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JP2004155847A - 不飽和二重結合を含有する含フッ素共重合体及びこれを含む組成物 - Google Patents

不飽和二重結合を含有する含フッ素共重合体及びこれを含む組成物 Download PDF

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JP2004155847A
JP2004155847A JP2002320867A JP2002320867A JP2004155847A JP 2004155847 A JP2004155847 A JP 2004155847A JP 2002320867 A JP2002320867 A JP 2002320867A JP 2002320867 A JP2002320867 A JP 2002320867A JP 2004155847 A JP2004155847 A JP 2004155847A
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Japan
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fluorine
double bond
group
unsaturated double
integer
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Application number
JP2002320867A
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English (en)
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Sachiyo Kimura
幸代 木村
Nobuo Obayashi
信夫 大林
Mitsuhiro Katayama
光弘 片山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanto Denka Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Kanto Denka Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】塗膜としたときに低屈折率、高表面硬度を有し、且つ、防汚性、撥水撥油性、耐薬品性等に優れた特性を有する不飽和二重結合含有含フッ素共重合体を提供する。
【解決手段】重合単位として、(a)フルオロオレフィン、(b)特定の反応性シリコーン、(c)特定の水酸基含有不飽和エーテル及び(d)特定のフッ素含有(メタ)アクリル酸エステルとを含み構成される水酸基含有含フッ素共重合体[A]に、不飽和イソシアネート[B]を反応させることにより生成される不飽和二重結合含有含フッ素共重合体。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗膜化したときに、低屈折率、高表面硬度を有し、且つ、防汚性、撥水撥油性及び耐薬品性等に優れた特性を有し、1液で紫外線、電子線あるいは熱により硬化可能な、不飽和二重結合を有する含フッ素共重合体とこれを含む組成物とに関するものであり、この不飽和二重結合含有含フッ素共重合体、あるいは、この不飽和二重結合含有含フッ素共重合体に特定のモノマー及び/又はオリゴマーを加えてなる組成物とを、樹脂ワニスあるいは塗料等に使用することで前記塗膜特性を発揮することのできる当該不飽和二重結合含有含フッ素共重合体又は組成物の用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
溶剤可溶型のフッ素樹脂塗料は、フルオロオレフィンと一般的な有機溶剤への溶解性を得るために炭化水素単量体とを共重合して得られるが、炭化水素単量体を多く含有するためにフッ素含有量が低下し、含フッ素樹脂に求められる撥水撥油性、防汚性、低屈折率等の塗膜特性が充分に得られない。また、パーフルオロ基含有モノマー等を他の共重合可能な単量体と共重合することにより、高フッ素含有量が得られるが、フッ素原子が主鎖に含まれていないため、耐候性等が充分ではない。加えて、防汚染性も未だ充分とは言えない。
【0003】
一方、含フッ素共重合体に少量のシリコーンオイル等の有機珪素化合物を混合することにより、防汚性、撥水撥油性を向上させる検討が行われているが、長期において特性を維持することは難しかった。これを改良したものとして、特許文献1や特許文献2に開示されるような含フッ素共重合体があるが、これらのものは低屈折率又は塗布後の表面強度の点では、なお充分な効果を得られていなかった。
【0004】
また、特許文献3等では、低屈折率のフッ素樹脂組成物が提案されているが、油性マジック等の汚染物除去については簡便ではなく、エタノール等の有機溶剤を使用しなければならないという問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−288216号公報
【特許文献2】
特開2001−302732号公報
【特許文献3】
特開2001−151970号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のような問題点を解決する含フッ素共重合体及びこれを含む組成物を提供すること、つまり、塗膜としたときに低屈折率、高表面硬度を有し、且つ、防汚性、撥水撥油性、耐薬品性等に優れた特性を有する不飽和二重結合含有含フッ素共重合体及びこれを含む組成物を提供することである。また、本発明の不飽和二重結合含有含フッ素共重合体及びこれを含む組成物は、反射防止膜、光ファイバーの鞘材、ガラスフィルター用保護膜、太陽電池等の光学材料関係に、あるいは樹脂ワニス、塗料用材料並びに耐候性フィルム材料関係等の各用途に好適である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記のような問題点を解決すべく鋭意検討を行った結果、フルオロオレフィンと一般式(1)あるいは(2)で示される反応性シリコーンと一般式(3)で示される水酸基含有不飽和エーテル及び一般式(4)で示されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステルとを必須の構成成分とする水酸基含フッ素共重合体[A]と、不飽和イソシアネート[B]との反応によって生成される不飽和二重結合含有含フッ素共重合体が、塗膜特性として低屈折率、高表面硬度を有し、且つ、防汚性、撥水撥油性、耐薬品性、耐化学性等に優れることを見出した。
【0008】
−[Si(CH−O]−Si(CH−R (1)
(ここで、Rは炭素数1〜6のアルキル基あるいは−(CH−OOC(CH)C=CHあるいは−(CH−OOCHC=CHあるいは−CH=CHを示す。Rは−(CH−OOC(CH)C=CHあるいは−(CH−OOCHC=CHあるいは−CH=CHを示す。nは1〜420の整数、rは1〜6の整数を示す。)
−Si[OSi(CH (2)
CH=CH(CH−O−R−OH (3)
(ここで、Rは炭素数1〜6のアルキレン基あるいはシクロヘキシル基を示す。mは0〜10の整数を示す。)
CH=CR(COO)(CH−R (4)
(ここで、Rは水素原子あるいはメチル基、Rは炭素数1〜18のパーフルオロアルキル基あるいはハイドロフルオロアルキル基を示す。sは0または1、tは0〜6の整数を示す。)
具体的には、本発明は、重合単位として、フルオロオレフィンを15〜85モル%と、一般式(1)あるいは(2)で示される反応性シリコーンを0.001〜10モル%と、一般式(3)で示される水酸基含有不飽和エーテルを1〜25モル%及び一般式(4)で示されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステルを1〜45モル%とを必須の構成成分とし、必要に応じて所定の他の共重合性単量体との共重合により得られる水酸基含有含フッ素共重合体[A]と、不飽和イソシアネート[B]との反応により生成される不飽和二重結合含有含フッ素共重合体(I)により、低屈折率、高表面硬度を有し、且つ、防汚性、撥水撥油性及び耐薬品性等に優れる含フッ素共重合体塗膜を提供するものである。
【0009】
また、上記水酸基含有含フッ素共重合体は、上記(1)〜(4)の重合単位に加えて、アルキルビニルエーテル、アルキルアリルエーテル、メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルの内から選択される1種以上の重合単位を含み構成される水酸基含有含フッ素共重合体[A’]と、不飽和イソシアネート[B]との反応により生成されることを特徴とする不飽和二重結合含有含フッ素共重合体(I’)の構成をとることもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の水酸基含有含フッ素共重合体[A]において、フルオロオレフィンとしては、分子中に1つ以上のフッ素原子を有するオレフィンであって、例えばフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等が好適である。これらのフルオロオレフィンは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せてもよい。
【0011】
一般式(1)あるいは(2)で示される反応性シリコーンは、片末端がメタクリル変性されたポリジメチルシロキサン、両末端がビニル変性されたポリジメチルシロキサン、両末端がメタクリル変性されたポリジメチルシロキサン等が好適である。これらの反応性シリコーンは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せてもよい。これらの反応性シリコーンの数平均分子量は、200〜30,000が好ましい。
【0012】
反応性シリコーンとしては、特に次式(5)、(6)、(7)、(8)、(9)のシリコーンオイルが好ましい。
【0013】
CH=C(CH)−COO−C−Si(CH−[O−Si(CH−R (5)(ここで、Rはは−CH=CHあるいは炭素数1〜6のアルキル基を示す。pは1〜250の整数を示す。)
CH=CH−COO−C−Si(CH−[O−Si(CH−(CH−R(6)
(ここで、Rは−CH=CHあるいは炭素数1〜6のアルキル基を示す。xは0〜6の整数、oは1〜250の整数を示す。)
−C−Si(CH−[O−Si(CH−C−R (7)
(ここで、Rは−OOC(CH)C=CHあるいは−OOCHC=CHを示す。qは1〜250の整数を示す。)
CH=C(CH)−COO−C−Si[O−Si(CH (8)
CH=CH−Si(CH−[O−Si(CH−R (9)
(ここで、Rは炭素数1〜6のアルキル基あるいは−CH=CHを示す。yは1〜250の整数を示す。)
一般式(3)で示される水酸基含有不飽和エーテルの具体例としては、ヒドロキシメチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオール、グリセロール−α−モノアリルエーテル等が好適である。これらのヒドロキシル基含有不飽和エーテルは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せてもよい。
【0014】
また、一般式(4)で示されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、
CH=CHCOOCHCF
CH=CHCOOCH(CF
CH=CHCOOCH(CF
CH=CHCOOCHCH(CF
CH=CHCOOCHCH(CF
CH=CHCOOCHCH(CF
CH=CHCOOCHCH(CF10
CH=CHCOOCHCH(CF12
CH=CHCOOCH(CF
CH=CHCOOCH(CF
CH=CHCOOCH(CF
CH=C(CH)COOCHCF
CH=C(CH)COOCH(CF
CH=C(CH)COOCH(CF
CH=C(CH)COOCHCH(CF
CH=C(CH)COOCHCH(CF
CH=C(CH)COOCHCH(CF
CH=C(CH)COOCHCH(CF10
CH=C(CH)COOCHCH(CF12
CH=C(CH)COOCH(CF
CH=C(CH)COOCH(CF
CH=C(CH)COOCH(CF
CH=CH(CF
CH=CH(CF
CH=CH(CF10
CH=CH(CF12
等が挙げられる。特に、CH=CHCOOCHCF(2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート)、CH=C(CH)COOCHCF(2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート)、CH=CHCOOCH(CF(ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート)、CH=C(CH)COOCH(CF(ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート)、CH=CHCOOCHCH(CFF(2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート)、CH=C(CH)COOCHCH(CFF(2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート)が、低屈折率や高表面高度等の塗膜特性を向上させる上で好ましい。これらのフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル単量体は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せてもよい。
【0015】
アルキルビニルエーテルの具体例としては、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等が挙げられる。
【0016】
アルキルアリルエーテルの具体例としては、エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル、イソブチルアリルエーテル、n−プロピルアリルエーテル等が挙げられる。
【0017】
アクリル酸エステルの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル等が挙げられる。
【0018】
メタクリル酸エステルの具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
【0019】
本発明の水酸基含有含フッ素共重合体[A]は、優れた透明性、低屈折率、防汚性、撥水撥油性、耐薬品性に優れた塗膜を形成することができるが、さらに上記した単位に加えて、使用目的などに応じて20モル%を超えない範囲で他の共重合可能な単量体単位を含むこともできる。
【0020】
該共重合可能な単量体として、例えばエチレン、プロピレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロオレフィン類、酢酸ビニル、n−酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のアルカンカルボン酸とビニルアルコールとのエステル類、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられる。
【0021】
当該水酸基含有含フッ素共重合体[A]において、重合単位のフルオロオレフィンが15モル%より少ないときには、塗料ベースとして使用した場合に、充分な耐汚染性が得られず、好ましくない。また、85モル%より多い場合には、各種溶剤に対する溶解性が低下し、好ましくない。より好ましくは、30〜80モル%である。
【0022】
一般式(1)あるいは(2)で示される反応性シリコーンの割合が、0.001モル%より少ない場合には、長期における充分な撥水撥油性、防汚性が得られず好ましくない。また、10モル%より多い場合には充分な耐薬品性、耐候性が得られず好ましくない。またさらに、分子量が大きい(n=200〜420)ものを重合する場合は、製造上その割合を多く出来ない。これらの理由により、その割合は特に好ましくは0.005〜8モル%である。
【0023】
一般式(3)で示される水酸基含有不飽和エーテルが、1モル%より少ない場合には、二重結合量が低下し、充分な硬化が起こらず、硬化塗膜の耐薬品性、耐溶剤性が低下して好ましくない。また、25モル%より多い場合には、含フッ素共重合体中のフッ素含有量が減少し、十分な耐薬品性、耐候性が得られず好ましくない。
【0024】
一般式(4)で示されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステルが、1モル%より少ない場合には、長期における充分な撥水撥油性が得られず好ましくない。また、45モル%より多い場合には、充分な耐薬品性、耐候性が得られず好ましくない。
【0025】
当該水酸基含有含フッ素共重合体[A]は、所定割合の単量体混合物を重合開始剤を用いて共重合させることにより製造することができる。
【0026】
水酸基含有含フッ素共重合体[A]における重合開始剤としては、重合形式や所望に応じて用いられる溶媒の種類に応じて、油溶性のものあるいは水溶性のものが適宜用いられる。
【0027】
油溶性開始剤としては、例えばt−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート等のパーオキシエステル型過酸化物、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート等のジアルキルパーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等が用いられる。
【0028】
水溶性開始剤としては、例えば過硫酸カリウム等の過硫酸塩、過酸化水素、あるいはこれらと亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤との組み合わせからなる、レドックス開始剤、さらには、これらに少量の鉄、第一鉄塩、硝酸銀等を共存させた無機系開始剤やコハク酸パーオキサイド、ジグルタル酸パーオキサイド、モノコハク酸パーオキサイド等の二塩基酸塩の有機系開始剤等が用いられる。
【0029】
これらの重合開始剤の使用量は、その種類、共重合反応条件等に応じて適宜選ばれるが、通常使用する単量体全量に対して、0.005〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%の範囲で選ばれる。
【0030】
水酸基含有含フッ素共重合体[A]における重合方法については特に制限はなく、例えば塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法等を用いることが出来るが、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、キシレン等の芳香族炭化水素類やその混合物、t−ブタノール等のアルコール類、フッ素原子を1個以上有するハロゲン化飽和炭化水素類等を溶媒とする溶液重合法や水性溶媒中での乳化重合法を使用した重合法が好ましい。本発明の水酸基含有含フッ素共重合体[A]を溶液重合法により得るための特に好ましい溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、芳香族炭化水素及びその混合物が挙げられる。
【0031】
水性溶媒中で共重合させる場合(乳化重合法、懸濁重合法)には、通常分散安定剤として懸濁剤や乳化剤を用い、かつ、塩基性緩衝剤を添加して、重合反応中の反応液のpH値を4以上、好ましくは6〜8に調整することが望ましい。
【0032】
該それぞれの共重合反応における反応温度は、通常−30℃〜150℃での範囲内で重合開始剤や重合媒体の種類に応じて適宜選ぶことができる。例えば、溶媒中で共重合を行う場合には、通常0℃〜100℃、好ましくは10℃〜90℃の範囲で選ばれる。また、反応圧力については特に制限はないが、通常0.1〜10MPa、好ましくは0.1〜5MPaの範囲で選ばれる。さらに、該共重合反応は、適当な連鎖移動剤を添加して行うことができる。
【0033】
水酸基含有含フッ素共重合体[A]と不飽和イソシアネート[B]との反応は、特に限定されるものではないが、水酸基含有含フッ素共重合体を溶媒に溶解した溶液に、不飽和イソシアネートを滴下しながら加え、攪拌下で行うことが好ましい。
【0034】
水酸基含有含フッ素共重合体[A]と不飽和イソシアネート[B]との反応割合は、イソシアネート基/水酸基の比で、0.1〜1.0の範囲で選ばれる。
【0035】
イソシアネート基/水酸基の比が0.1より少ない場合には、二重結合量が低下して充分な硬化が起こらず、硬化塗膜の耐薬品性、耐溶剤性が充分に発揮されず好ましくない。また、1より多い場合には、未反応の不飽和イソシアネートが残存し、塗膜特性を低下させる恐れがあり好ましくない。
【0036】
不飽和イソシアネートの具体例としては、2−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレート、4−イソシアネートブチルメタクリレート、4−イソシアネートブチルアクリレート、不飽和モノアルコール1モルとジイソシアネート化合物1モルとの反応生成物、不飽和モノアルコール2モルとトリイソシアネート化合物1モルとの反応生成物等が挙げられる。不飽和モノアルコールの具体例としては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、アリルアルコール等が挙げられる。
【0037】
ジイソシアネート化合物の具体例としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。トリイソシアネート化合物の具体例としては、イソシアヌレート結合HDI、イソシアヌレート結合IPDI、TMP変性HDI、TMP変性IPDI等が挙げられる。
【0038】
この時の反応温度としては、10〜130℃、好ましくは25〜85℃の範囲で選ばれる。10℃より低い場合には反応が充分に進行せず、130℃より高い場合には反応時にゲル化が生じ易くなるので好ましくない。
【0039】
反応に使用する溶媒は、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、キシレン等の芳香族炭化水素類および芳香族炭化水素の混合物等が好ましい。不飽和イソシアネートを使用しているために、水やアルコール類のような水酸基を有する溶媒を使用すると、水酸基含有含フッ素共重合体[A]と不飽和イソシアネート[B]との反応が進行しないため、これらの水酸基を有する溶媒は好ましくない。
【0040】
反応触媒としてジブチル錫ジラウレート等の有機錫化合物を使用することが好ましい。
【0041】
本発明の不飽和二重結合を含有する含フッ素共重合体又はこれを含む組成物は、紫外線又は電子線照射により硬化可能であるため短時間で硬化を完了させることが出来る。従って、あまり熱をかけられないプラスチック等の基材へのコーティングには非常に有用である。また、水酸基含有含フッ素共重合体を常温硬化させようとする場合には、使用時に硬化剤を混合しなければならず、作業上簡便ではない。それに比べ、本発明の不飽和二重結合含有含フッ素共重合体又はこれを含む組成物は1液であり、硬化剤を混合することなく使用できるため作業上簡便で非常に有用である。
【0042】
また、電子線照射により硬化する場合には、重合開始剤を必要とせず、硬化塗膜中の残存重合開始剤の悪影響を受けない。また、顔料等が混合されている場合にも硬化可能である。用途によって、紫外線硬化と電子線硬化を選択することが好ましい。
【0043】
不飽和二重結合含有含フッ素共重合体組成物は、(イ)不飽和二重結合含有含フッ素共重合体の100重量部に対して、(ロ)3官能以上、特には3〜6官能の(メタ)アクリレートモノマー、及び/又は、(ハ)芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマーの群より選択される1種以上のモノマー及び/又はオリゴマーの成分を5〜70重量部、好ましくは15〜55重量部、さらに好ましくは25〜50重量部の割合で組み合わせることにより用いられる。(ロ)と(ハ)の割合は、(ロ)0〜70重量部に対し、(ハ)70〜0重量部で組み合わせることができる。
【0044】
また、上記の組み合わせる3官能(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート等が挙げられる。
【0045】
また、4官能以上の(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
【0046】
またさらに、EBECRYL1290K(ダイセル・ユーシービー製)等の芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー及び脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、EBECRYL80、EBECRYL800、EBECRYL810(これら3品種はダイセル・ユーシービー製)、アロニックスM−7100(東亜合成製)等のポリエステルアクリレートオリゴマーと組み合せても良好な塗膜が得られる。
【0047】
また、これらの3〜6官能(メタ)アクリレートモノマー、芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー及び脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマーは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せてもよい。しかしながら、これらを選択するときは、取り扱い上、皮膚刺激性(P.I.I値)が低い化合物が好ましい。
【0048】
単官能又は2官能以下の(メタ)アクリレートモノマーを用いることもできるが、その場合、反応性は高いが、得られる硬化塗膜が脆くなり、ハードコート性能が得られず好ましくない。
【0049】
紫外線照射の場合に使用する光重合開始剤としては、ベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、1−ヒドロキシル−シクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2ジメチルアミノ−1−(4−モルフェリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等が用いられる。
【0050】
紫外線硬化、電子線硬化は、従来公知の方法により行うことができる。たとえば、紫外線硬化の場合で、高圧水銀ランプを使用するときは、100〜1000mJ/cmの条件等で硬化可能である。また、電子線硬化の場合は、110kVで30kGy又は200kVで30kGyの条件等で硬化可能である。
【0051】
熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート等が用いられる。
【0052】
なお、本発明の不飽和二重結合含有含フッ素共重合体およびこれを含む組成物を主成分とする硬化性フッ素樹脂塗料を製造する場合には、種々の溶媒が使用可能であり、例えば、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類あるいは芳香族炭化水素の混合物、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、エチルセロソルブ等のグリコールエーテル類、t−ブタノール等のアルコール類、市販の各種シンナー類等が挙げられるが、これらの内、酢酸エチル、酢酸ブチル、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、芳香族炭化水素混合物が特に好ましい。
【0053】
また、必要に応じてKAYARAD EAM−2300(日本化薬製)等のエポキシアクリレートオリゴマー類、非反応性オリゴマー、非反応性モノマー、2官能以下の(メタ)アクリレートモノマー、重合禁止剤、艶消し剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、分散安定剤、顔料、沈降防止剤等を本発明の目的を損なわない範囲で添加することが可能である。
【0054】
本発明の二重結合を含有する含フッ素共重合体又はこれを含む組成物と、所定の溶媒、並びに光硬化性モノマー、光硬化性オリゴマー若しくはその他の添加剤等とを混合するには、ボールミル、ペイントシェーカー、サンドミル、ロールミル、ニーダー等の、通常の塗料化に用いられている種々の機器を使用して行うことが出来る。
【0055】
以上のようにして、基材上に形成した二重結合含有含フッ素共重合体又はこれを含む組成物の塗膜は、1.49以下の低屈折率及び2H(鉛筆硬度)以上の高表面硬度を有し、且つ、防汚性、撥水撥油性、耐薬品性等に優れるので、樹脂ワニス、塗料用材料あるいは耐候性フィルム材料、並びに、反射防止膜、光ファイバーの鞘材、ガラスフィルター用保護膜あるいは太陽電池等の光学材料その他の用途に使用することができる。特に、前記光学材料用として、最近要求されている屈折率が1.39〜1.49の範囲の塗膜を形成させるという特性に合致するものであり、また、塗料用材料としては、表面硬度が鉛筆硬度で2H以上、特に3H〜5Hという高表面硬度を達成するものである。
【0056】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
内容積1Lのステンレス製攪拌機付きオートクレーブ(耐圧10MPa)に、脱気したのち、フッ化ビニリデン(以下VDFと略す)40g、テトラフルオロエチレン(以下TFEと略す)100g、下記構造式で示される反応性シリコーンオイルA(数平均分子量約3,500)17.5g、ヒドロキシブチルビニルエーテル(以下HBVEと略す)43.5g、ヘキサフロオロイソプロピルメタクリレート(以下HFIPMAと略す)88.5g、エチルビニルエーテル(以下EVEと略す)8.6g、酢酸ブチル400g、およびt−ブチルパーオキシピバレート1.4gを入れ、攪拌しながら内温を60℃に昇温した。
【0057】
CH=C(CH)−COO−C−Si(CH−[O−Si(CH44−OSi(CH
その後、攪拌しながら反応を続け、20時間後攪拌を停止し、反応を終了した。得られた共重合体を減圧乾燥により単離した。重合体収量は280g、重合体収率は94%であった。得られた水酸基含有含フッ素共重合体(以下[A−1]とする)の無水酢酸によるアセチル化法によって測定した水酸基価は75mgKOH/g樹脂であった。
【0058】
次に、暗所中で撹拌機、還流コンデンサー、滴下漏斗、塩化カルシウム塔をつけた1L丸底三つ口フラスコに、得られた[A−1]の30%酢酸ブチル溶液500gおよびハイドロキノンモノメチルエーテル0.02g、ジブチル錫ジラウレート0.05gを入れた。温度を40℃に保ち撹拌しながら、滴下漏斗にて2−イソシアネートエチルメタクリレート(以下[B−1]とする)31.1g、酢酸ブチル10.4gを入れた混合溶液を少しずつ滴下した。滴下終了後、2時間攪拌を続け、不飽和二重結合含有含フッ素共重合体(I−1)を得た。
【0059】
上記反応溶液の赤外吸収スペクトルを測定した。その結果、2,260cm−1のイソシアネート基の吸収が完全に消失したことを確認した。これにより、[A−1]の水酸基と[B−1]のイソシアネート基の反応が進行したことが確認された。得られた不飽和二重結合含有含フッ素共重合体(I−1)のGPCで測定した数平均分子量は2.7×10であった。
【0060】
次に、(I)成分として上記(I−1)30%酢酸ブチル溶液100g、(II)成分として脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー(EBECRYL1290K:ダイセル・ユーシービー製(以下、「EB1290K」と略記))9g、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノプロパノン−1(チバガイギー(株)製)2gを加え、PET基材上に#10バーコーターにより塗布し、80℃で1分間乾燥した後、空気中で300mJ/cmの紫外線を照射し、試験用硬化塗膜を得た。この硬化塗膜の塗膜特性を次の方法で調べた。結果を表4に示す。
<硬化性>
塗膜表面を、キシレンを含浸させた布で50往復した後の塗膜表面を評価する。
◎:異状なし
○:ほとんど変化なし
△:やや侵される
×:侵される
<屈折率>
アッベ屈折計 1T型(アタゴ製)にて25℃における屈折率を測定した。
<鉛筆硬度>
鉛筆硬度試験機(東洋精機製)にてキズが付いたところ。
<撥水性>
接触角計(協和界面科学製)にて水の接触角(単位:度)で評価した。
<油性マジックはじき性>
油性マジック(黒・赤・マジックインキ 商品名)により塗膜表面を塗りつぶし、はじき性を評価する。さらにこの塗膜を室温で1時間放置後、乾拭きにより除去する。これを20回繰り返した後の、塗膜表面のはじき性を評価する。
◎:良くはじく
○:はじく
△:ややはじく
×:全くはじかない
<耐酸性・耐アルカリ性>
10%HCl溶液、10%NaOH溶液による24時間スポットテスト後の塗膜外観を目視観察する。
◎:異状なし
○:ほとんど変化なし
△:やや侵される
×:侵される
実施例2〜17
表1〜表2に示す単量体を用いて前記実施例の操作に準拠して共重合体(I−2)〜(I−11)を製造、また表4〜表6に示す(II)成分を混合し、この硬化塗膜の塗膜特性を同様に調べた。結果を表4〜表6に示す。
実施例18〜19
表6に示す組成に開始剤を加えずに、PET基材上に#10バーコーターにより塗布し、80℃で1分間乾燥した後、岩崎電気製電子線照射装置EC250/15/180Lにて加速電圧200kV、線量30kGyの条件にて電子線を照射し、試験用硬化塗膜を得た。結果を表6に示す。
比較例1
内容積1Lのステンレス製撹拌機付きオートクレーブ(耐圧10MPa)に、脱気したのち、VDF48g、TFE75g、反応性シリコーンオイルA17.5g、HBVE43.5g、EVE8.6g、BVE50g、酢酸ブチル320g、メチルエチルケトン(以下MEKと略す)80g、およびt−ブチルパーオキシピバレート1.2gを入れ、撹拌しながら内温を60℃に昇温した。その後、撹拌しながら反応を続け、20時間後攪拌を停止し、反応を終了した。得られた共重合体を減圧乾燥により単離した。重合体収量は223g、重合体収率は92%であった。得られた水酸基含有含フッ素共重合体(以下[A−12]とする)の水酸基価は94mgKOH/g樹脂であった。
【0061】
次に暗所中で撹拌機、還流コンデンサー、滴下漏斗、塩化カルシウム塔をつけた1L丸底三つ口フラスコに、[A−12]の30%酢酸ブチル溶液500gおよびハイドロキノンモノメチルエーテル0.02g、ジブチル錫ジラウレート0.05gを入れた。温度を40℃に保ち撹拌しながら、滴下漏斗に[B−1]39.0g、酢酸ブチル13.0gを入れた混合溶液を少しずつ滴下した。滴下終了後、2時間攪拌を続け、不飽和二重結合含有含フッ素共重合体(I−12)を得た。
【0062】
得られた不飽和二重結合含有含フッ素共重合体(I−12)のGPCで測定した数平均分子量は3.2×10であった。
【0063】
次に、(I)成分として上記(I−12)30%酢酸ブチル溶液100g、(II)成分としてトリプロピレングリコールジアクリレートモノマー15g、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノプロパノン−1(チバガイギー(株)製)2gを加え、PET基材上に#10バーコーターにより塗布し、80℃で1分間乾燥した後、空気中で300mJ/cmの紫外線を照射し、試験用硬化塗膜を得た。この硬化塗膜の塗膜特性を実施例1と同様に調べた。結果を表7に示す。
比較例2
実施例1で使用した不飽和二重結合含有含フッ素共重合体(I−1)を使用し、EB1290Kの代わりに、トリプロピレングリコールジアクリレートモノマーを用い硬化塗膜を得た。結果を表7に示す。
比較例3
実施例13で使用した不飽和二重結合含有含フッ素共重合体(I−9)を使用し、EB1290Kの代わりに、フェノキシポリエチレングリコールアクリレートモノマーを用い硬化塗膜を得た。結果を表7に示す。
比較例4〜5
表3に示す単量体を用いて比較例1の操作に準拠して共重合体(I−13)〜(I−14)を製造、また表7に示す(II)成分を混合し、これらの硬化塗膜特性を同様に調べた。結果を表7に示す。
【0064】
【表1】
Figure 2004155847
【0065】
【表2】
Figure 2004155847
【0066】
【表3】
Figure 2004155847
【0067】
【表4】
Figure 2004155847
【0068】
【表5】
Figure 2004155847
【0069】
【表6】
Figure 2004155847
【0070】
【表7】
Figure 2004155847
【0071】
表中、
・TFEMA:2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート
・BVE:ブチルビニルエーテル
・MMA:メチルメタクリレート
・HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート
・ソルベッソ(登録商標):芳香族炭化水素混合物(エクソン化学製)
・EB80:EBECRYL80(ダイセル・ユーシービー製、ポリエステルアクリレートオリゴマー)
・反応性シリコーンオイルA:
CH=C(CH)−COO−C−Si(CH−[O−Si(CH44−OSi(CH
数平均分子量:約3500
・反応性シリコーンオイルB:
CH=C(CH)−COO−C−Si−[O−Si(CH
数平均分子量:約420
・反応性シリコーンオイルC:
CH=C(CH)−COO−C−Si(CH−[O−Si(CH64−OSi(CH
数平均分子量:約5000
・反応性シリコーンオイルD:
CH=CH−Si(CH−[O−Si(CH60−OSi(CH−(CHCH
数平均分子量:約4660
・反応性シリコーンオイルE:
CH=CH−Si(CH−[O−Si(CH60−OSi(CH−CH=CH
数平均分子量:約4630

Claims (8)

  1. 重合単位として、(a)フルオロオレフィン、(b)下記一般式(1)若しくは(2)で示される反応性シリコーン、(c)下記一般式(3)で示される水酸基含有不飽和エーテル及び(d)下記一般式(4)で示されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステルとを含み構成される水酸基含有含フッ素共重合体[A]に、不飽和イソシアネート[B]を反応させることにより生成される不飽和二重結合を含有する含フッ素共重合体。
    −[Si(CH−O]−Si(CH−R (1)
    (ここで、Rは炭素数1〜6のアルキル基あるいは−(CH−OOC(CH)C=CHあるいは−(CH−OOCHC=CHあるいは−CH=CHを示す。Rは−(CH−OOC(CH)C=CHあるいは−(CH−OOCHC=CHあるいは−CH=CHを示す。nは1〜420の整数、rは1〜6の整数を示す。)
    −Si[OSi(CH (2)
    CH=CH(CH−O−R−OH (3)
    (ここで、Rは炭素数1〜6のアルキレン基あるいはシクロヘキシル基を示す。mは0〜10の整数を示す。)
    CH=CR(COO)(CH−R (4)
    (ここで、Rは水素原子あるいはメチル基、Rは炭素数1〜18のパーフルオロアルキル基あるいはハイドロフルオロアルキル基を示す。sは0または1、tは0〜6の整数を示す。)
  2. 水酸基含有含フッ素共重合体[A]が、さらに、アルキルビニルエーテル、アルキルアリルエーテル、メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルの内から選択される1種以上の重合単位を残部として含み構成されることを特徴とする、請求項1記載の不飽和二重結合を含有する含フッ素共重合体。
  3. (b)反応性シリコーンが、次式(5)、(6)、(7)、(8)、(9)で示される片末端型あるいは両末端型変性シリコーンオイルであることを特徴とする、請求項1又は2記載の不飽和二重結合を含有する含フッ素共重合体。
    CH=C(CH)−COO−C−Si(CH−[O−Si(CH−R (5)
    (ここで、Rはは−CH=CHあるいは炭素数1〜6のアルキル基を示す。pは1〜250の整数を示す。)
    CH=CH−COO−C−Si(CH−[O−Si(CH−(CH−R(6)
    (ここで、Rは−CH=CHあるいは炭素数1〜6のアルキル基を示す。xは0〜6の整数、oは1〜250の整数を示す。)
    −C−Si(CH−[O−Si(CH−C−R (7)
    (ここで、Rは−OOC(CH)C=CHあるいは−OOCHC=CHを示す。qは1〜250の整数を示す。)
    CH=C(CH)−COO−C−Si[O−Si(CH (8)
    CH=CH−Si(CH−[O−Si(CH−R (9)
    (ここで、Rは炭素数1〜6のアルキル基あるいは−CH=CHを示す。yは1〜250の整数を示す。)
  4. 水酸基含有含フッ素共重合体[A]の構成成分として、(a)が15〜85モル%、(b)が0.001〜10モル%、(c)が1〜25モル%及び(d)が1〜45モル%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の不飽和二重結合を含有する含フッ素共重合体。
  5. 水酸基含有含フッ素共重合体[A]と不飽和イソシアネート[B]とを、イソシアネート基/水酸基の比で0.1〜1.0にて反応させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の不飽和二重結合を含有する含フッ素共重合体の製造方法。
  6. (イ)請求項1〜4のいずれか1項に記載の不飽和二重結合を含有する含フッ素共重合体に対し、(ロ)3〜6官能の(メタ)アクリレートモノマー、(ハ)芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー及びポリエステルアクリレートオリゴマーの群より選択される1種以上のモノマー及び/又はオリゴマー、とを配合し構成されることを特徴とする組成物。
  7. =1.39〜1.49の屈折率を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の不飽和二重結合を含有する含フッ素共重合体又は請求項6記載の組成物。
  8. 樹脂ワニス又は塗料として用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の不飽和二重結合を含有する含フッ素共重合体又は請求項6記載の組成物。
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