JP2004211753A - ナット及びこれとボルトとの組合せ - Google Patents
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Abstract
【課題】緩み止め機能(逆回転防止機能)を有し、かつ保管や取扱いの煩わしさを解消したボルト及びナットの組合せを提供する。
【解決手段】本願発明のボルト及びナットの組合せは、ねじ山4を横切って軸方向に延びる係合溝6が形成されているボルト1と、このボルト1に螺合するナット2とにより構成されている。ナット2の頂面部には、係合溝6に係合してナット2の緩み方向Lへの回転を阻止する弾性金属板製の係合爪12が、ボルト1との螺合前においては半径内向きに突出するように取付けられている。ナット2とボルト1とが螺合すると、係合爪12はボルト1の外周面に重なるように押し曲げられて係合溝6に係合する。
【選択図】 図3
【解決手段】本願発明のボルト及びナットの組合せは、ねじ山4を横切って軸方向に延びる係合溝6が形成されているボルト1と、このボルト1に螺合するナット2とにより構成されている。ナット2の頂面部には、係合溝6に係合してナット2の緩み方向Lへの回転を阻止する弾性金属板製の係合爪12が、ボルト1との螺合前においては半径内向きに突出するように取付けられている。ナット2とボルト1とが螺合すると、係合爪12はボルト1の外周面に重なるように押し曲げられて係合溝6に係合する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、緩み止め機能(或いはボルトからの脱落防止機能)を備えたナット及びこれとボルトとの組合せに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ボルトをねじ込んだ後のナットが振動や衝撃等で緩んで脱落するのを防ぐために、ボルト及びナットに緩み止め機能(逆回転防止機能)を持たせることが知られている。例えば特許文献1には、このようなボルトとナットとの組合せの一例が開示されている。
【0003】
すなわちこの特許文献1では、ボルトの外周面にねじ山を横切って延びる複数本の係合溝を形成する一方、ナットの頂面に、ボルトの外周面に沿って延びる弾性金属板製の2個の爪を突設し、爪のうちボルトに対するナットのねじ込み方向に向かって後端側の端縁を半径内側に折り曲げたものである。
【0004】
そして、ボルトに対するナットのねじ込みに際しては、爪が弾性変形することによって当該ねじ込みが許容され、ナットがボルトから緩もうとすると、爪の端縁がボルトの係合溝に嵌まり込んで緩み(或いはナットの脱落が)が阻止されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
実開平3−29717号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記特許文献1の構成では、爪をナットの頂面から外向きに突出した状態に製造しているため、通常のナットよりも嵩張ると共にナット同士が絡まりやすくて、保管や取り扱いが不便であるという問題があった。
【0007】
また、ナットとボルトとを螺合した状態で、ボルトの先端部がナットの頂面からある程度突出していないと爪が係合溝に嵌まり係合しないため、ワークを締結した状態でボルトの先端部がナットの頂面から僅かしか突出していない場合には緩み止め機能を発揮できないという問題もあった。
【0008】
そこで本発明は、以上のような問題点を解消することを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を解決するため、請求項1の発明では、ねじ山を横切って軸方向に延びる係合溝が形成されているボルトと、このボルトに螺合するナットとから成るボルトとナットとの組合せにおいて、前記ナットの頂面部又は座面部に、前記係合溝に係合してナットの緩み方向への回転を阻止する弾性金属板製の係合爪を、ボルトとの螺合前においては半径内向きに突出し、ボルトと螺合するとボルトの外周面に重なるように押し曲げられて前記係合溝に係合するように取付けていることを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1において、前記ボルトには複数本の係合溝が円周方向に沿って等間隔で形成されており、これら各係合溝を、軸線と直交した方向から見てねじ山と直交した方向に延びるようにねじ山のリード角だけ軸線に対して傾斜させている。
【0011】
そして、前記ナットには、複数個の係合爪が円周方向に沿って等間隔を隔てて設けられており、これら各係合爪において係合溝に嵌まり係合する端面を、係合爪がボルトの外周面に重なった状態で前記係合溝と交差する方向に延びるように傾斜させていることを特徴とする。
【0012】
本願発明は、請求項3に記載したようにナットのみの発明も含んでいる。
【0013】
【発明の作用・効果】
本発明では、ナットとボルトとを螺合する前の状態では係合爪はナットの外側に突出していないため、嵩張ったりナット同士が絡まったりすることはなく、運搬や取り扱いが厄介になることはない。
【0014】
また、係合爪をナットの頂面に取付けている場合、ボルトとナットとを螺合して、ボルトがナットの頂面から突出すると、ボルトによる押し曲げ作用によって係合爪はボルトの外周面に重なるように曲げられて、係合爪がボルトの係合溝に係合して緩み止め機能が発揮されるが、ボルトがナットの頂面から僅かの寸法だけ突出していても係合爪を係合溝に係合させ得るため、緩み止め機能を発揮できる範囲を広げることができる利点がある。
【0015】
本発明におけるナットの緩み止め機能は、係合溝によって分断されたねじ山の端面(係合溝の内面)に係合爪の端縁が当たることによって発揮されるのであるが、請求項2のようにボルトの係合溝を軸線に対して傾斜させると、ねじ山の端面に対する係合爪の突っ張り作用が向上するため、緩み止め機能を向上させることができる利点がある。
【0016】
ところで、前記特許文献1では、係合爪の端縁は係合溝と同じ方向に延びており、このため、係合爪の端縁が隣合った係合溝の間にある状態ではナットとボルトとは相対回転可能であり、係合爪はナットとボルトとの相対回転によって係合溝に間欠的に係合することになる。従って、ナットがボルトから脱落することは防止できても、ナットが緩んでワークに対する締付け力がなくなることは阻止できない。
【0017】
これに対して本願の請求項2の発明のように係合爪の端縁を傾斜させると、係合溝に対する係合爪のひっかかり代が円周方向に沿って広がるため、ナットが極く僅かに緩むだけで係合爪を係合溝に係合させることができ、その結果、ワークに対する締付け力がなくなることを抑制することができる。なお、係合爪の端縁を傾斜させることとボルトの係合溝を傾斜させることとは、それぞれ独立して請求項1に付加し得る構成である。
【0018】
本発明においては係合爪をナットの座面部に取付けることも可能であり、この場合は、ボルトの先端部がナットの頂面から突出していなくても緩み止め機能を発揮できる点と、締結状態において係合爪がナットの内部に隠れていて外部に露出しないため不正行為に対する安全性が高い利点がある(なお、係合爪を座面部に設ける場合は、係合爪はボルトの外周面に重なる状態に予め曲げておいても良い)。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体化した実施形態を図面(図1〜図11)に基づいて説明する。
【0020】
図1〜図4は本願発明の第1実施形態を示している。図1のうち(a)はボルトの正面図、(b)は平面図、図2のうち(a)はナットの平面図、(b)は正面図、(c)は(b)のIIc−IIc視断面図、図3は締結状態の一例を示す縦断面図、図4は係合爪の作用を説明する拡大断面図である。
【0021】
この実施形態では、請求項に記載したボルトとして、外周面にねじ山4を有する軸部3及び平面視略六角形状の頭部5を備えた六角ボルト1が採用されている一方、請求項に記載したナットとして、平面視略六角形状の六角ナット2が採用されている。これらボルト1及びナット2は、例えば鋼やステンレス、アルミニウム等の金属製等のものである。
【0022】
図1(a)(b)に示すように、ボルト1の軸部3外周面には、当該ボルト1の軸線Xに対して略平行状に延びる断面略V字状の係合溝6が複数本(実施形態では4本)形成されている。この実施形態では、各係合溝6は頭部5寄りの基端部からねじ山4を横切って軸部3の先端面にまで延びている。
【0023】
4つの係合溝6は軸部3の円周方向に沿って等間隔(図1(b)では90°間隔)で並んでいる。すなわち4つの係合溝6は、ボルト1の軸線X方向からみて略放射状に並んでいる。
【0024】
なお、この実施形態では、ねじ山4は軸部3の全長にわたって形成されているが、これに限らず、少なくとも軸部3外周面の先端側から長手方向中途部まで形成されていればよい。
【0025】
また、各係合溝6はボルト1の軸線Xに略平行状に形成するに限らず、軸線Xに対して若干の角度をもって傾斜させてもよい。これら各係合溝6は、ねじ山4の谷底に達する深さに設定されているが、谷底よりも深く設定したり、逆に浅く設定したりしてもよい。
【0026】
さらに、各係合溝6の断面形状は略V字状に限らず、略U字状や逆台形状等であってもよい。係合溝6の数は1本以上3本以下にしたり5本以上にしたりしてもよく、軸部3の外径やねじ山4のピッチ等に応じて設定すればよい。
【0027】
他方、六角ナット2は、前述した六角ボルト1に螺合するものであり、ねじ穴8を有する平面視略六角形状のナット本体7と、このナット本体7の頂面に設けた係止体9と、ナット本体7の座面に設けたワッシャ10とを備えている。
【0028】
ナット本体7における頂面側の係止体9は、例えば熱処理していないばね鋼のような弾性を有する金属板を素材としており、ねじ穴8よりも外周側を囲む環状のリング部11と、このリング部11の内径側から半径内向きに突出する係合爪12(実施形態では4つ)とで構成されている(図2(a)〜(c))。
【0029】
ナット本体7の頂面には、ねじ穴8よりも外周側を囲む環状突起13(図2(a)(c)参照)が外向き突状に形成されており、この環状突起13を係止体9のリング部11に対してかしめ付けることによって、係止体9はナット本体7の頂面に固定されている。この場合、4つの係合爪12はねじ穴8を塞ぐような状態(ねじ穴8の内径側にはみ出した状態)となっている。
【0030】
図2(b)(c)から明らかなように、係止体9はナット本体7の頂面に重なるように配置されており、ボルト1とナット2とを螺合する前の状態では、4つの係合爪12はナット2の外側に突出していない。これにより、前記特許文献1のナットのように、嵩張ったりナット2同士が絡まったりすることはなく、保管や運搬、取扱い等が厄介になることはない。
【0031】
4つの係合爪12は、リング部11の内径に沿って等間隔(図2(a)では90°間隔)で配置されている。各係合爪12のうちリング部11寄りの基端部12aは、ボルト1とナット2とを螺合する際に簡単に曲げ変形(塑性変形)するように細巾に形成されており、半径内側の先端部12bは、両側端縁が先端側から末広がり状に広がった(傾斜した)略台形状に形成されている。この先端部12aのうちナット2の緩み方向L(図2(a)、図3及び図4参照)側の端縁12cは、ねじ穴8に向かって半径内側に折り曲げられている(以下、この端縁12cを折曲縁12cという)。
【0032】
したがって、係合爪12をボルト1の外周面(ねじ山4)に重ねた状態では、折曲縁12cは係合溝6との交差方向に延びるように傾斜することになる。
【0033】
なお、係止体9におけるリング部11は、ナット本体7の頂面に溶接等で固定したり一体成形したりしてもよい。また、リング部11を省略して、各係合爪12のみをナット本体7の頂面に溶接等で固定したり一体成形したりすることも可能である。
【0034】
さらに、係合爪12の数は1本以上3本以下にしたり5本以上にしたりしてもよい。ボルト1側の係合溝6を軸部3の円周方向に沿って等間隔で配置するとともに、ナット2側の係合爪12をねじ穴8の内径に沿って等間隔で配置し、かつ係合爪12数を係合溝6数の約数となるように設定すると、全ての係合爪12がそれぞれ対応する係合溝6に同時に係合することができて好適である。
【0035】
ナット本体7の座面には、頂面と同様に、ねじ穴8よりも外周側を囲む環状突起14が外向き突状に形成されており、この環状突起14をワッシャ10の内径縁部に対してかしめ付けることにより、ワッシャ10がナット本体7の座面に固定されている。
【0036】
なお、図6(a)〜(c)に示すように、ワッシャ10はナット本体7の座面に対して一体的に設けてもよいし、図7(a)(b)に示すように、ワッシャ10自体を省略しても差し支えない。
【0037】
ボルト1及びナット2によるワークW,Wの締結は、例えば図3に示すようになる。すなわち、まず、締結すべき2つのワークW,Wにボルト1の軸部3を挿通して、この軸部3のうち一方のワークWの外表面から突出した先端部にナット2をねじ込み被嵌する。
【0038】
そうすると、各係合爪12の先端部12bがボルト1の軸部3で徐々に押し上げられて、細巾の基端部12aが曲がり変形(塑性変形)した結果、各係合爪12は軸部3の外周面(ねじ山4)に重なるように押し曲げられる。
【0039】
ここで、各係合爪12の折曲縁12cは、半径内向きの弾性復原力でボルト1のねじ山4に当接するので、ねじ込みの途次において各係合溝6にひっかかり係合する(図3及び図4の実線状態参照)。
【0040】
ねじ込みに際して折曲縁12cは、ナット2のねじ込み方向F(図2(a)、図3及び図4参照)に向かって後端側、換言するとナット2の回転方向下流側に位置することから、一旦係合溝6にひっかかり係合した折曲縁12cは、係合爪12によりナット2のねじ込み方向Fに引っ張られて、その内面側を係合溝6のコーナ部に当接させる。
【0041】
そうすると、折曲縁12cには係合溝6のコーナ部によって半径方向外向きに開くように反作用力が働き、その結果、係合爪12は半径方向外向きに反るように弾性変形する(図4の一点鎖線状態参照)。これにより、折曲縁12cは係合溝6から簡単に抜け出すことができ、ボルト1及びナット2のねじ込みが許容される。
【0042】
そして、ボルト1の頭部5とナット2のワッシャ10とで両ワークW,Wを挟み付けるまで締め込むのである。
【0043】
このようにすると、締結後に係合爪12の折曲縁12cが隣合った係合溝6,6の間にある状態では、ボルト1とナット2とは相対回転可能であり、係合爪12はボルト1とナット2との相対回転により係合溝6に間欠的に係合することになるが、ボルト1やナット2を緩ませようとした場合は、係合爪12の折曲縁12cがナット2の緩み方向L側、換言すると回転方向上流側に位置することになるので、この折曲縁12cが係合溝6によって分断されたねじ山の端面(係合溝6の内面)に突き当たる(図4の二点鎖線状態参照)。
【0044】
これにより、折曲縁12cは係合溝6から抜け出すことができず、ボルト1に対するナット2の緩みや脱落を阻止することができる(緩み止め機能を発揮することができる)。この場合、係合爪12の基端部12aを細巾に形成しているため、折曲縁12cが係合溝6にしっかりと嵌り込むこととなり、その結果、緩み止め機能を向上させることができる利点がある。なお、係合爪12の基端部12aのうち、少なくとも折曲縁12cに寄った部分を切り欠くだけでも同様の利点が得られる。
【0045】
また、この実施形態では、折曲縁12cは、係合爪12をボルト1の外周面(ねじ山4)に重ねた状態で係合溝6との交差方向に延びるように傾斜しているので、係合溝6に対する係合爪12のひっかかり代が軸部3の円周方向に沿って広がることになる。これにより、ナット2がごくわずかに緩むだけでも係合爪12を係合溝6にひっかかり係合させることができ、その結果、ワークW,Wに対する締付け力がなくなることを抑制することができる。
【0046】
しかも、前述したように折曲縁12cを傾斜させたことによって、ナット2がごくわずかに緩むだけで係合爪12を係合溝6にひっかかり係合させることができるから、ボルト1に多くの係合溝6を設ける必要がなく、ボルト1の強度が損なわれることはない。
【0047】
なお、ボルト1とナット2とのひっかかりの強さは、係止体9における各係合爪12の弾性力の大きさによって決まるが、この弾性力が大きいと各係合爪12を押し曲げにくくなる。この場合、例えばトルクレンチ等を用いてボルト1とナット2とを締結すれば、これらを大きな回転トルクで締付けできるので、各係合爪12の弾性力が大きくても、確実に、各係合爪12を軸部3の外周面(ねじ山4)に重なるように押し曲げることができる。
【0048】
ところで、係合爪12の弾性力が強すぎると、工具でナット2を強引にねじ戻そうとした場合、係合爪12が弾性変形して係合溝6から外れてしまうおそれがある。すなわち、不正にねじ戻されやすくなる。
【0049】
これに対して、係止体9の素材金属板として、実施形態のように熱処理していないばね鋼を用いると、弾性限が過度に大きくならずに塑性変形しやすくなるから、強引にねじ戻そうとしても係合爪12は塑性変形し勝手となって係合溝6に嵌り込んだ状態が保持され、その結果、ナット2の緩み止め機能を助長することができる。
【0050】
図5(a)(b)は締結態様の別例を示している。この場合、ボルト1における軸部3の先端面にまで係合溝6が延びていることと、ナット2における係合爪12の折曲縁12cがナット本体7のねじ穴8に向かって延びていることとにより、ボルト1とナット2との螺合の初期において、軸部3がナット本体7の頂面から僅かの寸法しか突出しなかったとしても、折曲縁12cは軸部3先端面の係合溝6にひっかかり係合することができる。
【0051】
これにより、前記特許文献1の場合よりも、緩み止め機能を発揮できる範囲が広がるのである。
【0052】
いうまでもないことであるが、ねじ込みが進むにつれて、係合爪12自体はボルト1の軸部3で反るように押し曲げられることから、各係合爪12の折曲縁12cは、一旦ひっかかり係合した軸部3先端面の係合溝6から簡単に抜け出すことができる。軸部先端面まで延びた係合溝12の存在がねじ込みの際に邪魔になることはない。
【0053】
図8〜図10は係合溝と係合爪との組合せの別例である第2実施形態を示している。ここで、第2実施形態において、構成及び作用が第1実施形態と同じものには同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。図8のうち(a)はボルトの正面図、(b)は平面図、図9のうち(a)はナットの平面図、(b)は正面図、図10は締結状態の一例を示す縦断面図である。
【0054】
この実施形態では、六角ボルト1における軸部3の外周面に断面略V字状の係合溝6′が6本形成されており、これら各係合溝6′は、ボルト1の軸線Xと直交する方向からみてねじ山4との直交方向に延びるようにねじ山4のリード角θだけ軸線Xに対して傾斜している(図8(a)参照)。6つの係合溝6′は軸部3の円周方向に沿って等間隔(図8(b)では60°間隔)で並んでいる。
【0055】
これら各係合溝6′が頭部5寄りの基端部からねじ山4を横切って軸部3の先端面にまで延びている点は、第1実施形態の場合と同様である。
【0056】
他方、ナット本体7の頂面に設けた係止体9は、環状のリング部11の内径側から半径内向きに突出する3つの係合爪12′を備えており(図9(a)参照)、これら3つの係合爪12′は、リング部11の内径に沿って等間隔(図9(a)では120°間隔)で配置されている。
【0057】
各係合爪12′のうちリング部11寄りの基端部12a′が細巾に形成されている点、半径内側の先端部12b′が両側端縁を先端側から末広がり状に傾斜させた略台形状に形成されている点、及びこの先端部12aのうちナット2の緩み方向L(図9(a)及び図10参照)側の端縁12c´がねじ穴8に向かって半径内側に折り曲げられている点は、第1実施形態の場合と同様である。
【0058】
以上の構成において、ナット2の緩み止め機能は、係合溝6′により分断されたねじ山4の端面(係合溝6′の内面)に係合爪12′の折曲縁12c′が当たることによって発揮されるが、これら各係合溝6′は、ボルト1の軸線Xと直交する方向からみてねじ山4との直交方向に延びるようにねじ山4のリード角θだけ軸線Xに対して傾斜しているので、当該係合溝6′の内面に対して、係合爪12′の折曲縁12c′は略直交状に近い状態で突き当たることになる。これにより、係合溝6′の内面に対する係合爪12′の突っ張り作用が向上し、緩み止め機能を向上させることができる。
【0059】
なお、係合溝6′はリード角θよりも大きい角度又は小さい角度で傾斜させてもよい。
【0060】
また、締結後に係合爪12′の折曲縁12c′が隣合った係合溝6′,6′の間にある状態では、係合爪12′はボルト1とナット2との相対回転により係合溝6′に間欠的に係合することになるが、係合溝6′の数を第1実施形態の場合よりも増やしたことにより、隣り合った係合溝6′,6′間の間隔が狭まるから、ナット2がごくわずかに緩むだけでも係合爪12′を係合溝6′にひっかかり係合させることができる。したがって、ワークW,Wに対する締付け力をがなくなることを抑制することができる。
【0061】
なお、詳細は図示していないが、本発明においては係合爪をナットの座面部に設けることも可能である。この場合は、例えばナット本体に、座面側が大径で頂面側が小径の段付き穴を形成し、小径部をねじ穴に構成する一方、大径部に半径内向きに突出する係合爪を形成するようにすればよい。
【0062】
この構成によると、ボルトの先端部がナットの頂面から突出していなくても緩み止め機能を発揮できる点と、締結状態において係合爪がナットの内部に隠れていて外部に露出しないため不正行為に対する安全性が高い利点がある(なお、係合爪を座面部に設ける場合は、係合爪はボルトの外周面に重なる状態に予め曲げておいてもよい)。
【0063】
本発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば本願発明に係るボルトは、図11に示すように両ねじボルト15であってもよいし、平面視略四角形状の頭部を有する四角ボルトでもよいし、アイボルト等であっても差し支えない。頭部付きのボルトの場合は、その頭部に六角穴、十字穴またはマイナス穴を設けたりしてもよい。また、本願発明に係るナットについても、六角ナット2に限らず、平面視略四角形等の多角形状であってもよい。
【0064】
さらに、四角ボルトと六角ナットとの組合せのように、ナットの外形やボルトの平面視形状を異なる組合せにしても構わない。ナットのねじ込みを許容しつつねじ戻しに対して係合爪を係合溝に嵌め込み係合させる手段としては、折曲縁を形成することに限らず、係合爪の基端部を少しねじることにより、係合爪のうちねじ込み方向に向かって下流側の端縁のみがボルトの外周面に弾性的に当接するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のボルトの概略図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図2】第1実施形態のナットの概略図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)のIIc−IIc視断面図である。
【図3】締結状態の一例を示す縦断面図である。
【図4】係合爪の作用を説明する拡大断面図である。
【図5】締結態様の別例を示す概略図であり、(a)は縦断面図、(b)は平面図である。
【図6】ナットの別例を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)のVIc−VIc視断面図である。
【図7】ナットの別例を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図8】第2実施形態のボルトの概略図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図9】第2実施形態のナットの概略図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図10】締結状態の一例を示す縦断面図である。
【図11】ボルトの別例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 六角ボルト
2 六角ナット
4 ねじ山
6,6′ 係合溝
7 ナット本体
8 ねじ穴
9 係止体
12,12′ 係合爪
12a,12a′ 基端部
12b,12b′ 先端部
12c,12c′ 折曲縁
【発明の属する技術分野】
本発明は、緩み止め機能(或いはボルトからの脱落防止機能)を備えたナット及びこれとボルトとの組合せに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ボルトをねじ込んだ後のナットが振動や衝撃等で緩んで脱落するのを防ぐために、ボルト及びナットに緩み止め機能(逆回転防止機能)を持たせることが知られている。例えば特許文献1には、このようなボルトとナットとの組合せの一例が開示されている。
【0003】
すなわちこの特許文献1では、ボルトの外周面にねじ山を横切って延びる複数本の係合溝を形成する一方、ナットの頂面に、ボルトの外周面に沿って延びる弾性金属板製の2個の爪を突設し、爪のうちボルトに対するナットのねじ込み方向に向かって後端側の端縁を半径内側に折り曲げたものである。
【0004】
そして、ボルトに対するナットのねじ込みに際しては、爪が弾性変形することによって当該ねじ込みが許容され、ナットがボルトから緩もうとすると、爪の端縁がボルトの係合溝に嵌まり込んで緩み(或いはナットの脱落が)が阻止されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
実開平3−29717号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記特許文献1の構成では、爪をナットの頂面から外向きに突出した状態に製造しているため、通常のナットよりも嵩張ると共にナット同士が絡まりやすくて、保管や取り扱いが不便であるという問題があった。
【0007】
また、ナットとボルトとを螺合した状態で、ボルトの先端部がナットの頂面からある程度突出していないと爪が係合溝に嵌まり係合しないため、ワークを締結した状態でボルトの先端部がナットの頂面から僅かしか突出していない場合には緩み止め機能を発揮できないという問題もあった。
【0008】
そこで本発明は、以上のような問題点を解消することを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を解決するため、請求項1の発明では、ねじ山を横切って軸方向に延びる係合溝が形成されているボルトと、このボルトに螺合するナットとから成るボルトとナットとの組合せにおいて、前記ナットの頂面部又は座面部に、前記係合溝に係合してナットの緩み方向への回転を阻止する弾性金属板製の係合爪を、ボルトとの螺合前においては半径内向きに突出し、ボルトと螺合するとボルトの外周面に重なるように押し曲げられて前記係合溝に係合するように取付けていることを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1において、前記ボルトには複数本の係合溝が円周方向に沿って等間隔で形成されており、これら各係合溝を、軸線と直交した方向から見てねじ山と直交した方向に延びるようにねじ山のリード角だけ軸線に対して傾斜させている。
【0011】
そして、前記ナットには、複数個の係合爪が円周方向に沿って等間隔を隔てて設けられており、これら各係合爪において係合溝に嵌まり係合する端面を、係合爪がボルトの外周面に重なった状態で前記係合溝と交差する方向に延びるように傾斜させていることを特徴とする。
【0012】
本願発明は、請求項3に記載したようにナットのみの発明も含んでいる。
【0013】
【発明の作用・効果】
本発明では、ナットとボルトとを螺合する前の状態では係合爪はナットの外側に突出していないため、嵩張ったりナット同士が絡まったりすることはなく、運搬や取り扱いが厄介になることはない。
【0014】
また、係合爪をナットの頂面に取付けている場合、ボルトとナットとを螺合して、ボルトがナットの頂面から突出すると、ボルトによる押し曲げ作用によって係合爪はボルトの外周面に重なるように曲げられて、係合爪がボルトの係合溝に係合して緩み止め機能が発揮されるが、ボルトがナットの頂面から僅かの寸法だけ突出していても係合爪を係合溝に係合させ得るため、緩み止め機能を発揮できる範囲を広げることができる利点がある。
【0015】
本発明におけるナットの緩み止め機能は、係合溝によって分断されたねじ山の端面(係合溝の内面)に係合爪の端縁が当たることによって発揮されるのであるが、請求項2のようにボルトの係合溝を軸線に対して傾斜させると、ねじ山の端面に対する係合爪の突っ張り作用が向上するため、緩み止め機能を向上させることができる利点がある。
【0016】
ところで、前記特許文献1では、係合爪の端縁は係合溝と同じ方向に延びており、このため、係合爪の端縁が隣合った係合溝の間にある状態ではナットとボルトとは相対回転可能であり、係合爪はナットとボルトとの相対回転によって係合溝に間欠的に係合することになる。従って、ナットがボルトから脱落することは防止できても、ナットが緩んでワークに対する締付け力がなくなることは阻止できない。
【0017】
これに対して本願の請求項2の発明のように係合爪の端縁を傾斜させると、係合溝に対する係合爪のひっかかり代が円周方向に沿って広がるため、ナットが極く僅かに緩むだけで係合爪を係合溝に係合させることができ、その結果、ワークに対する締付け力がなくなることを抑制することができる。なお、係合爪の端縁を傾斜させることとボルトの係合溝を傾斜させることとは、それぞれ独立して請求項1に付加し得る構成である。
【0018】
本発明においては係合爪をナットの座面部に取付けることも可能であり、この場合は、ボルトの先端部がナットの頂面から突出していなくても緩み止め機能を発揮できる点と、締結状態において係合爪がナットの内部に隠れていて外部に露出しないため不正行為に対する安全性が高い利点がある(なお、係合爪を座面部に設ける場合は、係合爪はボルトの外周面に重なる状態に予め曲げておいても良い)。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体化した実施形態を図面(図1〜図11)に基づいて説明する。
【0020】
図1〜図4は本願発明の第1実施形態を示している。図1のうち(a)はボルトの正面図、(b)は平面図、図2のうち(a)はナットの平面図、(b)は正面図、(c)は(b)のIIc−IIc視断面図、図3は締結状態の一例を示す縦断面図、図4は係合爪の作用を説明する拡大断面図である。
【0021】
この実施形態では、請求項に記載したボルトとして、外周面にねじ山4を有する軸部3及び平面視略六角形状の頭部5を備えた六角ボルト1が採用されている一方、請求項に記載したナットとして、平面視略六角形状の六角ナット2が採用されている。これらボルト1及びナット2は、例えば鋼やステンレス、アルミニウム等の金属製等のものである。
【0022】
図1(a)(b)に示すように、ボルト1の軸部3外周面には、当該ボルト1の軸線Xに対して略平行状に延びる断面略V字状の係合溝6が複数本(実施形態では4本)形成されている。この実施形態では、各係合溝6は頭部5寄りの基端部からねじ山4を横切って軸部3の先端面にまで延びている。
【0023】
4つの係合溝6は軸部3の円周方向に沿って等間隔(図1(b)では90°間隔)で並んでいる。すなわち4つの係合溝6は、ボルト1の軸線X方向からみて略放射状に並んでいる。
【0024】
なお、この実施形態では、ねじ山4は軸部3の全長にわたって形成されているが、これに限らず、少なくとも軸部3外周面の先端側から長手方向中途部まで形成されていればよい。
【0025】
また、各係合溝6はボルト1の軸線Xに略平行状に形成するに限らず、軸線Xに対して若干の角度をもって傾斜させてもよい。これら各係合溝6は、ねじ山4の谷底に達する深さに設定されているが、谷底よりも深く設定したり、逆に浅く設定したりしてもよい。
【0026】
さらに、各係合溝6の断面形状は略V字状に限らず、略U字状や逆台形状等であってもよい。係合溝6の数は1本以上3本以下にしたり5本以上にしたりしてもよく、軸部3の外径やねじ山4のピッチ等に応じて設定すればよい。
【0027】
他方、六角ナット2は、前述した六角ボルト1に螺合するものであり、ねじ穴8を有する平面視略六角形状のナット本体7と、このナット本体7の頂面に設けた係止体9と、ナット本体7の座面に設けたワッシャ10とを備えている。
【0028】
ナット本体7における頂面側の係止体9は、例えば熱処理していないばね鋼のような弾性を有する金属板を素材としており、ねじ穴8よりも外周側を囲む環状のリング部11と、このリング部11の内径側から半径内向きに突出する係合爪12(実施形態では4つ)とで構成されている(図2(a)〜(c))。
【0029】
ナット本体7の頂面には、ねじ穴8よりも外周側を囲む環状突起13(図2(a)(c)参照)が外向き突状に形成されており、この環状突起13を係止体9のリング部11に対してかしめ付けることによって、係止体9はナット本体7の頂面に固定されている。この場合、4つの係合爪12はねじ穴8を塞ぐような状態(ねじ穴8の内径側にはみ出した状態)となっている。
【0030】
図2(b)(c)から明らかなように、係止体9はナット本体7の頂面に重なるように配置されており、ボルト1とナット2とを螺合する前の状態では、4つの係合爪12はナット2の外側に突出していない。これにより、前記特許文献1のナットのように、嵩張ったりナット2同士が絡まったりすることはなく、保管や運搬、取扱い等が厄介になることはない。
【0031】
4つの係合爪12は、リング部11の内径に沿って等間隔(図2(a)では90°間隔)で配置されている。各係合爪12のうちリング部11寄りの基端部12aは、ボルト1とナット2とを螺合する際に簡単に曲げ変形(塑性変形)するように細巾に形成されており、半径内側の先端部12bは、両側端縁が先端側から末広がり状に広がった(傾斜した)略台形状に形成されている。この先端部12aのうちナット2の緩み方向L(図2(a)、図3及び図4参照)側の端縁12cは、ねじ穴8に向かって半径内側に折り曲げられている(以下、この端縁12cを折曲縁12cという)。
【0032】
したがって、係合爪12をボルト1の外周面(ねじ山4)に重ねた状態では、折曲縁12cは係合溝6との交差方向に延びるように傾斜することになる。
【0033】
なお、係止体9におけるリング部11は、ナット本体7の頂面に溶接等で固定したり一体成形したりしてもよい。また、リング部11を省略して、各係合爪12のみをナット本体7の頂面に溶接等で固定したり一体成形したりすることも可能である。
【0034】
さらに、係合爪12の数は1本以上3本以下にしたり5本以上にしたりしてもよい。ボルト1側の係合溝6を軸部3の円周方向に沿って等間隔で配置するとともに、ナット2側の係合爪12をねじ穴8の内径に沿って等間隔で配置し、かつ係合爪12数を係合溝6数の約数となるように設定すると、全ての係合爪12がそれぞれ対応する係合溝6に同時に係合することができて好適である。
【0035】
ナット本体7の座面には、頂面と同様に、ねじ穴8よりも外周側を囲む環状突起14が外向き突状に形成されており、この環状突起14をワッシャ10の内径縁部に対してかしめ付けることにより、ワッシャ10がナット本体7の座面に固定されている。
【0036】
なお、図6(a)〜(c)に示すように、ワッシャ10はナット本体7の座面に対して一体的に設けてもよいし、図7(a)(b)に示すように、ワッシャ10自体を省略しても差し支えない。
【0037】
ボルト1及びナット2によるワークW,Wの締結は、例えば図3に示すようになる。すなわち、まず、締結すべき2つのワークW,Wにボルト1の軸部3を挿通して、この軸部3のうち一方のワークWの外表面から突出した先端部にナット2をねじ込み被嵌する。
【0038】
そうすると、各係合爪12の先端部12bがボルト1の軸部3で徐々に押し上げられて、細巾の基端部12aが曲がり変形(塑性変形)した結果、各係合爪12は軸部3の外周面(ねじ山4)に重なるように押し曲げられる。
【0039】
ここで、各係合爪12の折曲縁12cは、半径内向きの弾性復原力でボルト1のねじ山4に当接するので、ねじ込みの途次において各係合溝6にひっかかり係合する(図3及び図4の実線状態参照)。
【0040】
ねじ込みに際して折曲縁12cは、ナット2のねじ込み方向F(図2(a)、図3及び図4参照)に向かって後端側、換言するとナット2の回転方向下流側に位置することから、一旦係合溝6にひっかかり係合した折曲縁12cは、係合爪12によりナット2のねじ込み方向Fに引っ張られて、その内面側を係合溝6のコーナ部に当接させる。
【0041】
そうすると、折曲縁12cには係合溝6のコーナ部によって半径方向外向きに開くように反作用力が働き、その結果、係合爪12は半径方向外向きに反るように弾性変形する(図4の一点鎖線状態参照)。これにより、折曲縁12cは係合溝6から簡単に抜け出すことができ、ボルト1及びナット2のねじ込みが許容される。
【0042】
そして、ボルト1の頭部5とナット2のワッシャ10とで両ワークW,Wを挟み付けるまで締め込むのである。
【0043】
このようにすると、締結後に係合爪12の折曲縁12cが隣合った係合溝6,6の間にある状態では、ボルト1とナット2とは相対回転可能であり、係合爪12はボルト1とナット2との相対回転により係合溝6に間欠的に係合することになるが、ボルト1やナット2を緩ませようとした場合は、係合爪12の折曲縁12cがナット2の緩み方向L側、換言すると回転方向上流側に位置することになるので、この折曲縁12cが係合溝6によって分断されたねじ山の端面(係合溝6の内面)に突き当たる(図4の二点鎖線状態参照)。
【0044】
これにより、折曲縁12cは係合溝6から抜け出すことができず、ボルト1に対するナット2の緩みや脱落を阻止することができる(緩み止め機能を発揮することができる)。この場合、係合爪12の基端部12aを細巾に形成しているため、折曲縁12cが係合溝6にしっかりと嵌り込むこととなり、その結果、緩み止め機能を向上させることができる利点がある。なお、係合爪12の基端部12aのうち、少なくとも折曲縁12cに寄った部分を切り欠くだけでも同様の利点が得られる。
【0045】
また、この実施形態では、折曲縁12cは、係合爪12をボルト1の外周面(ねじ山4)に重ねた状態で係合溝6との交差方向に延びるように傾斜しているので、係合溝6に対する係合爪12のひっかかり代が軸部3の円周方向に沿って広がることになる。これにより、ナット2がごくわずかに緩むだけでも係合爪12を係合溝6にひっかかり係合させることができ、その結果、ワークW,Wに対する締付け力がなくなることを抑制することができる。
【0046】
しかも、前述したように折曲縁12cを傾斜させたことによって、ナット2がごくわずかに緩むだけで係合爪12を係合溝6にひっかかり係合させることができるから、ボルト1に多くの係合溝6を設ける必要がなく、ボルト1の強度が損なわれることはない。
【0047】
なお、ボルト1とナット2とのひっかかりの強さは、係止体9における各係合爪12の弾性力の大きさによって決まるが、この弾性力が大きいと各係合爪12を押し曲げにくくなる。この場合、例えばトルクレンチ等を用いてボルト1とナット2とを締結すれば、これらを大きな回転トルクで締付けできるので、各係合爪12の弾性力が大きくても、確実に、各係合爪12を軸部3の外周面(ねじ山4)に重なるように押し曲げることができる。
【0048】
ところで、係合爪12の弾性力が強すぎると、工具でナット2を強引にねじ戻そうとした場合、係合爪12が弾性変形して係合溝6から外れてしまうおそれがある。すなわち、不正にねじ戻されやすくなる。
【0049】
これに対して、係止体9の素材金属板として、実施形態のように熱処理していないばね鋼を用いると、弾性限が過度に大きくならずに塑性変形しやすくなるから、強引にねじ戻そうとしても係合爪12は塑性変形し勝手となって係合溝6に嵌り込んだ状態が保持され、その結果、ナット2の緩み止め機能を助長することができる。
【0050】
図5(a)(b)は締結態様の別例を示している。この場合、ボルト1における軸部3の先端面にまで係合溝6が延びていることと、ナット2における係合爪12の折曲縁12cがナット本体7のねじ穴8に向かって延びていることとにより、ボルト1とナット2との螺合の初期において、軸部3がナット本体7の頂面から僅かの寸法しか突出しなかったとしても、折曲縁12cは軸部3先端面の係合溝6にひっかかり係合することができる。
【0051】
これにより、前記特許文献1の場合よりも、緩み止め機能を発揮できる範囲が広がるのである。
【0052】
いうまでもないことであるが、ねじ込みが進むにつれて、係合爪12自体はボルト1の軸部3で反るように押し曲げられることから、各係合爪12の折曲縁12cは、一旦ひっかかり係合した軸部3先端面の係合溝6から簡単に抜け出すことができる。軸部先端面まで延びた係合溝12の存在がねじ込みの際に邪魔になることはない。
【0053】
図8〜図10は係合溝と係合爪との組合せの別例である第2実施形態を示している。ここで、第2実施形態において、構成及び作用が第1実施形態と同じものには同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。図8のうち(a)はボルトの正面図、(b)は平面図、図9のうち(a)はナットの平面図、(b)は正面図、図10は締結状態の一例を示す縦断面図である。
【0054】
この実施形態では、六角ボルト1における軸部3の外周面に断面略V字状の係合溝6′が6本形成されており、これら各係合溝6′は、ボルト1の軸線Xと直交する方向からみてねじ山4との直交方向に延びるようにねじ山4のリード角θだけ軸線Xに対して傾斜している(図8(a)参照)。6つの係合溝6′は軸部3の円周方向に沿って等間隔(図8(b)では60°間隔)で並んでいる。
【0055】
これら各係合溝6′が頭部5寄りの基端部からねじ山4を横切って軸部3の先端面にまで延びている点は、第1実施形態の場合と同様である。
【0056】
他方、ナット本体7の頂面に設けた係止体9は、環状のリング部11の内径側から半径内向きに突出する3つの係合爪12′を備えており(図9(a)参照)、これら3つの係合爪12′は、リング部11の内径に沿って等間隔(図9(a)では120°間隔)で配置されている。
【0057】
各係合爪12′のうちリング部11寄りの基端部12a′が細巾に形成されている点、半径内側の先端部12b′が両側端縁を先端側から末広がり状に傾斜させた略台形状に形成されている点、及びこの先端部12aのうちナット2の緩み方向L(図9(a)及び図10参照)側の端縁12c´がねじ穴8に向かって半径内側に折り曲げられている点は、第1実施形態の場合と同様である。
【0058】
以上の構成において、ナット2の緩み止め機能は、係合溝6′により分断されたねじ山4の端面(係合溝6′の内面)に係合爪12′の折曲縁12c′が当たることによって発揮されるが、これら各係合溝6′は、ボルト1の軸線Xと直交する方向からみてねじ山4との直交方向に延びるようにねじ山4のリード角θだけ軸線Xに対して傾斜しているので、当該係合溝6′の内面に対して、係合爪12′の折曲縁12c′は略直交状に近い状態で突き当たることになる。これにより、係合溝6′の内面に対する係合爪12′の突っ張り作用が向上し、緩み止め機能を向上させることができる。
【0059】
なお、係合溝6′はリード角θよりも大きい角度又は小さい角度で傾斜させてもよい。
【0060】
また、締結後に係合爪12′の折曲縁12c′が隣合った係合溝6′,6′の間にある状態では、係合爪12′はボルト1とナット2との相対回転により係合溝6′に間欠的に係合することになるが、係合溝6′の数を第1実施形態の場合よりも増やしたことにより、隣り合った係合溝6′,6′間の間隔が狭まるから、ナット2がごくわずかに緩むだけでも係合爪12′を係合溝6′にひっかかり係合させることができる。したがって、ワークW,Wに対する締付け力をがなくなることを抑制することができる。
【0061】
なお、詳細は図示していないが、本発明においては係合爪をナットの座面部に設けることも可能である。この場合は、例えばナット本体に、座面側が大径で頂面側が小径の段付き穴を形成し、小径部をねじ穴に構成する一方、大径部に半径内向きに突出する係合爪を形成するようにすればよい。
【0062】
この構成によると、ボルトの先端部がナットの頂面から突出していなくても緩み止め機能を発揮できる点と、締結状態において係合爪がナットの内部に隠れていて外部に露出しないため不正行為に対する安全性が高い利点がある(なお、係合爪を座面部に設ける場合は、係合爪はボルトの外周面に重なる状態に予め曲げておいてもよい)。
【0063】
本発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば本願発明に係るボルトは、図11に示すように両ねじボルト15であってもよいし、平面視略四角形状の頭部を有する四角ボルトでもよいし、アイボルト等であっても差し支えない。頭部付きのボルトの場合は、その頭部に六角穴、十字穴またはマイナス穴を設けたりしてもよい。また、本願発明に係るナットについても、六角ナット2に限らず、平面視略四角形等の多角形状であってもよい。
【0064】
さらに、四角ボルトと六角ナットとの組合せのように、ナットの外形やボルトの平面視形状を異なる組合せにしても構わない。ナットのねじ込みを許容しつつねじ戻しに対して係合爪を係合溝に嵌め込み係合させる手段としては、折曲縁を形成することに限らず、係合爪の基端部を少しねじることにより、係合爪のうちねじ込み方向に向かって下流側の端縁のみがボルトの外周面に弾性的に当接するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のボルトの概略図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図2】第1実施形態のナットの概略図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)のIIc−IIc視断面図である。
【図3】締結状態の一例を示す縦断面図である。
【図4】係合爪の作用を説明する拡大断面図である。
【図5】締結態様の別例を示す概略図であり、(a)は縦断面図、(b)は平面図である。
【図6】ナットの別例を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)のVIc−VIc視断面図である。
【図7】ナットの別例を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図8】第2実施形態のボルトの概略図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図9】第2実施形態のナットの概略図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図10】締結状態の一例を示す縦断面図である。
【図11】ボルトの別例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 六角ボルト
2 六角ナット
4 ねじ山
6,6′ 係合溝
7 ナット本体
8 ねじ穴
9 係止体
12,12′ 係合爪
12a,12a′ 基端部
12b,12b′ 先端部
12c,12c′ 折曲縁
Claims (3)
- ねじ山を横切って軸方向に延びる係合溝が形成されているボルトと、このボルトに螺合するナットとから成り、
前記ナットの頂面部又は座面部に、前記係合溝に係合してナットの緩み方向への回転を阻止する弾性金属板製の係合爪を、ボルトとの螺合前においては半径内向きに突出し、ボルトと螺合するとボルトの外周面に重なるように押し曲げられて前記係合溝に係合するように取付けていることを特徴とするボルトとナットとの組合せ。 - 前記ボルトには複数本の係合溝が円周方向に沿って等間隔で形成されており、これら各係合溝を、軸線と直交した方向から見てねじ山と直交した方向に延びるようにねじ山のリード角だけ軸線に対して傾斜させている一方、
前記ナットには、複数個の係合爪が円周方向に沿って等間隔を隔てて設けられており、これら各係合爪において係合溝に嵌まり係合する端面を、係合爪がボルトの外周面に重なった状態で前記係合溝と交差する方向に延びるように傾斜させていることを特徴とする請求項1に記載したボルトとナットとの組合せ。 - 請求項1又は2に記載しているナット。
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