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JP3663361B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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JP3663361B2
JP3663361B2 JP2001092668A JP2001092668A JP3663361B2 JP 3663361 B2 JP3663361 B2 JP 3663361B2 JP 2001092668 A JP2001092668 A JP 2001092668A JP 2001092668 A JP2001092668 A JP 2001092668A JP 3663361 B2 JP3663361 B2 JP 3663361B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パワーシリンダ側に導く流量を制御する流量制御弁を備えたパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9および図10は従来例を示したものである。まず、図9に基づいて、パワーステアリング装置全体の構成を説明する。
油圧制御機構Yには、流量制御弁Vのスプール1とともにポンプPも一体的に組み込んでいる。
上記スプール1は、その一端を一方のパイロット室2に臨ませ、他端を他方のパイロット室3に臨ませている。上記一方のパイロット室2は、ポンプポート4を介してポンプPに常時連通している。また、他方のパイロット室3にはスプリング5を介在させている。このようにした両パイロット室2、3は、ソレノイドSOLの励磁電流Aに応じて開度を制御する可変オリフィスaを介して、たがいに連通している。
【0003】
すなわち、一方のパイロット室2は、流路6→可変オリフィスa→流路7を経由してパワーシリンダ8を制御するステアリングバルブ9の流入側に連通している。また、他方のパイロット室3は、流路10および流路7を介してステアリングバルブ9の流入側に連通している。
したがって、上記両パイロット室2、3は、可変オリフィスaを介して連通することになり、可変オリフィスaの上流側の圧力が一方のパイロット室2に作用し、下流側の圧力が他方のパイロット室3に作用することになる。
【0004】
そして、スプール1は、一方のパイロット室2の作用力と、他方のパイロット室3の作用力およびスプリング5で発生する作用力の合計とがバランスした位置を保つが、そのバランス位置において、前記ポンプポート4とタンクポート11との開度が決められる。
今、エンジン等からなるポンプ駆動源12が停止していると、ポンプポート4の圧油が供給されない。ポンプポート4に圧油が供給されなければ、両パイロット室2、3には圧力が発生しないので、スプール1はスプリング5の作用で図示のノーマル位置を保つ。
【0005】
上記の状態からポンプPが駆動して、ポンプポート4に圧油が供給されると、可変オリフィスaに流れができるので、そこに差圧が発生する。この差圧の作用で、両パイロット室2、3に圧力差が発生し、この圧力差に応じてスプール1がスプリング5に抗して移動し、上記バランスを保つ。
このようにスプール1がスプリング5に抗して移動することによって、タンクポート11の開度を大きくするが、このときのタンクポート11の開度に応じて、ステアリングバルブ9側に導かれる制御流量QPと、タンクTあるいはポンプPに還流される戻り流量QTの分配比が決まる。言い換えれば、タンクポート11の開度に応じて制御流量QPが決まることになる。
【0006】
上記のように制御流量QPが、スプール1の移動位置で決まるタンクポート11の開度に応じて制御されるということは、結局は、可変オリフィスaの開度に応じて制御流量QPが決まることになる。なぜなら、スプール1の移動位置は、両パイロット室2、3の圧力差で決まるとともに、この圧力差を決めているのが可変オリフィスaの開度だからである。
【0007】
したがって、車速や操舵状況に応じて、制御流量QPを制御するためには、可変オリフィスaの開度、すなわちソレノイドSOLの励磁電流を制御すればよいことになる
なぜなら、可変オリフィスaは、ソレノイドSOLが非励磁状態のときにその開度を最小に保ち、励磁電流を大きくしていくにしたがってその開度を大きくするからである。
【0008】
なお、前記ステアリングバルブ9は、図示していないステアリングホィールの入力トルク(操舵トルク)に応じて、パワーシリンダ8への供給流量を制御するものである。例えば、操舵トルクが大きければ、パワーシリンダ8への供給流量を大きくし、操舵トルクが小さければそれに応じて供給流量も少なくするようにしている。この操舵トルクとステアリングバルブ9の切り換え量は、図示していないトーションバーなどのねじれ反力によって決まることになる。
【0009】
上記のように操舵トルクが大きいときに、ステアリングバルブ9の切り換え量を大きくすれば、その分、パワーシリンダ8によるアシスト力が大きくなる。反対に、ステアリングバルブ9の切り換え量を小さくすれば、上記アシスト力は小さくなる。
そして、操舵トルクによって決まるパワーシリンダ8の必要(要求)流量QMと、流量制御弁で決められる制御流量QPとを、なるべく等しくすれば、ポンプP側のエネルギー損失を低く抑えることができる。なぜなら、ポンプP側のエネルギー損失は、制御流量QPとパワーシリンダ8の要求流量QMとの差によって発生するからである。
【0010】
上記のように制御流量QPを、パワーシリンダ8を要求流量QMにできるだけ近づけるために、可変オリフィスaの開度を制御するのが、ソレノイドSOLに対する励磁電流であり、この励磁電流を制御するのが、コントローラCである。
このコントローラCには、操舵角センサ16と車速センサ17を接続し、これら両センサの出力信号に基づいて、ソレノイドSOLの励磁電流を制御するようにしている。
【0011】
なお、図中符号18はスプール1の先端に形成したスリットで、スプール1が図示の位置にあるときにも、一方のパイロット室2が、このスリット18を介して、流路7に常時連通するようにしている。言い換えると、スプール1が図示の状態にあって、流路6を閉じているようなときにも、ポンプPの吐出油が、このスリット18を介して、ステアリングバルブ9側に供給されるようにしている。
このように微少流量であるが、ステアリングバルブ9側に圧油を供給するようにしたのは、装置全体の焼き付きの防止、キックバック等の外乱の防止、および応答性の確保を目的としているからである。
【0012】
また、符号19は、ソレノイドSOLの駆動装置で、コントローラCとソレノイドSOLとの間に接続している。
【0013】
上記コントローラCの制御システムは、図10に示すとおりである。すなわち、コントローラCには、操舵角センサ16からの操舵角信号と車速センサ17からの車速信号とが入力する。そして、コントローラCは、操舵角信号から操舵角θと操舵角速度ωとを演算する。
そして、これら操舵角θおよび操舵角速度ωに基づいて、上記要求流量QMを推定するようにしている。
【0014】
上記コントローラCは操舵角θと操舵角速度ωを基にして、ソレノイドSOLの励磁電流指令値を制御するようにしている。その制御特性は、図10に示すとおりである。
図10における操舵角θとソレノイド電流指令値Iθとは、その操舵角θと制御流量QPとの関係がリニアな特性になる理論値を基にして決めている。また、操舵角速度ωとソレノイド電流指令値Iωとの関係も、操舵角速度ωと制御流量QPとがリニアな特性になる理論値を基にして決めている。
【0015】
ただし、操舵角θおよび操舵角速度ωが、ある設定値以上にならなければ、上記指令値IθおよびIωのいずれもゼロを出力するようにしている。つまり、ステアリングホィールが中立あるいはその近傍にあるときには、上記指令値IθもIωもゼロになるようにしている。
そして、これら操舵角θに対するソレノイド電流指令値Iθ、および操舵角速度ωに対するソレノイド電流指令値Iωは、テーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶させておいてもよいし、操舵角θあるいは操舵角速度ωを基にして、その都度、コントローラCに演算させるようにしてもよい。
【0016】
いずれにしても、操舵角θを基にしてソレノイド電流指令値Iθと、操舵角速度ωを基にしてソレノイド電流指令値Iωとを決定したら、それら両者を加算する。この加算値(Iθ+Iω)に、今度は車速信号に基づいたソレノイド電流指令値Ivを乗算する。
ただし、上記車速信号に基づいたソレノイド電流指令値Ivは、車速が低速域では1を出力し、高速域ではゼロを出力するとともに、その間の中速域では1からゼロまでの小数点以下の値を出力する。
【0017】
したがって、上記加算値(Iθ+Iω)に車速信号に基づいたソレノイド電流指令値Ivを乗算すれば、低速域では(Iθ+Iω)がそのまま出力されるし、高速域では(Iθ+Iω)がゼロになる。また、中速域では速度が上がればそれに反比例した値が出力されることになる。
上記のように(Iθ+Iω)×Ivが決まったら、さらにそれにスタンバイソレノイド電流指令値Isを加算する。つまり、{(Iθ+Iω)×Iv}+Is=I(ソレノイド電流指令値)として、コントローラCから出力させる。
【0018】
上記スタンバイソレノイド電流指令値Isは、常に、所定の電流が可変オリフィスaのソレノイドSOLに供給されるようにするためのものである。このようにスタンバイソレノイド電流指令値Isが供給された可変オリフィスaは、操舵角θ、操舵角速度ωおよび車速を基にしたソレノイド電流指令値が、たとえゼロだったとしても、その開度を一定に保つとともに、一定のスタンバイ流量を確保する。
なお、スタンバイ流量QSを確保したのは、装置の焼き付き防止、応答性の確保などの理由からである。
【0019】
次に、この従来例の作用を説明する。
例えば、車速が低速域にある状態で操舵すれば、そのときの操舵角θと操舵角速度ωによって、ソレノイド電流指令値IθとIωとが決まる。そして、これら指令値を加算するとともに、この加算値(Iθ+Iω)に車速に応じたソレノイド電流指令値Iv=1を乗算する。その乗算値である(Iθ+Iω)に、スタンバイ流量を確保するためのソレノイド電流指令値Isをさらに加算する。
すなわち、低速域では、ソレノイド電流指令値Iは、I=Iθ+Iω+Isということになる。
【0020】
車速が高速域にあるときには、車速によるソレノイド電流指令値Ivがゼロになる。この電流指令値Ivがゼロになれば、(Iθ+Iω)×Iv=0となるので、制御流量QPは、スタンバイ流量QSだけとなり、パワーアシスト力もほとんどなくなる。
そして、中速域での走行中には、その速度に応じて、車速によるソレノイド電流指令値Ivが小さくなっていくので、それにともなって制御流量QPも小さくなる。したがって、パワーアシスト力もその分小さくなっていく。
ここで、車速に応じたソレノイド電流指令値Ivは、車速の低速から高速までの範囲で1〜0としたが、何もこの値に限定する必要はなく、高速で出力をゼロとするようになっていれば、そのレベルは問わない。なぜならば、ここでいうソレノイド電流指令値Iθ、Iω、Ivは、電流値そのものではなく、特に単位を持たない電流指令値であるからである。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにした従来の装置では、車速や操舵角に応じて、制御流量QPを特定しており、車速が低速域では、上記ソレノイド電流指令値Iに応じた大きなアシスト力が、パワーシリンダ8にかかる。そのため、低速走行時にステアリングホィールを右または左に回しきった状態、すなわちロックエンドになるとき、操舵角は最大角をとり、パワーシリンダ8は、上記アシスト力がかかったままストロークエンドに達することになる。このように大きなアシスト力がかかったまま、パワーシリンダ8がストロークエンドに達すると、そのときに発生する操舵機構部22の衝撃が大きいという問題があった。
【0022】
このようにパワーシリンダ8がストロークエンドに達するときの衝撃が大きいと、騒音が発生するだけでなく、場合によっては、パワーステアリング装置を含む操舵機構部22が作動不良を起こす可能性がある。そこで、操舵機構部22等の強度を上げる必要があり、その分、コストがかかっていた。
また、パワーシリンダ8がストロークエンドに達すると、ステアリングホィールは、何の予告もなく急に回せなくなってしまう。このようにステアリングホィールを急に回せなくなるので、ドライバーにも衝撃感が伝わり、操舵感が悪くなるという問題があった。
【0023】
この発明の目的は、最大操舵角でパワーシリンダのアシスト力を小さくすることで、ドライバーにロックエンド直前を知らせるとともに、フルアシスト力でロックエンド状態にならないことで、ロックエンドでの衝撃防止およびパワーシリンダを含む操舵機構部の作動不良を防止するパワーステアリング装置を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この発明は、次の構成を前提とする。パワーシリンダと、このパワーシリンダのアシスト力を制御する油圧制御機構と、ステアリングホィールの作動に応じて上記油圧制御機構を制御するコントローラとを備え、このコントローラに、ステアリングホィールの作動に応じて油圧制御機構へ出力信号を出力する基本制御部を設けた構成にしている。
【0025】
上記の装置を前提にしつつ、第1の発明は、次の点に特徴を有する。すなわち、上記油圧制御機構には、上記パワーシリンダへの制御流量を制御する可変オリフィスと、この可変オリフィスの開度を制御するソレノイドとを設け、上記基本制御部には操舵角センサを接続し、この操舵角センサからの操舵角に応じた操舵角θと操舵角速度ωとを演算または記憶し、この基本制御部は、これら操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθおよび操舵角速度ωに応じたソレノイド電流指令値Iωを演算または記憶するとともに、これらソレノイド電流指令値IθとIωとを加算し、この加算した値に、さらにスタンバイ用のソレノイド電流指令値Isを加算した合計指令値を、この基本制御部から出力する出力信号にし、上記コントローラに操舵角を検出する上記操舵角センサを接続し、このコントローラが、この操舵角センサからの信号による操舵角θと、操舵角θのうち最大操舵角より小さい設定角θと、操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθeとを演算または記憶する一方、操舵角θが設定角θ超えたとき、上記基本制御部からの出力値に対してソレノイド電流指令値Iθeを限界値として制御することで、上記パワーシリンダのアシスト力を小さくする構成にした点に特徴を有する。
【0026】
第2の発明は、上記油圧制御機構には、上記パワーシリンダへの制御流量を制御する可変オリフィスと、この可変オリフィスの開度を制御するソレノイドとを設け、上記基本制御部には車速センサを設け、かつ、この基本制御部には操舵角センサを接続し、この操舵角センサからの操舵角に応じた操舵角θと操舵角速度ωとを演算または記憶し、この基本制御部は、これら操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθおよび操舵角速度ωに応じたソレノイド電流指令値Iωを演算または記憶するとともに、操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθと車速に応じた操舵角用電流指令値Iv1とを乗算する一方、操舵角速度ωに応じたソレノイド電流指令値Iωは、車速信号に応じた操舵角速度用電流指令値Iv2を限界値とし、しかも、ソレノイド電流指令値IθとIv1との乗算値I1と、ソレノイド電流指令値Iv2を限界値とするソレノイド電流I2との大小を判定し、その大きい方の値を基にした電流指令値を、この基本制御部から出力する出力信号にし、上記コントローラに操舵角を検出する上記操舵角センサを接続し、このコントローラが、この操舵角センサからの信号による操舵角θと、操舵角θのうち最大操舵角より小さい設定角θ と、操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθeとを演算または記憶する一方、操舵角θが設定角θ を超えたとき、上記基本制御部からの出力値に対してソレノイド電流指令値Iθeを限界値として制御することで、上記パワーシリンダのアシスト力を小さくする構成にした点に特徴を有する。
【0027】
第3の発明は、上記油圧制御機構には、上記パワーシリンダへの制御流量を制御する可変オリフィスと、この可変オリフィスの開度を制御するソレノイドとを設け、上記基本制御部には車速センサを設け、かつ、この基本制御部には操舵角センサを接続し、この操舵角センサからの操舵角に応じた操舵角θと操舵角速度ωとを演算または記憶し、この基本制御部は、これら操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθおよび操舵角速度ωに応じたソレノイド電流指令値Iωを演算または記憶するとともに、これらソレノイド電流指令値IθとIωのいずれか大きい方を選択し、その選択したソレノイド電流指令値に対して車速に応じた電流指令値Ivを限界値とした電流指令値をこの基本制御部から出力する出力信号にし、上記コントローラに操舵角を検出する上記操舵角センサを接続し、このコントローラが、この操舵角センサからの信号による操舵角θと、操舵角θのうち最大操舵角より小さい設定角θ と、操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθeとを演算または記憶する一方、操舵角θが設定角θ を超えたとき、上記基本制御部からの出力値に対してソレノイド電流指令値Iθeを限界値として制御することで、上記パワーシリンダのアシスト力を小さくする構成にした点に特徴を有する。
【0028】
【0029】
【発明の実施の形態】
第1実施例のパワーステアリング装置の全体は、従来と同様に図9に示すものであり、パワーシリンダ8および油圧制御機構Yについては、従来例と同様に構成している。したがって、以下においては、従来例との違いについて、具体的に説明する。
【0030】
この第1実施例のコントローラCの制御システムは、図1に示すとおりである。コントローラCには、操舵角センサ16からの操舵角信号と車速センサ17からの車速信号とが入力する。そして、コントローラCは、操舵角信号から操舵角θと操舵角速度ωとを演算する。
そして、これら操舵角θおよび操舵角速度ωに基づいて、従来例で説明した要求流量QMを推定するようにしている。
なお、符号20は、この発明の基本制御部である。
また、この第1実施例では、操舵角信号を微分して操舵角速度ωを算出しているが、操舵角速度センサによって操舵角速度ωを直接検出してもよい。この点については、後述する第2、3実施例においても同様である。
【0031】
上記コントローラCは、操舵角θと操舵角速度ωを基にして、ソレノイドSOLの励磁電流指令値を制御するようにしている。その制御特性は、図1に示すとおりである。
図1における操舵角θとソレノイド電流指令値Iθとは、その操舵角θと制御流量QPとの関係がリニアな特性になる理論値を基にして決めている。また、操舵角速度ωとソレノイド電流指令値Iωとの関係も、操舵角速度ωと制御流量QPとがリニアな特性になる理論値を基にして決めている。
【0032】
ただし、操舵角θおよび操舵角速度ωが、ある設定値以上にならなければ、上記指令値IθおよびIωのいずれもゼロを出力するようにしている。つまり、ステアリングホィールが中立あるいはその近傍にあるときには、上記指令値IθもIωもゼロになるようにしている。
そして、これら操舵角θに対するソレノイド電流指令値Iθ、および操舵角速度ωに対するソレノイド電流指令値Iωは、テーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶させておいてもよいし、操舵角θあるいは操舵角速度ωを基にして、その都度、コントローラCに演算させるようにしてもよい。
【0033】
いずれにしても、操舵角θを基にしてソレノイド電流指令値Iθと、操舵角速度ωを基にしてソレノイド電流指令値Iωとを決定したら、それら両者を加算する。この加算値(Iθ+Iω)に、今度は車速信号に基づいたソレノイド電流指令値Ivを乗算する。
ただし、上記車速信号に基づいたソレノイド電流指令値Ivは、車速が低速域では1を出力し、高速域ではゼロを出力するとともに、その間の中速域では1からゼロまでの小数点以下の値を出力する。
【0034】
したがって、上記加算値(Iθ+Iω)に車速信号に基づいたソレノイド電流指令値Ivを乗算すれば、低速域では(Iθ+Iω)がそのまま出力されるし、高速域では(Iθ+Iω)がゼロになる。また、中速域では、速度が上がればそれに反比例した値が出力されることになる。
上記のように(Iθ+Iω)×Ivが決まったら、さらにそれにスタンバイソレノイド電流指令値Isを加算する。つまり、〔{(Iθ+Iω)×Iv}+Is〕の値を出力信号として、基本制御部20から出力させる。
【0035】
さらに、図1における操舵角θと操舵角θに応じた指令値Iθeとの関係は、テーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶させている。そして、それら操舵角θおよび指令値Iθeとの関係は、次のように設定している。
すなわち、操舵角θが最大角に至る手前に設定角θ設け、この設定角θ超えない限り指令値Iθeが一定値を維持し、その設定角θ超えたところから、指令値Iθeの値が小さくなるようにしている。
なお、上記のように操舵角θと指令値Iθとをテーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶させておいてもよいが、その都度、コントローラCに演算させるようにしてもよい。
【0036】
この操舵角θに応じた指令値Iθeを、上記基本制御部20から出力する信号の限界値として利用する。つまり、上記指令値Iθeは、基本制御部20からソレノイドSOLの駆動装置19へ出力するソレノイド電流指令値の限界値として機能する。この限界値としての機能は、操舵角θが設定角θ超えたところから、指令値Iθeの値が小さくなるようにしており、これにより、電流指令値Iθeと、基本制御部20からの出力信号とを比較して、この出力信号が電流指令値Iθeより大きい値であるときは、θ−Iθe特性以下となるように、基本制御部20からの出力信号を小さくするものである。
すなわち、基本制御部20からの出力信号に対して指令値Iθeの値を限界値として、その結果の信号を、コントローラCが、駆動装置19に出力するようにしている。
【0037】
操舵角θが設定角θより小さければ、限界値としての判断基準となるソレノイド電流指令値Iθeは一定の値をとっており、基本制御部20内で演算されて出力された出力信号は、限界値として利用するソレノイド電流指令値Iθeより通常小さいことから、その上限値をカットされることはなく、結果的に基本制御部20からの出力値と同じ{(Iθ+Iω)×Iv+Is}となる。
これに対して、操舵角θが設定角θ超えると、限界値としての判断基準となるソレノイド電流指令値Iθeは、設定角θより小さいときに比べ小さくなる。
よって、基本制御部20内で演算され出力された出力信号は、限界値として利用するソレノイド電流指令値Iθeより大きくなる場合があり、このときは、このソレノイド電流指令値Iθeが限界値となり、これより大きい分がカットされる。
【0038】
したがって、操舵角θが設定角θ超えると、基本制御部20からの出力信号とソレノイド電流指令値Iθeとの大小関係を判別して、基本制御部20からの出力信号>ソレノイド電流指令値Iθeのときは、ソレノイド電流指令値Iは{(Iθ+Iω)×Iv+Is}を、反対に、基本制御部20からの出力信号≦ソレノイド電流指令値Iθeのときは、ソレノイド電流指令値Iは、ソレノイド電流指令値Iθeが出力されるのである。
【0039】
なお、上記スタンバイソレノイド電流指令値Isは、常に、所定の電流が可変オリフィスaのソレノイドSOLに供給されるようにするためのものである。このようにスタンバイソレノイド電流指令値Isが供給された可変オリフィスaは、操舵角θ、操舵角速度ωおよび車速を基にしたソレノイド電流指令値が、たとえゼロだったとしても、その開度を一定に保つとともに、一定のスタンバイ流量を確保する。
【0040】
ここで、スタンバイ流量QSを確保したのは、次の3つの理由からである。
ある程度の油を装置に循環させておいた方が、その油による冷却効果が期待でき、スタンバイ流量は、焼き付き防止のための冷却機能を果たすことになるからである。
また、タイヤにキックバック等の外乱やセルフアライニングトルク等による抗力が作用すると、それがパワーシリンダ8のロッドに作用する。このような場合であっても、スタンバイ流量を確保しておけば、たとえ上記抗力が作用したとしても、タイヤがふらついたりしないからである。
さらに、スタンバイ流量を確保しておけば、それが全然ないときよりも、目的の制御流量に到達する時間が短くてすむ。この時間差が応答性になるので、結局、スタンバイ流量を確保した方が、応答性を向上させることができるからである。
【0041】
次に、この第1実施例の作用を説明する。
例えば、車速が低速域にある状態で操舵すれば、そのときの操舵角θと操舵角速度ωによって、ソレノイド電流指令値IθとIωとが決まる。そして、これら指令値を加算するとともに、この加算値(Iθ+Iω)に車速に応じたソレノイド電流指令値Iv=1を乗算する。その乗算値である(Iθ+Iω)に、スタンバイ流量を確保するためのソレノイド電流指令値Isをさらに加算する。そして、この値に対して、操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθeを限界値として、これらの大小関係を比較して、どちらか小さい方を出力信号として選択する。
すなわち、低速域では、ソレノイド電流指令値Iは、I=Iθ+Iω+IsかIθeのどちらか小さい方ということになる。
【0042】
このようにソレノイド電流指令値Iを求めるとき、操舵角θに応じた指令値Iθeを、上記電流指令値(Iθ+Iω+Is)と大小関係を比較している。この指令値Iθeは、上記したように限界値としての機能を果たし、操舵角θが設定角θ超えたとき、設定角θより小さいときに比べ、指令値Iθeの値が小さくなるようにしている。そのため、操舵角θが設定角θ超えた場合は、ソレノイド電流指令値Iが、これの限界値として作用するソレノイド電流指令値Iθeを超えないような値に出力制御が行われ、これにともなって、パワーシリンダ8のアシスト力が小さくなる。したがって、パワーシリンダ8のストロークエンドでの衝撃を小さくすることができる。ストロークエンドでの衝撃を小さくできるので、パワーシリンダ8を含む操舵機構部22の作動不良を防止することができる。
【0043】
また、上記のように操舵角θが設定角θ超えることでアシスト力が小さくなるということは、換言すれば、操舵力が重くなることから、ドライバーは、パワーシリンダ8のストロークエンドを予測できる。このようにストロークエンドを予測できれば、ステアリングに衝撃力が作用することもなく、それだけ操舵感も向上することになる。
なお、ソレノイド電流指令値Iθeの下げ方は、図1では徐々に下げる特性を図示しているが、何もこれにこだわる必要はなく、一気に下げても構わない。すなわち、徐々に下げれば、ドライバーの操舵感を満足しつつ、ストロークエンドが予測できるものとなるし、一気に下げれば、ドライバーにストロークエンドがより明確に伝わり、本発明の効果が発揮されるのである。
【0044】
なお、上記のように操舵角θによるソレノイド電流指令値Iθと、操舵角速度ωによるソレノイド電流指令値Iωとを加算したのは、応答性の確保、保舵時の安定性確保のためである。
上記の操舵角θと操舵角速度ωとの関係は、低速域、中速域および高速域での走行中にもすべて同じように当てはまる。
【0045】
また、低速域で走行中でも、直進走行時などでステアリングホィールを中立位置近傍に保っているときは、操舵角θによるソレノイド電流指令値Iθおよび操舵角速度ωによるソレノイド電流指令値Iωは、ゼロになってしまう。しかし、この場合にも、ソレノイド電流指令値Isだけは出力されるので、スタンバイ流量は必ず確保されることになる。
したがって、低速域での直進走行時であっても、装置の冷却効果が期待できるとともに、キックバック等による外乱にも対抗できる。しかも、スタンバイ流量を確保しているので、応答性も良好に保てる。
また、このスタンバイ流量の効能は、低速域、中速域および高速域での走行中にすべて同じように当てはまることである。
【0046】
車速が高速域にあるときには、車速によるソレノイド電流指令値Ivがゼロになる。この電流指令値Ivがゼロになれば、(Iθ+Iω)×Iv=0となるので、制御流量QPは、スタンバイ流量QSだけとなり、パワーアシスト力もほとんどなくなる。
そして、中速域での走行中には、その速度に応じて、車速によるソレノイド電流指令値Ivが小さくなっていくので、それにともなって制御流量QPも小さくなる。したがって、パワーアシスト力もその分小さくなっていく。
【0047】
なお、通常の走行では、高速走行中にステアリングホィールをロックエンドまで切ることはない。ステアリングホィールをロックエンドまで切るのは、ほとんど低速域である。その関係を示したのが、図2および図3である。これらの図からも明らかなように、車速が高くなるにしたがって、操舵角θおよび操舵角速度ωの範囲が、中立を中心に狭くなっていく。したがって、車速と、操舵角θあるいは操舵角速度ωの範囲とは、相関性があるといえる。このことから、車速センサ17の代わりの操舵角を代用することが可能になる。
したがって、車速センサ17を設けることと、車速に応じたソレノイド電流指令値Ivを考慮することは、必ずしも必須の構成要素とはならない。ただし、車速センサ17によってソレノイド電流指令値Ivを考慮した方が、実際の走行に適した制御が可能になる。
【0048】
なお、従来例と同様に、車速に応じたソレノイド電流指令値Ivは、車速の低速から高速までの範囲で1〜0としたが、何もこの値に限定する必要はなく、高速で出力をゼロとするようになっていれば、そのレベルは問わない。なぜならば、ここでいうソレノイド電流指令値Iθ、Iω、Iv、Iθeは、電流値そのものではなく、特に単位を持たない電流指令値であるからである。
【0049】
図4に示した第2実施例は、次の2点で、第1実施例と相違させている。すなわち、第1の点は、操舵角θによるソレノイド電流指令値Iθと、操舵角速度ωによるソレノイド電流指令値Iωとを、実際の状況により近づけたことである。
第2の点は、操舵角θによるソレノイド電流指令値Iθと、操舵角速度ωによるソレノイド電流指令値Iωとを、第1実施例のように加算するのではなく、いずれか大きい方の値を選択するようにしたことである。
【0050】
第1実施例との相違点である第1の点は、次のことを考慮している。ドライバーの操舵感覚を基にすれば、図5に示すように、操舵角θとそれによって特定される制御流量QPとは、リニアな特性を維持するのが理想的である。
ところが、ソレノイド電流指令値Iθと、ソレノイドSOLによる可変オリフィスaの開度で決まる制御流量QPとは、図6に示すように、二乗特性に近いものになる。これは、可変オリフィスaを構成するポペット等のストロークに対する可変オリフィスaの開口面積の変化状態と、ソレノイドの性能とが相乗的に作用した結果である。
【0051】
しかし、第1実施例は、操舵角θによってソレノイド電流指令値Iθを求め、この指令値Iθで制御流量QPを特定しようとしているので、そのままだと、操舵角θと制御流量QPとが、リニアな特性にならない。
そこで、この第2実施例では、操舵角θによるソレノイド電流指令値Iθを、図4に示すように、制御流量QPが最大流量に達するまでを、曲線状にしたものである。
【0052】
ただし、この曲線を得るのに、例えば、操舵角θと制御流量QPとが、図5に示すリニアな特性になるポイントを、実験によってプロットしていってもよいし、図6の曲線と図5の直線を数式化し、図5の値を図6の値で除算して、θ=f(Iθ)を求めてもよい。
なお、このことは、操舵角速度ωに関しても全く同じことがいえる。
【0053】
このようにした第2実施例によれば、操舵角θおよび操舵角速度ωと、制御流量QPとがリニアな関係になるので、操舵感覚と出力とを一致させることができる。
なお、上記のように制御流量QPと、操舵角θあるいは操舵角速度ωとの相対関係を、リニアな特性にする考え方は、前記した第1実施例にも適用できること当然である。
【0054】
また、前記した第2の相違点である操舵角θによるソレノイド電流指令値Iθと、操舵角速度ωによるソレノイド電流指令値Iωとのいずれか大きい方の値を選択するようにした理由を次に説明する。
例えば、第1実施例では、ソレノイド電流指令値IθとIωとを加算していたが、このように指令値IθとIωとを加算すると、その値のふれ幅が大きくなってしまう。
【0055】
例えば、第1実施例のように、ソレノイド電流指令値IθとIωとを加算すると、そのグラフの曲線の中で、変化率が最も大きなところで、図7の斜線で示すような幅ができてしまう。例えば、図7におけるx点に注目すると、x=θ+ωのときもあるし、x=θ+ωのときもある。このように加算される個々の値が相違するにもかかわらず、xが同じ値になってしまうと、ドライバーの操舵感覚は同じなのに、電流指令値(Iθ+Iω)がy1、y2の範囲で異なったものになる。
すなわち、ドライバーの感覚は同じなのに、出力が異なるという結果になってしまう。このような理由から、第1実施例の場合には、操舵状況が同じなのに出力が変化する。そのために、操舵感が多少ラフになるということがあった。
【0056】
そこで、この第2実施例では、ソレノイド電流指令値IθまたはIωのうち、大きな方の値だけを選択するようにしたものである。このように一方の値だけを選択することによって、図7の斜線の部分で示したふれ幅を最小限に抑えることができる。
なお、ソレノイド電流指令値IθまたはIωのうち、小さい値ではなく、大きな値を選択するようにしたのは、応答性を確保するためである。つまり、制御流量QPが少ない場合よりも多めの方が、応答性がよいことは前記したとおりである。
【0057】
また、この第2実施例では、車速によるソレノイド電流指令値Ivを限界値として利用した点も、第1実施例とは相違する。つまり、第1実施例では、この指令値Ivを、(Iθ+Iω)に乗算していた。しかし、指令値Ivを乗算してしまうと、車速が高くなればなるほど、実質的に(Iθ+Iω)×Ivが小さくなる。(Iθ+Iω)×Ivが小さくなれば、グラフの傾きがそれだけ緩やかになる。傾きが緩やかになれば、応答性が悪くなる。
そこで、この第2実施例では、上記のように車速によるソレノイド電流指令値Ivを限界値として利用し、ソレノイド電流指令値IθまたはIωのどちらかから選択した大きい方の信号が、そのときの車速で判断してIvより大きいときだけ、その超えた分の電流指令値をカットすることで、ソレノイド電流指令値Iの立ち上がりの傾きを一定に保つようにしている。
【0058】
ただ、上記傾きの変化は、実際に、ほんのわずかなので、それを無視しても操舵感にそれほど大きな影響を及ぼさない。
したがって、この第2実施例においても、車速によるソレノイド電流指令値Ivを、第1実施例で説明したソレノイド電流指令値Ivと同じように考えて、いずれか大きい方のソレノイド電流指令値IθまたはIωに乗算してもよい。
反対に、車速によるソレノイド電流指令値Ivを限界値として利用することは、第1実施例においてもそのまま適用することができる。
なお、この第2実施例においても、スタンバイ流量を確保するようにした点は、第1実施例と全く同様である。
【0059】
さらに、この第2実施例においても、コントローラCは、基本制御部20からの出力信号と、操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθeとを大小判定し、基本制御部20からの出力信号が、指令値Iθeを超えないような値に出力制限している。これにより、第1実施例と同様に、操舵角が設定角θ超えると、パワーシリンダ8のアシスト力を小さくするので、ストロークエンドでの衝撃を小さくすることができる。また、ストロークエンドでの衝撃が小さくできるので、パワーシリンダ8を含む操舵機構部22の作動不良を防止することができる。その上、パワーシリンダ8のストロークエンド付近で、操舵感が向上する効果も得られる。
【0060】
なお、ソレノイド電流指令値Iθeの下げ方は、第1実施例と同じく、図4では徐々に下げる特性を図示しているが、何もこれにこだわる必要はなく、一気に下げても構わない。すなわち、徐々に下げれば、ドライバーの操舵感を満足しつつ、ストロークエンドが予測できるものとなるし、一気に下げれば、ドライバーにストロークエンドがより明確に伝わり、本発明の効果が発揮されるのである。
【0061】
次に、第3実施例について説明する。
第3実施例のパワーステアリング装置の全体は、第1実施例と同様に構成している。したがって、以下においては、第1実施例との違いについて、具体的に説明する。
第3実施例におけるコントローラCの制御システムは、図8に示すとおりである。すなわち、コントローラCには、操舵角センサ16からの操舵角信号と車速センサ17からの車速信号とが入力する。そして、コントローラCは、操舵角信号から操舵角θと操舵角速度ωとを演算する。
【0062】
上記コントローラCは操舵角θと操舵角速度ωを基にして、ソレノイドSOLの励磁電流指令値を制御するようにしている。その制御特性は、図8に示すとおりである。
図8における操舵角θとソレノイド電流指令値Iθとは、その操舵角θと制御流量QPとの関係がリニアな特性になる理論値を基にして決めている。また、操舵角速度ωとソレノイド電流指令値Iωとの関係も、操舵角速度ωと制御流量QPとがリニアな特性になる理論値を基にして決めている。
【0063】
ただし、操舵角θおよび操舵角速度ωが、ある設定値以上にならなければ、上記指令値IθおよびIωのいずれもゼロを出力するようにしている。つまり、ステアリングホィールが中立あるいはその近傍にあるときには、上記指令値IθもIωもゼロになるようにしている。
そして、これら操舵角θに対するソレノイド電流指令値Iθ、および操舵角速度ωに対するソレノイド電流指令値Iωは、テーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶させておいてもよいし、操舵角θあるいは操舵角速度ωを基にして、その都度、コントローラCに演算させるようにしてもよい。
【0064】
また、コントローラCは、車速センサ17の出力信号に基づいて、操舵角用電流指令値Iv1と操舵角速度用電流指令値Iv2とを出力するようにしているが、これら操舵角用電流指令値Iv1および操舵角速度用電流指令値Iv2は、テーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶させておいてもよいし、車速Vを基にして、その都度、コントローラCに演算させるようにしてもよい。
【0065】
そして、操舵角用電流指令値Iv1は、低速域で1を出力し、最高速域で、例えば0.6を出力するようにしている。また、操舵角速度用電流指令値Iv2は、低速域から車速が上がるにしたがい、その値を小さく出力するようにしている。
【0066】
そして、上記操舵角θによるソレノイド電流指令値Iθには、車速Vに応じた操舵角用電流指令値Iv1を掛け合わせる。したがって、車速Vが高速になればなるほど、その乗算結果である出力値すなわち操舵角系の電流指令値I1は小さくなる。
【0067】
一方、操舵角速度ωによるソレノイド電流指令値Iωには、車速に応じた操舵角速度用電流指令値Iv2を限界値として、車速に応じて操舵角速度用電流指令値Iv2を超えない操舵角速度系の電流指令値I2を出力させるようにしている。
ここで、具体的数値はあげないが、低速域から最高車速域でのゲインは、操舵角速度用電流指令値Iv2より、操舵角用電流指令値Iv1の方が、大きくなるように設定してある。
すなわち、操舵角用電流指令値Iv1の方が、操舵角速度用電流指令値Iv2よりも、高速になればなるほど、その減少率が大きくなるように考慮されており、この理由は後述する。
【0068】
上記のように出力された操舵角系の電流指令値I1と、操舵角速度系の電流指令値I2との大小を比較し、その大きな方I1あるいはI2を採用するようにしている。
このように、いずれか大きな方を採用するようにしたのは、次の理由からである。すなわち、高速走行時には、ステアリングを急操作することはまずないので、操舵角速度系の電流指令値I2が小さくて、操舵角系の電流指令値I1の方が大きくなるのが通常である。
【0069】
したがって、高速走行時には、ステアリング操作の安全性・安定性を高めるために、操舵角を基準にしながら、その操舵角系の電流指令値I1のゲインを大きくしている。言い換えれば、走行速度が速くなればなるほど、制御流量QPを少なくする比率を高めて、エネルギー損失をより少なくするようにしている。
【0070】
一方、低速走行時には、ステアリングを急操作することが多くなる。そのために、多くの場合に操舵角速度の方が大きくなる。このように操舵角速度が大きい場合には、応答性が重視される。
したがって、低速走行時には、ステアリング操作の操作性すなわち応答性を高めるために、操舵角速度を基準にしながら、その操舵角速度系の電流指令値I2のゲインを小さくしている。言い換えれば、走行速度がある程度速くなっても、ステアリングを急操作したときには、制御流量QPを十分に確保して、応答性を優先させるようにしている。
【0071】
ただし、車両の走行速度が一定でも、操舵角系の電流指令値I1が大きくなったり、操舵角速度系の電流指令値I2が大きくなったりする。例えば、ステアリングをある角度操舵して、その操舵角θの位置で、ステアリングを止めて保舵しているときには、操舵角速度ωはゼロになってしまう。したがって、車速が同じでも、最初、操舵角速度系の電流指令値I2が大きく、保舵にはいってから操舵角系の電流指令値I1の方が大きくなる。
いずれにしても、電流指令値I1とI2の大きい方の値を択一しているので、どのような走行条件でも、いずれかの電流指令値が出力されることになる。
【0072】
もし、上記のような保舵時に、電流指令値I1とI2のいずれもが出力されなければ、制御流量QPを確保できなくなる。制御流量QPを確保できなければ、保舵時には、車両のセルフアライニングトルクによる抗力に負けて、パワーシリンダ8が動いてしまう。このようにパワーシリンダ8がその位置を保てずに動いてしまえば、それこそ保舵そのものが不可能になる。
【0073】
しかし、上記のように、電流指令値I1とI2のいずれかを用いるようにしているので、ステアリング操作中に、両方ともゼロになることはない。言い換えれば、保舵時であっても操舵角θが保たれているので、ソレノイド電流指令値Iθを確保できる。したがって、ソレノイド電流指令値Iθで保舵に必要なパワーを維持することができる。
【0074】
一方で、高速走行時でも、ステアリングを急操作することがある。このときには、操舵角速度系の電流指令値I2が大きくなるので、その電流指令値I2が選択される。ただし、この電流指令値I2は、操舵角速度用電流指令値Iv2の限界値の範囲内に制御された値になるので、安全性は十分に確保される。
ただ、車両の高速走行時における操舵角速度用電流指令値Iv2の限界最小値は、操舵角用電流指令値Iv1の最小値よりもやや大きくなるように設定している。
【0075】
したがって、高速走行時に、操舵角系の電流指令値I1で制御される場合よりも、操舵角速度系の電流指令値I2で制御される場合の方が、応答性がよくなる。
ただし、高速走行時に、あまり応答性をよくしすぎると、安全性が損なわれる危険がある。そこで、車両のヨーレートを基にした安全性を基準に最適値を設定している。
【0076】
つまり、車両のヨーレートは、だいたい車速60km/h以下で走行しているとき、その収れん性がほとんど似たような特性になる。つまり、60km/h以下では、10km/h走行であろうと、40km/h走行であろうと、その収れん性はほとんど変わらない。このようにヨーレートの収れん性が安定している範囲を、安全性の限界としてとらえ、操舵角速度用電流指令値Iv2の限界最小値を最適値に設定したものである。
【0077】
したがって、この第3実施例によれば、100km/hで走行中に、ステアリングを急操作し、操舵角速度系の電流指令値I2が大きくなって、その電流指令値I2が選択されたとき、60km/hで走行しているときと同じような安全性・安定性で操舵できることになる。
【0078】
また、上記のようにして選択された電流指令値I1あるいはI2に、スタンバイ用電流指令値Isを加算して、基本制御部20から出力信号として出力する。
さらに、図8における操舵角θと操舵角θに応じた指令値Iθeとの関係は、テーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶させている。そして、それら操舵角θおよび指令値Iθeとの関係は、第1実施例と同様に設定している。その上、第1実施例と同様に、この操舵角θに応じた指令値Iθeを、上記基本制御部20から出力する出力信号の限界値として利用している。
そのため、上記基本制御部20からの出力信号と、指令値Iθeとを大小判定し、コントローラCからは、指令値Iθeを超えないような値に出力制限した信号を、油圧制御機構Yの駆動装置19に出力するようにしている。つまり、コントローラCは、(I1+Is)か(I2+Is)のいずれか大きい方、またはIθeのどちらか小さい方のソレノイド電流指令値を、駆動装置19に出力している。
【0079】
なお、前記のように、操舵角θに応じた指令値Iθeとの関係は、テーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶させておいてもよいし、その都度、コントローラCに演算させるようにしてもよい。
【0080】
操舵角θが、設定角θより小さければ、限界値としての判断基準となるソレノイド電流指令値Iθeは、一定の値をとっており、基本制御部20内で演算され、出力された出力信号は、限界値として利用するソレノイド電流指令値Iθeより通常小さいことから、その上限値をカットされることはなく、結果的に基本制御部20からの出力値と同じ(I1+Is)または(I2+Is)となる。
これに対して、操舵角θが設定角θ超えると、限界値としての判断基準となるソレノイド電流指令値Iθeは、設定角θより小さいときに比べ小さくなる。
よって、基本制御部20内で演算され出力された出力信号は、限界値として利用するソレノイド電流指令値Iθeより大きくなる場合があり、このときは、このソレノイド電流指令値Iθeが限界値となり、これより大きい分がカットされる。
【0081】
したがって、操舵角θが設定角θ超えると、基本制御部20からの出力信号とソレノイド電流指令値Iθeとの大小関係を判別して、基本制御部20からの出力信号>ソレノイド電流指令値Iθeのときは、ソレノイド電流指令値Iは、(I1+Is)または(I2+Is)を、反対に、基本制御部20からの出力信号≦ソレノイド電流指令値Iθeのときは、ソレノイド電流指令値Iは、ソレノイド電流指令値Iθeが出力されるのである。
【0082】
なお、スタンバイ用電流指令値Isを加算して、スタンバイ流量を確保したのは、第1実施例と同じ理由からである。
【0083】
次に、この第3実施例に作用を説明する。
今、車両の走行中には、操舵角によるソレノイド電流指令値Iθと操舵角用電流指令値Iv1との乗算値である操舵角系の電流指令値I1が出力される。これとともに、操舵角速度によるソレノイド電流指令値Iωが、操舵角速度用電流指令値Iv2を限界値として、操舵角速度系の電流指令値I2が出力される。
【0084】
そして、操舵角系の電流指令値I1と操舵角速度系の電流指令値I2との大小が判定されるとともに、その大きい方の指令値I1あるいはI2に、スタンバイ用電流指令値Isが加算される。そして、この値に対して、操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθeを限界値として、これらの大小関係を比較して、どちらか小さい方がソレノイド励磁電流Aとして決定される。
このソレノイド励磁電流Aは、車両の高速走行時には、主に操舵角系の電流指令値I1が基準となり、車両の低速走行時には、主に操舵角速度系の電流指令値I2が基準となる。
【0085】
ただし、この第3実施例によれば、低速走行時であっても、その保舵時には、操舵角系の電流指令値I1を基準にソレノイドの励磁電流Aが決められる。
また、高速走行時であっても、ステアリングを急操作したときには、操舵角速度系の電流指令値I2を基準にソレノイドの励磁電流Aが決められる。ただし、この場合は、前記したように、たとえ100km/hでの走行中でも、60km/h走行時と同じ様な安全性・安定性でステアリング操作をすることができるようにしている。
【0086】
前記したように、ソレノイド励磁電流Aとなる電流指令値Iを求めるとき、(I1+Is)または(I2+Is)と指令値Iθeとを大小判定をすることで、この指令値Iθeは、第1実施例と同様に、限界値としての機能を果たす。そして、指令値Iθeは、操舵角θが設定角θ超えたとき、設定角θより小さいときに比べ、指令値Iθeの値が小さくなるようにしている。そのため、操舵角θが設定角θ超えた場合は、ソレノイド電流指令値Iが、これの限界値として作用するソレノイド電流指令値Iθeを超えないような値に出力制限が行われ、これにともなって、パワーシリンダ8のアシスト力は小さくなる。したがって、パワーシリンダ8のストロークエンドでの衝撃を小さくすることができる。ストロークエンドでの衝撃を小さくできるので、パワーシリンダ8を含む操舵機構部22の作動不良を防止することができる。
【0087】
また、第1実施例と同様に、上記操舵角θが設定角θ超えることでアシスト力が小さくなるということは、換言すれば、操舵力が重くなることから、ドライバーは、パワーシリンダ8のストロークエンドを予測できる。このようにストロークエンドを予測できれば、ステアリングに衝撃力が作用することもなく、それだけ操舵感も向上することになる。
なお、ソレノイド電流指令値Iθeの下げ方は、第1、第2実施例と同じく、図8では徐々に下げる特性を図示しているが、何もこれにこだわる必要はなく、一気に下げても構わない。すなわち、徐々に下げれば、ドライバーの操舵感を満足しつつ、ストロークエンドが予測できるものとなるし、一気に下げれば、ドライバーにストロークエンドがより明確に伝わり、本発明の効果が発揮されるのである。
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【発明の効果】
第1の発明によれば、基本制御部からのソレノイド電流指令値Iの信号と、操舵角θに応じた指令値Iθeとを大小判定し、基本制御部からの出力信号が指令値Iθeを超えないような値に出力制限することにより、操舵角θが設定角θ超えるとき、パワーシリンダのアシスト力を小さくなるようにしている。そのため、ドライバーにはストロークエンド前にストロークエンドに近づいたことを知らしめることができるだけでなく、パワーシリンダのストロークエンドでの衝撃を小さくすることができる。また、ストロークエンドでの衝撃を小さくすることができるので、パワーシリンダ8を含む操舵機後部22の作動不良を防止することができる。
【0110】
第2の発明によれば、第1の発明に対して、操舵角θと操舵角速度ωに対する指令値Iθ、Iωとを二乗曲線にするとともに、指令値Iθ、Iωのいずれか大きい方を選択して制御に使用することで、操舵トルクにより近い値で制御流量QPを制御できる。
【0111】
第3の発明によれば、第2の発明に対して、操舵角θと操舵角速度ωに対する指令値Iθ、Iωをそれぞれ制御するための、車速に対する指令値Iv1、Iv2を検出している。これにより、高速走行時には、操舵角を基準にして、ソレノイドの励磁電流を決めることができるので、操舵の安全性を確保できる。また、低走行時には、操舵角速度を基準にして、ソレノイドの励磁電流を決めることができるので、操舵の応答性を確保できる。
【0112】
【0113】
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のコントローラの制御系を示す説明図である。
【図2】 操舵角と車速との相関性を示したグラフである。
【図3】 操舵角速度と車速との相関性を示したグラフである。
【図4】 第2実施例のコントローラの制御系を示す説明図である。
【図5】 操舵角と制御流量との関係を示すグラフである。
【図6】 電流指令値Iθと制御流量との関係を示すグラフである。
【図7】 操舵角θと操舵角速度ωとを加算した値と、ソレノイド電流指令値IθとIωとを加算した値との関係を示すグラフである。
【図8】 第3実施例のコントローラの制御系を示す説明図である。
【図9】 従来例の油圧回路図である。
【図10】 従来例のコントローラの制御系を示す説明図である
【符号の説明】
Iθe 操舵角θに応じた指令値
Iθ 操舵角θによるソレノイド電流指令値
Iω 操舵角速度ωによるソレノイド電流指令値
Iv、Iv1、Iv2 車速によるソレノイド電流指令値
Is スタンバイ流量を確保するためのソレノイド電流指令
P 制御流量
Y 油圧制御機構
SOL ソレノイド
a 可変オリフィス
C コントローラ
θ 設定角
8 パワーシリンダ
16 操舵角センサ
17 車速センサ
20 基本制御
2 操舵機構部

Claims (3)

  1. パワーシリンダと、このパワーシリンダのアシスト力を制御する油圧制御機構と、ステアリングホィールの作動に応じて上記油圧制御機構を制御するコントローラとを備え、このコントローラに、ステアリングホィールの作動に応じて油圧制御機構へ出力信号を出力する基本制御部を設けたパワーステアリング装置において、上記油圧制御機構には、上記パワーシリンダへの制御流量を制御する可変オリフィスと、この可変オリフィスの開度を制御するソレノイドとを設け、上記基本制御部には操舵角センサを接続し、この操舵角センサからの操舵角に応じた操舵角θと操舵角速度ωとを演算または記憶し、この基本制御部は、これら操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθおよび操舵角速度ωに応じたソレノイド電流指令値Iωを演算または記憶するとともに、これらソレノイド電流指令値IθとIωとを加算し、この加算した値に、さらにスタンバイ用のソレノイド電流指令値Isを加算した合計指令値を、この基本制御部から出力する出力信号にし、上記コントローラに操舵角を検出する上記操舵角センサを接続し、このコントローラが、この操舵角センサからの信号による操舵角θと、操舵角θのうち最大操舵角より小さい設定角θと、操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθeとを演算または記憶する一方、操舵角θが設定角θ超えたとき、上記基本制御部からの出力値に対してソレノイド電流指令値Iθeを限界値として制御することで、上記パワーシリンダのアシスト力を小さくする構成にしたことを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. パワーシリンダと、このパワーシリンダのアシスト力を制御する油圧制御機構と、ステアリングホィールの作動に応じて上記油圧制御機構を制御するコントローラとを備え、このコントローラに、ステアリングホィールの作動に応じて油圧制御機構へ出力信号を出力する基本制御部を設けたパワーステアリング装置において、上記油圧制御機構には、上記パワーシリンダへの制御流量を制御する可変オリフィスと、この可変オリフィスの開度を制御するソレノイドとを設け、上記基本制御部には車速センサを設け、かつ、この基本制御部には操舵角センサを接続し、この操舵角センサからの操舵角に応じた操舵角θと操舵角速度ωとを演算または記憶し、この基本制御部は、これら操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθおよび操舵角速度ωに応じたソレノイド電流指令値Iωを演算または記憶するとともに、操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθと車速に応じた操舵角用電流指令値Iv1とを乗算する一方、操舵角速度ωに応じたソレノイド電流指令値Iωは、車速信号に応じた操舵角速度用電流指令値Iv2を限界値とし、しかも、ソレノイド電流指令値IθとIv1との乗算値I1と、ソレノイド電流指令値Iv2を限界値とするソレノイド電流I2との大小を判定し、その大きい方の値を基にした電流指令値を、この基本制御部から出力する出力信号にし、上記コントローラに操舵角を検出する上記操舵角センサを接続し、このコントローラが、この操舵角センサからの信号による操舵角θと、操舵角θのうち最大操舵角より小さい設定角θ と、操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθeとを演算または記憶する一方、操舵角θが設定角θ を超えたとき、上記基本制御部からの出力値に対してソレノイド電流指令値Iθeを限界値として制御することで、上記パワーシリンダのアシスト力を小さくする構成にしたことを特徴とするパワーステアリング装置。
  3. パワーシリンダと、このパワーシリンダのアシスト力を制御する油圧制御機構と、ステアリングホィールの作動に応じて上記油圧制御機構を制御するコントローラとを備え、このコントローラに、ステアリングホィールの作動に応じて油圧制御機構へ出力信号を出力する基本制御部を設けたパワーステアリング装置において、上記油圧制御機構には、上記パワーシリンダへの制御流量を制御する可変オリフィスと、この可変オリフィスの開度を制御するソレノイドとを設け、上記基本制御部には車速センサを設け、かつ、この基本制御部には操舵角センサを接続し、この操舵角センサからの操舵角に応じた操舵角θと操舵角速度ωとを演算または記憶し、この基本制御部は、これら操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθおよび操舵角速度ωに応じたソレノイド電流指令値Iω を演算または記憶するとともに、これらソレノイド電流指令値IθとIωのいずれか大きい方を選択し、その選択したソレノイド電流指令値に対して車速に応じた電流指令値Ivを限界値とした電流指令値をこの基本制御部から出力する出力信号にし、上記コントローラに操舵角を検出する上記操舵角センサを接続し、このコントローラが、この操舵角センサからの信号による操舵角θと、操舵角θのうち最大操舵角より小さい設定角θ と、操舵角θに応じたソレノイド電流指令値Iθeとを演算または記憶する一方、操舵角θが設定角θ を超えたとき、上記基本制御部からの出力値に対してソレノイド電流指令値Iθeを限界値として制御することで、上記パワーシリンダのアシスト力を小さくする構成にしたことを特徴とするパワーステアリング装置。
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