JP2007232160A - ロックアップ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】個体ばらつきによるロックアップクラッチの締結タイミングのばらつきを抑制でき、全ての車両に対して同じ制御が実施できるロックアップ制御装置を提供する。
【解決手段】車両の運転状態に基づいてソレノイドバルブ6への指示電流を演算し、この指示電流によりロックアップクラッチ4の差圧を制御してロックアップクラッチ4を締結状態と解放状態とに切替制御する。コントローラ7は、指示電流と差圧との関係を示すIP特性を初期設定しておき、ロックアップクラッチ4の切替制御の開始から終了までの切替時間を計測し、この切替時間に応じてIP特性を学習補正する。
【選択図】 図5
【解決手段】車両の運転状態に基づいてソレノイドバルブ6への指示電流を演算し、この指示電流によりロックアップクラッチ4の差圧を制御してロックアップクラッチ4を締結状態と解放状態とに切替制御する。コントローラ7は、指示電流と差圧との関係を示すIP特性を初期設定しておき、ロックアップクラッチ4の切替制御の開始から終了までの切替時間を計測し、この切替時間に応じてIP特性を学習補正する。
【選択図】 図5
Description
本発明はロックアップ制御装置、すなわち車両用トルクコンバータに設けられるロックアップクラッチの制御装置に関する。
従来、エンジンと自動変速機(無段変速機を含む)との間にトルクコンバータを搭載した車両が知られている。トルクコンバータにはその入力側と出力側とを機械的に連結するロックアップクラッチが設けられており、車両の運転状態(例えば車速とアクセル開度)とに基づいて、ロックアップクラッチをON(締結)状態とOFF(解放)状態とに切替制御している。
このようなトルクコンバータを備えた車両の場合、ロックアップクラッチを制御するための油圧制御装置の個体差により、制御バラツキが発生する。
このようなトルクコンバータを備えた車両の場合、ロックアップクラッチを制御するための油圧制御装置の個体差により、制御バラツキが発生する。
図6はロックアップクラッチを解放状態から締結状態へ変化させる際の差回転(ロックアップクラッチの入力側と出力側との回転数差)と、目標差圧(ロックアップクラッチの締結側油室と解放側油室の油圧差)との時間変化を示す。
ロックアップON指令が出た後、時刻t1 で差圧を所定値だけ上昇させ、時刻t1 から一定時間後の時刻t2 で一定の勾配で差圧を上昇させ、差回転がほぼ零になった時刻t3 で差圧を最大とする。
図6において、実線で示すN0は目標となる差回転、P0は目標差圧である。
ロックアップON指令が出た後、時刻t1 で差圧を所定値だけ上昇させ、時刻t1 から一定時間後の時刻t2 で一定の勾配で差圧を上昇させ、差回転がほぼ零になった時刻t3 で差圧を最大とする。
図6において、実線で示すN0は目標となる差回転、P0は目標差圧である。
ところが、差圧を目標差圧P0に制御しても、実際の差回転が目標差回転N0に一致するとは限らず、図6の破線N1で示すように切替時間T1が長くなったり、破線N2で示すように切替時間T2が短くなることがある。そのため、切替時間がT1のように長い場合には、目標差圧をP1のように高くし、逆に切替時間がT2のように短い場合には、目標差圧をP2のように低くするように補正し、切替時間が基準値T0となるように学習制御している。
上記学習方法は、実際の切替時間が基準値T0より長いか短いかによって目標差圧を増減させ、実差回転が目標差回転に近づくように学習制御するものである。しかし、実際の差圧を計測しておらず、目標差圧と実際の差圧とのばらつきを考慮していない。このようなばらつきの主要な要因の1つは、ソレノイドバルブの特性ばらつきである。従来の場合には、ソレノイドバルブの特性、すなわち入力される指示電流と出力される油圧との関係が一定であることを前提としているが、実際には個々のソレノイドバルブによって特性にばらつきがある。そのため、目標差圧を上げているにも拘わらず切替時間を短くできなかったり、逆に目標差圧を下げているにも拘わらず切替時間を長くできないことがあり、個体ばらつきを吸収できず、学習が発散する恐れがあった。
特許文献1には、トルクコンバータの個体ばらつきによるロックアップクラッチの締結タイミングのばらつきを抑制するため、入力トルク(エンジントルク)に基づいて実際の差圧を演算し、差圧指令値を補正するものが開示されている。
しかし、実際の差圧を不安定な入力トルクに基づいて演算しているため、状況によって学習を禁止する必要があり、学習が不安定になるという問題がある。さらに、個体ばらつきの主要な原因であるソレノイドバルブの特性ばらつきが適切に考慮されず、全ての車両に対して同じ制御ができないという問題がある。
特開2005−291345号公報
しかし、実際の差圧を不安定な入力トルクに基づいて演算しているため、状況によって学習を禁止する必要があり、学習が不安定になるという問題がある。さらに、個体ばらつきの主要な原因であるソレノイドバルブの特性ばらつきが適切に考慮されず、全ての車両に対して同じ制御ができないという問題がある。
本発明の目的は、実差圧を検出する手段がなくても個体ばらつきによるロックアップクラッチの締結タイミングのばらつきを抑制でき、全ての車両に対して同じ制御が実施できるロックアップ制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、ロックアップクラッチを有するトルクコンバータと、車両の運転状態に基づいて指令信号を演算し、この指令信号によりロックアップクラッチの差圧を制御してロックアップクラッチを締結状態と解放状態とに切替制御するロックアップ制御手段と、を備えたロックアップ制御装置において、上記ロックアップ制御手段は、上記切替制御の開始から終了までの切替時間を計測する計時手段と、上記指令信号と差圧との関係を示すIP特性を記憶する記憶手段と、上記切替時間に応じて上記IP特性を学習補正する学習補正手段とを備え、上記ロックアップ制御手段は、上記学習補正されたIP特性に基づいて上記ロックアップクラッチの差圧を制御することを特徴とするロックアップ制御装置を提供する。
まず切替制御の開始から終了までの切替時間を計測する。切替時間は差回転の変化によって計測することができる。次に、ロックアップ制御手段への指令信号と差圧との関係を示すIP特性を、切替時間に応じて学習補正する。例えば、切替時間の目標値を設定し、計測された切替時間と目標値との偏差を求め、この偏差を用いてIP特性を学習補正すればよい。切替時間が目標値より長い場合には、個体ばらつきのため指令信号に対して出力される差圧が低いことを意味するので、指令信号に対する差圧を高くする。逆に切替時間が目標値より短い場合には、個体ばらつきのため指令信号に対して出力される差圧が高いことを意味するので、指令信号に対する差圧を低くすればよい。
本発明の学習制御は、切替時間によって差圧を補正するのではなく、IP特性を補正するものである。つまり、指令信号と差圧との関係を示すIP特性を個体ばらつきに応じて学習補正するものであるから、全ての車両において同じ制御特性に収束させることができ、個体ばらつきを解消できる。
本発明における指令信号とは、ロックアップ制御手段としてリニアソレノイドバルブを使用した場合は指示電流のことであり、デューティソレノイドバルブを使用した場合はデューティ比のことである。いずれも、指令信号に比例した油圧を出力できるものである。
本発明の切替制御には、ロックアップクラッチの解放状態から締結状態への切替だけでなく、締結状態から解放状態への切替も含まれる。切替制御の開始および終了は差回転の変化によって計測することができるが、差回転は時々刻々変化しており、これを一定のサイクルで計測しているので、開始および終了を明確に判定することが難しい。そこで、ロックアップON時における切替制御の開始の判定方法として、例えばロックアップクラッチの解放状態から差回転が所定値(例えば25rpm)以上低下したことを複数回(例えば3回)検出した時に開始時刻と判定すればよい。また、終了の判定方法としては、例えば差回転が0近傍の所定値(例えば25rpm)以下になったことを複数回検出した時に終了と判定すればよい。ロックアップOFF時における切替制御の終了は、例えば差回転が所定値(例えば50rpm)を越えた時を終了時刻と判定すればよい。
以上のように、本発明では、ロックアップクラッチの切替制御の開始から終了までの切替時間を計測し、この切替時間に応じてIP特性を学習補正し、学習補正したIP特性に基づいてロックアップクラッチの差圧を制御するようにしたので、切替制御を経験する間に個体ばらつきは解消され、ロックアップクラッチの締結タイミングのばらつきが解消される。特に、個体ばらつきの主要な原因の1つであるソレノイドバルブの特性ばらつきを考慮した学習ができるので、全ての車両に対して同じロックアップ制御を実施できる。
また、毎回得られる切替時間により学習するものであり、不安定な入力トルクによって実差圧を推定する必要がないので、学習を禁止する必要がなく、安定して学習を実施できる。
また、毎回得られる切替時間により学習するものであり、不安定な入力トルクによって実差圧を推定する必要がないので、学習を禁止する必要がなく、安定して学習を実施できる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、実施例を参照して説明する。
図1は本発明にかかるトルクコンバータを備えた車両の駆動系の概略図である。
この車両は、エンジン1と、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータ2と、遊星歯車装置などを有する自動変速機3とを備える。ここでは、トルクコンバータ2の下流側に自動変速機3を接続したが、自動変速機3に代えて無段変速機を接続してもよい。トルクコンバータ2は、入力側のポンプインペラ2a,出力側のタービンランナ2bおよびステータ2cを備えており、ポンプインペラ2aとタービンランナ2bとの間に両者を機械的に係脱するロックアップクラッチ4が設けられている。ポンプインペラ2aはエンジン1の出力軸1aと連結されており、タービンランナ2bは自動変速機3の入力軸3aと連結されている。ロックアップクラッチ4の片側には締結側油室4aが、他側には解放側油室4bがそれぞれ設けられ、これら油室4a,4bの差圧がロックアップ制御手段であるロックアップコントロールバルブ5、ソレノイドバルブ6およびコントローラ7によって制御される。
この車両は、エンジン1と、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータ2と、遊星歯車装置などを有する自動変速機3とを備える。ここでは、トルクコンバータ2の下流側に自動変速機3を接続したが、自動変速機3に代えて無段変速機を接続してもよい。トルクコンバータ2は、入力側のポンプインペラ2a,出力側のタービンランナ2bおよびステータ2cを備えており、ポンプインペラ2aとタービンランナ2bとの間に両者を機械的に係脱するロックアップクラッチ4が設けられている。ポンプインペラ2aはエンジン1の出力軸1aと連結されており、タービンランナ2bは自動変速機3の入力軸3aと連結されている。ロックアップクラッチ4の片側には締結側油室4aが、他側には解放側油室4bがそれぞれ設けられ、これら油室4a,4bの差圧がロックアップ制御手段であるロックアップコントロールバルブ5、ソレノイドバルブ6およびコントローラ7によって制御される。
この実施例のロックアップコントロールバルブ5は、従来公知のものである。すなわち、スプリング5aにより一方向から付勢されており、スプリング5aと対向する信号ポート5cにソレノイドバルブ6の出力圧Psが入力されている。入力ポート5d,5eには図示しない調圧弁によって調圧された元圧Poが入力されている。第1出力ポート5fはロックアップクラッチ4の解放側油室4bと接続されており、解放油圧Prはポート5gにスプリング5aと対向方向にフィードバックされている。第2出力ポート5hはロックアップクラッチ4の締結側油室4aと接続されており、締結油圧Paはポート5iにスプリング5aと同方向にフィードバックされている。
信号ポート5cに入力されるソレノイドバルブ6の出力圧Psが所定値以下のときには、元圧Poは入力ポート5e、第1出力ポート5fを介してロックアップクラッチ4の解放側油室4bに供給され、ロックアップクラッチ4は解放されている。
信号ポート5bに入力されるソレノイドバルブ6の出力圧Psが所定値以上に上昇すると、元圧Poは入力ポート5d、第2出力ポート5hを介してロックアップクラッチ4の締結側油室4aに供給され、ロックアップクラッチ4は締結される。
上記のようにコントロールバルブ5は、スプリング5aの荷重、信号ポート5cに入力されるソレノイド圧Ps、ポート5gにフィードバックされる解放油圧Pr、ポート5iにフィードバックされる締結油圧Paの相互のバランスによって作動され、ソレノイド圧Psを調整することによって締結油圧Paと解放油圧Prの差圧(Pa−Pr)を比例的に制御できる。そのため、締結から解放への切替制御、および解放から締結への切替制御を時間勾配をもって緩やかに行うことができる。
信号ポート5bに入力されるソレノイドバルブ6の出力圧Psが所定値以上に上昇すると、元圧Poは入力ポート5d、第2出力ポート5hを介してロックアップクラッチ4の締結側油室4aに供給され、ロックアップクラッチ4は締結される。
上記のようにコントロールバルブ5は、スプリング5aの荷重、信号ポート5cに入力されるソレノイド圧Ps、ポート5gにフィードバックされる解放油圧Pr、ポート5iにフィードバックされる締結油圧Paの相互のバランスによって作動され、ソレノイド圧Psを調整することによって締結油圧Paと解放油圧Prの差圧(Pa−Pr)を比例的に制御できる。そのため、締結から解放への切替制御、および解放から締結への切替制御を時間勾配をもって緩やかに行うことができる。
この実施例のソレノイドバルブ6はリニアソレノイドバルブよりなる。ソレノイドバルブ6への指示電流を制御することで、コントロールバルブ5の信号ポート5cに入力されるソレノイド圧Psを比例的に制御することができる。上記のようにロックアップコントロールバルブ5は、信号ポート5cに入力されるソレノイド圧Psによって差圧(Pa−Pr)を比例的に制御することができるので、結局、指示電流によってロックアップクラッチ4の差圧(Pa−Pr)を比例的に制御することができる。
コントローラ7には、エンジン回転数、タービン回転数、車速、スロットル開度(アクセル開度)などの車両の運転信号が入力されており、これら入力信号と予め設定されたデータおよびプログラムとに基づいてソレノイドバルブ6を制御している。すなわち、コントローラ7はロックアップクラッチ4の差圧が目標差圧となるように、車両の運転状態(例えばエンジントルク、エンジン回転数など)に基づいてソレノイドバルブ6への指示電流を演算し、この指示電流をソレノイドバルブ6へ出力する。
図2は、コントローラ7に設定されているロックアップクラッチ4のON/OFF領域判定マップの一例である。
車速とスロットル開度(アクセル開度)とに基づいて、ロックアップON(締結)領域とOFF(解放)領域とが設定されている。この例では動力性能を考慮して、低スロットル開度では、ON領域が低車速側へ拡張されているが、ロックアップON/OFF領域判定マップは図2に限るものではない。
車速とスロットル開度(アクセル開度)とに基づいて、ロックアップON(締結)領域とOFF(解放)領域とが設定されている。この例では動力性能を考慮して、低スロットル開度では、ON領域が低車速側へ拡張されているが、ロックアップON/OFF領域判定マップは図2に限るものではない。
図3は、コントローラ7に設定されているロックアップクラッチ4の目標締結特性の一例、すなわち締結時におけるロックアップクラッチ4の目標差圧の時間特性の一例である。
ロックアップON指令が出た後、時刻t1 で差圧を所定値αだけ上昇させ、時刻t1 から一定時間後の時刻t2 で一定の勾配βで差圧を上昇させ、差回転がほぼ零になった時刻t3 で差圧を最大とする。この特性は従来(図6参照)の目標差圧P0と同様の特性であるが、本発明では目標差圧は固定であり、個体ばらつきによって補正する必要はない。つまり、差圧αや勾配βは固定である。
ロックアップON指令が出た後、時刻t1 で差圧を所定値αだけ上昇させ、時刻t1 から一定時間後の時刻t2 で一定の勾配βで差圧を上昇させ、差回転がほぼ零になった時刻t3 で差圧を最大とする。この特性は従来(図6参照)の目標差圧P0と同様の特性であるが、本発明では目標差圧は固定であり、個体ばらつきによって補正する必要はない。つまり、差圧αや勾配βは固定である。
図4は、コントローラ7に設定されているロックアップクラッチ4の差圧とソレノイドバルブ6への指示電流との関係を示すIP特性である。IP特性の初期値は実線で示すように一定傾きの直線で設定されている。
上述のようにロックアップクラッチ4の差圧はソレノイドバルブ6への指示電流によって比例的に制御することができるので、指示電流と差圧とを図4に示すようなIP特性で設定することができる。但し、この特性は個々の車両によって異なるので、後述するようにロックアップクラッチ4の切替時間によってIP特性は学習補正され、更新される。
上述のようにロックアップクラッチ4の差圧はソレノイドバルブ6への指示電流によって比例的に制御することができるので、指示電流と差圧とを図4に示すようなIP特性で設定することができる。但し、この特性は個々の車両によって異なるので、後述するようにロックアップクラッチ4の切替時間によってIP特性は学習補正され、更新される。
ここで、本発明にかかる学習制御の一例を図5を参照して説明する。この学習制御はロックアップON時における制御の一例である。
学習制御がスタートすると、運転状態がロックアップONしたか否かを判定する(ステップS1)。ロックアップONしない場合には、学習補正を行わずに終了し、ロックアップONした場合には、解放状態から締結状態への切替制御の開始から終了までの切替時間(実時間)を計測する(ステップS2)。開始および終了は差回転の変化によって計測することができる。ロックアップON時における切替制御の開始判定は、例えば差回転がロックアップクラッチの解放状態における差回転から所定値(例えば25rpm)以上低下したことを複数回(例えば3回)検出した時に開始時刻と判定すればよい。また、終了判定は、例えば差回転が0近傍の所定値(例えば25rpm)以下になったことを複数回検出した時に終了と判定すればよい。
次に、計測した実時間と目標時間との偏差を求める(ステップS3)。目標時間は入力トルクやエンジン回転数によって予め設定されたものである。
次に、上記のように求めた偏差を不感帯と比較する(ステップS4)。偏差が不感帯内に入っておれば、学習補正を行わずに終了する。不感帯は、頻繁な学習を抑制することで、制御が不安定になるのを防止するためである。偏差が不感帯を超えている場合には、次に一例を示す計算式によって指示電流値の差分を計算する(ステップS5)。
電流値の差分=K×(実時間−目標時間) ・・・(1)
ここで、Kは時間偏差から電流値を求めるための比例定数である。
(1)式で求めた電流値の差分を、基準となるIP特性の電流値に加算し、IP特性を更新する(ステップS6)。
学習制御がスタートすると、運転状態がロックアップONしたか否かを判定する(ステップS1)。ロックアップONしない場合には、学習補正を行わずに終了し、ロックアップONした場合には、解放状態から締結状態への切替制御の開始から終了までの切替時間(実時間)を計測する(ステップS2)。開始および終了は差回転の変化によって計測することができる。ロックアップON時における切替制御の開始判定は、例えば差回転がロックアップクラッチの解放状態における差回転から所定値(例えば25rpm)以上低下したことを複数回(例えば3回)検出した時に開始時刻と判定すればよい。また、終了判定は、例えば差回転が0近傍の所定値(例えば25rpm)以下になったことを複数回検出した時に終了と判定すればよい。
次に、計測した実時間と目標時間との偏差を求める(ステップS3)。目標時間は入力トルクやエンジン回転数によって予め設定されたものである。
次に、上記のように求めた偏差を不感帯と比較する(ステップS4)。偏差が不感帯内に入っておれば、学習補正を行わずに終了する。不感帯は、頻繁な学習を抑制することで、制御が不安定になるのを防止するためである。偏差が不感帯を超えている場合には、次に一例を示す計算式によって指示電流値の差分を計算する(ステップS5)。
電流値の差分=K×(実時間−目標時間) ・・・(1)
ここで、Kは時間偏差から電流値を求めるための比例定数である。
(1)式で求めた電流値の差分を、基準となるIP特性の電流値に加算し、IP特性を更新する(ステップS6)。
図6に示したように、ロックアップクラッチ4の締結時における基準となる切替時間(目標時間)T0を設定しても、個体ばらつきによって時間T1のように長くなる場合もあれば、時間T2のように短い場合もある。
実時間が目標時間T0より長い場合、(1)式における電流値の差分は正の値となり、基準となるIP特性の電流値に差分を加算すると、図4の破線で示すIP特性(A)のようになる。逆に、実時間が目標時間T0より短い場合、(1)式における電流値の差分は負の値となり、基準となるIP特性の電流値に差分を加算すると、図4のIP特性(B)のようになる。
以上のようにして学習補正されたIP特性(A)または(B)に基づいてロックアップクラッチ4の差圧を制御すれば、個体ばらつきのない切替制御を実施できる。
実時間が目標時間T0より長い場合、(1)式における電流値の差分は正の値となり、基準となるIP特性の電流値に差分を加算すると、図4の破線で示すIP特性(A)のようになる。逆に、実時間が目標時間T0より短い場合、(1)式における電流値の差分は負の値となり、基準となるIP特性の電流値に差分を加算すると、図4のIP特性(B)のようになる。
以上のようにして学習補正されたIP特性(A)または(B)に基づいてロックアップクラッチ4の差圧を制御すれば、個体ばらつきのない切替制御を実施できる。
切替時間の実時間と目標時間との偏差には、ソレノイドバルブ6の特性ばらつき、コントロールバルブ5のばらつき、ロックアップクラッチ4自身のばらつきなど、全ての個体ばらつき要因が集約されている。
本発明では、切替制御の基本になる指示電流と差圧との関係を示すIP特性を、切替時間を用いて学習補正することで、全ての個体バラツキ要因を吸収することができ、全ての車両でほぼ同様な切替制御を実施することが可能になる。
本発明では、切替制御の基本になる指示電流と差圧との関係を示すIP特性を、切替時間を用いて学習補正することで、全ての個体バラツキ要因を吸収することができ、全ての車両でほぼ同様な切替制御を実施することが可能になる。
上記説明では、基準となるIP特性を図4の実線で示すように設定し、この直線の勾配を学習制御により変更する例を示したが、これに限るものではない。
上記説明では、IP特性を指示電流と差圧(Pa−Pr)との関係として定義したが、ソレノイドバルブ6の指示電流と出力圧Psとの関係と定義することもできる。すなわち、上記のようにソレノイドバルブ6の指示電流と出力圧Psとが比例関係にあり、ソレノイドバルブ6の出力圧Psとコントロールバルブ5の出力圧である差圧(Pa−Pr)とが比例関係にある場合には、ソレノイドバルブ6の指示電流と出力圧Psとの関係が分かれば、指示電流と差圧(Pa−P r)との関係も一義的に決定できるからである。
但し、ソレノイドバルブの出力圧Psと差圧(Pa−Pr)とが比例関係にない場合には、IP特性を指示電流と差圧との関係として定義すればよい。
但し、ソレノイドバルブの出力圧Psと差圧(Pa−Pr)とが比例関係にない場合には、IP特性を指示電流と差圧との関係として定義すればよい。
上記実施例では、ロックアップクラッチの締結時における切替制御について説明したが、解放時における切替制御についても同様である。すなわち、ロックアップOFF時における開始から終了までの切替時間を計測し、この切替時間(実時間)と目標時との偏差を求め、この偏差を用いてIP特性を学習補正すればよい。ロックアップOFF時における切替制御の終了は、例えば差回転が所定値(例えば50rpm)を越えた時を終了時刻と判定すればよい。
なお、ロックアップON時におけるIP特性と、ロックアップOFF時におけるIP特性は別個に設定されることは勿論である。
上記実施例では、ソレノイドバルブとしてリニアソレノイドバルブを使用したが、デューティソレノイドバルブを使用してもよい。デューティソレノイドバルブも、デューティ比によって出力圧を比例的に制御できる。
なお、ロックアップON時におけるIP特性と、ロックアップOFF時におけるIP特性は別個に設定されることは勿論である。
上記実施例では、ソレノイドバルブとしてリニアソレノイドバルブを使用したが、デューティソレノイドバルブを使用してもよい。デューティソレノイドバルブも、デューティ比によって出力圧を比例的に制御できる。
1 エンジン
2 トルクコンバータ
3 自動変速機
4 ロックアップクラッチ
4a 締結側油室
4b 解放側油室
5 ロックアップコントロールバルブ
6 ソレノイドバルブ
7 コントローラ
2 トルクコンバータ
3 自動変速機
4 ロックアップクラッチ
4a 締結側油室
4b 解放側油室
5 ロックアップコントロールバルブ
6 ソレノイドバルブ
7 コントローラ
Claims (2)
- ロックアップクラッチを有するトルクコンバータと、車両の運転状態に基づいて指令信号を演算し、この指令信号によりロックアップクラッチの差圧を制御してロックアップクラッチを締結状態と解放状態とに切替制御するロックアップ制御手段と、を備えたロックアップ制御装置において、
上記ロックアップ制御手段は、
上記切替制御の開始から終了までの切替時間を計測する計時手段と、
上記指令信号と差圧との関係を示すIP特性を記憶する記憶手段と、
上記切替時間に応じて上記IP特性を学習補正する学習補正手段とを備え、
上記ロックアップ制御手段は、上記学習補正されたIP特性に基づいて上記ロックアップクラッチの差圧を制御することを特徴とするロックアップ制御装置。 - 上記学習補正手段は、上記切替時間の目標値を設定し、上記計時手段によって計測された切替時間と上記目標値との偏差を求め、上記偏差を用いて上記IP特性を学習補正することを特徴とする請求項1に記載のロックアップ制御装置。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011064291A (ja) * | 2009-09-18 | 2011-03-31 | Jatco Ltd | 自動変速機の制御装置及びその学習方法 |
JP2012177434A (ja) * | 2011-02-25 | 2012-09-13 | Daihatsu Motor Co Ltd | ロックアップクラッチの制御装置 |
JP2014109307A (ja) * | 2012-11-30 | 2014-06-12 | Daihatsu Motor Co Ltd | 制御装置 |
JP2015052372A (ja) * | 2013-09-09 | 2015-03-19 | トヨタ自動車株式会社 | ロックアップクラッチの制御装置 |
-
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- 2006-03-03 JP JP2006057278A patent/JP2007232160A/ja active Pending
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