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JP2003028068A - 圧電ポンプ - Google Patents

圧電ポンプ

Info

Publication number
JP2003028068A
JP2003028068A JP2001216352A JP2001216352A JP2003028068A JP 2003028068 A JP2003028068 A JP 2003028068A JP 2001216352 A JP2001216352 A JP 2001216352A JP 2001216352 A JP2001216352 A JP 2001216352A JP 2003028068 A JP2003028068 A JP 2003028068A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diaphragm
piezoelectric
housing
valve
piezoelectric pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001216352A
Other languages
English (en)
Inventor
Yusuke Adachi
祐介 足立
Toru Ninomiya
徹 二宮
Yuko Okano
祐幸 岡野
Katsumi Imada
勝巳 今田
Atsushi Komatsu
敦 小松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001216352A priority Critical patent/JP2003028068A/ja
Publication of JP2003028068A publication Critical patent/JP2003028068A/ja
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  • Reciprocating Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子機器の冷却システムに適した十分な吐出
流量が安定して得られる圧電ポンプを提供することを目
的とする。 【解決手段】 筐体1と、この筐体1の開口部に封止固
定したダイヤフラム2と、このダイヤフラム2を駆動す
る圧電振動子4と、筐体1の内部に設けた弁5a,5b
とを有し、筐体1とダイヤフラム2とは溶接部3により
封止固定した圧電ポンプであり、ダイヤフラム2と筐体
1との封止固定を溶接により行うので、ダイヤフラム2
を強固に固定でき、ダイヤフラム2の中心部の変位が大
きくなるので、吐出流量が増大し、また、ダイヤフラム
2は平板状でないのでダイヤフラム2全体の剛性が小さ
くなり、ダイヤフラム2の変位が大きくなり吐出流量の
増大が実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はたとえば電子機器の
冷却システムを構成する小型の圧電ポンプに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の圧電ポンプの断面図を図5に示
す。
【0003】図5のように従来の圧電ポンプは構成され
ていた。すなわち筐体101と平板状の金属のダイヤフ
ラム102とを接着剤103で封止接着し、ダイヤフラ
ム102の一方の面には両面に電極を有する圧電振動子
104を貼り付けて固定され、筐体101の内部に第1
弁105aと第2弁105bとが第1弁押え板106
a、第2弁押え板106bとともに設けられている。ポ
ンプ室110は、筐体101とこの筐体101の上方に
おいて外周部を接着剤103で封止固定したダイヤフラ
ム102と筐体101の内部の第1弁105a、第2弁
105b、第1弁押え板106a、および第2弁押え板
106bで囲まれた空間である。
【0004】また、筐体101には液体の流入口107
a、流出口107bが第1弁105a、第2弁105b
の下方に設けられている。圧電振動子104はリード線
108により電源109に接続されている。
【0005】次に、従来の圧電ポンプの動作について説
明する。電源109からリード線108を介して圧電振
動子104に交流電圧が印加されると、圧電振動子10
4は上下方向に連続的に変形し、ダイヤフラム102が
上下方向に連続的に撓む。これにより、ポンプ室110
内は連続的に交互に減圧状態、加圧状態となり、第1弁
105aと第2弁105bは連続的に交互に開閉し、液
体は流入口107aから流入し流出口107bへ圧送さ
れ流出する。この一連の動作により、圧電ポンプは容積
形ポンプとして機能する。図において、矢印は液体の流
れる方向を示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の圧電ポンプは、ダイヤフラム102と筐体101の
封止は、接着剤103により接着封止されていた。接着
剤103は金属と比較して弾性が小さいので、ダイヤフ
ラム102の固定が十分でなく、結果としてダイヤフラ
ム102の変位が小さく、十分な吐出流量が得られなか
った。
【0007】また、ダイヤフラム102は平板状の金属
であるために、上下に変形するには剛性が大きく、結果
としてダイヤフラム102の変位が小さく十分な吐出流
量が得られなかった。
【0008】さらに、気泡等が侵入しポンプ室110内
に滞留した場合、ダイヤフラム102により発生した圧
力が流体に伝わらず十分な吐出流量が得られなかった。
【0009】上記のように、従来の圧電ポンプは吐出流
量が小さく、十分な流量が得られないという問題点を有
していた。
【0010】そこで本発明は上記問題点を解決するもの
で、十分な吐出流量が安定して得られる圧電ポンプを提
供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に以下の構成を有するものである。
【0012】本発明の請求項1に記載の発明は、特に、
流体の流入口および流出口と開口部とを設けた筐体と、
この筐体の前記開口部に封止固定したダイヤフラムと、
このダイヤフラムに設けたダイヤフラムを駆動する圧電
振動子と、筐体の内部に設けた少なくとも一つの弁とを
有し、筐体とダイヤフラムとは溶接により封止固定した
圧電ポンプであり、ダイヤフラムと筐体との封止固定を
溶接により行うので、ダイヤフラムを強固に固定でき、
ダイヤフラムの中心部の変位が大きくなるので、吐出流
量の増大が実現できるという作用効果が得られる。
【0013】本発明の請求項2に記載の発明は、特に、
電気溶接を用いてダイヤフラムと筐体とを封止固定した
請求項1に記載の圧電ポンプであり、ダイヤフラムの封
止固定時に圧電振動子に高熱を加えることなく溶接で
き、熱による圧電振動子の劣化がないので、吐出流量の
増大が実現できるという作用効果が得られる。
【0014】本発明の請求項3に記載の発明は、特に、
流体の流入口および流出口と開口部とを設けた筐体と、
この筐体の前記開口部に封止固定したダイヤフラムと、
このダイヤフラムに設けたダイヤフラムを駆動する圧電
振動子と、筐体の内部に設けた少なくとも一つの弁とを
有し、ダイヤフラムは平板状でない圧電ポンプであり、
ダイヤフラム全体の剛性が小さくできるので、ダイヤフ
ラムの変位が大きくなり吐出流量の増大が実現できると
いう作用効果が得られる。
【0015】本発明の請求項4に記載の発明は、特に、
ダイヤフラムは圧電振動子を設けた面が凸状である請求
項3に記載の圧電ポンプであり、ダイヤフラム全体の剛
性が小さくできるので、ダイヤフラムの変位が大きくで
き吐出流量の増大が実現できるとともに、ポンプ室の容
積が大きくなりポンプ室内の流体の量を多くできるの
で、熱容量が大きくなり外気温の変化によるポンプの特
性への影響を小さくできるという作用効果が得られる。
【0016】本発明の請求項5に記載の発明は、特に、
ダイヤフラムは圧電振動子を設けた面が凹状である請求
項3に記載の圧電ポンプであり、ダイヤフラム全体の剛
性が小さくできるので、ダイヤフラムの変位が大きくで
き吐出流量の増大が実現できるとともに、小形で薄形の
圧電ポンプが実現できるという作用効果が得られる。
【0017】本発明の請求項6に記載の発明は、特に、
ダイヤフラムは圧電振動子の外周部分が凹凸形状である
請求項3に記載の圧電ポンプであり、ダイヤフラム全体
の剛性が小さくできるので、ダイヤフラムの変位が大き
くでき吐出流量の増大が実現できるとともに、温度など
の影響により筐体が変形した場合でも、その応力が圧電
振動子の外周の凹凸部分で吸収され圧電振動子に加わる
ことがないので圧電振動子の特性が安定し信頼性が向上
するという作用効果が得られる。
【0018】本発明の請求項7に記載の発明は、特に、
流体の流入口および流出口と開口部とを設けた筐体と、
この筐体の前記開口部に封止固定したダイヤフラムと、
このダイヤフラムに設けたダイヤフラムを駆動する圧電
振動子と、筐体の内部に設けた少なくとも一つの弁とを
有し、筐体とダイヤフラムと弁とで囲まれるポンプ室の
内面に流体に対する濡れ性を向上させる処理をした圧電
ポンプであり、ポンプ室の内部に気泡が滞留しにくくな
りダイヤフラムからの圧力が流体に安定して伝わるの
で、吐出流量が安定するという作用効果が得られる。
【0019】本発明の請求項8に記載の発明は、特に、
流体に対する濡れ性を向上させる処理は鏡面研磨である
請求項7に記載の圧電ポンプであり、鏡面研磨によりポ
ンプ室内面の表面エネルギーが大きくできるので、ポン
プ室の内部の流体に対する濡れ性が向上し、ポンプ室の
内部に気泡が滞留しにくくなりダイヤフラムからの圧力
が流体に安定して伝わるので、吐出流量が安定するとい
う作用効果が得られる。
【0020】本発明の請求項9に記載の発明は、特に、
流体に対する濡れ性を向上させる処理は親水性の材質の
塗布である請求項7に記載の圧電ポンプであり、親水性
の材質を塗布することにより、ポンプ室の内部の流体に
対する濡れ性が向上し、ポンプ室の内部に気泡が滞留し
にくくなりダイヤフラムからの圧力が流体に安定して伝
わるので、吐出流量が安定するとともに、流体によるポ
ンプ室内の腐食が防止できるという作用効果が得られ
る。
【0021】本発明の請求項10に記載の発明は、特
に、流体に対する濡れ性を向上させる処理はUV処理で
ある請求項7に記載の圧電ポンプであり、UV処理をす
ることによりポンプ室の内面の表面エネルギーが大きく
できるので、ポンプ室の内部の流体に対する濡れ性が向
上し、ポンプ室の内部に気泡が滞留しにくくなりダイヤ
フラムからの圧力が流体に安定して伝わるので、吐出流
量が安定するとともに、有機物等によるポンプ室の内面
の汚れがUV処理により除去できるという作用効果が得
られる。
【0022】本発明の請求項11に記載の発明は、特
に、流体に対する濡れ性を向上させる処理はプラズマ処
理である請求項7に記載の圧電ポンプであり、プラズマ
処理をすることによりポンプ室の内面の表面エネルギー
が大きくできるので、ポンプ室の内部の流体に対する濡
れ性が向上し、ポンプ室の内部に気泡が滞留しにくくな
りダイヤフラムからの圧力が流体に安定して伝わるの
で、吐出流量が安定するとともに、有機物等によるポン
プ室の内面の汚れがUV処理よりもさらに強力に除去で
きるという作用効果が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、実施の形
態1を用いて本発明の特に請求項1,2,3,4,7,
8に記載の発明について説明する。
【0024】図1は本発明の実施の形態1における圧電
ポンプの断面図である。
【0025】図1において、1は筐体であり、この筐体
1には流体の流入口1a、流出口1b、流入口1aと流
出口1bとを分離する分離壁1cおよび開口部が設けて
あり、この開口部は金属のダイヤフラム2で封止し、筐
体1とダイヤフラム2とは溶接部3で固定し、ダイヤフ
ラム2の一方の凸状の面には両面に電極を有する圧電振
動子4を貼り付けてある。また、筐体1の内部には、第
1弁5aと第2弁5bとを第1弁押え板6a、第2弁押
え板6bとともに取付けてある。7はポンプ室であり、
このポンプ室7は筐体1とダイヤフラム2と第1弁5
a、第2弁5b、第1弁押え板6aおよび第2弁押え板
6bで囲まれた空間であり、ポンプ室7の内面は鏡面加
工を施してある。図1において矢印は液体の流れる方向
を示している。
【0026】次に、本発明の実施の形態1における圧電
ポンプの製造方法について説明する。まず、ステンレス
板をプレス加工して、直径の約70%の中央部分を平面
として凸状の打ち出し加工を施した。さらにこの凹側の
面を鏡面研磨してダイヤフラム2を作製した。また、こ
のダイヤフラム2の外周端の部分には、電気溶接用のプ
ロジェクションを形成した。このプロジェクションは幅
50から200μm、高さ50から200μmのリング
状の突起で、ダイヤフラム2を筐体1に電気溶接により
封止固定する時に、このプロジェクションが溶融し、ダ
イヤフラム2と筐体1との良好な接合を得るためのもの
である。
【0027】続いて、上記ダイヤフラム2の凸部の平面
に、圧電セラミックの両面に電極を形成した円板状の圧
電振動子4をエポキシ系の接着剤で接着固定した。
【0028】一方、ステンレス鋼を切削加工して、液体
の流入口1a、流出口1b、流入口1aと流出口1bと
を分離する分離壁1cおよび開口部を設け、この内壁面
を鏡面研磨して筐体1を作製した。
【0029】また、ステンレス板を所望形状に加工しそ
の表面を鏡面研磨して、第1弁5a、第2弁5b、第1
弁押え板6a、第2弁押え板6bをそれぞれ作製した。
続いて、これら第1弁5a、第2弁5b、第1弁押え板
6a、第2弁押え板6bを上記の筐体1の内部に取付け
て固定した。
【0030】次に、この筐体1の開口部を封止するよう
に上記の圧電振動子4を接着固定したダイヤフラム2の
外周部分を筐体1に当接し、電気溶接法によりダイヤフ
ラム2と筐体1とを溶接して封止固定した。その後、半
田付けにより圧電振動子4の一方の電極およびダイヤフ
ラム2にリード線(図示せず)を接続し、本発明の実施
の形態1における圧電ポンプ11を得た。
【0031】なお、ダイヤフラム2と筐体1との溶接は
上記の電気溶接法のほかにアーク溶接法等により行って
も良いが、電気溶接法はアーク溶接法等に比較して圧電
振動子4の熱による劣化が少ないという利点がある。
【0032】次に、以上のように構成された本発明の実
施の形態1における圧電ポンプ11の動作について、図
2を参照して説明する。
【0033】なお、図2は本発明の実施の形態1におけ
る圧電ポンプの動作測定を説明するための模式図であ
り、本発明の実施の形態1における圧電ポンプ10を用
いた冷却装置を組込んだノートパソコンの模式図であ
る。
【0034】図2において、11は圧電ポンプ、12は
吸熱器、13は放熱器であり、圧電ポンプ11、吸熱器
12および放熱器13の間は、液体の流路14で接続し
閉回路循環サイクルを形成し、この中に水とエチレング
リコールの混合物の液体を充填し、この液体を冷媒とし
て冷却装置を構成している。この冷却装置は、ノートパ
ソコン本体15内で、吸熱器12はCPUなどの発熱体
16に伝熱パッド16aを介して密着させ、放熱器13
は表示部17に収納している。
【0035】以上のように構成された冷却装置の動作
を、図1および図2を参照しながら圧電ポンプ11を中
心として説明する。
【0036】電源からリード線を介して圧電振動子4に
交流電圧が印加されると圧電振動子4が上方向に撓む。
この時まず第1弁5aの開放端が上方へ移動し、第1弁
押え板6aと第1弁5aの間に隙間が生じ、流入口1a
から流入した液体冷媒がこの隙間からポンプ室7へ流入
する。この時第2弁5bは上方に存在する第2弁押え板
6bにより閉じたままである。次いで圧電振動子4が下
方に撓むと、第2弁5bの開放端が下方へ移動し、第2
弁押え板6bと第2弁5bとの間に隙間が生じ、この隙
間からポンプ室7の液体冷媒が流出し、流出口1bから
吸熱器12側へ圧送される(図1の矢印は液体冷媒の流
れる方向を示す)。
【0037】圧電振動子4を上下方向に連続的に撓ませ
ることにより、上記動作が繰返し行われ、液体冷媒が圧
電ポンプ11−吸熱器12−放熱器13−圧電ポンプ1
1という閉回路循環サイクルにより形成された冷却装置
内を循環することになるのである。圧電ポンプ11で押
し出された液体溶媒は、吸熱器12において発熱体16
の熱を吸収し、放熱器13へ移動し放熱器13で放熱し
再び冷却されて圧電ポンプ11に戻ってくる。これを繰
り返すことによりノートパソコン内で発生した熱を外部
へ放出する。この液体冷媒は、放熱器13で最も低温と
なり放熱器13から圧電ポンプ11へ流入し吸熱器12
へ流出される。
【0038】図2の冷却装置を組込んだノートパソコン
を用いて、本発明の実施の形態1における圧電ポンプ1
1の動作測定を行った結果、図5に示した従来の圧電ポ
ンプでは、駆動電圧40Vrms、駆動周波数50Hz
において、吐出流量が約15cc/minであったが、
本発明の実施の形態1における圧電ポンプ11では、吐
出流量が約30cc/minに増大し、十分な冷却能力
を実現することができた。
【0039】以上のように、本発明の実施の形態1にお
ける圧電ポンプ11では、ダイヤフラム2の筐体1との
封止固定が溶接工法により強固に接着されているので、
ダイヤフラム2の中心部の変位が大きくなり、また、ダ
イヤフラム2は凸状の加工が施してありダイヤフラム2
全体の剛性が下がるので、ダイヤフラム2の変位を大き
くでき吐出流量の増大が実現できた。
【0040】また、ポンプ室7の内面は鏡面研磨加工が
施してあるので、液体冷媒に対する塗れ性が向上し気泡
が付着しにくく、吐出流量の変動がなく安定した流量が
実現できた。
【0041】なお、本実施の形態1では圧電振動子4と
して、単層の円板状の圧電セラミックを用いた構成を説
明したが、内部電極を設けた積層構造の圧電振動子を用
いることで、より低電圧による駆動で同一の流量が得ら
れる。
【0042】また、本実施の形態1では圧電振動子4と
して圧電セラミックを用いたが、圧電性を有する単結晶
や樹脂等でも同様の効果が得られる。
【0043】なお、本実施の形態1ではダイヤフラム2
に圧電振動子4を接着した構成で説明したが、ダイヤフ
ラム2上にスパッタ、ゾルゲル法等の方法で圧電性を有
する物質を形成しても、同様の効果が得られる。
【0044】(実施の形態2)以下、実施の形態2を用
いて本発明の特に請求項5,9に記載の発明について説
明する。
【0045】図3は本発明の実施の形態2における圧電
ポンプの断面図である。
【0046】図3を用いて本発明の実施の形態2におけ
る圧電ポンプについて、その構成および製造方法を説明
する。図3に示すように、本発明の実施の形態2におけ
る圧電ポンプが実施の形態1と異なる点はダイヤフラム
22の形状とポンプ室27の内面の処理であり、実施の
形態1と同一の構成および製造方法については同一の符
号を付し詳細な説明を省略する。
【0047】まず、ステンレス板をプレス加工して、直
径の約70%の中央部分を平面として凹状の打ち出し加
工を施し、さらにこの凸側の面を鏡面研磨してダイヤフ
ラム22を作製した。また、このダイヤフラム22の外
周端の部分には、実施の形態1と同様に電気溶接用のプ
ロジェクションを形成した。
【0048】続いて、上記ダイヤフラム22の凹部の平
面に、圧電セラミックの両面に電極を形成した円板状の
圧電振動子4をエポキシ系の導電性接着剤で接着固定し
た。さらに、このダイヤフラム22のポンプ室27の内
面となる凸側の面にアクリル系の親水性ポリマーを塗布
した。
【0049】一方、実施の形態1と同様に、ステンレス
鋼を切削加工、鏡面研磨して筐体1を作製し、ステンレ
ス板を所望形状に加工しその表面を鏡面研磨して、第1
弁5a、第2弁5b、第1弁押え板6a、第2弁押え板
6bをそれぞれ作製した。
【0050】続いて、これら第1弁5a、第2弁5b、
第1弁押え板6a、第2弁押え板6bを上記の筐体1の
内部に取付けて固定し、これら筐体1、第1弁5a、第
2弁5b、第1弁押え板6aおよび第2弁押え板6bの
それぞれのポンプ室27の内面となる面にアクリル系の
親水性ポリマーを塗布した。
【0051】次に、実施の形態1と同様に、筐体1の開
口部を封止するように上記のダイヤフラム22の外周部
分を筐体に当接し、電気溶接法によりダイヤフラム22
と筐体1とを溶接して封止固定した。その後、半田付け
により圧電振動子4の一方の電極およびダイヤフラム2
2にリード線(図示せず)を接続し、本発明の実施の形
態2における圧電ポンプ20を得た。
【0052】実施の形態1と同様に、図2の冷却装置を
組込んだノートパソコンを用いて、本発明の実施の形態
2における圧電ポンプ20の動作測定を行った結果、駆
動電圧40Vrms、駆動周波数50Hzにおいて、吐
出流量約25cc/minが得られ、十分な冷却能力を
実現することができた。
【0053】以上のように本発明の実施の形態2におけ
る圧電ポンプ20は、図3に示したように薄形に構成で
きるとともに吐出流量の増大が実現できた。
【0054】また、ポンプ室27の内面にアクリル系の
親水性ポリマーを塗布し液体冷媒に対する塗れ性を向上
させたので、気泡が付着しにくく、吐出流量の変動がな
く安定した流量が実現できた。
【0055】(実施の形態3)以下、実施の形態3を用
いて本発明の特に請求項6,10に記載の発明について
説明する。
【0056】図4は本発明の実施の形態3における圧電
ポンプの断面図である。
【0057】図4を用いて本発明の実施の形態3におけ
る圧電ポンプについて、その構成と製造方法を説明す
る。図4に示すように、本発明の実施の形態3における
圧電ポンプが実施の形態1と異なる点はダイヤフラム3
2の形状とポンプ室37の内面の処理であり、実施の形
態1と同一の構成および製造方法については同一の符号
を付し詳細な説明を省略する。
【0058】まず、ステンレス板をプレス加工して、直
径の約70%の中央部分を平面としてその周囲に凹凸状
の溝加工を施しダイヤフラム32を作製した。また、こ
のダイヤフラム32の外周端の部分には、実施の形態1
と同様に電気溶接用のプロジェクションを形成した。
【0059】続いて、上記ダイヤフラム32の中央の平
面部分に、圧電セラミックの両面に電極を形成した円板
状の圧電振動子4をエポキシ系の導電性接着剤で接着固
定した。さらに、このダイヤフラム32のポンプ室37
の内面となる面を鏡面研磨した後、1kWの高圧水銀灯
の紫外光を30cmの距離から10秒間照射してUV処
理を施した。
【0060】一方、実施の形態1と同様に、ステンレス
鋼を切削加工、鏡面研磨して筐体1を作製し、ステンレ
ス板を所望形状に加工しその表面を鏡面研磨して、第1
弁5a、第2弁5b、第1弁押え板6a、第2弁押え板
6bをそれぞれ作製した。
【0061】続いて、これら第1弁5a、第2弁5b、
第1弁押え板6a、第2弁押え板6bを上記の筐体1の
内部に取付けて固定し、これら筐体1、第1弁5a、第
2弁5b、第1弁押え板6aおよび第2弁押え板6bの
それぞれのポンプ室37の内面となる面に、上記と同様
に1kWの高圧水銀灯の紫外光を30cmの距離から1
0秒間照射してUV処理を施した。
【0062】次に、実施の形態1と同様に、筐体1の開
口部を封止するように上記のダイヤフラム32の外周部
分を筐体1に当接し、電気溶接法によりダイヤフラム3
2と筐体1とを溶接して封止固定した。その後、半田付
けにより圧電振動子4の一方の電極およびダイヤフラム
32にリード線(図示せず)を接続し、本発明の実施の
形態3における圧電ポンプ30を得た。
【0063】実施の形態1と同様に、図2の冷却装置を
組込んだノートパソコンを用いて、本発明の実施の形態
3における圧電ポンプ30の動作測定を行った結果、駆
動電圧40Vrms、駆動周波数50Hzにおいて、吐
出流量約25cc/minが得られ、十分な冷却能力を
実現することができた。
【0064】以上のように、本発明の実施の形態3にお
ける圧電ポンプ30では、吐出流量の増大が実現でき、
また、ポンプ室37の内面にUV処理を施し液体冷媒に
対する塗れ性を向上させるとともにポンプ室37の内面
の有機物による汚れが除去され気泡が付着しにくく、吐
出流量の変動がなく安定した流量が実現できた。
【0065】(実施の形態4)以下、実施の形態4を用
いて本発明の特に請求項11に記載の発明について説明
する。
【0066】本発明の実施の形態4における圧電ポンプ
が実施の形態3と異なる点は、ポンプ室37の内面の処
理であり、その他は実施の形態3と同一の構成および製
造方法であるので、同一な部分については説明を省略し
図4を用いて説明する。
【0067】ポンプ室37の内面の処理として、実施の
形態3のUV処理に代えて、プラズマ処理を施した。プ
ラズマ処理は、ダイヤフラム32のポンプ室37の内面
となる面と、筐体1、第1弁5a、第2弁5b、第1弁
押え板6aおよび第2弁押え板6bのそれぞれのポンプ
室25の内面となる面をキーエンス社製プラズマ照射器
ST−7000型により1秒間プラズマ照射して行っ
た。
【0068】次に、実施の形態3と同様に、筐体1の開
口部を封止するようにプラズマ処理したダイヤフラム3
2の外周部分を筐体1に当接し、電気溶接法によりダイ
ヤフラム32と筐体1とを溶接して封止固定した。その
後、半田付けにより圧電振動子4の一方の電極およびダ
イヤフラム32にリード線(図示せず)を接続し、本発
明の実施の形態4における圧電ポンプ30を得た。
【0069】実施の形態1と同様に、図2の冷却装置を
組込んだノートパソコンを用いて、本発明の実施の形態
4における圧電ポンプ30の動作測定を行った結果、駆
動電圧40Vrms、駆動周波数50Hzにおいて、吐
出流量約25cc/minが得られ、十分な冷却能力を
実現することができた。
【0070】以上のように、本発明の実施の形態4にお
ける圧電ポンプ30もまた、吐出流量の増大が実現で
き、また、ポンプ室37の内面にプラズマ処理を施し液
体冷媒に対する塗れ性を向上してあるので、気泡が付着
しにくく、吐出流量の変動がなく安定した流量が実現で
きた。また、プラズマ処理は有機物による汚れをUV処
理に比較してより強力に除去できるという効果があっ
た。
【0071】
【発明の効果】以上のように本発明は、流体の流入口お
よび流出口と開口部とを設けた筐体と、この筐体の前記
開口部に封止固定したダイヤフラムと、このダイヤフラ
ムに設けたダイヤフラムを駆動する圧電振動子と、筐体
内部に設けた少なくとも一つの弁とを有し、筐体とダイ
ヤフラムとは溶接により封止固定した圧電ポンプであ
り、ダイヤフラムと筐体との封止固定を溶接により行う
ので、ダイヤフラムを強固に固定でき、ダイヤフラムの
中心部の変位が大きくすることができるので、吐出流量
が増大する。
【0072】また、ダイヤフラムは平板状でない圧電ポ
ンプであり、ダイヤフラム全体の剛性が小さくできるの
で、ダイヤフラムの変位が大きくなり吐出流量の増大が
実現できる。
【0073】さらに、筐体とダイヤフラムと弁とで囲ま
れるポンプ室の内面は、流体に対する濡れ性を向上させ
る処理をした圧電ポンプであり、ポンプ室の内部に気泡
が滞留しにくくなりダイヤフラムからの圧力が流体に安
定して伝わるので、安定した吐出流量が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における圧電ポンプの断
面図
【図2】同圧電ポンプの動作測定を説明するための模式
【図3】本発明の実施の形態2における圧電ポンプの断
面図
【図4】本発明の実施の形態3,4における圧電ポンプ
の断面図
【図5】従来の圧電ポンプの断面図
【符号の説明】 1 筐体 1a 流入口 1b 流出口 1c 分離壁 2,22,32 ダイヤフラム 3 溶接部 4 圧電振動子 5a 第1弁 5b 第2弁 6a 第1弁押え板 6b 第2弁押え板 7,27,37 ポンプ室 11,20,30 圧電ポンプ 12 吸熱器 13 放熱器 14 液体の流路 15 ノートパソコン本体 16 発熱体 16a 伝熱パッド 17 表示部
フロントページの続き (72)発明者 岡野 祐幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 今田 勝巳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小松 敦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3H077 AA02 BB10 CC02 CC09 DD06 EE01 FF03 FF07 FF08 FF09 FF36

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の流入口および流出口と開口部とを
    設けた筐体と、この筐体の前記開口部に封止固定したダ
    イヤフラムと、このダイヤフラムに設けたダイヤフラム
    を駆動する圧電振動子と、筐体の内部に設けた少なくと
    も一つの弁とを有し、筐体とダイヤフラムとは溶接によ
    り封止固定した圧電ポンプ。
  2. 【請求項2】 溶接は電気溶接である請求項1に記載の
    圧電ポンプ。
  3. 【請求項3】 流体の流入口および流出口と開口部とを
    設けた筐体と、この筐体の前記開口部に封止固定したダ
    イヤフラムと、このダイヤフラムに設けたダイヤフラム
    を駆動する圧電振動子と、筐体の内部に設けた少なくと
    も一つの弁とを有し、ダイヤフラムは平板状でない構成
    とした圧電ポンプ。
  4. 【請求項4】 ダイヤフラムは圧電振動子を設けた面が
    凸状である請求項3に記載の圧電ポンプ。
  5. 【請求項5】 ダイヤフラムは圧電振動子を設けた面が
    凹状である請求項3に記載の圧電ポンプ。
  6. 【請求項6】 ダイヤフラムは圧電振動子の外周部分が
    凹凸形状である請求項3に記載の圧電ポンプ。
  7. 【請求項7】 流体の流入口および流出口と開口部とを
    設けた筐体と、この筐体の前記開口部に封止固定したダ
    イヤフラムと、このダイヤフラムに設けたダイヤフラム
    を駆動する圧電振動子と、筐体の内部に設けた少なくと
    も一つの弁とを有し、筐体とダイヤフラムと弁とで囲ま
    れるポンプ室の内面に流体に対する濡れ性を向上させる
    処理をした圧電ポンプ。
  8. 【請求項8】 流体に対する濡れ性を向上させる処理は
    鏡面研磨である請求項7に記載の圧電ポンプ。
  9. 【請求項9】 流体に対する濡れ性を向上させる処理は
    親水性の材質の塗布である請求項7に記載の圧電ポン
    プ。
  10. 【請求項10】 流体に対する濡れ性を向上させる処理
    はUV処理である請求項7に記載の圧電ポンプ。
  11. 【請求項11】 流体に対する濡れ性を向上させる処理
    はプラズマ処理である請求項7に記載の圧電ポンプ。
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