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JP7044339B2 - 改良地盤及び地盤改良方法 - Google Patents

改良地盤及び地盤改良方法 Download PDF

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Description

本発明は、改良地盤及び地盤改良方法に関する。
下記特許文献1には、地盤に柱状固結体を形成して液状化を防止する地盤改良工法が示されている。この柱状固結体は、掘削機を用いて掘削穴を形成し、この掘削穴に攪拌混合されたグラウトと土砂とを充填することにより形成されている。また、掘削穴の周囲にもグラウトを脈状に圧入して、周辺地盤が液状化した際における柱状固結体の倒壊、浮上を防止している。
特開2013-68017号公報
上記特許文献1に記載された地盤改良工法では、掘削、攪拌混合、圧入などの工程を経て柱状固結体を形成する。そして、広い範囲を地盤改良する場合は、さらにこれらの工程を繰り返して柱状固結体を複数設ける必要があり施工手間がかかる。このため、地盤改良できる範囲が制限される。
本発明は、上記事実を考慮して、地盤改良範囲を自由に設定できる改良地盤及び地盤改良方法を提供することを目的とする。
一態様の地盤改良体は、地盤中で固化した状態の過冷却溶液で形成され、地盤凍結用パネルを含まない。
一態様の地盤改良体は、過冷却溶液を地盤に浸透させ、任意のタイミングで刺激を与えるか結晶剤を投入して固化させることで形成される。このため、地盤改良範囲を自由に設定できる。
これに対して例えば地盤へ浸透しにくいセメントを用いて広範囲を地盤改良する場合は、セメントと地盤中の土とを混合した地盤改良体を形成するため、オーガーなどの攪拌装置が必要となる。さらにこれを複数設ける必要があるため、施工に手間がかかる。また、薬液を注入する場合、使用する薬剤の種類や配合にもよるが、時間の経過とともに固化が進む。このため、一度の施工における地盤改良範囲には制限がある。
一態様の改良地盤は、前記過冷却溶液は、前記地盤の温度より融点が高い。
請求項1の地盤改良方法は、遮水壁で囲まれた地盤の温度より融点が高い過冷却溶液が浸透した前記地盤へ結晶剤を投入することにより、前記過冷却溶液を地盤中で固化させて改良地盤を形成する。
請求項2の地盤改良方法は、所定の面積を取り囲む遮水壁を地盤に構築する工程と、前記遮水壁の内側の前記地盤に注水井戸と揚水井戸とを構築する工程と、前記揚水井戸から地下水を汲み上げる工程と、前記注水井戸から前記地盤へ過冷却溶液を注入する工程と、前記過冷却溶液が浸透した前記地盤へ結晶剤を投入し、前記過冷却溶液を固化させて前記遮水壁の内側の前記地盤を硬化させる工程と、を有する。
請求項2の地盤改良方法では、過冷却溶液を遮水壁で囲まれた地盤に浸透させ、結晶剤を投入して過冷却溶液を固化させる。過冷却溶液は、結晶剤を投入するまで固化しないため、遮水壁で囲まれた地盤の全域に浸透してから固化させることができる。このため、遮水壁で囲まれた部分の規模に関わらず、その全域を地盤改良できる。すなわち地盤改良範囲を自由に設定できる。
これに対して例えば地盤へ浸透しにくいセメントを用いて地盤改良する場合は、セメントと地盤中の土とを混合した杭状の地盤改良体を形成し、これを複数設ける必要があるため、施工に手間がかかる。また、薬液を注入する場合、使用する薬剤の種類や配合にもよるが、時間の経過とともに固化が進むため、固化する時間の調整には限度がある。
請求項3の地盤改良方法は、前記過冷却溶液には凝固点を下げる界面活性剤が添加されている。
請求項3の地盤改良方法では、界面活性剤により過冷却溶液の凝固点が下げられている。過冷却溶液は、融点よりも温度が低く凝固点に温度が近くなればなる程、過冷却状態が不安定になり、結晶剤を与えなくても刺激を受けて固化し易くなる。すなわち、意図しないタイミングで固化し易くなる。界面活性剤により過冷却溶液の凝固点を下げることで、温度が低い状態でも過冷却状態を安定させることができる。
本発明に係る改良地盤及び地盤改良方法によると、広い範囲を地盤改良しやすい。
本発明の実施形態に係る改良地盤及び地盤改良方法に用いる過冷却溶液を冷却した際の冷却時間と過冷却溶液の温度との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る過冷却溶液としての酢酸ナトリウム3水和物を用いた強度試験体において、水の混合割合に応じた一軸圧縮強度を示すプロット図である。 本発明の実施形態に係る過冷却溶液としての酢酸ナトリウム3水和物を用いた強度試験体において、水の混合割合に応じた歪みと圧縮応力との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る地盤改良方法を示す断面図であり、(A)は地盤に遮水壁、注水井戸及び揚水井戸を構築した状態を示し、(B)は地盤に過冷却溶液を注入している状態を示し、(C)は注水井戸へ結晶剤を投入している状態を示し、(D)は結晶剤により過冷却溶液の固化反応が進行している状況を示し、(E)は過冷却溶液が固化して改良地盤が形成された状態を示している。
(改良地盤)
本実施形態に係る改良地盤G2は図4(E)に示すように、過冷却溶液としての酢酸ナトリウム3水和物(CHCOONa・3HO)が遮水壁50に囲まれた地盤G中で固化することにより形成された硬化地盤である。
(過冷却溶液)
図1に示すように、過冷却溶液は融点よりも高い温度域では過冷却溶液以外の液体と同様に、液体状態を保持する(A~B)。そして過冷却溶液は、融点以下の温度域に冷却されても固体化せず液体状態を保持する(B~C)。この現象のことを「過冷却」といい、この状態のことを「過冷却状態」という。液体状態(A~C)の過冷却溶液は、粘度がセメントよりも低く、地盤における透水層若しくは不透水層へ圧入することで地盤へ浸透させることができる。
過冷却状態の過冷却溶液は振動等の刺激が与えられると、刺激が与えられた箇所から結晶化が始まり、凝固熱を発しながら固化する(C~D)。なお、過冷却状態の過冷却溶液を固化させるためには、刺激を与える方法の他、結晶剤(結晶化した固体状の過冷却溶液)を過冷却状態の過冷却溶液中に投入する方法や、結晶剤に向かって過冷却状態の過冷却溶液を注入する方法や、凝固点まで冷却する方法などがある。
なお、過冷却状態の過冷却溶液は、刺激を与えず、また結晶剤と接触させずに冷却を続けると液体の状態が保持される。液体状態を保持しながら冷却を続けるとやがて凝固点に達し固化する。この融点と凝固点の差を過冷却度と言う。過冷却度が小さくなればなる程、過冷却状態が不安定になり、過冷却度が大きい状態と比較して、より弱い刺激によって固化する。換言すると、過冷却状態の過冷却溶液が2種類ある場合、凝固点が高い過冷却溶液のほうが、凝固点が低い過冷却溶液よりも不安定な状態であり、意図しない刺激で固化する蓋然性が高い。
一旦固化した過冷却溶液は、融点まで加熱されない限り、固体の状態が保持される(D~E)。本実施形態における改良地盤G2は、土粒子の間へ浸透した固体の状態の過冷却溶液の圧縮強度を利用して地盤Gを硬化させて地盤改良するものである。
なお、本実施形態における「融点」とは、固化した状態の過冷却溶液が融解する温度のことであり、「凝固点」とは、液体化した状態の過冷却溶液が固化する温度のことである。
本実施形態における過冷却溶液は、酢酸ナトリウム無水に対して水を100:66の割合(分子量比)で混合、加熱融解させて生成された酢酸ナトリウム3水和物を含んでいる。この酢酸ナトリウム3水和物を含んだ過冷却溶液は、地盤中温度(セ氏10~20℃)で過冷却状態を維持する物質であり、融点は約58.0℃である。また、凝固点は0℃以下である。この凝固点は、後述する界面活性剤により調整されている。これにより過冷却溶液は地盤中で、融点よりも温度が低く、且、凝固点よりも温度が高い過冷却状態が維持され、刺激あるいは結晶剤の投入により固化できる。また、固化した後は地盤が58.0℃以上に熱せられない限り融解しない。
(界面活性剤)
本実施形態における過冷却溶液には、酢酸ナトリウム3水和物の他、界面活性剤として、オキシカルボン酸塩系のフローリック(登録商標)Tが添加されている。これにより、過冷却溶液の凝固点が任意の温度(本実施形態においては0℃以下)に調整されている。
この界面活性剤を用いると、例えば過冷却溶液の凝固点を低くすることができる。過冷却溶液の凝固点が低くなれば、過冷却状態での安定性が高くなるので、意図しない刺激(路面を走る車両の振動や、微細な地震動など)を受けて固化することを抑制できる。
(地盤改良方法)
本実施形態における地盤改良方法は、図4(A)~(E)に示された地盤Gにおいて、土質を改良する対象範囲を囲むように遮水壁50を構築し、遮水壁50で囲まれた内側に改良地盤G2を構築する方法である。
改良地盤G2を構築するには、まず図4(A)に示すように、所定の面積を取り囲む遮水壁50を地盤Gに構築する。なお遮水壁50は、図4(A)~(E)における紙面の奥側と手前側にも形成され、平面視で枠状に形成されている。
地盤Gは、地下水が流れる透水層GH及び地下水が流れない不透水層GEを備えている。
遮水壁50はセメント改良体で形成された遮水手段であり、下端は不透水層GEに根入れされている。これにより遮水壁50の「外側」の地盤Gにおける地下水の流れと、遮水壁50の「内側」の地盤Gにおける地下水の流れとを、相互に影響を及ぼさないようにしている。なお、遮水壁50はセメント改良体に限らず、鋼製矢板(シートパイル)やコンクリートなどにより形成してもよい。
遮水壁50の構築後、遮水壁50の内側に注水井戸52及び揚水井戸54を構築する。注水井戸52は、地盤改良装置60で生成された過冷却溶液を地盤Gに注入する注入手段であり、図示しないポンプ等により過冷却溶液を地盤G内に送ることができる。また、揚水井戸54は、地盤Gから地下水を揚水する揚水手段であり、揚水ポンプPにより透水層GHの地下水を吸い上げて、地盤改良装置60に送ることができる。揚水ポンプPは、地盤改良装置60によって制御される。なお、注水井戸52及び揚水井戸54は、それぞれ遮水壁50の内側に複数本設置することができる。
次に図4(B)に示すように、地盤改良装置60を稼動させて、揚水井戸54から地下水を汲み上げる。揚水井戸54から汲み上げられた地下水は遮水壁50の外側へ排出される。また、地盤改良装置60は注水井戸52に過冷却状態の過冷却溶液を送り、注水井戸52から透水層GHへ過冷却溶液が注入される。揚水井戸54から地下水を揚水することで、注水井戸52から揚水井戸54へ向かう地下水の流れが形成され、これにより遮水壁50の内側の地盤Gにおける透水層GHの地下水が、徐々に過冷却溶液によって置換される。
地盤Gの温度は一般に10~20℃であり、過冷却溶液の融点(約58.0℃)よりも温度が低く、且、凝固点(0℃以下)よりも温度が高い状態であるため、過冷却溶液は過冷却状態が維持される。
遮水壁50の内側の透水層GHに過冷却溶液が浸透した後、図4(C)に示すように、注水井戸52へ結晶剤32を投入する。なお、透水層GHに過冷却溶液が浸透したことは、揚水井戸54または遮水壁50の内側の地盤Gに別途設けた観測井戸から地下水を採取し、過冷却溶液濃度が測定値以上になったことで判断される。なお、注水井戸52や揚水井戸54からも地下水を採取し、過冷却溶液濃度を好適に測定できる。
注水井戸52に投入された結晶剤32は酢酸ナトリウム3水和物が固化した結晶体であり、注水井戸52に投入されて過冷却状態の過冷却溶液と接触し、過冷却溶液を固化させる。さらに過冷却溶液は、図4(D)に示すように結晶剤32と接触することで固化した部分から固化反応が伝播して、固化した部分の周囲の部分から徐々に固化し始める。その後、図4(E)に示すように、遮水壁50の内側に、過冷却溶液が固化して形成された改良地盤G2が構築される。
(作用・効果)
本実施形態における地盤改良方法においては、セメントよりも粘度が小さい過冷却溶液を地盤Gへ浸透させる。また、過冷却溶液は、結晶剤32を投入するまで固化しないため、遮水壁50で囲まれた地盤Gの全域に浸透させてから固化することができる。このため、遮水壁50で囲まれた部分の規模の大小に関わらず地盤改良できる。例えば、住宅1棟程度の規模や複数街区に亘る規模など、様々な規模の面積を地盤改良できる。
また、本実施形態における地盤改良方法においては、地上部分には注水井戸52、揚水井戸54、地盤改良装置60をそれぞれ設置する場所を確保すればよい。すなわち、地上に既存の建物が建てられている地盤でも地盤改良することができる。
これに対して地盤へ浸透しにくいセメントを用いて地盤改良する場合、大規模な面積を地盤改良するためには、セメントと地盤中の土とを混合した杭状の地盤改良体を形成し、これを複数設ける必要がある。このため、施工に手間がかかる。また、この地盤改良体は地盤を上部から掘削することで形成されるため、地盤の上部に建物が建てられている場合、地盤改良することが難しい。
このように、本実施形態における地盤改良方法においては既存建物が建てられた広範囲の地盤を地盤改良できる。また、改良地盤G2においては、透水層GHにおける地下水が固化された過冷却溶液に置換されているので、例えば地震動が加わっても液状化しにくい。このため液状化対策に有効である。
また、本実施形態における地盤改良方法において、液体の過冷却溶液が浸透した状態の地盤G(図4(C)参照)は、注水井戸52へ投入した結晶剤32と接触した部分から固化反応が伝播する。このため例えばセメントの硬化反応と比較して速やかに固化させることができる。したがって改良地盤G2の施工スピードを早くできる。
また、本実施形態における地盤改良方法においては、過冷却状態(15℃)の過冷却溶液を地盤Gへ注入する。このため、地盤Gへ注入後、任意のタイミングで(例えば即座に)固化させることができる。
これに対して過冷却状態ではない(融点よりも温度が高い、例えば60℃)過冷却溶液を地盤Gへ注入する場合、過冷却溶液を固化させるためには、地盤Gの地熱(10~20℃)によって融点(58℃)以下まで冷やす必要がある。このため、過冷却溶液が冷やされて温度が融点以下になるまでは、固化させることができない。
なお、本実施形態においては揚水井戸22から引き上げられた地下水は遮水壁50の外側へ排出するものとしたが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば地下水は不純物を取り除いた後、酢酸ナトリウム無水と混合、加熱融解させて過冷却溶液を生成してもよい。揚水井戸22から引き上げられた地下水から過冷却溶液を生成することで、排水量を減らすことができる。
また、本実施形態においては過冷却溶液を生成し揚水ポンプPを制御するために地盤改良装置60を用いているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば地盤改良装置60を用いずに、過冷却溶液は予め工場などで生成して注水井戸52へ注入し、揚水ポンプPは作業員が操作するものとしてもよい。地盤改良装置60を設けなければ、地表面に設置する装置を減らすことができるので、建物が密集している場所においても地盤改良しやすい。
また、本実施形態においては結晶剤32を注水井戸52へ投入したが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば揚水井戸54へ投入してもよいし、注水井戸52と揚水井戸54の双方へ投入してもよい。また、遮水壁50の内側の地盤Gへ別途投入孔を設け、この投入孔へ結晶剤32を投入してもよい。結晶剤32を複数箇所から投入することで、過冷却溶液の固化起点が多くなるので、反応を促進させることができる。なお、本発明における「地盤へ結晶剤を投入」するとは、これらの実施形態を総称したものを言う。
また、本実施形態における過冷却溶液に用いられている酢酸ナトリウム3水和物は、酢酸ナトリウム無水に対して水が100:66の割合で混合、加熱融解させて生成されているが、本発明の実施形態はこれに限らない。
例えば、酢酸ナトリウム無水と水との混合比を変えてもよい。水の混合比を大きくすると、過冷却溶液の過冷却状態における安定性が高くなる。
酢酸ナトリウム無水と水の混合比を変えた過冷却溶液の具体例として、図2、図3には、酢酸ナトリウム無水に対する水の分子量比を100:66、75、80、90とした酢酸ナトリウム3水和物に関するデータが示されている。
図2に示されたデータは、硅砂5号(粒径約5mm程度の硅砂)を35%の間隙率で充填した柱状体に、酢酸ナトリウム無水に対する水の分子量比を100:66、75、80、90とした酢酸ナトリウム3水和物を浸透させ、固化させた試験体の一軸圧縮強度である。また、図3に示されたデータは、一軸圧縮強度試験において各試験体に圧力をかけた際に発生する圧縮応力と歪みの関係である。
酢酸ナトリウム無水に対する水の分子量比が多くなると、図2に示されるように、一軸圧縮強度が小さくなる。一方で、図3に示されるように、圧縮応力に対する歪みが多くなる。すなわち、酢酸ナトリウム3水和物における水の混合割合が多くなると、地盤改良体の支持力が小さくなる一方で、展性が高く脆性破壊しにくくなる。
このように、酢酸ナトリウム無水と水との混合比を変えることにより、求められる性能に応じた地盤改良体を形成することができる。
なお、本実施形態においては、過冷却溶液に酢酸ナトリウム3水和物を用いたが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば硫酸ナトリウム10水和物(NaSO・10HO、融点32.0~38.0℃)、チオ硫酸ナトリウム5水和物(Na・5HO、融点48.3℃)、リン酸2ナトリウム12水和物(NaHPO・12HO、融点35.0℃)、塩化カルシウム6水和物(CaCl・6HO、融点30.0℃)、酢酸カルシウム1水和物(CCaO・HO、融点100~150℃)、酢酸マグネシウム4水和物(CMgO・4HO、融点79.0℃)、酢酸カリウム(CKO、融点292℃)、フッ化カリウム4水和物(KF・4HO、融点18.5℃)、エリスリトール(C12、融点119℃)、マンニトール(C14、融点167℃)など、地盤Gの温度よりも融点が高い各種の物質を用いることができる。
また、これらの過冷却溶液は、界面活性剤を添加することで凝固点を任意の温度に調整し、地盤中において安定した過冷却状態を維持することができる。なお、過冷却溶液に界面活性剤を添加することは必ずしも必要ではなく、地盤の温度、過冷却状態を安定に保つ必要性などに応じて適用の有無を選択することができる。
32 結晶剤
50 遮水壁
52 注水井戸
54 揚水井戸
G 地盤
G2 改良地盤

Claims (3)

  1. 遮水壁で囲まれた地盤の温度より融点が高い過冷却溶液が浸透した前記地盤へ結晶剤を投入することにより、前記過冷却溶液を地盤中で固化させて改良地盤を形成する地盤改良方法。
  2. 所定の面積を取り囲む遮水壁を地盤に構築する工程と、
    前記遮水壁の内側の前記地盤に注水井戸と揚水井戸とを構築する工程と、
    前記揚水井戸から地下水を汲み上げる工程と、
    前記注水井戸から前記地盤へ過冷却溶液を注入する工程と、
    前記過冷却溶液が浸透した前記地盤へ結晶剤を投入し、前記過冷却溶液を固化させて前記遮水壁の内側の前記地盤を硬化させる工程と、
    を有する地盤改良方法。
  3. 前記過冷却溶液には凝固点を下げる界面活性剤が添加されている、請求項2に記載の地盤改良方法。
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