JP2003321674A - 蓄熱体 - Google Patents
蓄熱体Info
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- JP2003321674A JP2003321674A JP2002126417A JP2002126417A JP2003321674A JP 2003321674 A JP2003321674 A JP 2003321674A JP 2002126417 A JP2002126417 A JP 2002126417A JP 2002126417 A JP2002126417 A JP 2002126417A JP 2003321674 A JP2003321674 A JP 2003321674A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/14—Thermal energy storage
Landscapes
- Central Heating Systems (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 凝固点を調整しやすくて蓄熱効率が向上され
た蓄熱体、又は、凝固温度と融解温度が近づくため、蓄
熱時に凝固し易く放熱時の温度を低くすることを可能と
し、かつ潜熱量が高められて蓄熱性能が向上された蓄熱
体を提供する。 【解決手段】 相変化により蓄熱性を有する油性物質と
界面活性剤とを含有する水分散体を必須としてなる蓄熱
体であって、該油性物質は、(1)3成分以上により構
成されてなり、各成分の質量分率の分散が0.3以上
0.5以下である、又は、(2)2成分以上により構成
されてなり、各成分の質量分率の分散が0.9以上1.
0未満である蓄熱体。
た蓄熱体、又は、凝固温度と融解温度が近づくため、蓄
熱時に凝固し易く放熱時の温度を低くすることを可能と
し、かつ潜熱量が高められて蓄熱性能が向上された蓄熱
体を提供する。 【解決手段】 相変化により蓄熱性を有する油性物質と
界面活性剤とを含有する水分散体を必須としてなる蓄熱
体であって、該油性物質は、(1)3成分以上により構
成されてなり、各成分の質量分率の分散が0.3以上
0.5以下である、又は、(2)2成分以上により構成
されてなり、各成分の質量分率の分散が0.9以上1.
0未満である蓄熱体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄熱体に関する。
より詳しくは、相変化により蓄熱性を有する油性物質を
必須成分として含有する水分散体を必須としてなる蓄熱
体に関する。
より詳しくは、相変化により蓄熱性を有する油性物質を
必須成分として含有する水分散体を必須としてなる蓄熱
体に関する。
【0002】
【従来の技術】オフィスビルや工場等の大型建造物用や
家庭用等の冷暖房エネルギーの省力化や効率化、環境保
護の目的のために、建物の一角に蓄熱設備を配置し、そ
こにビル空調用では4、5メートル四方ほどの大きさの
蓄熱装置を複数設置することにより、一時的に熱を貯蔵
するシステムが注目されている。
家庭用等の冷暖房エネルギーの省力化や効率化、環境保
護の目的のために、建物の一角に蓄熱設備を配置し、そ
こにビル空調用では4、5メートル四方ほどの大きさの
蓄熱装置を複数設置することにより、一時的に熱を貯蔵
するシステムが注目されている。
【0003】このような蓄熱装置は、装置内に蓄熱物質
から構成される蓄熱体を充填し、ここに熱を媒介する循
環水等の媒体を通過させ、電力等のエネルギーによって
蓄熱物質を相変化させることにより、固体から液体への
相変化時に放熱し、液体から固体への相変化時に吸熱す
るという潜熱を利用するものである。例えば、夜間電力
で蓄熱体を冷却固化し、その融解時の吸熱効果を昼間の
冷房に活かそうとするものである。
から構成される蓄熱体を充填し、ここに熱を媒介する循
環水等の媒体を通過させ、電力等のエネルギーによって
蓄熱物質を相変化させることにより、固体から液体への
相変化時に放熱し、液体から固体への相変化時に吸熱す
るという潜熱を利用するものである。例えば、夜間電力
で蓄熱体を冷却固化し、その融解時の吸熱効果を昼間の
冷房に活かそうとするものである。
【0004】蓄熱体を構成する蓄熱物質としては、パラ
フィンを含む混合物等であって、5〜14℃程度で冷却
固化され、かつ、融解熱が大きい蓄熱物質から構成され
るものが好ましいとされている。このような蓄熱体に関
し、特開2000−336350号公報には、相変化を
伴う飽和炭化水素、水、界面活性剤、及び、核発生剤と
して飽和炭化水素の相変化温度よりも1℃〜30℃高い
相変化温度を有する飽和炭化水素を用いたエマルション
からなる蓄熱材が開示されている。しかしながら、この
ような蓄熱材では、凝固点を調整しやすくすること、す
なわち蓄熱装置に合わせて凝固しやすくして蓄熱効率を
向上させる点や、凝固温度と融解温度が近づくため、蓄
熱時に凝固し易く放熱時の温度を低くすることを可能と
し、かつ潜熱量を高めて蓄熱性能を向上させる点等にお
いて工夫の余地があった。
フィンを含む混合物等であって、5〜14℃程度で冷却
固化され、かつ、融解熱が大きい蓄熱物質から構成され
るものが好ましいとされている。このような蓄熱体に関
し、特開2000−336350号公報には、相変化を
伴う飽和炭化水素、水、界面活性剤、及び、核発生剤と
して飽和炭化水素の相変化温度よりも1℃〜30℃高い
相変化温度を有する飽和炭化水素を用いたエマルション
からなる蓄熱材が開示されている。しかしながら、この
ような蓄熱材では、凝固点を調整しやすくすること、す
なわち蓄熱装置に合わせて凝固しやすくして蓄熱効率を
向上させる点や、凝固温度と融解温度が近づくため、蓄
熱時に凝固し易く放熱時の温度を低くすることを可能と
し、かつ潜熱量を高めて蓄熱性能を向上させる点等にお
いて工夫の余地があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、凝固点を調整しやすくて蓄
熱効率が向上された蓄熱体、又は、凝固温度と融解温度
が近づくため、蓄熱時に凝固し易く放熱時の温度を低く
することを可能とし、かつ潜熱量が高められて蓄熱性能
が向上された蓄熱体を提供することを目的とするもので
ある。
鑑みてなされたものであり、凝固点を調整しやすくて蓄
熱効率が向上された蓄熱体、又は、凝固温度と融解温度
が近づくため、蓄熱時に凝固し易く放熱時の温度を低く
することを可能とし、かつ潜熱量が高められて蓄熱性能
が向上された蓄熱体を提供することを目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、蓄熱体に
ついて種々検討した結果、相変化により蓄熱性を有する
油性物質と界面活性剤とを含有する水分散体を必須とす
る蓄熱体が界面活性剤の作用効果により過冷却を防止
し、凝固しやすくて蓄熱効率が向上することに着目し、
油性物質が3成分以上により構成されてなり、かつ各成
分の質量分率の分散が0.3以上0.5以下であるもの
であると、凝固点を調整しやすくなり、蓄熱効率が更に
向上することになることを見いだした。また、油性物質
が2成分以上により構成されてなり、各成分の質量分率
の分散が0.9以上1.0未満であると、該油性成分が
石油等から比較的安価に得られる上、凝固温度と融解温
度が近づくため、蓄熱時に凝固し易く放熱時の温度を低
くすることを可能とし、かつ潜熱量が高められて蓄熱性
能が向上することを見いだし、上記課題をみごとに解決
することができることに想到し、本発明に到達したもの
である。
ついて種々検討した結果、相変化により蓄熱性を有する
油性物質と界面活性剤とを含有する水分散体を必須とす
る蓄熱体が界面活性剤の作用効果により過冷却を防止
し、凝固しやすくて蓄熱効率が向上することに着目し、
油性物質が3成分以上により構成されてなり、かつ各成
分の質量分率の分散が0.3以上0.5以下であるもの
であると、凝固点を調整しやすくなり、蓄熱効率が更に
向上することになることを見いだした。また、油性物質
が2成分以上により構成されてなり、各成分の質量分率
の分散が0.9以上1.0未満であると、該油性成分が
石油等から比較的安価に得られる上、凝固温度と融解温
度が近づくため、蓄熱時に凝固し易く放熱時の温度を低
くすることを可能とし、かつ潜熱量が高められて蓄熱性
能が向上することを見いだし、上記課題をみごとに解決
することができることに想到し、本発明に到達したもの
である。
【0007】すなわち本発明は、相変化により蓄熱性を
有する油性物質と界面活性剤とを含有する水分散体を必
須としてなる蓄熱体であって、上記油性物質は、3成分
以上により構成されてなり、各成分の質量分率の分散が
0.3以上0.5以下である蓄熱体である
有する油性物質と界面活性剤とを含有する水分散体を必
須としてなる蓄熱体であって、上記油性物質は、3成分
以上により構成されてなり、各成分の質量分率の分散が
0.3以上0.5以下である蓄熱体である
【0008】本発明はまた、相変化により蓄熱性を有す
る油性物質と界面活性剤とを含有する水分散体を必須と
してなる蓄熱体であって、上記油性物質は、2成分以上
により構成されてなり、各成分の質量分率の分散が0.
9以上1.0未満である蓄熱体でもある。以下に本発明
を詳述する。
る油性物質と界面活性剤とを含有する水分散体を必須と
してなる蓄熱体であって、上記油性物質は、2成分以上
により構成されてなり、各成分の質量分率の分散が0.
9以上1.0未満である蓄熱体でもある。以下に本発明
を詳述する。
【0009】本発明の蓄熱体は、相変化により蓄熱性を
有する油性物質と界面活性剤とを含有する水分散体を必
須としてなり、顕熱蓄熱、潜熱蓄熱、化学反応蓄熱等の
熱エネルギーを貯蔵し、放出できるものである。相変化
により蓄熱性を有するとは、相変化又は相転移の際の潜
熱を利用する潜熱蓄熱を蓄熱性として有することを意味
し、このような油性物質は、蓄熱密度が高く、一定温度
付近での蓄熱や放熱が可能なものである。
有する油性物質と界面活性剤とを含有する水分散体を必
須としてなり、顕熱蓄熱、潜熱蓄熱、化学反応蓄熱等の
熱エネルギーを貯蔵し、放出できるものである。相変化
により蓄熱性を有するとは、相変化又は相転移の際の潜
熱を利用する潜熱蓄熱を蓄熱性として有することを意味
し、このような油性物質は、蓄熱密度が高く、一定温度
付近での蓄熱や放熱が可能なものである。
【0010】本発明の蓄熱体を構成する油性物質は、
(1)3つ以上の成分からなり、各成分の質量分率の分
散が0.3以上0.5以下であるか、又は、(2)2成
分以上により構成されてなり、各成分の質量分率の分散
が0.9以上1.0未満であるものである。各成分の質
量分率の分散は、(1)の場合、好ましくは、0.35
以上であり、また、0.45以下であり、(2)の場
合、好ましくは、0.920以上であり、また、0.9
98以下である。
(1)3つ以上の成分からなり、各成分の質量分率の分
散が0.3以上0.5以下であるか、又は、(2)2成
分以上により構成されてなり、各成分の質量分率の分散
が0.9以上1.0未満であるものである。各成分の質
量分率の分散は、(1)の場合、好ましくは、0.35
以上であり、また、0.45以下であり、(2)の場
合、好ましくは、0.920以上であり、また、0.9
98以下である。
【0011】上記各成分の質量分率の分散(V)は、下
記式により求められる値である。
記式により求められる値である。
【0012】
【式1】
【0013】式中、nは、油性物質を構成する成分の数
を表す。xは、油性物質の全質量を1とした場合の各成
分の質量分率を表す。上記式により求められる分散
(V)が0であると、油性物質を構成する全ての成分が
同量であることを意味し、分散(V)が1.0である
と、油性物質を構成する成分が単成分である(1つの成
分が油性物質の100%を構成する)ことを意味する。
なお、引数を母集団の標本であるとみなして、母集団に
対する分散を求める関数(VAR)においては、下記式
により分散を計算することになる。
を表す。xは、油性物質の全質量を1とした場合の各成
分の質量分率を表す。上記式により求められる分散
(V)が0であると、油性物質を構成する全ての成分が
同量であることを意味し、分散(V)が1.0である
と、油性物質を構成する成分が単成分である(1つの成
分が油性物質の100%を構成する)ことを意味する。
なお、引数を母集団の標本であるとみなして、母集団に
対する分散を求める関数(VAR)においては、下記式
により分散を計算することになる。
【0014】
【式2】
【0015】式中、n及びxは、上記と同じである。本
発明においては、油性物質を構成する成分数に関係なく
分散がない場合(1つの成分が油性物質の100%を構
成する場合)を1.0、最大分散の場合(油性物質を構
成する全ての成分が同量である場合)を0とするため、
VAR関数の計算式に成分数nをかけて、0〜1.0と
なるようにしている。よって、各成分の質量分率の分散
(V)の計算式は、VAR関数の計算式に成分数nをか
けた式となる。
発明においては、油性物質を構成する成分数に関係なく
分散がない場合(1つの成分が油性物質の100%を構
成する場合)を1.0、最大分散の場合(油性物質を構
成する全ての成分が同量である場合)を0とするため、
VAR関数の計算式に成分数nをかけて、0〜1.0と
なるようにしている。よって、各成分の質量分率の分散
(V)の計算式は、VAR関数の計算式に成分数nをか
けた式となる。
【0016】上記油性物質を構成する成分としては、パ
ラフィンやα−オレフィン等の炭化水素化合物;高級脂
肪酸類;高級脂肪酸エステル類;高級アルコール類等の
化合物が好適であり、具体的には、C15パラフィン、C
14パラフィン、C16パラフィン等の常温で液体である中
級パラフィン;C17パラフィン、C18パラフィン等の常
温付近で固体である高級パラフィン;1−デカノール等
の高級アルコールが好適である。(1)の形態において
は、これらの成分の3つ以上を、(2)の形態において
は、これらの成分の2つ以上を組み合わせて用いること
になる。これらの中でも、取り扱いが便宜であることか
ら、ビル空調用の蓄熱体の場合、常温(25℃)及び常
圧(約101.3kPa)において液体であるものを、
油性物質を構成する成分として用いることが好ましい。
また、容易に入手でき、また、広い温度範囲に用いるこ
とができる蓄熱体を簡便にかつ安定的に製造することが
できることから、パラフィンが好ましく、ビル空調の冷
熱用途等の場合、パラフィンの中でもペンタデカンを含
むことが好ましい。なお、本発明においては、1つの化
合物が1つの成分を構成することになり、例えば、炭素
数が同じパラフィンで、直鎖パラフィンや分岐パラフィ
ン等の異性体が含まれるときには、それぞれを1成分と
する。
ラフィンやα−オレフィン等の炭化水素化合物;高級脂
肪酸類;高級脂肪酸エステル類;高級アルコール類等の
化合物が好適であり、具体的には、C15パラフィン、C
14パラフィン、C16パラフィン等の常温で液体である中
級パラフィン;C17パラフィン、C18パラフィン等の常
温付近で固体である高級パラフィン;1−デカノール等
の高級アルコールが好適である。(1)の形態において
は、これらの成分の3つ以上を、(2)の形態において
は、これらの成分の2つ以上を組み合わせて用いること
になる。これらの中でも、取り扱いが便宜であることか
ら、ビル空調用の蓄熱体の場合、常温(25℃)及び常
圧(約101.3kPa)において液体であるものを、
油性物質を構成する成分として用いることが好ましい。
また、容易に入手でき、また、広い温度範囲に用いるこ
とができる蓄熱体を簡便にかつ安定的に製造することが
できることから、パラフィンが好ましく、ビル空調の冷
熱用途等の場合、パラフィンの中でもペンタデカンを含
むことが好ましい。なお、本発明においては、1つの化
合物が1つの成分を構成することになり、例えば、炭素
数が同じパラフィンで、直鎖パラフィンや分岐パラフィ
ン等の異性体が含まれるときには、それぞれを1成分と
する。
【0017】上記(1)の形態における油性物質として
は、安価で入手し易く、相変化温度を調整するのが容易
であることから、3成分以上であって、それぞれ炭化水
素化合物の同族体が好ましい。例えば、冷熱用途の場合
であれば、C14パラフィン、C 15パラフィン及びC16パ
ラフィン以上の炭素数のパラフィンの混合物;C14パラ
フィン、C16パラフィン及びC18パラフィンの混合物等
が好適である。また、これらの質量分率としては、C14
パラフィン、C15パラフィン及びC16パラフィン以上の
炭素数のパラフィンの混合物では、C14パラフィン:C
15パラフィン:C 16パラフィン以上の炭素数のパラフィ
ン=0.2〜30:50〜80:2〜20が好適であ
り、C14パラフィン、C16パラフィン及びC18パラフィ
ンの混合物では、C14パラフィン:C16パラフィン:C
18パラフィン=0.2〜40:50〜60:2〜10が
好適であり、このような成分から構成される油性物質
は、本発明における好ましい実施形態の1つである。
は、安価で入手し易く、相変化温度を調整するのが容易
であることから、3成分以上であって、それぞれ炭化水
素化合物の同族体が好ましい。例えば、冷熱用途の場合
であれば、C14パラフィン、C 15パラフィン及びC16パ
ラフィン以上の炭素数のパラフィンの混合物;C14パラ
フィン、C16パラフィン及びC18パラフィンの混合物等
が好適である。また、これらの質量分率としては、C14
パラフィン、C15パラフィン及びC16パラフィン以上の
炭素数のパラフィンの混合物では、C14パラフィン:C
15パラフィン:C 16パラフィン以上の炭素数のパラフィ
ン=0.2〜30:50〜80:2〜20が好適であ
り、C14パラフィン、C16パラフィン及びC18パラフィ
ンの混合物では、C14パラフィン:C16パラフィン:C
18パラフィン=0.2〜40:50〜60:2〜10が
好適であり、このような成分から構成される油性物質
は、本発明における好ましい実施形態の1つである。
【0018】上記(2)の形態における油性物質として
は、炭素数が14、15、17及び19からなる群より
選択される少なくとも一種の炭化水素化合物を主成分と
するものであることが好ましい。より好ましくは、炭素
数が14及び/又は15の炭化水素化合物を主成分とす
るものである。また、炭化水素化合物がパラフィンであ
ることが好ましい。なお、「主成分」とは、油性物質を
構成する全ての成分を100質量%とすると、50質量
%以上を構成することになる成分を意味し、主成分が1
つの成分によって構成されていてもよく、2つ以上の成
分によって構成されていてもよい。主成分が2つ以上の
成分によって構成される場合には、主成分を構成する各
成分の合計が50質量%以上となればよい。
は、炭素数が14、15、17及び19からなる群より
選択される少なくとも一種の炭化水素化合物を主成分と
するものであることが好ましい。より好ましくは、炭素
数が14及び/又は15の炭化水素化合物を主成分とす
るものである。また、炭化水素化合物がパラフィンであ
ることが好ましい。なお、「主成分」とは、油性物質を
構成する全ての成分を100質量%とすると、50質量
%以上を構成することになる成分を意味し、主成分が1
つの成分によって構成されていてもよく、2つ以上の成
分によって構成されていてもよい。主成分が2つ以上の
成分によって構成される場合には、主成分を構成する各
成分の合計が50質量%以上となればよい。
【0019】上記油性物質の使用量としては、油性物質
の種類や蓄熱体の使用形態、要求される蓄熱効率に応じ
て適宜設定すればよいが、蓄熱体100質量%中10質
量%以上とすることが好ましく、また、100質量%以
下とすることが好ましい。10質量%未満であると、蓄
熱効率や蓄熱性能が低下するおそれがある。より好まし
くは、20質量%以上であり、また、75質量%以下で
ある。
の種類や蓄熱体の使用形態、要求される蓄熱効率に応じ
て適宜設定すればよいが、蓄熱体100質量%中10質
量%以上とすることが好ましく、また、100質量%以
下とすることが好ましい。10質量%未満であると、蓄
熱効率や蓄熱性能が低下するおそれがある。より好まし
くは、20質量%以上であり、また、75質量%以下で
ある。
【0020】本発明の蓄熱体において用いる界面活性剤
としては、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエ
ステル、ソルビタンアルキルエステル等のソルビタンエ
ステル系化合物;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルスル
ホン酸ナトリウム;アルキルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム;ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキ
シエチレンアルキルフェノールエーテル;ポリオキシエ
チレンアルキルエステル;ポリグリセリンアルキルエス
テル;脂肪酸石鹸が好適である。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、
ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル、ソ
ルビタンアルキルエステル及びショ糖脂肪酸エステルか
らなる群より選択される少なくとも1種であることが好
ましい。より好ましくは、ポリオキシアルキレンソルビ
タンアルキルエステル及び/又はソルビタンアルキルエ
ステルもしくはショ糖脂肪酸エステルである。更に好ま
しくは、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエス
テル及びショ糖脂肪酸エステルである。
としては、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエ
ステル、ソルビタンアルキルエステル等のソルビタンエ
ステル系化合物;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルスル
ホン酸ナトリウム;アルキルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム;ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキ
シエチレンアルキルフェノールエーテル;ポリオキシエ
チレンアルキルエステル;ポリグリセリンアルキルエス
テル;脂肪酸石鹸が好適である。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、
ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル、ソ
ルビタンアルキルエステル及びショ糖脂肪酸エステルか
らなる群より選択される少なくとも1種であることが好
ましい。より好ましくは、ポリオキシアルキレンソルビ
タンアルキルエステル及び/又はソルビタンアルキルエ
ステルもしくはショ糖脂肪酸エステルである。更に好ま
しくは、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエス
テル及びショ糖脂肪酸エステルである。
【0021】上記界面活性剤の使用量としては、相変化
により蓄熱性を有する油性物質の種類等により適宜設定
することになるが、油性物質100質量%に対して、
0.1質量%以上とすることが好ましく、また、30質
量%以下とすることが好ましい。より好ましくは、1.
0質量%以上であり、また、20質量%以下である。
により蓄熱性を有する油性物質の種類等により適宜設定
することになるが、油性物質100質量%に対して、
0.1質量%以上とすることが好ましく、また、30質
量%以下とすることが好ましい。より好ましくは、1.
0質量%以上であり、また、20質量%以下である。
【0022】本発明の蓄熱体には、更に、以下に記載す
る機能を有する添加剤を含有させることもできる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 (1)伝熱向上用:鉄、銅等の金属粉:金属繊維;金属
酸化物;カーボン;カーボンファイバー等。 (2)比重調整用:砂;粘土;石;鉛、鉄等の金属粉
等。
る機能を有する添加剤を含有させることもできる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 (1)伝熱向上用:鉄、銅等の金属粉:金属繊維;金属
酸化物;カーボン;カーボンファイバー等。 (2)比重調整用:砂;粘土;石;鉛、鉄等の金属粉
等。
【0023】(3)難燃性付与用:水;水ゲル;金属
粉;炭酸カルシウム等の無機化合物;臭素系、塩素系、
リン系等の難燃剤等。尚、難燃性には、燃焼性の低減、
延焼防止、水蒸気による引火点の消滅、燃焼熱量低減効
果等を含む。 (4)過冷却防止用:金属粉、高分子パラフィン(ワッ
クス)等。 (5)凝固点調整用:ワックス類等。 (6)酸化防止や経時的な劣化防止用:フェノール系、
チオ系、リン系等の酸化防止剤等。 (7)その他:着色剤、顔料、帯電防止剤、防菌剤等。
粉;炭酸カルシウム等の無機化合物;臭素系、塩素系、
リン系等の難燃剤等。尚、難燃性には、燃焼性の低減、
延焼防止、水蒸気による引火点の消滅、燃焼熱量低減効
果等を含む。 (4)過冷却防止用:金属粉、高分子パラフィン(ワッ
クス)等。 (5)凝固点調整用:ワックス類等。 (6)酸化防止や経時的な劣化防止用:フェノール系、
チオ系、リン系等の酸化防止剤等。 (7)その他:着色剤、顔料、帯電防止剤、防菌剤等。
【0024】上記添加剤の使用量としては、例えば、燃
焼性を低減させるために、炭酸カルシウムを用いる場合
には、油性物質に対して、10〜40質量%とすること
が好ましい。
焼性を低減させるために、炭酸カルシウムを用いる場合
には、油性物質に対して、10〜40質量%とすること
が好ましい。
【0025】上記油性物質には、潜熱性を調整するため
の包接化合物を添加してもよい。上記包接化合物として
は、C4H8・O・17H2O、(CH3)3N・10.2
5H2O、(C4H9)4NCHO2・32H2O、(C
4H9)4NCH3CO2・32H2Oが好適である。これら
は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
の包接化合物を添加してもよい。上記包接化合物として
は、C4H8・O・17H2O、(CH3)3N・10.2
5H2O、(C4H9)4NCHO2・32H2O、(C
4H9)4NCH3CO2・32H2Oが好適である。これら
は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】本発明における水分散体を製造する方法と
しては、油性物質を水分散体とする方法を適用すればよ
く、例えば、界面活性剤を水性媒体に溶解させた水溶液
に、相変化により蓄熱性を有する油性物質を添加し、攪
拌等により乳化する方法が好適である。蓄熱体を製造す
るにあたり乳化に用いる機械は限定されず、一般的な機
械を使用することができる。例えば、プロペラ攪拌機、
高速回転攪拌機、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー、
コロイドミル、ロールミル、ローラーミル、サンドミ
ル、ボールミル、インライン式連続乳化機、超音波乳化
機、真空式練合機、真空式乳化機、解放式乳化機があ
る。水性媒体とは、水又は水と水に溶解する溶媒との混
合物であり、水;水とメタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール、アセトン、アセトニトリル等との混
合溶媒が好適であるが、これらの中でも、水のみを用い
ることが好ましい。水性媒体の使用量としては、油性物
質100質量%に対して、5.0質量%以上とすること
が好ましく、また、900質量%以下とすることが好ま
しい。
しては、油性物質を水分散体とする方法を適用すればよ
く、例えば、界面活性剤を水性媒体に溶解させた水溶液
に、相変化により蓄熱性を有する油性物質を添加し、攪
拌等により乳化する方法が好適である。蓄熱体を製造す
るにあたり乳化に用いる機械は限定されず、一般的な機
械を使用することができる。例えば、プロペラ攪拌機、
高速回転攪拌機、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー、
コロイドミル、ロールミル、ローラーミル、サンドミ
ル、ボールミル、インライン式連続乳化機、超音波乳化
機、真空式練合機、真空式乳化機、解放式乳化機があ
る。水性媒体とは、水又は水と水に溶解する溶媒との混
合物であり、水;水とメタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール、アセトン、アセトニトリル等との混
合溶媒が好適であるが、これらの中でも、水のみを用い
ることが好ましい。水性媒体の使用量としては、油性物
質100質量%に対して、5.0質量%以上とすること
が好ましく、また、900質量%以下とすることが好ま
しい。
【0027】本発明の蓄熱体は、相変化により蓄熱性を
有する油性物質と界面活性剤とを含有する水分散体を必
須としてなるものであるが、使用形態としては、乳化物
状の水分散体の形態とすることが好ましく、また、包装
材に充填された形態の蓄熱体として用いてもよい。この
ような蓄熱体が蓄熱装置を構成する蓄熱槽に貯留されて
用いられることが好ましい。
有する油性物質と界面活性剤とを含有する水分散体を必
須としてなるものであるが、使用形態としては、乳化物
状の水分散体の形態とすることが好ましく、また、包装
材に充填された形態の蓄熱体として用いてもよい。この
ような蓄熱体が蓄熱装置を構成する蓄熱槽に貯留されて
用いられることが好ましい。
【0028】本発明の蓄熱体は、乳化物状や包装状態等
の形態で各種の蓄熱装置に用いられるものであるが、こ
のような蓄熱装置としては、(1)蓄熱体が熱搬送媒体
となって熱交換を行うものや、(2)蓄熱体が貯留され
る蓄熱槽を備えてなり、熱媒体の熱交換を行うことがで
きるもの等が挙げられる。
の形態で各種の蓄熱装置に用いられるものであるが、こ
のような蓄熱装置としては、(1)蓄熱体が熱搬送媒体
となって熱交換を行うものや、(2)蓄熱体が貯留され
る蓄熱槽を備えてなり、熱媒体の熱交換を行うことがで
きるもの等が挙げられる。
【0029】上記(1)の蓄熱装置としては、水分散し
た蓄熱体を用いた蓄熱装置が好ましく、蓄熱体が蓄熱槽
と熱交換器との間を循環することにより、又は、蓄熱槽
の外部を循環することにより熱交換する蓄熱装置等が挙
げられ、このような蓄熱装置により熱搬送媒体システム
が形成されることになる。このように本発明の蓄熱体を
水分散した熱搬送媒体、本発明の蓄熱体を水分散した熱
搬送媒体を用いた蓄熱装置、及び、本発明の蓄熱体を水
分散した熱搬送媒体を用いた熱搬送媒体システムもま
た、本発明の蓄熱体の好ましい実施形態の一つであり、
地域冷暖房システム用や、ビル空調システム用の熱搬送
媒体システムに好ましく用いられることになる。
た蓄熱体を用いた蓄熱装置が好ましく、蓄熱体が蓄熱槽
と熱交換器との間を循環することにより、又は、蓄熱槽
の外部を循環することにより熱交換する蓄熱装置等が挙
げられ、このような蓄熱装置により熱搬送媒体システム
が形成されることになる。このように本発明の蓄熱体を
水分散した熱搬送媒体、本発明の蓄熱体を水分散した熱
搬送媒体を用いた蓄熱装置、及び、本発明の蓄熱体を水
分散した熱搬送媒体を用いた熱搬送媒体システムもま
た、本発明の蓄熱体の好ましい実施形態の一つであり、
地域冷暖房システム用や、ビル空調システム用の熱搬送
媒体システムに好ましく用いられることになる。
【0030】上記(2)の蓄熱装置は、蓄熱体が貯留さ
れる蓄熱槽を備えてなり、熱媒体の熱交換を行うことが
できるものであるが、蓄熱体を貯留してなるものが好ま
しく、このような蓄熱装置は、本発明の好ましい実施形
態の1つである。上記蓄熱体を貯留してなる蓄熱装置と
しては、蓄熱槽に熱交換手段を備えることで蓄熱装置の
外部で循環する熱媒体に対して熱エネルギーを授受でき
るようにしたものが好適であり、例えば、蓄熱体が貯留
する蓄熱槽中に熱媒体の熱交換を行う熱交換器を備えた
ものや、蓄熱槽中に乳化物状の水分散体が貯留したまま
熱媒体のみが蓄熱槽を通過するようにしたもの等が挙げ
られる。
れる蓄熱槽を備えてなり、熱媒体の熱交換を行うことが
できるものであるが、蓄熱体を貯留してなるものが好ま
しく、このような蓄熱装置は、本発明の好ましい実施形
態の1つである。上記蓄熱体を貯留してなる蓄熱装置と
しては、蓄熱槽に熱交換手段を備えることで蓄熱装置の
外部で循環する熱媒体に対して熱エネルギーを授受でき
るようにしたものが好適であり、例えば、蓄熱体が貯留
する蓄熱槽中に熱媒体の熱交換を行う熱交換器を備えた
ものや、蓄熱槽中に乳化物状の水分散体が貯留したまま
熱媒体のみが蓄熱槽を通過するようにしたもの等が挙げ
られる。
【0031】本発明の蓄熱体は、凝固点を調整しやすく
て蓄熱効率が向上するか、又は、凝固温度と融解温度が
近づくため、蓄熱時に凝固し易く放熱時の温度を低くす
ることを可能とし、かつ潜熱量が高められて蓄熱性能が
向上するものであるので、オフィスビルや工場等の大型
建造物用や家庭用等の冷暖房エネルギーの省力化や効率
化、環境保護の目的のための蓄熱装置を構成する材料と
して優れたものである。
て蓄熱効率が向上するか、又は、凝固温度と融解温度が
近づくため、蓄熱時に凝固し易く放熱時の温度を低くす
ることを可能とし、かつ潜熱量が高められて蓄熱性能が
向上するものであるので、オフィスビルや工場等の大型
建造物用や家庭用等の冷暖房エネルギーの省力化や効率
化、環境保護の目的のための蓄熱装置を構成する材料と
して優れたものである。
【0032】
【実施例】以下に実施例を揚げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。なお、特に断りのない限り、「部」は、
「重量部」を意味するものとする。
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。なお、特に断りのない限り、「部」は、
「重量部」を意味するものとする。
【0033】実施例1
内容量500mlのガラスビーカーに、ポリオキシエチ
レンソルビタンアルキルエステル(界面活性剤、花王社
製:商品名レオドールスーパーTW−L120)2.4
部を水(水系溶媒、かつ水性媒体)72.8部に添加
し、攪拌し溶解してなる水溶液を得た。次いで、油性物
質としての灯油より蒸留したパラフィン(1)(テトラ
デカン19.4質量%、ペンタデカン73.5質量%、
ヘキサデカン6.9質量%、ヘプタデカン0.2質量
%、成分数4、分散0.44)80部にショ糖脂肪酸エ
ステル(界面活性剤、第一工業製薬社製:商品名シュガ
ーワックスA−10E)4.8部を溶解し、上記水溶液
に添加し、攪拌機(特殊機化社製、TKホモミキサー)
により12000rpm、3分間攪拌し乳化した。更
に、上記乳化液に水240部を添加し、油性物質の濃度
が20質量%の水分散体を得た。これにより、本発明に
かかる蓄熱体(水分散体)1を得た。蓄熱体1の平均粒
子径は3μmであった。
レンソルビタンアルキルエステル(界面活性剤、花王社
製:商品名レオドールスーパーTW−L120)2.4
部を水(水系溶媒、かつ水性媒体)72.8部に添加
し、攪拌し溶解してなる水溶液を得た。次いで、油性物
質としての灯油より蒸留したパラフィン(1)(テトラ
デカン19.4質量%、ペンタデカン73.5質量%、
ヘキサデカン6.9質量%、ヘプタデカン0.2質量
%、成分数4、分散0.44)80部にショ糖脂肪酸エ
ステル(界面活性剤、第一工業製薬社製:商品名シュガ
ーワックスA−10E)4.8部を溶解し、上記水溶液
に添加し、攪拌機(特殊機化社製、TKホモミキサー)
により12000rpm、3分間攪拌し乳化した。更
に、上記乳化液に水240部を添加し、油性物質の濃度
が20質量%の水分散体を得た。これにより、本発明に
かかる蓄熱体(水分散体)1を得た。蓄熱体1の平均粒
子径は3μmであった。
【0034】得られた蓄熱体1について、所定の条件下
で示差走査熱量測定(DSC(differentia
l scanning calorimetry))を
行うことにより、凝固温度と融解温度とを求めた。示差
走査熱量測定には、マックサイエンス社製の示差走査熱
量DSC−3100Sを使用した。測定条件としては、
25℃から−20℃まで2℃/分の速度で冷却した後、
−20℃から25℃まで2℃/分の速度で昇温した。そ
の結果、凝固温度(凝固開始温度)は7.3℃、融解温
度(融解ピーク温度)は8.3℃であった。
で示差走査熱量測定(DSC(differentia
l scanning calorimetry))を
行うことにより、凝固温度と融解温度とを求めた。示差
走査熱量測定には、マックサイエンス社製の示差走査熱
量DSC−3100Sを使用した。測定条件としては、
25℃から−20℃まで2℃/分の速度で冷却した後、
−20℃から25℃まで2℃/分の速度で昇温した。そ
の結果、凝固温度(凝固開始温度)は7.3℃、融解温
度(融解ピーク温度)は8.3℃であった。
【0035】比較例1
実施例1において、パラフィン(1)の代わりにパラフ
ィン混合物(テトラデカン(和光純薬工業社製)12.
5質量%、ペンタデカン(和光純薬工業社製)87.5
質量%:成分数2、分散0.56)80部を用いた以外
は実施例1と同様にして比較蓄熱体1を得た。比較蓄熱
体1の平均粒子径は3μmであった。
ィン混合物(テトラデカン(和光純薬工業社製)12.
5質量%、ペンタデカン(和光純薬工業社製)87.5
質量%:成分数2、分散0.56)80部を用いた以外
は実施例1と同様にして比較蓄熱体1を得た。比較蓄熱
体1の平均粒子径は3μmであった。
【0036】得られた比較蓄熱体1について、実施例1
と同様にして凝固温度と融解温度とを求めた。その結
果、凝固温度は7.6℃、融解温度は8.5℃であっ
た。
と同様にして凝固温度と融解温度とを求めた。その結
果、凝固温度は7.6℃、融解温度は8.5℃であっ
た。
【0037】実施例1及び比較例1より、実施例1にお
ける灯油から蒸留できるパラフィン(1)は、比較例1
における試薬混合品に比べ、安価で任意の凝固点が可能
であることがわかった。
ける灯油から蒸留できるパラフィン(1)は、比較例1
における試薬混合品に比べ、安価で任意の凝固点が可能
であることがわかった。
【0038】実施例2
内容量500mlのガラスビーカーに、ポリオキシエチ
レンソルビタンアルキルエステル(界面活性剤、花王社
製:商品名レオドールスーパーTW−L120)6.9
部、ソルビタンアルキルエステル(界面活性剤、花王社
製:商品名レオドールSP−S30)1.6部、及びド
デシル硫酸ナトリウム0.1部を水(水系溶媒、かつ水
性媒体)71.4部に添加し、70℃に加熱して30分
間攪拌し溶解してなる水溶液を得た。次いで、油性物質
として、パラフィン(2)(ペンタデカン99.9質量
%、ヘキサデカン0.1質量%:成分数2、分散0.9
96)80部を上記水溶液に添加し、攪拌機(特殊機化
社製、TKホモミキサー)により12000rpm、3
分間攪拌し乳化した。更に、上記乳化液に水240部添
加し、油性物質の濃度が20質量%の水分散体を得た。
これにより、本発明にかかる蓄熱体(水分散体)2を得
た。蓄熱体2の平均粒子径は2μmであった。
レンソルビタンアルキルエステル(界面活性剤、花王社
製:商品名レオドールスーパーTW−L120)6.9
部、ソルビタンアルキルエステル(界面活性剤、花王社
製:商品名レオドールSP−S30)1.6部、及びド
デシル硫酸ナトリウム0.1部を水(水系溶媒、かつ水
性媒体)71.4部に添加し、70℃に加熱して30分
間攪拌し溶解してなる水溶液を得た。次いで、油性物質
として、パラフィン(2)(ペンタデカン99.9質量
%、ヘキサデカン0.1質量%:成分数2、分散0.9
96)80部を上記水溶液に添加し、攪拌機(特殊機化
社製、TKホモミキサー)により12000rpm、3
分間攪拌し乳化した。更に、上記乳化液に水240部添
加し、油性物質の濃度が20質量%の水分散体を得た。
これにより、本発明にかかる蓄熱体(水分散体)2を得
た。蓄熱体2の平均粒子径は2μmであった。
【0039】得られた蓄熱体2について、所定の条件下
で示差走査熱量測定(DSC(differentia
l scanning calorimetry))を
行うことにより、凝固温度と融解温度とを求めた。その
結果、凝固温度(凝固開始温度)は9.3℃、融解温度
(融解ピーク温度)は10.5℃、融点温度と凝固温度
の乖離は1.2℃であった。
で示差走査熱量測定(DSC(differentia
l scanning calorimetry))を
行うことにより、凝固温度と融解温度とを求めた。その
結果、凝固温度(凝固開始温度)は9.3℃、融解温度
(融解ピーク温度)は10.5℃、融点温度と凝固温度
の乖離は1.2℃であった。
【0040】比較例2
実施例2において、パラフィン(2)の代わりにパラフ
ィン(2’)(テトラデカン10.0質量%、ペンタデ
カン90.0質量%:成分数2、分散0.64)80部
を用いた以外は実施例2と同様にして比較蓄熱体2を得
た。比較蓄熱体2の平均粒子径は2μmであった。
ィン(2’)(テトラデカン10.0質量%、ペンタデ
カン90.0質量%:成分数2、分散0.64)80部
を用いた以外は実施例2と同様にして比較蓄熱体2を得
た。比較蓄熱体2の平均粒子径は2μmであった。
【0041】得られた比較蓄熱体2について、実施例2
と同様にして凝固温度と融解温度とを求めた。その結
果、凝固温度は7.2℃、融解温度は9.0℃、融点温
度と凝固温度の乖離は1.8℃で実施例2と比べると乖
離が大きかった。
と同様にして凝固温度と融解温度とを求めた。その結
果、凝固温度は7.2℃、融解温度は9.0℃、融点温
度と凝固温度の乖離は1.8℃で実施例2と比べると乖
離が大きかった。
【0042】実施例2及び比較例2より本発明において
融点温度と凝固点温度の乖離が少なくなることが分かっ
た。
融点温度と凝固点温度の乖離が少なくなることが分かっ
た。
【0043】
【発明の効果】本発明の蓄熱体は上述のような構成から
なり、凝固点を調整しやすくて蓄熱効率が向上した、又
は、凝固温度と融解温度が近づくため、蓄熱時に凝固し
易く放熱時の温度を低くすることを可能とし、かつ潜熱
量が高められて蓄熱性能が向上したものであるので、オ
フィスビルや工場等の大型建造物用や家庭用等の冷暖房
エネルギーの省力化や効率化、環境保護の目的のための
蓄熱装置を構成する材料として優れたものである。
なり、凝固点を調整しやすくて蓄熱効率が向上した、又
は、凝固温度と融解温度が近づくため、蓄熱時に凝固し
易く放熱時の温度を低くすることを可能とし、かつ潜熱
量が高められて蓄熱性能が向上したものであるので、オ
フィスビルや工場等の大型建造物用や家庭用等の冷暖房
エネルギーの省力化や効率化、環境保護の目的のための
蓄熱装置を構成する材料として優れたものである。
Claims (4)
- 【請求項1】 相変化により蓄熱性を有する油性物質と
界面活性剤とを含有する水分散体を必須としてなる蓄熱
体であって、該油性物質は、3成分以上により構成され
てなり、各成分の質量分率の分散が0.3以上0.5以
下であることを特徴とする蓄熱体。 - 【請求項2】 前記界面活性剤は、ポリオキシアルキレ
ンソルビタンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエ
ステル及びショ糖脂肪酸エステルからなる群より選択さ
れる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記
載の蓄熱体。 - 【請求項3】 相変化により蓄熱性を有する油性物質と
界面活性剤とを含有する水分散体を必須としてなる蓄熱
体であって、該油性物質は、2成分以上により構成され
てなり、各成分の質量分率の分散が0.9以上1.0未
満であることを特徴とする蓄熱体。 - 【請求項4】 前記油性物質は、炭素数が14、15、
17及び19からなる群より選択される少なくとも一種
の炭化水素化合物を主成分とすることを特徴とする請求
項3記載の蓄熱体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002126417A JP2003321674A (ja) | 2002-04-26 | 2002-04-26 | 蓄熱体 |
US10/423,031 US20040046147A1 (en) | 2002-04-26 | 2003-04-25 | Thermal storage medium, process for producing the same and thermal storage system using the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002126417A JP2003321674A (ja) | 2002-04-26 | 2002-04-26 | 蓄熱体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003321674A true JP2003321674A (ja) | 2003-11-14 |
Family
ID=29540835
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002126417A Withdrawn JP2003321674A (ja) | 2002-04-26 | 2002-04-26 | 蓄熱体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003321674A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008292919A (ja) * | 2007-05-28 | 2008-12-04 | Nishiyama Stainless Chem Kk | 表示装置 |
JP2018104912A (ja) * | 2016-12-22 | 2018-07-05 | 株式会社竹中工務店 | 地盤改良体及び地盤改良方法 |
JP2018104913A (ja) * | 2016-12-22 | 2018-07-05 | 株式会社竹中工務店 | 止水体及び止水方法 |
JP2018104914A (ja) * | 2016-12-22 | 2018-07-05 | 株式会社竹中工務店 | 改良地盤及び地盤改良方法 |
-
2002
- 2002-04-26 JP JP2002126417A patent/JP2003321674A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008292919A (ja) * | 2007-05-28 | 2008-12-04 | Nishiyama Stainless Chem Kk | 表示装置 |
JP2018104912A (ja) * | 2016-12-22 | 2018-07-05 | 株式会社竹中工務店 | 地盤改良体及び地盤改良方法 |
JP2018104913A (ja) * | 2016-12-22 | 2018-07-05 | 株式会社竹中工務店 | 止水体及び止水方法 |
JP2018104914A (ja) * | 2016-12-22 | 2018-07-05 | 株式会社竹中工務店 | 改良地盤及び地盤改良方法 |
JP7044338B2 (ja) | 2016-12-22 | 2022-03-30 | 株式会社竹中工務店 | 地盤改良体及び地盤改良方法 |
JP7044339B2 (ja) | 2016-12-22 | 2022-03-30 | 株式会社竹中工務店 | 改良地盤及び地盤改良方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041221 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20070418 |