JP2002284028A - パワーステアリング装置 - Google Patents
パワーステアリング装置Info
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Landscapes
- Power Steering Mechanism (AREA)
- Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
Abstract
小さくして、操舵機構部の作動不良などを防止する装置
を提供すること。 【解決手段】 コントローラCに操舵角θを検出する操
舵角センサ16を接続し、コントローラが、この操舵角
センサ16からの信号による操舵角θと、操舵角θのう
ち最大操舵角より小さい設定角θ1と、操舵角θに応じ
たソレノイド電流指令値Iθeとを演算または記憶する
一方、操舵角θが設定角θ1を越えたとき、基本制御部
20からの出力値に対してソレノイド電流指令値Iθe
を限界値として制御することで、パワーシリンダのアシ
スト力を小さくする構成にしたことを特徴とする。
Description
側に導く流量を制御する流量制御弁を備えたパワーステ
アリング装置に関する。
のである。まず、図13に基づいて、パワーステアリン
グ装置全体の構成を説明する。油圧制御機構Yには、流
量制御弁Vのスプール1とともにポンプPも一体的に組
み込んでいる。上記スプール1は、その一端を一方のパ
イロット室2に臨ませ、多端を他方のパイロット室3に
臨ませている。上記一方のパイロット室2は、ポンプポ
ート4を介してポンプPに常時連通している。また、他
方のパイロット室3にはスプリング5を介在させてい
る。このようにした両パイロット室2,3は、ソレノイ
ドSOLの励磁電流Aに応じて開度を制御する可変オリ
フィスaを介して、たがいに連通している。
6→可変オリフィスa→流路7を経由してパワーシリン
ダ8を制御するステアリングバルブ9の流入側に連通し
ている。また、他方のパイロット室3は、流路10およ
び流路7を介してステアリングバルブ9の流入側に連通
している。したがって、上記両パイロット室2、3は、
可変オリフィスaを介して連通することになり、可変オ
リフィスaの上流側の圧力が一方のパイロット室2に作
用し、下流側の圧力が他方のパイロット室3に作用する
ことになる。
室2の作用力と、他方のパイロット室3の作用力および
スプリング5で発生する作用力の合計とがバランスした
位置を保つが、そのバランス位置において、前記ポンプ
ポート4とタンクポート11との開度が決められる。
今、エンジン等からなるポンプ駆動源12が停止してい
ると、ポンプポート4の圧油が供給されない。ポンプポ
ート4に圧油が供給されなければ、両パイロット室2、
3には圧力が発生しないので、スプール1はスプリング
5の作用で図示のノーマル位置を保つ。
プポート4に圧油が供給されると、可変オリフィスaに
流れができるので、そこに差圧が発生する。この差圧の
作用で、両パイロット室2、3に圧力差が発生し、この
圧力差に応じてスプール1がスプリング5に抗して移動
し、上記バランスを保つ。このようにスプール1がスプ
リング5に抗して移動することによって、タンクポート
11の開度を大きくするが、このときのタンクポート1
1の開度に応じて、ステアリングバルブ9側に導かれる
制御流量QPと、タンクTあるいはポンプPに還流され
る戻り流量QTの分配比が決まる。言い換えれば、タン
クポート11の開度に応じて制御流量QPが決まること
になる。
の移動位置で決まるタンクポート11の開度に応じて制
御されるということは、結局は、可変オリフィスaの開
度に応じて制御流量QPが決まることになる。なぜな
ら、スプール1の移動位置は、両パイロット室2、3の
圧力差で決まるとともに、この圧力差を決めているのが
可変オリフィスaの開度だからである。
御流量QPを制御するためには、可変オリフィスaの開
度、すなわちソレノイドSOLの励磁電流を制御すれば
よいことになるなぜなら、可変オリフィスaは、ソレノ
イドSOLが非励磁状態のときにその開度を最小に保
ち、励磁電流を大きくしていくにしたがってその開度を
大きくするからである。
していないステアリングホィールの入力トルク(操舵ト
ルク)に応じて、パワーシリンダ8への供給流量を制御
するものである。例えば、操舵トルクが大きければ、パ
ワーシリンダ8への供給流量を大きくし、操舵トルクが
小さければそれに応じて供給流量も少なくするようにし
ている。この操舵トルクとステアリングバルブ9の切り
換え量は、図示していないトーションバーなどのねじれ
反力によって決まることになる。
ステアリングバルブ9の切り換え量を大きくすれば、そ
の分、パワーシリンダ8によるアシスト力が大きくな
る。反対に、ステアリングバルブ9の切り換え量を小さ
くすれば、上記アシスト力は小さくなる。そして、操舵
トルクによって決まるパワーシリンダ8の必要(要求)
流量QMと、流量制御弁で決められる制御流量QPと
を、なるべく等しくすれば、ポンプP側のエネルギー損
失を低く抑えることができる。なぜなら、ポンプP側の
エネルギー損失は、制御流量QPとパワーシリンダ8の
要求流量QMとの差によって発生するからである。
ンダ8を要求流量QMにできるだけ近づけるために、可
変オリフィスaの開度を制御するのが、ソレノイドSO
Lに対する励磁電流であり、この励磁電流を制御するの
が、コントローラCである。このコントローラCには、
操舵角センサ16と車速センサ17を接続し、これら両
センサの出力信号に基づいて、ソレノイドSOLの励磁
電流を制御するようにしている。
形成したスリットで、スプール1が図示の位置にあると
きにも、一方のパイロット室2が、このスリット18を
介して、流路7に常時連通するようにしている。言い換
えると、スプール1が図示の状態にあって、流路6を閉
じているようなときにも、ポンプPの吐出油が、このス
リット18を介して、ステアリングバルブ9側に供給さ
れるようにしている。このように微少流量であるが、ス
テアリングバルブ9側に圧油を供給するようにしたの
は、装置全体の焼き付きの防止、キックバック等の外乱
の防止、および応答性の確保を目的としているからであ
る。
動装置で、コントローラCとソレノイドSOLとの間に
接続している。
14に示すとおりである。すなわち、コントローラCに
は、操舵角センサ16からの操舵角信号と車速センサ1
7からの車速信号とが入力する。そして、コントローラ
Cは、操舵角信号から操舵角θと操舵角速度ωとを演算
する。そして、これら操舵角θおよび操舵角速度ωに基
づいて、上記要求流量QMを推定するようにしている。
度ωを基にして、ソレノイドSOLの励磁電流指令値を
制御するようにしている。その制御特性は、図14に示
すとおりである。図14における操舵角θとソレノイド
電流指令値Iθとは、その操舵角θと制御流量QPとの
関係がリニアな特性になる理論値を基にして決めてい
る。また、操舵角速度ωとソレノイド電流指令値Iωと
の関係も、操舵角速度ωと制御流量QPとがリニアな特
性になる理論値を基にして決めている。
ある設定値以上にならなければ、上記指令値Iθおよび
Iωのいずれもゼロを出力するようにしている。つま
り、ステアリングホィールが中立あるいはその近傍にあ
るときには、上記指令値IθもIωもゼロになるように
している。そして、これら操舵角θに対するソレノイド
電流指令値Iθ、および操舵角速度ωに対するソレノイ
ド電流指令値Iωは、テーブル値としてコントローラC
にあらかじめ記憶させておいてもよいし、操舵角θある
いは操舵角速度ωを基にして、その都度、コントローラ
Cに演算させるようにしてもよい。
ノイド電流指令値Iθと、操舵角速度ωを基にしてソレ
ノイド電流指令値Iωとを決定したら、それら両者を加
算する。この加算値(Iθ+Iω)に、今度は車速信号
に基づいたソレノイド電流指令値Ivを乗算する。ただ
し、上記車速信号に基づいたソレノイド電流指令値Iv
は、車速が低速域では1を出力し、高速域ではゼロを出
力するとともに、その間の中速域では1からゼロまでの
小数点以下の値を出力する。
車速信号に基づいたソレノイド電流指令値Ivを乗算す
れば、低速域では(Iθ+Iω)がそのまま出力される
し、高速域では(Iθ+Iω)がゼロになる。また、中
速域では速度が上がればそれに反比例した値が出力され
ることになる。上記のように(Iθ+Iω)×Ivが決
まったら、さらにそれにスタンバイソレノイド電流指令
値Isを加算する。つまり、{(Iθ+Iω)×Iv}
+Is=I(ソレノイド電流指令値)として、コントロ
ーラCから出力させる。
は、常に、所定の電流が可変オリフィスaのソレノイド
SOLに供給されるようにするためのものである。この
ようにスタンバイソレノイド電流指令値Isが供給され
た可変オリフィスaは、操舵角θ、操舵角速度ωおよび
車速を基にしたソレノイド電流指令値が、たとえゼロだ
ったとしても、その開度を一定に保つとともに、一定の
スタンバイ流量を確保する。なお、スタンバイ流量QS
を確保したのは、装置の焼き付き防止、応答性の確保な
どの理由からである。
ば、車速が低速域にある状態で操舵すれば、そのときの
操舵角θと操舵角速度ωによって、ソレノイド電流指令
値IθとIωとが決まる。そして、これら指令値を加算
するとともに、この加算値(Iθ+Iω)に車速に応じ
たソレノイド電流指令値Iv=1を乗算する。その乗算
値である(Iθ+Iω)に、スタンバイ流量を確保する
ためのソレノイド電流指令値Isをさらに加算する。す
なわち、低速域では、ソレノイド電流指令値Iは、I=
Iθ+Iω+Isということになる。
ソレノイド電流指令値Ivがゼロになる。この電流指令
値Ivがゼロになれば、(Iθ+Iω)×Iv=0とな
るので、制御流量QPは、スタンバイ流量QSだけとな
り、パワーアシスト力もほとんどなくなる。そして、中
速域での走行中には、その速度に応じて、車速によるソ
レノイド電流指令値Ivが小さくなっていくので、それ
にともなって制御流量QPも小さくなる。したがって、
パワーアシスト力もその分小さくなっていく。ここで、
車速に応じたソレノイド電流指令値Ivは、車速の低速
から高速までの範囲で1〜0としたが、何もこの値に限
定する必要はなく、高速で出力をゼロとするようになっ
ていれば、そのレベルは問わない。なぜならば、ここで
いうソレノイド電流指令値Iθ、Iω、Ivは、電流値
そのものではなく、特に単位を持たない電流指令値であ
るからである。
の装置では、車速や操舵角に応じて、制御流量QPを特
定しており、車速が低速域では、上記ソレノイド電流指
令値Iに応じた大きなアシスト力が、パワーシリンダ8
にかかる。そのため、低速走行時にステアリングホィー
ルを右または左に回しきった状態、すなわちロックエン
ドになるとき、操舵角は最大角をとり、パワーシリンダ
8は、上記アシスト力がかかったままストロークエンド
に達することになる。このように大きなアシスト力がか
かったまま、パワーシリンダ8がストロークエンドに達
すると、そのときに発生する操舵機構部22の衝撃が大
きいという問題があった。
エンドに達するときの衝撃が大きいと、騒音が発生する
だけでなく、場合によっては、パワーステアリング装置
を含む操舵機構部22が作動不良を起こす可能性があ
る。そこで、操舵機構部22等の強度を上げる必要があ
り、その分、コストがかかっていた。また、パワーシリ
ンダ8がストロークエンドに達すると、ステアリングホ
ィールは、何の予告もなく急に回せなくなってしまう。
このようにステアリングホィールを急に回せなくなるの
で、ドライバーにも衝撃感が伝わり、操舵感が悪くなる
という問題があった。
リンダのアシスト力を小さくすることで、ドライバーに
ロックエンド直前を知らせるとともに、フルアシスト力
でロックエンド状態にならないことで、ロックエンドで
の衝撃防止およびパワーシリンダを含む操舵機構部の作
動不良を防止するパワーステアリング装置を提供するこ
とである。
前提とする。パワーシリンダと、このパワーシリンダの
アシスト力を制御する油圧制御機構と、ステアリングホ
ィールの作動に応じて上記油圧制御機構を制御するコン
トローラとを備え、このコントローラに、ステアリング
ホィールの作動に応じて油圧制御機構へ出力信号を出力
する基本制御部を設けた構成にしている。
は、次の点に特徴を有する。すなわち、上記コントロー
ラに操舵角を検出する操舵角センサを接続し、コントロ
ーラが、この操舵角センサからの信号による操舵角θ
と、操舵角θのうち最大操舵角より小さい設定角θ
1と、操舵角θに応じた指令値Iθeとを演算または記
憶する一方、操舵角θが設定角θ1を越えたとき、基本
制御部からの出力値に対して、ソレノイド電流指令値I
θeを限界値として制御することで、上記パワーシリン
ダのアシスト力を小さくする構成にしている。
シリンダへの制御流量を制御する可変オリフィスと、こ
の可変オリフィスの開度を制御するソレノイドとを設け
る一方、基本制御部には操舵角センサを接続し、この操
舵角センサからの操舵角に応じた操舵角θと操舵角速度
ωとを演算または記憶する一方、基本制御部は、これら
操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθおよび操舵
角速度ωに応じたソレノイド電流指令値Iωを演算また
は記憶するとともに、これらソレノイド電流指令値Iθ
とIωとを加算し、この加算した値に、さらにスタンバ
イ用のソレノイド電流指令値Isを加算した合計指令値
を、基本制御部から出力する出力信号にした点に特徴を
有する。
シリンダへの制御流量を制御する可変オリフィスと、こ
の可変オリフィスの開度を制御するソレノイドとを設け
る一方、基本制御部には車速センサを設け、かつ、この
基本制御部には操舵角センサを接続し、この操舵角セン
サからの操舵角に応じた操舵角θと操舵角速度ωとを演
算または記憶する一方、基本制御部は、これら操舵角θ
に応じたソレノイド電流指令値Iθおよび操舵角速度ω
に応じたソレノイド電流指令値Iωを演算または記憶す
るとともに、操舵角θに応じたソレノイド電流指令値I
θと車速に応じた操舵角用電流指令値Iv1とを乗算す
る一方、操舵角速度ωに応じた上記電流指令値Iωは、
車速信号に応じた操舵角速度用電流指令値Iv2を限界
値とし、しかも、ソレノイド電流指令値IθとIv1と
の乗算値I1と、ソレノイド電流指令値Iv2を限界値
とするソレノイド電流I2との大小を判定し、その大き
い方の値を基にした電流指令値を、基本制御部から出力
する出力信号にした点に特徴を有する。
シリンダへの制御流量を制御する可変オリフィスと、こ
の可変オリフィスの開度を制御するソレノイドとを設け
る一方、基本制御部には操舵トルクセンサを接続し、基
本制御部は、この操舵トルクセンサからの操舵トルク信
号に応じたソレノイド電流指令値Itを演算または記憶
するとともに、このソレノイド電流指令値Itにスタン
バイ用のソレノイド電流指令値Isを加算し、この加算
した合計値を基にした電流指令値を、基本制御部から出
力する出力信号にした点に特徴を有する。
装置の全体は、従来と同様に図13に示すものであり、
パワーシリンダ8および油圧制御機構Yについては、従
来例と同様に構成している。したがって、以下において
は、従来例との違いについて、具体的に説明する。
ステムは、図1に示すとおりである。コントローラCに
は、操舵角センサ16からの操舵角信号と車速センサ1
7からの車速信号とが入力する。そして、コントローラ
Cは、操舵角信号から操舵角θと操舵角速度ωとを演算
する。そして、これら操舵角θおよび操舵角速度ωに基
づいて、従来例で説明した要求流量QMを推定するよう
にしている。なお、符号20は、この発明の基本制御部
である。また、この第1実施例では、操舵角信号を微分
して操舵角速度ωを算出しているが、操舵角速度センサ
によって操舵角速度ωを直接検出してもよい。この点に
ついては、後述する第2,3実施例においても同様であ
る。
速度ωを基にして、ソレノイドSOLの励磁電流指令値
を制御するようにしている。その制御特性は、図1に示
すとおりである。図1における操舵角θとソレノイド電
流指令値Iθとは、その操舵角θと制御流量QPとの関
係がリニアな特性になる理論値を基にして決めている。
また、操舵角速度ωとソレノイド電流指令値Iωとの関
係も、操舵角速度ωと制御流量QPとがリニアな特性に
なる理論値を基にして決めている。
ある設定値以上にならなければ、上記指令値Iθおよび
Iωのいずれもゼロを出力するようにしている。つま
り、ステアリングホィールが中立あるいはその近傍にあ
るときには、上記指令値IθもIωもゼロになるように
している。そして、これら操舵角θに対するソレノイド
電流指令値Iθ、および操舵角速度ωに対するソレノイ
ド電流指令値Iωは、テーブル値としてコントローラC
にあらかじめ記憶させておいてもよいし、操舵角θある
いは操舵角速度ωを基にして、その都度、コントローラ
Cに演算させるようにしてもよい。
ノイド電流指令値Iθと、操舵角速度ωを基にしてソレ
ノイド電流指令値Iωとを決定したら、それら両者を加
算する。この加算値(Iθ+Iω)に、今度は車速信号
に基づいたソレノイド電流指令値Ivを乗算する。ただ
し、上記車速信号に基づいたソレノイド電流指令値Iv
は、車速が低速域では1を出力し、高速域ではゼロを出
力するとともに、その間の中速域では1からゼロまでの
小数点以下の値を出力する。
車速信号に基づいたソレノイド電流指令値Ivを乗算す
れば、低速域では(Iθ+Iω)がそのまま出力される
し、高速域では(Iθ+Iω)がゼロになる。また、中
速域では、速度が上がればそれに反比例した値が出力さ
れることになる。上記のように(Iθ+Iω)×Ivが
決まったら、さらにそれにスタンバイソレノイド電流指
令値Isを加算する。つまり、〔{(Iθ+Iω)×I
v}+Is〕の値を出力信号として、基本制御部20か
ら出力させる。
に応じた指令値Iθeとの関係は、テーブル値としてコ
ントローラCにあらかじめ記憶させている。そして、そ
れら操舵角θおよび指令値Iθeとの関係は、次のよう
に設定している。すなわち、操舵角θが最大角に至る手
前に設定角θ1設け、この設定角θ1を越えない限り指
令値Iθeが一定値を維持し、その設定角θ1を越えた
ところから、指令値Iθeの値が小さくなるようにして
いる。なお、上記のように操舵角θと指令値Iθとをテ
ーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶させて
おいてもよいが、その都度、コントローラCに演算させ
るようにしてもよい。
記基本制御部20から出力する信号の限界値として利用
する。つまり、上記指令値Iθeは、基本制御部20か
らソレノイドSOLの駆動装置19へ出力するソレノイ
ド電流指令地の限界値として機能する。この限界値とし
ての機能は、操舵角θが設定角θ1を越えたところか
ら、指令値Iθeの値が小さくなるようにしており、こ
れにより、電流指令値Iθeと、基本制御部20からの
出力信号とを比較して、この出力信号が電流指令値Iθ
eより大きい値であるときは、θ−Iθe特性以下とな
るように、基本制御部20からの出力信号を小さくする
ものである。すなわち、基本制御部20からの出力信号
に対して指令値Iθeの値を限界値として、その結果の
信号を、コントローラCが、駆動装置19に出力するよ
うにしている。
界値としての判断基準となるソレノイド電流指令値Iθ
eは一定の値をとっており、基本制御部20内で演算さ
れて出力された出力信号は、限界値として利用するソレ
ノイド電流指令値Iθeより通常小さいことから、その
上限値をカットされることはなく、結果的に基本制御部
20からの出力値と同じ{(Iθ+Iω)×Iv+I
s}となる。これに対して、操舵角θが設定角θ1を越
えると、限界値としての判断基準となるソレノイド電流
指令値Iθeは、設定角θ1より小さいときに比べ小さ
くなる。よって、基本制御部20内で演算され出力され
た出力信号は、限界値として利用するソレノイド電流指
令値Iθeより大きくなる場合があり、このときは、こ
のソレノイド電流指令値Iθeが限界値となり、これよ
り大きい分がカットされる。
ると、基本制御部20からの出力信号とソレノイド電流
指令値Iθeとの大小関係を判別して、基本制御部20
からの出力信号>ソレノイド電流指令値Iθeのとき
は、ソレノイド電流指令値Iは{(Iθ+Iω)×Iv
+Is}を、反対に、基本制御部20からの出力信号≦
ソレノイド電流指令値Iθeのときは、ソレノイド電流
指令値Iは、ソレノイド電流指令値Iθeが出力される
のである。
値Isは、常に、所定の電流が可変オリフィスaのソレ
ノイドSOLに供給されるようにするためのものであ
る。このようにスタンバイソレノイド電流指令値Isが
供給された可変オリフィスaは、操舵角θ、操舵角速度
ωおよび車速を基にしたソレノイド電流指令値が、たと
えゼロだったとしても、その開度を一定に保つととも
に、一定のスタンバイ流量を確保する。
は、次の3つの理由からである。ある程度の油を装置に
循環させておいた方が、その油による冷却効果が期待で
き、スタンバイ流量は、焼き付き防止のための冷却機能
を果たすことになるからである。また、タイヤにキック
バック等の外乱やセルフアライニングトルク等による抗
力が作用すると、それがパワーシリンダ8のロッドに作
用する。このような場合であっても、スタンバイ流量を
確保しておけば、たとえ上記抗力が作用したとしても、
タイヤがふらついたりしないからである。さらに、スタ
ンバイ流量を確保しておけば、それが全然ないときより
も、目的の制御流量に到達する時間が短くてすむ。この
時間差が応答性になるので、結局、スタンバイ流量を確
保した方が、応答性を向上させることができるからであ
る。
例えば、車速が低速域にある状態で操舵すれば、そのと
きの操舵角θと操舵角速度ωによって、ソレノイド電流
指令値IθとIωとが決まる。そして、これら指令値を
加算するとともに、この加算値(Iθ+Iω)に車速に
応じたソレノイド電流指令値Iv=1を乗算する。その
乗算値である(Iθ+Iω)に、スタンバイ流量を確保
するためのソレノイド電流指令値Isをさらに加算す
る。そして、この値に対して、操舵角θに応じたソレノ
イド電流指令値Iθeを限界値として、これらの大小関
係を比較して、どちらか小さい方を出力信号として選択
する。すなわち、低速域では、ソレノイド電流指令値I
は、I=Iθ+Iω+IsかIθeのどちらか小さい方
ということになる。
るとき、操舵角θに応じた指令値Iθeを、上記電流指
令値(Iθ+Iω+Is)と大小関係を比較している。
この指令値Iθeは、上記したように限界値としての機
能を果たし、操舵角θが設定角θ1を越えたとき、設定
角θ1より小さいときに比べ、指令値Iθeの値が小さ
くなるようにしている。そのため、操舵角θが設定角θ
1を越えた場合は、ソレノイド電流指令値Iが、これの
限界値として作用するソレノイド電流指令値Iθeを越
えないような値に出力制御が行われ、これにともなっ
て、パワーシリンダ8のアシスト力が小さくなる。した
がって、パワーシリンダ8のストロークエンドでの衝撃
を小さくすることができる。ストロークエンドでの衝撃
を小さくできるので、パワーシリンダ8を含む操舵機構
部22の作動不良を防止することができる。
を越えることでアシスト力が小さくなるということは、
換言すれば、操舵力が重くなることから、ドライバー
は、パワーシリンダ8のストロークエンドを予測でき
る。このようにストロークエンドを予測できれば、ステ
アリングに衝撃力が作用することもなく、それだけ操舵
感も向上することになる。なお、ソレノイド電流指令値
Iθeの下げ方は、図1では徐々に下げる特性を図示し
ているが、何もこれにこだわる必要はなく、一気に下げ
ても構わない。すなわち、徐々に下げれば、ドライバー
の操舵感を満足しつつ、ストロークエンドが予測できる
ものとなるし、一気に下げれば、ドライバーにストロー
クエンドがより明確に伝わり、本発明の効果が発揮され
るのである。
イド電流指令値Iθと、操舵角速度ωによるソレノイド
電流指令値Iωとを加算したのは、応答性の確保、保舵
時の安定性確保のためである。上記の操舵角θと操舵角
速度ωとの関係は、低速域、中速域および高速域での走
行中にもすべて同じように当てはまる。
どでステアリングホィールを中立位置近傍に保っている
ときは、操舵角θによるソレノイド電流指令値Iθおよ
び操舵角速度ωによるソレノイド電流指令値Iωは、ゼ
ロになってしまう。しかし、この場合にも、ソレノイド
電流指令値Isだけは出力されるので、スタンバイ流量
は必ず確保されることになる。したがって、低速域での
直進走行時であっても、装置の冷却効果が期待できると
ともに、キックバック等による外乱にも対抗できる。し
かも、スタンバイ流量を確保しているので、応答性も良
好に保てる。また、このスタンバイ流量の効能は、低速
域、中速域および高速域での走行中にすべて同じように
当てはまることである。
ソレノイド電流指令値Ivがゼロになる。この電流指令
値Ivがゼロになれば、(Iθ+Iω)×Iv=0とな
るので、制御流量QPは、スタンバイ流量QSだけとな
り、パワーアシスト力もほとんどなくなる。そして、中
速域での走行中には、その速度に応じて、車速によるソ
レノイド電流指令値Ivが小さくなっていくので、それ
にともなって制御流量QPも小さくなる。したがって、
パワーアシスト力もその分小さくなっていく。
アリングホィールをロックエンドまで切ることはない。
ステアリングホィールをロックエンドまで切るのは、ほ
とんど低速域である。その関係を示したのが、図2およ
び図3である。これらの図からも明らかなように、車速
が高くなるにしたがって、操舵角θおよび操舵角速度ω
の範囲が、中立を中心に狭くなっていく。したがって、
車速と、操舵角θあるいは操舵角速度ωの範囲とは、相
関性があるといえる。このことから、車速センサ17の
代わりの操舵角を代用することが可能になる。したがっ
て、車速センサ17を設けることと、車速に応じたソレ
ノイド電流指令値Ivを考慮することは、必ずしも必須
の構成要素とはならない。ただし、車速センサ17によ
ってソレノイド電流指令値Ivを考慮した方が、実際の
走行に適した制御が可能になる。
ノイド電流指令値Ivは、車速の低速から高速までの範
囲で1〜0としたが、何もこの値に限定する必要はな
く、高速で出力をゼロとするようになっていれば、その
レベルは問わない。なぜならば、ここでいうソレノイド
電流指令値Iθ、Iω、Iv、Iθeは、電流値そのも
のではなく、特に単位を持たない電流指令値であるから
である。
第1実施例と相違させている。すなわち、第1の点は、
操舵角θによるソレノイド電流指令値Iθと、操舵角速
度ωによるソレノイド電流指令値Iωとを、実際の状況
により近づけたことである。第2の点は、操舵角θによ
るソレノイド電流指令値Iθと、操舵角速度ωによるソ
レノイド電流指令値Iωとを、第1実施例のように加算
するのではなく、いずれか大きい方の値を選択するよう
にしたことである。
次のことを考慮している。ドライバーの操舵感覚を基に
すれば、図5に示すように、操舵角θとそれによって特
定される制御流量QPとは、リニアな特性を維持するの
が理想的である。ところが、ソレノイド電流指令値Iθ
と、ソレノイドSOLによる可変オリフィスaの開度で
決まる制御流量QPとは、図6に示すように、二乗特性
に近いものになる。これは、可変オリフィスaを構成す
るポペット等のストロークに対する可変オリフィスaの
開口面積の変化状態と、ソレノイドの性能とが相乗的に
作用した結果である。
ソレノイド電流指令値Iθを求め、この指令値Iθで制
御流量QPを特定しようとしているので、そのままだ
と、操舵角θと制御流量QPとが、リニアな特性になら
ない。そこで、この第2実施例では、操舵角θによるソ
レノイド電流指令値Iθを、図4に示すように、制御流
量QPが最大流量に達するまでを、曲線状にしたもので
ある。
舵角θと制御流量QPとが、図5に示すリニアな特性に
なるポイントを、実験によってプロットしていってもよ
いし、図6の曲線と図5の直線を数式化し、図5の値を
図6の値で除算して、θ=f(Iθ)を求めてもよい。
なお、このことは、操舵角速度ωに関しても全く同じこ
とがいえる。
角θおよび操舵角速度ωと、制御流量QPとがリニアな
関係になるので、操舵感覚と出力とを一致させることが
できる。なお、上記のように制御流量QPと、操舵角θ
あるいは操舵角速度ωとの相対関係を、リニアな特性に
する考え方は、前記した第1実施例にも適用できること
当然である。
θによるソレノイド電流指令値Iθと、操舵角速度ωに
よるソレノイド電流指令値Iωとのいずれか大きい方の
値を選択するようにした理由を次に説明する。例えば、
第1実施例では、ソレノイド電流指令値IθとIωとを
加算していたが、このように指令値IθとIωとを加算
すると、その値のふれ幅が大きくなってしまう。
電流指令値IθとIωとを加算すると、そのグラフの曲
線の中で、変化率が最も大きなところで、図7の斜線で
示すような幅ができてしまう。例えば、図7におけるx
点に注目すると、x=θ1+ω1のときもあるし、x=
θ2+ω2のときもある。このように加算される個々の
値が相違するにもかかわらず、xが同じ値になってしま
うと、ドライバーの操舵感覚は同じなのに、電流指令値
(Iθ+Iω)がy1、y2の範囲で異なったもにな
る。すなわち、ドライバーの感覚は同じなのに、出力が
異なるという結果になってしまう。このような理由か
ら、第1実施例の場合には、操舵状況が同じなのに出力
が変化する。そのために、操舵感が多少ラフになるとい
うことがあった。
電流指令値IθまたはIωのうち、大きな方の値だけを
選択するようにしたものである。このように一方の値だ
けを選択することによって、図7の斜線の部分で示した
ふれ幅を最小限に抑えることができる。なお、ソレノイ
ド電流指令値IθまたはIωのうち、小さい値ではな
く、大きな値を選択するようにしたのは、応答性を確保
するためである。つまり、制御流量QPが少ない場合よ
りも多めの方が、応答性がよいことは前記したとおりで
ある。
レノイド電流指令値Ivを限界値として利用した点も、
第1実施例とは相違する。つまり、第1実施例では、こ
の指令値Ivを、(Iθ+Iω)に乗算していた。しか
し、指令値Ivを乗算してしまうと、車速が高くなれば
なるほど、実質的に(Iθ+Iω)×Ivが小さくな
る。(Iθ+Iω)×Ivが小さくなれば、グラフのか
傾きがそれだけ緩やかになる。傾きが緩やかになれば、
応答性が悪くなる。そこで、この第2実施例では、上記
のように車速によるソレノイド電流指令値Ivを限界値
として利用し、ソレノイド電流指令値IθまたはIωの
どちらかから選択した大きい方の信号が、そのときの車
速で判断してIvより大きいときだけ、その越えた分の
電流指令値をカットすることで、ソレノイド電流指令値
Iの立上りの傾きを一定に保つようにしている。
わずかなので、それを無視しても操舵感にそれほど大き
な影響を及ぼさない。したがって、この第2実施例にお
いても、車速によるソレノイド電流指令値Ivを、第1
実施例で説明したソレノイド電流指令値Ivと同じよう
に考えて、いずれか大きい方のソレノイド電流指令値I
θまたはIωに乗算してもよい。反対に、車速によるソ
レノイド電流指令値Ivを限界値として利用すること
は、第1実施例においてもそのまま適用することができ
る。なお、この第2実施例においても、スタンバイ流量
を確保するようにした点は、第1実施例と全く同様であ
る。
トローラCは、基本制御部20からの出力信号と、操舵
角θに応じたソレノイド電流指令値Iθeとを大小判定
し、基本制御部20からの出力信号が、指令値Iθeを
越えないような値に出力制限している。これにより、第
1実施例と同様に、操舵角が設定角θ1を越えると、パ
ワーシリンダ8のアシスト力を小さくするので、ストロ
ークエンドでの衝撃を小さくすることができる。また、
ストロークエンドでの衝撃が小さくできるので、パワー
シリンダ8を含む操舵機構部22の作動不良を防止する
ことができる。その上、パワーシリンダ8のストローク
エンド付近で、操舵感が向上する効果も得られる。
方は、第1実施例と同じく、図4では徐々に下げる特性
を図示しているが、何もこれにこだわる必要はなく、一
気に下げても構わない。すなわち、徐々に下げれば、ド
ライバーの操舵感を満足しつつ、ストロークエンドが予
測できるものとなるし、一気に下げれば、ドライバーに
ストロークエンドがより明確に伝わり、本発明の効果が
発揮されるのである。
実施例のパワーステアリング装置の全体は、第1実施例
と同様に構成している。したがって、以下においては、
第1実施例との違いについて、具体的に説明する。第3
実施例におけるコントローラCの制御システムは、図8
に示すとおりである。すなわち、コントローラCには、
操舵角センサ16からの操舵角信号と車速センサ17か
らの車速信号とが入力する。そして、コントローラC
は、操舵角信号から操舵角θと操舵角速度ωとを演算す
る。
度ωを基にして、ソレノイドSOLの励磁電流指令値を
制御するようにしている。その制御特性は、図8に示す
とおりである。図8における操舵角θとソレノイド電流
指令値Iθとは、その操舵角θと制御流量QPとの関係
がリニアな特性になる理論値を基にして決めている。ま
た、操舵角速度ωとソレノイド電流指令値Iωとの関係
も、操舵角速度ωと制御流量QPとがリニアな特性にな
る理論値を基にして決めている。
ある設定値以上にならなければ、上記指令値Iθおよび
Iωのいずれもゼロを出力するようにしている。つま
り、ステアリングホィールが中立あるいはその近傍にあ
るときには、上記指令値IθもIωもゼロになるように
している。そして、これら操舵角θに対するソレノイド
電流指令値Iθ、および操舵角速度ωに対するソレノイ
ド電流指令値Iωは、テーブル値としてコントローラC
にあらかじめ記憶させておいてもよいし、操舵角θある
いは操舵角速度ωを基にして、その都度、コントローラ
Cに演算させるようにしてもよい。
の出力信号に基づいて、操舵角用電流指令値Iv1と操
舵角速度用電流指令値Iv2とを出力するようにしてい
るが、これら操舵角用電流指令値Iv1および操舵角速
度用電流指令値Iv2は、テーブル値としてコントロー
ラCにあらかじめ記憶させておいてもよいし、車速Vを
基にして、その都度、コントローラCに演算させるよう
にしてもよい。
速域で1を出力し、最高速域で、例えば0.6を出力する
ようにしている。また、操舵角速度用電流指令値Iv2
は、低速域から車速が上がるにしたがい、その値を小さ
く出力するようにしている。
流指令値Iθには、車速Vに応じた操舵角用電流指令値
Iv1を掛け合わせる。したがって、車速Vが高速にな
ればなるほど、その乗算結果である出力値すなわち操舵
角系の電流指令値I1は小さくなる。
指令値Iωには、車速に応じた操舵角速度用電流指令値
Iv2を限界値として、車速に応じて操舵角速度用電流
指令値Iv2を越えない操舵角速度系の電流指令値I2
を出力させるようにしている。ここで、具体的数値はあ
げないが、低速域から最高車速域でのゲインは、操舵角
速度用電流指令値Iv2より、操舵角用電流指令値Iv
1の方が、大きくなるように設定してある。すなわち、
操舵角用電流指令値Iv1の方が、操舵角速度用電流指
令値Iv2よりも、高速になればなるほど、その減少率
が大きくなるように考慮されており、この理由は後述す
る。
令値I1と、操舵角速度系の電流指令値I2との大小を
比較し、その大きな方I1あるいはI2を採用するよう
にしている。このように、いずれか大きな方を採用する
ようにしたのは、次の理由からである。すなわち、高速
走行時には、ステアリングを急操作することはまずない
ので、操舵角速度系の電流指令値I2が小さくて、操舵
角系の電流指令値I1の方が大きくなるのが通常であ
る。
グ操作の安全性・安定性を高めるために、操舵角を基準
にしながら、その操舵角系の電流指令値I1のゲインを
大きくしている。言い換えれば、走行速度が速くなれば
なるほど、制御流量QPを少なくする比率を高めて、エ
ネルギー損失をより少なくするようにしている。
操作することが多くなる。そのために、多くの場合に操
舵角速度の方が大きくなる。このように操舵角速度が大
きい場合には、応答性が重視される。したがって、低速
走行時には、ステアリング操作の操作性すなわち応答性
を高めるために、操舵角速度を基準にしながら、その操
舵角速度系の電流指令値I2のゲインを小さくしてい
る。言い換えれば、走行速度がある程度速くなっても、
ステアリングを急操作したときには、制御流量QPを十
分に確保して、応答性を優先させるようにしている。
角系の電流指令値I1が大きくなったり、操舵角速度系
の電流指令値I2が大きくなったりする。例えば、ステ
アリングをある角度操舵して、その操舵角θの位置で、
ステアリングを止めて保舵しているときには、操舵角速
度ωはゼロになってしまう。したがって、車速が同じで
も、最初、操舵角速度系の電流指令値I2が大きく、保
舵にはいってから操舵角系の電流指令値I1の方が大き
くなる。いずれにしても、電流指令値I1とI2の大き
い方の値を択一しているので、どのような走行条件で
も、いずれかの電流指令値が出力されることになる。
I1とI2のいずれもが出力されなければ、制御流量Q
Pを確保できなくなる。制御流量QPを確保できなけれ
ば、保舵時には、車両のセルフアライニングトルクによ
る抗力に負けて、パワーシリンダ8が動いてしまう。こ
のようにパワーシリンダ8がその位置を保てずに動いて
しまえば、それこそ保舵そのものが不可能になる。
I2のいずれかを用いるようにしているので、ステアリ
ング操作中に、両方ともゼロになることはない。言い換
えれば、保舵時であっても操舵角θが保たれているの
で、ソレノイド電流指令値Iθを確保できる。したがっ
て、ソレノイド電流指令値Iθで保舵に必要なパワーを
維持することができる。
急操作することがある。このときには、操舵角速度系の
電流指令値I2が大きくなるので、その電流指令値I2
が選択される。ただし、この電流指令値I2は、操舵角
速度用電流指令値Iv2の限界値の範囲内に制御された
値になるので、安全性は十分に確保される。ただ、車両
の高速走行時における操舵角速度用電流指令値Iv2の
限界最小値は、操舵角用電流指令値Iv1の最小値より
もやや大きくなるように設定している。
流指令値I1で制御される場合よりも、操舵角速度系の
電流指令値I2で制御される場合の方が、応答性がよく
なる。ただし、高速走行時に、あまり応答性をよくしす
ぎると、安全性が損なわれる危険がある。そこで、車両
のヨーレートを基にした安全性を基準に最適値を設定し
ている。
速60km/h以下で走行しているとき、その収れん性
がほとんど似たような特性になる。つまり、60km/
h以下では、10km/h走行であろうと、40km/h
走行であろうと、その収れん性はほとんど変わらない。
このようにヨーレートの収れん性が安定している範囲
を、安全性の限界としてとらえ、操舵角速度用電流指令
値Iv2の限界最小値を最適値に設定したものである。
00km/hで走行中に、ステアリングを急操作し、操
舵角速度系の電流指令値I2が大きくなって、その電流
指令値I2が選択されたとき、60km/hで走行して
いるときと同じような安全性・安定性で操舵できること
になる。
令値I1あるいはI2に、スタンバイ用電流指令値Is
を加算して、基本制御部20から出力信号として出力す
る。さらに、図8における操舵角θと操舵角θに応じた
指令値Iθeとの関係は、テーブル値としてコントロー
ラCにあらかじめ記憶させている。そして、それら操舵
角θおよび指令値Iθeとの関係は、第1実施例と同様
に設定している。その上、第1実施例と同様に、この操
舵角θに応じた指令値Iθeを、上記基本制御部20か
ら出力する出力信号の限界値として利用している。その
ため、上記基本制御部20からの出力信号と、指令値I
θeとを大小判定し、コントローラCからは、指令値I
θeを越えないような値に出力制限した信号を、油圧制
御機構Yの駆動装置19に出力するようにしている。つ
まり、コントローラCは、(I1+Is)か(I2+I
s)のいずれか大きい方、またはIθeのどちらか小さ
い方のソレノイド電流指令値を、駆動装置19に出力し
ている。
令値Iθeとの関係は、テーブル値としてコントローラ
Cにあらかじめ記憶させておいてもよいし、その都度、
コントローラCに演算させるようにしてもよい。
限界値としての判断基準となるソレノイド電流指令値I
θeは、一定の値をとっており、基本制御部20内で演
算され、出力された出力信号は、限界値として利用する
ソレノイド電流指令値Iθeより通常小さいことから、
その上限値をカットされることはなく、結果的に基本制
御部20からの出力値と同じ(I1+Is)または(I
2+Is)となる。これに対して、操舵角θが設定角θ
1を越えると、限界値としての判断基準となるソレノイ
ド電流指令値Iθeは、設定角θ1より小さいときに比
べ小さくなる。よって、基本制御部20内で演算され出
力された出力信号は、限界値として利用するソレノイド
電流指令値Iθeより大きくなる場合があり、このとき
は、このソレノイド電流指令値Iθeが限界値となり、
これより大きい分がカットされる。
ると、基本制御部20からの出力信号とソレノイド電流
指令値Iθeとの大小関係を判別して、基本制御部20
からの出力信号>ソレノイド電流指令値Iθeのとき
は、ソレノイド電流指令値Iは、(I1+Is)または
(I2+Is)を、反対に、基本制御部20からの出力
信号≦ソレノイド電流指令値Iθeのときは、ソレノイ
ド電流指令値Iは、ソレノイド電流指令値Iθeが出力
されるのである。
して、スタンバイ流量を確保したのは、第1実施例と同
じ理由からである。
今、車両の走行中には、操舵角によるソレノイド電流指
令値Iθと操舵角用電流指令値Iv1との乗算値である
操舵角系の電流指令値I1が出力される。これととも
に、操舵角速度によるソレノイド電流指令値Iωが、操
舵角速度用電流指令値Iv2を限界値として、操舵角速
度系の電流指令値I2が出力される。
角速度系の電流指令値I2との大小が判定されるととも
に、その大きい方の指令値I1あるいはI2に、スタン
バイ用電流指令値Isが加算される。そして、この値に
対して、操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθe
を限界値として、これらの大小関係を比較して、どちら
か小さい方がソレノイド励磁電流Aとして決定される。
このソレノイド励磁電流Aは、車両の高速走行時には、
主に操舵角系の電流指令値I1が基準となり、車両の低
速走行時には、主に操舵角速度系の電流指令値I2が基
準となる。
行時であっても、その保舵時には、操舵角系の電流指令
値I1を基準にソレノイドの励磁電流Aが決められる。
また、高速走行時であっても、ステアリングを急操作し
たときには、操舵角速度系の電流指令値I2を基準にソ
レノイドの励磁電流Aが決められる。ただし、この場合
は、前記したように、たとえ100km/hでの走行中
でも、60km/h走行時と同じ様な安全性・安定性で
ステアリング操作をすることができるようにしている。
なる電流指令値Iを求めるとき、(I1+Is)または
(I2+Is)と指令値Iθeとを大小判定をすること
で、この指令値Iθeは、第1実施例と同様に、限界値
としての機能を果たす。そして、指令値Iθeは、操舵
角θが設定角θ1を越えたとき、設定角θ1より小さい
ときに比べ、指令値Iθeの値が小さくなるようにして
いる。そのため、操舵角θが設定角θ1を越えた場合
は、ソレノイド電流指令値Iが、これの限界値として作
用するソレノイド電流指令値Iθeを越えないような値
に出力制限が行われ、これにともなって、パワーシリン
ダ8のアシスト力は小さくなる。したがって、パワーシ
リンダ8のストロークエンドでの衝撃を小さくすること
ができる。ストロークエンドでの衝撃を小さくできるの
で、パワーシリンダ8を含む操舵機構部22の作動不良
を防止することができる。
が設定角θ1を越えることでアシスト力が小さくなると
いうことは、換言すれば、操舵力が重くなることから、
ドライバーは、パワーシリンダ8のストロークエンドを
予測できる。このようにストロークエンドを予測できれ
ば、ステアリングに衝撃力が作用することもなく、それ
だけ操舵感も向上することになる。なお、ソレノイド電
流指令値Iθeの下げ方は、第1、第2実施例と同じ
く、図8では徐々に下げる特性を図示しているが、何も
これにこだわる必要はなく、一気に下げても構わない。
すなわち、徐々に下げれば、ドライバーの操舵感を満足
しつつ、ストロークエンドが予測できるものとなるし、
一気に下げれば、ドライバーにストロークエンドがより
明確に伝わり、本発明の効果が発揮されるのである。
この第4実施例の装置全体は、図9に示すように、第1
実施例の装置におけるコントローラCに、操舵トルクセ
ンサ21を接続したものである。そのため、以下におい
ては、第1実施例と違うところについて、具体的に説明
する。上記コントローラCには、操舵角センサ16、車
速センサ17および操舵トルクセンサ21を接続してい
る。そして、これらのセンサの出力信号に基づいて、ソ
レノイドSOLの励磁電流を制御するようにしている。
10に示すとおりである。すなわち、コントローラCに
は、操舵角センサ16からの操舵角信号と、操舵トルク
センサ21からの操舵トルク信号と、車速センサ17か
らの車速信号とが入力する。そして、上記操舵トルクに
基づいて、上記要求流量QMを推定するようにしてい
る。
値Itとは、その操舵トルクと制御流量との関係がリニ
アな特性になる理論値を基にして決めている。ただし、
操舵トルクが、ある設定以上にならなければ、上記指令
値Itはゼロを出力するようにしている。つまり、ステ
アリングホィールが中立あるいはその近傍にあるときに
は、上記指令値Itがゼロになるようにしている。そし
て、操舵トルクに対するソレノイド電流指令値Itは、
テーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶させ
ておいてもよいし、操舵トルクを基にして、その都度、
コントローラCに演算させるようにしてもよい。
レノイド電流指令値Itを求め、この値に車速信号に基
づいたソレノイド電流指令値Ivを乗算する。ただし、
上記車速信号に基づいたソレノイド電流指令値Ivは、
車速が低速域では1を出力し、高速域ではゼロを出力す
るとともに、その間の中速域では1からゼロまでの小数
点以下の値を出力する。
tに車速信号の基づいたソレノイド電流指令値Ivを乗
算すれば、車速の低速域ではItがそのまま出力される
し、高速域ではItがゼロになる。また、中速域では速
度が上がればそれに反比例した値が出力されることにな
る。上記のようにIt×Ivが決まったら、さらにそれ
にスタンバイソレノイド電流指令値Isを加算する。つ
まり、(It×Iv)+Isの値を出力信号として、基
本制御部20から出力させる。
θに応じた指令値Iθeとの関係は、テーブル値として
コントローラCにあらかじめ記憶させている。そして、
それら操舵角θおよび指令値Iθeとの関係は、第1実
施例と同様に設定している。その上、、第1実施例と同
様に、この操舵角θに応じた指令値Iθeを、上記基本
制御部20から出力する出力信号の限界値として利用し
ている。そのため、上記基本制御部20からの出力信号
に対して、指令値Iθeの値を限界値として、その結果
の信号を、コントローラCが、油圧制御機構Yの駆動装
置19に出力するようにしている。
限界値としての判断基準となるソレノイド電流指令値I
θeは、一定の値をとっており、基本制御部20内で演
算され、出力された出力信号は、限界値として利用する
ソレノイド電流指令値Iθeより通常小さいことから、
その上限値をカットされることはなく、結果的に基本制
御部20からの出力値と同じ{(It×Iv)+Is}と
なる。これに対して、操舵角θが設定角θ1を越える
と、限界値としての判断基準となるソレノイド電流指令
値Iθeは、設定角θ1より小さいときに比べ小さくな
る。
された出力信号は、限界値として利用するソレノイド電
流指令値Iθeより大きくなる場合があり、このとき
は、このソレノイド電流指令値Iθeが限界値となり、
これより大きい分がカットされる。したがって、操舵角
θが設定角θ1を越えると、基本制御部20からの出力
信号とソレノイド電流指令値Iθeとの大小関係を判別
して、基本制御部20からの出力信号>ソレノイド電流
指令値Iθeのときは、ソレノイド電流指令値Iは、
{(It×Iv)+Is}を、反対に、基本制御部20か
らの出力信号≦ソレノイド電流指令値Iθeのときは、
ソレノイド電流指令値Iは、ソレノイド電流指令値Iθ
eが出力されるのである。
値Isは、常に、所定の電流が可変オリフィスaのソレ
ノイドSOLに供給されるようにするためのものであ
る。このようにスタンバイソレノイド電流指令値Isが
供給された可変オリフィスaは、操舵トルクおよび車速
を基にしたソレノイド電流指令値It、Ivが、たとえ
ゼロだったとしても、その開度を一定に保つとともに、
一定のスタンバイ流量を確保する。なお、このようにス
タンバイ流量を確保するようにしたのは、第1実施例と
同じ理由からである。
例えば、車速が低速域にある状態で操舵すれば、そのと
きの操舵トルクによって、ソレノイド電流指令値Itが
決まる。そして、この指令値Itに車速に応じたソレノ
イド電流指令値Iv=1を乗算する。その乗算値である
Itに、スタンバイ流量を確保するためのソレノイド電
流指令値Isをさらに加算する。そして、この値に対し
て、操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθeを限
界値として、これらの大小関係を比較して、どちらか小
さい方を出力信号として選択する。すなわち、低速域で
は、ソレノイド電流指令値Iは、I=(It+Is)
か、Iθeのどちらか小さい方ということになる。
るとき、操舵角θに応じた指令値Iθeを、上記電流指
令値(It+Is)と大小関係を比較している。この指
令値Iθeは、第1実施例と同様に、限界値としての機
能を果たす。つまり、指令値Iθeは、操舵角θが設定
角θ1を越えたとき、設定角θ1より小さいときに比
べ、指令値Iθeの値が小さくなるようにしている。そ
のため、操舵角θが設定角θ1を越えた場合は、ソレノ
イド電流指令値Iが、これの限界値として作用するソレ
ノイド電流指令値Iθeを越えないような値に出力制限
が行われ、これにともなって、パワーシリンダ8のアシ
スト力が小さくなる。したがって、パワーシリンダ8の
ストロークエンドでの衝撃を小さくすることができる。
ストロークエンドでの衝撃が小さくできるので、パワー
シリンダ8を含む操舵機構部22の作動不良を防止する
ことができる。
操舵角θが設定角θ1を越えることでアシスト力が小さ
くなるということは、換言すれば、操舵力が重くなるこ
とから、ドライバーは、パワーシリンダ8のストローク
エンドを予測できる。このようにストロークエンドを予
測できれば、ステアリングに衝撃力が作用することもな
く、それだけ操舵感も向上することになる。なお、ソレ
ノイド電流指令値Iθeの下げ方は、第1〜第3実施例
と同様に、図10では徐々に下げる特性を図示している
が、何もこれにこだわる必要はなく、一気に下げても構
わない。すなわち、徐々に下げれば、ドライバーの操舵
感を満足しつつ、ストロークエンドが予測できるものと
なるし、一気に下げれば、ドライバーにストロークエン
ドがより明確に伝わり、本発明の効果が発揮されるので
ある。
も、直進走行時などでステアリングホィールを中立位置
近傍に保っているときには、操舵トルクによるソレノイ
ド電流指令値Itは、ゼロになってしまう。しかし、こ
の場合にも、ソレノイド電流指令値Isだけは出力され
るので、スタンバイ流量は必ず確保されることになる。
したがって、低速域での直進走行時であっても、装置の
冷却効果が期待できるとともに、キックバック等による
外乱にも対抗できる。しかも、スタンバイ流量を確保し
ているので、応答性も良好に保つことができる。また、
このスタンバイ流量の効能は、低速域、中速域および高
速域での走行中にすべて同じように当てはまることであ
る。
ソレノイド電流指令値Ivがゼロになる。この電流指令
値Ivがゼロになれば、It×Iv=0となるので、制
御流量QPは、スタンバイ流量QSだけとなり、パワー
アシスト力もほとんどなくなる。そして、中速域での走
行中には、その速度に応じて、車速によるソレノイド電
流指令値Ivが小さくなっていくので、それにともなっ
て制御流量QPも小さくなる。したがって、パワーアシ
スト力もその分小さくなっていく。
ドルを切る場合、大きな操舵トルクを発生させることは
ない。大きな操舵トルクが必要なのは、ほとんど低速域
である。その関係を示したのが、図11である。この図
からも明らかなように、車速が高くなるにしたがって、
操舵トルクの範囲が、中立を中心に狭くなっていく。し
たがって、車速と、操舵トルクの範囲とは、相関性があ
るといえる。このことから、車速センサ17の代わりの
操舵角を代用することが可能になる。ただし、車速セン
サ17によって、ソレノイド電流指令値Ivを考慮した
方が、実際の走行により適した制御が可能になる。
によるソレノイド電流指令値Itを実際の状況により近
づけたことに特徴を有し、これが第4実施例との相違点
である。このことは、上記第1実施例と第2実施例との
相違点と同様である。つまり、この第5実施例では、図
12に示すように、操舵トルクによるソレノイド電流指
令値Itを実際の状況に近づけて、制御流量QPが最大
流量に達するまでを曲線状にしたものである。
レノイド電流指令値Ivを限界値として利用した点も、
第4実施例とは相違する。この点についても、上記第2
実施例と同様に、ソレノイド電流指令値Iの傾きを一定
に保つようにしたものである。さらに、この第5実施例
においても、スタンバイ流量を確保するようにした点
は、第1実施例と全く同様である。
トローラCは、基本制御部20からの出力信号に対し
て、操舵角θに応じた指令値Iθeを限界値としてい
る。これにより、第4実施例と同様に、操舵角θが設定
角θ1を越えると、パワーシリンダ8のアシスト力を小
さくするので、ドライバーにストロークエンド前にスト
ロークエンドに近づいたことを知らしめることができる
だけでなく、ストロークエンドでの衝撃を小さくするこ
とができる。また、ストロークエンドでの衝撃を小さく
することができるので、パワーシリンダ8を含む操舵機
構部22の作動不良を防止することができる。その上、
パワーシリンダ8のストローク付近で、操舵感が向上す
る効果も得られる。
方は、第1〜第4実施例と同様に、図12では徐々に下
げる特性を図示しているが、何もこれにこだわる必要は
なく、一気に下げても構わない。すなわち、徐々に下げ
れば、ドライバーの操舵感を満足しつつ、ストロークエ
ンドが予測できるものとなるし、一気に下げれば、ドラ
イバーにストロークエンドがより明確に伝わり、本発明
の効果が発揮されるのである。
舵角θおよび操舵角速度ωに基づいて、ステアリングバ
ルブ9側の要求流量QMを推定するようにしているが、
実際には、第4、第5の実施例のように、操舵トルクに
基づいて、上記要求流量QMを特定した方が正確な制御
ができる。しかし、操舵トルクを検出して、可変オリフ
ィスaの開度を制御しようとすると、現状のパワーステ
アリングシステムを大幅に変更しなければならなくな
る。
に、操舵角θおよび操舵角速度ωに基にして、要求流量
QMを推定するようすれば、現状のパワーステアリング
システムそのものを、ほとんど変更しなくてもよい。し
たがって、上記第1〜第3実施例の特徴にもつながる
が、操舵角θおよび操舵角速度ωを検出して、上記要求
流量QMを推定する方が、操舵トルクを直接検出するシ
ステムよりも大幅にコストダウンできるという特徴があ
る。
ソレノイド電流指令値Iの信号と、操舵角θに応じた指
令値Iθeとを大小判定し、基本制御部からの出力信号
が指令値Iθeを越えないような値に出力制限すること
により、操舵角θが設定角θ1を越えるとき、パワーシ
リンダのアシスト力を小さくなるようにしている。その
ため、ドライバーにはストロークエンド前にストローク
エンドに近づいたことを知らしめることができるだけで
なく、パワーシリンダのストロークエンドでの衝撃を小
さくすることができる。また、ストロークエンドでの衝
撃を小さくすることができるので、パワーシリンダ8を
含む操舵機後部22の作動不良を防止することができ
る。
て、操舵角θと操舵角速度ωに対する指令値Iθ、Iω
とを二乗曲線にするとともに、指令値Iθ、Iωのいず
れか大きい方を選択して制御に使用することで、操舵ト
ルクにより近い値で制御流量QPを制御できる。
て、操舵角θと操舵角速度ωに対する指令値Iθ、Iω
をそれぞれ制御するための、車速に対する指令値Iv
1、Iv2を検出している。これにより、高速走行時に
は、操舵角を基準にして、ソレノイドの励磁電流を決め
ることができるので、操舵の安全性を確保できる。ま
た、低走行時には、操舵角速度を基準にして、ソレノイ
ドの励磁電流を決めることができるので、操舵の応答性
を確保できる。
し、制御に盛り込むことによって、制御流量QPを制御
している。そのため、制御流量QPをより適正に確保で
きる。
て、操舵トルクによる指令値Itを実際の状況により近
づけたものとしている。これにより、第4の発明にも増
して、さらに制御流量をよりロスのない最適なものとす
ることができる。
図である。
る。
ある。
図である。
る。
フである。
レノイド電流指令値IθとIωとを加算した値との関係
を示すグラフである。
図である。
明図である。
である。
明図である。
である。
値 Is スタンバイ流量を確保するためのソレノイ
ド電流指令値 It 操舵トルクtによるソレノイド電流指令値 QP 制御流量 Y 油圧制御機構 SOL ソレノイド a 可変オリフィス C コントローラ θ 設定角 8 パワーシリンダ 16 操舵角センサ 17 車速センサ 20 基本制御部 21 操舵トルクセンサ 22 操舵機構部
Claims (4)
- 【請求項1】 パワーシリンダと、このパワーシリンダ
のアシスト力を制御する油圧制御機構と、ステアリング
ホィールの作動に応じて上記油圧制御機構を制御するコ
ントローラとを備え、このコントローラに、ステアリン
グホィールの作動に応じて油圧制御機構へ出力信号を出
力する基本制御部を設けたパワーステアリング装置にお
いて、コントローラに操舵角を検出する操舵角センサを
接続し、コントローラが、この操舵角センサからの信号
による操舵角θと、操舵角θのうち最大操舵角より小さ
い設定角θ1と、操舵角θに応じたソレノイド電流指令
値Iθeとを演算または記憶する一方、操舵角θが設定
角θ1を越えたとき、基本制御部からの出力値に対して
ソレノイド電流指令値Iθeを限界値として制御するこ
とで、上記パワーシリンダのアシスト力を小さくする構
成にしたことを特徴とするパワーステアリング装置。 - 【請求項2】 油圧制御機構には、パワーシリンダへの
制御流量を制御する可変オリフィスと、この可変オリフ
ィスの開度を制御するソレノイドとを設ける一方、基本
制御部には操舵角センサを接続し、この操舵角センサか
らの操舵角に応じた操舵角θと操舵角速度ωとを演算ま
たは記憶する一方、基本制御部は、これら操舵角θに応
じたソレノイド電流指令値Iθおよび操舵角速度ωに応
じたソレノイド電流指令値Iωを演算または記憶すると
ともに、これらソレノイド電流指令値IθとIωとを加
算し、この加算した値に、さらにスタンバイ用のソレノ
イド電流指令値Isを加算した合計指令値を、基本制御
から出力する出力信号にしたことを特徴とする請求項1
記載のパワーステアリング装置。 - 【請求項3】 油圧制御機構には、パワーシリンダへの
制御流量を制御する可変オリフィスと、この可変オリフ
ィスの開度を制御するソレノイドとを設ける一方、基本
制御部には車速センサを設け、かつ、この基本制御部に
は操舵角センサを接続し、この操舵角センサからの操舵
角に応じた操舵角θと操舵角速度ωとを演算または記憶
する一方、基本制御部は、これら操舵角θに応じたソレ
ノイド電流指令値Iθおよび操舵角速度ωに応じたソレ
ノイド電流指令値Iωを演算または記憶するとともに、
操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθと車速に応
じた操舵角用電流指令値Iv1とを乗算する一方、操舵
角速度ωに応じた上記電流指令値Iωは、車速信号に応
じた操舵角速度用電流指令値Iv2を限界値とし、しか
も、ソレノイド電流指令値IθとIv1との乗算値I1
と、ソレノイド電流指令値Iv2を限界値とするソレノ
イド電流I2との大小を判定し、その大きい方の値を基
にした電流指令値を、基本制御部から出力する出力信号
にしたことを特徴とする請求項1記載のパワーステアリ
ング装置。 - 【請求項4】 油圧制御機構には、パワーシリンダへの
制御流量を制御する可変オリフィスと、この可変オリフ
ィスの開度を制御するソレノイドとを設ける一方、基本
制御部には操舵トルクセンサを接続し、基本制御部は、
この操舵トルクセンサからの操舵トルク信号に応じたソ
レノイド電流指令値Itを演算または記憶するととも
に、このソレノイド電流指令値Itにスタンバイ用のソ
レノイド電流指令値Isを加算し、この加算した合計値
を基にした電流指令値を、基本制御部から出力する出力
信号にしたことを特徴とする請求項1記載のパワーステ
アリング装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001092668A JP3663361B2 (ja) | 2001-03-28 | 2001-03-28 | パワーステアリング装置 |
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JP2002347644A (ja) * | 2001-05-25 | 2002-12-04 | Kayaba Ind Co Ltd | パワーステアリング装置 |
JP2002347643A (ja) * | 2001-05-25 | 2002-12-04 | Kayaba Ind Co Ltd | パワーステアリング装置 |
JP2007050828A (ja) * | 2005-08-19 | 2007-03-01 | Nissan Motor Co Ltd | パワーステアリング装置 |
JP2011126477A (ja) * | 2009-12-21 | 2011-06-30 | Hitachi Automotive Systems Ltd | パワーステアリング装置 |
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-
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- 2001-03-28 JP JP2001092668A patent/JP3663361B2/ja not_active Expired - Fee Related
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