JP2003202011A - 締結具の共回り防止装置 - Google Patents
締結具の共回り防止装置Info
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- JP2003202011A JP2003202011A JP2002001240A JP2002001240A JP2003202011A JP 2003202011 A JP2003202011 A JP 2003202011A JP 2002001240 A JP2002001240 A JP 2002001240A JP 2002001240 A JP2002001240 A JP 2002001240A JP 2003202011 A JP2003202011 A JP 2003202011A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 締結具の経時的な劣化、作業場所等、作業条
件に拘らず、締結具の座面を確実に密着させて締結する
ことができ、かつ緩特時においても共回りを確実に防止
する。 【解決手段】 ボルト10及びナット20の一方に突出
部22を形成することで、ナット20をスパナを回転さ
せたときのボルト10の共回り時に突出部22が縦壁部
12Aと干渉し、共回りを防止することができる。
件に拘らず、締結具の座面を確実に密着させて締結する
ことができ、かつ緩特時においても共回りを確実に防止
する。 【解決手段】 ボルト10及びナット20の一方に突出
部22を形成することで、ナット20をスパナを回転さ
せたときのボルト10の共回り時に突出部22が縦壁部
12Aと干渉し、共回りを防止することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雄ねじが形成され
た軸部と、内周面に前記雄ねじが螺合可能な雌ねじが設
けられた筒体とで構成された一対の締結具を用いて、被
締結部材を締結する、或いは前記被締結部材から緩解す
るときの回転操作に伴って、前記一対の締結具が共回り
することを防止するための締結具の共回り防止装置に関
するものである。
た軸部と、内周面に前記雄ねじが螺合可能な雌ねじが設
けられた筒体とで構成された一対の締結具を用いて、被
締結部材を締結する、或いは前記被締結部材から緩解す
るときの回転操作に伴って、前記一対の締結具が共回り
することを防止するための締結具の共回り防止装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
例えば、2個の部材を重ねて締結する締結具として、ボ
ルトとナットが用いられる。この種のボルトとナットの
締結構造において、ボルトとナットが共回りして、締め
付けができない場合がある。また、締め付けられたボル
トとナットを緩める場合にも、同様に共回りして、取り
外すことができない場合がある。この共回りを防止する
ための改良技術が種々提案されている。
例えば、2個の部材を重ねて締結する締結具として、ボ
ルトとナットが用いられる。この種のボルトとナットの
締結構造において、ボルトとナットが共回りして、締め
付けができない場合がある。また、締め付けられたボル
トとナットを緩める場合にも、同様に共回りして、取り
外すことができない場合がある。この共回りを防止する
ための改良技術が種々提案されている。
【0003】例えば特開平2−168010号公報(以
下、先行技術1という)では、ボルトの座面に近い軸部
の外周面に少なくとも2箇所の突部を設け、この突部が
被締結部材に設けた下穴に嵌合することで、ボルトの回
転を阻止することが提案されている。
下、先行技術1という)では、ボルトの座面に近い軸部
の外周面に少なくとも2箇所の突部を設け、この突部が
被締結部材に設けた下穴に嵌合することで、ボルトの回
転を阻止することが提案されている。
【0004】この先行技術1では、締結時はよいが、緩
めるときボルトの下穴への嵌合状態が持続して、抜けな
くなる可能性がある。
めるときボルトの下穴への嵌合状態が持続して、抜けな
くなる可能性がある。
【0005】また、実開昭61−184117号公報
(以下、先行技術2という)、実開平2−6813号公
報(以下、先行技術3という)及び特開平10−318
237号公報(以下、先行技術4という)には、ボルト
又はナットの座面に被締結部材に接触する突起を設け、
この突起が被締結部材に噛み合うことで、ボルト又はナ
ットの何れか一方の回転を阻止することが開示されてい
る。
(以下、先行技術2という)、実開平2−6813号公
報(以下、先行技術3という)及び特開平10−318
237号公報(以下、先行技術4という)には、ボルト
又はナットの座面に被締結部材に接触する突起を設け、
この突起が被締結部材に噛み合うことで、ボルト又はナ
ットの何れか一方の回転を阻止することが開示されてい
る。
【0006】この先行技術2〜4においては、回転は阻
止されるが、座面と被締結部材との密着性が損なわれ、
荷重をとらえる面積が少なく、設計上の強度に問題を生
じることがある。
止されるが、座面と被締結部材との密着性が損なわれ、
荷重をとらえる面積が少なく、設計上の強度に問題を生
じることがある。
【0007】なお、先行技術4では、被締結部材を変形
させることが前提となっており(突起の回転によって被
締結部材を盛り上がらせ、突起の周りに設けた凹部に入
り込ませる)被締結部材に傷が残るある。このため、密
着面積をある程度確保することができるものの、後にな
ってボルトとナットを交換する際には、この変形部が邪
魔なり、密着面積が低下する。また、被締結部材が焼き
入れ等がなされた硬質部材では変形が見込まれず、汎用
性に欠けるという問題がある。
させることが前提となっており(突起の回転によって被
締結部材を盛り上がらせ、突起の周りに設けた凹部に入
り込ませる)被締結部材に傷が残るある。このため、密
着面積をある程度確保することができるものの、後にな
ってボルトとナットを交換する際には、この変形部が邪
魔なり、密着面積が低下する。また、被締結部材が焼き
入れ等がなされた硬質部材では変形が見込まれず、汎用
性に欠けるという問題がある。
【0008】なお、関連技術として、特開平7−269
544号公報(先行技術5という)には、ボルト・ナッ
トの締め付けにおいて、ボルト・ナットを回り止めした
際のボルト・ナットがクランク駒の凹部に強く噛み込
み、アンクランプ動作を阻害する不具合を解決したボル
ト・ナットの共回り止め装置が提案されている。
544号公報(先行技術5という)には、ボルト・ナッ
トの締め付けにおいて、ボルト・ナットを回り止めした
際のボルト・ナットがクランク駒の凹部に強く噛み込
み、アンクランプ動作を阻害する不具合を解決したボル
ト・ナットの共回り止め装置が提案されている。
【0009】この先行技術5に用いる共回り止め装置
は、別治工具によるものであり、自動ライン作業工程の
一部等、限られた場所のみに用いられるものであり、建
設工事現場等で適用されるものではなく、汎用性は全く
ない。
は、別治工具によるものであり、自動ライン作業工程の
一部等、限られた場所のみに用いられるものであり、建
設工事現場等で適用されるものではなく、汎用性は全く
ない。
【0010】また、上記先行技術1〜5では、主に締結
時の回り止めを主体に考えられており、緩めるときのこ
とは付随的に記載されている。
時の回り止めを主体に考えられており、緩めるときのこ
とは付随的に記載されている。
【0011】このため、既に締結状態にあるボルト・ナ
ットにおいて、ねじ山の痛み、つぶれ、錆び、塗装等で
ボルト・ナットが汚れているような場合(経時的な劣
化)、最初の締め付け状態が緩んだ後も継続して共回り
し、上記先行技術1〜4では、全く機能を発揮しなくな
る。
ットにおいて、ねじ山の痛み、つぶれ、錆び、塗装等で
ボルト・ナットが汚れているような場合(経時的な劣
化)、最初の締め付け状態が緩んだ後も継続して共回り
し、上記先行技術1〜4では、全く機能を発揮しなくな
る。
【0012】すなわち、締め付けは一方にスパナを合わ
せればよいが、緩めるときは一方をスパナ等で固定し、
もう一方を別のスパナで回すといった従来の作業が必要
となり、手の入らない狭い場所や高所での作業性が依然
として低下しているのが現状である。
せればよいが、緩めるときは一方をスパナ等で固定し、
もう一方を別のスパナで回すといった従来の作業が必要
となり、手の入らない狭い場所や高所での作業性が依然
として低下しているのが現状である。
【0013】本発明は、上記事実を考慮し、締結具の経
時的な劣化、作業場所等、作業条件に拘らず、締結具の
座面を確実に密着させて締結することができ、かつ緩特
時においても共回りを確実に防止することができる締結
具の共回り防止装置を得ることが目的である。
時的な劣化、作業場所等、作業条件に拘らず、締結具の
座面を確実に密着させて締結することができ、かつ緩特
時においても共回りを確実に防止することができる締結
具の共回り防止装置を得ることが目的である。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、雄ねじが形成
された軸部と、内周面に前記雄ねじが螺合可能な雌ねじ
が設けられた筒体とで構成された一対の締結具を用い
て、被締結部材を締結する、或いは前記被締結部材から
緩解するときの回転操作に伴って、前記一対の締結具が
共回りすることを防止するための締結具の共回り防止装
置であって、前記一対の締結具における前記の少なくと
も一方に設けられ、当該締結具の周面から半径方向に突
出した突出部を設けたことを特徴としている。
された軸部と、内周面に前記雄ねじが螺合可能な雌ねじ
が設けられた筒体とで構成された一対の締結具を用い
て、被締結部材を締結する、或いは前記被締結部材から
緩解するときの回転操作に伴って、前記一対の締結具が
共回りすることを防止するための締結具の共回り防止装
置であって、前記一対の締結具における前記の少なくと
も一方に設けられ、当該締結具の周面から半径方向に突
出した突出部を設けたことを特徴としている。
【0015】本発明によれば、締結具の半径方向に突出
部を設けることで、この突出部の回転軌跡上に何らかの
干渉物が存在していれば、締結具の共回りがおきても、
1周の範囲内で回転が阻止されるため、それ以降の共回
りが防止できる。
部を設けることで、この突出部の回転軌跡上に何らかの
干渉物が存在していれば、締結具の共回りがおきても、
1周の範囲内で回転が阻止されるため、それ以降の共回
りが防止できる。
【0016】この場合、干渉物の高さ分、回転が阻止さ
れるため、締結部を緩めるときも回転阻止が持続され、
経時的に劣化した締結具であっても簡単に取り外すこと
ができる。
れるため、締結部を緩めるときも回転阻止が持続され、
経時的に劣化した締結具であっても簡単に取り外すこと
ができる。
【0017】また、この発明において、前記一対の締結
具の内の軸部が六角ボルトであり、筒体が六角ナットで
あり、前記突出部は、六角ボルト又は六角ナットの周面
に形成された6個の平面の一部に形成されていることを
特徴とする。
具の内の軸部が六角ボルトであり、筒体が六角ナットで
あり、前記突出部は、六角ボルト又は六角ナットの周面
に形成された6個の平面の一部に形成されていることを
特徴とする。
【0018】六角ボルト又は六角ナットであれば、その
周面に形成された6個の平面の一部に突出部を形成する
ことができる。
周面に形成された6個の平面の一部に突出部を形成する
ことができる。
【0019】さらに、この発明において、前記突出部
が、着脱可能であることを特徴とする。
が、着脱可能であることを特徴とする。
【0020】すなわち、必要に応じて突出部を着脱する
ことで、例えば、経時的な劣化によって緩め難い状態で
の締結具(ボルト・ナット)を緩めるときにのみ突出部
を設けることもできる。
ことで、例えば、経時的な劣化によって緩め難い状態で
の締結具(ボルト・ナット)を緩めるときにのみ突出部
を設けることもできる。
【0021】また、前記突出部における前記締結具の回
転中心を中心とする回転移動軌跡上に、当該突出部の移
動を阻止する阻止部材が設けられていることを特徴とす
る。
転中心を中心とする回転移動軌跡上に、当該突出部の移
動を阻止する阻止部材が設けられていることを特徴とす
る。
【0022】干渉部材としては、構造上の縦壁等が利用
できるが、このようなものが存在しない場合、突出部と
干渉する位置に別途阻止部材を設ける必要がある。これ
により、突出部の回転を阻止することができる。
できるが、このようなものが存在しない場合、突出部と
干渉する位置に別途阻止部材を設ける必要がある。これ
により、突出部の回転を阻止することができる。
【0023】さらに、前記阻止部材が、少なくとも軸部
に対して頭部を有するボルト又はリベットであることを
特徴とする。
に対して頭部を有するボルト又はリベットであることを
特徴とする。
【0024】阻止部材としては、ダミーのボルト・ナッ
ト或いはリベット(被締結部材の締め付けに何ら寄与せ
ず、後で交換等が不要なもの)を設けることが好まし
い。
ト或いはリベット(被締結部材の締め付けに何ら寄与せ
ず、後で交換等が不要なもの)を設けることが好まし
い。
【0025】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1及び図
2には、第1の実施の形態に係る締結具共回り防止装置
が適用された締結具としての六角ボルト10(以下、単
にボルト10という)による締結部が示されている。
2には、第1の実施の形態に係る締結具共回り防止装置
が適用された締結具としての六角ボルト10(以下、単
にボルト10という)による締結部が示されている。
【0026】被締結部材としての一対の板材12、14
は、互いに密着されており、それぞれに形成された下穴
16、18が同軸上に配置されている。
は、互いに密着されており、それぞれに形成された下穴
16、18が同軸上に配置されている。
【0027】この下穴16、18には、前記ボルト10
の軸部10Aが挿通されている。
の軸部10Aが挿通されている。
【0028】この下穴16、18に挿通された軸部10
Aには、前記ボルト10と共に締結具を構成する六角ナ
ット20(以下、単にナット20という)が螺合されて
いる。ボルト10及びナット20を用いて、前記一対の
板材12、14を締め付ける際には、図示しないスパナ
をナット20の互いに並行な対向面に嵌めこみ回転(通
常は移動方向に対して右回り)させることで、軸部10
Aとの螺合によって、徐々に下側の板材14に接近して
いき、最終的には、ボルト10の頭部10Bとの間で一
対の板材12、14を挟持するこTができる。
Aには、前記ボルト10と共に締結具を構成する六角ナ
ット20(以下、単にナット20という)が螺合されて
いる。ボルト10及びナット20を用いて、前記一対の
板材12、14を締め付ける際には、図示しないスパナ
をナット20の互いに並行な対向面に嵌めこみ回転(通
常は移動方向に対して右回り)させることで、軸部10
Aとの螺合によって、徐々に下側の板材14に接近して
いき、最終的には、ボルト10の頭部10Bとの間で一
対の板材12、14を挟持するこTができる。
【0029】ここで、ボルト10の頭部10Bの六角形
の周面の1面からは、半径方向に突出された棒状の突出
部22が形成されている。また、上側の板材12には、
前記下穴16の近傍に縦壁部12Aが形成されている。
この縦壁部12Aは、前記突出部22におけるボルト1
0の回転軸芯を中心とする回転移動軌跡上に配置されて
いる。このため、ボルト10が回転すると、突出部22
は、縦壁部12Aに干渉することになり、この干渉によ
ってボルト10の回転が阻止される。
の周面の1面からは、半径方向に突出された棒状の突出
部22が形成されている。また、上側の板材12には、
前記下穴16の近傍に縦壁部12Aが形成されている。
この縦壁部12Aは、前記突出部22におけるボルト1
0の回転軸芯を中心とする回転移動軌跡上に配置されて
いる。このため、ボルト10が回転すると、突出部22
は、縦壁部12Aに干渉することになり、この干渉によ
ってボルト10の回転が阻止される。
【0030】すなわち、図2の破線の状態になる突出部
22が、ボルト10が右回り(図2の時計回り方向)に
回転すると、図2の二点鎖線の状態となって、それ以後
の回転が阻止される。また、ボルト10が左回り(図2
の反時計回り方向)に回転すると、図2の実線の状態と
なって、それ以後の回転が阻止される。
22が、ボルト10が右回り(図2の時計回り方向)に
回転すると、図2の二点鎖線の状態となって、それ以後
の回転が阻止される。また、ボルト10が左回り(図2
の反時計回り方向)に回転すると、図2の実線の状態と
なって、それ以後の回転が阻止される。
【0031】このため、ナット20をスパナによって締
め付け方向或いは緩める方向の何れに回転させても、1
周以下でボルト10は突出部22が縦壁部12Aに干渉
し、その回転が阻止されるため、ナット20の回転に応
じたボルト10の共回りが防止される。
め付け方向或いは緩める方向の何れに回転させても、1
周以下でボルト10は突出部22が縦壁部12Aに干渉
し、その回転が阻止されるため、ナット20の回転に応
じたボルト10の共回りが防止される。
【0032】以下に第1の実施の形態の作用を説明す
る。
る。
【0033】一対の板材12、14を密着固定する場
合、それぞれの板材12、14の所定の位置に下穴1
6、18を設ける。この下穴16、18の径は、適用す
るボルト10及びナット20のサイズに合わせて形成す
る。例えば、軸部10Aの径が6mmのボルト10の場
合には、8mmから10mm程度の下穴16、18が形
成される。なお、この下穴16、18の径は、ボルト1
0の頭部10Bの最小径よりも小さい。
合、それぞれの板材12、14の所定の位置に下穴1
6、18を設ける。この下穴16、18の径は、適用す
るボルト10及びナット20のサイズに合わせて形成す
る。例えば、軸部10Aの径が6mmのボルト10の場
合には、8mmから10mm程度の下穴16、18が形
成される。なお、この下穴16、18の径は、ボルト1
0の頭部10Bの最小径よりも小さい。
【0034】次に、一対の板材12、14を合わせる
が、このとき、前記下穴16、18が同軸となるように
合わせる。上記下穴16、18にボルト10の軸部10
Aを挿通し、下側の板材14から突出した軸部10Aの
先端にナット20を合わせ、回転させることで螺合させ
る。この回転は、スパナを用いて回転させることで、螺
合によってナット20は徐々に下側の板材14に接近し
ていく。
が、このとき、前記下穴16、18が同軸となるように
合わせる。上記下穴16、18にボルト10の軸部10
Aを挿通し、下側の板材14から突出した軸部10Aの
先端にナット20を合わせ、回転させることで螺合させ
る。この回転は、スパナを用いて回転させることで、螺
合によってナット20は徐々に下側の板材14に接近し
ていく。
【0035】このスパナを用いたナット20の回転時、
ボルト10がフリーであると、ナット20の回転に伴っ
て回転し、螺合がなされない場合があった。しかし、第
1の実施の形態では、ボルト10の頭部10Bに設けた
突出部22が上側の板材12に形成された縦壁部12A
に干渉するため、それ以後の回転が阻止される。これに
より、ナット20の螺合が円滑に行われ、確実に一対の
板材12、14を締め付けることができる。
ボルト10がフリーであると、ナット20の回転に伴っ
て回転し、螺合がなされない場合があった。しかし、第
1の実施の形態では、ボルト10の頭部10Bに設けた
突出部22が上側の板材12に形成された縦壁部12A
に干渉するため、それ以後の回転が阻止される。これに
より、ナット20の螺合が円滑に行われ、確実に一対の
板材12、14を締め付けることができる。
【0036】締め付けた状態では、ボルト10及びナッ
ト20の座面が確実に板材12、14に密着するため、
締結強度を確実に維持することができ、かつ板材12、
14に傷つけるようなことはない。
ト20の座面が確実に板材12、14に密着するため、
締結強度を確実に維持することができ、かつ板材12、
14に傷つけるようなことはない。
【0037】一方、この締め付けたボルト10及びナッ
ト20を緩める際には、ナット20にスパナを合わせ、
締め付け時と逆方向に回転させる。このとき、ボルト1
0が図2の実線状態から共回りするが、図2の2点鎖線
の位置で再度縦壁部12Aと干渉するため、緩めるとき
も共回りを防止することができる。
ト20を緩める際には、ナット20にスパナを合わせ、
締め付け時と逆方向に回転させる。このとき、ボルト1
0が図2の実線状態から共回りするが、図2の2点鎖線
の位置で再度縦壁部12Aと干渉するため、緩めるとき
も共回りを防止することができる。
【0038】さらに、縦壁部12Aの高さ分共回り防止
を維持することができるため、ボルト10の頭部10B
が板材12から離れても、共回りすることはなく、ナッ
ト20を確実にボルト10の軸部10Aから取り外すこ
とができる。 (第2の実施の形態)図3には、本発明の第2の実施の
形態が示されている。この第2の実施の形態では、突出
部22のナット20側に設けた場合を示しており、第1
の実施の形態がナット20にスパナを合わせたのに対し
て、この第2の実施の形態では、ボルト10の頭部10
Bにスパナを合わせて回転させればよい。
を維持することができるため、ボルト10の頭部10B
が板材12から離れても、共回りすることはなく、ナッ
ト20を確実にボルト10の軸部10Aから取り外すこ
とができる。 (第2の実施の形態)図3には、本発明の第2の実施の
形態が示されている。この第2の実施の形態では、突出
部22のナット20側に設けた場合を示しており、第1
の実施の形態がナット20にスパナを合わせたのに対し
て、この第2の実施の形態では、ボルト10の頭部10
Bにスパナを合わせて回転させればよい。
【0039】また、この第2の実施の形態のような、一
対の板材24、26が屈曲されている角部の近傍にある
場合、この屈曲を利用することで、突出部22の回転を
阻止することができる。 (第3の実施の形態)図4には、本発明の第3の実施の
形態が示されている。この第3の実施の形態では、ボル
ト10に設けた突出部28がボルト10に対して着脱可
能とした点にある。すなわち、突出部28には軸28A
が形成され、これに対してボルト10の一平面には、円
溝10Cが設けられている。
対の板材24、26が屈曲されている角部の近傍にある
場合、この屈曲を利用することで、突出部22の回転を
阻止することができる。 (第3の実施の形態)図4には、本発明の第3の実施の
形態が示されている。この第3の実施の形態では、ボル
ト10に設けた突出部28がボルト10に対して着脱可
能とした点にある。すなわち、突出部28には軸28A
が形成され、これに対してボルト10の一平面には、円
溝10Cが設けられている。
【0040】このような構成とすることで、スパナ等が
入り難い狭い場所、あるいは高所等において片手でしか
作業ができないような場合において、選択的に突出部2
8を円溝10Cに嵌め込んでおき、この突出部28によ
って共回りを防止することができる。
入り難い狭い場所、あるいは高所等において片手でしか
作業ができないような場合において、選択的に突出部2
8を円溝10Cに嵌め込んでおき、この突出部28によ
って共回りを防止することができる。
【0041】この第3の実施の形態にように突出部28
を着脱可能とすることで、必要に応じて突出部28を設
けることができ、かつ突出部28の長さを現場の状況に
合わせて適当な長さの突出部28を取り付けるといった
ボルト10の汎用性を増すことができる。
を着脱可能とすることで、必要に応じて突出部28を設
けることができ、かつ突出部28の長さを現場の状況に
合わせて適当な長さの突出部28を取り付けるといった
ボルト10の汎用性を増すことができる。
【0042】また、この第3の実施の形態では、ボルト
10を例にとり説明したが、突出部28の取付対象がナ
ット20(図4では、図示省略)であってもよい。
10を例にとり説明したが、突出部28の取付対象がナ
ット20(図4では、図示省略)であってもよい。
【0043】なお、この第3の実施の形態では、突出部
28を丸棒状としたが、突出部28の形状は限定される
ものではない。すなわち、丸棒、多角形状、テーパー状
等様々な形状が適用可能である。 (第4の実施の形態)図5には、本発明の第4の実施の
形態が示されている。この第4の実施の形態では、ボル
ト10及び図5では、図示を省略したナット20は従来
とは変化はなく、ボルト10の頭部10Bに挟み込むこ
とで、装着される着脱可能な突出部22を設けた点にあ
る。もちろん、ナットの周面に上記突出部30を設けて
もよい。
28を丸棒状としたが、突出部28の形状は限定される
ものではない。すなわち、丸棒、多角形状、テーパー状
等様々な形状が適用可能である。 (第4の実施の形態)図5には、本発明の第4の実施の
形態が示されている。この第4の実施の形態では、ボル
ト10及び図5では、図示を省略したナット20は従来
とは変化はなく、ボルト10の頭部10Bに挟み込むこ
とで、装着される着脱可能な突出部22を設けた点にあ
る。もちろん、ナットの周面に上記突出部30を設けて
もよい。
【0044】なお、上記第1の実施の形態〜第4の実施
の形態において、ボルト10及びナット20との螺合時
の共回りの際に突出部22(28、30)と干渉して一
方の回転を阻止する手段として、板材12、14に形成
された縦壁部12Aや屈曲された板材24、26の屈曲
部を利用したが、図6に示される如く、ボルト10の近
傍に、ダミーのボルト32を設けるようにしてもよい。
このダミーのボルト32は、板材12、14(又は2
4、26)の締め付けに何ら機能する必要がなく、例え
ば、リベット等であってもよい。
の形態において、ボルト10及びナット20との螺合時
の共回りの際に突出部22(28、30)と干渉して一
方の回転を阻止する手段として、板材12、14に形成
された縦壁部12Aや屈曲された板材24、26の屈曲
部を利用したが、図6に示される如く、ボルト10の近
傍に、ダミーのボルト32を設けるようにしてもよい。
このダミーのボルト32は、板材12、14(又は2
4、26)の締め付けに何ら機能する必要がなく、例え
ば、リベット等であってもよい。
【0045】上記の第1乃至第4の実施の形態によれ
ば、ボルト10及びナット20の一方に突出部22を形
成することで、ナット20をスパナを回転させたときの
ボルト10の共回り時に突出部22が縦壁部12Aと干
渉し、共回りを防止することができる。
ば、ボルト10及びナット20の一方に突出部22を形
成することで、ナット20をスパナを回転させたときの
ボルト10の共回り時に突出部22が縦壁部12Aと干
渉し、共回りを防止することができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明した如く本発明では、締結具の
経時的な劣化、作業場所等、作業条件に拘らず、締結具
の座面を確実に密着させて締結することができ、かつ緩
特時においても共回りを確実に防止することができると
いう優れた効果を有する。
経時的な劣化、作業場所等、作業条件に拘らず、締結具
の座面を確実に密着させて締結することができ、かつ緩
特時においても共回りを確実に防止することができると
いう優れた効果を有する。
【図1】第1の実施の形態に係る締結具による一対の板
材の締結状態を示す斜視図である。
材の締結状態を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態に係るボルトに設けた突出部
の回転防止状態を示す平面図である。
の回転防止状態を示す平面図である。
【図3】第2の実施の形態に係る締結具による一対の板
材の締結状態を示す斜視図である。
材の締結状態を示す斜視図である。
【図4】第3の実施の形態に係る着脱可能な突出部の状
態を示す斜視図である。
態を示す斜視図である。
【図5】第4の実施の形態に係る着脱可能な突出部の状
態を示す斜視図である。
態を示す斜視図である。
【図6】第1の実施の形態乃至第4の実施の形態に適用
する突出部の回転を阻止する阻止部材の変形例を示す平
面図である。
する突出部の回転を阻止する阻止部材の変形例を示す平
面図である。
10 ボルト(締結具、軸部)
10A 軸部
10B 頭部
10C 円溝
12 板材
14 板材
16 下穴
18 下穴
20 ナット(締結具、筒体)
22 突出部(第1の実施の形態)
24 板材
26 板材
28 突出部(第3の実施の形態)
30 突出部(第4の実施の形態)
32 ダミーボルト
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 宮崎 真人
三重県四日市市日永西1−12−13 ソリト
ンハウス203
Claims (5)
- 【請求項1】 雄ねじが形成された軸部と、内周面に前
記雄ねじが螺合可能な雌ねじが設けられた筒体とで構成
された一対の締結具を用いて、被締結部材を締結する、
或いは前記被締結部材から緩解するときの回転操作に伴
って、前記一対の締結具が共回りすることを防止するた
めの締結具の共回り防止装置であって、 前記一対の締結具における前記の少なくとも一方に設け
られ、当該締結具の周面から半径方向に突出した突出部
を設けたことを特徴とする締結具の共回り防止装置。 - 【請求項2】 前記一対の締結具の内の軸部が六角ボル
トであり、筒体が六角ナットであり、前記突出部は、六
角ボルト又は六角ナットの周面に形成された6個の平面
の一部に形成されていることを特徴とする請求項1記載
の締結具の共回り防止装置。 - 【請求項3】 前記突出部が、着脱可能であることを特
徴とする請求項1又は請求項2記載の締結具の共回り防
止装置。 - 【請求項4】 前記突出部における前記締結具の回転中
心を中心とする回転移動軌跡上に、当該突出部の移動を
阻止する阻止部材が設けられていることを特徴とする請
求項1乃至請求項3の何れか1項記載の締結具の共回り
防止装置。 - 【請求項5】 前記阻止部材が、少なくとも軸部に対し
て頭部を有するボルト又はリベットであることを特徴と
する請求項4記載の締結具の共回り防止装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002001240A JP2003202011A (ja) | 2002-01-08 | 2002-01-08 | 締結具の共回り防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002001240A JP2003202011A (ja) | 2002-01-08 | 2002-01-08 | 締結具の共回り防止装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003202011A true JP2003202011A (ja) | 2003-07-18 |
Family
ID=27641417
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002001240A Pending JP2003202011A (ja) | 2002-01-08 | 2002-01-08 | 締結具の共回り防止装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003202011A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006347484A (ja) * | 2005-06-20 | 2006-12-28 | Nissan Diesel Motor Co Ltd | 共回り防止機構付き取付け構造 |
KR20160144751A (ko) * | 2015-06-09 | 2016-12-19 | 손창우 | 조립식 물탱크의 패널 조립용 긴 사각머리 볼트 |
KR101881284B1 (ko) * | 2017-01-31 | 2018-07-24 | 조성진 | 중공부재 고정구 |
Citations (5)
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JPS55158576U (ja) * | 1979-05-01 | 1980-11-14 | ||
JPS58131512A (ja) * | 1982-01-30 | 1983-08-05 | Hino Motors Ltd | タコグラフ |
JPH0644034U (ja) * | 1992-11-11 | 1994-06-10 | 住友電装株式会社 | アース用コネクタ |
JPH1111238A (ja) * | 1997-06-26 | 1999-01-19 | Eemon Kogyo Kk | 自動車用アース接続具及び電源接続具 |
JPH11240396A (ja) * | 1998-02-25 | 1999-09-07 | Hiroshi Yamashita | 自動車の電気回路用配線材を追加する事による性能改善方法 |
-
2002
- 2002-01-08 JP JP2002001240A patent/JP2003202011A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040401 |