JPH1194074A - マニュアル・トランスミッション用シフト・ゲート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない占有空間と材料とで、シフト・ゲート
の設計を行なう。 【解決手段】 トランスミッション・ハウジング内に固
定的に取り付けられ、シフター・シャフト１上に取り付
けられたシフター・ピン５のために用いられ、それと協
働してそれをスロット内で案内するシフト・ゲートにお
いて、シフター・ピン５は、ラジアル・アーム３によっ
てシフター・シャフト１に対して平行に配置され、その
軸方向に沿って異なった直径を持つ複数の部分６，７，
８からなっており、シフト・ゲート１０はシフター・シ
ャフト１から放射状に延びる面内に位置する平板であっ
て、その中にはその円周方向に沿って異なった幅を持つ
複数の部分１３、１４、１５を持つ弓形スロット１２が
ある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はトランスミッション
・ハウジング内に固定的に取り付けられ、シフター・シ
ャフト上に取り付けられたシフター・ピンのために用い
られ、それと協働してそれをスロット内で案内するマニ
ュアル・トランスミッション用シフト・ゲートに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】この種のシフト・ゲートがドイツ特許公
報３９１３３６９号公報、特にその図２と図３とに開示
されている。この場合、シフター・シャフト上に配置さ
れたシフター・ピンがトランスミッション・ハウジング
内に固定的に取り付けられた平らなシフト・ゲート内の
スロットと協働する。この公知のシフト・ゲートは、例
えば必要空間を減らすために、弓形形状としたとして
も、未だトランスミッション・ハウジング内にある程度
の空間を占有する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、少な
い占有空間と材料とを用いて、上述の種類のシフト・ゲ
ートの設計を行なうことにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、シフタ
ー・ピンは、ラジアル・アームによってシフター・シャ
フトに対して平行に配置され、その軸方向に沿って異な
った直径を持つ複数の部分からなっており、シフト・ゲ
ートはシフター・シャフトから放射状に延びる面内に位
置する平板であって、その中にはその円周方向に沿って
異なった幅を持つ複数の部分を持つ弓形スロットがあ
る。

【０００５】本発明の一実施例によれば、シフター・ピ
ンは、略円柱状であって、断面の厚さが小さくなってい
る中央部を有し、そこがニュートラル又はプリ・セレク
ト用の面を確定し、弓形スロットは、円形でより幅広い
３つの部分を持ち、そこがシフト用のレーンを確定す
る。

【０００６】別の実施例においては、シフター・ピン
は、互いに離間した２つのより厚い円盤状部分を持つ略
円柱形状であって、弓形スロットは、中央幅広部分を一
つだけ持ち、そこがニュートラル又はプリ・セレクト用
の面を確定する。

【０００７】さらに別の実施例においては、シフター・
ピンは円柱状ではない断面部分を有しており、弓形スロ
ットは異なった幅の部分が形成され、それらの幅広部分
はシフター・ピンの断面形状に対応している。

【０００８】本発明のさらに別の実施例によれば、シフ
ト・ゲートには、ピン上のロック爪が設けられ、ピンは
コイルばねのばね力に対抗してある程度軸方向に移動可
能であり、またピン上のストッパーとロック爪上のスト
ッパーとにより制限される範囲で回転可能であり、ロッ
ク爪は５速ギアからリバース・ギアへの直接の変速を防
止するリバース・ギア・ブロックを形成する。

【０００９】

【発明の効果】このようにして、占有空間と材料の面で
非常に経済的なシフト・ゲートが提供される。

【００１０】添付の図面に示す実施例を参照し、以下に
本発明をより詳細に説明する。

【００１１】

【発明の実施の形態】添付の図面は原則的には、マニュ
アル・トランスミッションのシフター・シャフト上に配
置されたシフター・ピンのために用いられるシフト・ゲ
ートの主要部を示している。つまり、対応する歯車やト
ランスミッション・ハウジングなどは省略している。

【００１２】ラジアル・アーム３を保持するハブ２は、
シフター・シャフト１に固定的に据え付けられている。
その据え付けには、例えばグルーブドピン４が用いられ
る。ラジアル・アーム３の自由端には、シフター・シャ
フト１と平行に延びるシフター・ピン５が設けられてい
る。このシフター・ピン５は、その軸方向に沿って少な
くとも３つの異なった断面部６，７，８を持っており、
その内の一つである断面部６は図１においてハッチング
で示すように、円形ではなく、一部が平らにされてい
て、変速パターンの中のニュートラル位置Ｎを確定す
る。このように構成することで、シフター・ピンの安定
性が向上し、同時に１速ギアと２速ギア用のシフト・ゲ
ート又は５速ギアと後退ギア用のシフト・ゲートにおけ
る横方向ストッパーが形成されることになる。シフター
・ピン５の断面部７と８とは円形であり、変速パターン
中のエンゲージ位置を確定する。

【００１３】図２において、シフター・シャフト１のプ
リセレクト用の回転運動及びエンゲージ用の軸方向運動
とが、各々矢印ＶとＳとで表されている。この実施例に
おいては、シフター・シャフト１の回転運動によりプリ
セレクトが行われ、シフター・シャフト１の軸方向移動
によりギアのエンゲージが行なわれる。

【００１４】平板状のシフト・ゲート１０は、シフター
・シャフト１から放射状に延びる面内に配置され、例え
ば２つの孔１１などの適切な締結手段によってトランス
ミッション・ハウジングの所定の位置に固定される。シ
フト・ゲート１０には弓形のスロット１２があり、その
円周に沿って幅広部分１３，１４，１５を有している。

【００１５】シフター・ピン５の中間部で厚みの薄い部
分６が、シフト・ゲート１０の放射状面内に位置する際
には、シフター・シャフト１が回転して、プリセレクト
運動Ｖを実行することができる。シフター・ピン５が幅
広部分１３，１４，１５の内の一つの中に位置すると、
エンゲージ用運動Ｓを実行するために、シフター・シャ
フト１が軸方向に移動可能である。

【００１６】このようにしてシフト・ゲート１０のスロ
ット１２の幅広部分１３，１４，１５が、１速ギアと２
速ギアとの、３速ギアと４速ギアとの、そして５速ギア
と後退ギアとのための変速レーンを確定する。

【００１７】図３と図４とには、本発明による、マニュ
アル・トランスミッションのシフター・シャフト上に配
置されたシフター・ピンのために用いられるシフト・ゲ
ートの別の実施例が示されており、この中の先の実施例
に対応する部分にはダッシュが付くが同じ符号が付され
ている。

【００１８】この実施例において、シフターシャフト
１’は、変速レーンのプリセレクト用に矢印Ｖ’の方向
に移動可能であり、ギアのエンゲージ用に矢印Ｓ’の方
向に回転可能である。

【００１９】シフター・シャフト１’には、先の実施例
と同様にハブ２’上のラジアル・アーム３’がグルーブ
ドピン４’を用いて固定されている。ラジアル・アーム
３’の自由端には、シフター・ピン５’が取り付けら
れ、それには軸方向に沿って異なった直径を持つ複数の
断面部、つまりより小さい直径を持つ３つの小径部分１
６，１７，１８が設けられており、これら３つの部分は
直径のより大きい２つの円盤状の大径部分１９，２０に
よって仕切られている。

【００２０】シフト・ゲート１０’もまた先の実施例と
同様にシフター・シャフト１’の放射状に延びる面内に
平板状に配置されており、弓形スロット１２’を持って
いる。この弓形スロット１２’は、幅広である中間部分
２１を除いて、シフター・ピン５の小径部分１６，１
７，１８に対応した、より小さい幅で左右に延びてい
る。

【００２１】図３に示すように、ラジアル・アーム３’
がその中間位置にあるようにシフター・シャフト１’が
位置して、円盤状の大径部分１９，２０がシフト・ゲー
ト１０’の弓形スロット１２’の幅広部分２１に対応す
ると、矢印Ｖ’に沿うシフター・シャフト１’の軸方向
移動によって、１速ギアと２速ギアとの、３速ギアと４
速ギアとの、そして５速ギアと後退ギアとのための変速
レーンのプリセレクトが行われる。

【００２２】一度、適切な変速レーンが選択されると、
矢印Ｓ’に沿うシフター・シャフトの回転運動によっ
て、エンゲージ動作が実行される。これが可能なのは、
シフター・ピン５’の小径部分１６，１７，１８がシフ
ト・ゲートの弓形スロット１２’の幅の狭い部分に沿っ
て動いて、左右端の対応する位置に移動できるからであ
る。

【００２３】図５と図６とには、現存するトランスミッ
ションに適合させた本発明のシフト・ゲートの実施例を
示しており、先の実施例と同じ部分にはダブル・ダッシ
ュが付くが同じ符号が付されている。この場合におい
て、１”で示されるシフター・シャフトは矢印Ｖ”の方
向に回転して、変速レーンのプリセレクトを行ない、そ
して矢印Ｓ”の方向に軸方向の移動してギアのエンゲー
ジを行なう。

【００２４】先の実施例と同様に、ラジアル・アーム
３”がハブ２”を経由して、グルーブドピン４”により
シフター・シャフト１に固定されている。ラジアル・ア
ーム３”の自由端には、シフター・ピン５”が取り付け
られ、それには軸方向に沿って異なった断面を持つ少な
くとも３つの部分６”，７”，８”が設けられており、
これらは６”が変速パターンの中のニュートラル位置Ｎ
に相当する一方で７”と８”とは変速パターン中のエン
ゲージ位置を示している。

【００２５】シフト・ゲート１０”が、シフター・シャ
フト１”の半径方向に延びる面内に平板状に配置され、
２つの孔１１”によりトランスミッション・ハウジング
に固定可能とされている。この場合に、シフト・ゲート
１０”はベース・プレート２２に据え付けられ、三角形
のサイド・ウェブ２３，２４によって支持されている。

【００２６】シフト・ゲート１０”は、その円周方向に
沿って幅広部分１３”，１４”，１５”を持つ弓形スロ
ット１２”を有する。

【００２７】シフター・ピン５”の小断面部分６”がシ
フト・ゲート１０”の放射状面内に位置する際には、シ
フター・シャフト１”が回転して、プリセレクト動作
Ｖ”を実行できる。シフター・ピン５”が部分１３”，
１４”，１５”のいずれかに位置すると、エンゲージ動
作Ｓ”の実行のためにシフター・シャフト１”が軸方向
に移動可能となる。

【００２８】このようにして、シフト・ゲート１０”の
弓形スロット１２”の各部分１３”，１４”，１５”
は、１速ギアと２速ギアとの、３速ギアと４速ギアと
の、そして５速ギアと後退ギアとのための変速レーンを
確定する。

【００２９】この種のマニュアル・トランスミッション
のデザインにおいては５速ギアと後退ギアとが同じ変速
レーンに位置するので、５速ギアから４速ギアへの変速
操作時の意図せぬ後退ギアのエンゲージを防止する後退
ギア・ブロックを公知の方法によって、備えなければな
らない。

【００３０】後退ギア・ブロックは主にロック爪２５か
ら成り、これはシフト・ゲート１０”に固定された円柱
状ピン２６に取り付けられ、複数のストッパーを持ち、
そして軸方向と回転方向とに移動可能である。ロック爪
２５は、コイルばね２７により初期位置に付勢される。
図６においてその縦延長部分が破線で示されるストッパ
ー部材２８がピン２６に固着されており、ストッパー突
起２９はロック爪２５に固着されている。

【００３１】これらの構成要素により、最初に必ずロッ
ク爪を初期回転位置に置き、その後でロック爪を初期位
置から最大限離すことを可能にする。

【００３２】以下に、後退ギア・ブロックの機能を説明
する。その軸方向のニュートラル位置にあるシフター・
ピン５”が５速ギアと後退ギア用の変速レーンに旋回移
動すると、シフター・ピンはロック爪２５を実線で示す
そのニュートラル位置から破線で示す回転端位置に移動
する。これによりコイルばね２７がねじられてロック爪
２５にねじり力が作用する。シフター・ピン５”が５速
ギアのエンゲージ方向に動く場合には、ロック爪２６は
最初の位置に戻される。

【００３３】５速ギアからの変速に際してシフター・ピ
ン５”が後退ギア方向に軸方向移動すると、シフター・
ピン５”の前端がロック爪２５の対応する面に当たり、
爪２５をピン２６の肩部に当たるまで軸方向に移動し
て、５速ギアから後退ギアへの直接の変速を阻止する。
しかしながら、続く４速へのシフトダウンが可能となる
ように、シフター・ピン５”はこの位置から３速ギアと
４速ギア用の変速レーンの方向に旋回運動することはで
きる。

【００３４】後退ギアへの変速に際しては、シフター・
ピン５”は、５速ギアと後退ギア用の変速レーンの選択
のために、旋回運動する。そうするとロック爪２５が初
期位置から旋回端部まで回転し、そうしながらコイルば
ね２７を付勢する。この際にシフター・ピン５”は、ロ
ック爪に邪魔されることなく、後退ギアのエンゲージす
る軸方向に動くことが可能である。後退ギアからの変速
は逆の順序により行なうことができる。

【００３５】コイルばね２７のその一端がピン２６に、
他端がロック爪２５に固定され、軸方向と回転方向のば
ね力を発生して、経路Ｘに沿うロック爪の軸方向の移動
を許容する。

【００３６】図５と図６に示すシフト・ゲート以外の実
施例に対しても、当業者であれば対応した後退ギア・ブ
ロックを設計することができるのは勿論である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるシフト・ゲートのシフター・シャ
フトの軸方向に沿って見た正面図である。

【図２】図１の実施例の線ＩＩ−ＩＩに沿う断面図であ
る。

【図３】本発明によるシフト・ゲートの第２実施例のシ
フター・シャフトの軸方向に沿って見た正面図である。

【図４】図３の実施例の線ＩＶ−ＩＶに沿う断面図であ
る。

【図５】本発明によるシフト・ゲートの後退ギア・ブロ
ックを持つ第３実施例のシフター・シャフトの軸方向に
沿って見た正面図である。

【図６】図５のシフト・ゲートの後退ギア・ブロックを
示す平面図である。

【符号の説明】

１、１’、１” シフター・シャフト ３、３’、３” ラジアル・アーム ５、５’、５” シフター・ピン １０、１０’、１０” シフト・ゲート １２、１２’、１２” 弓形スロット ２５ ロック爪 ２６ ピン ２７ コイルばね ２８、２９ ストッパー

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 トランスミッション・ハウジング内に固
   定的に据え付けられ、シフター・シャフト（１）上に取
   り付けられたシフター・ピン（５）のために用いられ、
   それと協働してそれをスロット内で案内するシフト・ゲ
   ートであって、上記シフター・ピン（５）は、ラジアル
   ・アーム（３）によって上記シフター・シャフトに対し
   て平行に配置され、その軸方向に沿って異なった直径を
   持つ複数の部分（６，７，８）からなっており、上記シ
   フト・ゲート（１０）は上記シフター・シャフト（１）
   から放射状に延びる面内に位置する平板であって、その
   中にはその円周方向に沿って異なった幅を持つ複数の部
   分（１３，１４，１５）を持つ弓形スロット（１２）が
   あることを特徴とするマニュアル・トランスミッション
   用シフト・ゲート。
2. 【請求項２】 軸方向に沿って異なった複数の断面形状
   を持つ上記シフター・ピン（５）は、略円柱状であっ
   て、断面の厚さが小さくなっている中央部（６）を有
   し、そこがニュートラル又はプリ・セレクト用の面を確
   定し、上記弓形スロット（１２）は、円形でより幅広い
   ３つの部分（１３，１４，１５）を持ち、そこがシフト
   用のレーンを確定することを特徴とする請求項１記載の
   シフト・ゲート。
3. 【請求項３】 異なった複数の断面形状を持つ上記シフ
   ター・ピン（５’）は、互いに離間した２つのより厚い
   円盤状部分（１９，２０）を持つ略円柱形状であって、
   複数の異なった幅の部分を持つ上記弓形スロット（１
   ２’）は、中央幅広部分（２１）を一つだけ持ち、そこ
   がニュートラル又はプリ・セレクト用の面を確定するこ
   とを特徴とする請求項１記載のシフト・ゲート。
4. 【請求項４】 上記シフター・ピン（５，５”）は円柱
   状ではない断面部分を有しており、上記弓形スロット
   （１２，１２”）には異なった幅の部分が形成され、そ
   れらの幅広部分（１３，１４，１５，１３”，１４”，
   １５”）は上記シフター・ピンの断面形状に対応してい
   ることを特徴とする請求項１から３に記載のシフト・ゲ
   ート。
5. 【請求項５】 上記シフト・ゲート（１０”）には、ピ
   ン（２６）上にロック爪（２５）が設けられ、該ピン
   （２６）はコイルばね（２７）のばね力に対抗してある
   程度軸方向に移動可能であり、また上記ピン（２６）上
   のストッパー（２８）と上記ロック爪（２５）上のスト
   ッパー（２９）とにより制限される範囲で回転可能であ
   り、上記ロック爪は５速ギアから後退ギアへの直接の変
   速を防止するリバース・ギア・ブロックを形成すること
   を特徴とする請求項１又は２記載のシフト・ゲート。