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JP2005145878A - 化粧料及び化粧料配合剤 - Google Patents

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JP2005145878A JP2003385315A JP2003385315A JP2005145878A JP 2005145878 A JP2005145878 A JP 2005145878A JP 2003385315 A JP2003385315 A JP 2003385315A JP 2003385315 A JP2003385315 A JP 2003385315A JP 2005145878 A JP2005145878 A JP 2005145878A
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Abstract

【課題】皮膚バリア機能を回復して皮膚からの水分の蒸散を防止し或いは皮膚水分保持能を改善することにより、肌荒れを予防或いは改善する効果を発揮すると共に、皮膚の老化防止にも有効でしかも生体安全性にすぐれた化粧料、並びに化粧料にかかる効果を付与し得る配合剤を提供すること。
【解決手段】アカザ科アッケシソウ属の植物の抽出物を配合してなる化粧料、並びにアカザ科アッケシソウ属の植物の抽出物を有効成分とする化粧料配合用の皮膚バリア機能回復・抗酸化・抗炎症剤。

Description

本発明は、皮膚角層のバリア機能回復効果とさらには抗酸化作用並びに抗炎症作用を有し、皮膚を健全でみずみずしい状態に維持或いは改善すると共に皮膚の老化防止にも有効な化粧料、並びに化粧料にかかる効果を付与するための化粧料配合剤に関する。
皮膚最外層の角層は、微生物や有害物質など外界の異物の生体への接触、浸透から生体を保護すると共に、皮膚表面からの水分の蒸散を防いで、皮膚を健全でみずみずしい状態に保持する所謂バリア機能を果たしている。
加齢、過度の水仕事等によりこのバリア機能が低下すると、皮膚表面からの水分蒸散(Transepidermal Water Loss;TEWL)が増加し、角質層の水分量が低下してドライスキン現象を生じ、皮膚はカサカサした肌荒れ状態を呈する。
この皮膚バリア機能の低下を防ぎ、皮膚表面からの水分蒸散、ひいてはドライスキン現象や肌荒れの発生を予防或いは改善するため、従来よりワセリン、スクワラン、エステル油などの閉塞剤を用いて経表皮水分蒸散(TEWL)を抑止する方法、グリセリン、NMF関連成分(ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等)、加水分解コラーゲン、コラーゲン誘導体などの保湿成分を皮膚に補給し、皮膚の水分保持能を高める方法、胎盤抽出物、ビタミン類などの細胞賦活成分を用いて表皮細胞の角質化を促進する方法等が提案されているが、それら従来の方法の場合には、効果が一時的であるとか、或いは有効性が必ずしも十分でなく満足すべき効果を得るため配合量を増やすと皮膚適用時にべとつき等を生じて使用感が低下したり、安全性の面で問題の生ずることがあるなどの難点があった。
本発明者等は、皮膚バリア機能を回復し、皮膚を健全でみずみずしくハリのある状態に保持、改善せしめるための方法並びに剤にみられる上記の如き問題点に鑑み、有効性と安全性の両面を満足すると共に、使用感等にもすぐれた新たな皮膚バリア機能回復剤、並びにかかる剤を含有し肌荒れの予防、症状改善に有効でかつ高い生体安全性と良好な使用感、使用後感を具えた化粧料を提供すべく鋭意研究を進めた結果、アカザ科(Chenopodiaceae)に属する種子植物であるアッケシソウ属植物の抽出物がすぐれた皮膚バリア機能回復作用を有し、皮膚からの水分蒸散の防止或いは皮膚水分保持能の改善に顕著な効果を示すと共に、天然物由来であるが故に生体に対する安全性も高く又使用感も良好であって、上記の目的に合致するものであることを見出すに至った。
そればかりでなく、本発明者等のさらなる検討の結果、アカザ科アッケシソウ属の植物の抽出物が、皮膚バリア機能回復作用に加えて、抗酸化作用とシクロオキシゲナーゼ活性抑制作用に基づく抗炎症作用をも併せ持つことが明らかとなった。
従って、アカザ科アッケシソウ属の植物の抽出物を配合した化粧料によれば、該抽出物の有する皮膚バリア機能回復作用に基づいて、皮膚からの水分蒸散が防止され或いは皮膚水分保持能が改善されることにより、肌荒れの予防或いは症状改善が可能となるだけでなく、紫外線やストレスなどで発生するラジカルの消去と炎症の抑制により皮膚の老化を抑止或いは改善し、肌を若々しい状態に保持、回復するという皮膚老化防止効果をも奏せしめることができる。
特開昭63−192705号
即ち、本発明は第一に、アカザ科アッケシソウ属の植物の抽出物を配合したことを特徴とする化粧料に関するものである。
本発明は第二に、アカザ科アッケシソウ属の植物の抽出物を有効成分としてなる化粧料配合用の皮膚バリア機能回復・抗酸化・抗炎症剤に関するものである。
なお、本明細書に於いて化粧料とは、所謂化粧料のほかに医薬部外品をも含む意味で用いる。
上記第一の構成からなる本発明の化粧料は、これを皮膚に適用した時、有効成分として含むアカザ科アッケシソウ属植物抽出物の奏するすぐれた皮膚バリア機能回復作用に基づき、皮膚表面からの水分蒸散を防ぎ或いは皮膚水分保持能を改善して肌荒れを予防或いは改善し、皮膚を健全でみずみずしくハリのある状態に回復するばかりでなく、該植物抽出物が併せ奏する抗酸化作用及び抗炎症作用が、皮膚老化の要因となるラジカルの消去や炎症の抑制に働く結果、皮膚の老化が防止され肌は若々しい状態に保持される。
又、上記第二の構成からなる本発明の化粧料配合剤は、そのすぐれた皮膚バリア機能回復作用、抗酸化作用並びに抗炎症作用に基づき、肌荒れの予防或いは症状改善に有効でさらに皮膚老化防止効果をも有する化粧料を与えると共に、皮膚刺激等が少なく安全性にすぐれ、かつべとつき感がなく皮膚とのなじみが良好との特性を具えることから、これを配合してなる化粧料は、生体安全性並びに使用感の点でも満足すべきものとなる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の抽出物の調製に用いるアカザ科アッケシソウ属の植物としては、例えばアッケシソウ(Salicornia herbacea)、サリコルニア・ユーロパエア(Salicornia europaea)、サリコルニア・ビゲロヴィ(Salicornia bigelovii)、サリコルニア・ドリコスタキア・エスエスピー・ストリクティシマ(Salicornian dolichostachya ssp strictissima)などが挙げられる。
それらのうちでも、得られる抽出物の皮膚バリア機能回復作用などの作用効果の観点、さらには原料入手の容易さ等の点からアッケシソウ(Salicornia herbacea)の使用が最も好ましい。
それらアカザ科アッケシソウ属植物の抽出物を調製する場合、該植物の抽出部位には特に限定はなく、例えば種子、葉、茎、根、全草など適宜の部分を用いることができるが、なかでも茎又は全草が最も好ましい。抽出物の調製は、アッケシソウ属植物の抽出しようとする部位を必要ならば予め水洗して異物を除いた後、そのままもしくは乾燥した上、必要に応じて細切或いは粉砕し、浸漬法、向流抽出法など常法に従って抽出溶媒と接触せしめることによって行うことができる。
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの高級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、トリオクタン酸グリセリルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独でもしくは二種以上混合して用いられる。
それら抽出溶媒のうちでも、得られる抽出物の皮膚バリア機能回復作用等の観点から、また化粧料への幅広い適用が可能であるという点からも、本発明に於いては水、低級アルコール類或いは多価アルコール類などの親水性溶媒が好適に用いられる。この親水性溶媒を用いる場合の好ましい例としては、例えば水もしくは低級アルコール類(特にエタノール)の単独使用、或いは水と低級アルコール類(特にエタノール)との混合溶媒又は水と多価アルコール類(特に1,3−ブチレングリコールもしくはプロピレングリコール)との混合溶媒の使用等が挙げられるが、なかでも水の単独使用が最も好ましい。
混合溶媒を用いる場合、各溶媒の混合比は、例えば水とエタノールとの混合溶媒であれば、重量比(以下同じ)で1:5〜25:1、水と1,3−ブチレングリコールとの混合溶媒であれば1:5〜15:1、又水とプロピレングリコールとの混合溶媒であれば、1:5〜15:1の範囲とすることが好ましい。
抽出物の調製に際して、抽出液のpHに特に限定はないが一般には4〜8の範囲とすることが好ましく、かかる意味で、必要ならば上記の抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性調整剤や、クエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤等を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
浴比、抽出温度、抽出時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類やpH、或いは植物の抽出部位・細切度等によっても異なるが、例えば水を抽出溶媒とする浸漬法の場合であれば、浴比は重量比で、植物体に対して溶媒が1〜50倍量、好ましくは1〜20倍量の範囲であり、抽出温度は、一般に4〜100℃、好ましくは4〜80℃の範囲である。又抽出時間は、4℃の冷温抽出の場合で8時間〜50日間、特に24時間〜20日間、40℃の中温抽出の場合で4時間〜20日間、特に8時間〜5日間、80℃の高温抽出の場合で10分〜8時間、特に30分〜3時間とするのがよい。
かくして得られる抽出物溶液は、一般にはpHを4〜8に調整した上、これをそのまま化粧料配合剤として使用してもよく、又必要ならば減圧濃縮等により適宜の濃度として用いてもよい。さらに場合によっては、スプレードライ法、凍結乾燥法など常法に従って粉末化することもできる。
なお、アッケシソウ属植物に含まれる油成分、例えばサリコルニア・ビゲロヴィの種子から得られるオイルも化粧品配合原料として有用である。
以上の如くして調製される本発明のアカザ科アッケシソウ属植物の抽出物は、後に試験例1〜4に示す通り、皮膚バリア機能を正常な状態に回復して表皮からの水分蒸散を抑制する作用と、さらに抗酸化作用及びシクロオキシゲナーゼ活性抑制作用に基づく抗炎症作用を有し、しかも生体安全性、皮膚適用時の使用感にもすぐれ、肌荒れの予防、改善や皮膚の老化防止を目的として化粧料に配合して極めて有用なものである。従って、本発明によればかかるアカザ科アッケシソウ属植物の抽出物からなる化粧料用の皮膚バリア機能回復・抗酸化・抗炎症剤並びにアカザ科アッケシソウ属植物の抽出物を含有する化粧料が提供される。
本発明のアカザ科アッケシソウ属植物の抽出物を含む化粧料としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パックなどの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダー、ほほ紅、白粉などのメイクアップ化粧料、洗顔料、ボディーシャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、さらには浴剤等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
本発明の化粧料に於けるアカザ科アッケシソウ属植物抽出物の配合量は、抽出物の固形分として、基礎化粧料の場合は、一般に0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜2重量%の範囲、メイクアップ化粧料の場合は、一般に0.001〜3重量%、好ましくは0.01〜1重量%の範囲、又清浄用化粧料の場合は、一般に0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜2重量%の範囲である。
本発明の化粧料には、必須成分のアカザ科アッケシ属植物抽出物のほかに、通常化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、色素、香料、生理活性成分等を必要に応じて適宜配合することができる。
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては,例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
又、乳化剤乃至乳化助剤として、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)、ジュアゼイロ(Rhamnaceae zizyphus joazeiro)抽出物等を配合することもできる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、乳酸菌醗酵米、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、ビャッキュウ抽出物、魚介類由来コラーゲン及びその誘導体、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻或いは紅藻由来成分、ビャッキュウ抽出物、ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物等がある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
生理活性成分としては、例えば美白成分として、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物、米糠抽出物加水分解物、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀類)、白芥子加水分解抽出物、ムラサキシキブ抽出物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、カミツレ抽出物(商品名:カモミラET)、コンブ等の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体等が挙げられる。
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド(2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)、L−アスコルビン酸−5−グルコシド(5−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)などのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3−O−エチルアスコルビン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウム等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)等が、レゾルシノール誘導体としては、例えば4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、ビタミンE誘導体としては、例えばビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
又、本発明のアカザ科アッケシソウ属植物抽出物の有効性、特長を損なわない限り、他の肌荒れ改善剤や皮膚老化防止剤、抗酸化剤さらには抗炎症剤を組み合わせ化粧料に配合することは何ら差し支えない。
かかるものとしては、例えば肌荒れ改善剤や皮膚老化防止剤として、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、植物由来のコラーゲン様物質及びエラスチン様物質、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキスなどの生薬抽出エキス、米抽出物加水分解物、米糠抽出物加水分解物、米醗酵エキス、ミツイシコンブ抽出物、アナアオサ抽出物、アマモ等の海草の抽出物、ソウハクヒエキス、ジュアゼイロ(Rhamnaceae zizyphus joazeiro)抽出物等がある。
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体、ビャッキュウ抽出物、イネ抽出物等がある。
抗炎症剤としては、例えばグリチルリチン酸、ゲンチアナ抽出物、カミツレ抽出物、オウゴン抽出物、アロエ抽出物等が挙げられる
次に、実施例、処方例(化粧料の実施例)及び試験例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下に於いて、部はすべて重量部を、又%はすべて重量%を意味する。
実施例1.皮膚バリア機能改善・抗酸化・抗炎症剤の調製(1)
アッケシソウ(Salicornia herbacea)の全草の乾燥細切物20gに精製水200gを加え、40℃で1時間抽出した。得られた抽出液をろ過して、褐色透明の抽出物溶液(固形分含量:1.9%)150gを得た。
実施例2.皮膚バリア機能改善・抗酸化・抗炎症剤の調製(2)
アッケシソウ(Salicornia herbacea)の茎の乾燥細切物20gに精製水200gを加え、40℃で3時間抽出した。得られた抽出液をろ過して、褐色透明の抽出物溶液(固形分含量:2.0%)150gを得た。
実施例3.皮膚バリア機能改善・抗酸化・抗炎症剤の調製(3)
アッケシソウ(Salicornia herbacea)の全草の乾燥細切物20gに50%1,3−ブチレングリコール水溶液200gを加え、40℃で5時間抽出した。得られた抽出液をろ過して、淡褐色透明の抽出物溶液(固形分含量:1.8%)160gを得た。
実施例4.皮膚バリア機能改善・抗酸化・抗炎症剤の調製(4)
アッケシソウ(Salicornia herbacea)の全草の乾燥細切物20gに20%エタノール水溶液200gを加え、40℃で5時間抽出した。得られた抽出液をろ過して、淡褐色透明の抽出物溶液(固形分含量:1.8%)160gを得た。
実施例5.皮膚バリア機能改善・抗酸化・抗炎症剤の調製(5)
実施例1と同様にして得られた抽出物溶液100mlを10mlに濃縮した後凍結乾燥し、抽出物粉末1.8gを得た。
実施例6.皮膚バリア機能改善・抗酸化・抗炎症剤の調製(6)
実施例1に於いて、アッケシソウ(Salicornia herbacea)の全草に代えてサリコルニア ビゲロウィイ(Salicornia bigelovii)の全草を用いるほかは実施例1と同様にして、淡褐色透明の抽出物溶液(固形分含量:1.5%)130gを得た。
処方例1.クリーム
[A成分] 部
流動パラフィン 5.0
ヘキサラン (注1) 4.0
パラフィン 5.0
グリセリルモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 6.0
ブチルパラベン 0.1
(注1)株式会社テクノーブル製 トリオクタン酸グリセリル
[B成分]
実施例1の抽出物溶液 20.0
グリセリン 5.0
カルボキシメチルモノステアレート 0.1
モイストン・C (注2) 1.0
精製水 全量が100部となる量
(注2)株式会社テクノーブル製 NMF成分
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合してクリームを得た。
処方例2.クリーム
処方例1のB成分中実施例1の抽出物溶液に代えて実施例2の抽出物溶液を用いるほかは処方例1と同様にしてクリームを得た。
処方例3.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
実施例1の抽出物溶液 20.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。こ
れを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
処方例4.ローション
[成分] 部
実施例3の抽出物溶液 30.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
処方例5.化粧水
[A成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
実施例4の抽出物溶液 30.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
処方例6.乳液
処方例3のB成分中、実施例1の抽出物溶液に代えて実施例2の抽出物溶液を用いるほかは処方例3と同様にして乳液を得た。
処方例7.乳液
処方例3のB成分中、実施例1の抽出物溶液に代えて実施例3の抽出物溶液を用いるほかは処方例3と同様にして乳液を得た。
処方例8.乳液
処方例3のB成分中、実施例1の抽出物溶液に代えて実施例6の抽出物溶液を用いるほかは処方例3と同様にして乳液を得た。
処方例9.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
実施例1の抽出物溶液 20.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
実施例10.乳液
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム2.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
処方例11.乳液
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム2.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
処方例12.乳液
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン2.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
処方例13.乳液
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米糠抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「グレイスノウ*雪*HP」、固形分濃度3.5%)5.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
処方例14.乳液
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて白芥子抽出物(株式会社テクノーブル製、商品名「シナブランカ−WH」、固形分濃度1.0%)5.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
処方例15.乳液
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸1.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
処方例16.プレストパウダー
[A成分] 部
ベンガラ 0.5
黄酸化鉄 1.5
黒酸化鉄 0.1
酸化チタン 10.0
ナイロンパウダー 4.0
セリサイト 全量が100部となる量
マイカ 23.0
タルク 25.0
実施例5の抽出物粉末 0.5
[B成分]
スクワラン 1.0
メチルポリシロキサン 4.0
プロピルパラベン 0.1
デヒドロ酢酸 0.1
流動パラフィン 2.0
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ混合攪拌し混合した後、200メッシュのタイラーメッシュの篩にかけ、得られた混合粉末を金型に打型してプレストパウダーを得た。
処方例17.リクイドファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分]
実施例2の抽出物溶液 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリキッドファンデーションを得た。
処方例18.クリームファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 5.0
セタノール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 3.0
流動パラフィン 5.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 2.0
プロピルパラベン 0.1
[B成分]
実施例3の抽出物溶液 10.0
ソルビトール 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
トリエタノールアミン 1.5
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 2.0
カオリン 5.0
ベントナイト 1.0
着色顔料 適 量
[D成分]
香料 0.3
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却してクリームファンデーションを得た。
処方例19.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
実施例3の抽出物溶液 10.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
処方例20.石けん
[A成分] 部
硬化ヒマシ油 26.0
ヤシ油 10.0
オリーブ油 4.0
[B成分]
水酸化ナトリウム 6.0
砂糖 10.0
グリセリン 5.0
実施例5の抽出物粉末 0.5
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
エタノール 20.0
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加えてケン化した。これを攪拌しながら50℃まで冷却し、C成分を加えた。これを型に流し込み冷却した後、室温下で数日間乾燥させ、充分に乾燥したものを型から取りだして石けんを得た。
試験例1.皮膚バリア機能回復作用
本発明のアッケシソウ属植物抽出物を皮膚に適用した時の経皮水分蒸散量(TEWL)の変化を測定することにより、該抽出物の皮膚バリア機能回復作用を調べた。
[試料]
1.防腐水(防腐剤として、1,3-ブチレングリコール、メチルパラベン及び エチルパラベンを、それぞれ5%、0.15%及び0.03%含む)(対照)
2.実施例1の抽出液を20%含む防腐水(防腐剤組成は対照と同じ)(本発明試料)
[試験方法]
年齢20〜50歳の成人男子10名を被験者とし、各被験者の前腕内側部に被験部位を2ヶ所設け、該部位をSDSで処理して人為的に荒れ肌を生ぜしめた。
この被験部位の一方に対照の防腐水を又他方に本発明試料を、それぞれ1日2回(朝、夕)0.1mlずつ3日間塗布し、塗布開始1日後、2日後及び3日後の朝の試料塗布前に、被験部位のTEWLをバポメーター(キーストン社製、型式SWL2001N)を用いて測定した。測定は各被験部位毎に3回繰り返して行い、その平均値をとった。
皮膚バリア機能の回復の度合(バリア機能回復率%)は、TEWLが最も高い値を示した塗布1日後の値を100とし、これに対する塗布2日後及び3日後のTEWLの相対値から次式により求めた。
バリア機能回復率(%)=100−2日又は3日後のTEWL(相対値)
[結果]
結果を図1に示す。図1に於いて、バリア機能回復率(%)は被験者10名の平均値である。
図1の結果から、本発明のアッケシソウ属植物抽出物がすぐれたバリア機能回復作用を有することが明らかである。
試験例2.抗酸化作用 [DPPH(1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル)ラジカルスカベンジ試験])
[試料]
1.実施例1の抽出物溶液(本発明試料)
2.トロロックスの50%エタノール溶液(ポジティブコントロール)
[試験方法]
96穴マイクロプレートに本発明試料又はポジティブコントロールをそれぞれ50μl添加し、これに表1の組成からなるDPPH添加液もしくは対照液150μlを加え、37℃で20分間インキュベートした後、550nmで比色定量を行った。
DPPH添加液を加えた反応液の吸光度から対照液を加えた反応液の吸光度を差し引いた値をDPPHラジカル量とした。
Figure 2005145878
(注)DPPH4.8mgを50mLのエタノールに溶解後、水50mLを加えて調製した液
[結果]
結果を図2に示す。
図2の結果から、本発明のアッケシソウ属植物抽出物がすぐれたラジカルスカベンジ能を有し、抗酸化剤として有用であること、又従って、該抽出物を配合してなる本発明の化粧料によれば、皮膚に対する酸化ダメージが軽減乃至抑止されて、表皮及び真皮の細胞の機能は正常かつ健全な状態に保持され、これにより皮膚の老化が防止或いは改善されることが判る。
試験例3.シクロオキシゲナーゼ活性の抑制に基づく抗炎症作用
[試料]
1.実施例3の抽出物溶液の10%水溶液(本発明試料)
2.精製水(対照)
[試験方法]
20mMトリプトファン/0.2MTris-HCl緩衝液(pH8.0)2.52mlに40mMヘモグロビン/0.2MTris-HCL緩衝液(pH8.0)0.03ml及び試料0.15mlを混和した。これを37℃に加温した後、2mMアラキドン酸/0.2mMTris-HCL緩衝液(pH8.0)0.1ml及び250unit/mlシクロオキシゲナーゼ0.2mlを混和し、密閉状態で攪拌しながら10分間アラキドン酸を基質とするシクロオキシゲナーゼ酵素反応を行った。
反応経過中、生物酸素モニター(YSI MODEL 5300)を用いて規定時間毎の溶存酸素濃度を計測し、反応直前の溶存酸素濃度を100%として経時的な酸素消費率を算出した。
各時間に於ける酸素消費率をχ%としたとき、試料溶液3ml中の酸素消費量は次式によって求められる。
試料溶液中の酸素消費量(μl)=χ/100×5.02×3
[結果]
経時的な酸素消費量の変化を図3に示す。
図3の結果から明らかな通り、本発明のアッケシソウ属植物抽出物は顕著なシクロオキシゲナーゼ活性抑制効果を有しており、抗炎症剤として有用である。
又、このアッケシソウ属植物抽出物を配合してなる本発明の化粧料は、該抽出物の有する抗炎症作用により皮膚の老化防止にすぐれた効果を示す。
試験例4.皮膚刺激性
[試料]
(1)実施例1で得られた抽出物溶液(本発明試料)
(2)精製水(対照)
[試験方法]
年齢20〜50歳の成人男子5名を被験者とし、各々の上腕部内側をエタノールで拭って皮脂を除去し、該部位に、フィンチャンバーのアルミ板に各試料をそれぞれ0.2ml宛塗布したものを貼付した。24時間後にフィンチャンバーを除去し、皮膚刺激の程度をつぎに述べる方法並びに基準により判定した。
[判定]
パッチ除去後1時間後、24時間後及び48時間後に、貼付部位の紅斑及び浮腫の状況を、以下の「ドレイズ法による皮膚刺激性判定基準」に基づき目視判定し、被験者5名の平均値を求めた。
(紅斑)
スコア 皮膚の状態
0 : 紅斑なし
1 : 極く軽度の紅斑
2 : 明らかな紅斑
3 : 中程度から強い紅斑
4 : 深紅色の強い紅斑に軽い痂皮形成
(浮腫)
スコア 皮膚の状態
0 : 浮腫なし
1 : 極く軽度の浮腫
2 : 明らかな浮腫(周囲と明らかに区別可能)
3 : 中程度の浮腫(1mm以上の盛り上がり)
4 : 強い浮腫(さらに周囲にも広がり)
[結果]
結果を表2に示す。
Figure 2005145878
表2の結果から明らかな通り、アッケシソウ属植物の抽出物は皮膚に対する刺激が殆どなく、生体安全性に極めてすぐれている。
試験例4.パネルテスト(その1)
本発明のアッケシソウ属植物の抽出物を配合した化粧料について、パネルテストにより肌荒れに対する改善効果を調べた。
[試料]
(1)処方例1のクリーム (本発明例)
(2)処方例1に於いて、実施例1の抽出物溶液の代わりに精製水を用いて得られたクリーム(対照)
[試験方法]
無作為に抽出した年齢18〜50歳の女性20名を被験者とし、それぞれ左右の頬部に、本発明例又は対照のクリームを1日2回(朝、晩)、1ヵ月間塗布してもらった後、皮膚の乾燥及び落屑に対する改善効果を、以下の評価基準に基づいて評価した。
[評価基準]
A:明らかに改善された
B:かなり改善された
C:僅かに改善された
D:変わらない
E:かえって悪くなった
[結果]
結果を表3に示す。なお、表3のA〜Eの各評価欄の数字は、被験者20名中当該評価を行った被験者の割合(%)を示す。
Figure 2005145878
表3の結果から、本発明の化粧料が、肌荒れの特徴的な症状である皮膚の乾燥や落屑に対してすぐれた改善効果を有することが判る。
試験例4.パネルテスト(その2))
本発明のアッケシソウ属植物の抽出物を配合した化粧料について、パネルテストにより皮膚の老化防止に対する効果を調べた。
[試料]
(1)処方例2のクリーム(本発明例)
(2)処方例2に於いて、実施例2の抽出物溶液の代わりに精製水を用いて得られたクリーム(対照)
[試験方法]
無作為に抽出した年齢18〜50歳の女性20名を被験者としてそれぞれ左右の頬部に、本発明例又は対照のクリームを1日2回(朝、晩)、3ヵ月間塗布してもらった後、小じわ及び肌のはり、艶に対する改善効果を、以下の評価基準に基づいて評価した。
[評価基準]
A:明らかに改善された
B:かなり改善された
C:僅かに改善された
D:変わらない
E:かえって悪くなった
[結果]
結果を表4に示す。なお、表4のA〜Eの各評価欄の数字は、被験者20名中当該評価を行った被験者の割合(%)を示す。
Figure 2005145878
表4の結果から、本発明のアッケシソウ属植物抽出物を配合した化粧料が、小ジワや肌のハリ、艶を顕著に改善し、皮膚の老化防止に有効であることが明らかである。
図1は、試験例1に於ける各試料塗布時の経時的な皮膚バリア機能の回復率を示すグラフである(縦軸:バリア機能回復率(%)、横軸:経過日数(日)) 図2は、試験例2の各試料のDPPH値を示すグラフである(縦軸:DPPH値) 図3は、試験例3に於ける各試料溶液中の酸素消費量の経時的な変化を示すグラフである(縦軸:酸素消費量(μl)、横軸:経過時間(分))
符号の説明
A 対照
B 本発明試料

Claims (4)

  1. アカザ科アッケシソウ属の植物の抽出物を配合したことを特徴とする化粧料。
  2. アカザ科アッケシソウ属の植物がアッケシソウ(Salicornia herbacea)である請求項1に記載の化粧料。
  3. アカザ科アッケシソウ属の植物の抽出物を有効成分としてなる化粧料配合用の皮膚バリア機能回復・抗酸化・抗炎症剤。
  4. アカザ科アッケシソウ属の植物がアッケシソウ(Salicornia herbacea)である請求項3に記載の化粧料配合用の皮膚バリア機能回復・抗酸化・抗炎症剤。
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