JP2010056029A - 光電変換素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】変換効率を向上させることが可能な光電変換素子を提供する。
【解決手段】作用電極10および対向電極20と共に電解質含有層30を備え、作用電極10には、色素13を担持した金属酸化物半導体層12が設けられている。色素13は、メチン鎖とそのメチン鎖の両端に結合したインドレニン骨格とそのインドレニン骨格が含む窒素原子にアルキレン基を介して結合したアンカー基とを有するシアニン色素を含んでいる。作用電極10では、このシアニン色素が金属酸化物半導体層12の表面における色素の会合を抑制する。
【選択図】図1
【解決手段】作用電極10および対向電極20と共に電解質含有層30を備え、作用電極10には、色素13を担持した金属酸化物半導体層12が設けられている。色素13は、メチン鎖とそのメチン鎖の両端に結合したインドレニン骨格とそのインドレニン骨格が含む窒素原子にアルキレン基を介して結合したアンカー基とを有するシアニン色素を含んでいる。作用電極10では、このシアニン色素が金属酸化物半導体層12の表面における色素の会合を抑制する。
【選択図】図1
Description
本発明は、色素を用いた光電変換素子に関する。
従来、太陽光などの光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池などの光電変換素子として、色素を担持した酸化物半導体電極を用いた色素増感型光電変換素子が知られている。この色素増感型光電変換素子は、理論的に高い効率が期待でき、一般に普及しているシリコン半導体を用いた光電変換素子より、コスト的に非常に有利であると考えられている。このため、次世代の光電変換素子として注目されており、実用化に向けて開発が進められている。
この色素増感型光電変換素子に用いられる色素としては、ルテニウム錯体系色素や、有機色素が知られている。特に、有機色素は、比較的安定性が高く、容易に合成可能であるため、種々の検討がなされている。具体的には、変換効率などの向上を目的として、メチン(−CH=)鎖の両端にインドレニン骨格が結合した構造と共にカルボン酸基を有するシアニン系色素を用いる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。ところが、このような構造を有するシアニン系色素は、会合体を形成しやすいという特性を有する。このため、このようなシアニン系色素を用いた光電変換素子では、酸化物半導体電極に担持させた色素において光増感に寄与しない会合体の割合が増加し、十分な変換効率が得られにくいという問題がある。
そこで、会合体を形成しにくいシアニン系色素として、上記したメチン鎖部分およびインドレニン骨格部分にアルキル基や塩素基などの置換基を導入した構造を有するシアニン系色素を用いる技術が検討されている(例えば、特許文献2および非特許文献1参照。)。
特開2007−220412号公報
特開2008−166119号公報
アツヒロ・オオツカ,他5名,「デザイン・アンド・シンセシス・オブ・ニア−インフラレッド−アクティブ・へプタメチン−シアニン・ダイズ・トゥ・サプレス・アグリゲイション・イン・ア・ダイ−センシタイズド・ポーラス・ジンク・オキサイド・ソーラー・セル(Design and Synthesis of Near-infrared-active Heptamethine-Cyanine Dyes to Suppress Aggregation in a Dye-sensitized Porous Zinc Oxide Solar Cell )」,ケミストリー・レターズ(Chemistry Letters)(日本),2008年,第2巻,第37号,p176−177
しかしながら、上記した特許文献2および非特許文献1の色素を用いた光電変換素子においても、十分な変換効率が得られているわけではなく、更なる向上が望まれている。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、変換効率を向上させることが可能な光電変換素子を提供することにある。
本発明の光電変換素子は、色素と、この色素を担持する担持体とを有する電極を備えた光電変換素子であって、色素は、式(1)で表される化合物を含むものである。この式(1)中で説明した「直鎖状アルキル基」とは、その骨格を構成する炭素原子が直鎖状に結合した炭化水素基のことをいう。
本発明の光電変換素子では、色素が式(1)に示した化合物を含むことから、担持体表面における色素の会合が抑制される。具体的には、一般的に、メチン鎖およびその両端に結合したインドレニン骨格を含む化合物の場合、平面的になりやすい構造を有していることから、特段の工夫を施さないと会合体を形成しやすい。ところが、式(1)に示した化合物では、立体的に嵩高い炭素数6以上の直鎖状アルキル基がR1〜R4のうちの少なくとも1つとしてインドレニン骨格に導入されているので、分子全体として、立体的なサイズが大きいものとなっている。このため、式(1)に示した化合物を含む色素では、会合体を形成しにくく、担持体表面において光電変換に寄与しにくい会合した色素の割合が減少する。これにより、担持体表面に担持された色素が効率よく光を吸収する。光を吸収した色素は、励起し電子を速やかに担持体に注入し、これにより光電変換が行われる。
本発明の光電変換素子では、式(1)に示したR1〜R4のうちの2つ以上が炭素数6以上の直鎖状アルキル基であること、すなわち、式(1)に示したR1〜R4として炭素数6以上の直鎖状アルキル基が複数導入されていることが好ましい。また、式(1)に示したR1およびR2、またはR3およびR4が炭素数6以上の直鎖状アルキル基であることが好ましい。さらに、式(1)に示したR1〜R4は、いずれも炭素数6以上の直鎖状アルキル基であるのが好ましい。いずれの場合おいても、担持体表面における色素の会合がより抑制され、効率よく光電変換が行われる。
また、本発明の光電変換素子では、式(1)に示したR1〜R4の炭素数の合計は、72以下であってもよい。この範囲内とすることにより、担持体表面における色素の担持量を十分に確保されるため、担持体の表面積あたりの光電変換が良好に維持される。また、R5およびR6は、エチレン基(−CH2 −CH2 −)であってもよい。
さらに、本発明の光電変換素子では、担持体は、電解析出法により形成されると共に酸化亜鉛(ZnO)を含むことが好ましい。これにより、より効率よく光電変換が行われる。
本発明の光電変換素子によれば、色素と、この色素を担持する担持体とを有する電極を備え、色素が式(1)に示した化合物を含むので、例えば、式(1)に示した構造を含まない化合物(例えば、式(1)中のR1〜R4として炭素数4あるいは5のアルキル基が導入された化合物)を含む場合と比較して、変換効率を向上させることができる。また、式(1)に示したR1〜R4のうちの2つ以上が炭素数6以上の直鎖状アルキル基である場合や、式(1)に示したR1およびR2、またはR3およびR4が炭素数6以上の直鎖状アルキル基である場合や、式(1)に示したR1〜R4がいずれも炭素数6以上の直鎖状アルキル基である場合には、変換効率をより向上させることができる。
特に、担持体が電解析出法により形成されると共に酸化亜鉛を含んでいれば、より高い変換効率が得られる。
以下、本発明の実施のための最良の形態(以下、単に実施の形態という。)について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る光電変換素子の断面構成を模式的に表すものであり、図2は、図1に示した光電変換素子の主要部を抜粋および拡大して表すものである。図1および図2に示した光電変換素子は、いわゆる色素増感型太陽電池の主要部である。この光電変換素子は、作用電極10と対向電極20とが電解質含有層30を介して対向配置されたものであり、作用電極10および対向電極20のうちの少なくとも一方は、光透過性を有する電極である。
作用電極10は、例えば、導電性基板11と、その一方の面(対向電極20の側の面)に設けられた金属酸化物半導体層12と、この金属酸化物半導体層12を担持体として色素13とを有している。この作用電極10は、外部回路に対して、負極として機能するものである。導電性基板11は、例えば、絶縁性の基板11Aの表面に導電層11Bを設けたものである。
基板11Aの材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、透明ポリマーフィルムなどの絶縁性材料が挙げられる。透明ポリマーフィルムとしては、例えば、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオクタチックポリステレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィンあるいはブロム化フェノキシなどが挙げられる。
導電層11Bとしては、例えば、酸化インジウム、酸化スズ、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)あるいは酸化スズにフッ素をドープしたもの(FTO:F−SnO2 )などの導電性金属酸化物薄膜や、金(Au)、銀(Ag)あるいは白金(Pt)などの金属薄膜や、導電性高分子などで形成されたものなどが挙げられる。
なお、導電性基板11は、例えば、導電性を有する材料によって単層構造となるように構成されていてもよく、その場合、導電性基板11の材料としては、例えば、酸化インジウム、酸化スズ、インジウム−スズ複合酸化物あるいは酸化スズにフッ素をドープしたものなどの導電性金属酸化物や、金、銀あるいは白金などの金属や、導電性高分子などが挙げられる。
金属酸化物半導体層12は、色素13を担持する担持体であり、例えば、図2に示したように多孔質構造を有している。この金属酸化物半導体層12は、緻密層12Aと多孔質層12Bとから形成されている。導電性基板11との界面においては、緻密層12Aが形成され、この緻密層12Aは、緻密で空隙が少ないことが好ましく、膜状であることがより好ましい。電解質含有層30と接する表面においては、多孔質層12Bが形成され、この多孔質層12Bは、空隙が多く、表面積が大きくなる構造が好ましく、特に、多孔質の微粒子が付着している構造がより好ましい。なお、金属酸化物半導体層12は、例えば、膜状の単層構造となるように形成されてもよい。
金属酸化物半導体層12の材料(金属酸化物半導体材料)としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化バナジウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウムあるいは酸化マグネシウムなどが挙げられる。中でも、金属酸化物半導体材料としては、酸化チタンおよび酸化亜鉛のうちの少なくとも1種が好ましく、酸化亜鉛がより好ましい。高い変換効率が得られるからである。また、これら金属酸化物半導体材料は、いずれか1種を単独で用いてもよいが、2種以上を複合(混合、混晶、固溶体など)させて用いてもよく、例えば、酸化亜鉛と酸化スズ、酸化チタンと酸化ニオブなどの組み合わせで使用することもできる。
この多孔質構造を有する金属酸化物半導体層12の形成方法としては、例えば、電解析出法や、焼成法などが挙げられる。電解析出法により金属酸化物半導体層12を形成する場合には、金属酸化物半導体材料の微粒子を含む電解浴液中において、導電性基板11の導電層11Bの上に微粒子を付着させると共に金属酸化物半導体材料を析出させる。また、焼成法により金属酸化物半導体層12を形成する場合には、金属酸化物半導体材料の微粒子を分散させた分散液(金属酸化物スラリー)を導電性基板11の上に塗布したのち、焼成する。金属酸化物半導体層12の形成方法としては、電解析出法が好ましい。高い変換効率が得られると共に、基板11Aとして耐熱性が低いプラスチック材料やポリマーフィルム材料を用いることができるため、フレキシブル性の高い光電変換素子を作製できるからである。
色素13は、光を吸収して励起することにより電子を金属酸化物半導体層12へ注入することが可能な1種あるいは2種以上の色素を含んでいる。色素13は、この色素として式(1)に示した化合物を含んでいる。式(1)に示した化合物のうちの1種を単独で用いてもよいし、複数種を併せて用いてもよい。この式(1)に示した化合物を含むことにより、色素13中における会合体の形成が抑制されるため、変換効率が向上する。なお、式(1)に示した化合物は、式(1)に示した構造を有していれば、その鏡像異性体や、ジアステレオマーであっても同様の効果が得られる。
式(1)に示した化合物は、メチン鎖(−CH=CH−CH=CH−CH=:ペンタメチン)およびその両端に結合したインドレニン骨格(環A,環Bを有する骨格)と共にインドレニン骨格中の窒素原子にアルキレン基(R5,R6)を介して結合したカルボン酸基(−C(=O)−OH)あるいはカルボン酸イオン基(−C(=O)−O- )(Y1,Y2)を有している。このY1およびY2は、いわゆるアンカー基であり、金属酸化物半導体層12と化学的に結合すると共に電子吸引性を有している。このような構造を有することにより、式(1)に示した化合物では、光を吸収して励起し、アンカー基であるY1およびY2を介して速やかに電子を金属酸化物半導体層12に注入する。よって、高い変換効率が得られる。
上記したようなメチン鎖およびその両端に結合したインドレニン骨格を含む構造は、メチン鎖およびインドレニン骨格を構成する炭素原子および窒素原子が同一平面上に並びやすく、高い平面性を有している。このような高い平面性を有する化合物(平面的な構造を含む化合物)では、通常、化合物同士において、その平面が重なり合うことにより、会合体を形成しやすい性質を有している。ところが、図3に示したように、式(1)に示した化合物では、立体的に嵩高い炭素数6以上の直鎖状アルキル基がR1〜R4のうちの少なくとも1つとして結合している。図3はR1として炭素数6の直鎖状アルキル基を有すると共にR2〜R4としてメチル基を有する式(1)に示した化合物の立体構造を模式的に表している(ただし、Xp-は図示せず)。このように、式(1)に示した化合物は、メチン鎖およびインドレニン骨格を含む平面(XY平面)に対して上面側および下面側のうちの少なくとも一方の空間(Z軸方向の空間)を占有するように、炭素数6以上の直鎖状アルキル基を有していると考えられる。このため、式(1)に示した化合物では、会合しやすい構造を含んでいながら、この立体的に嵩高い直鎖状アルキル基を有するため、会合体の形成が抑制される。これにより、金属酸化物半導体層12の表面において光電変換に寄与しにくい会合した色素の割合を減少させ、変換効率が向上する。
式(1)中で説明したR1〜R4は、置換基であり、それらのうちの少なくとも1つが炭素数6以上の直鎖状アルキル基であれば任意である。この炭素数6以上の直鎖状アルキル基以外の置換基(以下、他の置換基という)としては、例えば、メチル基あるいはエチル基などの炭素数5以下の直鎖状アルキル基や、ターシャリーブチル基などの分岐構造を有するアルキル基や、ベンジル基(−CH2 −C6 H5 )あるいはフェネチル基(−CH2 −CH2 −C6 H5 )などのベンゼン環を有する基、ナフタレン環を有する基またはビフェニル骨格を有する基などの芳香族環を有する基や、シクロヘキサン骨格を有する基などのシクロアルカン骨格を有する基などが挙げられる。中でも、他の置換基としては、アルキル基が好ましい。十分な変換効率が得られると共に、容易に合成可能であるからである。
また、R1〜R4のうちの少なくとも1つとして導入される直鎖状アルキル基の炭素数が6以上であるのは、炭素数5以下の直鎖状アルキル基を有する場合よりも、高い変換効率が得られるからである。この直鎖状アルキル基の炭素数は、11以上であるのが好ましい。十分な変換効率が得られると共に、生産性が向上するからである。具体的には、炭素数11以上の直鎖状アルキル基を有すると、溶剤に対して溶解性が向上するため、金属酸化物半導体層12に色素13を担持させる際に用いる色素溶液を高濃度に調整することができる。高濃度色素溶液を用いることにより、金属酸化物半導体層12に色素13を担持させる時間が短縮されるため、光電変換素子の生産性が向上する。また、この直鎖状アルキル基の炭素数は、25以下であることが好ましい。炭素数が25よりも多くなると立体障害により合成しにくくなるからである。中でも、直鎖状アルキル基の炭素数は、20以下であるのが好ましい。比較的合成しやすく、しかも高い変換効率が得られるからである。
炭素数6以上の直鎖状アルキル基は、R1〜R4のうちの2以上に導入されていること、すなわち、式(1)に示した化合物がR1〜R4として炭素数6以上の直鎖状アルキル基を複数有していることが好ましい。炭素数6以上の直鎖状アルキル基を2つ以上有する場合において1つ有する場合よりも高い変換効率が得られるからである。この炭素数6以上の直鎖状アルキル基を2つ有する場合には、R1およびR2、またはR3およびR4として炭素数6以上の直鎖状アルキル基が導入されているのが好ましい。詳細には、図4を参照して説明する。
図4(A)はR1およびR2として炭素数6の直鎖状アルキル基を有すると共に、R3およびR4としてメチル基を有する式(1)に示した化合物の立体構造を模式的に表し、図4(B)はR1およびR3として炭素数6の直鎖状アルキル基を有すると共に、R2およびR4としてメチル基を有する式(1)に示した化合物の立体構造を模式的に表している(ただし、Xp-は図示せず)。図4(A)に示したように、R1およびR2として立体的に嵩高い直鎖状アルキル基が導入されている場合には、式(1)に示した構造では、メチン鎖およびインドレニン骨格を含む平面(XY平面)に対して上面側および下面側の双方の空間(Z軸方向の空間)を占有するように、炭素数6以上の直鎖状アルキル基を有することとなる。その一方で、例えば、R1およびR3として炭素数6以上の直鎖状アルキル基が導入されている場合には、図4(B)に示したように、メチン鎖およびインドレニン骨格を含む平面(XY平面)に対して上面側あるいは下面側のうちのいずれか一方の空間(Z軸方向の空間)を占有するように、炭素数6以上の直鎖状アルキル基を有することになりやすい。従って、R1およびR2、またはR3およびR4のいずれか一方として炭素数6以上の直鎖状アルキル基が導入されている場合のほうが、メチン鎖およびインドレニン骨格を含む平面に対して上面側および下面側の双方の空間に化合物全体の平均的な立体的サイズが広がる。このため、効率的に会合体の形成を抑制し、高い変換効率が得られる。なお、図4(A)では、R1およびR2が炭素数6以上の直鎖状アルキル基である場合について説明したが、R3およびR4が炭素数6以上の直鎖状アルキル基であっても、同様である。
また、式(1)に示した化合物では、R1〜R4の全てが炭素数6以上の直鎖状アルキル基であるのが好ましい。図5に示したように、メチン鎖およびインドレニン骨格を含む平面に対して上面側および下面側の双方の空間を直鎖状アルキル基が占有するように広がり、化合物全体の立体的なサイズがより大きくなるため、より高い変換効率が得られるからである。図5はR1〜R4として炭素数6の直鎖状アルキル基を有する式(1)に示した化合物の立体構造を模式的に表している(ただし、Xp-は図示せず)。
このようなR1〜R4の炭素数の合計は、100以下であるのが好ましい。十分な変換効率が得られると共に、合成しやすいからである。具体的には、炭素数が100よりも多くなると、R1〜R4による立体障害により合成しにくくなる。また、この場合、式(1)に示した化合物全体の立体的なサイズが大きくなるため、金属酸化物半導体層12の表面における単位面積当たりに担持可能な分子数が低下し、変換効率が低下しやすくなる。さらに、R1〜R4の立体的なサイズが大きくなるため、このR1〜R4が電解質との電子のやりとりを阻害しやすくなる。中でも、R1〜R4の炭素数の合計は、72以下であるのが好ましい。比較的合成しやすく、しかも高い変換効率が得られるからである。
また、式(1)中で説明した環Aおよび環Bは、ベンゼン環あるいはナフタレン環の構造を有していれば任意である。また、環Aおよび環Bが置換基を有するベンゼン環あるいは置換基を有するナフタレン環である場合には、ベンゼン環あるいはナフタレン環に導入される置換基の種類および導入される置換基の数は、任意である。ベンゼン環あるいはナフタレン環に導入される置換基としては、例えば、フッ素基(−F)、塩素基(−Cl)あるいは臭素基(−Br)などのハロゲン基や、メチル基あるいはエチル基などのアルキル基や、トリフッ化メチル基(−CF3 )などのアルキル基の水素の一部あるいは全部がハロゲン基により置換されたハロゲン化アルキル基や、メトキシ基(−O−CH3 )などのアルコキシ基あるいはその水素の一部あるいは全部がハロゲンに置換されたハロゲン化アルコキシ基などが挙げられる。
式(1)中で説明したR5およびR6は、アルキレン基であればその炭素数は任意であるが、中でも、R5およびR6の双方はエチレン基であるのが好ましい。高い変換効率が得られるからである。
式(1)中で説明したXp-は、p価のアニオンであれば任意である。p=1の場合のアニオン(X- )としては、例えば、フッ化物イオン(F- )、塩化物イオン(Cl- )、臭化物イオン(Br- )、ヨウ化物イオン(I- )、六フッ化リン酸イオン(PF6 -) 、六フッ化アンチモン酸イオン(SbF6 -)、過塩素酸イオン(ClO4 -)あるいは四フッ化ホウ酸イオン(BF4 -)などが挙げられる。また、p=2の場合のアニオン(X2- )としては、硫酸イオン(SO4 2- )などが挙げられる。また、式(1)中で説明したqは、式(1)に示した化合物全体として電荷を中性に保つ係数であり、0であってもよい。q=0の場合には、例えば、式(1)中のY1およびY2のうちのいずれか一方がカルボン酸イオン基となり、内部塩を形成する。また、q=1の場合には、Xp-が一価のアニオンであるX- となり、化合物全体の電荷を中性に保つように塩を形成する。一方、Xp-が2価のアニオンであるX2-の場合には、q=1/2となる。すなわち、qは0あるいは1/pである。
式(1)に示した化合物としては、例えば、式(1−1)〜式(1−33)で表される化合物が挙げられる。すなわち、式(1−1)〜式(1−4)に示したR1〜R4として炭素数6あるいは炭素数8の直鎖状アルキル基を1つ〜4つ有する化合物や、式(1−5)〜式(1−12)に示したR1〜R4として炭素数10の直鎖状アルキル基を1つ〜4つ有する化合物や、式(1−13)〜式(1−23)に示したR1〜R4として炭素数11の直鎖状アルキル基を1つ〜4つ有する化合物などである。また、式(1−24)〜(1−28)に示したR1〜R4のいずれかとして炭素数16あるいは炭素数20の直鎖状アルキル基を有する化合物や、式(1−29)〜式(1−33)に示したR1〜R4として炭素数25の直鎖状アルキル基を1つ〜4つ有する化合物などである。
なお、式(1)に示した構造を有する化合物であれば、式(1−1)〜式(1−33)に示した化合物に限定されないことは、言うまでもない。
また、色素13は、式(1)に示した化合物の他に、他の色素を含んでいてもよい。他の色素は、金属酸化物半導体層12と化学的に結合することができる電子吸引性の置換基を有する色素が好ましい。他の色素としては、例えば、エオシンY、ジブロモフルオレセイン、フルオレセイン、ローダミンB、ピロガロール、ジクロロフルオレセイン、エリスロシンB(エリスロシンは登録商標)、フルオレシン、マーキュロクロム、シアニン系色素、メロシアニンジスアゾ系色素、トリスアゾ系色素、アントラキノン系色素、多環キノン系色素、インジゴ系色素、ジフェニルメタン系色素、トリメチルメタン系色素、キノリン系色素、ベンゾフェノン系色素、ナフトキノン系色素、ペリレン系色素、フルオレノン系色素、スクワリリウム系色素、アズレニウム系色素、ペリノン系色素、キナクリドン系色素、無金属フタロシアニン系色素または無金属ポルフィリン系色素などの有機色素などが挙げられる。
また、他の色素としては、例えば、有機金属錯体化合物も挙げられ、一例としては、芳香族複素環内にある窒素アニオンと金属カチオンとで形成されるイオン性の配位結合と、窒素原子またはカルコゲン原子と金属カチオンとの間に形成される非イオン性配位結合の両方を有する有機金属錯体化合物や、酸素アニオンもしくは硫黄アニオンと金属カチオンとで形成されるイオン性の配位結合と、窒素原子またはカルコゲン原子と金属カチオンとの間に形成される非イオン性配位結合の両方を有する有機金属錯体化合物などが挙げられる。具体的には、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンなどの金属フタロシアニン系色素、金属ナフタロシアニン系色素、金属ポルフィリン系色素、ならびにビピリジルルテニウム錯体、ターピリジルルテニウム錯体、フェナントロリンルテニウム錯体、ビシンコニン酸ルテニウム錯体、アゾルテニウム錯体あるいはキノリノールルテニウム錯体などのルテニウム錯体などが挙げられる。
また、色素13は、上記した色素の他に、添加剤を含んでいてもよい。この添加剤としては、色素13中の色素の会合を抑制する会合抑制剤が挙げられ、具体的には、式(2)で表されるコール酸系化合物などである。これらは単独で用いもよいし、複数種を混合して用いてもよい。これにより、高い効果が得られる。
対向電極20は、例えば、導電性基板21に導電層22を設けたものである。この対向電極20は、外部回路に対して、正極として機能するものである。導電性基板21の材料としては、例えば、作用電極10の導電性基板11と同様の材料が挙げられる。導電層22に用いる導電材としては、例えば、白金、金、銀、銅(Cu)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)あるいはインジウム(In)などの金属、炭素(C)、または導電性高分子などが挙げられる。これらの導電材は、単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。また、必要に応じて、結着材として、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、セルロース、メラミン樹脂、フロロエラストマーまたはポリイミド樹脂などを用いてもよい。なお、対向電極20は、例えば、導電層22の単層構造でもよい。
電解質含有層30は、例えば、レドックス電解質を含んで構成されている。レドックス電解質としては、例えば、I- /I3 -系、Br- /Br3 -系またはキノン/ハイドロキノン系などが挙げられ、具体的には、ヨウ化物塩とヨウ素単体とを組み合わせたもの、または四級アルキルアンモニウムブロミドと臭素とを組み合わせたものなどのハロゲン化物塩とハロゲン単体とを組み合わせたものが挙げられる。このハロゲン化物塩としては、ハロゲン化セシウム、ハロゲン化四級アルキルアンモニウム類、ハロゲン化イミダゾリウム類、ハロゲン化チアゾリウム類、ハロゲン化オキサゾリウム類、ハロゲン化キノリニウム類あるいはハロゲン化ピリジニウム類などが挙げられる。具体的には、ヨウ化物塩としては、ヨウ化セシウムや、四級アルキルアンモニウムヨージド類としてテトラエチルアンモニウムヨージド、テトラプロピルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラペンチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド、テトラへプチルアンモニウムヨージドあるいはトリメチルフェニルアンモニウムヨージドや、イミダゾリウムヨージド類として3−メチルイミダゾリウムヨージドあるいは1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨージドや、チアゾリウムヨージド類として3−エチル−2−メチル−2−チアゾリウムヨージド、3−エチル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾリウムヨージドあるいは3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムヨージドや、オキサゾリウムヨージド類として3−エチル−2−メチル−ベンゾオキサゾリウムヨージドや、キノリニウムヨージド類として1−エチル−2−メチルキノリニウムヨージドや、ピリジニウムヨージド類などが挙げられる。ハロゲン化物塩とハロゲン単体とを組み合わせたものの中でも、上記したヨウ化物塩のうちの少なくとも1種とヨウ素単体との組み合わせが好ましい。
また、レドックス電解質は、例えば、イオン性液体とハロゲン単体とを組み合わせたものでもよい。この場合には、さらに上記したハロゲン化物塩などを含んでいてもよい。イオン性液体としては、電池や太陽電池などにおいて使用可能なものが挙げられ、例えば、「Inorg.Chem」1996,35,p1168〜1178、「Electrochemistry」2002,2,p130〜136、特表平9−507334号公報、または特開平8−259543号公報などに開示されているものが挙げられる。中でも、イオン性液体としては、室温(25℃)より低い融点を有する塩、または室温よりも高い融点を有していても他の溶融塩などと溶解することにより室温で液状化する塩が好ましい。このイオン性液体の具体例としては、以下に示したアニオンおよびカチオンなどが挙げられる。
イオン性液体のカチオンとしては、例えば、アンモニウム、イミダゾリウム、オキサゾリウム、チアゾリウム、オキサジアゾリウム、トリアゾリウム、ピロリジニウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、ピラゾリウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、トリアジニウム、ホスホニウム、スルホニウム、カルバゾリウム、インドリウム、またはそれらの誘導体が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、複数種を混合して用いられてもよい。具体的には、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムあるいは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムなどが挙げられる。
また、イオン性液体のアニオンとしては、AlCl4 -あるいはAl2 Cl7 -などの金属塩化物や、PF6 -、BF4 -、CF3 SO3 -、N(CF3 SO2 )2 -、F(HF)n -あるいはCF3 COO- などのフッ素含有物イオンや、NO3 -、CH3 COO- 、C6 H11COO- 、CH3 OSO3 -、CH3 OSO2 -、CH3 SO3 -、CH3 SO2 -、(CH3 O)2 PO2 -、N(CN)2 -あるいはSCN- などの非フッ素化合物イオンや、ヨウ素あるいは臭素などのハロゲン化物イオンが挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、複数種を混合して用いられてもよい。中でも、このイオン性液体のアニオンとしては、ヨウ化物イオンが好ましい。
電解質含有層30には、上記したレドックス電解質として、液状の電解質(電解液)を用いてもよいし、電解液を高分子物質中に保持させた固体高分子電解質を用いてもよい。また、電解液とカーボンブラックなどの粒子状の炭素材料とを混合して含む擬固体状(ペースト状)の電解質を用いてもよい。なお、炭素材料を含む擬固体状の電解質では、炭素材料が酸化還元反応を触媒する機能を有するため、電解質中にハロゲン単体を含まなくてもよい。このようなレドックス電解質は、上記したハロゲン化物塩やイオン性液体などを溶解する有機溶媒のいずれか1種あるいは2種以上を含んでいてもよい。この有機溶媒としては、電気化学的に不活性なものが挙げられ、例えば、アセトニトリル、プロピルニトリル、ブチロニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、N−メチルピロリドン、ペンタノール、キノリン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチルラクトン、ジメチルスルホキシドあるいは1,4−ジオキサンなどが挙げられる。
この光電変換素子では、作用電極10に担持された色素13に光(太陽光または、太陽光と同等の可視光)があたると、光を吸収して励起した色素13が電子を金属酸化物半導体層12へ注入する。その電子が隣接した導電層11Bに移動したのち外部回路を経由して、対向電極20に到達する。一方、電解質含有層30では、電子の移動に伴い酸化された色素13を基底状態に戻す(還元する)ように、電解質が酸化される。この酸化された電解質が上記した電子を受け取ることによって還元される。このようにして、作用電極10および対向電極20の間における電子の移動と、これに伴う電解質含有層30における酸化還元反応とが繰り返される。これにより、連続的な電子の移動が生じ、定常的に光電変換が行われる。
この光電変換素子は、例えば、以下のように製造することができる。
まず、作用電極10を作製する。最初に、導電性基板11の導電層11Bが形成されている面に多孔質構造を有する金属酸化物半導体層12を電解析出法や焼成法により形成する。電解析出法により形成する場合には、例えば、金属酸化物半導体材料となる金属塩を含む電解浴を、酸素や空気によるバブリングを行いながら、所定の温度とし、その中に導電性基板11を浸漬し、対極との間で一定の電圧を印加する。これにより、導電層11Bの上に金属酸化物半導体材料を多孔質構造を有するように析出させる。この際、対極は、電解浴中において適宜運動させるようにしてもよい。また、焼成法により形成する場合には、例えば、金属酸化物半導体材料の粉末を分散媒に分散させることにより調整した金属酸化物スラリーを導電性基板11に塗布して乾燥させたのち焼成し、多孔質構造を有するようにする。続いて、有機溶媒に式(1)に示した化合物を含む色素13を溶解した色素溶液を調整する。この色素溶液に金属酸化物半導体層12が形成された導電性基板11を浸漬することにより、金属酸化物半導体層12に色素13を担持させる。
次に、導電性基板21の片面に導電層22を形成することにより、対向電極20を作製する。導電層22は、例えば、導電材をスパッタリングすることにより形成する。
最後に、作用電極10の色素13を担持した面と、対向電極20の導電層22を形成した面とが所定の間隔を保つと共に対向するように、封止剤などのスペーサ(図示せず)を介して貼り合わせ、例えば、電解質の注入口を除いて全体を封止する。続いて、作用電極10と対向電極20との間に、電解質を注入したのち注入口を封止することにより、電解質含有層30を形成する。これにより図1および図2に示した光電変換素子が完成する。
このように本実施の形態における光電変換素子によれば、色素13が式(1)に示した化合物を含むので、金属酸化物半導体層12に担持された色素13中の色素の会合が抑制される。具体的には、式(1)に示した化合物では、メチン鎖およびその両端に結合したインドレニン骨格を含むことから、会合体を形成しやすく、平面的になりやすい構造を有している。ところが、立体的に嵩高い炭素数6以上の直鎖状アルキル基がR1〜R4のうちの少なくとも1つとして、そのインドレニン骨格に導入されているので、分子全体として、立体的なサイズが大きいものとなっている。このため、例えば、式(1)に示した構造を有さない化合物(例えば、平面的になりやすい構造を有する式(3)〜式(5)に示した化合物)を含む場合と比較して、色素13中における光電変換に寄与しない会合した色素の割合を低減させ、変換効率を向上させることができる。
また、式(1)中のR1〜R4として炭素数6以上の直鎖状アルキル基を複数有する場合、特に、R1およびR2またはR3およびR4が炭素数6以上の直鎖状のアルキル基である場合や、R1〜R4がいずれも炭素数6以上の直鎖状アルキル基である場合には、高い変換効率を得ることができる。
特に、金属酸化物半導体層12が電解析出法により形成されると共に酸化亜鉛を含んでいる場合において、酸化チタンを含む場合や、焼成法により形成された場合と比較して、より高い変換効率が得られる。
なお、本実施の形態では、電解質含有層30としてレドックス電解質を含むものを用いた場合について説明したが、電解質含有層30としては、レドックス電解質に代えて固体電解質として固体電荷移動層を設けてもよい。この場合、固体電荷移動層は、例えば、固体中のキャリアー移動が電気伝導にかかわる材料を有している。この材料としては、電子輸送材料や正孔(ホール)輸送材料などが好ましい。
正孔輸送材料としては、芳香族アミン類や、トリフェニレン誘導体類などが好ましく、例えば、オリゴチオフェン化合物、ポリピロール、ポリアセチレンあるいはその誘導体、ポリ(p−フェニレン)あるいはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)あるいはその誘導体、ポリチエニレンビニレンあるいはその誘導体、ポリチオフェンあるいはその誘導体、ポリアニリンあるいはその誘導体、ポリトルイジンあるいはその誘導体などの有機導電性高分子などが挙げられる。
また、正孔輸送材料としては、例えば、p型無機化合物半導体を用いてもよい。このp型無機化合物半導体は、バンドギャップが2eV以上であることが好ましく、さらに、2.5eV以上であることがより好ましい。また、p型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルは色素の正孔を還元できる条件から、作用電極10のイオン化ポテンシャルより小さいことが必要である。使用する色素によってp型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルの好ましい範囲は異なってくるが、一般に4.5eV以上5.5eV以下の範囲内であることが好ましく、さらに4.7eV以上5.3eV以下の範囲内であることがより好ましい。
p型無機化合物半導体としては、例えば、1価の銅を含む化合物半導体などが挙げられる。1価の銅を含む化合物半導体の一例としては、CuI、CuSCN、CuInSe2 、Cu(In,Ga)Se2 、CuGaSe2 、Cu2 O、CuS、CuGaS2 、CuInS2 、CuAlSe2 などがある。このほかのp型無機化合物半導体としては、例えば、GaP、NiO、CoO、FeO、Bi2 O3 、MoO2 またはCr2 O3 などが挙げられる。
このような固体電荷移動層の形成方法としては、例えば、作用電極10の上に直接、固体電荷移動層を形成する方法があり、そののち対向電極20を形成付与してもよい。
有機導電性高分子を含む正孔輸送材料は、例えば、真空蒸着法、キャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解重合法または光電解重合法などの手法により電極内部に導入することができる。無機固体化合物の場合も、例えば、キャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法または電解メッキ法などの手法により電極内部に導入することができる。このように形成される固体電荷移動層(特に、正孔輸送材料を有するもの)の一部は、金属酸化物半導体層12の多孔質構造の隙間に部分的に浸透し、直接接触する形態となることが好ましい。
電解質含有層30として固体電荷移動層を設けた光電変換素子においても、レドックス電解質を用いた場合と同様に、変換効率を向上させることができる。その他の作用効果は、上記した本実施の形態の光電変換素子と同様である。
本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−10)
上記実施の形態で説明した光電変換素子の具体例として、色素増感型太陽電池を以下の手順により作製した。
(実施例1−1〜1−10)
上記実施の形態で説明した光電変換素子の具体例として、色素増感型太陽電池を以下の手順により作製した。
まず、作用電極10を作製した。最初に、縦2.0cm×横1.5cm×厚さ1.1mmの導電性ガラス基板(F−SnO2 )よりなる導電性基板11を用意した。続いて、導電性基板11に、縦0.5cm×横0.5cmの四角形を囲むように厚さ70μmのマスキングテープを貼り、この部分に金属酸化物スラリー3cm3 を一様の厚さとなるように塗布して乾燥させた。この場合、金属酸化物スラリーとしては、10重量%となるように酸化亜鉛粉末(表面積60m2 /g、平均一次粒径50nm以下;堺化学工業社製FENEX−30)を、非イオン性界面活性剤としてTriton X-100(Tritonは登録商標)を1滴添加した水に懸濁して調整したものを用いた。続いて、導電性基板11上のマスキングテープを剥がし取り、この基板を電気炉により500℃で焼成し、厚さ約5μmの金属酸化物半導体層12を形成した。続いて、式(1)に示した化合物を無水エタノールに溶解させ、色素溶液を調整した。この場合、各実施例において表1に示したように、式(1)に示した化合物として式(1−1)、式(1−2)、式(1−3)、式(1−6)、式(1−8)、式(1−11)、式(1−12)、式(1−24)、式(1−25)あるいは式(1−27)に示した化合物を用い、3×10-4mol/dm3 の濃度になるように溶解した色素溶液を用いた。続いて、金属酸化物半導体層12が形成された導電性基板11を上記の色素溶液に浸漬し、色素13を担持させた。
次に、縦2.0cm×横1.5cm×厚さ1.1mmの導電性ガラス基板(F−SnO2 )よりなる導電性基板21の片面に、スパッタリングにより白金よりなる100nmの厚さの導電層22を形成することにより、対向電極20を作製した。この場合、予め、導電性基板21には、電解液注入用の穴(φ1mm)を2つ開けておいた。
次に、電解液を調整した。アセトニトリルに対して、ジメチルヘキシルイミダゾリウムヨージド(0.6mol/dm3 )、ヨウ化リチウム(0.1mol/dm3 )、ヨウ素(0.05mol/dm3 )の濃度になるように調製した。
次に、厚さ50μmのスペーサを金属酸化物半導体層12の周りを囲むように配置したのち、作用電極10の色素13を担持した面と、対向電極20の導電性層22を形成した面とを対向させると共に、スペーサを介して貼り合わせた。こののち、対向電極20に開けておいた注入口から調整した電解液を注入し、電解質含有層30を形成した。最後に全体を封止することにより、色素増感型太陽電池を得た。
(比較例1−1〜1−3)
色素として、式(1)に示した化合物に代えて、式(3)に示した化合物(比較例1−1)、式(4)に示した化合物(比較例1−2)あるいは式(5)に示した化合物(比較例1−3)を用いたことを除き、実施例1−1と同様の手順を経た。
(比較例1−1〜1−3)
色素として、式(1)に示した化合物に代えて、式(3)に示した化合物(比較例1−1)、式(4)に示した化合物(比較例1−2)あるいは式(5)に示した化合物(比較例1−3)を用いたことを除き、実施例1−1と同様の手順を経た。
これらの実施例1−1〜1−10および比較例1−1〜1−3の色素増感型太陽電池について変換効率を調べたところ、表1に示した結果が得られた。なお、表1には、各実施例および各比較例において用いた色素の構造として、色素が有する直鎖状アルキル基の炭素数、および直鎖状アルキル基が導入されている位置(R1〜R4あるいはそれに相当する位置)についても併せて示した。
変換効率は、光源にAM1.5(1000W/m2 )のソーラーシュミレータを用いて、以下の算出方法により求めた。まず、色素増感型太陽電池の電圧をソースメータにて掃引し、応答電流を測定した。これにより、電圧と電流との積である最大出力を1cm2 あたりの光強度で除した値に100を乗じてパーセント表示した値を変換効率(η:%)とした。すなわち、変換効率は、(最大出力/1cm2 あたりの光強度)×100で表される。
表1に示したように、色素13が炭素数6以上の直鎖状アルキル基を有する式(1−1)に示した化合物等を含む実施例1−1〜1−10では、炭素数5以下の直鎖状アルキル基を有する式(3)に示した化合物等を含む比較例1−1〜1−3よりも変換効率が高かった。すなわち、式(1)に示した化合物が、メチン鎖(ペンタメチン)とその両端に結合したインドレニン骨格とインドレニン骨格が含む窒素原子にエチレン基を介して結合したカルボン酸基と共に、R1〜R4のうちの少なくとも1つとして炭素数6以上の直鎖状アルキル基を有することにより、その化合物(色素)が効率よく光を吸収して電子を金属酸化物半導体層に注入することがわかった。この場合、炭素数6以上の直鎖状アルキル基を有することにより、金属酸化物半導体層12の表面において色素の会合が抑制されたものと考えられる。
また、実施例1−1と実施例1−3との比較、および実施例1−4,1−5と実施例1−6との比較から、炭素数6以上の直鎖状アルキル基はR1〜R4のいずれかとして1つ導入されている場合よりも、複数導入されている場合のほうが変換効率が高くなり、4つ導入されている場合が中でも高くなる傾向を示した。また、実施例1−4と実施例1−5との比較から、炭素数6以上の直鎖状アルキル基を2つ有する場合には、R1(R2)とR3(R4)として導入されている化合物を含むよりも、R1およびR2(R3およびR4)として導入されている化合物を含むほうが、変換効率が高くなる傾向を示した。この結果から、式(1)に示した化合物において、メチン鎖およびインドレニン骨格を含む平面に対して立体的なサイズが大きくなるように、直鎖状アルキル基が導入されていたほうが、高い会合抑制効果が得られるものと考えられる。この場合、特に、式(1)に示した構造では、2つのインドレニン骨格部分が非対称性を有することにより、高い効果が得られる傾向を示した。また、この場合における式(1)中のR1〜R4の炭素数の合計は、9以上72以下であり、この範囲内であれば、高い変換効率が確保されていた。
これらのことから、本実施例における色素増感型太陽電池では、金属酸化物半導体層12が焼結法により形成されると共に酸化亜鉛を含む場合に、色素13が式(1)に示した化合物を含むことにより、変換効率が向上することが確認された。この場合、式(1)中のR1〜R4として複数の炭素数6以上の直鎖状アルキル基を有する化合物を用いることにより、変換効率がより向上することが確認された。
(実施例2−1)
電解析出法により金属酸化物半導体層12を形成したことを除き、実施例1−6と同様の手順を経た。この場合には、水に対してエオシンY(30μmol/dm3 )、塩化亜鉛(5mmol/dm3 )、塩化カリウム(0.09mol/dm3 )の濃度になるように調整した電解浴液40mlと、亜鉛板よりなる対極と、銀/塩化銀電極よりなる参照電極とを用意した。続いて、電解浴を酸素により15分間バブリングしたのち、電解浴中の溶液の温度を70℃とし、60分、電位−1.0Vの定電位電解をバブリングしながら導電性基板11の表面に製膜した。この基板を、乾燥させることなく水酸化カリウム水溶液(pH11)に浸漬し、そののち水洗することによりエオシンYを脱着した。続いて、150℃、30分間乾燥させた。
(実施例2−2)
焼成法により金属酸化物半導体層12を形成する際に、酸化亜鉛粉末に代えて、酸化チタン(TiO2 )粉末を含む金属酸化物スラリーを用いたことを除き、実施例1−6と同様の手順を経た。この場合、酸化チタン粉末を含む金属酸化物スラリーは、以下のように調整した。まず、チタンイソプロポキシド125cm3 を、0.1mol/dm3 硝酸水溶液750cm3 に攪拌しながら添加し、80℃で8時間激しく攪拌した。得られた液体をテフロン(登録商標)製の圧力容器に注ぎ入れ、その圧力容器を230℃、16時間オートクレーブにて処理した。そののちオートクレーブ処理した沈殿物を含む液体(ゾル液)を攪拌することにより再懸濁させた。続いて、この懸濁液を吸引濾過して再懸濁しなかった沈殿物を除き、ゾル状の濾液をエバポレータで酸化チタン濃度が11質量%になるまで濃縮した。こののち、濃縮液に基板への塗れ性を高めるためにTriton X-100を1滴添加した。続いて、平均粒径30nmの酸化チタン粉末(日本アエロジル社製P−25)をこのゾル状の濃縮液に、酸化チタンの含有率が全体として33質量%となるように加え、自転公転を利用した遠心撹拌を1時間行い、分散させて金属酸化物スラリーを調整した。
(比較例2−1)
実施例2−1と同様にして電解析出法により酸化亜鉛を含む金属酸化物半導体層を形成したことを除き、比較例1−2と同様の手順を経た。
(比較例2−2)
実施例2−2と同様にして焼成法により酸化チタンを含む金属酸化物半導体層を形成したことを除き、比較例1−2と同様の手順を経た。
(実施例2−1)
電解析出法により金属酸化物半導体層12を形成したことを除き、実施例1−6と同様の手順を経た。この場合には、水に対してエオシンY(30μmol/dm3 )、塩化亜鉛(5mmol/dm3 )、塩化カリウム(0.09mol/dm3 )の濃度になるように調整した電解浴液40mlと、亜鉛板よりなる対極と、銀/塩化銀電極よりなる参照電極とを用意した。続いて、電解浴を酸素により15分間バブリングしたのち、電解浴中の溶液の温度を70℃とし、60分、電位−1.0Vの定電位電解をバブリングしながら導電性基板11の表面に製膜した。この基板を、乾燥させることなく水酸化カリウム水溶液(pH11)に浸漬し、そののち水洗することによりエオシンYを脱着した。続いて、150℃、30分間乾燥させた。
(実施例2−2)
焼成法により金属酸化物半導体層12を形成する際に、酸化亜鉛粉末に代えて、酸化チタン(TiO2 )粉末を含む金属酸化物スラリーを用いたことを除き、実施例1−6と同様の手順を経た。この場合、酸化チタン粉末を含む金属酸化物スラリーは、以下のように調整した。まず、チタンイソプロポキシド125cm3 を、0.1mol/dm3 硝酸水溶液750cm3 に攪拌しながら添加し、80℃で8時間激しく攪拌した。得られた液体をテフロン(登録商標)製の圧力容器に注ぎ入れ、その圧力容器を230℃、16時間オートクレーブにて処理した。そののちオートクレーブ処理した沈殿物を含む液体(ゾル液)を攪拌することにより再懸濁させた。続いて、この懸濁液を吸引濾過して再懸濁しなかった沈殿物を除き、ゾル状の濾液をエバポレータで酸化チタン濃度が11質量%になるまで濃縮した。こののち、濃縮液に基板への塗れ性を高めるためにTriton X-100を1滴添加した。続いて、平均粒径30nmの酸化チタン粉末(日本アエロジル社製P−25)をこのゾル状の濃縮液に、酸化チタンの含有率が全体として33質量%となるように加え、自転公転を利用した遠心撹拌を1時間行い、分散させて金属酸化物スラリーを調整した。
(比較例2−1)
実施例2−1と同様にして電解析出法により酸化亜鉛を含む金属酸化物半導体層を形成したことを除き、比較例1−2と同様の手順を経た。
(比較例2−2)
実施例2−2と同様にして焼成法により酸化チタンを含む金属酸化物半導体層を形成したことを除き、比較例1−2と同様の手順を経た。
これらの実施例2−1,2−2および比較例2−1,2−2の色素増感型太陽電池について、変換効率を調べたところ、表2に示した結果が得られた。
表2に示したように、電解析出法により金属酸化物半導体層12を形成したり、酸化チタンを含む金属酸化物半導体層12を形成したりした場合においても、表1に示した結果と同様の結果が得られた。すなわち、色素13が炭素数6以上の直鎖状アルキル基を有する化合物を含む実施例2−1,2−2では、炭素数4の直鎖状アルキル基を有する化合物を含む対応する比較例2−1,2−2よりも変換効率が高くなった。
ここで、金属酸化物半導体層12の形成方法やその材料に着目すると、電解析出法により金属酸化物半導体層12を形成した実施例2−1では、焼成法により形成した実施例1−6よりも、変換効率が高くなった。また、焼成法により形成されると共に酸化チタンを含む実施例2−2では、同様の形成方法で酸化亜鉛を含む実施例1−6よりも変換効率が低くなった。このような傾向は、色素として炭素数4の直鎖状アルキル基を有する化合物を用いた比較例1−1,2−1,2−2においても同様であったが、実施例1−6と実施例2−2との変換効率の差(増加率)は、比較例1−2と比較例2−2とのそれよりも大きかった。この変換効率の増加率については、実施例2−2,2−3と比較例2−1,2−2との比較した場合においても同様であった。
このことから、本実施例における色素増感型太陽電池では、色素13が式(1)に示した化合物を含むことにより、金属酸化物半導体層12の形成方法や、その構成材料に依存することなく、変換効率が向上することが確認された。この場合、特に、金属酸化物半導体層12の材料として酸化亜鉛を含むようにすることにより、高い変換効率が得られ、電解析出法により金属酸化物半導体層12を形成することにより、変換効率がより向上することが確認された。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記した実施の形態および実施例において説明した態様に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、本発明の光電変換素子の使用用途は、必ずしも既に説明した用途に限らず、他の用途であってもよい。他の用途としては、例えば、光センサなどが挙げられる。
10…作用電極、11,21…導電性基板、11A…基板、11B…導電層、12…金属酸化物半導体層、12A…緻密層、12B…多孔質層、13…色素、20…対向電極、22…導電層、30…電解質含有層。
Claims (7)
- 前記R1〜R4のうちの2つ以上が炭素数6以上の直鎖状アルキル基である
ことを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。 - 前記R1および前記R2、または前記R3および前記R4が炭素数6以上の直鎖状アルキル基である
ことを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。 - 前記R1〜R4は、いずれも炭素数6以上の直鎖状アルキル基である
ことを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。 - 前記R1〜R4の炭素数の合計は、72以下である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の光電変換素子。 - 前記R5およびR6は、いずれもエチレン基(−CH2 −CH2 −)である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の光電変換素子。 - 前記担持体は、電解析出法により形成されると共に酸化亜鉛(ZnO)を含む
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の光電変換素子。
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JP2008222156A JP2010056029A (ja) | 2008-08-29 | 2008-08-29 | 光電変換素子 |
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JP2011181286A (ja) * | 2010-02-26 | 2011-09-15 | Tdk Corp | 色素増感型太陽電池 |
JP5755724B2 (ja) * | 2011-03-10 | 2015-07-29 | 国立大学法人岐阜大学 | 光電変換素子及び色素増感太陽電池 |
-
2008
- 2008-08-29 JP JP2008222156A patent/JP2010056029A/ja not_active Withdrawn
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