JP7269786B2 - 医療用接着剤 - Google Patents
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Description
また、従来のイソシアネート基末端親水性ウレタンプレポリマーは、高粘度であるため、湿気硬化する際に発生する炭酸ガスが気泡となって被膜中及び被膜界面に多数存在し、被膜強度の低下や接着不良を引き起こすことがしばしばあった。更には、粘度が高く展延性が低いため、血管吻合部のみに使用範囲が限定され、心臓、呼吸器及び消化器等の臓器への使用が困難であった。
本発明におけるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(UP)は、含フッ素非芳香族ポリイソシアネート化合物(A1)を必須成分とするポリイソシアネート成分(A)とポリオール成分(B)とを反応させることにより得られる。
含フッ素非芳香族ポリイソシアネート化合物(A1)としては、炭素数3~24の含フッ素脂肪族ジイソシアネート(A11)、炭素数8~21の含フッ素脂環式ジイソシアネート(A12)及び炭素数9~72の含フッ素ポリ(3~6価)イソシアネート(A13)等が使用できる。
OCN-Rf-NCOで表されるものとしては、ジフルオロメチレンジイソシアネート、パーフルオロジメチレンジイソシアネート、パーフルオロトリメチレンジイソシアネート、パーフルオロオクチルジイソシアネート及びパーフルオロエイコシレンジイソシアネート等が挙げられる。
また、含フッ素非芳香族ポリイソシアネート化合物(A1)は、1種でも、2種以上の混合物でもよい。
また、含フッ素非芳香族ポリイソシアネート化合物(A1)の内、架橋反応等の副反応が起こりにくい観点等から、イソシアネート基を2個持つものが好ましい。
また、安全性の観点から好ましいのは、フッ素原子を含まない脂肪族ポリイソシアネート(A21)であり、更に好ましいのはHDIである。
尚、フッ素原子を含まないポリイソシアネート化合物(A2)は、1種でも、2種以上の混合物でもよい。
尚、含フッ素芳香族ポリイソシアネート化合物(A3)は、1種でも、2種以上の混合物でもよい。
共付加体の場合、その付加形式はランダム、ブロック及びこれらの組合せのいずれでもよいが、接着強度の観点から、好ましいのはランダムである。
また、炭素数3~8のアルキレンオキサイドとしては、接着強度の観点から、1,2-プロピレンオキサイドが好ましい。
尚、活性水素を2個有する化合物を用いた場合には2価のポリオールが得られ、活性水素を3個以上有する化合物を用いた場合には3価以上のポリオールが得られる。
少なくとも2個の活性水素を有する化合物は、1種でも2種以上の混合物でもよい。
少なくとも2個の活性水素を有する化合物としては、生体への安全性及び接着強度の観点から、水及びジオールが好ましく、更に好ましいのは水及びアルキレングリコール、特に好ましいのは水及び炭素数2~4のアルキレングリコールである。
ポリエーテルポリオール(B1-1)は、1種でも2種以上の混合物でもよい。
尚、本発明における水酸基当量は、JIS K1557-1:2007に準拠して水酸基価を測定し、下記式により求めることができる。
水酸基当量=1,000×56.1/水酸基価の値
尚、ジカルボン酸、ジカルボン酸の酸無水物及び/又はジカルボン酸低級アルキルエステルの一部として、3価以上のポリカルボン酸、3価以上のポリカルボン酸の酸無水物及び3価以上のポリカルボン酸低級アルキルエーテル等も使用でき、これらを使用する場合、これらの使用量(モル%)は、全てのカルボン酸、カルボン酸の酸無水物及びカルボン酸低級アルキルエステルの合計モル数に基づいて、0.1~10が好ましく、更に好ましくは0.1~5、特に好ましくは0.1~2である。この範囲であると、接着強度等が更に良好となる。
これらの内、接着強度等の観点から、ジオールへのエチレンオキサイド付加体とジカルボン酸、ジカルボン酸の酸無水物及び/又はジカルボン酸低級アルキルエステルとのポリエステルジオール、並びにジオールへのエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの共付加体とジカルボン酸、ジカルボン酸の酸無水物及び/又はジカルボン酸低級アルキルエステルとのポリエステルジオールが好ましく、更に好ましいのはジオールへのエチレンオキサイド付加体とジカルボン酸、ジカルボン酸の酸無水物及び/又はジカルボン酸低級アルキルエステルとのポリエステルジオールである。
これらのポリエステルポリオール(B1-2)は、1種でも2種以上の混合物でもよい。
本発明における「HLB」とは、親水性と親油性のバランスを示す指標であって、例えば「界面活性剤入門」〔2007年三洋化成工業株式会社発行、藤本武彦著〕212頁に記載されている小田法によって、有機化合物の有機性の値と無機性の値との比率から計算することができる。
HLB=10×無機性/有機性
HLBを導き出すための有機性の値及び無機性の値については前記「界面活性剤入門」213頁に記載の表の値を用いて算出できる。
ポリオール(B1)は、1種でも2種以上の混合物でもよい。
これらの内、接着性等の観点から、ポリプロピレングリコール及びポリプロピレングリコールへのエチレンオキサイド付加体(エチレンオキサイドの含有量5重量%以上で30重量%未満のもの)が好ましく、更に好ましいのはポリプロピレングリコール及びポリプロピレングリコールへのエチレンオキサイド付加体(エチレンオキサイドの含有量15重量%以上で30重量%未満のもの)である。
これらのポリエーテルポリオール(B2-1)は、1種でも2種以上の混合物でもよい。
これらのポリエステルポリオール(B2-2)は、1種でも2種以上の混合物でもよい。
これらのポリエステルポリオール(B2-3)は、1種でも2種以上の混合物でもよい。
また、ポリオール成分(B)全体の平均の水酸基当量は、50~5000が好ましく、更に好ましくは100~4000、特に好ましくは200~3000である。この範囲であると、接着強度等が更に良好となる。
ポリオール成分(B)中の(B2)の含有量(重量%)は、接着性の観点から、(B)の重量に基づいて、1~80が好ましく、更に好ましくは5~70である。
ポリイソシアネート成分(A)とポリオール成分(B)との使用量比率としては、(B)の水酸基に対する(A)のイソシアネート基の当量比率(NCO基/水酸基)として、1.5~3が好ましく、更に好ましくは1.8~2.3、特に好ましくは1.9~2.1である。この範囲であると、粘度が比較的低く、接着剤として更に取り扱いやすくなり、また湿潤接着強度も更に良好となる。
前記のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(UP)は、分子内に、少なくとも2個(好ましくは2個)のイソシアネート基を持ち、活性水素を持たない構造であることが好ましい。
尚、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(UP)中のイソシアネート基の位置は、血液や体液等との反応性の観点等から、立体障害の少ない位置が好ましく、更に好ましいのは立体障害の少ない末端位置である。
尚、イソシアネート基含有率は、試料に過剰のジ-n-ブチルアミン溶液を加えて反応させ、未反応のジ-n-ブチルアミンを塩酸標準溶液で逆滴定する方法で測定することができ、例えばJISK7301-1995、6.3イソシアネート基含有率に準拠して測定される。
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(UP)中のオキシエチレン基の含有量(重量%)は、(UP)の重量を基準として、反応性の観点から、25~65が好ましく、更に好ましくは30~60である。
装置 : ゲルパーミエイションクロマトグラフ
溶媒 : テトラヒドロフラン
基準物質 : ポリオキシエチレングリコール
サンプル濃度 : 0.25重量%
カラム固定相 : TSKgelSuperH4000
カラム温度 : 40℃
尚、ウレタンプレポリマー(UP)のMnは、(UP)が有するイソシアネート基にメタノールを反応させたものの値である。
(C1)及び(C2)におけるアルキレン基の炭素数は、粘度及び接着性の観点から、1~8が好ましく、更に好ましくは1~6、特に好ましくは1~4である。
また、(C1)及び(C2)におけるアルキル基の炭素数は、粘度及び接着性の観点から、1~8が好ましく、更に好ましくは1~6、特に好ましくは1~4である。
R1-O-(AO)n-R2 (1)
一般式(1)におけるAは、炭素数1~4のアルキレン基を表し、粘度及び接着性の観点から好ましいのはエチレン基である。
一般式(1)においてAが複数有る場合、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、AOが複数有る場合、その結合形式はブロック形式でもランダム形式でもよい。
一般式(1)におけるnは、1~35の整数を表し、粘度の観点から1~10であることが好ましい。
尚、本発明における粘度は、E型粘度計[東機産業(株)製、型式TVE-22H]を用いて測定温度25℃で測定される粘度である。
本願において溶解度パラメーター(以下においてSP値と略記する)は、ロバートエフフェイダース(Robert F Fadors)らの著によるポリマーエンジニアリングアンドサイエンス(Polymerengineering and science)第14巻、151~154ページに記載されている方法で計算したものである。
尚、フェノール系ラジカル捕捉剤(PRS)と、(PRS)以外のラジカル捕捉剤とを併用していてもよい。
フェノール系ラジカル捕捉剤(PRS)は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(UP)に添加してもよいし、予め、ポリイソシアネート成分(A)及び/又はポリオール成分(B)に添加してからイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(UP)を得てもよい。
その他の成分としては、生理活性を有する薬物(中枢神経用薬、アレルギー用薬、循環器官用薬、呼吸器官用薬、消化器官用薬、ホルモン剤、代謝性医薬品、抗悪性腫瘍剤、抗生物質製剤及び化学療法剤等)、充填剤(カーボンブラック、ベンガラ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ナトリウム、酸化チタン、アクリル系樹脂粉末及び各種セラミック粉末等)及び可塑剤(DBP、DOP、TCP、トリブトキシエチルホスフェート及びその他各種エステル等)等が含まれる。その他の成分を含む場合、これらの含有量は用途等によって適宜決定される。
従って、本発明の接着剤は、手術等の医療行為において、血液等の体液と接触すると、その水分により急速に重合が進行し、接着強度が発現する。また、必要に応じて、例えば生理食塩水等を噴霧して水分を補給することにより、初期接着強度を高めることができる。
装置 : ゲルパーミエイションクロマトグラフ
溶媒 : テトラヒドロフラン
基準物質 : ポリオキシエチレングリコール
サンプル濃度 : 0.25重量%
カラム固定相 : TSKgelSuperH4000
カラム温度 : 40℃
オートクレーブにエチレングリコール15.5部及び水酸化カリウム3.8部を仕込み、窒素置換後(気相部の酸素濃度450ppm)120℃にて60分間減圧下(100kPa)で脱水した。次いで、100~130℃でエチレンオキサイド784.5部とプロピレンオキサイド200部との混合物を約10時間で圧入した後、130℃で3時間反応を続け、液状粗ポリエーテルを得た。この液状粗ポリエーテル1,000部をオートクレーブに仕込み、窒素置換(気相部の酸素濃度450ppm)を行い、イオン交換水30部を加えた後、合成ケイ酸マグネシウム(ナトリウム含有量0.2%)を10部加え、再度窒素置換した後、90℃にて45分間、撹拌速度300rpmで撹拌した。次いで、ガラスフィルター(GF-75:東洋濾紙製)を用い、窒素下でろ過を行い、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドランダム共付加体(B1-1)を得た。このエチレンオキサイド/プロピレンオキサイドランダム共付加体(B1-1)のMnは4,000、オキシエチレン基の含有量は80%であった。
オートクレーブにプロレングリコール141.8部及び水酸化カリウム3.8部を仕込み、窒素置換後(気相部の酸素濃度450ppm)120℃にて60分間真空脱水した。
次いで、100~130℃でエチレンオキサイド781部とプロピレンオキサイド193部との混合物を約10時間で圧入した後、揮発分0.1体積%以下になるまで130℃で反応を続け、液状粗ポリエーテルを得た。
この液状粗ポリエーテルを前記の製造例1と同様の方法で、合成ケイ酸マグネシウムを用いて処理し、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドランダム共付加体(B1-2)を得た。この(B1-2)の数平均分子量は600、オキシエチレン基の含有量は70重量%であった。
オートクレーブにプロピレングリコール362部及び水酸化カリウム3.8部を仕込み、窒素置換後(気相部の酸素濃度450ppm)120℃にて60分間減圧下(100kPa)で脱水した。次いで、100~130℃でプロピレンオキサイド632部を約10時間で圧入した後、揮発分が0.1%以下になるまで130℃で反応を続け、液状粗ポリエーテルを得た。この液状粗ポリエーテルを前記の製造例1と同様の方法で合成ケイ酸マグネシウムで処理し、プロピレンオキサイド付加体(B2-1)を得た。プロピレンオキサイド付加体(B2-1)のMnは210、オキシエチレン基の含有量は0%であった。
ポリオール成分(B)としての製造例1で得たエチレンオキサイド/プロピレンオキサイドランダム共付加体(B1-1)90部と製造例3で得たプロピレンオキサイド付加体(B2-1)10部の混合物を、窒素雰囲気下、100℃にて2時間減圧下脱水した後、50℃に冷却し、フェノール性水酸基含有ラジカル捕捉剤(PRS)としての0.5部のテトラキス-[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(イルガノックス1010、BASF社製)を添加し。30分間均一に撹拌した。更に40℃に冷却した後、ポリイソシアネート成分(A)として含フッ素非芳香族ポリイソシアネート(A1)であるビス(イソシアナトメチル)パーフルオロブタン{OCN-CH2-(CF2)4-CH2-NCO}45.6部(NCO基/水酸基比=2/1)を加え、均一に撹拌した後、80℃に昇温し、80℃で6時間反応させて、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(UP-1)を得た。この(UP-1)のイソシアネート基含有量は4.0%であった。尚、(B)中のオキシエチレン基の含有量は72%、(UP-1)中のオキシエチレン基含有量は49%である。
製造例4において、ポリオール成分(B)として、表1に記載の化合物を表1に記載の部数で使用し、ポリイソシアネート成分(A)として、表1に記載の化合物を表1に記載の部数で使用した以外は、製造例4と同様に実施して、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(UP-2)~(UP-4)及び比較用のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(UPR-1)を得た。
また、各ウレタンプレポリマーについて、(UP)の数平均分子量、(UP)中のイソシアネート基含有量(重量%)、(B)中のオキシエチレン基の含有量(重量%)、(UP)中のオキシエチレン基含有量(重量%)、(UP)中のフッ素原子含有量(重量%)を表1に記載した。
オートクレーブにジエチレングリコールモノメチルエーテル505部と水酸化カリウム0.2部を仕込み、窒素置換後(気相部の酸素濃度450ppm)、175~185℃でエチレンオキサイド495部を約5時間で圧入した後、180℃で1時間反応を続けた。次いで、酢酸90%水溶液を0.2部仕込み、90~100℃で中和を行い、液状粗ポリエチレングリコールモノメチルエーテルを得た。この液状粗ポリエチレングリコールモノメチルエーテル945部をオートクレーブに仕込み、窒素置換(気相部の酸素濃度200ppm)を行い、イオン交換水0.2部と水酸化ナトリウム48%水溶液0.005部と水素化ホウ素ナトリウム0.05部とを仕込んだ。次いで、水酸化ナトリウム181部を仕込んだ後、窒素置換(気相部の酸素濃度200ppm)し、30~65℃でメチルクロライド239部を約10時間で圧入した。その後、65℃で2時間反応を続けた。次いで、60~70℃で液中に窒素を100L/minの流量で吹き込みながら、脱メチルクロライドを行った。次いでイオン交換水30部を加えた後、合成ケイ酸マグネシウム(ナトリウム含有量0.2%)を10部加え、再度窒素置換した後、70~80℃にて45分間、撹拌速度300rpmで撹拌した。次いで、ガラスフィルター(GF-75:東洋濾紙製)を用い、窒素下でろ過を行い、希釈剤(C-1)を得た。この希釈剤(C-1)のMnは240であり、HLBは15.5であり、SP値は10.3であった。
オートクレーブにジエチレングリコールモノメチルエーテル95部と水酸化カリウム0.2部を仕込み、窒素置換後(気相部の酸素濃度450ppm)、175~185℃でエチレンオキサイド495部を約5時間で圧入した後、180℃で1時間反応を続けた。次いで、酢酸90%水溶液を0.2部仕込み、90~100℃で中和を行い、液状粗ポリエチレングリコールモノメチルエーテルを得た。この液状粗ポリエチレングリコールモノメチルエーテル945部をオートクレーブに仕込み、窒素置換(気相部の酸素濃度200ppm)を行い、イオン交換水0.2部と水酸化ナトリウム48%水溶液0.005部と水素化ホウ素ナトリウム0.05部とを仕込んだ。次いで、水酸化ナトリウム181部を仕込んだ後、窒素置換(気相部の酸素濃度200ppm)し、30~65℃でメチルクロライド239部を約10時間で圧入した。その後、65℃で2時間反応を続けた。次いで、60~70℃で液中に窒素を100L/minの流量で吹き込みながら、脱メチルクロライドを行った。次いでイオン交換水30部を加えた後、合成ケイ酸マグネシウム(ナトリウム含有量0.2%)を10部加え、再度窒素置換した後、70~80℃にて45分間、撹拌速度300rpmで撹拌した。次いで、ガラスフィルター(GF-75:東洋濾紙製)を用い、窒素下でろ過を行い、希釈剤(C-4)を得た。この希釈剤(C-4)のMnは730であり、HLBは16.9であり、SP値は9.7であった。
製造例8においてジエチレングリコールモノメチルエーテルの仕込量を100部に、エチレンオキサイドの仕込量を1575部に変更した以外は製造例8と同様にして、比較用の希釈剤(CR-1)を得た。この希釈剤(CR-1)のMnは2012であり、HLBは18.0であり、SP値は9.50であった。
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(UP)と、希釈剤(C-1)、希釈剤(C-2)[東京化成工業(株)製「ジエチレングリコ-ルジメチルエーテル」、Mn:134、HLB:12.5、SP値:8.10]、希釈剤(C-3)[東邦化学工業(株)製「ジエチレングリコールジブチルエーテル」、Mn:218、HLB:23.8、SP値:8.29]、希釈剤(C-4)、比較用の希釈剤(CR-1)又は比較用の希釈剤(CR-2)[信越化学工業(株)製「シリコーンオイル KF-96-5CS」、Mn:892、HLB:4.2、SP値:7.2]とを表2に記載した配合部数で配合して、実施例1~8及び比較例1~4の医療用接着剤を作製した。
作製した医療用接着剤について以下に記載の方法で、粘度、硬化時間及び接着性について測定又は評価した。結果を表1に示す。
なお、比較例4の医療用接着剤は、2相に分離しており、各種評価を実施することができなかった。
E型粘度計[東機産業(株)製、型式TVE-22H]を用いて25℃における粘度を測定した。
一般的に、粘度が20,000mPa・s以下であれば、小口径の医療用具に好適に使用できる。
25±5℃の環境下でポリエチレン製カップに医療用接着剤1.0gを量りとり、そこにイオン交換水1.0mLを投入し、投入した時刻を測定時間開始時刻とした。ガラス棒で医療用接着剤とイオン交換水が均一になるように手早く撹拌した。混合物からガラス棒を引き上げると混合物とガラス棒の間で混合物が糸をひく状態が続くが、硬化の進行により混合物が糸をひかずに切れるような状態になったと認められたら硬化完了と判定し、撹拌開始からこの時点までの時間を硬化時間とした。尚、硬化時間は秒単位で計測した。
ePTFEテープ(品名:PTFEガスケットテープ、番手:ピラーNo.3330、ジャパンゴアテックス株式会社製)(1cm×4cm)の端の部分1cm×1cmの広さに約0.02gの医療用接着剤をスパチュラを使用して塗布した。
医療用接着剤を塗布した上に別のePTFEテープの端の部分1cm×1cmを貼りあわせた。この試験片を十分に湿らせた布で覆い、ePTFEテープを貼り合わせた部分に100g/cm2の荷重がかかるように100gの重りをのせて5分間放置後、重りを外した。
次いで、25±5℃、湿度65±5%RHの環境下でJIS K6850-1999に準じて、試験片の引張りせん断応力を測定し、破断時の応力(N/mm2)を接着強度とし、接着性を評価した。
尚、引張り試験機は島津製作所製オートグラフAGS-500Dを使用し、引張り速度は300mm/minとした。また、つかみ具で固定する箇所は、ePTFEテープの接着させていない端1cmの部分と、もう一方のePTFEテープの接着させていない端1cmの部分とした。
上記接着性評価-1における「試験片を十分に湿らせた布で覆い、ePTFEテープを貼り合わせた部分に100g/cm2の荷重がかかるように100gの重りをのせて5分間放置」する操作を「試験片を十分に湿らせた布で覆い、ePTFEテープを貼り合わせた部分に100g/cm2の荷重がかかるように100gの重りをのせて水中で5分間放置」する操作に代える以外は接着性評価-1と同様にして、接着性を評価した。
コラーゲンの断片(商品名:(株)ニッピ製、長さ4cm、幅1cm、厚さ0.2cm)の端の部分1cm×1cmに別のコラーゲン断片(商品名:(株)ニッピ製、長さ4cm、幅1cm、厚さ0.2cm)の端の部分1cm×1cmを図1の通り重ね合わせ、以下の接着操作(1)を実施した。
[接着操作(1)]
次に、図1の通り、重ねたコラーゲン断片を覆うように約0.02gの医療用接着剤をスパチュラを使用して医療用接着剤を塗り広げた。シリコン製のシートで覆った後、この試験片を十分に湿らせた布で覆った。医療用接着材を塗布し、シリコン製シートで覆った部分に100g/cm2の荷重がかかるように100gの重りをのせて5分間放置後、重りを外し、試験片からシリコン製のシートのみを剥がした[ここまでの操作を接着操作(1)とする]。
次に、試験片を裏返し、裏面についても接着操作(1)と同様の操作を実施し、重ねたコラーゲン断片の表面及び裏面を覆うように医療用接着剤の被膜を作製した。
次いで、25±5℃、湿度65±5%RHの環境下でJIS K6850-1999に準じて、試験片の引張りせん断応力を測定し、破断時の応力(N/mm2)を接着強度とし、接着性を評価した。
尚、引張り試験機は島津製作所製オートグラフAGS-500Dを使用し、引張り速度は300mm/minとした。また、つかみ具で固定する箇所は、コラーゲン断片の接着させていない端1cmの部分と、もう一方のコラーゲン断片の端1cmの部分とした。
また、比較例2の医療用接着剤は小口径の医療用具に使用可能な粘度であるが、接着強度に劣ることが分かる。
また、比較例3の医療用接着剤は、接着硬度(特に、接着性評価-2及び接着性評価-3)が劣っており、硬化速度も遅い。
また、比較例4の医療用接着剤は、2相に分離しており、医療用接着剤として用いることができないものであった。
2.コラーゲン断片(下段)
3.医療用接着剤塗布部分
Claims (8)
- イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(UP)と希釈剤(C)とを含有する医療用接着剤であって、
前記イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(UP)が、含フッ素非芳香族ポリイソシアネート化合物(A1)を必須成分とするポリイソシアネート成分(A)と、オキシエチレン基を少なくとも30重量%有するポリオール(B1)を必須成分とするポリオール成分(B)との反応物であり、前記希釈剤(C)が、アルキレングリコールジアルキルエーテル(C1)及び/又はポリオキシアルキレンジオールジアルキルエーテル(C2)であり、前記希釈剤(C)のHLBが10~25であり、
前記希釈剤(C)の化学式量又は数平均分子量が76~1500である医療用接着剤。 - 前記イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(UP)のイソシアネート基含有率が、前記(UP)の重量に基づいて1~10重量%である請求項1に記載の医療用接着剤。
- 前記ポリオール(B1)が、ポリエーテルポリオールである請求項1又は2に記載の医療用接着剤。
- 前記希釈剤(C)が、下記一般式(1)で表される化合物(C3)である請求項1~3のいずれか1項に記載の医療用接着剤。
R1-O-(AO)n-R2 (1)
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数1~4のアルキル基を表し、Aは炭素数1~4のアルキレン基を表し、複数ある場合のAはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nは1~35の整数を表す。] - 前記一般式(1)におけるR1及びR2がメチル基であり、Aがエチレン基である請求項4に記載の医療用接着剤。
- 前記イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(UP)に対する希釈剤(C)の重量比率[(C)/(UP)]が5~150重量%である請求項1~5のいずれか1項に記載の医療用接着剤。
- 生体組織の接着に使用される請求項1~6のいずれか1項に記載の医療用接着剤。
- 前記生体組織が、血管、神経、心臓、呼吸器及び消化器からなる群から選ばれる少なくとも1種の組織である請求項7に記載の医療用接着剤。
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JP2018082874 | 2018-04-24 | ||
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