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JP2004261590A - 医療用接着剤 - Google Patents

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JP2004261590A
JP2004261590A JP2004019780A JP2004019780A JP2004261590A JP 2004261590 A JP2004261590 A JP 2004261590A JP 2004019780 A JP2004019780 A JP 2004019780A JP 2004019780 A JP2004019780 A JP 2004019780A JP 2004261590 A JP2004261590 A JP 2004261590A
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Japan
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adhesive
polyol
bis
acid
parts
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Application number
JP2004019780A
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Takehisa Matsuda
武久 松田
Masakazu Sugiura
正和 杉浦
Tetsuya Yamada
哲也 山田
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

【課題】 外科手術時だけ生体内で接着剤として有効に働くが、生体の修復が終了する時期には速やかに分解するような特性を有する外科用接着剤として好適な医療用接着剤を提供する。
【解決手段】 ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との付加体であるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーからなる医療用接着剤において、ポリオール(A)がオキシエチレン基(a)と化学式(1)で表される有機基(b)並びに化学式(2)で表される有機基(c)及び/又は化学式(3)で表される有機基(d)とを有してなることを特徴とする医療用接着剤を用いる。
【化1】

【化2】

【化3】

【選択図】 なし

Description

本発明は医療用接着剤に関する。更に詳しくは、生体内で一定期間経過後、容易に分解する外科用等の医療用として好適な接着剤に関する。
血管や実質臓器の接合や止血のために外科手術に際して用いる医療用接着剤は、生体にとって異物である。従って、必要な期間だけ生体内で接着剤として働き、生体の修復が終了する時期には分解して無くなるような接着剤が望ましい。
従来、このような分解性を有する医療用接着剤としては、ε-カプロラクトン又はラクチドの開環重合によって得られたポリエステルポリオールと芳香族系ポリイソシアネートとの反応で得られるウレタンプレポリマーが知られている(特許文献1)。
米国特許第4,804,691号明細書
しかしながら、上記接着剤は生体内でのエステル結合の加水分解性が低く、生体の修復後も長期間にわたって患部に接着剤が残るという問題があった。すなわち、本発明の目的は、生体の修復と共に速やかに分解して消失し得る医療用接着剤を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明の医療用接着剤の特徴は、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との付加体であるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーからなる医療用接着剤において、ポリオール(A)が、オキシエチレン基(a)と化学式(1)で表される有機基(b)並びに化学式(2)で表される有機基(c)及び/又は化学式(3)で表される有機基(d)とを有してなる点にある。
分解性を有しているといわれている従来のウレタンプレポリマー系医療用接着剤(例えば、比較例2の接着剤)は、生体内における分解が遅いため、数年に渡って使用部位に残っているのが実状であり、このような長期間に渡って使用時のままの形状の物が存在していることにより、発ガン等生体への悪影響が懸念される。
これに対して、本発明の医療用接着剤は、生体患部の修復後、長期間に渡って患部に残ることなく速やかに分解消失する効果を有しており、安全性の面でも優れている。更に、本発明の医療用接着剤は、分解性という上記特徴以外に、基本的性能である硬化速度、生体組織との結合性及び生体組織の動きに追従可能な柔軟性の3点についても満足しており、手術をはじめとする医療行為における安全性と確実性を大幅に高める効果を有している。
ポリオール(A)としては、オキシエチレン基(a)と有機基(b)と有機基(c)とを有してなるポリオール(A1)、オキシエチレン基(a)と有機基(b)と有機基(d)とを有してなるポリオール(A2)、及びオキシエチレン基(a)と有機基(b)と有機基(c)と有機基(d)とを有してなるポリオール(A3)が含まれる。
オキシエチレン基(a)と化学式(1)で表される有機基(b)並びに化学式(2)で表される有機基(c)及び/又は化学式(3)で表される有機基(d)とを有するポリオール(A)としては、例えばオキシエチレン基を有するポリエーテルポリオール(aa)とε−カプロラクトン(bb)並びにトリメチレンカーボネート(cc)及び/又はL−ラクチド(dd)とを開環重合させることにより得ることができる。
なお、オキシエチレン基(a)はエチレンオキシドにより、化学式(1)で表される有機基(b)はε−カプロラクトン(bb)により、化学式(2)で表される有機基(c)はトリメチレンカーボネート(cc)により、また化学式(3)で表される有機基(d)はL−ラクチド(dd)により形成され得る。
すなわち、ポリオール(A1)は、オキシエチレン基を有するポリエーテルポリオール(aa)とε−カプロラクトン(bb)とトリメチレンカーボネート(cc)とを開環重合させることにより製造され得る。また、ポリオール(A2)は、オキシエチレン基を有するポリエーテルポリオール(aa)とε−カプロラクトン(bb)とL−ラクチド(dd)とを開環重合させることにより製造され得る。また、ポリオール(A3)は、オキシエチレン基を有するポリエーテルポリオール(aa)とε−カプロラクトン(bb)とトリメチレンカーボネート(cc)とL−ラクチド(dd)とを開環重合させることにより製造され得る。
オキシエチレン基(a)を有するポリエーテルポリオール(aa)としては、少なくとも2個の活性水素を有する化合物のアルキレンオキシド(共)付加体等が使用できる。アルキレンオキシドとしては、炭素数2〜8のアルキレンオキシド(エチレンオキシド、1,2−又は1,3−プロピレンオキシド、1,2−、1,3−、2,3−又は1,4−ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン及びスチレンオキシド等)、及び炭素数2〜8のフルオロアルキレンオキシド(1,1−ジフルオロエチレンオキシド、テトラフルオロエチレンオキシド、3,3,3−トリフルオロプロピレンオキシド、パーフルオロプロピレンオキシド、パーフルオロブチレンオキシド、パーフルオロテトラヒドロフラン及びパーフルオロスチレンオキシド等)等が挙げられる。アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド及び1,2−プロピレンオキシドが好ましく、エチレンオキシド単独及びエチレンオキシドと1,2−プロピレンオキシドとの混合物が更に好ましい。
また、共付加体の場合、その付加形式はランダム、ブロック及びこれらの組合せのいずれでもよいが、好ましくはランダムである。
共付加体の場合、オキシエチレン基の含有量(重量%)は、共付加体{ポリエーテルポリオール(aa)}の重量に基づいて、30以上が好ましく、更に好ましくは50以上、特に好ましくは60以上、最も好ましくは70以上であり、また99以下が好ましく、さらに好ましくは98以下、特に好ましくは95以下、最も好ましくは90以下である。この範囲内であると、接着剤の吸水性が更に高くなり、接着強度(特に初期接着強度)、硬化速度及び接着剤の分解性が更に高くなりやすい。
少なくとも2個の活性水素を有する化合物としては、水、ジオール、3〜6価のポリオール、ジカルボン酸、3〜4価のポリカルボン酸、モノアミン、ポリアミン、ポリチオール、ヒドロキシカルボン酸、ヒロドキシアミン、アミノカルボン酸及び糖類等が使用できる。尚、活性水素を2個有する化合物を用いた場合には2価のポリエーテルポリオールが得られ、活性水素を3個以上有する化合物を用いた場合には3価以上のポリエーテルポリオールが得られる。
ジオールとしては、炭素数2〜30のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、オクタデカンジオール、エイコサンジオール及びトリコサンジオール等);炭素数6〜24の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA{2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン}等);炭素数15〜30のビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等);ジヒドロキシベンゼン(カテコール及びハイドロキノン等)等が用いられる。
3〜6価のポリオールとしては、炭素数3〜20の脂肪族多価(3〜6価)アルコール(グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビタン及びソルビトール等)等が用いられる。
ジカルボン酸としては、炭素数4〜32のアルカンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデセニルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、ドデシルコハク酸及びオクタデシルコハク酸等);炭素数4〜32のアルケンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、メサコン酸、ダイマー酸、ドデセニルコハク酸及びペンタデセニルコハク酸等);炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等)等が用いられる。
3〜4価のポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)及び炭素数9〜20の脂肪族ポリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)等が用いられる。
モノアミンとしては、炭素数1〜20の脂肪族アミン{炭素数1〜20のアルキルアミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ヘキシルアミン、ドデシルアミン及びエイコシルアミン等)等}、炭素数4〜15の脂環式アミン(シクロヘキシルアミン等);炭素数4〜15の複素環式アミン(2−ベンゾフランアミン及び4−キノリルアミン等);炭素数6〜15の芳香環含有脂肪族アミン(ベンジルアミン及びナフチルエチルアミン等);炭素数6〜15の芳香族アミン(アニリン及びナフチルアミン等)等が用いられる。
ポリアミンとしては、炭素数2〜18の脂肪族ポリアミン{炭素数2〜12のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びウンデシレンジアミン等)及びポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミン(ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジヘキシレントリアミン、トリエチレンテトラミン及びペンタエチレンヘキサミン等)等}、炭素数4〜15の脂環式ポリアミン(1,3−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン及びビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン);炭素数4〜15の複素環式ポリアミン(イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン及び1,4−ジアミノエチルピペラジン等);炭素数8〜15の芳香環含有脂肪族アミン(ビス(アミノメチル)ベンゼン及び1,4−ビス(アミノメチル)テトラクロロベンゼン等);炭素数6〜20の芳香族ポリアミン(フェニレンジアミン、ナフチレンジアミン、ビス(アミノフェニル)メタン、4−アミノフェニル−2−クロロアニリン及び1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等)等が用いられる。
ポリチオールとしては、炭素数1〜24のポリチオール(メタンジチオール、エタンジチオール、1,4−ブタンジチオール及び1,6−ヘキサンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール等)等が用いられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、炭素数2〜12の脂肪族ヒドロキシカルボン酸(グリコール酸、乳酸、ω−オキシカプロン酸、ω−オキシエナント酸、ω−オキシカプリル酸、ω−オキシペラルゴン酸、ω−オキシカプリン酸、11−オキシウンデカン酸及び12−オキシドデカン酸等)等が用いられる。
ヒドロキシアミンとしては、炭素数2〜12のヒドロキシアミン(2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール、6−アミノヘキサノール及び3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノール等)等が用いられる。
アミノカルボン酸としては、炭素数2〜12のアミノカルボン酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン等のアミノ酸、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペラルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸等)等が用いられる。
糖類としては、グルコース、フルクトース及びショ糖等が用いられる。
これらの化合物以外に、少なくとも2個の活性水素を有する化合物として、硫化水素及びアンモニア等も使用できる。
これらの少なくとも2個の活性水素を有する化合物のうち、ジオールが好ましく、更に好ましくはアルキレングリコール、特に好ましくは炭素数2〜30のアルキレングリコール、最も好ましくは炭素数2〜4のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等)である。
ポリエーテルポリオール(aa)の数平均分子量(Mn)は、200以上が好ましく、更に好ましくは300以上、特に好ましくは400以上であり、また、10,000以下が好ましく、更に好ましくは8,000以下、特に好ましくは6,000以下である。この範囲内であると、接着強度が更に高くなりやすい。
Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリエチレングリコール又はポリスチレンを標準物質として求めることができる。
ポリエーテルポリオール(aa)は、通常のアルキレンオキシド付加反応によって製造され得る。
ポリオール(A)におけるオキシエチレン基の含有量(重量%)は、ポリオール(A)の重量に基づいて、20以上が好ましく、更に好ましくは30以上、特に好ましくは40であり、また、95以下が好ましく、更に好ましくは90以下、特に好ましくは80以下である。この範囲内であると、さらに良好な接着性及び分解性を有する医療用接着剤が得やすい。
ポリオール(A)における化学式(1)で表される有機基(b)の含有量(重量%)は、ポリオール(A)の重量に基づいて、2以上が好ましく、更に好ましくは5以上、特に好ましくは10であり、また、70以下が好ましく、更に好ましくは50以下、特に好ましくは40以下である。この範囲内であると、良好な作業性と分解性を有する医療用接着剤が得られやすい。
ポリオール(A)における化学式(2)で表される有機基(c)及び/又は化学式(3)で表される有機基(d)の含有量(重量%)は、ポリオール(A)の重量に基づいて、2以上が好ましく、更に好ましくは5以上、特に好ましくは10であり、また、70以下が好ましく、更に好ましくは50以下、特に好ましくは40以下である。この範囲内であると、良好な作業性と分解性を有する医療用接着剤が得られやすい。
有機基(c)と有機基(d)が共に存在する場合、その比率は特に限定されず、任意の比率のものが使用できる。
ポリオール(A)のMnは、250以上が好ましく、更に好ましくは350以上、特に好ましくは450以上であり、また、20,000以下が好ましく、更に好ましくは16,000以下、特に好ましくは12,000以下である。この範囲内であると、生体の動きにさらに充分追従しやすい柔軟性を有し、さらに作業性のよい医療用接着剤が得やすい。
ポリエーテルポリオール(aa)と、ε−カプロラクトン(bb)並びにトリメチレンカーボネート(cc)及び/又はL−ラクチド(dd)とを開環重合させる方法は特に限定されず、公知の方法で行うことができ、例えば(aa)と、(bb)並びに(cc)及び/又は(dd)とを好ましくは120〜200℃で、好ましくは3〜10時間で、2−エチルヘキサン酸錫等の触媒の存在下に開環重合させることによりポリオール(A)を得ることができる。
ポリイソシアネート(B)としては、炭素数(イソシアネート基中の炭素を除く、以下同様)6〜19の芳香族ポリイソシアネート、炭素数1〜22の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数6〜19の脂環族ポリイソシアネート、炭素数8〜16の芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらの変性体及びこれらの2種以上の混合物等が用いられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート(PDI)、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート及びこれらの混合物等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、フッ素を含まない脂肪族ポリイソシアネート及び含フッ素脂肪族ポリイソシアネート等が用いられる。フッ素を含まない脂肪族ポリイソシアネートとしては、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート及びこれらの混合物等が挙げられる。
含フッ素脂肪族ポリイソシアネートとしては、OCN−Rf−NCOで表されるもの、OCN−CH2−Rf−CH2−NCOで表されるもの、OCN−CF2−R−CF2−NCOで表されるもの、OCN−CH2−CF2−R−CF2−CH2−NCOで表されるもの、OCN−CH(CF3)−R−CH(CF3)−NCOで表されるもの及びこれらの混合物等が用いられる。但し、式中Rfは、エーテル結合を含有してもよい炭素数1〜20のパーフルオロアルキレン基を表し、Rは、エーテル結合を含有してもよい炭素数1〜18のアルキレン基を表す。
OCN−Rf−NCOで表されるものとしては、ジフルオロメチレンジイソシアネート、パーフルオロジメチレンジイソシアネート、パーフルオロトリメチレンジイソシアネート、パーフルオロエイコサジイソシアネート、ビス(イソシアナトパーフルオロエチル)エーテル及びビス(ジイソシアナトパーフルオロイソプロピル)エーテル等が挙げられる。
OCN−CH2−Rf−CH2−NCOで表されるものとしては、ビス(イソシアナトメチル)ジフルオロメタン、ビス(イソシアナトメチル)パーフルオロエタン、ビス(イソシアナトメチル)パーフルオロプロパン、ビス(イソシアナトメチル)パーフルオロブタン(FHMDI)、ビス(イソシアナトメチル)パーフルオロペンタン、ビス(イソシアナトメチル)パーフルオロヘキサン、ビス(イソシアナトメチル)パーフルオロエイコサン及びビス(イソシアナトメチルパーフルオロエチル)エーテル等が挙げられる。
OCN−CF2−R−CF2−NCOで表されるものとしては、ビス(イソシアナトジフルオロメチル)メタン、ビス(イソシアナトジフルオロメチル)プロパン、ビス(イソシアナトジフルオロメチル)オクタデカン及び2,2’−ビス(イソシアナトジフルオロメチルエチル)エーテル等が挙げられる。
OCN−CH2−CF2−R−CF2−CH2−NCOで表されるものとしては、ビス(2−イソシアナト−1,1−ジフルオロエチル)メタン、ビス(2−イソシアナト−1,1−ジフルオロエチル)プロパン、ビス(2−イソシアナト−1,1−ジフルオロエチル)ヘキサデカン及びビス(2−イソシアナト−1,1−ジフルオロエチルエチル)エーテル等が挙げられる。
OCN−CH(CF3)−R−CH(CF3)−NCOで表されるものとしては、ジイソシアナト−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロペンタン及びビス(イソシアナト−3,3,3−トリフルオロプロピル)エーテル等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、フッ素を含まない脂環族ポリイソシアネート及び含フッ素脂環族ポリイソシアネート等が用いられる。
フッ素を含まない脂環族ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、4,4’,4’’−トリシクロヘキシルメタントリイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート及びこれらの混合物等が挙げられる。
含フッ素脂環族ポリイソシアネートとしては、ジイソシアナトパーフルオロシクロヘキサン、ジイソシアナトテトラフルオロシクロヘキサン、ビス(イソシアナトメチル)パーフルオロシクロヘキサン、ビス(イソシアナトメチル)テトラフルオロシクロヘキサン、ビス(イソシアナトメチル)パーフルオロジメチルシクロヘキサン、ビス(イソシアナトメチル)ジメチルテトラフルオロシクロヘキサン、ビス(イソシアナトジフルオロメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナトパーフルオロシクロヘキシル)、ビス(イソシアナトテトラフルオロシクロヘキシル)、ビス(イソシアナトパーフルオロシクロヘキシル)パーフルオロプロパン、ビス(イソシアナトテトラフルオロシクロヘキシル)パーフルオロプロパン、ビス(イソシアナトメチルパーフルオロシクロヘキシル)パーフルオロプロパン、ビス(イソシアナトメチルテトラフルオロシクロヘキシル)パーフルオロプロパン、ビス(2−イソシアナト−1,1−ジフルオロエチル)シクロヘキサン、ビス(2−イソシアナト−1,1−ジフルオロエチル)シクロヘキサン及びこれらの混合物等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、フッ素を含まない芳香脂肪族ポリイソシアネート及び含フッ素芳香脂肪族ポリイソシアネート等が用いられる。
フッ素を含まない芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、α,α,α’,α’−テトラエチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)及びこれらの混合物等が挙げられる。
含フッ素芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ビス(イソシアナトメチル)パーフルオロベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ジメチルパーフルオロベンゼン、ビス(イソシアナトパーフルオロフェニル)パーフルオロプロパン、ビス(イソシアナトメチルパーフルオロフェニル)パーフルオロプロパン、ビス(2−イソシアナト−2,2−ジフルオロエチル)ベンゼン、ビス(2−イソシアナト−1,1−ジフルオロエチル)ベンゼン及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの変性体としては、変成HDI(ウレタン変性HDI、カルボジイミド変性HDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性HDI等)、変成FHMDI(ウレタン変性FHMDI、カルボジイミド変性FHMDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性FHMDI等)、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、変性TDI(ウレタン変性TDI、カルボジイミド変性TDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性TDI等)、及びこれらの混合物等が挙げられる。
また、上記以外のポリイソシアネートとして、第3級アミノ基含有ポリイソシアネート[N,N−ビス(イソシアナトエチル)メチルアミン及びN,N−ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メチルアミン等]及び第4級アンモニオ基含有ポリイソシアネート[塩化N,N−ビス(イソシアナトエチル)ジメチルアンモニウム及び塩化N,N−ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)ジメチルアンモニウム等]等も好ましく使用できる。これらのポリイソシアネートを使用することにより、硬化反応性が更に高くなる。
これらのポリイソシアネート(B)のうち、安全性等の観点から、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、第3級アミノ基含有ポリイソシアネート及び第4級アンモニオ基含有ポリイソシアネートが好ましく、反応性等の観点から、更に好ましくは含フッ素脂肪族ポリイソシアネート、含フッ素脂環族ポリイソシアネート、第3級アミノ基含有ポリイソシアネート及び第4級アンモニオ基含有ポリイソシアネート、特に好ましくは含フッ素脂肪族ポリイソシアネート及び含フッ素脂環族ポリイソシアネート、最も好ましくはOCN−CH2−Rf−CH2−NCOで表されるものである。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを反応させて得られる構造を有する。
ポリオール(A)単位とポリイソシアネート(B)単位との含有量比は、(B)のイソシアネート基と(A)の水酸基との当量比(NCO/OH当量比)として、1.5以上が好ましく、更に好ましくは1.7以上、特に好ましくは1.8、最も好ましくは1.9であり、また2.5以下が好ましく、更に好ましくは2.3以下、特に好ましくは2.1であり、最も好ましいのは2.0である。この範囲内であると、接着強度が更に高くなりやすい。
また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーのNCO含有量(重量%)は、1以上が好ましく、更に好ましくは1.1以上、特に好ましくは1.2以上、更に特に好ましくは1.3以上、最も好ましくは1.4以上、また、10以下が好ましく、更に好ましくは8以下、特に好ましくは5以下、更に特に好ましくは3以下、最も好ましくは2.5以下である。この範囲であると、得られた接着剤の硬化性及び生体の動きへの追従性が更に良好となりやすい。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、公知の方法により、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを反応させて得ることができ、例えば(A)と(B)とを、好ましくは50〜130℃で、好ましくは1〜10時間反応させることによりイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを得ることができる。また、この反応は触媒[例えば、錫や鉛の有機化合物(ジブチル錫ジラウレート等)及び3級アミン(トリブチルアミン等)]の存在下で行なってもよい。
本発明の接着剤は、微量の水分の存在、例えば空気中の水分により急速に重合を起こし、強靭な膜を形成して、被接着体を強固に接着することができる。
被接着体の材質には制限がないが、コラーゲン及びケラチン等のタンパク質等が適している。
また、被接着体の性状としては、リジッドな構造であっても、フレキシブルな構造であってもよいが、本発明の接着剤の接着後の柔軟性を効果的に活用するにはフレキシブルな構造により適している。
このような被接着体としては制限がないが、動物が好ましく、特に好ましくは哺乳物、最も好ましくは人間である。すなわち、本発明の接着剤は、内臓、血管、骨格、神経及び皮膚等の外科手術などの医療用接着剤として好適である。
本発明の接着剤は、血管、心臓、気管、肺、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、直腸、腎臓、脾臓、膵臓又は神経等の接合、出血阻止、酵素の漏れ阻止、縫合に先立つ仮固定、患部の補強又は最小血管の狭窄事故の回避等に用いる外科用接着剤として有用である。また、本発明の医療用接着剤は手術ばかりでなく創傷部や切創部等の接合、歯科における接着治療及び生理活性を有する薬物と組み合わせて薬を徐々に放出させることによる治療等医療全般にわたって有用であり、高信頼性と高性能を賦与するものである。
尚、本発明の医療用接着剤には、必要に応じて、公知の他の成分を配合することができる。たとえば、医療用接着剤として用いる場合、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー以外の構成成分として、必要に応じて生理活性を有する薬物(中枢神経用薬、アレルギー用薬、循環器官用薬、呼吸器官用薬、消化器官用薬、ホルモン剤、代謝性医薬品、抗悪性腫瘍剤、抗生物質製剤及び化学療法剤等)、充填剤(カーボンブラック、ベンガラ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ナトリウム、酸化チタン、アクリル系樹脂粉末及び各種セラミック粉末等)、軟化剤(DBP、DOP、TCP、トリブトキシエチルホスフェート及びその他各種エステル類等)並びに安定剤(トリメチルジヒドロキノン、フェニル−β−ナフチルアミン、P−イソプロポキシジフェニルアミン及びジフェニル−P−フェニレンジアミン等)を配合することができる。これらを配合する場合、これらの配合量は、本発明の接着剤に対して好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは0.5〜5重量%である。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、微量の水分の存在、例えば空気中の水分により急速に重合を起こし、強靭な膜を形成する。従って本発明の医療用接着剤に配合する各成分は、無水のものを用いる必要がある。各構成成分を配合することにより接着剤を製造する際も空気を遮断しておくのが好ましい。得られた接着剤は、例えば空気を遮断したアンプル等の容器に充填しておくことにより、長期間保存しておくことができる。
本発明の医療用接着剤は、公知の方法により被接着体に塗布することができる。たとえば、外科用接着剤として使用する場合、手術に於いて、生体組織を本発明の医療用接着剤で接合する際の接合方法としては、切開部に直接本発明の接着剤を塗布する直接接着法;ダクロン、酸化セルロース、コラーゲン、キチン、ポリウレタン、ポリエステル又はPVA等の薄い布片や綿状物及び静脈、筋膜又は筋肉等の生体組織片を患部に当て、本発明の接着剤を塗布する被覆接着法;部分的に縫合糸をかけ残りの接合部にシールするように本発明の接着剤を塗布する縫合固定法等が挙げられる。塗布方法としては、例えば毛筆、ピンセット、特殊なヘラを用いる方法やフレオンないしは窒素ガスを使用したスプレーによる方法が挙げられる。また本発明の医療用接着剤は生体組織の接着ばかりでなく、柔軟性や生体組織との結合性を利用して動脈瘤等に対するコーティング剤、あるいは密栓物質、髄液漏等に対するシーリング剤として患部への塗布やカテーテル等を用いる注入等の方法で用いることができる。
本発明の医療用接着剤を生体に用いた場合、早いもので数週間以内、遅いもので数ヶ月以内に分解が進行する。
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を示す。
<実施例1>
反応容器にポリエーテルジオール(プロピレングリコールをスタート物質とするエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム共重合体、Mn:3,000、オキシエチレン含有量:80%)60部、ε−カプロラクトン20部、トリメチレンカーボネート20部及び0.33Mの2−エチルヘキサン酸錫トルエン溶液90μLを仕込み、窒素雰囲気下180℃で8時間反応させた。冷却後110℃、0.1mmHgの減圧下で未反応のモノマーを除去して、Mn4,980のポリオール(1)を得た。
反応容器にポリオール(1)100部を仕込み、90℃にて減圧下脱水した後、ビス(イソシアナトメチル)パーフルオロブタン(FHMDI、OCN−CH2(CF24CH2−NCO)12.5部(NCO/OH当量比=2.0)を加え、80℃で8時間反応させてNCO含有量1.5%のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(1)を得た。この(1)をそのまま医療用接着剤(X1)とした。
<実施例2>
反応容器にポリエーテルジオール(プロピレングリコールをスタート物質とするエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム共重合物、Mn:2,000、オキシエチレン含有量:60%)70部、ε−カプロラクトン20部、トリメチレンカーボネート10部及び0.33Mの2−エチルヘキサン酸錫トルエン溶液90μLを仕込み、窒素雰囲気下180℃で8時間反応させた。冷却後110℃、0.1mmHgの減圧下で未反応のモノマーを除去して、Mn5,780のポリオール(2)を得た。
反応容器にポリオール(2)100部を仕込み、90℃にて減圧下脱水した後、ビス(イソシアナトメチル)パーフルオロヘキサン(OCN−CH2(CF26CH2−NCO)61.1部(NCO/OH当量比=2.3)を加え、80℃で8時間反応させてNCO含有量2.4%のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(2)を得た。この(2)をそのまま医療用接着剤(X2)とした。
<実施例3>
反応容器にポリエーテルジオール(プロピレングリコールをスタート物質とするエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム共重合物、Mn:3,000、オキシエチレン含有量:80%)60部、ε−カプロラクトン20部、L−ラクチド20部及び0.33Mの2−エチルヘキサン酸錫トルエン溶液90μLを仕込み、窒素雰囲気下180℃で8時間反応させた。冷却後110℃、0.1mmHgの減圧下で未反応のモノマーを除去して、Mn4,980のポリオール(3)を得た。
反応容器にポリオール(3)100部を仕込み、90℃にて減圧下脱水した後、FHMDI12.5部(NCO/OH当量比=2.0)を加え、80℃で8時間反応させてNCO含有量1.5%のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(3)を得た。この(3)をそのまま医療用接着剤(X3)とした。
<実施例4>
反応容器にポリエーテルジオール(プロピレングリコールをスタート物質とするエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム共重合物、Mn:4,000、オキシエチレン含有量:90%)70部、ε−カプロラクトン10部、トリメチレンカーボネート10部、L−ラクチド10部及び0.33Mの2−エチルヘキサン酸錫トルエン溶液90μLを仕込み、窒素雰囲気下180℃で8時間反応させた。冷却後110℃、0.1mmHgの減圧下で未反応のモノマーを除去して、Mn5,720のポリオール(4)を得た。
反応容器にポリオール(4)100部を仕込み、90℃にて減圧下脱水した後、FHMDI12.6部(NCO/OH当量比=2.3)を加え、80℃で8時間反応させてNCO含有量1.7%のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(4)を得た。この(4)をそのまま医療用接着剤(X4)とした。
<実施例5>
反応容器にポリエーテルジオール(プロピレングリコールをスタート物質とするエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム共重合物、Mn:3,000、オキシエチレン含有量:80%)70部、ε−カプロラクトン10部、トリメチレンカーボネート10部、L−ラクチド10部及び0.33Mの2−エチルヘキサン酸錫トルエン溶液90μLを仕込み、窒素雰囲気下180℃で8時間反応させた。冷却後110℃、0.1mmHgの減圧下で未反応のモノマーを除去して、Mn3,870のポリオール(5)を得た。
反応容器にポリオール(5)100部を仕込み、90℃にて減圧下脱水した後、FHMDI13.1部(NCO/OH当量比=1.8)を加え、80℃で8時間反応させてNCO含有量1.4%のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(5)を得た。この(5)をそのまま医療用接着剤(X5)とした。
<比較例1>
反応容器にポリエーテルポリオール(プロピレングリコールをスタート物質とするエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム共重合体、Mn3,000、オキシエチレン含有量80%)90部及びエチレングリコールをスタート物質とするポリカプロラクトンジオール(Mn:520)10部を仕込み、90℃にて減圧下脱水した後、TDI17.1部(NCO/OH当量比=2.0)を加え、80℃で8時間反応させてNCO含有量3.5%のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(6)を得た。この(6)をそのまま比較用の医療用接着剤(R1)とした。
<比較例2>
反応容器にポリ乳酸(Mn:2,900)100部を仕込み、90℃にて減圧下脱水した後、TDI12.0部(NCO/OH当量比=2.0)を加え、80℃で8時間反応させてNCO含有量2.6%のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(7)を得た。この(7)をそのまま比較用の医療用接着剤(R2)とした。
<比較例3>
反応容器にポリエーテルポリオール(プロピレングリコールをスタート物質とするエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム共重合体、Mn2,000、オキシエチレン含有量80%)60部、トリメチレンカーボネート20部、L−ラクチド30部及び0.33Mの2−エチルヘキサン酸錫トルエン溶液90μLを仕込み、窒素雰囲気下180℃で8時間反応させた。冷却後110℃、0.1mmHgの減圧下で未反応のモノマーを除去して、Mn3,000のポリオール(6)を得た。
反応容器にポリオール(6)100部を仕込み、90℃にて減圧下脱水した後TDI8.7部(NCO/OH当量比=2.0)を加え、80℃で8時間反応させてNCO含有量1.9%のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(8)を得た。この(8)をそのまま比較用の医療用接着剤(R3)とした。
<in vivoにおける接着性試験>
雑種成犬(4頭使用)の肝臓実質を約2cmの長さにわたる想定切離線に従って鉗子をかけ、ついで鉗子の内側に沿って肝臓実質を切除した。この切断面全体に対して、本発明の医療用接着剤(X1)〜(X5)又は比較用の医療用接着剤(R1)〜(R3)を塗布し、その上からフッ素樹脂フィルムで押さえ15分後、フィルムをはがし、患部の観察を行った。
比較用の医療用接着剤(R1)〜(R3)は、粘度が高く一部ワックス状であったため作業性が悪く、また、生体組織との結合性が悪く塗布面から血液の漏洩がみられ止血性にも問題があった。また、接着後の樹脂が固く、生体の柔軟な動きに追従できないという問題も見られた。これに対して、本発明の医療用接着剤(X1)〜(X5)は、いずれも作業性が良好であり、組織とよく結合していることにより塗布面からの血液の漏洩が無く止血性が良好であった。また、接着後の樹脂は柔軟であり、生体組織の動きによく追従していた。
<in vivoにおける分解性試験>
本発明の医療用接着剤(X1)〜(X5)又は比較用の医療用接着剤(R1)〜(R3)をマウス(4頭使用)の肝臓表面に少量塗布した後、患部を塞いだ。6ヶ月後、これらのマウスの解剖を行い分解性について目視にて調べた。
本発明の医療用接着剤(X1)〜(X5)は、分解がかなりすすみ初期の形状を保っていなかった。比較用の医療用接着剤(R1)〜(R2)は、分解はほとんど見られず初期の形状のままであった。

Claims (2)

  1. ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との付加体であるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーからなる医療用接着剤において、ポリオール(A)が、オキシエチレン基(a)と化学式(1)で表される有機基(b)並びに化学式(2)で表される有機基(c)及び/又は化学式(3)で表される有機基(d)とを有してなることを特徴とする医療用接着剤。

  2. ポリオール(A)中のオキシエチレン基含量が、(A)の重量に基づいて20〜95重量%である請求項1に記載の医療用接着剤。
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