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JP2000319215A - ビスフェノールaの製造方法 - Google Patents

ビスフェノールaの製造方法

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Publication number
JP2000319215A
JP2000319215A JP11133386A JP13338699A JP2000319215A JP 2000319215 A JP2000319215 A JP 2000319215A JP 11133386 A JP11133386 A JP 11133386A JP 13338699 A JP13338699 A JP 13338699A JP 2000319215 A JP2000319215 A JP 2000319215A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
catalyst
sulfonic acid
phenol
containing hydrocarbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11133386A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenta Takahashi
堅太 高橋
Masasane Inomata
将実 猪俣
Hideaki Nakamura
英昭 中村
Kazuyo Matsu
和世 松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
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Publication of JP2000319215A publication Critical patent/JP2000319215A/ja
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】スルホン酸基含有炭化水素基とメルカプト基含
有炭化水素基を共に有する有機高分子シロキサンの存在
下、アセトンとフェノールを反応させてビスフェノール
Aを製造する方法において、該触媒を成型することな
く、かつ劣化を防止して低コストのビスフェノールAの
製造方法を提供する。 【解決手段】スルホン酸基含有炭化水素基とメルカプト
基含有炭化水素基を共に有する有機高分子シロキサンの
存在下、アセトンとフェノールとの反応を懸濁床型反応
器で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビスフェノールA
の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、スル
ホン酸基含有炭化水素基とメルカプト基含有炭化水素基
を共に有する有機高分子シロキサンの存在下、アセトン
とフェノールを反応させてビスフェノールAを製造する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノールA[2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン]は通常、フェノールと
アセトンを酸触媒の存在下に脱水縮合反応させることに
より製造されている。代表的な酸触媒としてはスルホン
酸型陽イオン交換樹脂が用いられ、さらには、反応系内
にメルカプト基を含有する化合物を共存させることによ
り、触媒活性および選択率を向上させることができるこ
とが知られている。具体的には、スルホン酸型陽イオン
交換樹脂を充填した固定床反応器に原料であるフェノー
ルおよびアセトンと共にアルキルメルカプタン等の遊離
型のメルカプト基含有化合物を流通させる方法(特公昭
45−10337号)、スルホン酸型陽イオン交換樹脂
のスルホン酸基の一部とメルカプト基含有化合物を共有
結合で結合させる方法、スルホン酸型陽イオン交換樹脂
のスルホン酸基の一部とメルカプト基含有化合物をイオ
ン結合で結合させる方法がある(以下、これらの、スル
ホン酸型陽イオン交換樹脂のスルホン酸基の一部にメル
カプト基含有化合物を結合させる方法を、変性イオン交
換樹脂法と称する)。
【0003】また、スルホン酸型陽イオン交換樹脂以外
の固体酸触媒にメルカプト基含有化合物を触媒に結合さ
せたものとして、スルホン酸基含有炭化水素基とメルカ
プト基含有炭化水素基を共に有する有機高分子シロキサ
ン触媒が報告されている(特開平8−208545号、
特開平9−110767号、特開平9−110989
号、特開平10−225638号)。この方法は変性イ
オン交換樹脂法と比較して、高活性、高選択率であり、
ビスフェノールA製造触媒として優れているが、変性イ
オン交換樹脂と同様に固定床型の反応器で用いると、変
性イオン交換樹脂法よりも触媒の劣化速度が高く、アセ
トン転化率の低下およびビスフェノールA選択率の低下
が観察される。この触媒はスルホン酸型陽イオン交換樹
脂よりも高価なので、触媒寿命をより長く維持させるこ
とが望まれている。しかもこの触媒はイオン交換樹脂と
比較して粒径が小さくかつ球形でもないので、固定床型
反応器で用いるためには成型する必要があり、コスト上
昇の原因となる。この触媒の活性低下の原因は明らかで
はないが、含カルボニル基化合物がチオール基を被毒す
るためと考えられる。これらの含カルボニル基化合物は
水の共存下で被毒しない形に変わるので、反応器中に均
一に水が分散していれば被毒を防ぐことができるが、従
来の固定床型反応器ではこの水の分布が不均一になり、
部分的に触媒劣化が起きていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、スルホン酸
基含有炭化水素基とメルカプト基含有炭化水素基を共に
有する有機高分子シロキサンの存在下、アセトンとフェ
ノールを反応させてビスフェノールAを製造する方法に
おいて、該触媒を成型することなく、かつ劣化を防止し
て低コストのビスフェノールAの製造方法を提供するも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、該触媒を懸濁床型反
応器で用いることにより、触媒を成型せずに利用でき
て、かつ高活性を維持できることを見出し、本発明を完
成するに至った。さらに、この粒径を一定の大きさに制
御することでより高活性とすることができ、しかも撹拌
により反応生成水を均一に分散させることにより被毒を
防止できることも見出した。
【0006】すなわち、本発明は、スルホン酸基含有炭
化水素基とメルカプト基含有炭化水素基を共に有する有
機高分子シロキサンの存在下、アセトンとフェノールと
を反応させてビスフェノールAを製造する方法におい
て、該反応を懸濁床型反応器で行うことを特徴とするビ
スフェノールAの製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で原料として用いられるフ
ェノールは、予め強酸型陽イオン交換樹脂で処理された
ものが好ましい。強酸型陽イオン交換樹脂で処理するた
めのフェノールとしては、通常入手できる工業用フェノ
ールを用いることができる。工業用フェノールには、ク
メン法またはトルエン酸化法等で製造されたものがある
が、いずれの方法で製造されたものでも良い。一般的
に、純度98%以上のフェノールが市販されており、こ
のようなフェノールが利用される。
【0008】強酸型陽イオン交換樹脂については、通常
入手できるもので良く、例えば三菱化学社製のダイヤイ
オン、ロームアンドハース社製のアンバーライトおよび
アンバーリスト、バイエル社製のレバチット等が挙げら
れる。この強酸型陽イオン交換樹脂は、ゲル型、マクロ
ポーラス型のいずれも用いることができるが、架橋度2
〜8%のゲル型のものを用いる方が長期間安定的に使用
できるので好ましい。
【0009】上記のような強酸型陽イオン交換樹脂でフ
ェノールを連続式または回分式に処理するが、強酸型陽
イオン交換樹脂を充填塔に充填し、フェノールを連続的
に流通させる方法が樹脂の破砕が少なく、効率的にフェ
ノールを処理できるので好ましい。処理温度は41〜1
50℃、好ましくは50℃〜120℃である。フェノー
ルを強酸型陽イオン交換樹脂で処理する時間は、5分〜
10時間、好ましくは10分〜2時間である。このよう
な処理により、触媒の活性低下が大幅に改善されるが、
強酸型陽イオン交換樹脂で処理された後のフェノールを
さらに蒸留処理してから使用するとさらに活性低下が抑
制される。蒸留方法については特に制限はないが、圧力
は常圧〜10mmHg、温度は70〜200℃で行うこ
とが好ましい。
【0010】このようにして得られた精製フェノール
は、直接反応器に送りアセトンと反応させても良いが、
ビスフェノールAの製造における別の工程で使用した
後、反応器に送りアセトンと反応させても良い。例え
ば、反応液の冷却により生成するビスフェノールAとフ
ェノールの等モル付加物結晶を母液と分離した後、付加
物結晶を精製フェノールで洗浄し、この洗浄液をフェノ
ール源として反応器に送りアセトンと反応させても良
い。すなわち、フェノールが反応器に送られる前に少な
くとも1回は強酸型陽イオン交換樹脂により処理される
ことが好ましい。
【0011】本発明で用いるアセトンには特に制限はな
く、通常入手できる市販の工業用アセトンで良い。一般
的には純度99%以上のものが入手可能である。
【0012】上記のようなフェノールとアセトンを、ス
ルホン酸基含有炭化水素基とメルカプト基含有炭化水素
基を共に有する有機高分子シロキサンを触媒として反応
させ、ビスフェノールAを製造する。
【0013】本発明で使用される触媒は、スルホン酸基
含有炭化水素基とメルカプト基含有炭化水素基を共に有
する有機高分子シロキサンである。有機高分子シロキサ
ンとしては、例えば、特開平8−208545号、特開
平9−110989号および特開平10−225638
号に記載されているような、シロキサン結合からなるシ
リカマトリックス中に部分的にスルホン酸基を有する炭
化水素基とメルカプト基を有する炭化水素基が直接シリ
カマトリックス中のケイ素原子と炭素−ケイ素結合によ
り結合した構造を有する有機高分子シロキサンが挙げら
れる。このような有機高分子シロキサンの調製方法とし
ては、例えば、(1)スルホン酸基含有炭化水素基を有
するアルコキシシランとメルカプト基含有炭化水素基を
有するアルコキシシラン、及びテトラアルコキシシラン
とを任意の割合で混合し、加水分解、重縮合により合成
する調製法、(2)水溶性のスルホン酸基含有炭化水素
基を有するアルコキシシランの加水分解物とメルカプト
基含有炭化水素基を有するアルコキシシラン、及びテト
ラアルコキシシランとを任意の割合で混合し、加水分
解、重縮合により合成する調製法、といったいわゆるア
ルコキシシランのゾル−ゲル法による調製法(1)、
(2)と、(3)スルホン酸基含有炭化水素基を有する
有機高分子シロキサンに存在するシラノール基にメルカ
プト基含有炭化水素基を有するアルコキシシランをシリ
ル化し、メルカプト基を固定化する、いわゆるシリル化
による調製法が知られている。
【0014】スルホン酸基を有する炭化水素基は、少な
くとも1個のスルホン酸基(−SO 3H)を有する炭化
水素基で有ればいかなる炭化水素基であっても本発明に
使用することが可能であるが、好ましくはスルホン酸基
を少なくとも1個有する炭素数1以上20以下の炭化水
素基である。好ましくは炭素数6以上20以下、更に好
ましくは炭素数6以上15以下の少なくとも1個のスル
ホン酸基を有する置換ないしは無置換の芳香族炭化水素
基(芳香族基に直接スルホン酸基が置換された基でも、
芳香族基に置換された炭化水素基にスルホン酸基が置換
された基のいずれでもよい);または、好ましくは少な
くとも1個のスルホン酸基を有する炭素数1以上15以
下、更に好ましくは炭素数1以上10以下の置換ないし
は無置換の脂肪族及び脂環式炭化水素基よりなる群から
選ばれた少なくとも1種の炭化水素基である。このよう
なスルホン酸基を有する炭化水素基の例としては、少な
くとも1個のスルホン酸基により核置換されたフェニル
基、トリル基、ナフチル基、メチルナフチル基等の芳香
族基、ベンジル基、ナフチルメチル基等の芳香族置換ア
ルキル基等、少なくとも1個のスルホン酸基で置換され
た、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、直
鎖または分枝のペンチル基、直鎖または分枝のヘキシル
基、直鎖または分枝のヘプチル基、直鎖または分枝のオ
クチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル
基、エチルシクロヘキシル基等が挙げられる。さらにこ
れらの芳香族または飽和の脂肪族ないしは脂環式炭化水
素基はスルホン酸基の他にハロゲン原子、アルコキシ
基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基等の置換基を有
する炭化水素基であってもよい。
【0015】メルカプト基を有する炭化水素基は、示性
式として−SHで表されるメルカプト基を少なくとも1
個有する炭素数1以上20以下の炭化水素基から選ばれ
た少なくとも1種であり、脂肪族もしくは脂環式の飽和
炭化水素、不飽和炭化水素又は芳香族炭化水素に−SH
基が結合した炭化水素基である。好ましくは脂肪族もし
くは脂環式の飽和炭化水素基又は芳香族炭化水素基にS
H基が少なくとも1個結合した炭化水素基である。この
ようなメルカプト基を有する炭化水素基の例としては、
メルカプトメチル基、2−メルカプトエチル基、3−メ
ルカプト−n−プロピル基等のメルカプトアルキル基
類、4−メルカプトシクロヘキシル基、4−メルカプト
メチルシクロヘキシル基等の脂環式炭化水素基類、p−
メルカプトフェニル基、p−メルカプトメチルフェニル
基等のメルカプト芳香族基類等が挙げられる。また、こ
れらの芳香族または脂肪族ないしは脂環式炭化水素基は
メルカプト基の他にハロゲン原子、アルコキシ基、ニト
ロ基、アミノ基、ヒドロキシ基等の置換基を有する炭化
水素基であってもよい。
【0016】スルホン酸基含有炭化水素基とメルカプト
基含有炭化水素基を共に有する有機高分子シロキサン触
媒は、変性イオン交換樹脂よりも高活性、高選択率で優
れた触媒であるが、原料フェノールを未処理のまま使用
すると触媒の劣化が激しい。原料フェノールを強酸性陽
イオン交換樹脂で処理することにより、触媒の劣化が大
幅に抑制される。
【0017】本発明で用いられる有機高分子シロキサン
触媒の粒径としては、目開き2.0mmのJIS標準網
ふるいで分級したときに、ふるい上重量パーセントが1
0パーセント以下になるようにすることが好ましい。こ
れにより触媒表面積を増加させ、反応の効率を上げるこ
とができる。さらに、44μmのふるい上重量パーセン
トが70パーセント以上であれば、微粒子によるフィル
ターのつまりも起こりにくいのでなお良い。
【0018】懸濁床型反応器としては、反応器内部の触
媒及び反応液がよく分散されるような攪拌羽根のついた
ものが好ましく用いられる。また、2つ以上の反応器を
直列又は並列に接続してもよい。反応器出口には通常、
触媒を分離するとともに触媒微粒子の漏洩を防止するた
め、フィルターが取付けられている。固定床型反応器で
は液を通過させるときの圧力損失が大きく、活性の低下
が起きるなどの問題が生ずるが、懸濁床型反応器を用い
て反応液と触媒の接触を向上させることにより高活性、
高選択率を達成することができる。
【0019】反応は連続あるいは回分式の反応器を用
い、撹拌しながら行われる。通常、アセトンに対するフ
ェノールのモル比は2〜30、好ましくは4〜20で行
われる。アセトンに対するフェノールのモル比が2以上
であれば、反応終了後のアセトンの残存量が少なく、ま
た、アセトンから副生するメシチルオキシド等の不純物
の生成が少なくなる。また、このモル比が30以下であ
れば、未反応のフェノールの循環量が少なくなるので、
反応器および晶析器等の機器が小さくなり、また循環に
要する動力等が節減され経済的である。反応液中の水分
は1〜5パーセント、好ましくは2〜3パーセントに保
つ。水分が1パーセント以上であれば、触媒劣化の原因
となる含カルボニル化合物を被毒しない形に変えること
ができ、また、水分が5パーセント以下であれば、反応
終了後のアセトンの残存量が少なくなる。水分が反応生
成水で足りないときには追加してもよい。圧力は、本反
応が液相で行われるので、原料であるフェノールおよび
アセトンがガス化しない程度であれば良いが、通常、常
圧〜0.5MPa(ゲージ圧)の範囲で行われる。反応温
度は40〜200℃、好ましくは50〜120℃であ
る。反応温度が40℃未満だと、反応時間が極端に長く
なり巨大な反応器を設置する必要が生じる。反応温度が
200℃を超えると、好ましくない副反応が生じ、選択
率が低下する。反応時間は、通常、1分〜15時間、好
ましくは10分〜5時間である。
【0020】このようにして得られた反応液は、必要に
応じ反応生成水、未反応アセトンおよび未反応フェノー
ルの一部が除去された後、冷却され、ビスフェノールA
とフェノールの等モル付加物結晶の形でビスフェノール
Aが分離される。さらに、この等モル付加物からフェノ
ールが除去され、ビスフェノールAが単離される。
【0021】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに説明する。
[触媒の調製]以下の手順(a)、(b)にしたがい、
スルホン酸基含有炭化水素基とメルカプト基含有炭化水
素基を有する有機高分子シロキサンを調製した。 (a)スルホン酸基含有アルコキシシランの合成 滴下ロートを取り付けた2口の500mlの丸底フラス
コに塩化メチレンを200ml入れ、これにフェニルト
リクロロシラン123.0g(0.580mol)を加
え、氷冷した。これに無水硫酸46.4g(0.580
mol)を塩化メチレン100mlに溶解させた溶液を
窒素気流下で30分かけて滴下した後、氷浴を取り外し
室温で5時間攪拌し、スルホン化を行った。滴下ロート
を取り外し、窒素気流下、油浴を用いて100℃に加熱
し、塩化メチレン及び未反応の無水硫酸を留去した。放
冷後、室温でエタノール160gを3時間かけて滴下
し、次いで窒素でバブリングしながら2時間還流して発
生する塩化水素を取り除きながらエトキシ化反応を行っ
た。得られた不純物を含むフェニルスルホン酸基含有エ
トキシシランのエタノール溶液234.7gを、以下の
スルホン酸基含有炭化水素基とメルカプト基含有炭化水
素基を有する有機高分子シロキサン触媒のゾル−ゲル調
製におけるスルホン酸成分の原料として用いた。 (b)スルホン酸基含有炭化水素基とメルカプト基含有
炭化水素基を有する有機高分子シロキサンの調製 攪拌棒を取り付けた2口の500mlの丸底フラスコに
上記したスルホン酸基含有エトキシシランのエタノール
溶液26.0g、テトラエトキシシラン35.5g(1
70.7mmol)、メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン6.7g(34.3mmol)、エタノール30
mlを入れて混合した。これに水7.5g(0.42m
ol)を30分かけて滴下した。ついでこれを加熱し、
65℃で4時間攪拌した。放冷後、28%アンモニア水
15mlと水75mlを混合した水溶液を滴下し、室温
で4時間攪拌した。さらに65℃で一昼夜攪拌し、熟成
させた。これをエバポレーターで減圧留去し、白色の固
体を得た。ついで2Nの塩酸200mlを加え、室温で
30分間攪拌した。濾別後、イオン交換水500mlで
洗浄する操作を10回繰り返して塩酸を取り除いた。最
後に減圧下、100℃で6時間乾燥した。以上の操作に
よりスルホン酸基含有炭化水素基とメルカプト基含有炭
化水素基を有する有機高分子シロキサン30gを得た。
本触媒の固体酸量を測定したところ、0.98meq/
gであった。
【0022】実施例1 (A)フェノール精製 スルホン酸型イオン交換樹脂(バイエル社製K143
1)を内径50mmの円筒型反応器に500ml充填
し、この反応器を70℃に保温しながら、市販の工業用
フェノールを接触時間30分で連続的に処理し精製フェ
ノールを得た。 (B)ビスフェノールA合成反応 スルホン酸基含有炭化水素基とメルカプト基含有炭化水
素基を有する有機高分子シロキサン触媒を目開き2.0
mmのJIS標準ふるいにかけ、ふるい上の重量パーセ
ントが10パーセントとなるようにした。この有機高分
子シロキサン触媒を撹拌槽型懸濁床反応器に30ml仕
込んでおき、この反応器を75℃に保温しながら、
(A)で得た精製フェノール95.1wt%とアセトン
4.9wt%との混合物を反応器に連続的に通過させ、
反応を開始した。
【0023】反応を開始してから24時間後に反応液を
分析したところ、アセトンの転化率は94.3%、ビス
フェノールA選択率は96.5%であった。この状態の
まま、反応を継続し300時間後に分析したところ、ア
セトン転化率は93.0%、ビスフェノールA選択率は
96.0%であった。
【0024】実施例2 ビスフェノールA合成反応に使用する有機高分子シロキ
サン触媒を目開き2.0mmのJIS標準ふるいにか
け、ふるい上の重量パーセントが5%となるようにした
他は実施例1と同様にしてビスフェノールAの合成反応
を行った。
【0025】反応開始24時間後のアセトン転化率は9
7.0%、ビスフェノールA選択率は96.1%であっ
た。300時間後に分析をしたところ、アセトン転化率
は95.5%、ビスフェノールA選択率は96.2%で
あった。
【0026】比較例1 ビスフェノールA合成反応に使用する有機高分子シロキ
サン触媒の30mLを円筒型反応器に充填し、固定床型
反応器とした。この反応器に、反応原料を上部から下部
へ連続的に通過させた以外は実施例1と同様にして、ビ
スフェノールAの合成を行った。
【0027】反応開始24時間後のアセトン転化率は9
0.5%、ビスフェノールA選択率は96.3%であっ
たが、300時間後ではアセトン転化率は83.0%、
ビスフェノールA選択率は88.5%であり、攪拌槽型
懸濁反応器を用いた場合と比較して、アセトン転化率お
よびビスフェノールA選択率とも著しく低下していた。
【0028】実施例3 ビスフェノールA合成反応に使用する有機高分子シロキ
サン触媒を目開き2.0mmのJIS標準ふるいにか
け、ふるい上の重量パーセントが50パーセントとなる
ように使用した以外は実施例1と同様にして、ビスフェ
ノールAの合成を行った。反応開始24時間後のアセト
ン転化率は89.8%、ビスフェノールA選択率は9
7.6%であり、300時間後ではアセトン転化率は8
7.0%、ビスフェノールA選択率は96.5%であっ
た。
【0029】
【発明の効果】本発明の方法によれば、高活性、高選択
率の触媒であるスルホン酸基含有炭化水素基とメルカプ
ト基含有炭化水素基を共に有する有機高分子シロキサン
触媒の劣化を防止することができるので、長期間安定的
に使用することができ、経済的に有利にビスフェノール
Aを製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松 和世 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC25 BA52 BA53 BA85 BD80 FC52 FE13 4H039 CA19 CA41 CD10 CD40

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スルホン酸基含有炭化水素とメルカプト基
    含有炭化水素を共に有する有機高分子シロキサンの存在
    下、アセトンとフェノールとを反応させビスフェノール
    Aを製造する方法において、該反応を懸濁床型反応器で
    行うことを特徴とするビスフェノールAの製造方法。
  2. 【請求項2】スルホン酸基含有炭化水素とメルカプト基
    含有炭化水素基を共に有する有機高分子シロキサンが、
    目開き2.0mmのJIS標準網ふるいで分級したとき
    に、ふるい上の重量パーセントが10パーセント以下で
    ある請求項1記載の方法。
JP11133386A 1999-05-13 1999-05-13 ビスフェノールaの製造方法 Pending JP2000319215A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004190021A (ja) * 2002-11-27 2004-07-08 Mitsui Chemicals Inc 有機高分子シロキサン及びその用途

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