JP2001247502A - ビスフェノールaの製造方法 - Google Patents
ビスフェノールaの製造方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】ビスフェノールAの製造における有機高分子シ
ロキサン触媒の経時的な活性低下を抑制できるアセトン
の供給方法を提供することを目的とするものである。 【解決手段】スルホン酸基含有炭化水素基とメルカプト
基含有炭化水素基を有する有機高分子シロキサン触媒を
用いて、アセトンとフェノールからビスフェノールAを
製造する方法において、複数の反応器を直列に配置し、
アセトンの全量を複数の該反応器に分割供給することを
特徴とするビスフェノールAの製造方法。
ロキサン触媒の経時的な活性低下を抑制できるアセトン
の供給方法を提供することを目的とするものである。 【解決手段】スルホン酸基含有炭化水素基とメルカプト
基含有炭化水素基を有する有機高分子シロキサン触媒を
用いて、アセトンとフェノールからビスフェノールAを
製造する方法において、複数の反応器を直列に配置し、
アセトンの全量を複数の該反応器に分割供給することを
特徴とするビスフェノールAの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビスフェノールA
の製造方法に関し、詳しくは、スルホン酸基含有炭化水
素基とメルカプト基含有炭化水素基を有する有機高分子
シロキサン触媒を用いてアセトンとフェノールからビス
フェノールAを効率よく経済的に製造する方法に関する
ものである。
の製造方法に関し、詳しくは、スルホン酸基含有炭化水
素基とメルカプト基含有炭化水素基を有する有機高分子
シロキサン触媒を用いてアセトンとフェノールからビス
フェノールAを効率よく経済的に製造する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノールAは通常、固体触媒にア
セトンとモル比にして8〜15倍過剰のフェノールを通
液するいわゆる固定床流通反応の形態で連続的に製造さ
れている。これらの固体触媒としては、陽イオン交換樹
脂もしくはメルカプトアルキルアミンを部分的に中和
し、メルカプト基を固定化したメルカプト変性陽イオン
交換樹脂などが用いられる。
セトンとモル比にして8〜15倍過剰のフェノールを通
液するいわゆる固定床流通反応の形態で連続的に製造さ
れている。これらの固体触媒としては、陽イオン交換樹
脂もしくはメルカプトアルキルアミンを部分的に中和
し、メルカプト基を固定化したメルカプト変性陽イオン
交換樹脂などが用いられる。
【0003】これらの反応では、アセトンに対する過剰
フェノールの量が多いほうが選択率の向上がみられ好ま
しい。しかしながら、反応で消費されなかったフェノー
ルから生成水を分離する脱水工程の負荷が増えるため限
界がある。そこで脱水工程の負荷を増加させることな
く、反応器におけるフェノール対アセトン比を向上させ
るため、反応器を2段以上に分割し、直列に接続せし
め、用いるアセトンの全量を個々の反応器の入り口に分
割して供給する方法が提案されている。しかしイオン交
換樹脂触媒は水の存在によりその活性が著しく弱められ
るため、第2段以降の反応器は第1段で生成した水によ
り実質的に反応の進行は著しく妨げられる。この問題を
回避するために、例えば特開昭62−148440号公
報では、初めの反応器を出た後、水に溶解しない溶媒を
加えて水を層分離する方法が取られているが、この方法
では分離のための設備が必要となり、さらに水相へのフ
ェノールのロスなどコスト的に問題点が有る。また特願
平8−201030号公報では、後段の反応器ほど温度
を上げ生成水の共存による触媒活性の低下を防いでいる
が、一般に反応温度を上げると生成したビスフェノール
Aの異性化や副反応による選択率低下の影響を受けるた
め、選択率向上効果は充分ではなかった。このように強
酸性イオン交換樹脂ではアセトンを分割して供給する効
果は十分ではなかった。
フェノールの量が多いほうが選択率の向上がみられ好ま
しい。しかしながら、反応で消費されなかったフェノー
ルから生成水を分離する脱水工程の負荷が増えるため限
界がある。そこで脱水工程の負荷を増加させることな
く、反応器におけるフェノール対アセトン比を向上させ
るため、反応器を2段以上に分割し、直列に接続せし
め、用いるアセトンの全量を個々の反応器の入り口に分
割して供給する方法が提案されている。しかしイオン交
換樹脂触媒は水の存在によりその活性が著しく弱められ
るため、第2段以降の反応器は第1段で生成した水によ
り実質的に反応の進行は著しく妨げられる。この問題を
回避するために、例えば特開昭62−148440号公
報では、初めの反応器を出た後、水に溶解しない溶媒を
加えて水を層分離する方法が取られているが、この方法
では分離のための設備が必要となり、さらに水相へのフ
ェノールのロスなどコスト的に問題点が有る。また特願
平8−201030号公報では、後段の反応器ほど温度
を上げ生成水の共存による触媒活性の低下を防いでいる
が、一般に反応温度を上げると生成したビスフェノール
Aの異性化や副反応による選択率低下の影響を受けるた
め、選択率向上効果は充分ではなかった。このように強
酸性イオン交換樹脂ではアセトンを分割して供給する効
果は十分ではなかった。
【0004】一方、イオン交換樹脂以外の触媒として、
特開平8−208545号、特開平9−110767
号、特開平9−110989号、特開平10−2256
38号公報にスルホン酸基含有炭化水素とメルカプト基
含有炭化水素基を有する有機高分子シロキサン触媒が記
載されている。この有機高分子シロキサン触媒は、イオ
ン交換樹脂触媒と比較して触媒活性及び選択性が非常に
高い触媒である事が知られているが、経時的な活性低下
が完全に解決されているとは言い難い。またこの有機高
分子シロキサン触媒を用いた実用的な反応形態につい
て、ましてやアセトンを分割供給して反応することは知
られていなかった。
特開平8−208545号、特開平9−110767
号、特開平9−110989号、特開平10−2256
38号公報にスルホン酸基含有炭化水素とメルカプト基
含有炭化水素基を有する有機高分子シロキサン触媒が記
載されている。この有機高分子シロキサン触媒は、イオ
ン交換樹脂触媒と比較して触媒活性及び選択性が非常に
高い触媒である事が知られているが、経時的な活性低下
が完全に解決されているとは言い難い。またこの有機高
分子シロキサン触媒を用いた実用的な反応形態につい
て、ましてやアセトンを分割供給して反応することは知
られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、スルホン酸
基含有炭化水素基とメルカプト基含有炭化水素基を有す
る有機高分子シロキサン触媒の経時的な活性低下を抑制
しつつ、選択率も向上するアセトンの分割供給によるビ
スフェノールAの製造方法を提供するものである。
基含有炭化水素基とメルカプト基含有炭化水素基を有す
る有機高分子シロキサン触媒の経時的な活性低下を抑制
しつつ、選択率も向上するアセトンの分割供給によるビ
スフェノールAの製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スルホン
酸基含有炭化水素基とメルカプト基含有炭化水素基を有
する有機高分子シロキサン触媒を用いて、アセトンとフ
ェノールからビスフェノールAを得る際に、複数の反応
器を直列に用い、しかもアセトンの全量を各反応器に分
割供給すると、第2段目以降の反応器への生成水の導入
を回避させることなく、また、第2段目以降の反応器に
おける反応温度を特に昇温させることなく反応を行うこ
とで、触媒寿命が延長され、しかも選択性までもが向上
する事を見出し、本発明を完成するに至った。
酸基含有炭化水素基とメルカプト基含有炭化水素基を有
する有機高分子シロキサン触媒を用いて、アセトンとフ
ェノールからビスフェノールAを得る際に、複数の反応
器を直列に用い、しかもアセトンの全量を各反応器に分
割供給すると、第2段目以降の反応器への生成水の導入
を回避させることなく、また、第2段目以降の反応器に
おける反応温度を特に昇温させることなく反応を行うこ
とで、触媒寿命が延長され、しかも選択性までもが向上
する事を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、スルホン酸基含有炭化
水素基とメルカプト基含有炭化水素基を有する有機高分
子シロキサン触媒を用いて、アセトンとフェノールから
ビスフェノールAを製造する方法において、複数の反応
器を直列に配置し、アセトンの全量を複数の該反応器に
分配して供給することを特徴とするビスフェノールAの
製造方法である。
水素基とメルカプト基含有炭化水素基を有する有機高分
子シロキサン触媒を用いて、アセトンとフェノールから
ビスフェノールAを製造する方法において、複数の反応
器を直列に配置し、アセトンの全量を複数の該反応器に
分配して供給することを特徴とするビスフェノールAの
製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるスルホン酸基
含有炭化水素基とメルカプト基含有炭化水素基を有する
有機高分子シロキサン触媒とは、特開平8−20854
5号、 特開平9−110989号、 特開平10−22
5638号公報に記載されているシロキサン結合からな
るシリカマトリックス中に部分的にスルホン酸基を有す
る炭化水素基とメルカプト基を有する炭化水素基が直接
シリカマトリックス中のケイ素原子と炭素−ケイ素結合
により結合した構造を有する有機高分子シロキサンであ
る。
含有炭化水素基とメルカプト基含有炭化水素基を有する
有機高分子シロキサン触媒とは、特開平8−20854
5号、 特開平9−110989号、 特開平10−22
5638号公報に記載されているシロキサン結合からな
るシリカマトリックス中に部分的にスルホン酸基を有す
る炭化水素基とメルカプト基を有する炭化水素基が直接
シリカマトリックス中のケイ素原子と炭素−ケイ素結合
により結合した構造を有する有機高分子シロキサンであ
る。
【0009】このような有機高分子シロキサン触媒の調
製方法としては、例えば、(1)スルホン酸基含有炭化水
素基を有するアルコキシシランとメルカプト基含有炭化
水素基を有するアルコキシシランとテトラアルコキシシ
ランとを任意の割合で混合し、加水分解させて、重縮合
により合成する調製法、(2)水溶性のスルホン酸基含有
炭化水素基を有するアルコキシシランの加水分解物とメ
ルカプト基含有炭化水素基を有するアルコキシシランと
テトラアルコキシシランとを任意の割合で混合し、加水
分解させて重縮合により合成する調製法などの所謂アル
コキシシランのゾル−ゲル法による調製法と、(3)スル
ホン酸基含有炭化水素基を有する有機高分子シロキサン
に存在するシラノール基にメルカプト基含有炭化水素基
を有するアルコキシシランをシリル化し、メルカプト基
を固定化する、所謂シリル化による調製法が知られてい
る。
製方法としては、例えば、(1)スルホン酸基含有炭化水
素基を有するアルコキシシランとメルカプト基含有炭化
水素基を有するアルコキシシランとテトラアルコキシシ
ランとを任意の割合で混合し、加水分解させて、重縮合
により合成する調製法、(2)水溶性のスルホン酸基含有
炭化水素基を有するアルコキシシランの加水分解物とメ
ルカプト基含有炭化水素基を有するアルコキシシランと
テトラアルコキシシランとを任意の割合で混合し、加水
分解させて重縮合により合成する調製法などの所謂アル
コキシシランのゾル−ゲル法による調製法と、(3)スル
ホン酸基含有炭化水素基を有する有機高分子シロキサン
に存在するシラノール基にメルカプト基含有炭化水素基
を有するアルコキシシランをシリル化し、メルカプト基
を固定化する、所謂シリル化による調製法が知られてい
る。
【0010】本発明において、複数の反応器を直列に配
置するとは、少なくとも2以上の反応器を直列に配置す
ることであり、しかもアセトンとフェノールからビスフ
ェノールAを得るに際しては、これら各々の反応器にア
セトンの全量を、該反応器の数だけ任意の量比で分割供
給することによりビスフェノールAが効率よく得られる
ものである。一方、フェノールは第1段目の反応器に全
量供給することは言うまでもない。
置するとは、少なくとも2以上の反応器を直列に配置す
ることであり、しかもアセトンとフェノールからビスフ
ェノールAを得るに際しては、これら各々の反応器にア
セトンの全量を、該反応器の数だけ任意の量比で分割供
給することによりビスフェノールAが効率よく得られる
ものである。一方、フェノールは第1段目の反応器に全
量供給することは言うまでもない。
【0011】また、これら反応器は明確に分割された型
式でも良いし、一つの反応器を仕切り板で分割し、各々
の仕切り板付近にアセトンを供給する導入口と分散板を
備えた内部分割型でも良い。
式でも良いし、一つの反応器を仕切り板で分割し、各々
の仕切り板付近にアセトンを供給する導入口と分散板を
備えた内部分割型でも良い。
【0012】また、本発明は、上記のように直列に配置
された複数の反応器の内、始めに用いられる第1段目の
反応器には、供給されるフェノールやアセトンと共に水
を同時に供給することも好ましい態様である。その時の
第1段目の反応器における水の絶対量は、原料混合物に
対して0.01〜5重量%の範囲である。それ以上の供
給は著しく反応活性を低下させるため好ましくない。
された複数の反応器の内、始めに用いられる第1段目の
反応器には、供給されるフェノールやアセトンと共に水
を同時に供給することも好ましい態様である。その時の
第1段目の反応器における水の絶対量は、原料混合物に
対して0.01〜5重量%の範囲である。それ以上の供
給は著しく反応活性を低下させるため好ましくない。
【0013】本発明の反応に際し、原料であるフェノー
ルとアセトンとの総量比は、特に限定されないが、好ま
しくはアセトンに対してフェノールがモル比で2〜50
の範囲であり、さらに好ましくは4〜25の範囲で実施
することが推奨される。また複数の反応器へ分割供給す
るアセトンは、各々等量に分割供給しても良いし、任意
の比に分割供給しても良く、好ましくは反応器出口のア
セトン転化率に応じて調製すれば良い。
ルとアセトンとの総量比は、特に限定されないが、好ま
しくはアセトンに対してフェノールがモル比で2〜50
の範囲であり、さらに好ましくは4〜25の範囲で実施
することが推奨される。また複数の反応器へ分割供給す
るアセトンは、各々等量に分割供給しても良いし、任意
の比に分割供給しても良く、好ましくは反応器出口のア
セトン転化率に応じて調製すれば良い。
【0014】また、これら原料には、反応して得た反応
混合物から生成ビスフェノールAを晶析除去した残りの
母液を、リサイクル原料として再度反応器へ戻す場合も
プロセス的に可能で有る。この場合の原料に、ビスフェ
ノールA及びその異性体であるo,p'-ビスフェノール
A、またその他不純物が含まれていても用いることは可
能である。
混合物から生成ビスフェノールAを晶析除去した残りの
母液を、リサイクル原料として再度反応器へ戻す場合も
プロセス的に可能で有る。この場合の原料に、ビスフェ
ノールA及びその異性体であるo,p'-ビスフェノール
A、またその他不純物が含まれていても用いることは可
能である。
【0015】さらに反応温度についても本発明では特に
限定される事はなく、通常40〜200℃、好ましくは
50〜120℃の範囲であるが、この反応において全て
の反応器を同じ温度で運転する必要はない。例えば、最
終段の反応器のアセトン転化率が想定される転化率より
も低い場合は、第2段目以降の反応器の反応温度を上昇
させる方向で対応できる。
限定される事はなく、通常40〜200℃、好ましくは
50〜120℃の範囲であるが、この反応において全て
の反応器を同じ温度で運転する必要はない。例えば、最
終段の反応器のアセトン転化率が想定される転化率より
も低い場合は、第2段目以降の反応器の反応温度を上昇
させる方向で対応できる。
【0016】反応混合物の流れとして第2段目以降の反
応器では、前段の反応器から出た反応混合物中へアセト
ンを供給し次段の反応器へ導入しても良いし、一般的に
用いられている混合器で混合してから、次段の反応器へ
導入しても何ら差し支えなく、任意の方法をとれば良
い。
応器では、前段の反応器から出た反応混合物中へアセト
ンを供給し次段の反応器へ導入しても良いし、一般的に
用いられている混合器で混合してから、次段の反応器へ
導入しても何ら差し支えなく、任意の方法をとれば良
い。
【0017】また、本発明における反応器には、流動床
反応器、固定床反応器どちらでも行え、用いる触媒種に
応じた選択をすればよいが、固定床反応器の方が触媒の
寿命の観点からも好ましく用いられる。
反応器、固定床反応器どちらでも行え、用いる触媒種に
応じた選択をすればよいが、固定床反応器の方が触媒の
寿命の観点からも好ましく用いられる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により、具体的に説明
する。しかしながら、この実施例は単なる例示であっ
て、本発明はこれらに限定されるものではない。また、
実施例において、触媒の寿命を300時間後の劣化率
(アセトン転化率において、反応後3時間目又は20時
間目の値と300時間目の値との差を3時間目又は20
時間目の値で除した値)で表わした。そこで、フェノー
ルとアセトンのみを原料とした場合(比較例1、2)の
反応の劣化率を100とした時、該反応の劣化率の相対
値(該反応の劣化率の値を、フェノールとアセトンのみ
を原料とした場合の反応の劣化率の値で除し100を乗
じた値)について、許容範囲が60以内を目安とした。
する。しかしながら、この実施例は単なる例示であっ
て、本発明はこれらに限定されるものではない。また、
実施例において、触媒の寿命を300時間後の劣化率
(アセトン転化率において、反応後3時間目又は20時
間目の値と300時間目の値との差を3時間目又は20
時間目の値で除した値)で表わした。そこで、フェノー
ルとアセトンのみを原料とした場合(比較例1、2)の
反応の劣化率を100とした時、該反応の劣化率の相対
値(該反応の劣化率の値を、フェノールとアセトンのみ
を原料とした場合の反応の劣化率の値で除し100を乗
じた値)について、許容範囲が60以内を目安とした。
【0019】(1)スルホン酸基含有アルコキシシラン
の合成 滴下ロートを取り付けた2口の500mlの丸底フラス
コに塩化メチレンを200ml入れ、これにフェニルト
リクロロシラン124.02g(0.585mol)を
加え、氷冷した。これに無水硫酸46.80g(0.5
85mol)を塩化メチレン100mlに溶解させた溶
液を窒素気流下30分かけて滴下した後、氷浴を取り外
し室温で1時間攪拌し、スルホン化を行った。滴下ロー
トを取り外し、窒素気流下、油浴を用いて100℃に加
熱し、塩化メチレンを留去した。次いで、エタノール1
61.50gを窒素気流下、塩化水素を取り除きなが
ら、2時間かけて滴下し、エトキシ化反応を行った。得
られた不純物を含むフェニルスルホン酸基含有エトキシ
シランのエタノール溶液238.60gを以下のスルホ
ン酸基含有炭化水素基とメルカプト基含有炭化水素基を
有する有機高分子シロキサン触媒のゾル−ゲル調製にお
けるスルホン酸成分の原料として用いた。
の合成 滴下ロートを取り付けた2口の500mlの丸底フラス
コに塩化メチレンを200ml入れ、これにフェニルト
リクロロシラン124.02g(0.585mol)を
加え、氷冷した。これに無水硫酸46.80g(0.5
85mol)を塩化メチレン100mlに溶解させた溶
液を窒素気流下30分かけて滴下した後、氷浴を取り外
し室温で1時間攪拌し、スルホン化を行った。滴下ロー
トを取り外し、窒素気流下、油浴を用いて100℃に加
熱し、塩化メチレンを留去した。次いで、エタノール1
61.50gを窒素気流下、塩化水素を取り除きなが
ら、2時間かけて滴下し、エトキシ化反応を行った。得
られた不純物を含むフェニルスルホン酸基含有エトキシ
シランのエタノール溶液238.60gを以下のスルホ
ン酸基含有炭化水素基とメルカプト基含有炭化水素基を
有する有機高分子シロキサン触媒のゾル−ゲル調製にお
けるスルホン酸成分の原料として用いた。
【0020】(2)有機高分子ポリシロキサン触媒の調
製 触媒1 攪拌棒を取り付けた2口の500mlの丸底フラスコに
上記したスルホン酸基含有エトキシシランのエタノール
溶液17.59g(21.39mmol)、テトラエト
キシシラン159.74g(766.77mmol)、
メルカプトメチルトリメトキシシラン3.60g(2
1.39mmol)、エタノール150mlを入れて混
合し、さらに水28.8gを30分かけて滴下した。つ
いでこれを加熱し、65℃で4時間攪拌した。放冷後、
28%アンモニア水10mlと水69.1mlを混合し
た水溶液を滴下し、室温で4時間攪拌した。さらに65
℃で3日間攪拌し、熟成させた。これをエバポレーター
で減圧留去し、白色の固体を得た。ついで2Nの塩酸3
00mlを加え、室温で30分間攪拌する操作を2回繰
り返し、プロトン型に戻した。濾別後、イオン交換水3
00mlで洗浄する操作を2回繰り返して塩酸を取り除
いた。最後に減圧下、100℃で6時間乾燥した。
製 触媒1 攪拌棒を取り付けた2口の500mlの丸底フラスコに
上記したスルホン酸基含有エトキシシランのエタノール
溶液17.59g(21.39mmol)、テトラエト
キシシラン159.74g(766.77mmol)、
メルカプトメチルトリメトキシシラン3.60g(2
1.39mmol)、エタノール150mlを入れて混
合し、さらに水28.8gを30分かけて滴下した。つ
いでこれを加熱し、65℃で4時間攪拌した。放冷後、
28%アンモニア水10mlと水69.1mlを混合し
た水溶液を滴下し、室温で4時間攪拌した。さらに65
℃で3日間攪拌し、熟成させた。これをエバポレーター
で減圧留去し、白色の固体を得た。ついで2Nの塩酸3
00mlを加え、室温で30分間攪拌する操作を2回繰
り返し、プロトン型に戻した。濾別後、イオン交換水3
00mlで洗浄する操作を2回繰り返して塩酸を取り除
いた。最後に減圧下、100℃で6時間乾燥した。
【0021】以上の操作によりスルホン酸基含有炭化水
素基とメルカプト基含有炭化水素基を有する有機高分子
シロキサン56.3gを得、触媒1とした。この触媒1
の固体酸量を測定したところ、0.38meq/gであ
った。
素基とメルカプト基含有炭化水素基を有する有機高分子
シロキサン56.3gを得、触媒1とした。この触媒1
の固体酸量を測定したところ、0.38meq/gであ
った。
【0022】実施例1 有機高分子シロキサン触媒1、66.7g(123c
c)を直列に継いだ2基の円筒形固定床反応器(直径
3.0cm、長さ50cm、以下単に反応器と記す。)
に分割して充填した。始めに第1段反応器下部よりモル
比で10:1のフェノールとアセトンの混合物 を10
0.0g/hrの速度で触媒中を通過させた。また第2
段反応器下部には5.75g/hの速度でアセトンを供
給した。この場合、第1段反応器に供給されるアセトン
の量と第2段反応器に供給されるアセトンの量比は 1
/1となる。反応器における反応温度は各々100℃と
し、反応開始3時間後に第2段反応器上部出口より得ら
れる反応生成物を液体クロマトグラフィーで分析した結
果、アセトンの転化率は95.2%であり、ビスフェノ
ールA類([2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン]、[2−(2’−ヒドロキシフェニル)、2
−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン])の選択率
は94%であった。
c)を直列に継いだ2基の円筒形固定床反応器(直径
3.0cm、長さ50cm、以下単に反応器と記す。)
に分割して充填した。始めに第1段反応器下部よりモル
比で10:1のフェノールとアセトンの混合物 を10
0.0g/hrの速度で触媒中を通過させた。また第2
段反応器下部には5.75g/hの速度でアセトンを供
給した。この場合、第1段反応器に供給されるアセトン
の量と第2段反応器に供給されるアセトンの量比は 1
/1となる。反応器における反応温度は各々100℃と
し、反応開始3時間後に第2段反応器上部出口より得ら
れる反応生成物を液体クロマトグラフィーで分析した結
果、アセトンの転化率は95.2%であり、ビスフェノ
ールA類([2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン]、[2−(2’−ヒドロキシフェニル)、2
−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン])の選択率
は94%であった。
【0023】そのまま反応を続け300時間後に得られ
た反応生成物を同様に、液体クロマトグラフィーで分析
した結果、アセトンの転化率は85.7%であった。ま
た、上述の方法により計算した触媒寿命を300時間後
に評価したら、触媒の劣化率は10%、後述の比較例1
を100とする劣化率の相対値は33であった。
た反応生成物を同様に、液体クロマトグラフィーで分析
した結果、アセトンの転化率は85.7%であった。ま
た、上述の方法により計算した触媒寿命を300時間後
に評価したら、触媒の劣化率は10%、後述の比較例1
を100とする劣化率の相対値は33であった。
【0024】比較例1 アセトンを分割供給することなく、第1段反応器下部よ
りすべての原料を供給する他は実施例1と同様に反応を
行った。反応開始3時間後のアセトンの転化率は95.
3%であり、ビスフェノールAの選択率は91%であっ
た。300時間後のアセトン転化率は66.7%で、ま
た上述の方法により計算した触媒寿命を評価する触媒の
劣化率は、300時間で30%であった。
りすべての原料を供給する他は実施例1と同様に反応を
行った。反応開始3時間後のアセトンの転化率は95.
3%であり、ビスフェノールAの選択率は91%であっ
た。300時間後のアセトン転化率は66.7%で、ま
た上述の方法により計算した触媒寿命を評価する触媒の
劣化率は、300時間で30%であった。
【0025】実施例2 第1段反応器下部より供給する原料に濃度が0.75重
量%になるように水を添加した他は実施例1と同様に反
応を行った。添加した水の影響により活性が落ち着くの
を待って、反応開始20時間後に第2段反応器上部出口
より得られる反応生成物を液体クロマトグラフィーで分
析した結果、アセトンの転化率は90.1%であり、ビ
スフェノールA類の選択率は94%であった。300時
間後のアセトン転化率は87.5%であった。また、上
述の方法により計算した触媒寿命を300時間後に評価
したら、触媒の劣化率は2.9%、後述の比較例2を1
00とする劣化率の相対値は29であった。
量%になるように水を添加した他は実施例1と同様に反
応を行った。添加した水の影響により活性が落ち着くの
を待って、反応開始20時間後に第2段反応器上部出口
より得られる反応生成物を液体クロマトグラフィーで分
析した結果、アセトンの転化率は90.1%であり、ビ
スフェノールA類の選択率は94%であった。300時
間後のアセトン転化率は87.5%であった。また、上
述の方法により計算した触媒寿命を300時間後に評価
したら、触媒の劣化率は2.9%、後述の比較例2を1
00とする劣化率の相対値は29であった。
【0026】実施例3 第1段反応器下部より供給する原料中の水の濃度を1.
5重量%に変えた他は実施例2と同様に反応を行った。
反応開始20時間後のアセトン転化率は85.0%であ
り、ビスフェノールA類の選択率は94%であった。3
00時間後のアセトン転化率は82.3%であった。ま
た、上述の方法により計算した触媒寿命を300時間後
に評価したら、触媒の劣化率は3.1%、後述の比較例
2を100とする劣化率の相対値は31であった。
5重量%に変えた他は実施例2と同様に反応を行った。
反応開始20時間後のアセトン転化率は85.0%であ
り、ビスフェノールA類の選択率は94%であった。3
00時間後のアセトン転化率は82.3%であった。ま
た、上述の方法により計算した触媒寿命を300時間後
に評価したら、触媒の劣化率は3.1%、後述の比較例
2を100とする劣化率の相対値は31であった。
【0027】比較例2 アセトンを分割供給することなく、第1段反応器下部よ
りすべての原料を供給する他は実施例2と同様に反応を
行った。反応開始20時間後のアセトンの転化率は8
5.0%であり選択率は92%であった。300時間後
のアセトン転化率は76.5%であった。また、上述の
方法により計算した触媒寿命を評価する触媒の劣化率
は、300時間で10%であった。
りすべての原料を供給する他は実施例2と同様に反応を
行った。反応開始20時間後のアセトンの転化率は8
5.0%であり選択率は92%であった。300時間後
のアセトン転化率は76.5%であった。また、上述の
方法により計算した触媒寿命を評価する触媒の劣化率
は、300時間で10%であった。
【0028】
【発明の効果】本発明の方法により、生成水を除去する
ための装置・操作を加えることなく、複数に分割した反
応器にアセトンを分割供給するという有機高分子シロキ
サン触媒の持つ特徴が活かせた簡便な方法で、その触媒
寿命が延長し、しかも活性・選択性も向上することがで
き、工業上重要であるビスフェノールAの製造をプロセ
ス上および経済上著しく優位に行うことができる。
ための装置・操作を加えることなく、複数に分割した反
応器にアセトンを分割供給するという有機高分子シロキ
サン触媒の持つ特徴が活かせた簡便な方法で、その触媒
寿命が延長し、しかも活性・選択性も向上することがで
き、工業上重要であるビスフェノールAの製造をプロセ
ス上および経済上著しく優位に行うことができる。
フロントページの続き (72)発明者 高井 敏浩 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC25 BA28 BA29 BA53 BD21 BD80 FC52 FE13 4H039 CA19 CD10 CD40
Claims (3)
- 【請求項1】スルホン酸基含有炭化水素基とメルカプト
基含有炭化水素基を有する有機高分子シロキサン触媒を
用いて、アセトンとフェノールからビスフェノールAを
製造する方法において、複数の反応器を直列に配置し、
アセトンの全量を複数の該反応器に分割供給することを
特徴とするビスフェノールAの製造方法。 - 【請求項2】反応器が、固定床反応器である請求項1記
載の方法。 - 【請求項3】複数の反応器の内、第1段目の反応器に水
を供給する請求項1又は2記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000059854A JP2001247502A (ja) | 2000-03-06 | 2000-03-06 | ビスフェノールaの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000059854A JP2001247502A (ja) | 2000-03-06 | 2000-03-06 | ビスフェノールaの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001247502A true JP2001247502A (ja) | 2001-09-11 |
Family
ID=18580253
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000059854A Pending JP2001247502A (ja) | 2000-03-06 | 2000-03-06 | ビスフェノールaの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001247502A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004190021A (ja) * | 2002-11-27 | 2004-07-08 | Mitsui Chemicals Inc | 有機高分子シロキサン及びその用途 |
-
2000
- 2000-03-06 JP JP2000059854A patent/JP2001247502A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004190021A (ja) * | 2002-11-27 | 2004-07-08 | Mitsui Chemicals Inc | 有機高分子シロキサン及びその用途 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061012 |
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