JP2003502394A

JP2003502394A - ゲランと特定の界面活性剤を含む固形ｏ／ｗエマルションおよびその使用

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Publication number: JP2003502394A
Application number: JP2001504496A
Authority: JP
Inventors: パトリシア・ルマン
Original assignee: LOreal SA
Current assignee: LOreal SA
Priority date: 1999-06-18
Filing date: 2000-06-09
Publication date: 2003-01-21
Also published as: BR0006827A; MXPA01001684A; EP1112119A1; WO2000078442A1; FR2794997B1; CA2340069A1; AU5541800A; FR2794997A1; KR20010072739A

Abstract

(57)【要約】本発明は、i）ゲランでゲル化された水相、ii）少なくとも一つの油を含む脂肪相、およびiii）７以上のＨＬＢを有する界面活性系を含む固形水中油型エマルションに関する。この組成物は、スティックまたはコンパクト（ウォーターパクト）の形態で用いられ、皮膚および／または粘膜および／またはケラチン繊維のメイクアップ方法を構成する。適用時に張りの感覚または乾燥時に乾燥の影響を生じない。これはまた、製品の良好な分解とスティックの良好な付着の両方を可能にする堅さを有する。この組成物は、皮膚に直接またはスポンジを用いて適用でき、適用時に優れた爽やかな感覚を与える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明は、固形Ｏ／Ｗエマルション、特に皮膚および／または粘膜および／ま
たはケラチン繊維をメイクアップするための、化粧品におけるその使用に関する
。

【０００２】

【従来の技術】

化粧品産業において、固形形態の製品が知られている。例えばメイクアップ分
野において挙げることのできるこの種の製品は、リップスティック、ファンデー
ションまたはアイシャドウのチューブまたは“スティック”を含み；スキンケア
またはリップケアの分野では、リップリペアペンシルおよび脱色、メイクアップ
除去または保湿チューブまたは“スティック”を含み；衛生の分野では、脱臭ス
ティックおよび皮膚をシェービングまたは洗浄するためのフォームスティックま
たはバーを含む。

【０００３】実際に、かかる製品は、使用の際に非常に実用的であり、持ち運びが容易で、
製品が流れる危険性がないことから、スティック形態で利用可能な製品は特に有
利である。

【０００４】さらに、メイクアップ製品は、一方では、快適性と柔軟性という理由から脂肪
性の相、および他方で、所望の色を与える粉体相に基づいて、一般に製剤化され
る。この粉体相は、顔料および／またはフィラーおよび／または真珠層を含むこ
とができる。脂肪相は、一般に、構造をスティックに与える、ワックスおよび／
またはペースト化合物を含む。

【０００５】しかしながら、ワックスベースで製剤化されたスティックは、使用者が興味を
持たない脂っぽい性質を有し、適用時に爽やかさ(freshness)を欠くという欠点
を有する。さらに、親水性活性剤をそこに導入することは困難である。

【０００６】それゆえ、できるだけ高い濃度で水相を含むメイクアップスティックを調製す
ることが求められている。しかしながら、大量の水相を含むスティックは、時に
、安定性および粘着力の欠如という問題を有する。特に、これらのゲルは、親水
性ゲル化剤と水との組合せから調製され、もろいという欠点を備え、使用時に容
易にブレークする。

【０００７】ゲルの固形性を改善するための一つの手段は親水性ゲル化剤の濃度を増すこと
であるが、後にゲルが分解困難になる。すなわち、製品の取り込み時にリフトさ
れる物質の量が不十分である。

【０００８】さらに、脂肪相を含んでいない水性スティックは、適用時に、皮膚の乾燥およ
び張りの感覚をもたらし、これらの感覚は、使用者にとって所望でないものと考
えられる。

【０００９】かくして、よく分解し、快適であって、張りまたは乾燥の影響なく、適用時に
爽やかな感覚を与える、皮膚への直接的適用またはスポンジの使用によって用い
られる固形組成物が必要とされている。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】

出願人は、予期せぬことに、油と特定の界面活性系を、特定の親水性ゲル化剤
、すなわちゲラン(gellan)と組み合わせることにより、容易に分解され、張りま
たは乾燥の影響を伴わない爽やかな感覚を付与する固形エマルションを調製する
ことが可能であることを見出した。

【００１１】

【課題を解決するための手段および発明の実施の形態】

本発明は、i）ゲランでゲル化された水相、ii）少なくとも一つの油を含む脂
肪相、およびiii）７以上のＨＬＢを有する界面活性系を含む固形水中油型（Ｏ
／Ｗ）エマルションに関する。

【００１２】本発明に係るエマルションは、特に快適である：容易に適用でき、爽やかさと
柔軟性の感覚を与える。これらは、適用後に皮膚に張りまたは乾燥という感覚を
引き起こさない。これらは優れた化粧特性を有する。

【００１３】本発明のエマルションは、優れた適用および分解特性を有する。特に、本発明
に係る組合せの利点により、同じ堅さでも、得られた分解レベルは、既知のステ
ィックの分解レベルよりも優れている。この産物は、取り込みやすく、身体に対
して直接的に、あるいは、十分な量の製品をとることによって指またはスポンジ
を用いて行うことができ、予め保湿される必要なしに、容易に皮膚に均質に適用
される。得られたメイクアップ効果は、一様かつ均一である。

【００１４】これらのエマルションはさらに、優れた付着力を有する。これらは、経時的に
安定であり、熱安定性である。かくして、周囲温度または４５℃で２ヶ月間貯蔵
した後に、シネレシス（浸出）または相分離の現象を示さなかった。すなわち、
外観および堅さは変わらなかった。

【００１５】本発明に係るエマルションは、ゲル化剤の含量が低くても滲み出ることなく、
特別な調製技術の強制的介入を必要としない。

【００１６】本発明の主題は、上記エマルションを含む皮膚またはケラチン繊維をメイクア
ップするための製品でもある。

【００１７】本発明の主題は、皮膚および／または粘膜および／またはケラチン繊維をメイ
クアップするための方法であり、これらに、上記固形エマルションおよび／また
は固形メイクアップ製品を適用することからなる。

【００１８】本発明の目的では、表現“固形組成物”は、周囲温度（２０−２５℃）におい
て、直径２ｍｍのステンレス鋼スピンドルを組成物のマトリックスに１ｍｍ／ｓ
の速さで１ｍｍの深さまで侵入させ、組成物のマトリックスから前記スピンドル
を２ｍｍ／ｓの速さで取り除いた後の、分解前の最大力に従って定義した、５か
ら１３０グラムの範囲の堅さを備えた組成物を意味する。分解前の最大力は、Rheo社から市販されている機械“TAXT2”のような質感分析
装置を用いて測定される。

【００１９】本発明に係るエマルションは、ゲランでゲル化された水相を含む。挙げること
のできるゲランは、Nutrasweet-Kelco社から“Kelcogel F”の商品名で市販され
ているゲランガムである。

【００２０】ゲランは、好ましくは、本発明に係るエマルション中に、エマルションの全重
量に対して、０．０５から１０重量％、さらに好ましくは０．５から３重量％の
範囲の濃度で存在する。

【００２１】本発明のエマルションの水相は、ゲラン以外の親水性ゲル化剤、例えば、ゲラ
ン以外の多糖類またはタンパク誘導体、ポリエステル型、特にスルホン型の合成
または半合成ゲル、およびポリアクリラートまたはポリメタクリラート、並びに
これらの誘導体を含むこともできる。

【００２２】本発明に係るエマルションは、コーンフラワー(cornflower)水のような植物水
および／またはVittel、LucasまたはLa Roche Posayのようなミネラルウォータ
ーおよび／または湧水を含むこともできる。

【００２３】本発明に係るエマルションは、当該技術分野において通常用いられる染料、例
えば、ポンソーの二ナトリウム塩、アリザリングリーンの二ナトリウム塩、キノ
リンイエロー、アマランスの三ナトリウム塩、タルトラジンの二ナトリウム塩、
ローダミンの一ナトリウム塩、フクシンの二ナトリウム塩およびキサントフィル
から選択される水溶性染料を含むことができる。

【００２４】本発明に係るエマルションは、好ましくは、エマルションの全重量に対して、
９９．９５重量％までの、好ましくは３０から９９．５重量％の水を含む。

【００２５】本発明に係るエマルションは、水以外に、例えば、エタノールおよびイソプロ
パノールのような第一級アルコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、ジプロピレングリコールまたはジエチレングリコールのようなグリコール、
モノ-、ジ-またはトリプロピレングリコールＣ₁−Ｃ₄アルキルエーテル、および
モノ-、ジ-またはトリエチレングリコールのようなグリコールエーテル、並びに
これらの混合物のような溶媒を含むことができる。

【００２６】本発明に係るエマルションは、少なくとも一つの油を含む脂肪相を含んでもよ
い。本発明の目的では、用語“油”は、周囲温度（２５℃）で液体である脂肪性
物質を意味する。

【００２７】用いることのできる油の中では、動物、植物または鉱物由来の油、例えば流動
パラフィン、液状石油ジェリー、ペルヒドロスクアレン、アプリコット油、麦芽
油、スウィートアーモンド油、ビューティーリーフ(beauty-leaf)油、ゴマ油、
マカダミア油、ブドウ種子油、菜種油、ココナッツ油、落花生油、パーム油、ヒ
マシ油、アボカド油、ホホバ油、オリーブ油または穀物胚芽油；ポリオールの脂
肪酸エステル、特に液体トリグリセリド；アルコール；アセチルグリセリド；ア
ルキルまたはポリアルキルオクタノアート、デカノアートまたはリシノールアー
ト(ricinoleate)；脂肪酸トリグリセリド；グリセリド、フルオロ油およびペル
フルオロ油；脂肪エステルのような合成油；揮発性シリコーン油、ポリメチルシ
ロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、脂肪酸、脂肪アルコールまたはポリ
オキシアルキレンで修飾されたポリシロキサン、フルオロシリコーンおよびペル
フルオロ油のようなシリコーン油、およびこれらの混合物を挙げることができる
。

【００２８】好ましくは、本発明に係るエマルションは、ワックスを含まない。本発明の目
的では、用語“ワックス”は、周囲温度（２５℃）で固形またはペースト状であ
る脂肪性物質、すなわち２５℃から１３０℃の範囲の融点を有する化合物を意味
する。

【００２９】脂肪相は、エマルションの全重量に対して、例えば７０重量％まで、好ましく
は５から５０重量％の範囲の比率で存在することができる。

【００３０】本発明に係る組成物は、化粧品に通常用いられる、７以上のＨＬＢ（親水性／
親油性バランス）を備えたＯ／Ｗ界面活性系も含む。特に挙げることができるＯ
／Ｗ界面活性系（CTFA）は、セテアリルグルコシド、スクロースステアラート、
ＰＥＧ−４０ステアラート、ソルビタントリステアラート、ソルビタンステアラ
ート、ポリソルバート６０、ソルビタンステアラート／スクロースココアート混
合物、グリセリルステアラート／ＰＥＧ−１００ステアラート混合物、ＰＥＧ−
４００、グリセリルステアラート、ＰＥＧ−６／ＰＥＧ−３２／グリコールステ
アラート混合物、およびこれらの混合物である。

【００３１】 Unichema社から商品名“Arlacel 165 FL”で市販されているグリセリルステア
ラート／ＰＥＧ-１００ステアラートの混合物、Unichema社から商品名“Polysor
bate 60”で市販されている２０ＥＯ（エチレンオキシド）でオキシエチレン化
されたソルビタンモノステアラート、Unichema社から商品名“Estol 3646”で市
販されているポリエチレングリコールモノステアラート８ＥＯ、および、Goldsc
hmidt社から商品名“Tegosoft PSE 141 G”で市販されているスクロースモノ／
ジパルミトステアラートを特に挙げることができる。

【００３２】界面活性系は、好ましくは、エマルションの全重量に対して、０．１から１５
重量％、好ましくは０．５から７重量％の範囲の含量で、本発明に係るエマルシ
ョン中に存在する。

【００３３】本発明に係るエマルションは、顔料および／または真珠層および／またはフィ
ラーを含む粉体相を含むことができる。

【００３４】用語“顔料”は、媒体に不溶性であり、組成物を着色および／または不透明化
する、白色または有色の、無機または有機粒子を意味すると解すべきである。

【００３５】顔料は、組成物の全重量に対して、０−４０重量％の比率、好ましくは０．１
−３０重量％の比率、さらに好ましくは１−２０重量％の比率で存在することが
できる。これらは、白色または有色の、無機または有機の、かつ典型的もしくは
ナノメートルサイズとすることができる。用語“ナノメートル(nanometric)サイ
ズ”とは、平均粒径が５ｎｍから１００ｎｍの範囲である顔料を意味する。

【００３６】挙げることのできる無機顔料およびナノ顔料は、二酸化チタン、二酸化ジルコ
ニウムおよび二酸化セリウム、並びに酸化亜鉛、酸化鉄および酸化クロム、ナノ
チタニアおよびフェリックブルーである。挙げることのできる有機顔料は、カー
ボンブラック、および、唇および皮膚にメイクアップ効果を与えるために通常用
いられるレーキであって、カルシウム、バリウム、アルミニウムまたはジルコニ
ウム塩であるもの、並びに、ハロ酸染料、アゾ染料またはアントラキノン染料の
ような酸性染料である。

【００３７】顔料は、ＰＤＭＳのようなシリコーン化合物および／または特にポリエチレン
等のポリマー、あるいはフルオロ化合物で被覆されてもよい。かくして、Maprec
osのＳＡ顔料またはMyoshiのＰＩ顔料を挙げることもできる。

【００３８】用語“真珠層”は、光を反射する真珠光沢顔料を意味すると解すべきである。

【００３９】真珠層は、エマルション中に、０−４０重量％、好ましくは０．１−３０重量
％、さらに好ましくは１−２０重量％の比率で存在することができる。

【００４０】考慮することのできる真珠層では、天然真珠層、酸化チタン、酸化鉄、天然顔
料またはオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、および着色されたチタニウム
マイカを挙げることができる。

【００４１】用語“フィラー”は、組成物にボディまたは剛性を付与すること、および／ま
たはメイクアップに柔軟性、マット効果および一様性を付与することを意図した
、無色または白色の、無機または合成の、ラメラ（成層）または非ラメラ粒子を
意味すると解すべきである。

【００４２】フィラーは、エマルションの全重量に対して０−６０重量％の比率、好ましく
は０．１−４０重量％の比率、さらに好ましくは１−２０重量％の比率でエマル
ション中に存在し、無機または合成の、ラメラまたは非ラメラとすることができ
る。

【００４３】タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ナイロン粉末、ポリ-β-アラニン粉末、
ポリエチレン粉末、テフロン、ラウロイルリシン、任意に修飾されたデンプンお
よびその誘導体、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、テトラフルオロエチレンポ
リマー粉末、ポリメチルメタクリラート粉末、ポリウレタン粉末、ポリスチレン
粉末、ポリエステル粉末、合成中空ミクロスフェア、シリコーン樹脂マイクロビ
ーズ、ミクロスポンジ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウ
ム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭化水素マグネシウム、ヒドロキ
シアパタイト、中空シリカミクロスフェア、ガラスまたはセラミックミクロカプ
セル、例えば亜鉛、マグネシウムまたはリチウムステアラート、亜鉛ラウラート
またはマグネシウムミリスタートのような、８から２２の炭素原子、好ましくは
１２から１８の炭素原子を含む有機カルボン酸から誘導された金属石けん、Ｓｉ
Ｏ₂／ＴｉＯ₂／ＳｉＯ₂、ＴｉＯ₂／ＣｅＯ₂／ＳｉＯ₂またはＴｉＯ₂／ＺｎＯ／
タルク化合物、および薄片状のポリエチレンテレフタラート／ポリメタクリラー
トポリマーを挙げることができる。

【００４４】一般に、粉体相は、所望のメイクアップ効果を付与するのに十分な量の顔料お
よび／または真珠層および／またはフィラーを含む。かくして、本発明に係るエ
マルションは、好ましくは透明ではなく、すなわちそれを通して新聞の紙面の文
字を読むことは不可能である。さらに好ましくは、エマルションは半透明ではな
く、光を通さない。

【００４５】本発明の特に有利な形態では、粉体相が、任意に修飾されたデンプンおよびそ
の誘導体から選択された少なくとも一つのフィラーを含む。

【００４６】堅さを増す一以上の塩を添加することによって、本発明に係るエマルションの
堅さを変更することができる。これらの塩は、一価、二価および三価金属塩、特
にアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩、とりわけナトリウム、カルシウムま
たはマグネシウム塩から選択することができる。これらの塩を構成するイオンは
、例えば、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、グリセロホスファート、ホウ酸塩、塩化
物、硝酸塩、酢酸塩、水酸化物およびペルスルファートから選択され、αヒドロ
キシ酸の塩（クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩またはリンゴ酸塩）またはフルーツ
酸塩、あるいはアミノ酸塩（アスパラギン酸塩、アルギン酸塩、グリココール酸
塩またはフマル酸塩）から選択される。塩の量は、エマルションの全重量に対し
て、０．０１−２％、好ましくは０．１−１％の範囲である。

【００４７】塩は、好ましくは、硝酸カルシウム、マグネシウムまたはストロンチウム、ホ
ウ酸カルシウムまたはマグネシウム、塩化カルシウム、ナトリウム、マグネシウ
ム、ストロンチウム、ネオジムまたはマンガン、硫酸マグネシウムまたはカルシ
ウム、および酢酸カルシウムまたはマグネシウム、およびこれらの混合物から選
択される。特に、塩は、塩化マグネシウムおよび塩化ナトリウムから選択される
。

【００４８】本発明に係るエマルションは、化粧的または生理学的に許容できる媒体、すな
わち、皮膚、爪、髪、睫毛、眉毛、粘膜、および半粘膜、並びに身体または顔の
皮膚の他の領域のような全てのケラチン物質と適合する媒体を含む。

【００４９】また、この組成物は、酸化防止剤、香料、精油、防腐剤、親油性または親水性
の化粧的または薬学的活性剤、湿潤剤、ビタミン、必須脂肪酸、スフィンゴ脂質
、ＤＨＡのようなセルフタンニング化合物、およびサンスクリーンのような、化
粧品において通常用いられる付加的な化合物を含むこともできる。

【００５０】言うまでもなく、当業者であれば、本発明に係るエマルションの有利な特性が
、企図された添加によって不利な影響を受けないように、あるいは実質的に不利
な影響を受けないように、これらの任意的な添加化合物、および／またはその量
を選択することに注意を払うであろう。

【００５１】本発明に係るエマルションは、エマルションを調製するための通常の方法に従
って調製され、これらの方法は当業者に周知である。

【００５２】本発明に係るエマルションは、皮膚、特に身体または顔の皮膚および／または
頭皮、ケラチン繊維、特に髪、爪、睫毛および／または眉毛、または、粘膜、特
に唇のためのメイクアップ製品またはケア製品を構成することができる。かくし
て、身体用のメイクアップ製品、ファンデーション、アイシャドー、フェイスパ
ウダー、コンシーラー、リップスティック、リップの輪郭ペンシル、マスカラ、
眼の輪郭ペンシル、および髪の染色またはメイクアップ用スティックを構成する
ことができる。

【００５３】本発明を、以下の実施例に詳細に記載する。以下の実施例においては、量は、組成物の全重量に対する重量パーセントとし
て与えられている。

【００５４】

【実施例】

実施例１：出願人は、ファンデーションスティックの形態の、以下のＯ／Ｗ固形エマルシ
ョンを調製した。相Ａ： −Uniqema社から“Arlacel 165 FL”の商品名で市販されているポリエチレング
リコールステアラート（１００ＥＯ）、グリセリルモノステアラートの混合物２．１％ −Uniqema社から“Polysorbate 60”の商品名で市販されているオキシエチレン
化（２０ＥＯ）ソルビタンモノステアラート０．９％ −純粋なセチルアルコール０．５％ −ステアリン酸（５０／５０Ｃ１６−Ｃ１８）１．５％ −水素化イソパラフィン（６−８モルのイソブチレン）２２％ −防腐剤０．２％ −顔料（酸化チタン、鉄黒／弁柄／鉄黄）７％相Ｂ： −水６０．４５％ −防腐剤０．２５％ −プロピレングリコール３％ −９９％トリエタノールアミン０．６％相Ｃ： −ゲランガム：多糖類 Nutrasweet-Kelco社から“Kelcogel F”の商品名で市販されている（１,３-Ｄ-
グルコース／１,４-Ｄ-グルクロン酸／１,４-Ｄ-グルコース／１,４-Ｌ-ラムノ
ース）１．５％

【００５５】製法：相ＡとＢを別個にホモジナイズする。これらを８０℃まで熱する。Moritzブレ
ンダー（３０００ｒｐｍ）を用いて８０℃で攪拌しながら、相Ａを相Ｂに注いで
乳化する。次いで、攪拌を低減し（５００ｒｐｍ）、相Ｃを添加する。温度を８
０℃に維持しながら、この混合物を１５分間ホモジナイズする。得られた混合物
を耐水性の容器に流し込み、室温まで冷却させる。

【００５６】容易に拡がり、皮膚上で快適であり、爽やかな感覚を付与する、僅かにクリー
ム状の固形ファンデーションが得られる。

【００５７】実施例２：出願人は、ファンデーションスティックの形態の、以下のＯ／Ｗ固形エマルシ
ョンを調製した。相Ａ： −Uniqema社から“Estol 3646”の商品名で市販されているポリエチレングリコ
ールモノステアラート（８ＥＯ）１．３％ −ステアリン酸０．３％ −ステアリルアルコール０．５％ −杏仁油１３％ −シクロヘキサジメチルシロキサン（粘度：８ｃｓｔ）１０％ −防腐剤０．１％ −顔料（酸化チタン、酸化鉄）７％相Ｂ： −グリセロール７％ −防腐剤０．２％ −Goldschmidt社から“Tegosoft PSE 141 G”の商品名で市販されているスクロ
ースモノ／ジパルミトステアラート１．３％ −水５６％相Ｃ： −純粋な水酸化ナトリウム０．０４％ −水２．２６％相Ｄ： −ゲランガム：多糖類 Nutrasweet-Kelco社から“Kelcogel F”の商品名で市販されている（１,３-Ｄ-
グルコース／１,４-Ｄ-グルクロン酸／１,４-Ｄ-グルコース／１,４-Ｌ-ラムノ
ース）１％

【００５８】このエマルションを、実施例１と同じ製法に従って、最後に（Ｃ＋Ｄ）を添加
して調製した。

【００５９】爽やかかつ快適に適用でき、張りの影響のない、ゲルの外観を備えた固形ファ
ンデーションが得られる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ａ６１Ｋ 7/06 Ａ６１Ｋ 7/06 (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷＦターム(参考） 4C083 AA121 AA122 AB031 AB032 AB051 AB101 AB151 AB171 AB211 AB221 AB231 AB232 AB241 AB242 AB331 AB351 AB431 AC011 AC012 AC021 AC072 AC101 AC121 AC122 AC231 AC241 AC242 AC351 AC421 AC422 AC441 AC442 AC542 AC661 AC811 AD021 AD041 AD151 AD161 AD172 AD241 AD351 AD352 BB01 BB21 BB24 CC12 CC13 CC14 CC32 DD11 DD33 EE06 EE07

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】 i）ゲランでゲル化された水相、 ii）少なくとも一つの油を含む脂肪相、および iii）７以上のＨＬＢを有する界面活性系を含む固形水中油型エマルション。
【請求項２】ゲランが、エマルションの全重量に対して、０．０５から１
０重量％、さらに好ましくは０．５から３重量％の範囲の濃度で存在することを
特徴とする、請求項１記載のエマルション。
【請求項３】エマルションの全重量に対して、９９．９５重量％までの、
好ましくは３０から９９．５重量％の水を含むことを特徴とする、請求項１また
は２に記載のエマルション。
【請求項４】エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ブ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールおよびグリ
コールエーテル、並びにこれらの混合物から選択された溶媒をさらに含むことを
特徴とする、請求項１ないし３のいずれか一項に記載のエマルション。
【請求項５】油が、流動パラフィン、液状石油ジェリー、ペルヒドロスク
アレン、アプリコット油、麦芽油、スウィートアーモンド油、ビューティーリー
フ油、ゴマ油、マカダミア油、ブドウ種子油、菜種油、ココナッツ油、落花生油
、パーム油、ヒマシ油、アボカド油、ホホバ油、オリーブ油または穀物胚芽油；
ポリオールの脂肪酸エステル、特に液体トリグリセリド；アルコール；アセチル
グリセリド；アルキルまたはポリアルキルオクタノアート、デカノアートまたは
リシノールアート；脂肪酸トリグリセリド；グリセリド、フルオロ油およびペル
フルオロ油；脂肪エステルのような合成油；揮発性シリコーン油、ポリメチルシ
ロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、脂肪酸、脂肪アルコールまたはポリ
オキシアルキレンで修飾されたポリシロキサン、フルオロシリコーンおよびペル
フルオロ油のようなシリコーン油、並びにこれらの混合物から選択されることを
特徴とする、請求項１ないし４のいずれか一項に記載のエマルション。
【請求項６】脂肪相が、エマルションの全重量に対して、７０重量％まで
、好ましくは５から５０重量％の範囲の比率で存在することを特徴とする、請求
項１ないし５のいずれか一項に記載のエマルション。
【請求項７】界面活性系が、セテアリルグルコシド、スクロースステアラ
ート、ＰＥＧ−４０ステアラート、ソルビタントリステアラート、ソルビタンス
テアラート、ポリソルバート６０、ソルビタンステアラート／スクロースココア
ート混合物、グリセリルステアラート／ＰＥＧ−１００ステアラート混合物、Ｐ
ＥＧ−４００、グリセリルステアラート、ＰＥＧ−６／ＰＥＧ−３２／グリコー
ルステアラート混合物、並びにこれらの混合物から選択されることを特徴とする
、請求項１ないし６のいずれか一項に記載のエマルション。
【請求項８】界面活性系が、エマルションの全重量に対して、０．１から
１５重量％、好ましくは０．５から７重量％の範囲の含量で存在することを特徴
とする、請求項１ないし７のいずれか一項に記載のエマルション。
【請求項９】顔料および／または真珠層および／またはフィラーを含む粉
体相をさらに含むことを特徴とする、請求項１ないし８のいずれか一項に記載の
エマルション。
【請求項１０】顔料が、二酸化チタン、二酸化ジルコニウムおよび二酸化
セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄および酸化クロム、ナノチタニア、フェリックブル
ー、カーボンブラック、カルシウム、バリウム、アルミニウムまたはジルコニウ
ム塩、ハロ酸染料、アゾ染料またはアントラキノン染料のような酸性染料、ポリ
ジメチルシロキサンのようなシリコーン化合物および／または特にポリエチレン
等のポリマー、あるいはフルオロ化合物で被覆された顔料、および／またはこれ
らの混合物から選択されることを特徴とする、請求項９記載のエマルション。
【請求項１１】顔料が、エマルションの全重量に対して、４０重量％まで
、好ましくは０．１から３０重量％の範囲の含量で存在することを特徴とする、
請求項９または１０記載のエマルション。
【請求項１２】真珠層が、天然真珠層、酸化チタン、酸化鉄、天然顔料ま
たはオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、および着色されたチタンマイカか
ら選択されることを特徴とする、請求項９記載のエマルション。
【請求項１３】真珠層が、エマルションの全重量に対して、４０重量％ま
で、好ましくは０．１から３０重量％の範囲の含量で存在することを特徴とする
、請求項９または１２記載のエマルション。
【請求項１４】フィラーが、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ナイロ
ン粉末、ポリ-β-アラニン粉末、ポリエチレン粉末、テフロン（登録商標）、ラウロイルリシン、任意に修飾されたデンプンおよびその誘導体、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、テトラフルオロエチレンポリマー粉末、ポリメチルメタクリラート粉末、ポリウレタン粉末、ポリスチレン粉末、ポリエステル粉末、合成中空ミクロスフェア、ミクロスポンジ、シリコーン樹脂マイクロビーズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭化水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、中空シリカミクロスフェア、ガラスまたはセラミックミクロカプセル、例えば亜鉛、マグネシウムまたはリチウムステアラート、亜鉛ラウラートまたはマグネシウムミリスタートのような、８から２２の炭素原子、好ましくは１２から１８の炭素原子を含む有機カルボン酸から誘導された金属石けん、ＳｉＯ₂／ＴｉＯ₂／ＳｉＯ₂、ＴｉＯ₂ ／ＣｅＯ₂／ＳｉＯ₂またはＴｉＯ₂／ＺｎＯ／タルク化合物、および薄片状のポリエチレンテレフタラート／ポリメタクリラートポリマーから選択されることを特徴とする、請求項９記載のエマルション。
【請求項１５】粉体相が、任意に修飾されたデンプンおよびその誘導体か
ら選択されるフィラーを含むことを特徴とする、請求項１４記載のエマルション
。
【請求項１６】フィラーが、エマルションの全重量に対して、６０重量％
まで、好ましくは０．１から４０重量％の範囲の含量で存在することを特徴とす
る、請求項９、１４または１５のいずれか一項に記載のエマルション。
【請求項１７】塩をさらに含むことを特徴とする、請求項１ないし１６の
いずれか一項に記載のエマルション。
【請求項１８】塩が、硝酸カルシウム、マグネシウムまたはストロンチウ
ム、ホウ酸カルシウムまたはマグネシウム、塩化カルシウム、ナトリウム、マグ
ネシウム、ストロンチウム、ネオジムまたはマンガン、硫酸マグネシウムまたは
カルシウム、および酢酸カルシウムまたはマグネシウム、並びにこれらの混合物
から選択されることを特徴とする、請求項１７記載のエマルション。
【請求項１９】塩が、塩化マグネシウムおよび塩化ナトリウムから選択さ
れることを特徴とする、請求項１８記載のエマルション。
【請求項２０】化粧的または生理学的に許容できる媒体をさらに含むこと
を特徴とする、請求項１ないし１９のいずれか一項に記載のエマルション。
【請求項２１】請求項１ないし２０のいずれか一項に記載されたエマルシ
ョンを含むことを特徴とする、皮膚またはケラチン繊維をメイクアップするため
の製品。
【請求項２２】身体用のメイクアップ製品、ファンデーション、アイシャ
ドー、フェイスパウダー、コンシーラー、リップスティック、リップの輪郭ペン
シル、マスカラ、眼の輪郭ペンシルまたは髪の染色またはメイクアップ用スティ
ックを構成することを特徴とする、請求項２１記載の製品。
【請求項２３】皮膚および／またはケラチン繊維に、請求項１ないし２０
のいずれか一項に記載のエマルションおよび／または請求項２１または２２に記
載の製品を適用することからなる、皮膚および／またはケラチン繊維をメイクア
ップする方法。