JP2001354709A - 乳化重合用界面活性剤組成物 - Google Patents
乳化重合用界面活性剤組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 水への溶解が常温でも容易で、かつモノマー
乳化性に優れ、重合後のポリマーエマルションの化学的
安定性も良好な乳化重合用界面活性剤組成物、及びビニ
ル系モノマーの乳化重合法の提供。 【解決手段】 式(I)で表される化合物を含有し、そ
の含有量が、非イオン界面活性剤成分の50重量%以上で
ある乳化重合用界面活性剤組成物、及びこの乳化重合用
界面活性剤組成物を用いるビニル系モノマーの乳化重合
法。 【化1】 (式中、x,yはそれぞれ0以上の整数で、x+y=8であ
る。EOはオキシエチレン基を示し、nはオキシエチレン
基の平均付加モル数を示す5〜100の数である。)
乳化性に優れ、重合後のポリマーエマルションの化学的
安定性も良好な乳化重合用界面活性剤組成物、及びビニ
ル系モノマーの乳化重合法の提供。 【解決手段】 式(I)で表される化合物を含有し、そ
の含有量が、非イオン界面活性剤成分の50重量%以上で
ある乳化重合用界面活性剤組成物、及びこの乳化重合用
界面活性剤組成物を用いるビニル系モノマーの乳化重合
法。 【化1】 (式中、x,yはそれぞれ0以上の整数で、x+y=8であ
る。EOはオキシエチレン基を示し、nはオキシエチレン
基の平均付加モル数を示す5〜100の数である。)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水への溶解性及び
重合性能に優れ、機械的安定性及び化学的安定性が良好
なポリマーエマルションを与える乳化重合用界面活性剤
組成物、及びビニル系モノマーの乳化重合法に関する。
重合性能に優れ、機械的安定性及び化学的安定性が良好
なポリマーエマルションを与える乳化重合用界面活性剤
組成物、及びビニル系モノマーの乳化重合法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】酢酸ビ
ニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ス
チレン、ブタジエン等のビニル系モノマーの乳化重合に
よって得られるポリマーエマルションは、水分散系のま
ま塗料、接着剤、紙加工剤、繊維加工剤等の分野に、あ
るいはポリマーが分離されてプラスチック、ゴムとして
広く工業的に使用されている。乳化重合には乳化剤とし
て、直鎖アルキル硫酸エステル塩、直鎖アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩(LAS)、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル硫酸エステル塩等の陰イオン界面活
性剤、及びポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン
界面活性剤が、それぞれ単独に、あるいは陰イオン−非
イオン界面活性剤の混合系で用いられる。
ニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ス
チレン、ブタジエン等のビニル系モノマーの乳化重合に
よって得られるポリマーエマルションは、水分散系のま
ま塗料、接着剤、紙加工剤、繊維加工剤等の分野に、あ
るいはポリマーが分離されてプラスチック、ゴムとして
広く工業的に使用されている。乳化重合には乳化剤とし
て、直鎖アルキル硫酸エステル塩、直鎖アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩(LAS)、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル硫酸エステル塩等の陰イオン界面活
性剤、及びポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン
界面活性剤が、それぞれ単独に、あるいは陰イオン−非
イオン界面活性剤の混合系で用いられる。
【0003】乳化重合における乳化剤は、重合の開始反
応、成長反応に影響を及ぼすのみでなく、重合中の機械
的安定性、化学的安定性にも大きな影響を及ぼす。特に
非イオン界面活性剤は、多価金属カチオン等に対して影
響を受けずポリマーエマルションを安定化させる性質が
あることから、化学的安定性の付与に効果的である。
応、成長反応に影響を及ぼすのみでなく、重合中の機械
的安定性、化学的安定性にも大きな影響を及ぼす。特に
非イオン界面活性剤は、多価金属カチオン等に対して影
響を受けずポリマーエマルションを安定化させる性質が
あることから、化学的安定性の付与に効果的である。
【0004】一方ポリマーエマルションの製造工程にお
いては、非イオン界面活性剤の使用に際し、いったんこ
れを分散媒である水に溶解することが必要である。従来
用いられてきたポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テルやポリオキシエチレンドデシルエーテル等の非イオ
ン界面活性剤の場合、溶解の為に長時間を要したりある
いは非イオン界面活性剤を水とともに加熱する必要があ
った。特にモノマーをあらかじめ水中に乳化してプレエ
マルションをつくって、重合系に添加するプレエマルシ
ョン法による乳化重合では、加熱された高温の非イオン
界面活性剤水溶液をモノマーと混合乳化することは突発
的重合反応のおそれがあるため避けなければならない。
そのため非イオン界面活性剤を水中で加熱溶解する場合
には冷却工程も必要であった。あらかじめ希釈容易な10
〜20重量%の非イオン界面活性剤水溶液を調製してお
き、必要量を添加する手段もあるが、これもまた別の貯
蔵タンクを要する欠点がある。
いては、非イオン界面活性剤の使用に際し、いったんこ
れを分散媒である水に溶解することが必要である。従来
用いられてきたポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テルやポリオキシエチレンドデシルエーテル等の非イオ
ン界面活性剤の場合、溶解の為に長時間を要したりある
いは非イオン界面活性剤を水とともに加熱する必要があ
った。特にモノマーをあらかじめ水中に乳化してプレエ
マルションをつくって、重合系に添加するプレエマルシ
ョン法による乳化重合では、加熱された高温の非イオン
界面活性剤水溶液をモノマーと混合乳化することは突発
的重合反応のおそれがあるため避けなければならない。
そのため非イオン界面活性剤を水中で加熱溶解する場合
には冷却工程も必要であった。あらかじめ希釈容易な10
〜20重量%の非イオン界面活性剤水溶液を調製してお
き、必要量を添加する手段もあるが、これもまた別の貯
蔵タンクを要する欠点がある。
【0005】本発明の課題は、水への溶解が常温でも容
易で、かつモノマー乳化性に優れ、重合後のポリマーエ
マルションの化学的安定性も良好な乳化重合用界面活性
剤組成物、及びビニル系モノマーの乳化重合法を提供す
ることにある。
易で、かつモノマー乳化性に優れ、重合後のポリマーエ
マルションの化学的安定性も良好な乳化重合用界面活性
剤組成物、及びビニル系モノマーの乳化重合法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、式(I)で表
される化合物を含有し、その含有量が、非イオン界面活
性剤成分の50重量%以上である乳化重合用界面活性剤組
成物、及びこの乳化重合用界面活性剤組成物を用いるビ
ニル系モノマーの乳化重合法である。
される化合物を含有し、その含有量が、非イオン界面活
性剤成分の50重量%以上である乳化重合用界面活性剤組
成物、及びこの乳化重合用界面活性剤組成物を用いるビ
ニル系モノマーの乳化重合法である。
【0007】
【化2】
【0008】(式中、x,yはそれぞれ0以上の整数で、
x+y=8である。EOはオキシエチレン基を示し、nはオ
キシエチレン基の平均付加モル数を示す5〜100の数で
ある。)
x+y=8である。EOはオキシエチレン基を示し、nはオ
キシエチレン基の平均付加モル数を示す5〜100の数で
ある。)
【0009】
【発明の実施の形態】式(I)において、x、yはそれぞ
れ0以上の整数で、x+y=8であるが、yは0〜2が好
ましく、特に0又は1が好ましい。nは、重合安定性、
化学的安定性の観点から、5〜100の数であるが、好ま
しくは10〜50、特に好ましくは15〜40である。
れ0以上の整数で、x+y=8であるが、yは0〜2が好
ましく、特に0又は1が好ましい。nは、重合安定性、
化学的安定性の観点から、5〜100の数であるが、好ま
しくは10〜50、特に好ましくは15〜40である。
【0010】式(I)の化合物は、n−ウンデシルアル
コール、2−メチルデシルアルコール、1−デセンのオ
キソ反応で得られる炭素数11のオキソアルコール(主
としてyが0又は1の化合物の混合物)等に、エチレン
オキサイドを付加することにより得ることができる。
コール、2−メチルデシルアルコール、1−デセンのオ
キソ反応で得られる炭素数11のオキソアルコール(主
としてyが0又は1の化合物の混合物)等に、エチレン
オキサイドを付加することにより得ることができる。
【0011】式(I)の化合物の含有量は、水への溶解
性の観点から、本発明組成物中の非イオン界面活性剤成
分の50重量%以上であることが必要であり、好ましくは
75重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。ま
た本発明の乳化重合用界面活性剤組成物中の非イオン界
面活性剤の含有量は、化学的安定性の観点から、30〜85
重量%が好ましく、50〜80重量%が更に好ましい。
性の観点から、本発明組成物中の非イオン界面活性剤成
分の50重量%以上であることが必要であり、好ましくは
75重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。ま
た本発明の乳化重合用界面活性剤組成物中の非イオン界
面活性剤の含有量は、化学的安定性の観点から、30〜85
重量%が好ましく、50〜80重量%が更に好ましい。
【0012】本発明の界面活性剤組成物中に非イオン界
面活性剤成分として、式(I)で表される化合物以外の
非イオン界面活性剤を併用する場合には、従来より使用
されてきた非イオン界面活性剤、例えばポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデ
シルエーテル、炭素数12〜15のオキソアルコールのエト
キシレート、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、モ
ノ又はジスチレン化フェノールのエトキシレート等を用
いることができる。
面活性剤成分として、式(I)で表される化合物以外の
非イオン界面活性剤を併用する場合には、従来より使用
されてきた非イオン界面活性剤、例えばポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデ
シルエーテル、炭素数12〜15のオキソアルコールのエト
キシレート、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、モ
ノ又はジスチレン化フェノールのエトキシレート等を用
いることができる。
【0013】本発明の界面活性剤組成物中には目的に応
じ陰イオン界面活性剤又は陽イオン界面活性剤を併用す
るのが好ましい。本発明組成物中のこれらイオン性界面
活性剤の量は、重合安定性と化学的安定性の両立の観点
から、好ましくは15〜70重量%、特に好ましくは20〜50
重量%である。
じ陰イオン界面活性剤又は陽イオン界面活性剤を併用す
るのが好ましい。本発明組成物中のこれらイオン性界面
活性剤の量は、重合安定性と化学的安定性の両立の観点
から、好ましくは15〜70重量%、特に好ましくは20〜50
重量%である。
【0014】本発明で用いられる陰イオン界面活性剤と
しては、直鎖アルキル硫酸エステル塩、直鎖アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩(LAS)、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられ
る。本発明で用いられる陽イオン界面活性剤としてはア
ルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウ
ム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩等が挙
げられる。これらのイオン性界面活性剤は、水溶性に優
れた水溶液として市販されており、溶解操作は比較的容
易である。
しては、直鎖アルキル硫酸エステル塩、直鎖アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩(LAS)、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられ
る。本発明で用いられる陽イオン界面活性剤としてはア
ルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウ
ム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩等が挙
げられる。これらのイオン性界面活性剤は、水溶性に優
れた水溶液として市販されており、溶解操作は比較的容
易である。
【0015】本発明組成物の特に好ましい組成は、式
(I)の化合物が80〜50重量%、陰イオン界面活性剤が
20〜50重量%である。
(I)の化合物が80〜50重量%、陰イオン界面活性剤が
20〜50重量%である。
【0016】本発明の乳化重合法における本発明組成物
の使用量は、モノマーの総量に対し0.1〜10重量%が好
ましく、特に0.5〜3重量%が好ましい。
の使用量は、モノマーの総量に対し0.1〜10重量%が好
ましく、特に0.5〜3重量%が好ましい。
【0017】本発明の乳化重合法に使用されるモノマー
としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチ
レン等の芳香族ビニル系モノマー;アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等の
アクリル酸エステルモノマー、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリ
ル酸エステルモノマー;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化
ビニリデン等のハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリ
デンモノマー;アクリロニトリル等のニトリル系モノマ
ー;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジ
エン系モノマー等を挙げることができる。これらのモノ
マーは、単独で重合させても共重合させてもよい。また
アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸塩等の
水溶性モノマーや、N−メチロールアクリルアミド等の
官能性基をもつモノマーを必要により少量併用してもよ
い。モノマーの使用量は全系に対して、好ましくは30〜
70重量%、特に好ましくは40〜60重量%である。
としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチ
レン等の芳香族ビニル系モノマー;アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等の
アクリル酸エステルモノマー、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリ
ル酸エステルモノマー;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化
ビニリデン等のハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリ
デンモノマー;アクリロニトリル等のニトリル系モノマ
ー;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジ
エン系モノマー等を挙げることができる。これらのモノ
マーは、単独で重合させても共重合させてもよい。また
アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸塩等の
水溶性モノマーや、N−メチロールアクリルアミド等の
官能性基をもつモノマーを必要により少量併用してもよ
い。モノマーの使用量は全系に対して、好ましくは30〜
70重量%、特に好ましくは40〜60重量%である。
【0018】本発明の乳化重合法に用いる開始剤は公知
のもので良く、K2S2O8 、(NH4)2S2O 8等の過硫酸塩、t
−ブチルペルオキサイド、クメンヒドロペルオキサイ
ド、パラメンタンペルオキサイド等の有機過酸化物、ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−
アミジノプロパン)ジハイドロクロライド等のアゾ系開
始剤、さらには過酸化化合物に亜硫酸ナトリウム等の還
元剤を組合せたレドックス開始剤等が挙げられる。重合
温度は開始剤分解温度に対応して選択されるが、過硫酸
塩の場合70〜80℃が一般的である。
のもので良く、K2S2O8 、(NH4)2S2O 8等の過硫酸塩、t
−ブチルペルオキサイド、クメンヒドロペルオキサイ
ド、パラメンタンペルオキサイド等の有機過酸化物、ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−
アミジノプロパン)ジハイドロクロライド等のアゾ系開
始剤、さらには過酸化化合物に亜硫酸ナトリウム等の還
元剤を組合せたレドックス開始剤等が挙げられる。重合
温度は開始剤分解温度に対応して選択されるが、過硫酸
塩の場合70〜80℃が一般的である。
【0019】モノマーの添加方法は一括添加法、モノマ
ー滴下法、あるいはプレエマルション法を用いることが
できるが、急激な重合を抑制するためにモノマー滴下
法、プレエマルション法が好ましい。
ー滴下法、あるいはプレエマルション法を用いることが
できるが、急激な重合を抑制するためにモノマー滴下
法、プレエマルション法が好ましい。
【0020】本発明の乳化重合法は、一括重合であって
も非イオン界面活性剤の溶解工程を短縮するのに有効で
あるが、プレエマルションを調製する工程を有する乳化
重合法に特に有効である。プレエマルションを調製する
工程を有する乳化重合法としては、 (1)開始剤を含む水相にプレエマルションの一部を添
加して、重合を開始したのち所定温度に保ちポリマー粒
子核を十分形成させたのち、あるいは重合開始後引き続
いてプレエマルションを滴下し、粒子を成長させる方法 (2)核となるシードポリマー粒子をあらかじめ水相に
所定量添加しておき、これにプレエマルションを滴下し
粒子を成長させるシード重合法 等が代表的な方法であるが、粒子成長と同時に核形成を
起こすような条件で重合する方法でも良い。
も非イオン界面活性剤の溶解工程を短縮するのに有効で
あるが、プレエマルションを調製する工程を有する乳化
重合法に特に有効である。プレエマルションを調製する
工程を有する乳化重合法としては、 (1)開始剤を含む水相にプレエマルションの一部を添
加して、重合を開始したのち所定温度に保ちポリマー粒
子核を十分形成させたのち、あるいは重合開始後引き続
いてプレエマルションを滴下し、粒子を成長させる方法 (2)核となるシードポリマー粒子をあらかじめ水相に
所定量添加しておき、これにプレエマルションを滴下し
粒子を成長させるシード重合法 等が代表的な方法であるが、粒子成長と同時に核形成を
起こすような条件で重合する方法でも良い。
【0021】
【実施例】例中の%は特記しない限り重量%である。
【0022】実施例1〜6及び比較例1〜5 (a)プレエマルションの調製 (1) 200mLのビーカーに25℃のイオン交換水80gをと
り、下記に示す本発明に係わる非イオン界面活性剤(N
−1)〜(N−4)、その他の非イオン界面活性剤(N
−5)〜(N−8)から選ばれる非イオン界面活性剤6
gを60℃で溶融して添加した。これを長さ30mmの磁気攪
拌子で200回転毎分で攪拌し、非イオン界面活性剤を完
全に溶解させて水溶液を得た。この時、非イオン界面活
性剤が完全に溶解するまでの時間を測定し、表1に示し
た。
り、下記に示す本発明に係わる非イオン界面活性剤(N
−1)〜(N−4)、その他の非イオン界面活性剤(N
−5)〜(N−8)から選ばれる非イオン界面活性剤6
gを60℃で溶融して添加した。これを長さ30mmの磁気攪
拌子で200回転毎分で攪拌し、非イオン界面活性剤を完
全に溶解させて水溶液を得た。この時、非イオン界面活
性剤が完全に溶解するまでの時間を測定し、表1に示し
た。
【0023】<非イオン界面活性剤> (N−1):n−C11H23O−(EO)35−H
【0024】
【化3】
【0025】(N−3):ダイヤドール11(1−デセン
を原料とする炭素数11のオキソアルコール、直鎖率50
%)のEO35モル付加物 (N−4):ダイヤドール11(1−デセンを原料とする
炭素数11のオキソアルコール、直鎖率50%)のEO18モル
付加物 (N−5):n−C12H25O−(EO)35−H (N−6):ノニルフェノールのEO35モル付加物 (N−7):n−C12H25O−(EO)18−H (N−8):n−C8H17O−(EO)35−H (2) (1)で得られた非イオン界面活性剤の水溶液に、下
記に示す陰イオン界面活性剤(A−1)又は(A−2)
を25%水溶液として6g、過硫酸カリウム0.50gを溶解
し、さらにイオン交換水を追加して全量112.6gにし
た。500mLのビーカーにアクリル酸ブチル123.75g、メ
タクリル酸メチル123.75g、アクリル酸2.5gをとりモ
ノマー混合物を調製し、これに上記の水溶液112.6gを
添加しホモミキサー(特殊機化工業製)にて2000回転毎
分で10分間乳化しモノマー乳化物(プレエマルション)
を調製した。得られたプレエマルションの安定性を下記
方法で評価した。結果を表1に示す。
を原料とする炭素数11のオキソアルコール、直鎖率50
%)のEO35モル付加物 (N−4):ダイヤドール11(1−デセンを原料とする
炭素数11のオキソアルコール、直鎖率50%)のEO18モル
付加物 (N−5):n−C12H25O−(EO)35−H (N−6):ノニルフェノールのEO35モル付加物 (N−7):n−C12H25O−(EO)18−H (N−8):n−C8H17O−(EO)35−H (2) (1)で得られた非イオン界面活性剤の水溶液に、下
記に示す陰イオン界面活性剤(A−1)又は(A−2)
を25%水溶液として6g、過硫酸カリウム0.50gを溶解
し、さらにイオン交換水を追加して全量112.6gにし
た。500mLのビーカーにアクリル酸ブチル123.75g、メ
タクリル酸メチル123.75g、アクリル酸2.5gをとりモ
ノマー混合物を調製し、これに上記の水溶液112.6gを
添加しホモミキサー(特殊機化工業製)にて2000回転毎
分で10分間乳化しモノマー乳化物(プレエマルション)
を調製した。得られたプレエマルションの安定性を下記
方法で評価した。結果を表1に示す。
【0026】<陰イオン界面活性剤> (A−1):直鎖アルキル(炭素数12)ベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム (A−2):ポリオキシエチレン(EO平均付加モル数
3)ラウリルエーテル硫酸エステルのナトリウム塩 <プレエマルションの安定性試験>プレエマルションを
100mLのガラスびん(蓋つき、内径36mm、高さ100mm)に
とり、室温で一日放置後、分層した水相の量を測定し、
水層の量から乳化物中の全部の水に対する、分層した水
相の百分率を求め、これを水分離率とした。水分離率が
少ないほどプレエマルションの安定性が良好である。
ン酸ナトリウム (A−2):ポリオキシエチレン(EO平均付加モル数
3)ラウリルエーテル硫酸エステルのナトリウム塩 <プレエマルションの安定性試験>プレエマルションを
100mLのガラスびん(蓋つき、内径36mm、高さ100mm)に
とり、室温で一日放置後、分層した水相の量を測定し、
水層の量から乳化物中の全部の水に対する、分層した水
相の百分率を求め、これを水分離率とした。水分離率が
少ないほどプレエマルションの安定性が良好である。
【0027】(b)乳化重合 容量1Lのセパラブルフラスコにイオン交換水138g及
び(a)(2)で得られたプレエマルション39gを仕込
み、窒素気流中で攪拌しながら水浴で20分かけて80℃に
昇温した。昇温後残りのプレエマルション316gを2時
間かけて滴下した。この間フラスコ内の温度は80℃に保
持した。滴下終了後80℃でさらに3時間保って重合を完
了させ、室温まで冷却してポリマーエマルションを得
た。この時の重合安定性及び得られたエマルションの性
能を下記方法で評価した。結果を表1に示す。
び(a)(2)で得られたプレエマルション39gを仕込
み、窒素気流中で攪拌しながら水浴で20分かけて80℃に
昇温した。昇温後残りのプレエマルション316gを2時
間かけて滴下した。この間フラスコ内の温度は80℃に保
持した。滴下終了後80℃でさらに3時間保って重合を完
了させ、室温まで冷却してポリマーエマルションを得
た。この時の重合安定性及び得られたエマルションの性
能を下記方法で評価した。結果を表1に示す。
【0028】<重合安定性>得られたポリマーエマルシ
ョンを200メッシュのステンレス製金網で濾過し、重合
後の反応器器壁や攪拌はね等に付着した凝集物も集めて
同様に濾過した。水洗後26.6kPa、105℃で2時間乾燥・
秤量して、凝集物量を求め、使用したモノマーの総量に
対する凝集物の重量%で重合安定性を表示した。
ョンを200メッシュのステンレス製金網で濾過し、重合
後の反応器器壁や攪拌はね等に付着した凝集物も集めて
同様に濾過した。水洗後26.6kPa、105℃で2時間乾燥・
秤量して、凝集物量を求め、使用したモノマーの総量に
対する凝集物の重量%で重合安定性を表示した。
【0029】<ポリマーエマルションの性能評価> ・機械的安定性 上記の濾過したポリマーエマルションを25%アンモニア
水で中和しpH8.5に調節して、中和後のポリマーエマル
ション50gを使ってマロン安定試験機で機械的安定性を
測定した(条件:10kgf、1000回転毎分、5分間)。試
験で生成した凝集物を200メッシュのステンレス製金網
で濾過し、濾過残渣を水洗後に26.6kPa、105℃で2時間
乾燥・秤量し、ポリマーに対する凝集物の重量%で機械
的安定性を表示した。 ・平均粒径 コールター社製の動的光散乱法による粒径測定装置N−
4SDを使用して、ポリマーエマルション粒子の平均粒
径(nm)を測定した。 ・化学的安定性 ポリマーエマルションをイオン交換水でポリマー濃度3
%に希釈し、1Mの塩化カルシウム水溶液を用いて滴定
することにより、凝集物が生じ始める濃度(mM)を求め
これを化学的安定性とした。
水で中和しpH8.5に調節して、中和後のポリマーエマル
ション50gを使ってマロン安定試験機で機械的安定性を
測定した(条件:10kgf、1000回転毎分、5分間)。試
験で生成した凝集物を200メッシュのステンレス製金網
で濾過し、濾過残渣を水洗後に26.6kPa、105℃で2時間
乾燥・秤量し、ポリマーに対する凝集物の重量%で機械
的安定性を表示した。 ・平均粒径 コールター社製の動的光散乱法による粒径測定装置N−
4SDを使用して、ポリマーエマルション粒子の平均粒
径(nm)を測定した。 ・化学的安定性 ポリマーエマルションをイオン交換水でポリマー濃度3
%に希釈し、1Mの塩化カルシウム水溶液を用いて滴定
することにより、凝集物が生じ始める濃度(mM)を求め
これを化学的安定性とした。
【0030】
【表1】
【0031】実施例7〜10及び比較例6〜7 表2に示す非イオン界面活性剤及び陰イオン界面活性剤
を用い、非イオン界面活性剤の使用量を5g、25%陰イ
オン界面活性剤の使用量を10gとし、モノマー混合物の
組成をアクリル酸ブチル121.25g、スチレン121.25g、
アクリル酸7.5gとする以外は実施例1〜6及び比較例
1〜5と同様にして乳化重合を行い、同様に性能を評価
した。結果を表2に示す。
を用い、非イオン界面活性剤の使用量を5g、25%陰イ
オン界面活性剤の使用量を10gとし、モノマー混合物の
組成をアクリル酸ブチル121.25g、スチレン121.25g、
アクリル酸7.5gとする以外は実施例1〜6及び比較例
1〜5と同様にして乳化重合を行い、同様に性能を評価
した。結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明の界面活性剤組成物を乳化重合に
用いると、水への溶解時間が短く加温などの操作が不要
であり、モノマー乳化性に優れ、重合安定性がよく、機
械的安定性、化学的安定性に優れたポリマーエマルショ
ンを得ることができる。
用いると、水への溶解時間が短く加温などの操作が不要
であり、モノマー乳化性に優れ、重合安定性がよく、機
械的安定性、化学的安定性に優れたポリマーエマルショ
ンを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢田 広樹 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 Fターム(参考) 4D077 AA05 AB06 AB14 AC01 BA03 BA07 BA15 DC08Z DC14Z DD08Y DD32Y DE02Y DE07Y DE08Y 4J011 KA10
Claims (3)
- 【請求項1】 式(I)で表される化合物を含有し、そ
の含有量が、非イオン界面活性剤成分の50重量%以上で
ある乳化重合用界面活性剤組成物。 【化1】 (式中、x,yはそれぞれ0以上の整数で、x+y=8であ
る。EOはオキシエチレン基を示し、nはオキシエチレン
基の平均付加モル数を示す5〜100の数である。) - 【請求項2】 請求項1記載の乳化重合用界面活性剤組
成物を用いるビニル系モノマーの乳化重合法。 - 【請求項3】 プレエマルションを調製する工程を有す
る請求項2記載の乳化重合法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000179491A JP2001354709A (ja) | 2000-06-15 | 2000-06-15 | 乳化重合用界面活性剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000179491A JP2001354709A (ja) | 2000-06-15 | 2000-06-15 | 乳化重合用界面活性剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001354709A true JP2001354709A (ja) | 2001-12-25 |
Family
ID=18680757
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000179491A Pending JP2001354709A (ja) | 2000-06-15 | 2000-06-15 | 乳化重合用界面活性剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001354709A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007091917A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Dainippon Ink & Chem Inc | 紙加工用樹脂エマルジョンの製造方法 |
JP2015521675A (ja) * | 2012-06-25 | 2015-07-30 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se | 乳化重合方法 |
-
2000
- 2000-06-15 JP JP2000179491A patent/JP2001354709A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007091917A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Dainippon Ink & Chem Inc | 紙加工用樹脂エマルジョンの製造方法 |
JP2015521675A (ja) * | 2012-06-25 | 2015-07-30 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se | 乳化重合方法 |
KR102060948B1 (ko) | 2012-06-25 | 2019-12-31 | 바스프 에스이 | 에멀젼 중합 방법 |
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