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JP2001293432A - 溶接部位を有する部品の塗装方法 - Google Patents

溶接部位を有する部品の塗装方法

Info

Publication number
JP2001293432A
JP2001293432A JP2000109488A JP2000109488A JP2001293432A JP 2001293432 A JP2001293432 A JP 2001293432A JP 2000109488 A JP2000109488 A JP 2000109488A JP 2000109488 A JP2000109488 A JP 2000109488A JP 2001293432 A JP2001293432 A JP 2001293432A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
amino group
weight
electrodeposition
coating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000109488A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Masaki
雄治 正木
Makoto Sakai
誠 坂井
Haruaki Miyake
治顕 三宅
Fumio Funakoshi
文男 船越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd, Nippon Paint Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2000109488A priority Critical patent/JP2001293432A/ja
Publication of JP2001293432A publication Critical patent/JP2001293432A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接部位を有する部品に耐食性と耐光性の優
れた塗膜を形成する塗装方法 【解決手段】 溶接部位を有する部品の塗装方法におい
て、前記部品にカチオン電着塗料組成物を電着塗装する
工程、前記電着塗装後、電着塗装されなかった前記溶接
部位に、前記カチオン電着塗料組成物をスプレー塗装す
る工程、および前記電着塗装で得られた塗膜と前記スプ
レー塗装で得られた塗膜とを同時に焼付硬化させる工程
を包含する塗装方法であって、前記カチオン電着塗料組
成物が、アミノ基含有エポキシ樹脂7〜30重量%、ア
ミノ基含有アクリル樹脂48〜62重量%、および脂肪
族ブロックポリイソシアネート22〜25重量%からな
り、前記3種の合計が100重量%であるバインダー成
分とPVC(塗膜中の顔料体積率)で1〜7%の量の粒
子径15nm以下のカーボンブラックとを含有すること
を特徴とする溶接部位を有する部品の塗装方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接部位を有する
部品の塗装方法に関するものであり、特に上記溶接部位
が電着塗装されない場合でも、耐食性と耐候性を有する
塗膜を形成することのできる塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のボディーや部品、二輪車の部品
には、金属基材上に、その腐食を防止するための電着塗
料による下塗り塗膜、地色を隠蔽し被塗面を平滑にする
ための中塗り塗膜、さらに色彩や光沢および耐候性を付
与するための上塗り塗膜が形成されている。
【0003】しかしながら、近年では、資源および労力
の節約のため、塗装工程の簡略化が求められている。特
に、二輪車のような、色彩や光沢等の外観に対する許容
範囲が広いものに対しては、耐食性と耐候性とが従来と
同じレベルであれば、その塗装工程を簡略化すること
が、強く望まれている。このように、中塗りや上塗り工
程を省略して、電着塗装による下塗り工程のみで塗装を
完了させる塗装方法、いわゆるワンコート塗装方法が提
案されている。例えば、特開昭62−174277号公
報、特開昭63−51470号公報、特開平2−330
69号公報、および特開平2−160876号公報等に
は、金属基材側に耐食性に優れるアミン変性エポキシ樹
脂層が形成され、表面側に耐候性に優れるアミン変性ア
クリル樹脂層が形成される、エポキシ/アクリルブレン
ド系バインダー成分を含有するカチオン電着塗料をワン
コート塗装すれば、耐食性と耐候性の両方を付与するこ
とができることが記載されている。
【0004】しかし、上記の電着塗料を用いて二輪車の
部品に電着塗装を施した場合、その部品における溶接部
位には、電着塗装が行われず、その部分から腐食が進行
することとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶接
部位を有する部品の塗装方法において、耐食性と耐候性
の優れた塗膜を形成することのできる塗装方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の塗装方法は、溶
接部位を有する部品の塗装方法において、上記部品にカ
チオン電着塗料組成物を電着塗装する工程、上記電着塗
装後、電着塗装されなかった上記溶接部位に、上記カチ
オン電着塗料組成物をスプレー塗装する工程、および上
記電着塗装で得られた塗膜と上記スプレー塗装で得られ
た塗膜とを同時に焼付硬化させる工程を包含する塗装方
法であって、上記カチオン電着塗料組成物が、アミノ基
含有エポキシ樹脂7〜30重量%、アミノ基含有アクリ
ル樹脂48〜62重量%、および脂肪族ブロックポリイ
ソシアネート22〜25重量%からなり、上記3種の合
計が100重量%であるバインダー成分とPVC(塗膜
中の顔料体積率)で1〜7%の量の粒子径15nm以下
のカーボンブラックとを含有するものであることに特徴
がある塗装方法である。
【0007】また、上記電着塗装する工程とスプレー塗
装する工程との間に、電着塗装で得られた塗膜を風乾又
は80〜150℃で予備加熱する工程を更に含んでいる
ことが好ましい。
【0008】そして、上記アミノ基含有アクリル樹脂が
2種以上の樹脂の混合物であり、かつ上記アミノ基含有
エポキシ樹脂よりも0.5以上低いSP値を有するもの
であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の態様】本発明の塗装方法は、溶接部位を
有する部品の塗装方法において、特定のカチオン電着塗
料組成物を電着塗装する工程、上記電着塗装後、電着塗
装されなかった上記溶接部位に上記カチオン電着塗料組
成物をスプレー塗装する工程および上記電着塗装で得ら
れた塗膜と上記スプレー塗装で得られた塗膜とを同時に
焼付硬化させる工程を包含する方法である。
【0010】ここで、溶接部位を有する部品とは、原付
自転車、自動二輪、大型自動二輪等の二輪車に用いられ
る部品、例えば車輪のフレームやフェンダー等の部品の
ように、溶接加工された部品をいう。これらの部品は、
その部品を構成する金属材料を互いに結合するために溶
接を行うが、その溶接された金属材料部分を、溶接部位
という。その溶接部位には、スラグと呼ばれる絶縁部が
生成されることから電着塗装が困難となる。
【0011】本発明の塗装方法では,まず、上記部品に
対して、カチオン電着塗料組成物を電着塗装する。この
電着塗装は、上記部品を陰極に取り付け、上記電着塗料
組成物の満たされた電着浴中に浸漬して、電圧をかける
という、一般的な方法により行われる。
【0012】次に、上記電着塗装で塗装されなかった溶
接部位に対して、上記カチオン電着塗料組成物と同一の
塗料をスプレー塗装する。
【0013】ここで、上記スプレー塗装する前に、上記
電着塗装で得られた電着塗膜を、30分以上の風乾もし
くは80〜150℃、好ましくは、100〜130℃の
温度条件で、5〜15分間、予備加熱することが好適で
ある。この風乾もしくは予備加熱によって、電着塗装後
の塗膜にある水分を蒸発させ、次工程のスプレー工程で
のタレやワキの防止をすることができる。
【0014】このスプレー塗装は、具体的には、上記電
着浴中のカチオン電着塗料組成物を、ポンプ等を介し
て、スプレー塗装機に供給し、そのスプレー塗装機によ
り、スプレー塗装することができる。また、このよう
に、電着浴中のカチオン電着塗料組成物を使用しなくと
も、同一のカチオン電着塗料を別途用意し、それを用い
ても良い。電着塗装での塗料と同一の塗料であれば、そ
の具体的な手法は特に制限されない。
【0015】次に、先の電着塗装により得られた電着塗
膜と、上記スプレー塗装により得られたスプレー塗膜と
を同時に焼き付けて硬化させる。
【0016】ここで、上記上塗塗料としては、溶剤型塗
料または水性塗料いずれであっても良いが、水性塗料は
環境保全の点から好ましい。
【0017】上記カチオン電着塗料組成物は、アミノ基
含有エポキシ樹脂7〜30重量%、アミノ基含有アクリ
ル樹脂48〜62重量%、および脂肪族ブロックポリイ
ソシアネート22〜25重量%であって、上記3種の合
計が100重量%からなるバインダー成分とPVCで1
〜7%の量の粒子径15nm以下のカーボンブラックと
を含有するものである。
【0018】バインダー成分を構成する、アミノ基含有
エポキシ樹脂としては、電着塗料の分野では周知のアミ
ン変性エポキシ樹脂を用いうる。一般に、これらはエポ
キシ樹脂のエポキシ基を1級アミン、2級アミンまたは
3級アミン酸塩との反応によって開環して製造される。
【0019】このアミノ基含有エポキシ樹脂は、中和剤
を含む水性媒体中に分散される必要がある。アミン変性
エポキシ樹脂を調製するために用いるエポキシ樹脂の分
子量およびエポキシ樹脂に導入するアミノ基の量等は、
電着塗料用バインダーとして、良好な分散性を有するよ
うに適宜調節することができる。
【0020】アミノ基含有エポキシ樹脂を調製するため
に用いる典型的なエポキシ樹脂は、ビスフェノールA、
ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールノボ
ラック、クレゾールノボラック等の多環式フェノール化
合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物である、ポリ
フェノールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を挙
げることができる。
【0021】上記エポキシ樹脂は、アミンと反応させる
前に、2官能のポリエステルポリオール、ポリエーテル
ポリオール、ビスフェノール類、2塩基性カルボン酸等
を使用して鎖延長してよい。または、アミンと反応させ
る前に、一部のエポキシ基に2−エチルヘキサン酸、2
−エチルへキサノール、ノニルフェノール、エチレング
リコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレ
ングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルのよう
なモノカルボン酸またはモノヒドロキシ化合物を付加し
て、分子量またはアミン当量を調節し、熱フロー性を改
善してもよい。
【0022】ここでエポキシ樹脂と反応させるアミン
は、例えばブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルア
ミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、モノエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノ
ールアミン、トリエチルアミン酸塩、N,N−ジメチル
エタノールアミン酸塩などの1級、2級または3級アミ
ン酸塩である。アミノエチルエタノールアミンメチルイ
ソブチルケチミンのようなケチミンブロック1級アミノ
基含有2級アミンもしばしば使用される。アミンは、エ
ポキシ基に対してほぼ当量で反応させることが好まし
い。
【0023】アミノ基含有エポキシ樹脂はバインダー成
分中7〜30重量%、好ましくは13〜20重量%の量
である。アミノ基含有エポキシ樹脂の含有量が30重量
%を上回ると得られる塗膜の耐候性が低下し、7重量%
を下回ると防食性が低下する。
【0024】また、上記アミノ基含有アクリル樹脂は、
(i)アミノ基含有アクリルモノマー、(ii)水酸基
含有アクリルモノマー、および(iii)その他のエチ
レン性不飽和モノマーの共重合によって得ることができ
る。さらにアミノ基含有アクリルモノマーの代わりにエ
ポキシ基含有アクリルモノマーを水酸基含有アクリルモ
ノマーおよびその他のエチレン性不飽和モノマーと共重
合し、得られた共重合体のエポキシ基をアミンで開環す
ることにより得ることもできる。
【0025】アミノ基含有アクリルモノマー(i)の例
は、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレ
ート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリ
レート等である。
【0026】水酸基含有アクリルモノマー(ii)の例
は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロ
キシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオール
モノ(メタ)アクリレート等のようなアルキレンジオー
ルのモノ(メタ)アクリレート類が好ましい。
【0027】また、N−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リルアミド、N−ヒドロキシブロピル(メタ)アクリル
アミド等のような(メタ)アクリルアミド類も好まし
く、さらにヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレー
トとε−カプロラクトンとの反応生成物またはヒドロキ
シアルキルモノ(メタ)アクリレートと六員環カーボネ
ートとの反応生成物も水酸基含有アクリルモノマー(i
i)として好適に使用できる。
【0028】その他のエチレン性不飽和モノマー(ii
i)の例は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレー
ト、イソブロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アク
リレート、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチ
レン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルア
ミド、酢酸ビニルなどである。
【0029】アミノ基含有アクリル樹脂を調製するため
の別法として、水酸基を有するアクリルモノマーおよび
その他のエチレン性不飽和モノマーと、グリシジル(メ
タ)アクリレートのようなエポキシ基を有するモノマー
とを共重合させた後、エポキシ基に2級アミンを反応さ
せてもよい。エポキシ基との反応に使用し得る2級アミ
ンは、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキ
シルアミン、モルホリン、ジエタノールアミン、N−メ
チルエタノールアミン等であり、特に分子内にヒドロキ
シル基と2級アミノ基とを有するアミンが好ましい。ま
た、ジエチレントリアミンのメチルイソブチルケトンジ
ケチミン化物や2−(2−アミノエチルアミノ)エタノ
ールのメチルイソブチルケトンモノケチミン化物等も使
用できる。
【0030】重合は溶液重合法のような常法により行う
ことができる。共重合体の数平均分子量は1000〜5
0000、好ましくは2000〜20000の範囲であ
り、場合によりドデシルメルカプタンやチオグリコ−ル
酸2−エチルヘキシルのような連鎖移動剤を使用して重
合度を調節する。
【0031】アミノ基含有アクリル重合体へハーフブロ
ックジイソシアネートをウレタン結合により付加し、自
己架橋性を持たせてもよい。その場合ジイソシアネート
は、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサ
メチレンジイソシアネート(HDI)4,4’−メチレ
ンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MD
I)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)のよ
うな脂環式ジイソシアネートを使用するのが好ましい。
【0032】ジイソシアネートの一方のイソシアネート
基をブロックしてハーフブロックジイソシアネートとす
るために、公知のブロック剤を用いうる。ブロック剤の
例は、n−ブタノール、2−エチルヘキサノール、エチ
レングリコ一ルモノブチルエーテル、シクロヘキサノー
ル等のアルコール類;フェノール、ニトロフェノール、
クレゾール、ノニルフェノール等のフェノール類;ジメ
チルケトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチル
イソブチルケトオキシム等のオキシム類、ε−カプロラ
クタム等のラクタム類などを使用することができる。
【0033】上記アミノ基含有樹脂は、2種以上の樹脂
の混合物であり、かつ上記アミノ基含有エポキシ樹脂よ
りそのSP値が低い方が好ましい。具体的には、アミノ
基含有アクリル樹脂のSP値はアミノ基含有エポキシ樹
脂のSP値よりも少なくとも0.5、好ましくは0.5
〜2.0程度低いことが好ましい。
【0034】このように、アミノ基含有エポキシ樹脂
と、アミノ基含有エポキシ樹脂よりSP値が低いアミノ
基含有アクリル樹脂とを併用すれば、本発明の電着塗料
組成物は、電着後焼付け時にアミノ基含有エポキシ樹脂
が金属基材側に移行して防食性の層を形成し、アミノ基
含有アクリル樹脂が塗膜表面側に移行して耐候性の層を
形成すると考えられ、その結果、その上に上塗塗装しな
くても、防食性および耐候性が更に優れた硬化塗膜を与
えることになる。
【0035】一般に、共重合体のSP値は、構成モノマ
ーのホモポリマーのSP値と、モノマー混合物中の各構
成モノマーの重量分率とに基づいて計算によって推定す
ることができるので、アミノ基含有エポキシ樹脂のSP
値を実測することによって知れば、所望のSP値を有す
るアミノ基含有アクリル共重合体を設計することが可能
である。
【0036】上記SP値とは、溶解度パラメーターを言
い、文献(SUH,CLARKE,J.P.S.A−
1,5,1671〜1681(1967))に詳細に記
載されており、その測定方法は、濁度法など当業者にと
って周知の方法である。
【0037】アミノ基含有アクリル樹脂は10〜150
meq/gのアミン価を有することが好ましい。また、
50〜120mgKOH/gの水酸基価を有することが
好ましい。アミン価および水酸基価がこのような範囲と
なるようにモノマー組成を構成することは当業者に周知
である。
【0038】アミノ基含有アクリル樹脂はバインダー成
分中48〜62重量%、好ましくは48〜55重量%で
ある。アミノ基含有アクリル樹脂の含有量が48重量%
を下回ると得られる塗膜の耐候性が低下し、62重量%
を上回ると防食性が低下する。
【0039】一方、上記脂肪族ブロックポリイソシアネ
ートとしては、種々のものが利用できるが、イソホロン
ジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソ
シアネート(HDI)、水添MDI、NBDI(ノルボ
ルナンジイソシアネート)、それらの二量体および三量
体、およびトリメチロールプロパンなどの脂肪族多価ア
ルコールとの付加物など、脂環式ポリイソシアネートが
より好ましい。これらを用いて得られる塗膜が、耐食性
および非黄変性に優れるからである。
【0040】ブロック剤も先にハーフブロックジイソシ
アネートに関して述べた任意のブロック剤でよいが、1
60℃以下の低温硬化を望む場合はラクタム類およびオ
キシム類を使用するのがよい。
【0041】脂肪族ブロックポリイソシアネートはバイ
ンダー成分中22〜25重量%である。脂肪族ブロック
ポリイソシアネートの含有量が22重量%を下回ると得
られる塗膜の防食性が低下し、25重量%を上回ると耐
候性が低下する。
【0042】ここで、上記バインダー成分である、上記
アミノ含有エポキシ樹脂、アミノ基含有アクリル樹脂お
よび脂肪族ブロックポリイソシアネートの3種の合計が
100重量%とする。
【0043】上記カチオン電着塗料組成物は、上記バイ
ンダー成分のほかに顔料を含むが、隠蔽力および着色力
の点から、粒子径15nm以下、特に13nm以下のカ
ーボンブラックを黒色顔料として含有することが必要で
ある。カーボンブラックの粒子径が15nmを上回ると
得られる塗膜の隠蔽性及び黒色度が低下する。
【0044】また上記カーボンブラックの使用量は、P
VCとして1〜7%であり、2.5〜5.5%であるこ
とが好ましい。1%を下回ると得られる塗膜の隠蔽性お
よび黒色度が低下し、7%を上回ると得られる塗膜の耐
候性が低下する。尚、PVCとは、塗膜中の顔料体積率
のことをいう。
【0045】上記カーボンブラックのほかに、黒色酸化
鉄、銅クロムブラック、銅鉄マンガンブラック等の種々
の黒色顔料を含有させることができる。このような黒色
顔料は、一般に疎水性であるため、水性媒体中に均一に
分散しない。このため通常、これらの着色顔料は、顔料
分散ペースト化して用いられる。この顔料分散ペースト
は、上記顔料を顔料分散樹脂とともに水性媒体中に分散
させて調製される。
【0046】上記顔料分散樹脂としては、一般にカチオ
ン性またはノニオン性の低分子量界面活性剤や4級アン
モニウム基および/又は3級スルホニウム基を有する変
性エポキシ樹脂等などが用いられる。
【0047】一般に、顔料分散ペーストは固形分35〜
70重量%、好ましくは40〜65重量%に調製され
る。固形分中、顔料は35〜75重量%、好ましくは4
0〜70重量%を占め、顔料分散剤は25〜65重量
%、好ましくは30〜60重量%を占める。
【0048】上記顔料分散用樹脂および顔料を、所定量
混合した後、その混合物中の顔料の粒径が所定の均一な
粒径となるまで、ボールミルやサンドグラインドミル等
の通常の分散装置を用いて分散させることにより、顔料
分散ペーストが得られる。
【0049】上記カチオン電着塗料組成物は、上記バイ
ンダー成分および顔料のほかに、更に第2のアクリル樹
脂を必要に応じ含有していても良い。
【0050】上記第2のアクリル樹脂としては、必ずし
もアミノ基を持たなくても良いこと、およびSP値が上
記アミノ基含有アクリル樹脂よりも低いことを除き、上
記アミノ基含有アクリル樹脂と同じ特性を有する共重合
体でよい。具体的には、第2のアクリル樹脂のSP値は
アミノ基含有アクリル樹脂のSP値よりも少なくとも
0.5、好ましくは0.5〜2.0程度低いことが好ま
しい。
【0051】このように、アミノ基含有エポキシ樹脂
と、アミノ基含有エポキシ樹脂よりSP値が低いアミノ
基含有アクリル樹脂と、アミノ基含有アクリル樹脂より
SP値が低い第2のアクリル樹脂とを併用することによ
り、電着後焼付け時にアミノ基含有エポキシ樹脂が金属
基材側に移行して防食性の層を形成し、その上にアミノ
基含有アクリル樹脂が密着性に優れた中間層を形成し、
第2アクリル樹脂が塗膜表面側に移行して耐候性の層を
形成すると思われる。
【0052】また、アミノ基含有エポキシ樹脂のSP値
と、第2のアクリル樹脂のSP値との間に、大きな開き
があっても、これらのSP値の中間となるSP値を有す
るアミノ基含有アクリル樹脂が存在することにより、こ
の第2のアクリル樹脂をブレンドしても、十分に分散す
ることができる。
【0053】さらに最も低いSP値を有する第2アクリ
ル樹脂の濃度勾配は塗膜表面近くで最も高くなると考え
られ、それによって耐候性向上に寄与すると同時に、ハ
ジキやへこみ等の外観異常を抑制する効果も発揮する。
その結果、本発明の塗装方法では、その上に上塗塗装し
なくても、防食性および耐候性が優れた硬化塗膜が得ら
れる。
【0054】第2のアクリル樹脂の調製は、一般には、
水酸基含有アクリルモノマーと、それ以外のエチレン性
不飽和モノマーを必須モノマーとし、アミノ基を含有す
る場合はアミノ基含有アクリルモノマーを共重合する
か、またはエポキシ基含有アクリルモノマーを共重合後
アミンと反応させることによってアミノ基を導入するこ
とにより行われる。
【0055】ここで、第2のアクリル樹脂はアミノ基含
有アクリル樹脂成分より低いSP値を持たなければなら
ないので、モノマー組成として、t−ブチル(メタ)ア
クリレート、2ーエチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート等、ホモポリマーのSP値が低いモノ
マーを相対的に多くするか、または反対に高SPモノマ
ーの割合を減らして所望SP値範囲に設計する必要があ
る。
【0056】第2のアクリル樹脂は、アミノ基含有アク
リル樹脂と同様ハーフブロックジイソシアネートを付加
して使用することもできる。
【0057】第2のアクリル樹脂は塗膜の表面付近にお
いてその濃度勾配が最大になることが意図されるので、
ハジキ、へこみなどの外観異常が発生し難いことが望ま
しい。そのため、重合時使用する他のエチレン性不飽和
モノマーの一部として、エーテル部分を有するアクリル
モノマーを使用するのが有効である。
【0058】そのようなアクリルモノマーの例は、2−
メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブ
チル(メタ)アクリレート、ナトラヒドロフルフリル
(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ブロポキシエチル(メタ)アクリレー
ト、4−2−エチルヘキシルオキシ)ブチル(メタ)ア
クリレート、フルフリル(メタ)アクリレート等であ
る。
【0059】第2のアクリル樹脂を更に含有する本発明
の好ましい態様では、上記カチオン電着塗料組成物は、
アミノ基含有エポキシ樹脂7〜20重量%、好ましくは
13〜20重量%、そのアミノ基含有エポキシ樹脂より
もSP値が0.5以上低いアミノ基含有アクリル樹脂4
8〜62重量%、好ましくは48〜55重量%、脂肪族
ブロックポリイソシアネート20〜30重量%、好まし
くは22〜25重量%およびそのアミノ基含有アクリル
樹脂よりもSP値が低い第2のアクリル樹脂1〜10重
量%、好ましくは5〜10重量%であって、上記4種の
合計が100重量%からなるバインダー成分を含有する
ものである。
【0060】バインダー成分中、第2アクリル樹脂の量
が1重量%を下回ると得られる塗膜の耐候性が低下し、
塗膜にハジキやヘコミが発生し易くなり、10重量%を
上回ると塗膜の防食性が低下する。
【0061】上記カチオン電着塗料組成物は、上記成分
のほか、中和剤、水性媒体を含有する。
【0062】上記中和剤としては、塩酸、硝酸、リン
酸、ギ酸、酢酸、ヒドロキシ酢酸、スルファミン酸、乳
酸のような無機酸または有機酸である。中和剤の量は、
少なくとも20%、好ましくは30〜60%の中和率を
達成する量であればよい。
【0063】上記水性媒体としては、水並びに種々の有
機溶剤であってよい。本発明での使用に適した溶剤の例
としては、炭化水素類(例えば、キシレンまたはトルエ
ン)、アルコール類(例えば、メチルアルコール、n−
ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、2−エチ
ルヘキシルアルコール、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール)、エーテル類(例えば、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メ
チル−3−メトキシブタノール、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル)、ケトン類(例えば、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセチルアセト
ン)、エステル類(例えば、エチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチ
ルエーテルアセテート)、並びにそれらの混合物が挙げ
られる。これらの溶剤の使用量は塗料全体に対して約
0.01〜25重量%、好ましくは0.05〜15重量
%である。
【0064】一般に電着塗料組成物は、最初バインダー
成分を中和剤を含む水性媒体中に分散してメインエマル
ションをつくり、これへ顔料分散ペーストを添加し、混
合して調製される。本発明においてはバインダー成分と
してアミノ基含有エポキシ樹脂アミノ基含有アクリル樹
脂および必要に応じ第2アクリル樹脂を使用するのでこ
れらのブレンド方法はいく通りかが存在する。通常は、
最終的に使用する脂肪族ブロックポリイソシアネート量
を、2つに分け、その一方とアミン基含有エポキシ樹脂
とを混合してエマルションを調製し、これとは別に、他
方の脂肪族ブロックイソシアネトとアミノ基含有アクリ
ル樹脂と必要に応じ第2アクリル樹脂とを混合してエマ
ルションを調製し、これら2つのエマルションを用いて
メインエマルションを調製し、カチオン電着塗料組成物
を調製する。
【0065】添加する顔料分散ペーストの量は、塗料全
体に含まれる顔料の量に依存して適宜調節することがで
きる。一般には、メインエマルションに含まれるバイン
ダー成分100重量部に対して顔料成分が2〜13重量
部、好ましくは3〜6重量部となる量で添加される。
【0066】上記電着塗料組成物は、ジラウリン酸ジブ
チルスズ、ジブチルスズオキサイドのようなスズ化合物
や、通常のウレタン開裂触媒を含むことができる。その
量は脂肪族ブロックポリイソシアネートの0.1〜10
重量%が通常である。
【0067】また、上記カチオン電着塗料組成物は、更
に水混和性有機溶剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤などの常用の塗料用添加剤を含むことができる。
【0068】
【実施例】以下の実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、
「%」及び「部」は特に断らない限り重量基準である。
【0069】製造例1 顔料分散ペーストの調製 撹拌機、冷却機、窒素注入管、温度計および滴下ロート
を取り付けたフラスコを用意した。このフラスコにイソ
ホロンジイソシアネート222.0部を加え、メチルイ
ソブチルケトン39.1部で希釈した後にジブチルスズ
ジラウレート0.2部を加えた。50℃に昇温後、2−
エチルヘキサノール131.5部を窒素をバブリングし
ながら撹拌しているところに滴下ロートから2時間かけ
て滴下した。適宜冷却することにより、この間の反応温
度を50℃に維持した。その結果、2−エチルヘキサノ
ールハーフブロック化イソホロンジイソシアネートを得
た(固形分90%)。
【0070】撹拌機、窒素注入管、冷却管を備えた反応
容器にエポン828(シェル化学社製エポキシ樹脂、エ
ポキシ当量190)351.6部およびビスフェノール
A99.2部を仕込み、窒素雰囲気下130℃まで加熱
し、ベンジルジメチルアミン1.41部を添加し、17
0℃で約1時間反応させることにより、エポキシ当量4
50のビスフェノールA型エポキシ樹脂を得た。
【0071】次いで、反応溶液を140℃まで冷却した
後、上で調製した2−エチルヘキサノールハーフブロッ
ク化イソホロンジイソシアネート218.3部(固形分
量196.5部)を加え、140℃に1時間保った。こ
こにジプロピレングリコールモノブチルエーテル17
2.3部を加えて希釈し、反応溶液を100℃に冷却
し、SHP−100(1−(2−ヒドロキシエチルチ
オ)−2−プロパノール、三洋化成社製)408.0部
(固形分量136.0部)、ジメチロールプロピオン酸
134.0部および脱イオン水144.0部を加え、7
0〜75℃で酸価3.0以下になるまで反応させた。
【0072】3級スルホニウム化率70.6%の3級オ
ニウム基含有エポキシ樹脂を得た。これをジプロピレン
グリコールモノブチルエーテル324.8部およびイオ
ン交換水1204.8部で希釈し、エポキシ系3級オニ
ウム塩型顔料分散用樹脂を得た(樹脂固形分30%)。
【0073】得られたエポキシ系3級オニウム塩型顔料
分散樹脂(固形分30%)83部、カーボンブラック
(三菱化成社製「M−2600」、平均粒径13nm)
17部を混合し、サンドグラインドミルで粒度10μm
以下まで粉砕して顔料分散ペースト(固形分42%)を
調製した。
【0074】製造例4 アミノ基含有エポキシ樹脂の調製 撹拌装置、窒素導入管、冷却管および温度計を備えた反
応容器にエポキシ当量が950のエポトートYD−01
4(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、東都化成社製)
950部を入れ、メチルイソブチルケトン237.5部
と共に100℃に加熱し完全に溶解させた。次いで、N
−メチルエタノールアミン60部、ジエチレントリアミ
ンのメチルイソブチルケチミン73%メチルイソブチル
ケトン溶液73部を添加した。
【0075】この混合物を120℃で1時間保温し、S
P値11.4のアミノ基含有エポキシ樹脂の溶液を得
た。
【0076】製造例5 脂肪族ブロックポリイソシアネートの調製 撹拌装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応
容器にイソホロンジイソシアネート222部を入れ、メ
チルイソブチルケトン56部を加えて希釈した後ジブチ
ル錫ジラウレート0.2部を加えた。その後、50℃に
昇温し、メチルエチルケトオキシム174部を樹脂温度
が70℃を超えないように加えた。赤外線吸収スペクト
ルによりイソシアネート基の吸収が実質上消滅するまで
70℃で1時間保持し、その後、n−ブタノール43部
を加えて希釈して脂肪族ブロックポリイソシアネートの
溶液を得た。
【0077】製造例6 第2アクリル樹脂の調製 撹拌機、温度計、デカンター、環流冷却器、窒素導入管
及び滴下ロートを備えた反応容器にメチルイソブチルケ
トン1550部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ120
℃に昇温し、メタクリル酸メチル627部、メタクリル
酸ラウリル191部、アクリル酸−4−ヒドロキシブチ
ル182部、アクリル酸−2−メトキシエチル300
部、メタクリル酸ブチル200部およびt−ブチルパー
オキシ−2−エチルヘキサノエート50部の混合物を3
時間かけて等速滴下した。滴下終了後3時間さらに12
0℃で反応後冷却し、SP値9.7の第2アクリル樹脂
の溶液を得た。
【0078】製造例7 アミノ基含有エポキシ樹脂と脂肪族ブロックポリイソシ
アネートとを含むエマルションの調製 製造例4で得たアミノ基含有エポキシ樹脂の溶液12
0.4部、及び製造例5で得た脂肪族ブロックポリイソ
シアネートの溶液56.2部を加えて混合した後、窒素
雰囲気下60℃で30分間保持し、その得られた混合物
を、酢酸2.0部とイオン交換水215.6部とから得
られた液に、十分撹拌しながら徐々に加え、アミノ基含
有エポキシ樹脂と脂肪族ブロックポリイソシアネートと
を含むエマルションを得た。エマルションの固形分は3
6%であった。
【0079】製造例8 アミノ基含有アクリル樹脂と脂肪族ブロックポリイソシ
アネートと第2アクリル樹脂とを含むエマルションの調
製 環流冷却器、撹拌機、滴下ロートおよび窒素導入管を備
えた5つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン56.
3部を仕込み、窒素雰囲気下115℃に加熱保持した。
これへ、グリシジルメタクリレート16.0部、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート4.2部、2−ヒドロキ
シプロピルメタクリレート14.8部、n−ブチルメタ
クリレート58.1部、t−ブチルメタクリレート6.
9部、およびt−ブチルパーオクトエート4.0部の混
合物を滴下ロートから3時間かけて滴下した。滴下終了
後115℃に約1時間保持した後、t−ブチルパーオク
トエート0.5部を滴下し、115℃で約30分保持
し、固形分65%のアクリル樹脂の溶液を得た。数平均
分子量は6000であった。
【0080】冷却後これへN−メチルエタノールアミン
8.5部を加え、窒素雰囲気下120℃で2時間反応さ
せ、樹脂SP10.3および固形分約67%のアミノ基
含有アクリル樹脂の溶液を得た。
【0081】この溶液に製造例5で得た脂肪族ブロック
ポリイソシアネート44.6部と、製造例6で得た第2
アクリル樹脂の溶液33.6部とを混合し、窒素雰囲気
下で70℃で30分保持し、その混合物を、酢酸2.6
部とイオン交換水301.2部とから得られた液に十分
撹拌しながら徐々に加え、アミノ基含有アクリル樹脂を
含むエマルションを得た。エマルションの固形分は30
%であった。
【0082】実施例1 製造例1で得られた顔料分散ペースト152部、製造例
7で得られた、アミノ基含有エポキシ樹脂と脂肪族ポリ
イソシアネートとを含むエマルション606部および製
造例8で得られた、アミノ基含有アクリル樹脂と脂肪族
ブロックポリイソシアネートと第2アクリル樹脂とを含
むエマルション727部を混合し、得られた混合物にイ
オン交換水を加えて固形分を20%とし、電着塗料を得
た。この電着塗料を用いて、二輪車用フレーム(140
0×700mm)を、温度28℃、塗装電圧150Vで
電着塗装し水洗後、30分風乾し、スプレー塗装機を用
いて、上記で得られた電着塗料を、上記で電着塗装され
たフレームにスプレー塗装した。次いで、165℃20
分間焼付乾燥を行い、得られた塗膜の外観、耐食性およ
び耐候性を以下の要領で評価した。結果を表1に示す。
【0083】塗膜の外観 (1)色差 スガ試験機社製SM−4型カラーコンピューターにて、
黒色標準板(現行上塗板)と比較して、硬化塗膜の色差
(黒色度の差)ΔLを測定し、以下の基準で評価した。 ○:ΔL≦3 ×:ΔL>3 (2)未塗装部の有無 電着塗装での塗膜又はスプレー塗装での塗膜のいずれの
塗膜も形成されていない部分が、目視により判断できた
場合、×とし、判断できない場合を○とした。 (3)ワキ、タレ 得られた塗膜について目視により、ワキ・タレが認めら
れない場合○、認められる場合を×とした。
【0084】塗膜の耐候性 電着塗装した亜鉛処理鋼板をサンシャインウェザオメー
ター(JIS B 7753(サンシャインカーボンア
ーク燈式耐候性試験機)に規定されるもの)に取り付
け、400時間照射した。その後、電着塗膜表面の60
°グロスを測定し、初期60°グロスに対するグロス保
持率を求めた。以下の基準で評価した。 ○:グロス保持率≧80% ×:グロス保持率<80%
【0085】塗膜の耐食性 電着塗装した亜鉛処理鋼板の塗膜に小型カッター(例え
ば、NTカッター)を用いて、交差する対角線状に、素
地に達するクロスカットを入れた。JIS Z2371
に規定する塩水噴霧試験器に規定時間入れ、クロスカッ
ト部のさび(ふくれ)幅を測定した。以下の基準で評価
した。 ○:カット線からの最大さび(ふくれ)幅(片側)≦2
mm ×:カット線からの最大さび(ふくれ)幅(片側)>2
mm
【0086】実施例2 電着塗装後、風乾せずに100℃で5分間予熱した以外
は実施例1と同様にして塗装して、塗膜を形成し、評価
した。その結果を表1に示す。
【0087】比較例1 カチオン電着塗料によるスプレー塗装を行わない以外
は、実施例1と同様にして塗膜を形成し、評価した。そ
の結果を表1に示す。
【0088】比較例2 カチオン電着塗料による電着塗装を行う前に、市販され
ている導電性プライマー(商品名R−240プライマ
ー、日本ビーケミカル社製)をハケ塗りで塗装し、スプ
レー塗装を行わなかった以外は、実施例1と同様にし
て、得られた塗膜の外観、耐食性および耐候性を評価し
た。結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】上記の結果からわかるように、溶接部位を
有する部品の塗装において、特定のカチオン電着塗料を
用いて、電着塗装とスプレー塗装とを行うことにより、
その部品に溶接部位を有していても、耐食性と耐候性の
ある塗膜を部品の表面全体に完全に形成することができ
た。
【0091】
【発明の効果】溶接部位を有する部品に対して、特定の
カチオン電着塗料組成物を用いて、電着塗装し、ついで
電着塗装されなかった溶接部位に、先の電着塗料と同一
の塗料を用いてスプレー塗装することにより、その部品
全体を耐食性と耐候性のある塗膜を形成することができ
る。これにより、溶接部位を有する部品の塗装方法を簡
略化することができるとともに、限られた資源を節約す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/24 302 B05D 7/24 302T C09D 133/14 C09D 133/14 163/00 163/00 175/04 175/04 C25D 13/00 308 C25D 13/00 308C 13/06 13/06 E (72)発明者 坂井 誠 熊本県菊池郡大津町平川1500 本田技研工 業株式会社熊本製作所内 (72)発明者 三宅 治顕 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 船越 文男 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AA01 BB23Y BB26Z BB89X BB93Y BB93Z EA02 EA05 EB22 EB33 EB38 EB54 EB56 EB57 EC11 4J038 CG141 CH121 CH201 DB062 DB072 DB392 DG162 DG191 GA09 HA026 KA08 KA20 NA03 PA04 PA06 PA19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接部位を有する部品の塗装方法におい
    て、前記部品にカチオン電着塗料組成物を電着塗装する
    工程、前記電着塗装後、電着塗装されなかった前記溶接
    部位に、前記カチオン電着塗料組成物をスプレー塗装す
    る工程、および前記電着塗装で得られた塗膜と前記スプ
    レー塗装で得られた塗膜とを同時に焼付硬化させる工程
    を包含する塗装方法であって、前記カチオン電着塗料組
    成物が、アミノ基含有エポキシ樹脂7〜30重量%、ア
    ミノ基含有アクリル樹脂48〜62重量%、および脂肪
    族ブロックポリイソシアネート22〜25重量%からな
    り、前記3種の合計が100重量%であるバインダー成
    分とPVC(塗膜中の顔料体積率)で1〜7%の量の粒
    子径15nm以下のカーボンブラックとを含有すること
    を特徴とする溶接部位を有する部品の塗装方法。
  2. 【請求項2】 前記電着塗装する工程とスプレー塗装す
    る工程との間に、電着塗装で得られた塗膜を風乾もしく
    は80〜150℃で予備加熱する工程を更に含むことを
    特徴とする請求項1記載の塗装方法。
  3. 【請求項3】 前記アミノ基含有アクリル樹脂が2種以
    上の樹脂の混合物であり、かつ前記アミノ基含有エポキ
    シ樹脂よりも0.5以上低いSP値(溶解性パラメー
    タ)を有することを特徴とする請求項1又は2記載の塗
    装方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003213198A (ja) * 2002-01-21 2003-07-30 Nippon Paint Co Ltd 鋳物切削用塗料組成物および鋳物切削方法
JP2008184552A (ja) * 2007-01-30 2008-08-14 Toshiba Corp ワンコート電着塗料、その塗装方法および塗装物

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