温度を上げることによって、磁性層(磁気記録媒体)の中心線平均表面粗さ(Ra)及び表面微小突起数を低減することができる。
磁性層の表面電気抵抗値は、1×10〜1×10Ω/□になるように調整することが好ましい。より好ましくは1×10〜1×10Ω/□、更に好ましくは1×10〜5×10Ω/□、特に好ましくは1×10〜1×10Ω/□である。磁性層の表面電気抵抗値は、特開2008−77698号公報の図1に示す電極を用いて測定することができる。
磁性層の表面電気抵抗値を適切に設定することで、磁気記録媒体の帯電を防止して、帯電により付着した埃やゴミが原因で発生するドロップアウトエラーの発生を防止することができる。特に、磁気記録媒体は、低温・低湿度環境条件のように含水量が少ない雰囲気中で帯電しやすいので、磁性層の表面電気抵抗値を上記のように調整することが好ましい。
磁性層の表面電気抵抗値は、磁性層、非磁性層の少なくとも1層に導電性材料を適切な添加量で含有させることで調整可能であるが、磁性層の表面電気抵抗値を制御する上では、磁性層、又は、磁性層になるべく近い層に導電性材料を添加することが好ましい。
(非磁性層)
非磁性層は、少なくとも非磁性粉末と結合剤とを含む層である。以下に、そのような非磁性層の詳細について説明する。
非磁性層は、実質的に非磁性であれば、特に制限されるものではなく、実質的に非磁性である範囲で磁性粉末を含むこともできる。「実質的に非磁性である」とは、磁性層の電磁変換特性を実質的に低下させない範囲で非磁性層が磁性を有することを許容するということであり、例えば残留磁束密度が0.01T以下又は抗磁力が7.96kA/m以下(100Oe以下)であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力とをもたないことを示す。
非磁性層に用いられる非磁性粉末は、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機化合物から選択することができる。無機化合物としては、例えばα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、ヘマタイト、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどを単独又は組合せで使用することができる。特に好ましいものは、粒度分布が小さく、機能付与の手段が多いこと等から、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、更に好ましいものは二酸化チタン、α−酸化鉄である。これらの非磁性粉末の粒子サイズは0.005〜2μmであることが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒度分布を広くしたりして同様の効果をもたせることもできる。非磁性粉末の粒子サイズは0.01μm〜0.2μmであることが特に好ましい。特に、非磁性粉末が粒状金属酸化物である場合は、非磁性粉末の平均一次粒子径が0.08μm以下であることが好ましく、針状金属酸化物である場合は、非磁性粉末の長軸長が0.3μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることが更に好ましい。非磁性粉末のタップ密度は、0.05〜2g/mlであることが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5g/mlである。非磁性粉末の含水率は、0.1〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜3質量%であり、更に好ましくは0.3〜1.5質量%である。非磁性粉末のpHは、2〜11であることが好ましく、5.5〜10の間が特に好ましい。
非磁性粉末の比表面積は、1〜100m/gであることが好ましく、より好ましくは5〜80m/gであり、更に好ましくは10〜70m/gである。非磁性粉末の結晶子サイズは、0.004μm〜1μmであることが好ましく、0.04μm〜0.1μmであることが更に好ましい。DBP(ジブチルフタレート)を用いた吸油量は、5〜100ml/100gであることが好ましく、より好ましくは10〜80ml/100gであり、更に好ましくは20〜60ml/100gである。非磁性粉末の比重は、1〜12であることが好ましく、より好ましくは3〜6である。非磁性粉末の形状は、針状、球状、多面体状、板状のいずれでも良い。非磁性粉末のモース硬度は4以上10以下のものが好ましい。非磁性粉末のSA(ステアリン酸)吸着量は、1〜20μmol/mであることが好ましく、より好ましくは2〜15μmol/mであり、更に好ましくは3〜8μmol/mである。非磁性粉末のpHは3〜6の間が好ましい。これらの非磁性粉末の表面には、表面処理を施すことによりAl、SiO、TiO、ZrO、SnO、Sb、ZnO、Yを存在させることが好ましい。特に分散性に好ましいものはAl、SiO、TiO、ZrOであり、更に好ましいのはAl、SiO、ZrOである。これらは組み合わせて使用しても良いし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ずアルミナを存在させた後にその表層をシリカで処理する方法、又はその逆の方法を用いることもできる。また、表面処理層は、目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
非磁性粉末の具体的な例としては、昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT−100、ZA−G1、戸田工業社製αヘマタイトDPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BX、DPN−500BX、DBN−SA1、DBN−SA3、石原産業製酸化チタンTTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100、αヘマタイトE270、E271、E300、E303、チタン工業製酸化チタンSTT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、αヘマタイトα−40、テイカ製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−100F、MT−500HD、堺化学製FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業製DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル製AS2BM、TiO P25、宇部興産製100A、500A、及びそれを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタンとα−酸化鉄である。
また、非磁性層には目的に応じて有機粉末を添加することもできる。例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法として、特開昭62−18564号公報や特開昭60−255827号公報に記載されているような方法を使用できる。
非磁性層に使用される結合剤としては、磁性層に使用可能な結合剤成分として記載された熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物を用いることができる。非磁性層中の結合剤の含有量は、非磁性粉末に対し、5〜50質量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは10〜30質量%の範囲とすることである。塩化ビニル系樹脂を用いる場合は5〜30質量%、ポリウレタン樹脂を用いる場合は2〜20質量%、ポリイソシアネートを用いる場合は2〜20質量%の範囲で、これらを組み合わせて用いることが好ましい。例えば、微量の脱塩素によりヘッド腐食が起こる場合は、ポリウレタンのみ又はポリウレタンとイソシアネートのみを結合剤として使用することも可能である。非磁性層にポリウレタンを用いる場合には、ガラス転移温度が−50〜150℃、好ましくは0℃〜100℃、更に好ましくは30℃〜90℃、破断伸びが100〜2000%、破断応力は0.05〜10kg/mm(0.49〜98MPa)、降伏点は0.05〜10kg/mm(0.49〜98MPa)のものを用いることが好ましい。
非磁性層に添加する結合剤量、結合剤中に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイソシアネート、又はそれ以外の樹脂の量、各樹脂の分子量、極性基量、又は先に述べた樹脂の物理特性などを必要に応じて変えることはもちろん可能であり、公知技術を適用できる。例えば、磁気ヘッドに対する接触を良好にするためには、非磁性層の結合剤量を多くして、非磁性層に柔軟性を持たせることができる。
非磁性層に使用可能なポリイソシアネートとしては、先に磁性層成分として記載したものを挙げることができる。
非磁性層の膜厚は0.1〜2.0μmであることが好ましい。非磁性層の膜厚が厚すぎ
ると、磁気記録媒体の総厚が厚くなり高容量化が難しくなる。一方、薄すぎると非磁性支持体の表面粗さの影響が磁性層表面に現れたり、磁性層表面の研磨剤、カーボンブラックを沈み込ませる効果が損なわれたりする。より好ましい非磁性層の膜厚は0.2〜1.5μmであり、特に好ましい膜厚は0.3〜1.0μmである。
(カーボンブラック)
本発明の磁気記録媒体は、磁性層及び非磁性層の少なくともいずれかにカーボンブラックを含有させることができる。使用可能なカーボンブラックとしては、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を挙げることができる。比表面積は5〜500m/g、DBP吸油量は10〜400ml/100g、平均粒子径は5〜300nm、好ましくは10〜250nm、更に好ましくは20〜200nmであることがそれぞれ好ましい。pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/ccであることがそれぞれ好ましい。本実施形態に用いられるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、905、800、700、VULCAN XC−72、旭カーボン社製#80、#60、#55、#50、#35、三菱化学社製#2400B、#2300、#900、#1000、#30、#40、#10B、コロンビアンカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN 150、50、40、15、RAVEN−MT−P、日本EC社製ケッチェンブラックEC等が挙げられる。カーボンブラックに対して分散剤などで表面処理を施してもよい。また、樹脂でカーボンブラックをグラフト化して使用してもよいし、カーボンブラックの表面の一部をグラファイト化して使用してもかまわない。また、カーボンブラックを、塗布液に添加する前に予め結合剤で分散してもかまわない。
これらのカーボンブラックは、単独又は組合せで使用することができる。カーボンブラックを使用する場合は、強磁性粉末又は非磁性粉末に対して0.1〜30質量%のカーボンブラックを用いることが好ましい。カーボンブラックは、磁性層の帯電防止、摩擦係数低減(易滑性付与)、遮光性付与、或いは膜強度向上などの働きがあり、これらの効果の程度は用いられるカーボンブラックによって異なる。また、非磁性層にカーボンブラックを混合することによって、公知の効果である表面電気抵抗の低減、光透過率の低減、及び所望のマイクロビッカース硬度の獲得、等も実現することができる。また、非磁性層にカーボンブラックを含ませることで、潤滑剤貯蔵の効果を実現することも可能である。
従って、磁性層及び非磁性層の要求特性に応じて、本発明に使用されるカーボンブラックの種類、量、粒子サイズ、或いは、吸油量、導電性、pHなどの諸特性を考慮して使い分けることはもちろん可能であり、各層毎に最適化されることが望ましい。本発明において、磁性層及び非磁性層の少なくともいずれかにおいて使用可能なカーボンブラックについては、例えば、「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることができる。
(研磨剤)
本発明の磁気記録媒体に用いられる研磨剤としては、α化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイヤモンド、窒化珪素、炭化珪素チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、などを主とした、モース硬度6以上の公知の材料を単独又は組合せで使用することができる。また、これらの研磨剤どうしの複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を挙げることができる。これらの研磨剤には主成分以外の化合物又は元素が含まれる場合もあるが、主成分が90%以上であれば効果にかわりはない。これら研磨剤の粒子サイズは、0.01〜2μmであることが好ましく、更に好ましくは0.05〜1.0μmであり、特に好ましくは0.05〜0.5μmの範囲である。特に電磁変換特性を高めるためには、研磨剤の粒度分布が狭い方が好ましい。また耐久性を向上させるために、必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒度分布を広くして同様の効果をもたせたりすることも可能である。研磨剤のタップ密度は0.3〜2g/cc、含水率は0.1〜5%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m/g、であることがそれぞれ好ましい。本発明に用いられる研磨剤の形状は、針状、球状、サイコロ状、のいずれでもよいが、形状の一部に角を有する研磨剤は研磨性が高く好ましい。具体的には住友化学社製AKP−12、AKP−15、AKP−20、AKP−30、AKP−50、HIT−20、HIT−30、HIT−55、HIT−60、HIT−70、HIT−80、HIT−100、レイノルズ社製、ERC−DBM、HP−DBM、HPS−DBM、不二見研磨剤社製WA10000、上村工業社製UB20、日本化学工業社製G−5、クロメックスU2、クロメックスU1、戸田工業社製TF100、TF140、イビデン社製ベータランダムウルトラファイン、昭和鉱業社製B−3などが研磨剤として挙げられる。研磨剤は磁性層に添加することで磁気ヘッドのクリーニング効果を高めることができるが、必要に応じて、非磁性層に添加することもできる。非磁性層に研磨剤を添加することで、表面形状を制御したり、研磨剤の突出状態を制御したりすることができる。これら磁性層又は非磁性層に添加される研磨剤の粒径や量は最適値に設定されることが好ましい。
(添加剤)
本発明の磁気記録媒体において、磁性層、非磁性層及びバックコート層には、目的に応じて、潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑化効果、などをもつ種々の添加剤を使用することができる。具体的には、二硫化モリブデン、二硫化タングステングラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステル及びそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、αナフチル燐酸、フェニル燐酸、ジフェニル燐酸、p−エチルベンゼンホスホン酸、フェニルホスフィン酸、アミノキノン類、各種シランカップリング剤、チタンカップリング剤、フッ素含有アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、これらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)、炭素数12〜22の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭素数12〜22のアルコキシアルコール、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)とからなるモノ脂肪酸エステル又はジ脂肪酸エステル又はトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などを使用することができる。
これらの具体例としては、脂肪酸では、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、などが挙げられる。エステル類では、ブチルステアレート、オクチルステアレート、アミルステアレート、イソオクチルステアレート、ブチルミリステート、オクチルミリステート、ブトキシエチルステアレート、ブトキシジエチルステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、2−オクチルドデシルパルミテート、2−ヘキシルドデシルパルミテート、イソヘキサデシルステアレート、オレイルオレエート、ドデシルステアレート、トリデシルステアレート、エルカ酸オレイル、ネオペンチルグリコールジデカノエート、エチレングリコールジオレイル、アルコール類ではオレイルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、などが挙げられる。また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加体、等のノニオン系界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム類、等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基、などの酸性基を含むアニオン系界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸又は燐酸エステル類、アルキルベタイン型、等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑剤や帯電防止剤等は、必ずしも100%純粋である必要はなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれていてもかまわない。そのような不純分は、30質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは10質量%以下である。
本発明において使用されるこれらの潤滑剤や界面活性剤は、個々に異なる物理的作用を有するものであり、その種類、量、及び相乗的効果を生み出す潤滑剤の併用比率は、目的に応じて最適に定められることが好ましい。例えば、非磁性層及び磁性層で融点の異なる脂肪酸を用いて表面へのにじみ出しを制御したり、沸点、融点、或いは極性の異なるエステル類を用いて表面へのにじみ出しを制御したり、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させたり、潤滑剤の添加量を中間層で多くすることで潤滑効果を向上させたり、等が考えられる。なお、ここに示した例のみに限られるものではない。
また、本発明において用いられる添加剤のすべて又はその一部は、非磁性層塗布液、磁性層塗布液、及びバックコート層塗布液の製造のどの工程で添加されてもかまわない。例えば、混練工程前に強磁性粉末や非磁性粉末と添加剤とを混合する場合、強磁性粉末や非磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加剤を添加する場合、分散工程で添加剤を添加する場合、分散後に添加剤を添加する場合、塗布直前に添加剤を添加する場合、等がある。また、目的に応じて磁性層や非磁性層を塗布した後に、同時塗布方式又は逐次塗布方式によって、添加剤の一部又は全部を塗布することにより目的が達成される場合がある。また、目的によっては、カレンダ処理が施された後又はスリット処理が終了した後に、磁性層の表面に潤滑剤を塗布することもできる。本実施形態では、公知の有機溶剤を使用することができ、例えば特開平6−68453号公報に記載の溶剤を用いることができる。
次に、磁気記録媒体の製造に用いる塗布液、及び、磁気記録媒体の製造方法の詳細について説明する。
(塗布液の製造方法)
バックコート層塗布液、磁性層塗布液、及び、非磁性層塗布液を製造するプロセスは、好ましくは、混練工程、分散工程、及びこれらの工程の前後に必要に応じて設けられる混合工程を含む。
個々の工程は、2段階以上にわかれていてもかまわない。本発明で使用される強磁性粉末、非磁性粉末、結合剤、カ−ボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤、等のすべての原料は、どの工程の最初又は途中で添加されてもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、結合剤を混練工程、分散工程、及び分散後の粘度調整のための混合工程の各々に分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するために、公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダー、連続ニ−ダ、加圧ニ−ダ、エクストルーダなど強い混練力をもつ装置を使用することが好ましい。ニ−ダを用いる場合、強磁性粉末又は非磁性粉末は、結合剤のすべて又はその一部(ただし全結合剤の30質量%以上が好ましい)及び強磁性粉末100質量部に対し、例えば15〜500質量部の範囲で混練処理することができる。これらの混練処理の詳細については、特開平1−106338号公報及び特開平1−79274号公報に記載されている。また、バックコート層塗布液、磁性層塗布液及び非磁性層塗布液を分散させるためにガラスビーズや、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、或いはスチールビーズを用いることが好ましい。これらの分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられることが好ましい。分散機として、公知の装置を使用することができる。
(塗布方法)
非磁性層、磁性層、バックコート層の作製においては、エクストルージョン塗工方式、ロール塗工方式、グラビア塗工方式、マイクログラビア塗工方式、エアーナイフ塗工方式、ダイ塗工方式、カーテン塗工方式、ディップ塗工方式、ワイヤーバー塗工方式など公知の手法を用いることができる。特に、非磁性層及び磁性層を逐次重層方式で塗布する場合、磁性層の作製においてはエクストルージョン塗工方式を用いることが好ましい。
逐次重層方式で磁性層を形成する場合、塗布用スリットと回収用スリットの2つのスリットを有し、塗布用スリットから吐出してウエブに過剰に塗布された塗布液の過剰分を回収用スリット内に吸い取るようにした塗工方式を用いることが好ましい。更に、当該塗工方式において、回収用スリットで過剰な塗布液を吸い取る際の圧力条件の最適化を行って、より薄く塗布ムラのない磁性層を得ることのできる塗工方式を用いることがより好ましい。
具体的には、連続走行する非磁性支持体上で、非磁性層及び磁性層の形成が行われる。磁性層塗布液を塗布する際、非磁性支持体上に形成された非磁性層と塗布ヘッドの先端のリップ面とを近接させた状態で、塗布ヘッド内に送液される磁性層形成用塗布液を、所望の膜厚の磁性層を形成するために要する塗布量よりも過剰に塗布ヘッドの塗布用スリットから非磁性層上に吐出するとともに、過剰に塗布された磁性層塗布液を非磁性支持体の走行方向から見て塗布用スリットよりも下流側に設けられた回収用スリットから吸い取る。この時、回収用スリットの吸い取り口での液圧力をP(MPa)とすると、回収用スリットによる磁性層塗布液の吸い取りを、下記式(I)を満足するように行うことが好ましい。
0.05(MPa)>P≧0(MPa) (I)
更に、上述の塗工方式において、過剰に塗布された磁性層塗布液を吸い取りポンプによって吸い取る場合には、吸い取りポンプの吸い込み口側圧力をPIN(MPa)とすると、下記式(II)を満足するように磁性層塗布液の吸い取りを行うことが好ましい。
PIN≧−0.02(MPa) (II)
上述の塗工方式の詳細は、特開2003−236452号公報に記載されている。
(磁気記録媒体の製造方法)
本発明の磁気記録媒体は、以下の方法により製造されることが好ましい。すなわち、非磁性支持体上に、非磁性層用塗布液を塗布した後に当該非磁性層用塗布液を乾燥することにより非磁性層を形成する。そして、非磁性層上に磁性層用塗布液を塗布した後に当該磁性層用塗布液を乾燥することにより磁性層を形成する。このようにして非磁性層と磁性層を逐次重層方式で作製した磁気記録媒体を得ることができる。また、この非磁性層が湿潤状態にあるうちに、非磁性層の上に磁性層塗布液を塗布する同時重層方式で磁気記録媒体を作製することもできる。本発明では、逐次重層方式を用いることが好ましい。
またこの時、非磁性支持体原反ロールから送り出される非磁性支持体上に非磁性層及び磁性層を順次、連続して形成することにより得られる磁気記録媒体ウェブを巻き取って磁気記録媒体原反ロールを製造して、磁気記録媒体原反ロールの磁気記録媒体ウェブをテープ状に裁断することにより磁気記録媒体テープを得ることが好ましい。
なお、バックコート層については、予め非磁性支持体の裏面にバックコート層を形成しておき、非磁性支持体原反ロールからバックコート層が形成された非磁性支持体を送り出すようにしてもよい。また、非磁性支持体原反ロールから非磁性支持体のみを送り出した後、非磁性層及び磁性層が形成され、磁気記録媒体ウェブが磁気記録媒体原反ロールに巻き取られるまでの間に、非磁性支持体の裏面にバックコート層を塗設するようにしてもよい。
本発明では、非磁性層、磁性層、及び、バックコート層の形成を、非磁性支持体原反ロールから送り出された非磁性支持体上で連続して行い、前記非磁性層、磁性層、及び、バックコート層形成後、非磁性支持体を巻き取ることにより磁気記録媒体原反ロールを得て、磁気記録媒体原反ロールの一部を裁断することによりテープ状磁気記録媒体を得ることが好ましい。例えば、ロール状態に巻かれた非磁性支持体を送り出して非磁性層、磁性層を形成した後に一旦巻き取り、再度非磁性支持体を送り出して、バックコート層を形成する方法では、安価に大量の磁気記録媒体を製造することは困難である。それに対し、上記のように、ロール状態に巻かれた非磁性支持体を送り出して非磁性層、磁性層を形成した後に、非磁性支持体を一度も巻き取らずにバックコート層を形成することにより、磁気記録媒体を安価に大量生産することができる。
また、生産性向上のために、各層を形成する際の非磁性支持体の搬送速度は、100m/分以上とすることが好ましく、より好ましくは200m/分以上、更に好ましくは300m/分以上、特に好ましくは400m/分以上である。塗布速度が速いほど生産性向上には有利である。但し、塗布速度が速すぎると塗布故障(塗布スジ、塗布ムラなど)が発生しやすくなるため、塗布速度は700m/分以下とすることが好ましい。
磁性層中の強磁性粉末を所望の配向状態とするために、通常、磁性層塗布液の塗布後、湿潤状態にあるうちに磁性層塗布液に対して配向処理が施される。
強磁性金属粉末の配向に関しては、コバルト磁石及びソレノイドを用いて長手方向へ配向させることが好ましい。
六方晶フェライト粉末の配向については、一般的に面内及び垂直方向の3次元ランダムになりやすいが、面内2次元ランダムとすることも可能である。また、異極対向磁石などの公知の方法を用いて垂直配向とすることで、円周方向に等方的な磁気特性を磁性層に付与することもできる。特に高密度記録を行う場合は、垂直配向が好ましい。
各層形成用塗布液の乾燥は、例えば塗布された塗布液上に温風を吹き付けることにより行うことができる。乾燥風の温度は60℃以上とすることが好ましい。また、乾燥風の風量は、各層形成用の塗布液の塗布量及び乾燥風の温度に応じて設定すればよい。なお、磁性層塗布液の塗布後、配向処理のために磁石ゾーンに導入する前に、適度の予備乾燥を行うこともできる。
上記のようにして各層を形成した後は、磁性層を有する側の表面を平滑にして電磁変換特性を向上させるために、通常、磁気記録媒体にカレンダ処理が施される。カレンダ処理用のロ−ルとして、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性のあるプラスチックロ−ル又は金属ロ−ルを用いることができる。カレンダ処理時の処理温度は、好ましくは50℃以上、更に好ましくは90℃以上である。カレンダ処理時の線圧力は、好ましくは200kg/cm(196kN/m)以上、更に好ましくは300kg/cm(294kN/m)以上である。
更に、磁気記録媒体は、使用環境における寸度安定性の改良、熱硬化性の硬化剤を添加した磁性層、非磁性層、バックコート層などの硬化促進、などを目的に熱処理が施される。熱処理は、生産性を向上させるために、コア状のものにロール状態に巻いて実施することが好ましく、更には、テープ状に裁断される前の磁気記録媒体をコア状のものにロール状態に巻いて実施することが好ましい。
本発明では、熱処理温度は、非磁性支持体の寸度安定性の改良、硬化剤の硬化を効果的に実施できる50℃〜80℃の温度範囲で実施されることが好ましく、目的に応じて熱処理温度を適宜調整することが好ましい。
カレンダ処理は、磁気記録媒体の熱処理前、熱処理後のいずれか、又は、熱処理前後の両方、で実施することができる。
(残留溶剤量)
本実施形態の磁気記録媒体において、磁性層、非磁性層、及び、バックコート層に含有される残留溶剤量の総和は0.1〜25mg/gとなるようにすることが好ましい。
残留溶剤量が多い状態で磁気記録媒体をコア状のものやカセットハブなどにロール状態に巻いた場合、磁性層が残留溶剤の影響で軟らかくなり、バックコート層表面の突起の状態が磁性層の表面に転写しやすくなり、磁性層の表面の凹みが増加する。特に、このような磁性層表面の凹みの増加は、磁気記録媒体をロール状態に巻いて熱処理した場合に顕著に起こる。
磁性層、非磁性層、及び、バックコート層に含有される残留溶剤量の総和は、好ましくは0.1〜20mg/g、更に好ましくは0.1〜10mg/gである。残留溶剤量は、公知のガスクロマトグラフィを用いて測定することができる。
以下に、本発明に係る具体的な実施例及び比較例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」の表示は、「質量部」を示す。
(磁気記録媒体の作製−1)
[実施例1−1]
(非磁性支持体)
市販のポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム(膜厚5.0μm)を用いた。
(非磁性層塗布液の作製)
下記の非磁性粒子、カーボンブラック、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルエチルケトン、及びシクロヘキサノンを用いて、公知のオープンニーダーで混練分散した。
作製した混練物を公知のダイノミル(直径0.5mmのジルコニアビーズ)で分散処理して、非磁性粒子の分散液を作製した。
非磁性粒子 αFe(針状) 80部
比表面積(BET法) 52m/g
表面処理剤 Al、SiO
平均長軸長 110nm
pH 9.0
タップ密度 0.8g/cc
DBP吸油量 27〜38g/100g
カーボンブラック 20部
比表面積(BET法) 260m/g
DBP吸油量 80mL/100g
pH 7.5
揮発分 1.5%
ポリ塩化ビニル樹脂(MR110、日本ゼオン社製) 12部
ポリウレタン樹脂(質量平均分子量(Mw):3.5万) 7.5部
(分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート、
極性基−SONa基:70eq./トン含有)
メチルエチルケトン 150部
シクロヘキサノン 150部
作製した上記分散液に、下記ポリイソシアネート、ブチルステアレート、ステアリン酸、メチルエチルケトン、及びシクロヘキサノンを添加して攪拌し、公知の超音波分散機で分散処理した。この攪拌体を平均孔径1.0μmのフィルターで濾過して非磁性層塗布液を作製した。
ポリイソシアネート(コロネートL、日本ポリウレタン社製) 5部
ブチルステアレート 1.5部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 5部
シクロヘキサノン 75部
(磁性層塗布液の作製)
下記の強磁性金属粒子、ポリウレタン樹脂PU1(質量平均分子量(Mw):17万):6部、ポリウレタン樹脂PU1と同様の分子構造を有するポリウレタン樹脂PU2(質量平均分子量(Mw):8万):6部、及びポリ塩化ビニル樹脂(MR110、日本ゼオン社製):9部を、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノンを用いて、公知のオープンニーダーで混練分散した。作製した混練物に下記α−アルミナ、カーボンブラックを添加して、公知のダイノミル(直径0.5mmのジルコニアビーズ)で分散処理し、強磁性金属粒子の分散液を作製した。
強磁性金属粒子(針状) 100部
組成 Fe/Co=100/40
抗磁力Hc 186kA/m(2350Oe)
比表面積(BET法) 75m/g
表面処理剤 Al、SiO、Y
平均長軸長 35nm
平均針状比 3.6
飽和磁化σs 106A・m/kg(106emu/g)
ポリウレタン樹脂PU1(質量平均分子量(Mw):17万) 6部
(ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート、
極性基−SONa;70eq./トン含有)
ポリウレタン樹脂PU2(質量平均分子量(Mw):8万) 6部
(ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート、
極性基−SONa;70eq./トン含有)
ポリ塩化ビニル樹脂(MR110、日本ゼオン社製) 9部
α−アルミナ モース硬度9(平均粒径:0.1μm) 3部
カーボンブラック(比表面積;23m/g) 0.3部
メチルエチルケトン 150部
シクロヘキサノン 150部
作製した上記分散液に、下記ポリイソシアネート、ブチルステアレート、ステアリン酸、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンを添加して攪拌し、公知の超音波分散機で分散処理した。そして、この攪拌体を平均孔径1.0μmのフィルターで濾過して磁性層塗布液を作製した。磁性層塗布液の固形分濃度は15.0質量%とした。
ポリイソシアネート(コロネートL、日本ポリウレタン社製) 4部
ブチルステアレート 1.5部
ステアリン酸 0.5部
メチルエチルケトン 293部
シクロヘキサノン 145部
(バックコート層塗布液1の作製)
下記の一次粒子同士がストラクチャーを形成していない架橋構造を有するポリマー粒子A(表1参照)、カーボンブラック、α−アルミナ、ニトロセルロース、ポリウレタン樹脂、溶剤を添加し、公知の手法により混練処理した後、公知のダイノミル(直径0.5mmのジルコニアビーズ)を用いて分散処理した。
なお、本発明に用いた粒子の平均一次粒子径(D50)は、走査型電子顕微鏡(SEM)による写真法で約1000個の粒子について等価球に換算し、総体積に対し50%のときの粒子径として算出した。
粒度分布値(D25/D75)は、大粒子側から体積を換算し、総体積に対して25%のときの粒子径をD(25)、75%のときの粒子径をD(75)として、その比D(25)/D(75)を粒度分布値として算出した。
ガラス転移温度(Tg)、又は、軟化温度は、市販の示差走査熱量計(DSC Q−200、ティー・エイ・インスツルメント社製)を用いて算出した。
カーボンブラック 100部
比表面積220m/g
ポリマー粒子A 1.3部
α−アルミナ(平均粒径0.15μm) 0.5部
ニトロセルロース(ベルジュラックNC社製) 100部
ポリウレタン樹脂(質量平均分子量(Mw):4万) 43部
(ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート、
極性基−SONa基:65eq./トン含有)
メチルエチルケトン 900部
トルエン 900部
作製した分散液に下記の原材料を加えて攪拌処理した。この攪拌体を平均孔径1.0μmのフィルターで濾過してバックコート層塗布液1を作製した。
ポリエステル樹脂(バイロン500、東洋紡社製) 4部
ポリイソシアネート(コロネートL、日本ポリウレタン社製) 17部
(磁気記録媒体の作製)
非磁性支持体(長さ10000m)の上に、上記のようにして作製した非磁性層塗布液を、乾燥後の膜厚が1.0μmになるように公知の手法により塗布、110℃で乾燥して、非磁性層を作製した。
作製した非磁性層の上に、上記のようにして作製した磁性層塗布液を、乾燥後の膜厚が0.06μmとなるように特開2003−236452号公報記載の手法を用いて塗布した。
磁性層塗布液の塗布後、磁性層が湿潤状態にあるうちに、0.5T(5000G)の磁力をもつコバルト磁石と0.4T(4000G)の磁力をもつソレノイドとにより配向処理を行った後、磁性層塗布液を120℃で乾燥して磁性層を作製した。
磁性層とは反対側(裏面側)の非磁性支持体の上に、上記のようにして作製したバックコート層塗布液1を、乾燥後の厚さが0.5μmとなるように公知の手法により塗布、120℃で乾燥して、バックコート層を作製した。
なお、磁性層、非磁性層、及び、バックコート層に含有される残留溶剤量の合計が、表4の記載の量になるように、磁性層、非磁性層、及び、バックコート層の乾燥条件を適宜調整した。
非磁性層、磁性層、及びバックコート層が形成された非磁性支持体に対して、金属ロール(温度95℃)から構成される7段のカレンダ処理機(線圧300kg/cm)で、処理速度150m/分でカレンダ処理を実施した。次いで、1/2インチ幅にテープ状にスリットして、巻き芯にロール状態に巻いた。更に、巻き芯にロール状に巻いた状態で、65℃、48時間で熱処理を実施した。このようにして、テープ状の磁気記録媒体を作製した。
(磁気記録媒体の評価)
作製した磁気記録媒体に関し、以下の項目の評価を行った。
(1)本発明に用いたポリマー粒子の塗膜中での存在状態の評価
本発明に用いたポリマー粒子Aのバックコート層中での存在状態を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。塗膜中に存在する100箇所の粒子において、表面観察、及び、断面観察を行い、存在状態を以下のような3段階で評価した(表4中の「バックコート層」の項目参照)。
1:ストラクチャーや二次凝集体を形成している粒子が全く存在しない。
2:粒子がストラクチャーや二次凝集体を形成している箇所が2箇所以下である。
3:粒子がストラクチャーや二次凝集体を形成している箇所が3箇所以上存在する。
(2)バックコート層の表面粗さ、突起数の評価
作製したテープ状磁気記録媒体のバックコート層の表面の中心線平均表面粗さ(Ra)と、高さが100nm以上の突起数を評価した。
原子間力顕微鏡(AFM、ナノスコープ4、デジタルインスツルメンツ社製)を用いて、0.1mmの面積(測定面積0.01mmを10箇所測定)について評価した(表4中の「バックコート層」の項目参照)。探針として稜角70°の四角錐のSiN探針を用いた。
(3)バックコート層の表面電気抵抗値の評価
特開2008−77698号公報の図1に示す電極(24カラット金製)上にテープ状磁気記録媒体を載せ、バックコート層の表面と電極を接触させた。テープの両端に1.62Nの力をかけて、電極間に100Vの直流電圧を印加し、電流を測定して表面電気抵抗値を算出した(表4中の「バックコート層」の項目参照)。
(4)残留溶剤量の評価
作製したテープ状磁気記録媒体(1/2インチ幅、長さ20cm)をサンプル瓶に入れて密閉し、これを150℃まで温度上昇させて、10分間加熱した後に、瓶の中のガスを採取して、ガスクロマトグラフィ(GC;島津社製GC9A、カラム:SE−30、カラム温度:100℃、注入温度:150℃、検出器:水素炎イオン化検出器(FID))を用い、磁気記録媒体中の残留溶剤(シクロヘキサノン,メチルエチルケトン,トルエン)の合計量を定量した。
尚、残留溶剤量は予め求めておいた検量線から算出し、測定試料の磁性層、非磁性層、及び、バックコート層の総質量から、磁気記録媒体中の残留溶剤量(mg/g)を算出した。磁性層、非磁性層、及び、バックコート層の総質量は、磁気記録媒体上の磁性層、非磁性層、及び、バックコート層を適当な溶剤で拭き取って剥がし、拭き取り前後の試料の質量の差から算出した(表4中の「残留溶剤量」の項目参照)。
(5)磁性層表面の凹み数の評価
巻き芯にロール状態に巻いて熱処理した際の巻き芯側から300mの位置にあった箇所のテープ状磁気記録媒体において、磁性層の表面の円相当径が2.0μm以上、かつ、深さが60nm以上の凹みの数を評価した。
原子間力顕微鏡(AFM、ナノスコープ4、デジタルインスツルメンツ社製)を用いて、0.5mmの面積(測定面積0.01mmを50箇所測定)について評価した(表4中の「磁性層」の項目参照)。探針として稜角70°の四角錐のSiN探針を用いた。
なお、本実施形態の磁気記録媒体では、磁性層が磁気記録媒体の表面側の最外層を形成するので、表面側の凹み数の表面状態を、磁気記録媒体の磁性層の表面状態とみなしうる。
(6)磁気記録媒体の走行性の評価
テープ状磁気記録媒体の製造工程、及び、ドライブシステムにおける走行において、走行性や巻き取り状態を3段階で評価した(表4中の「走行性」の項目参照)。
○ ;走行性や巻き取り状態が良かったもの
△ ;走行性や巻き取り状態が若干悪かったもの
× ;走行性や巻き取り状態が顕著に悪かったもの
(7)ドロップアウトエラーの発生頻度の評価
巻き芯にロール状態に巻いて熱処理した際の巻き芯側から300mの位置から巻き外側に向かって100mの位置にあった箇所のテープ状磁気記録媒体に、線記録密度200kfciで信号を記録し、リードトラック幅(RTw)が4μm、及び、2μmのMRヘッドを用いて信号を再生し、磁気記録媒体の長さ1m当たりに存在する、出力が70%以上低下したドロップアウト(DO)の個数を評価した。なお、リードトラック幅(RTw)が狭いほど円相当径が小さくて、浅い凹みに対してもドロップアウトエラーが発生しやすい。
1:ドロップアウトエラーの発生頻度が0.5個未満/m
2:ドロップアウトエラーの発生頻度が0.5個以上/m〜1.0個未満/m
3:ドロップアウトエラーの発生頻度が1.0個以上/m〜3.0個未満/m
4:ドロップアウトエラーの発生頻度が4個以上/m
[実施例1−2]
(バックコート層塗布液2の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子B(表1参照)を用いて、バックコート層塗布液2を作製した。
ポリマー粒子Bの添加量は、カレンダ処理後(熱処理前)のバックコート層表面における高さが100nm以上の突起数が、実施例1−1においてバックコート層塗布液1を用いて作製したカレンダ処理後(熱処理前)のバックコート層表面における高さが100nm以上の突起数と、ほぼ同じ数になるように適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層の膜厚を0.6μmとした以外は、実施例1−1と全く同様にして、テ
ープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−3]
(バックコート層塗布液3の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子C(表1参照)を用いて、バックコート層塗布液3を作製した。ポリマー粒子Cの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層の膜厚を0.7μmとした以外は、実施例1−1と全く同様にして、テ
ープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−4]
(バックコート層塗布液4の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子D(表1参照)を用いて、バックコート層塗布液4を作製した。ポリマー粒子Dの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−5]
(バックコート層塗布液5の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子E(表1参照)を用いて、バックコート層塗布液5を作製した。ポリマー粒子Eの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層の膜厚を0.4μmとした以外は、実施例1−1と全く同様にして、テ
ープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−6]
(バックコート層塗布液6の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子F(表1参照)を用いて、バックコート層塗布液6を作製した。ポリマー粒子Fの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層の膜厚を0.4μmとした以外は、実施例1−1と全く同様にして、テ
ープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−7]
(バックコート層塗布液7の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子G(表1参照)を用いて、バックコート層塗布液7を作製した。ポリマー粒子Gの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層の膜厚を0.4μmとし、カレンダ処理後の熱処理温度を50℃で実施
した以外は、実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−8]
(バックコート層塗布液8の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子H(表1参照)を用いて、バックコート層塗布液8を作製した。ポリマー粒子Hの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層の膜厚を0.3μmとし、カレンダ処理後の熱処理温度を60℃で実施
した以外は、実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−9]
(バックコート層塗布液9の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、ポリマー粒子I(表1参照)を用いて、バックコート層塗布液9を作製した。ポリマー粒子Iの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−10]
(バックコート層塗布液10の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子J(表1参照)を用いて、バックコート層塗布液10を作製した。ポリマー粒子Jの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層の膜厚を0.4μmとした以外は、実施例1−1と全く同様にして、テ
ープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−11]
(バックコート層塗布液11の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子K(表1参照)を用いて、バックコート層塗布液11を作製した。ポリマー粒子Kの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−12]
(バックコート層塗布液12の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子L(表1参照)を用いて、バックコート層塗布液12を作製した。ポリマー粒子Lの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−13]
(バックコート層塗布液13の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子M(表2参照)を用いて、バックコート層塗布液13を作製した。ポリマー粒子Mの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層の膜厚を0.7μmとした以外は、実施例1−1と全く同様にして、テ
ープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−14]
(バックコート層塗布液14の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子N(表2参照)を用いて、バックコート層塗布液14を作製した。ポリマー粒子Nの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層の膜厚を0.7μmとした以外は、実施例1−1と全く同様にして、テ
ープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−15]
(バックコート層塗布液15の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子O(表2参照)を用いて、バックコート層塗布液15を作製した。ポリマー粒子Oの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層の膜厚を0.7μmとした以外は、実施例1−1と全く同様にして、テ
ープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−16]
(バックコート層塗布液16の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子P(表2参照)を用いて、バックコート層塗布液16を作製した。ポリマー粒子Pの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層の膜厚を0.7μmとした以外は、実施例1−1と全く同様にして、テ
ープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−17]
(バックコート層塗布液17の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子Q(表2参照)を用いて、バックコート層塗布液17を作製した。ポリマー粒子Qの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層の膜厚を0.7μmとした以外は、実施例1−1と全く同様にして、テ
ープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−18]
(バックコート層塗布液18の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子R(表2参照)を用いて、バックコート層塗布液18を作製した。ポリマー粒子Rの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層の膜厚を0.7μmとした以外は、実施例1−1と全く同様にして、テ
ープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−19]
(バックコート層塗布液19の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子S(表2参照)を用いて、バックコート層塗布液19を作製した。ポリマー粒子Sの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層の膜厚を0.7μmとし、カレンダ処理後の熱処理温度を60℃で実施
した以外は、実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−20]
(バックコート層塗布液20の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子T(表2参照)を用いて、バックコート層塗布液20を作製した。ポリマー粒子Tの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層の膜厚を0.7μmとし、カレンダ処理後の熱処理温度を55℃で実施
した以外は、実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−21]
(バックコート層塗布液21の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子U(表2参照)を用いて、バックコート層塗布液21を作製した。尚、ここで用いたポリマー粒子Uは、公知の湿式分級装置を用いて、平均一次粒子径(D50)、及び、粒度分布値(D25/D75)を調整したものを用いた。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層の膜厚を0.7μmとした以外は、実施例1−1と全く同様にして、テ
ープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−22]
(バックコート層塗布液22の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、無機粒子a(表2参照)を用いて、バックコート層塗布液22を作製した。無機粒子aの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−23]
(バックコート層塗布液23の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、無機粒子b(表2参照)を用いて、バックコート層塗布液23を作製した。無機粒子bの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層の膜厚を0.6μmとした以外は、実施例1−1と全く同様にして、テ
ープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−24]
(バックコート層塗布液24の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、無機粒子c(表2参照)を用いて、バックコート層塗布液24を作製した。無機粒子cの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層の膜厚を0.3μmとした以外は、実施例1−1と全く同様にして、テ
ープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−25]
(バックコート層塗布液25の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、無機粒子d(表2参照)を用いて、バックコート層塗布液25を作製した。尚、ここで用いた無機粒子dは、公知の溶射法で作製された粒子であり、かつ、公知の湿式分級装置を用いて、平均一次粒子径(D50)、及び、粒度分布値(D25/D75)を調整したものを用いた。無機粒子dの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−26]
(バックコート層塗布液26の作製)
バックコート層塗布液1に用いたカーボンブラック(比表面積220m/g)の代わりに、比表面積が小さいカーボンブラック(比表面積85m/g)を用いた以外はバックコート層塗布液1と全く同様にして、バックコート層塗布液26を作製した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−27]
(バックコート層塗布液27の作製)
バックコート層塗布液1に用いたカーボンブラック(比表面積220m/g)の代わりに、比表面積が小さいカーボンブラック(比表面積51m/g)を用いた以外はバックコート層塗布液1と全く同様にして、バックコート層塗布液27を作製した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−28]
(バックコート層塗布液28の作製)
バックコート層塗布液1に用いたカーボンブラック(比表面積220m/g)の代わりに、比表面積が小さいカーボンブラック(比表面積38m/g)を用いた以外はバックコート層塗布液1と全く同様にして、バックコート層塗布液28を作製した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−29]
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
実施例1−1において、磁性層、非磁性層、及び、バックコート層に含有される残留溶剤量の合計が、テープ状磁気記録媒体において、12mg/gになるように、磁性層、及び、非磁性層の乾燥条件を適宜調整した以外は、実施例1−1と全く同様にして磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例1−30]
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
実施例1−1において、磁性層、非磁性層、及び、バックコート層に含有される残留溶剤量の合計が、テープ状磁気記録媒体において、21mg/gになるように、磁性層、及び、非磁性層の乾燥条件を適宜調整した以外は、実施例1−1と全く同様にして磁気記録媒体を作製し、評価した。
[比較例1−A]
(バックコート層塗布液29の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子V(表3参照)を用いて、バックコート層塗布液29を作製した。ポリマー粒子Vの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[比較例1−B]
(バックコート層塗布液30の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、架橋構造を有するポリマー粒子W(表3参照)を用いて、バックコート層塗布液30を作製した。ポリマー粒子Wの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[比較例1−C]
(バックコート層塗布液31の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、無機粒子e(表3参照)を用いて、バックコート層塗布液31を作製した。無機粒子eの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[比較例1−D]
(バックコート層塗布液32の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、粒子サイズが0.3μm程度の粒子が複数個融着してストラクチャーを形成し、かつ、架橋構造を有するポリマー粒子X(表3参照)を用いて、バックコート層塗布液32を作製した。ポリマー粒子Xの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[比較例1−E]
(バックコート層塗布液33の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、粒子が複数個融着してストラクチャーを形成している無機粒子f(カーボンブラック、比表面積15m/g)(表3参照)を用いて、バックコート層塗布液33を作製した。無機粒子fの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[比較例1−F]
(バックコート層塗布液34の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、粒子が複数個融着してストラクチャーを形成している無機粒子g(カーボンブラック、比表面積8m/g)(表3参照)を用いて、バックコート層塗布液34を作製した。無機粒子gの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[比較例1−G]
(バックコート層塗布液35の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aの代わりに、粒子が複数個融着してストラクチャーを形成している無機粒子h(三次元構造を有するコロイド状シリカ(ケイ酸をゲル化させた微粉体))(表3参照)を用いて、バックコート層塗布液35を作製した。無機粒子hの添加量は、実施例1−2と全く同様にして適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[比較例1−H]
(バックコート層塗布液36の作製)
バックコート層塗布液1に用いた架橋構造を有するポリマー粒子Aを用いなかった以外は、バックコート層塗布液1と全く同様にしてバックコート層塗布液36を作製した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
実施例1−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
(評価結果)
実施例1−1〜1−30において、走行性が良好で、かつ、ドロップアウトエラーの発生が少ないテープ状の磁気記録媒体が作製できた。
一方、比較例1−A〜1−Gは、走行性は良好であったが、ドロップアウトエラーの発生が多かった。
比較例1−A〜1−Cで用いた粒子はバックコート層中で実質的にストラクチャーや二次凝集体は形成していなかったが、平均一次粒子径(D50)が1.0μmより大きく、バックコート層の表面に、裏写りしたときにドロップアウトエラーの原因となる突起が多く存在したことが原因と考えられる。
また、比較例1−D〜1−Gで用いた粒子は、バックコート層中でストラクチャーや二次凝集体を形成したために、バックコート層の表面に、裏写りしたときにドロップアウトエラーの原因となる突起が多く存在したことが原因と考えられる。
比較例1−Hは、ドロップアウトエラーの発生は少なかったが、バックコート層の表面に適切な突起を形成する粒子を添加しなかったので、エアー同伴による巻き崩れが発生した。
実施例1−1〜1−8に対して、実施例1−9〜1−12のドロップアウトエラーが若干多かったのは、添加した粒子の粒度分布値(D25/D75)が若干大きかったために、バックコート層の表面に、裏写りしたときにドロップアウトエラーの原因となる突起が若干多く存在したことが原因と考えられる。
実施例1−13〜1−17において、ポリマー粒子のガラス転移温度が下がるのに伴い、磁性層の表面の凹み、及び、ドロップアウトエラーが低減したのは、磁気記録媒体を熱処理した際に、ポリマー粒子が軟らかくなり磁性層の表面に凹みが生成しにくくなったことに起因していると考えられる。一方、実施例1−17は、ポリマー粒子のガラス転移温度が若干低すぎたため、磁気記録媒体の塗布・乾燥工程、及び、カレンダ工程でのハンドリング性が若干悪かった。
実施例1−1〜1−8に対して、実施例1−18〜1−20のドロップアウトエラーが若干多かったのは、添加した粒子の平均一次粒子径(D50)が若干大きかったために、バックコート層の表面に、裏写りしたときにドロップアウトエラーの原因となる突起が若干多く存在したことが原因と考えられる。
実施例1−18〜1−20に対し、実施例1−21のドロップアウトエラーが若干悪かったのは、添加した粒子の形状が球状でなかったことと、粒度分布値(D25/D75)が若干大きかったために、バックコート層の表面に、裏写りしたときにドロップアウトエラーの原因となる突起が若干多く存在したことが原因と考えられる。
実施例1−1〜1−8に対して、実施例1−22〜1−25のドロップアウトエラーが若干多かったのは、無機粒子がポリマー粒子のように熱可塑性を有さないために、熱処理において、磁性層の表面で粒子が形成する突起からうける圧力が低減せず、磁性層の表面にドロップアウトエラーの原因となる凹みを若干多く形成したことが原因と考えられる。
実施例1−1、及び、実施例1−26〜1−28において、添加したカーボンブラックの比表面積が小さくなるのに伴いドロップアウトエラーが多くなったのは、カーボンブラックがバックコート層中でストラクチャーを形成しており、バックコート層の表面に、裏写りしたときにドロップアウトエラーの原因となる突起が若干多く存在したことが原因と考えられる。従って、バックコート層には、比表面積が30m/g以下のカーボンブラックを用いないことが好ましい。
実施例1−1、1−29、及び、1−30において、磁気記録媒体の残留溶剤量が増加するのに伴いドロップアウトエラーが多くなったのは、熱処理の際に、磁性層が残留溶剤の影響で軟らかくなり、バックコート層の表面の突起が磁性層の表面に裏写りしやすくなったために、磁性層の表面にドロップアウトエラーの原因となる凹みを若干多く形成したことが原因と考えられる。従って、磁気記録媒体の残留溶剤量は適切に調整する必要がある。
(磁気記録媒体の作製−2)
実施例1−1〜1−30、及び、比較例1−A〜1−Hにおいて、磁性層に含まれる強磁性金属粒子(針状)を下記強磁性板状六方晶フェライト粒子に変更した以外は全く同様にして、磁気記録媒体を作製し、評価した。
強磁性六方晶フェライト粒子(板状)
組成(モル比) Ba/Fe/Co/Zn=10/90/2/8
抗磁力Hc 191kA/m
比表面積(BET法) 50m/g
板径 30nm
板状比 3
飽和磁化σs 60A・m/kg
(評価結果)
実施例1−1〜1−30及び比較例1−A〜1−Hと同様の結果が得られた。従って、本発明は、磁性層の強磁性粉末を強磁性六方晶フェライト粒子にかえても適用できることが確認された。なお、磁性層に強磁性六方晶フェライト粒子を用いたことで、更に高容量・高密度記録が可能な磁気記録媒体が作製できた。
(磁気記録媒体の作製−3)
[実施例3−1]
(非磁性支持体)
市販のポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム(膜厚4.5μm)を用いた。
(非磁性層塗布液の作製)
下記の非磁性粒子、カーボンブラック、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルエチルケトン、及びシクロヘキサノンを用いて、公知のオープンニーダーで混練分散した。
作製した混練物を公知のダイノミル(直径0.5mmのジルコニアビーズ)で分散処理して、非磁性粒子の分散液を作製した。
非磁性粒子 αFe(針状) 75部
比表面積(BET法) 60m/g
表面処理剤 Al、SiO
平均長軸長 100nm
pH 9.0
カーボンブラック 25部
比表面積(BET法) 260m/g
DBP吸油量 80mL/100g
pH 7.5
揮発分 1.5%
ポリ塩化ビニル樹脂(MR104、日本ゼオン社製) 12部
ポリウレタン樹脂(質量平均分子量(Mw):3.5万) 7部
(分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート、
極性基−SONa基:70eq./トン含有)
メチルエチルケトン 150部
シクロヘキサノン 150部
作製した上記分散液に、下記ポリイソシアネート、ブチルステアレート、ステアリン酸、メチルエチルケトン、及びシクロヘキサノンを添加して攪拌し、公知の超音波分散機で分散処理した。
ポリイソシアネート(コロネートL、日本ポリウレタン社製) 2部
ブチルステアレート 1.5部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 5部
シクロヘキサノン 75部
この攪拌体を平均孔径1.0μmのフィルターで濾過して非磁性層塗布液を作製した。
(磁性層塗布液の作製)
下記の強磁性六方晶フェライト粒子、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノンを用いて、公知のオープンニーダーで混練分散した。作製した混練物に下記α−アルミナ、カーボンブラックを添加して、公知のダイノミル(直径0.3mmのジルコニアビーズ)で分散処理し、強磁性六方晶フェライト粒子の分散液を作製した。
強磁性六方晶フェライト粒子(板状)
組成(モル比) Ba/Fe/Co/Zn=10/90/2/8 100部
抗磁力Hc 176kA/m(2200Oe)
比表面積(BET法) 65m/g
平均板径 20nm
平均板状比 3
飽和磁化σs 49A・m/kg(49emu/g)
pH 7.0
ポリ塩化ビニル樹脂(MR104、日本ゼオン社製) 10部
ポリウレタン樹脂(質量平均分子量(Mw):7万) 4部
(ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート、
極性基−SONa;70eq./トン含有)
α−アルミナ モース硬度9(平均粒径:0.1μm) 5部
カーボンブラック(比表面積;23m/g) 0.3部
メチルエチルケトン 150部
シクロヘキサノン 150部
作製した上記分散液に、下記ポリイソシアネート、ブチルステアレート、ステアリン酸、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンを添加して攪拌し、公知の超音波分散機で分散処理した。
ポリイソシアネート(コロネートL、日本ポリウレタン社製) 2部
ブチルステアレート 1.5部
ステアリン酸 0.5部
メチルエチルケトン 340部
シクロヘキサノン 180部
この攪拌体を平均孔径1.0μmのフィルターで濾過して磁性層塗布液を作製した。
(ポリマー粒子Y−1の作製)
5Lの容器に、スチレン97部、メタクリル酸3部、α−メチルスチレンダイマー0.5部、t−ドデシルメルカプタン5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8部、過硫酸カリウム0.3部、及び、水250部を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら80℃に昇温して、7時間かけて重合を行い、シード粒子を作製した。作製したシード粒子の平均一次粒子径(D50)は0.16μm、粒度分布値(D25/D75)は1.07であった。
作製した上記シード粒子(固形分換算)10部に対し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.2部、ポリオキシエチレン−1−(アクリオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩1.0部、過硫酸カリウム0.6部、水600部、及び、ジビニルベンゼン125部(市販品、純度55%、その他成分は単官能ビニルモノマー)を混合し、30℃で15分攪拌してシード粒子にモノマーを吸着させた。次いで、80℃に昇温して4時間かけて重合を行った。平均孔径1.0μmのフィルターで濾過して異物を取り除き、ポリマー粒子の水分散液を得た。
次いで、公知の遠心分離装置を用いて、ポリマー粒子の水分散液からポリマー粒子を分離回収した。更に、回収したポリマー粒子に水を添加して攪拌、超音波分散処理を行ってポリマー粒子の水分散液を作製し、遠心分離装置によるポリマー粒子の分離回収を行った。この操作を繰り返し3回行い、ポリマー粒子を洗浄した。回収したポリマー粒子を乾燥させて水分を取り除き、公知の手法を用いて粉砕処理して、本発明の一次粒子同士がストラクチャーを形成していない架橋構造を有するポリマー粒子Y−1(表6参照)を作製した。このようにして得られたポリマー粒子Y−1の平均一次粒子径(D50)は0.31μm、粒度分布値(D25/D75)は1.03であった。
作製したポリマー粒子Y−1の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を、図1に示す。
(バックコート層塗布液Iの作製)
下記のカーボンブラック、α−アルミナ、ニトロセルロース、ポリエーテルポリエステルポリウレタン樹脂、溶剤を添加し、公知のダイノミル(直径0.5mmのジルコニアビーズ)を用いて分散処理した。
カーボンブラック(比表面積55m/g) 100部
α−アルミナ(平均粒径0.15μm) 0.5部
ニトロセルロース(ベルジュラックNC社製) 75部
ポリエーテルポリエステルポリウレタン樹脂 23部
(質量平均分子量(Mw):5万、極性基−SONa基:65eq./トン含有)
メチルエチルケトン 900部
トルエン 250部
作製した分散液に、上記のポリマー粒子Y−1を1.0部添加して、公知のダイノミル(直径0.5mmのジルコニアビーズ)を用いて分散処理した。
ポリマー粒子Y−1 1.0部
更に、下記の原材料を加えて、市販の攪拌機で攪拌処理した。
ポリエステル樹脂(バイロン500、東洋紡社製) 2部
ポリイソシアネート(コロネートL、日本ポリウレタン社製) 16部
この攪拌体を平均孔径1.0μmのフィルターで濾過してバックコート層塗布液Iを作製した。
(磁気記録媒体の作製)
非磁性支持体(長さ10000m)の上に、上記のようにして作製した非磁性層塗布液を、乾燥後の膜厚が1.0μmになるように公知の手法により塗布、110℃で乾燥して、非磁性層を作製した。
作製した非磁性層の上に、上記のようにして作製した磁性層塗布液を、乾燥後の膜厚が0.04μmとなるように特開2003−236452号公報記載の手法を用いて塗布、120℃で乾燥して磁性層を作製した。
磁性層とは反対側(裏面側)の非磁性支持体の上に、上記のようにして作製したバックコート層塗布液Iを、乾燥後の厚さが0.6μmとなるように公知の手法により塗布、120℃で乾燥して、バックコート層を作製した。
なお、磁性層、非磁性層、及び、バックコート層に含有される残留溶剤量の合計が、テープ状の磁気記録媒体において、2〜5mg/gの範囲になるように、磁性層、非磁性層、及び、バックコート層の乾燥条件を適宜調整した。
非磁性層、磁性層、及びバックコート層が形成された非磁性支持体に対して、金属ロール(温度100℃)から構成される7段のカレンダ処理機(線圧350kg/cm)で、処理速度80m/分でカレンダ処理を実施し、巻き芯に巻き取った。次いで、巻き芯にロール状に巻いた状態で、65℃、72時間で熱処理を実施した。更に、1/2インチ幅にテープ状にスリットして、テープ状の磁気記録媒体を作製した。
(磁気記録媒体の評価)
作製したテープ状の磁気記録媒体に関し、ポリマー粒子Y−1のバックコート層中での存在状態、バックコート層の表面の中心線平均表面粗さ(Ra)、高さが100nm以上の突起数、表面電気抵抗値、及び、テープ状の磁気記録媒体の走行性、残留溶剤量を実施例1−1と全く同様に評価した。
更に下記のようにして、磁性層を有する側の表面、及び、バックコート層を有する側の表面の押し込み硬度、ドロップアウト(DO)エラーの発生頻度、磁性層の表面の凹み数、の評価を行った。
(1)押し込み硬度(DH)の評価
超微小押し込み硬さ試験機(型式ENT−1100a、(株)エリオニクス製)を用いた。圧子として、三角錘圧子(刃角度65°、稜間角115゜、ダイヤモンド製)を用いた。押し込み加重は、10秒かけて6mgf(58.8μN)まで連続的に増加させた後、6mgfにて1秒間保持し、その後10秒かけて除荷した。押し込み硬度(DH)は前記の通り算出した。
テープ状の磁気記録媒体において、磁性層を有する側の表面、及び、バックコート層を有する側の表面における5℃、及び、50℃における押し込み硬度を評価した(表7中の「押し込み硬度」の項目参照。
(2)ドロップアウト(DO)エラーの発生頻度の評価
作製したテープ状の磁気記録媒体をリールに850m巻いてカートリッジに収納し、温度50℃の環境条件で1週間保管した。リールの芯から100mの位置から巻き外側に向かって100mの位置の間に、線記録密度200kfciで信号を記録し、リードトラック幅(RTw)が1.5μmのMRヘッドを用いて信号を再生し、磁気記録媒体の長さ1m当たりに存在する、出力が70%以上低下したドロップアウト(DO)の発生頻度を評価した(表7中の「DOエラーの発生頻度」の項目参照)。
1:ドロップアウトエラーの発生頻度が1個未満/m
2:ドロップアウトエラーの発生頻度が1個以上/m〜3個未満/m
3:ドロップアウトエラーの発生頻度が3個以上/m〜5個未満/m
4:ドロップアウトエラーの発生頻度が5個以上/m〜10個未満/m
5:ドロップアウトエラーの発生頻度が10個以上/m
(3)磁性層表面の凹み数の評価
上記ドロップアウト(DO)エラーの発生頻度の評価で用いたテープ状の磁気記録媒体を用いてリールの芯から100mの位置にあった箇所のテープ状の磁気記録媒体において、深さが50nm以上の凹みの数を評価した。(表7中の「磁性層の凹み数」の項目参照)。
原子間力顕微鏡(AFM、ナノスコープ4、デジタルインスツルメンツ社製)を用いて、0.25mmの面積(測定面積0.01mmを25箇所測定)について評価した。探針として稜角70°の四角錐のSiN探針を用いた。
なお、本実施形態の磁気記録媒体では、磁性層が磁気記録媒体の表面側の最外層を形成するので、表面側の凹み数の表面状態を、磁気記録媒体の磁性層の表面状態とみなしうる。
[実施例3−2]
(バックコート層塗布液IIの作製)
ニトロセルロースを45部、ポリエーテルポリエステルポリウレタン樹脂(質量平均分子量(Mw):5万、極性基−SONa基:65eq./トン含有)を53部に変更した以外はバックコート層塗布液Iと全く同様にして、バックコート層塗布液IIを作製した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液IIを用いた以外は、実施例3−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例3−3]
(バックコート層塗布液IIIの作製)
ニトロセルロースを30部、ポリエーテルポリエステルポリウレタン樹脂(質量平均分子量(Mw):5万、極性基−SONa基:65eq./トン含有)を68部に変更した以外はバックコート層塗布液Iと全く同様にして、バックコート層塗布液IIIを作製した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液IIIを用いた以外は、実施例3−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[比較例3−A]
(バックコート層塗布液IVの作製)
ポリマー粒子Y−1の代わりに、粒子が複数個融着してストラクチャーを形成している無機粒子i(カーボンブラック、比表面積20m/g、表6参照)を用い、それ以外は、バックコート層塗布液Iと全く同様にして、バックコート層塗布液IVを作製した。
尚、無機粒子iの添加量はテープ状の磁気記録媒体のバックコート層表面における高さが100nm以上の突起数が、実施例3−1で作製した磁気記録媒体のバックコート層の突起数と、ほぼ同じになるように適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液IVを用いた以外は、実施例3−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[比較例3−B]
(ポリマー粒子Y−2の作製)
粉砕処理を実施しなかった以外は、ポリマー粒子Y−1の作製と全く同様にしてポリマー粒子Y−2(表6参照)を作製した。
(バックコート層塗布液Vの作製)
下記のカーボンブラック、α−アルミナ、ニトロセルロース、ポリエーテルポリエステルポリウレタン樹脂、溶剤を添加し、公知のダイノミル(直径0.5mmのジルコニアビーズ)を用いて分散処理した。
カーボンブラック(比表面積55m/g) 100部
α−アルミナ(平均粒径0.15μm) 0.5部
ニトロセルロース(ベルジュラックNC社製) 75部
ポリエーテルポリエステルポリウレタン樹脂 23部
(質量平均分子量(Mw):5万、極性基−SONa基:65eq./トン含有)
メチルエチルケトン 900部
トルエン 250部
更に、下記の原材料を加えて、市販の攪拌機で攪拌処理した。
ポリマー粒子Y−2 1.0部
ポリエステル樹脂(バイロン500、東洋紡社製) 2部
ポリイソシアネート(コロネートL、日本ポリウレタン社製) 16部
この攪拌体を平均孔径1.0μmのフィルターで濾過してバックコート層塗布液Vを作製した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液Vを用いた以外は、実施例3−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例3−4]
(ポリマー粒子Z−1の作製)
5Lの容器に、スチレン97部、メタクリル酸3部、t−ドデシルメルカプタン5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8部、過硫酸カリウム0.4部、及び、水250部を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら80℃に昇温して、7時間かけて重合を行い、シード粒子を作製した。作製したシード粒子の平均一次粒子径(D50)は0.17μm、粒度分布値(D25/D75)は1.45であった。
作製した上記シード粒子(固形分換算)10部に対し、ラウリル硫酸ナトリウム1.2部、過硫酸カリウム0.6部、水600部、及び、ジビニルベンゼン125部(市販品、純度55%、その他成分は単官能ビニルモノマー)を混合し、30℃で15分攪拌してシード粒子にモノマーを吸着させた。次いで、80℃に昇温して4時間かけて重合を行った。平均孔径1.0μmのフィルターで濾過して異物を取り除き、ポリマー粒子の水分散液を得た。
次いで、公知の遠心分離装置を用いて、ポリマー粒子の水分散液からポリマー粒子を分離回収した。更に、回収したポリマー粒子に水を添加して攪拌、超音波分散処理を行ってポリマー粒子の水分散液を作製し、遠心分離装置によるポリマー粒子の分離回収を行った。この操作を繰り返し3回行い、ポリマー粒子を洗浄した。回収したポリマー粒子を乾燥させて水分を取り除き、公知の手法を用いて粉砕処理して、本発明の一次粒子同士がストラクチャーを形成していない架橋構造を有するポリマー粒子Z−1(表6参照)を作製した。このようにして得られたポリマー粒子Z−1の平均一次粒子径(D50)は0.32μm、粒度分布値(D25/D75)は1.55であった。
(バックコート層塗布液VIの作製)
ポリマー粒子Y−1の代わりに、ポリマー粒子Z−1を用いた以外はバックコート層塗布液IIIと全く同様にして、バックコート層VIを作製した。
尚、ポリマー粒子Z−1の添加量はテープ状の磁気記録媒体のバックコート層表面における高さが100nm以上の突起数が、実施例3−3で作製した磁気記録媒体のバックコート層の突起数と、ほぼ同じになるように適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液VIを用いた以外は、実施例3−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例3−5]
(ポリマー粒子Z−2の作製)
実施例3−4で作製したポリマー粒子の水分散液において、公知の分級装置を用いて、分級処理を行った。実施例3−4と同様にして、ポリマー粒子を洗浄、乾燥、粉砕処理を行って、本発明のポリマー粒子Z−2(表6参照)を作製した。このようにして得られたポリマー粒子Z−2の平均一次粒子径(D50)は0.31μm、粒度分布値(D25/D75)は1.25であった。
(バックコート層塗布液VIIの作製)
ポリマー粒子Y−1の代わりに、ポリマー粒子Z−2を用いた以外はバックコート層塗布液IIIと全く同様にして、バックコート層VIIを作製した。
尚、ポリマー粒子Z−2の添加量はテープ状の磁気記録媒体のバックコート層表面における高さが100nm以上の突起数が、実施例3−3で作製した磁気記録媒体のバックコート層の突起数と、ほぼ同じになるように適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液VIIを用いた以外は、実施例3−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例3−6]
(非磁性支持体の作製)
市販のポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム(PEN、膜厚4.3μm)において、公知の真空蒸着装置を用い、磁性層を塗設する側に非磁性の酸化アルミニウムを主成分とする蒸着層(膜厚80nm)を形成し、バックコート層を塗設する側に非磁性の酸化アルミニウムを主成分とする蒸着層(膜厚100nm)を形成した。
このようにして、表裏面に酸化アルミニウムを主成分とする蒸着層を有する非磁性支持体を作製した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
上記支持体、及び、バックコート層塗布液Iを用いた以外は、実施例3−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[比較例3−C]
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液IVを用いた以外は、実施例3−6と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例3−7]
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液IIを用いた以外は、実施例3−6と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例3−8]
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液IIIを用いた以外は、実施例3−6と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例3−9]
(非磁性支持体)
芳香族ポリアミドを主成分とする市販の非磁性支持体(アラミド、膜厚3.5μm)を用いた。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
上記支持体、及び、バックコート層塗布液Iを用いた以外は、実施例3−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[比較例3−D]
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液IVを用いた以外は、実施例3−9と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例3−10]
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液IIを用いた以外は、実施例3−9と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例3−11]
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液IIIを用いた以外は、実施例3−9と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例3−12]
(バックコート層塗布液VIIIの作製)
バックコート層塗布液Iに用いたポリマー粒子Y−1の代わりに、本発明の一次粒子同士がストラクチャーを形成していない無機粒子j(表6参照)を用いて、バックコート層塗布液VIIIを作製した。
尚、無機粒子jの添加量はテープ状の磁気記録媒体のバックコート層表面における高さが100nm以上の突起数が、実施例3−1で作製した磁気記録媒体のバックコート層の突起数と、ほぼ同じになるように適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液VIIIを用いた以外は、実施例3−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例3−13]
(バックコート層塗布液IXの作製)
バックコート層塗布液IIに用いたポリマー粒子Y−1の代わりに、本発明の一次粒子同士がストラクチャーを形成していない無機粒子j(表6参照)を用いて、バックコート層塗布液IXを作製した。
尚、無機粒子jの添加量はテープ状の磁気記録媒体のバックコート層表面における高さが100nm以上の突起数が、実施例3−2で作製した磁気記録媒体のバックコート層の突起数と、ほぼ同じになるように適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液IXを用いた以外は、実施例3−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例3−14]
(バックコート層塗布液Xの作製)
バックコート層塗布液IIIに用いたポリマー粒子Y−1の代わりに、本発明の一次粒子同士がストラクチャーを形成していない無機粒子j(表6参照)を用いて、バックコート層塗布液Xを作製した。
尚、無機粒子jの添加量はテープ状の磁気記録媒体のバックコート層表面における高さが100nm以上の突起数が、実施例3−3で作製した磁気記録媒体のバックコート層の突起数と、ほぼ同じになるように適宜調整した。
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液Xを用いた以外は、実施例3−1と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例3−15]
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液VIIIを用いた以外は、実施例3−6と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例3−16]
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液IXを用いた以外は、実施例3−7と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例3−17]
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液Xを用いた以外は、実施例3−8と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例3−18]
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液VIIIを用いた以外は、実施例3−9と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例3−19]
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液IXを用いた以外は、実施例3−10と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
[実施例3−20]
(磁気記録媒体の作製、及び、評価)
バックコート層塗布液Xを用いた以外は、実施例3−11と全く同様にして、テープ状の磁気記録媒体を作製し、評価した。
(評価結果)
実施例3−1〜3−20、及び、比較例3−A〜3−Dにおいて、全てのバックコート層における表面電気抵抗値は5×10〜7×10Ω/□で、同等であった。また、磁気記録媒体に含有される残留溶剤量も2〜5mg/gで、同等であった。
本発明のポリマー粒子を用いた実施例3−1〜3−11において、走行性が良好で、かつ、ドロップアウトエラーの発生が少ない磁気記録媒体が作製できた。
一方、比較例3−A、3−Bは、走行性は良好であったが、ドロップアウトエラーの発生が多かった。比較例3−A、3−Bで用いた粒子は、バックコート層中でストラクチャーや二次凝集体を形成したことで、裏写りにより、磁性層の表面にドロップアウトエラーの原因となる凹みを多く形成したことが原因と考えられる。
実施例3−1、実施例3−2、実施例3−3の順に、ドロップアウトエラーが少なくなった。この結果は、バックコート層を有する側の表面が軟らかくなるほど、磁性層を有する側の表面がバックコート層の表面に存在する突起から受ける圧力が低減され、裏写りによる凹みが低減されたためと考えられる。
実施例3−3に対して、実施3−4のドロップアウトエラーの発生が若干多かったのは、バックコート層に用いたポリマー粒子の粒度分布値(D25/D75)が大きかったことで、裏写りにより、磁性層の表面にドロップアウトエラーの原因となる凹みを若干多く形成したことが原因と考えられる。
実施例3−4に用いた粒子に対して、分級処理を実施することにより粒度分布値(D25/D75)を小さくしたポリマー粒子を用いた実施例3−5は、実施例3−4よりもドロップアウトエラーの発生が少なかった。従って、粒子に分級処理を実施して粒度分布値(D25/D75)を小さくすることは、ドロップアウトエラーを対策するのに有効である。
実施例3−1〜実施例3−3に対して、実施例3−6〜実施例3−8や実施例3−9〜実施例3−11は、ドロップアウトエラーの発生が少なかった。この結果は、蒸着層付き支持体やアラミド支持体が、高温環境条件での保管において、PEN支持体よりも、磁性層の表面にドロップアウトエラーの原因となる凹みを形成しにくい効果があったことに起因している。従って、蒸着層付き支持体やアラミド支持体を用いることは、ドロップアウトエラーを対策するのに有効である。一方、従来公知のバックコート層(バックコート層塗布液IV)を用いた比較例3−C、比較例3−Dでは、磁性層表面のドロップアウトエラーの原因となる凹みを、高密度磁気記録媒体として使用できる程度には低減することはできなかった。
また、蒸着層付き支持体を用いた比較例3−C、及び、アラミド支持体を用いた比較例3−Dは走行性が良くなかったが、実施例3−6〜実施例3−11において走行性を改良する効果が得られた。この結果は、蒸着層付き支持体やアラミド支持体において、本発明のバックコート層が、従来公知のバックコート層(バックコート層塗布液IV)よりも優れた走行性を得ることができることを示している。
蒸着層付き支持体やアラミド支持体は、可逆的な寸度安定性に優れており、磁気記録媒体を様々な使用環境で用いることが提案されているが、本発明のバックコート層を用いることで、更に、ドロップアウトエラーが低減され、走行性も改良できるため、高密度記録媒体の作製に極めて有効である。
同様の結果は、無機粒子jを用いた実施例3−12〜実施例3−20においても得られ、ドロップアウトエラーの発生が少ないテープ状の磁気記録媒体の作製が可能であった。
一方で、実施例3−1〜実施例3−11に比べて、実施例3−12〜実施例3−20においてドロップアウトエラーの発生頻度は若干多かった。この結果は、無機粒子jよりもポリマー粒子Y−1の方がドロップアウトエラーの発生を低減する効果が高いことを示している。
本発明の磁気記録媒体は、走行安定性に優れ、かつ、ドロップアウト、エラーレートの悪化、及び、S/N低下の原因となる磁性層表面への裏写りによる凹みを低減した、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体である。

Claims (14)

  1. 非磁性支持体の一方の面上に非磁性粉末と結合剤を含有する非磁性層、及び、強磁性粉末と結合剤を含有する磁性層をこの順に有し、該支持体の他方の面上にバックコート層を有する磁気記録媒体であって、該バックコート層は、バックコート層中で実質的にストラクチャー又は二次凝集体を形成していない、平均一次粒子径(D50)が0.05〜1.0μmの粒子を含有することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 該粒子の平均一次粒子径(D50)が0.1〜0.6μmであることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 非磁性支持体の一方の面上に非磁性粉末と結合剤を含有する非磁性層、及び、強磁性粉末と結合剤を含有する磁性層をこの順に有し、該支持体の他方の面上にバックコート層を有する磁気記録媒体であって、該バックコート層は、粒度分布値(D25/D75)が2.0以下の球状粒子を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 該粒度分布値(D25/D75)が1.5以下であることを特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体。
  5. 該粒子が、分級処理により粒度分布値(D25/D75)が2.0以下に調整されていることを特徴とする請求項3または4に記載の磁気記録媒体。
  6. 該粒子が、架橋構造を有するポリマー粒子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  7. 該粒子が、アクリル、スチレン、ジビニルベンゼン、ベンゾグアナミン、メラミン、ホルムアルデヒド、ブタジエン、アクリロニトリル、クロロプレンから選ばれる少なくとも1つの成分を含有するポリマー粒子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  8. 該粒子が熱可塑性を有し、該粒子のガラス転移温度(Tg)又は軟化温度が20〜160℃であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  9. 該粒子が、シード粒子を含む水分散体において、該シード粒子に架橋、又は、重合性モノマーを吸着させながら乳化重合することによって得られるポリマー粒子であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  10. 該粒子が二酸化珪素を主成分とする無機粒子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  11. 該バックコート層が比表面積30m/g未満のカーボンブラックを含有しないことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  12. 該磁性層、非磁性層及びバックコート層に含有される残留溶剤量の総和が0.1〜25mg/gであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  13. バックコート層を有する側の表面の押し込み硬度が、磁性層を有する側の表面の押し込み硬度よりも低いことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  14. 非磁性支持体が芳香族ポリアミドを主成分とする非磁性支持体、又は、少なくとも一方の表面に蒸着法で作製した非磁性の金属類、若しくは金属系無機化合物からなる皮膜を有する非磁性支持体であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の磁気記録媒体。
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