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JP2006120492A - 無電極放電ランプ - Google Patents

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JP2006120492A
JP2006120492A JP2004307912A JP2004307912A JP2006120492A JP 2006120492 A JP2006120492 A JP 2006120492A JP 2004307912 A JP2004307912 A JP 2004307912A JP 2004307912 A JP2004307912 A JP 2004307912A JP 2006120492 A JP2006120492 A JP 2006120492A
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Kiyoshi Hashimotoya
磨志 橋本谷
Kazuaki Okubo
和明 大久保
Toshiaki Kurachi
敏明 倉地
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】高温時や近接金属存在下での始動を高めた無電極放電ランプを提供すること。
【解決手段】前記磁性体コアを前記排気管内に配置するという構成により、前記磁性体コアに前記排気管を貫通させる空孔を設ける必要をなくし、前記磁性体コアの断面積を確保したままキャビティの直径を小さくすることを可能としている。これによって、金属製ダウンライト器具等の近接金属が存在する条件でのむ電極放電ランプの始動性を向上させることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明はプラズマの内部に励起コイルと磁性体コアを配した無電極放電ランプの、主として磁性体コアの飽和対策技術に関する。
励起コイルに高周波電流を流して高周波磁界を発生し、それによる高周波誘導電界によって放電を生起する形式の無電極放電ランプ(誘導結合型と呼ばれる)は、励起コイルの配置によって大きく二つに分けることが出来る。一つはエンベロープの外側に励起コイルを配置する形式の無電極放電ランプであり、もう一つエンベロープの一部を凹入させる形で設けたキャビティの内部に励起コイルを配置するものである。前者は実際に光源として使用した場合には、励起コイルによってランプからの光が遮られる欠点があるため、特に出力の小さいランプではキャビティ内部に励起コイルを配置する後者の形式がとられることが多かった。このような構成よりなる無電極放電ランプの例として、特許文献1に開示された無電極放電ランプの例を図3を参照しながら説明する。
前記特許文献1に開示された無電極放電ランプでは、内部に水銀と希ガスからなる放電ガスを封入(図示せず)した、ガラスから形成された球状のエンベロープ3と、エンベロープ3の底部が図3の上方向に凹入する形で形成されたキャビティ2を持ち、励起コイル5を巻回した円筒形状の磁性材料(Mn−Zn系のフェライト)からなる磁性体コア4を、キャビティ2内に配設している。また、製造時には排気管1よりエンベロープ3の内部を一旦真空に排気した後、同じく排気管1を通して内部に放電ガスを所定の封入圧力になるように投入し、しかる後に排気管1の先端を融着封止する。励起コイル5には導入線8を通して、ハウジング6内に収められた電源回路7で発生した100kHzの高周波電流が供給される。励起コイル5に流れる高周波電流によって発生する高周波磁界がエンベロープ3内に誘導する誘導電界によって、封入ガスが電離されてプラズマを生じる。封入ガス中の水銀はプラズマ中で励起されることにより、253.7nm及び185nmの紫外輝線で主に発光する。これらの紫外線は、エンベロープ3及びキャビティ2の内面に塗布された蛍光体層(図示せず)によって可視光に変換され、照明の用に供されるものである。ランプ点灯時には高温のプラズマが生じて直近にある励起コイル5や磁性体コア4が加熱され、また励起コイル5の銅損や磁性体コア4の鉄損によっても多量の熱が生じる。このため銅やアルミなどの熱伝導性の高い金属材質よりなる熱伝導部材9によって磁性体コア4の冷却を図っている。またフェライトよりなる磁界遮蔽部材10を設けることで、励起コイル5によって生じる高周波磁界が、金属製の熱伝導部材9に渦電流を生じることによる損失を避けている。このような構成では排気管1が排気後も残存するため、磁性体コア4には排気管1を収容するための空孔を設けてやる必要があった。
特開2002−93380号公報
ところが特許文献1に開示されたような構成の無電極放電ランプにおいては、磁性体コア4の内部に排気管1を貫通させる構成となっているため、そのための空孔の分だけ磁性体コア4の断面積を小さくせざるを得なかった。しかしながら、磁性体コア4の断面積を小さくすると、ランプ始動時の大電流による磁性体コア4の飽和によって、ランプの始動が出来なくなるという課題があった。逆に飽和を避けうるだけの断面積を確保するためには磁性体コア4の外直径を大きくする必要があり、必然的に磁性体コア4を収容するキャビティ2の直径が大きくならざるを得なかった。これによってプラズマの損失が増大し、またエンベロープ2内での最大電界強度が低下することになり、これがさらに金属性ダウンライト器具内での始動性を低下させるという課題がさらに生じていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされ、その目的とするところは、磁性体コアが高温での始動時にも飽和を起こさないだけの断面積を確保しながら、キャビティの外直径を小さくすることを可能とし、もって金属製のダウンライト器具等近接金属が存在する条件下での始動性を確保した無電極放電ランプを提供することである。
本願発明の無電極放電ランプは、可電離物質を気密に収容した光透過性の略球状のエンベロープと、前記エンベロープの一部に封着され、前記エンベロープに凹入して配置される略円筒状のキャビティと、前記キャビティ内に配設された前記キャビティと同軸を有する排気管と、前記排気管内に配置された略円柱状の磁性体コアと、前記磁性体コアが位置する前記排気管に巻回されたソレノイド状の励起コイルとを備える。
好適な実施形態として、前記励起コイルが、耐熱部材よりなるボビンを介して前記排気管に巻回される。
好適な実施形態として、前記励起コイルが、樹脂に含浸されている。
好適な実施形態として、前記励起コイルが、形状記憶合金によって形成される。
好適な実施形態として、前記排気管に前記磁性体コアの位置規制構造をもつ。
好適な実施形態として、前記位置規制構造が前記排気管に設けられたくぼみである。
好適な実施形態として、前記磁性体コアの前記エンベロープの少なくとも頂部側の頂面に、熱および荷電粒子衝撃を緩和する保護層を設ける。
以上のように、本発明は前記磁性体コアを前記排気管内に配置するという構成により、前記磁性体コアに前記排気管を貫通させる空孔を設ける必要をなくし、前記磁性体コアの断面積を確保したままキャビティの直径を小さくすることを可能としている。これによって、金属製ダウンライト器具等の近接金属が存在する条件でのむ電極放電ランプの始動性を向上させることが可能となる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、実質同一な構成は同一符号を記して説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における無電極放電ランプを示すものである。
図1において、略球状のエンベロープ103は光透過性の物質、好適にはソーダライムガラスやホウ珪酸ガラスよりなり、その内面にはアルミナよりなる保護膜(図示しない)とよく知られた3波長蛍光体層(図示しない)を形成している。エンベロープ103の一部には、略円筒状のキャビティ102がエンベロープ103内に凹入する構成で封着されている。エンベロープ103の寸法は直径60mmで、エンベロープ103とキャビティ102との接合部分からエンベロープ103の頂点部までの高さは65mmである。またエンベロープ103内には可電離物質として、微量の水銀と、バッファガスとしてのクリプトンが封入してある(図示しない)。クリプトンの圧力は200Paが好適であった。キャビティ102の肉厚は、機械的強度を勘案して0.8mmでとした。キャビティ102の、エンベロープ103に面した表面(以下外面と呼ぶ)には、アルミナよりなる可視光反射膜と、3波長蛍光体層が形成される(図示しない)。キャビティ102の頂部からキャビティ102の内側へと、キャビティ102と同心円筒状の排気管101が設けられる。排気管101の軸はキャビティ102の軸と同軸である。製造時にはこの排気管101からエンベロープ103内が真空に排気され、また可電離物質が排気管101を通してエンベロープ103内部に投入される。エンベロープ103とキャビティ102及び排気管101は、すべて同じ材質で構成されてもよいし、加工性等を考慮した別の材質を用いて形成してもよい。本実施の形態では排気管101は肉厚0.5mmのソーダライムガラス製とした。
排気管101の内部にはMn−Zn系フェライトによりなる磁性体コア104が挿入されている。磁性体コア104の排気管101内での位置は、位置規制手段109を構成する排気管101に設けられたくぼみと、排気管101の封止部110とで規制される。この磁性体コア104を磁芯として、磁性体コア104の位置する部分に、排気管101の管壁を隔て排気管101のキャビティ102側の表面に、リッツ線(絶縁被覆を施した銅細線のより線)からなる励起コイル105が巻回されている。励起コイル105のターン数は好適な実施の形態では62ターンであった。励起コイル105には、ハウジング106内に収められた電源回路107によって生成された周波数450kHzの高周波電流が導入線108から導入される。高周波電流が励起コイル105を流れることで高周波磁界が発生し、それによる誘導電界がエンベロープ103内の可電離物質を電離することによって、エンベロープ103内にキャビティ102を取り巻くドーナツ状のプラズマを生成する。プラズマ内では可電離物質に含まれる水銀原子が励起され、それが脱励起する際に生じる波長254nmの紫外輝線がエンベロープ103の内表面に形成された蛍光体層において可視光に変換される。なお、ランプシステムに投入される電力は12Wであり、これによって消費電力60Wの一般型白熱電球と同等の全光束を得ることが出来た。
以下にこのような構成とした場合の利点を詳細に説明する。
一般に無電極放電ランプでは、使用される高周波電流の周波数が数十kHz以上と高いため、磁性体コア104の材料には高周波での渦電流損失が低い軟磁性フェライト材料が使用されることが多い。例えばNi−Zn系材料やMn−Zn系材料が主に使用される。
こうした軟磁性フェライト材料の持つ、他の磁性材料と異なる際立った特徴として、飽和磁束密度の値が高くできず、また高温では飽和磁束密度が低下することがある。例えば低損失のMn−Zn系材料の飽和磁束密度は最高でも0.4mT程度である。これは、低周波で使用される代表的な磁性材料である、方向性珪素鋼鈑の十分の一以下である。磁性体コア104として励起コイル105とともに使用した場合、磁束飽和が発生するとインダクタンスが急激に低下し、ランプの始動に必要な電圧を発生することが出来なくなる。これは励起コイル105に大電流が流れるランプの始動時に顕著である。特に長時間点灯後に一旦消灯し、すぐに再点灯するような場合には磁性体コア104の温度が上昇して飽和磁束密度がさらに低下しているために最も条件が厳しくなる。このため、無電極放電ランプの設計に当たっては磁性体コア104の飽和を避ける工夫が必要となる。具体的には磁性体コア104を冷却する手段を講じたり、また単位断面積あたりの磁性体コア104を通る磁束を下げるために、磁性体コア104の断面積を大きくする必要がある。磁性体コア104の断面積を大きくすることは、必然的に磁性体コア104を収容しているキャビティ102の直径を大きくすることを意味する。ところが、キャビティ102の直径を大きくすることには、二つの大きな副作用が伴う。
一つには、プラズマの損失が大きくなるということである。図3に示すような構成の無電極放電ランプでは、プラズマはエンベロープ103とキャビティ102との間の空間に、キャビティ102を取り巻くドーナツ状に発生する。このプラズマ中では、両極性拡散と呼ばれる現象によって、プラズマを囲む容器の壁付近でイオンと電子との再結合が起こりプラズマが消失していく。プラズマを安定に発生し維持するためには、この両極性拡散による再結合損失を補償するだけの電力を投入してやる必要がある。プラズマ物理的な考察からは、両極性拡散による損失の度合いは、概ねプラズマを囲む壁の距離の2乗に反比例する。つまり、キャビティ102の直径が大きくなって図1におけるエンベロープ103とキャビティ102との間の距離が小さくなるほど、両極性拡散による損失が大きくなり、それを補償してプラズマを維持するのに必要な電力が大きくなる。
二つには、誘導電界の強度の問題もある。励起コイル105が励起する高周波磁界によって生じる誘導電界はキャビティ102を取り巻く円状に生じ、ある半径の場所での誘導起電力の大きさ(つまり誘導電界の強度をその半径の円周長で割った値)は励起コイル105からの距離の2乗に反比例するとともに、励起コイル105に流れる電流値(と電流の周波数)に比例する。従って同じ電流が励起コイル105に流れているならば、キャビティ102の直径が小さいほうがエンベロープ103内に誘導される誘導電界強度は強くなる。
これらの影響は、特に金属製のダウンライト器具内に装着して使用した際等、近接して金属導体が存在する条件下において無視できなくなる。金属製のダウンライト器具では、励起コイル105と同心円上に金属の反射板が配置される構成となるため、励起コイル105で形成された高周波磁界は反射板と鎖交することになり、電磁界エネルギーが金属器具側に奪われる。その結果近接金属の存在下では、ランプ始動時にエンベロープ103内に発生できる誘導電界強度が低下し、ランプの始動が不可能となることがある。
以上のような理由から、無電極放電ランプの設計に際しては、プラズマの特性、またランプの汎用性という観点からはキャビティ102の直径は出来るだけ小さくすることが好ましい。
このように、エンベロープ103内に発生するプラズマの内側に励起コイル105と磁性体コア104を配置する構成の無電極放電ランプにおいては、金属製のダウンライト器具内に挿入した際の始動特性と、高温再始動時の磁性体コア104の飽和の回避という二つの特性を両立する必要がある。前者の観点について、本願発明者らがキャビティ102の寸法を変えたランプを試作して多数の実験を行ったところ、一般的に使用される白熱電球用の金属ダウンライト器具の最も小さなものでも確実に始動可能なキャビティ102の寸法として、外直径18mm以下が必要であることを見出した。
一方、そのような小型の金属ダウンライト器具においては、エンベロープ103周辺が閉塞されて気流がなくなるため、ランプ各部の温度が上昇する。本願発明者らは、上記の実験をとおして磁性体コア104の温度が最高で180℃に達することを確認した。このような高温では磁性体コア104の飽和磁束密度値が低下し、始動時の突入電流によって飽和が発生しやすい。本願発明者らはさらに、磁性体コア104の断面積をさまざまに変えたサンプルを試作し、飽和特性の測定を行った。その結果、外気温度の変動も考慮して、200℃でも始動時の突入電流による飽和が起こらない最小の磁性体コア104の断面積として、約72mmが必要であることを見出した。
ところで、もし外直径が18mmのキャビティ102の内部を、従来技術による図3のように、励起コイル105(ここでは図3の各部材への符号は図1に従う)を巻回した磁性体コア104の内側に排気管101を配置する構成とした場合、磁性体コア104に排気管101を貫通させる空孔を設ける必要が生じる。この空孔の大きさについては、内部を貫通する排気管101の直径のほかに、
(1)排気管101の外直径の寸法公差
(2)排気管101とキャビティ102との取り付け誤差
(3)磁性体コア104の空孔の寸法誤差
等の誤差要因を考慮したマージンを確保する必要がある。このうち、排気管101の外直径及び磁性体コア104の内直径の寸法公差は比較的小さく、多くの場合0.2mm以下である。一方排気管101の取り付け誤差、すなわち排気管101とキャビティ102の接合位置の中心からのズレ、及び排気管101の取り付けが垂直から傾くことによる振れの誤差は、ガラス加工の精度上大きくならざるを得ず、これを合わせた排気管101の取り付け誤差の範囲は最大で±1mmを超える。このため磁性体コア104の内部に排気管101を貫通させる構成では、磁性体コア104に設ける空孔の大きさは、排気管101の直径よりも少なくとも2mm以上大きくとる必要がある。しかも排気管101の直径や肉厚は機械的強度や、また製造時にエンベロープ103を真空に排気する際の排気効率を低下させないためには、あまり小さくすることは出来ない。つまりその分余計に磁性体コア104の断面積が小さくならざるを得なくなる。このような誤差要因を勘案して許容される磁性体コア104の最大断面積は約70mmとなり、励起コイル105より内側が占める半径は最低でも13mmとなった。この値には、磁性体コア104と励起コイル105との間の絶縁性を確保するための絶縁材(図示していない)の厚さを含めている。つまり、図3の構成では、最小のダウンライト器具での始動性を全ての温度域で確保するような磁性体コア104の設計は極めて困難であり、誤差を無視した場合には製造上、寸法の合う部材を選別しようするなど工数、コストの面で大きなリスクを負うことになる。さらに図1のように磁性体104を冷却する冷却部材を空孔内に挿入する場合には、冷却部材についても上記と同じような誤差要因が存在するため、さらに断面積が小さくなる。
そこで本願発明者らは、図1に示すような構成をとることで、この問題を解決できるのではないかと発想したのである。図1の構成によれば、磁性体コア104の中心に排気管101を配置する必要がなく、すなわち空孔を設ける必要がないため、励起コイル105よりも内側で考慮しなければならない寸法公差は、磁性体コア104の外径の公差と排気管101の内径及び外径の公差のみである。したがって最も大きな誤差要因である、排気管101の取り付け誤差の影響を回避することが出来、その分を磁性体コア104の寸法のまわすことが可能となるのである。内部に空孔を設ける必要がないため、飽和を避けるのに必要な断面積を確保するための磁性体コア104の外直径は約9.6mmで可能である。さらに排気管101はソーダライムガラスで構成していることから絶縁体であり、励起コイル105と磁性体コア104との絶縁性確保のために余分な絶縁材を配置する必要がない。従って、本発明の構成によれば、励起コイル105より内側の占める直径は約11mmとなり、金属性ダウンライト器具内での始動性を確保するのに必要なキャビティ102の寸法に十分収めることが可能となった。
また、直径の大きな磁性体コア104を内部に配置する必要上、排気管101の直径は大きくなるが、これは後に示す製造工程における排気工程において、エンベロープ103の内部を真空に排気する際の排気効率を大幅に高められる利点もある。
さらに、図3に示されるように磁性体コア104の内部に熱伝導部材9を配置する必要が生じるほどに温度が上昇する可能性がある場合にも、本願発明の構成によれば熱伝導部材9の厚さと、それを挿入するのに必要な寸法公差分を磁性体コア104の厚みに転化することが可能であるため、飽和を回避するのに十分な磁性体コア104の断面積を確保することが可能である。
なお、図1に示す実施の形態においては、励起コイル105はリッツ線を使用し、排気管101の外表面に直接巻回したが、図2にしめすような耐熱性の樹脂、例えばPBTやテフロン(登録商標)よって形成されるボビン111にあらかじめ巻回したものを挿入する形としてもよい。すなわち、ボビン111を介して排気管101に巻回している構成になっている。この場合には、励起コイル105の形状が維持しやすく、また組み立ても容易になる。励起コイル105はボビン111に巻回されているが、励起コイル105に耐熱性の樹脂を含浸させた励起コイル105を使用しても良い。あるいは、励起コイル105の材質自体を形状記憶性の金属材料等、自律的に形状を保持できる材料(例えば、形状記憶合金)としてもよい。
また、本実施の形態では、排気管101のキャビティ102頂部での開口面積が大きいため、点灯中にプラズマからの熱を受けやすい。またプラズマ中の電子やイオンは磁力線の沿った方向には移動しやすいために、励起コイル105によって形成された高周波磁界の磁力線にそって移動した電子やイオンが開口部を介して磁性体コア104の頂面に衝突することが考えられる。このために磁性体コア104の頂面の温度が上昇して不純物が放出されたり、また高速の電子やイオンが衝突することによって磁性体コア104の表面がスパッタリングを受けて微粒子がエンベロープ103内に放出される。これらを防ぐために、磁性体コア104の少なくとも頂面部分に、耐熱性の材質、例えばテフロン(登録商標)等による保護層を形成することも可能である。
また、本実施の構成では排気管101内での磁性体コア104の位置を規制する位置規制手段109として、排気管101に設けたくぼみを使用しているが、例えば所望の位置で排気管101の管径を小さくすることで磁性体コア104の位置を規制することも可能である。
さらに、本実施の形態では駆動周波数が比較的低いため、1MHz以下で損失の小さいMn−Zn系のフェライト材料によって磁性体コア104を形成した。しかしながら、より高い周波数で駆動する際にはMn−Zn系材料の損失が増大するため、特に1MHz以上の周波数で駆動する場合にはNi−Zn系のフェライト材料を使用してもよい。
次に、図4を参照しながら、図1の構成をもつ本願発明にかかる無電極放電ランプの製造方法について説明する。製造方法は、
(1) 排気工程
(2) 封入工程
(3) 磁性体コア投入工程
(4) 封止工程
の四段階に分かれる。まず第1の排気工程では、十分な長さをもった排気管101を備えるエンベロープ103が、排気管101の上端において排気装置に接続される。エンベロープ103の内表面にはアルミナの保護層と蛍光体層(図示しない)が、またキャビティ102の外面にはやはりアルミナの反射膜層と蛍光体層が形成されている。排気装置は、内部に水銀ペレット(例えばZnなどの金属と水銀とのアマルガム体)と磁性体コア104を装填したディスペンサと、真空ポンプおよびクリプトンガスボンベに繋がる配管を備えている。配管は途中のバルブによって切り替えることが可能となっている。エンベロープ103の全体はヒータの中に保持され、500℃前後に過熱されるとともに、排気管101は真空ポンプに接続された配管から真空に排気される。排気中にヒータでエンベロープ103全体を500℃に加熱することで、蛍光体層等からの不純ガスの放出を促進し、それを排気することでエンベロープ103内の不純物を除去することが可能となる。本発明の構成によれば、排気管101の直径は内部に磁性体コア104を保持するのに十分な大きさを持つため、この工程における排気効率は従来技術による場合に比べて格段に高まることが期待できる。
次に封入工程では、エンベロープ103の全体をヒータからはずし、同時に配管を真空ポンプ側からクリプトンガスボンベに切り替え、所定の封入圧までクリプトンガスを封入する。ガスの封入が終了しだい、クリプトンガスの配管を封鎖するとともにディスペンサ内の水銀ペレットをエンベロープ103内に投入する。投入時にはエンベロープ103はまだ高温であるため、水銀ペレットからは十分な量の水銀が蒸発し、初期点灯に必要な水銀量をエンベロープ103内に提供する。
次の磁性体コア投入工程では、ディスペンサ内に装填された磁性体コア104を排気管101内に投入する。排気管101に設けられた位置規制手段のくぼみ109があるため、磁性体コア104は排気管101内の所望の位置に保持される。
最後の封止工程では、磁性体コア104の直上部分をバーナにて加熱し、溶融封着することでエンベロープ103を気密に封止する。なお、本実施の形態では封止にバーナによる加熱溶融を用いたが、ピンチシーリング工法を用いてもよい。また、バーナの代わりにレーザーや高周波加熱装置を使用すれば、エンベロープ103内へのCOなどの不純物ガスの混入を低減することが可能となる。
本発明の無電極放電ランプは、金属製ダウンライト器具など、近接金属が存在する条件での無電極放電ランプの始動性を確保することを可能とするため、特に小出力の一般型白熱電球代替蛍光ランプ等として有用である。
本発明の実施の形態1における無電極放電ランプの構造を示す図 本発明の実施の形態1における無電極放電ランプの改良形態を示す図 従来の技術による無電極放電ランプの構造を示す図 本発明の実施の形態2における無電極放電ランプの製造工程を示す図
符号の説明
101 排気管
102 キャビティ
103 エンベロープ
104 磁性体コア
105 励起コイル

Claims (7)

  1. 可電離物質を気密に収容した光透過性の略球状のエンベロープと、
    前記エンベロープの一部に封着され、前記エンベロープに凹入して配置される略円筒状のキャビティと、
    前記キャビティ内に配設された前記キャビティと同軸である排気管と、
    前記排気管内に配置された略円柱状の磁性体コアと、
    前記磁性体コアが位置する前記排気管に巻回されたソレノイド状の励起コイルとを備える無電極放電ランプ。
  2. 前記励起コイルが、耐熱部材よりなるボビンを介して前記排気管に巻回される、請求項1に記載の無電極放電ランプ。
  3. 前記励起コイルが、樹脂に含浸されている、請求項1に記載の無電極放電ランプ。
  4. 前記励起コイルが、形状記憶合金によって形成される、請求項1に記載の無電極放電ランプ。
  5. 前記排気管に前記磁性体コアの位置規制構造をもつ、請求項1から請求項4までの何れか一つに記載の無電極放電ランプ。
  6. 前記位置規制構造が前記排気管に設けられたくぼみである、請求項5に記載の無電極放電ランプ。
  7. 前記磁性体コアの前記エンベロープの少なくとも頂部側の頂面に、熱および荷電粒子衝撃を緩和する保護層を設ける、請求項1から請求項6までの何れか一つに記載の無電極放電ランプ。
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