図1には、本発明の実施形態に係るシフト装置10が左側から見た分解斜視図にて示されており、図2には、シフト装置10が右側から見た斜視図にて示されている。さらに、図3(A)には、シフト装置10の主要部が後側から見た斜視図にて示されており、図3(B)には、シフト装置10の破断主要部が後側から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、シフト装置10の前方を矢印FRで示し、シフト装置10の右方を矢印RHで示し、シフト装置10の上方を矢印UPで示している。
本実施形態に係るシフト装置10は、車両(自動車)のコンソール(図示省略)に設置されて、車両の運転席(図示省略)の車両前側かつ車幅方向内側に配置されており、シフト装置10の前方、右方及び上方は、車両の前方、右方及び上方に向けられている。
図1、図2、図3の(A)及び(B)に示す如く、シフト装置10には、車体側及び支持体としての略矩形板状のプレート12が設けられており、プレート12は、コンソール内に固定されると共に、上下方向に垂直に配置されている。
プレート12の上側には、シフト体(操作体)としての略円柱状のノブ14が回転(移動)可能に支持されており、ノブ14は、軸方向(回転中心軸線)が上下方向に平行にされると共に、上下方向への移動が規制されている。ノブ14の上側部分は、コンソールを回転可能に貫通されて、車室内に突出されており、ノブ14は、車両の乗員(特に運転手)により一方向A及び他方向B(図1等参照)に回転操作可能にされている。また、ノブ14は、他方向B側から一方向A側に回転されて、シフト位置としての「P」位置(パーキング位置、第1シフト位置)、「R」位置(リバース位置、第3シフト位置)、「N」位置(ニュートラル位置、第2シフト位置)、「D」位置(ドライブ位置、第4シフト位置)及び「M」位置(マニュアル位置、第5シフト位置)にこの順番で配置可能にされている(図5参照)。
ノブ14の下面の径方向内側部分には、被付勢部としての下面視円環状の節度面16が同軸上に設けられており、節度面16には、断面略三角形状の凹部16Aが複数(本実施形態では16個)設けられている。複数の凹部16Aは、節度面16の周方向に連続してかつ等間隔に配置されており、節度面16は、周方向において凹凸形状にされている。
ノブ14の下面には、節度面16の径方向外側において、第1規制部としての略矩形柱状の第1突起18Aが複数(本実施形態では4個)設けられており、複数の第1突起18Aは、ノブ14の周方向(回転方向)に等間隔に配置されると共に、それぞれ下方に突出されている。ノブ14の下側には、移動路(第1移動路)としての円弧状の第1路18(図5参照)が形成されており、第1路18は、第1突起18A間においてノブ14の周方向に延伸されると共に、ノブ14の周方向において複数(本実施形態では4個)配置されている。
ノブ14の下面には、第1路18の径方向外側において、第2規制部としての略矩形柱状の第2突起20Aが複数(本実施形態では4個)設けられており、複数の第2突起20Aは、ノブ14の周方向に等間隔に配置されると共に、それぞれ下方に突出されている。第2突起20Aは、第1路18からノブ14の径方向外側に離間されると共に、第1路18のノブ14周方向における中央位置に配置されている。ノブ14の下側には、移動路(第2移動路)としての円弧状の第2路20(図5参照)が形成されており、第2路20は、第2突起20A間においてノブ14の周方向に延伸されると共に、ノブ14の周方向において複数(本実施形態では4個)配置されている。
ノブ14の下側には、離脱部としての円環状の中間路22が同軸上に形成されており、中間路22は、第1突起18A及び第1路18と第2突起20A及び第2路20との間において、ノブ14の周方向全体に延伸されている。
ノブ14の下部には、回転ギヤ14Aが同軸上に設けられており、回転ギヤ14Aは、ノブ14と一体回転される。
ノブ14には、複数(本実施形態では16個)の周位置(周方向位置、移動位置)が設定されており(例えば図11(A)参照)、本実施形態では、ノブ14に一方向A側から他方向B側へ向けて第1周位置~第16周位置が設定されている。ノブ14の周位置は、ノブ14の周方向に等間隔に設定されており、ノブ14の周位置のノブ14周方向における設定間隔角度は、節度面16の凹部16Aのノブ14周方向における配置間隔角度及びノブ14のシフト位置のノブ14周方向における配置間隔角度と同一にされている。
ノブ14の第1突起18A及び第2突起20Aは、それぞれノブ14の4個の周位置毎に設けられており、第1路18と第2路20とは、ノブ14の2個の周位置の分ずれて配置されている。第1突起18Aは、ノブ14の第1周位置と第16周位置との間、第4周位置と第5周位置との間、第8周位置と第9周位置との間、及び、第12周位置と第13周位置との間に配置されている。第2突起20Aは、ノブ14の第2周位置と第3周位置との間、第6周位置と第7周位置との間、第10周位置と第11周位置との間、及び、第14周位置と第15周位置との間に配置されている。
プレート12には、ノブ14の節度面16の下側において、付勢部として略円柱状の節度ピン24が複数(本実施形態では2個)設けられており、複数の節度ピン24は、節度面16の周方向に等間隔に配置されると共に、それぞれ軸方向が上下方向に平行にされている。節度ピン24は、上下方向に移動可能にされると共に、上下方向に垂直な方向への移動が規制されており、節度ピン24の上端部は、略円錐状にされている。
節度ピン24の下側とプレート12との間には、付勢部材として略円柱状の節度スプリング26(圧縮コイルスプリング)が掛渡されており、節度スプリング26は、節度ピン24を上側に付勢している。節度ピン24の上端部は、節度スプリング26の付勢力により、節度面16の凹部16Aに挿入されて節度面16の周方向において嵌合されており、節度スプリング26がノブ14をシフト位置間からシフト位置側に付勢して、ノブ14がシフト位置に保持されている。ノブ14が回転操作されて、ノブ14のシフト位置が変更される際には、節度ピン24が節度面16の凹部16A間(凸部)を節度スプリング26の付勢力に抗して乗越えることで、ノブ14の回転操作に節度感が作用される。
プレート12には、ノブ14の径方向外側において、検出部材としての略円柱状の検出ギヤ28が回転可能に支持されており、検出ギヤ28は、軸方向(回転中心軸線)が上下方向に平行にされると共に、プレート12を貫通している。検出ギヤ28の上端部は、ノブ14の回転ギヤ14Aに噛合されており、ノブ14(回転ギヤ14A)が回転されて、検出ギヤ28が回転される。検出ギヤ28の下端には、検出部としての検出マグネット28Aが同軸上に固定されており、検出マグネット28Aは、検出ギヤ28と一体回転される。
プレート12の下側には、検出装置としての回路基板30が設置されており、回路基板30は、検出ギヤ28の下側において、上下方向に垂直に配置されている。回路基板30は、検出マグネット28Aの回転位置を検出して、検出ギヤ28の回転位置を検出可能にされており、このため、ノブ14の回転位置が検出されて、ノブ14のシフト位置が検出される。
回路基板30は、車両の制御装置32に電気的に接続されると共に、制御装置32には、車両の変速機としての自動変速機34が電気的に接続されており、ノブ14が「P」位置、「R」位置、「N」位置、「D」位置及び「M」位置に配置された際(回路基板30がノブ14の「P」位置、「R」位置、「N」位置、「D」位置及び「M」位置への配置を検出した際)には、それぞれ、制御装置32の制御により、自動変速機34のシフトレンジが、ノブ14のシフト位置に対応する「P」レンジ(パーキングレンジ)、「R」レンジ(リバースレンジ)、「N」レンジ(ニュートラルレンジ)、「D」レンジ(ドライブレンジ)及び「M」レンジ(マニュアルレンジ)に変更される。
プレート12と回路基板30との間には、変更機構36が設けられており、変更機構36には、複数の変更装置38(本実施形態では第1変更装置38A及び第2変更装置38B)が設けられている。
変更装置38(第1変更装置38A及び第2変更装置38B)には、駆動装置としてのモータ40が設けられており、モータ40は、プレート12に固定されている。モータ40は、回路基板30を介して制御装置32に電気的に接続されており、モータ40は、制御装置32の制御により駆動される。モータ40の出力軸には、ウォーム42が同軸上に固定されており、モータ40が駆動されて、ウォーム42が回転される。
ウォーム42の側方には、変更部材としての略円柱状のロータカム44が設けられおり、ロータカム44は、プレート12に回転可能に支持されると共に、軸方向(回転中心軸線)が上下方向に平行にされている。ロータカム44の下側部分は、ウォームホイールにされて、ウォーム42が噛合されており、ウォーム42が回転されて、ロータカム44が回転される。
ロータカム44の上側部分には、変更部としての略半円板状のカム46が設けられている。カム46の周面には、配置部としての第1面46A、中間面46B及び第2面46Cが設けられており、第1面46A、中間面46B及び第2面46Cは、カム46の周方向において、互いに離間されている。第1面46A、中間面46B及び第2面46Cは、ロータカム44の周方向(回転方向)に沿って湾曲されており、第1面46Aは、中間面46Bのロータカム44径方向(回転径方向)外側に配置されると共に、中間面46Bは、第2面46Cのロータカム44径方向外側に配置されている。
ロータカム44の下端には、変更検出部としての変更マグネット44Aが同軸上に固定されており、変更マグネット44Aは、ロータカム44と一体回転される。変更マグネット44Aは、回路基板30の上側に配置されており、回路基板30は、変更マグネット44Aの回転位置を検出して、ロータカム44の回転位置を検出する。このため、制御装置32が、回路基板30によるロータカム44の回転位置の検出結果に基づき、モータ40を駆動して、ロータカム44の回転位置が制御される。
ロータカム44の上側には、変位部材としての略矩形柱状の規制バー48が設けられており、規制バー48は、プレート12に支持されて、プレート12の上側及び下側に露出されている。規制バー48は、ノブ14の径方向(回転径方向)に変位可能にされており、規制バー48のノブ14周方向及び上下方向への移動は、規制されている。規制バー48下面のノブ14径方向内側端部には、変位部としての略五角形柱状の変位柱48Aが一体に設けられており、変位柱48Aは、下方に突出されている。規制バー48上面のノブ14径方向外側端部には、移動部としての略矩形柱状のピン50が一体に設けられており、ピン50は、上方に突出されて、プレート12の上側に延出されている。以下、第1変更装置38Aの規制バー48のピン50を第1ピン50Aと言い、第2変更装置38Bの規制バー48のピン50を第2ピン50Bと言う。
規制バー48とプレート12との間には、変位付勢部材としての変位スプリング52(圧縮コイルスプリング)が掛渡されており、変位スプリング52は、規制バー48をノブ14の径方向外側に付勢して規制バー48の変位柱48Aをロータカム44のカム46の周面に当接させている。このため、ロータカム44が回転されて、カム46の周面を変位柱48Aが移動されることで、変位柱48Aがカム46の第1面46A、中間面46B及び第2面46Cに当接されて、規制バー48がノブ14の径方向に変位される。
変位柱48Aが第1面46Aに当接される際(図4(A)参照)には、規制バー48が第1位置(ノブ14径方向内側位置)に配置されて、規制バー48のピン50がノブ14の第1路18に配置される。変位柱48Aが中間面46Bに当接される際(図4(B)参照)には、規制バー48が中間位置(ノブ14径方向中間位置)に配置されて、ピン50がノブ14の中間路22に配置される。変位柱48Aが第2面46Cに当接される際(図4(C)参照)には、規制バー48が第2位置(ノブ14径方向外側位置)に配置されて、ピン50がノブ14の第2路20に配置される。
例えば図5に示す如く、ピン50が第1路18に配置される際には、ピン50が第1路18の一方向A側及び他方向B側における第1突起18A間を相対回転可能にされて、ノブ14の回転可能範囲が規定される。ピン50がノブ14の中間路22に配置される際には、ノブ14の回転が規制されない。ピン50が第2路20に配置される際には、ピン50が第2路20の一方向A側及び他方向B側における第2突起20A間を相対回転可能にされて、ノブ14の回転可能範囲が規定される。また、第1ピン50Aの他方向B側に第2ピン50Bが配置されており、第1ピン50Aと第2ピン50Bとの間には、ノブ14の6個の周位置が配置されている(例えば図11(A)参照)。
次に、本実施形態の作用を説明する。
シフト装置10が第1モードにされる場合には、ノブ14が「P」位置に配置される際に、第1ピン50Aがノブ14の第1路18の一方向A側から1番目の周位置(例えば第1周位置)に配置されると共に、第2ピン50Bがノブ14の第1路18の一方向A側から4番目の周位置(例えば第8周位置)に配置される(例えば図11(A)参照)。
そして、第1条件(例えば車両のブレーキの操作)が成立しない場合には、第1ピン50A及び第2ピン50Bが第1路18に配置される(図5及び図11(A)参照)。このため、第1ピン50Aによって第1突起18Aの他方向Bへの回転が規制されると共に、第2ピン50Bによって第1突起18Aの一方向Aへの回転が規制されて、ノブ14が「P」位置にロックされる。
一方、第1条件(例えば車両のブレーキの操作)が成立した場合には、第2ピン50Bが第1路18から中間路22に変位される(図6(A)及び図11(B)参照)。このため、第2ピン50Bによる第1突起18Aの一方向Aへの回転規制が解除されて、ノブ14が「P」位置から一方向Aに回転可能にされる。さらに、第1ピン50Aによって第1突起18Aの一方向Aへの回転が規制されて、ノブ14の「D」位置から「M」位置への回転が規制されることで、ノブ14が「P」位置から「D」位置までの範囲で回転可能にされる(図6(B)及び図11(B)参照)。
また、ノブ14が一方向Aに「D」位置まで回転された際に、第2条件(例えばノブ14の「D」位置への設定時間以上の配置(停止)、所定条件)が成立した場合には、第1ピン50Aが中間路22に変位される共に、第2ピン50Bが第1路18に変位される(図7及び図11(C)参照)。このため、第1ピン50Aによる第1突起18Aの一方向Aへの回転規制が解除されて、ノブ14が「D」位置から「M」位置に回転可能にされると共に、第2ピン50Bによって第1突起18Aの一方向Aへの回転が規制されて、ノブ14の「M」位置から一方向Aへの回転が規制される。
一方、ノブ14が「M」位置から「D」位置に回転された際には、第1ピン50Aが第1路18に変位(復帰)される共に、第2ピン50Bが中間路22に変位(復帰)される。
また、ノブ14が「D」位置に配置された際に、第3条件(例えば車両の速度が第1設定速度以上)が成立した場合には、第1ピン50Aが第2路20に変位される共に、第2ピン50Bが第1路18に変位される(図8及び図11(D)参照)。このため、第1ピン50Aによって第2突起20Aの他方向Bへの回転が規制されて、ノブ14の「N」位置から「R」位置への回転が規制されると共に、第2ピン50Bによって第1突起18Aの一方向Aへの回転が規制されて、ノブ14の「M」位置から一方向Aへの回転が規制される。
さらに、ノブ14が「R」位置に配置された際に、第4条件(例えば車両の速度が第2設定速度以上)が成立した場合には、第1ピン50Aが第1路18に変位される共に、第2ピン50Bが第2路20に変位される(図9及び図11(E)参照)。このため、第1ピン50Aによって第1突起18Aの他方向Bへの回転が規制されて、ノブ14の「P」位置から他方向Bへの回転が規制されると共に、第2ピン50Bによって第2突起20Aの一方向Aへの回転が規制されて、ノブ14の「N」位置から「D」位置への回転が規制される。
また、ノブ14が「N」位置に配置された際に、第5条件(例えば乗員によるシフトロックの操作)が成立した場合には、第1ピン50A及び第2ピン50Bが第2路20に変位される(図10及び図11(F)参照)。このため、第1ピン50Aによって第2突起20Aの他方向Bへの回転が規制されると共に、第2ピン50Bによって第2突起20Aの一方向Aへの回転が規制されて、ノブ14が「N」位置にロックされる。
さらに、ノブ14が「M」位置に配置された際に、第6条件(例えば車両のエンジン停止)が成立した場合には、制御装置32の制御により、自動変速機34のシフトレンジが「P」レンジに自動的に変更される。この場合には、ノブ14のシフト位置が、「M」位置から「P」位置に変化されて、自動変速機34のシフトレンジに対応されると共に、シフト装置10の第1モードが維持されて、ノブ14が「P」位置に配置される際に、第1ピン50Aがノブ14の第1路18の一方向A側から1番目の周位置(例えば第5周位置)に配置されると共に、第2ピン50Bがノブ14の第1路18の一方向A側から4番目の周位置(例えば第12周位置)に配置される。
また、ノブ14が「R」位置に配置された際に、第6条件(例えば車両のエンジン停止)が成立した場合には、制御装置32の制御により、自動変速機34のシフトレンジが「P」レンジに自動的に変更される。この場合には、ノブ14のシフト位置が、「R」位置から「P」位置に変化されて、自動変速機34のシフトレンジに対応されると共に、シフト装置10が第2モードに変更されて、ノブ14が「P」位置に配置される際に、第1ピン50Aがノブ14の第1路18の一方向A側から2番目の周位置(例えば第2周位置)に配置されると共に、第2ピン50Bがノブ14の第1路18の一方向A側から1番目の周位置(例えば第9周位置)に配置される(例えば図12(A)参照)。
そして、第1条件(例えば車両のブレーキの操作)が成立しない場合には、第1ピン50Aが第2路20に配置されると共に、第2ピン50Bが第1路18に配置される(図12(A)参照)。このため、第1ピン50Aによって第2突起20Aの一方向Aへの回転が規制されると共に、第2ピン50Bによって第1突起18Aの他方向Bへの回転が規制されて、ノブ14が「P」位置にロックされる。
一方、第1条件(例えば車両のブレーキの操作)が成立した場合には、第1ピン50Aが第2路20から中間路22に変位される(図12(B)参照)。このため、第1ピン50Aによる第2突起20Aの一方向Aへの回転規制が解除されて、ノブ14が「P」位置から一方向Aに回転可能にされる。さらに、第2ピン50Bによって第1突起18Aの一方向Aへの回転が規制されて、ノブ14の「D」位置から「M」位置への回転が規制されることで、ノブ14が「P」位置から「D」位置までの範囲で回転可能にされる(図12(B)参照)。
また、ノブ14が一方向Aに「D」位置まで回転された際に、第2条件(例えばノブ14の「D」位置への設定時間以上の配置(停止))が成立した場合には、第1ピン50Aが第2路20に変位される共に、第2ピン50Bが中間路22に変位される(図12(C)参照)。このため、第2ピン50Bによる第1突起18Aの一方向Aへの回転規制が解除されて、ノブ14が「D」位置から「M」位置に回転可能にされると共に、第1ピン50Aによって第2突起20Aの一方向Aへの回転が規制されて、ノブ14の「M」位置から一方向Aへの回転が規制される。
一方、ノブ14が「M」位置から「D」位置に回転された際には、第1ピン50Aが中間路22に変位(復帰)される共に、第2ピン50Bが第1路18に変位(復帰)される。
さらに、ノブ14が「D」位置に配置された際に、第3条件(例えば車両の速度が第1設定速度以上)が成立した場合には、第1ピン50A及び第2ピン50Bが第2路20に変位される(図12(D)参照)。このため、第2ピン50Bによって第2突起20Aの他方向Bへの回転が規制されて、ノブ14の「N」位置から「R」位置への回転が規制されると共に、第1ピン50Aによって第2突起20Aの一方向Aへの回転が規制されて、ノブ14の「M」位置から一方向Aへの回転が規制される。
また、ノブ14が「R」位置に配置された際に、第4条件(例えば車両の速度が第2設定速度以上)が成立した場合には、第1ピン50A及び第2ピン50Bが第1路18に変位される(図12(E)参照)。このため、第2ピン50Bによって第1突起18Aの他方向Bへの回転が規制されて、ノブ14の「P」位置から他方向Bへの回転が規制されると共に、第1ピン50Aによって第1突起18Aの一方向Aへの回転が規制されて、ノブ14の「N」位置から「D」位置への回転が規制される。
さらに、ノブ14が「N」位置に配置された際に、第5条件(例えば乗員によるシフトロックの操作)が成立した場合には、第1ピン50Aが第1路18に変位されると共に、第2ピン50Bが第2路20に変位される(図12(F)参照)。このため、第1ピン50Aによって第1突起18Aの一方向Aへの回転が規制されると共に、第2ピン50Bによって第2突起20Aの他方向Bへの回転が規制されて、ノブ14が「N」位置にロックされる。
また、ノブ14が「N」位置に配置された際に、第6条件(例えば車両のエンジン停止)が成立した場合には、制御装置32の制御により、自動変速機34のシフトレンジが「P」レンジに自動的に変更される。この場合には、ノブ14のシフト位置が、「N」位置から「P」位置に変化されて、自動変速機34のシフトレンジに対応されると共に、シフト装置10が第3モードに変更されて、ノブ14が「P」位置に配置される際に、第1ピン50Aがノブ14の第1路18の一方向A側から3番目の周位置(例えば第3周位置)に配置されると共に、第2ピン50Bがノブ14の第1路18の一方向A側から2番目の周位置(例えば第10周位置)に配置される(例えば図13(A)参照)。
そして、第1条件(例えば車両のブレーキの操作)が成立しない場合には、第1ピン50A及び第2ピン50Bが第2路20に配置される(図13(A)参照)。このため、第1ピン50Aによって第2突起20Aの他方向Bへの回転が規制されると共に、第2ピン50Bによって第2突起20Aの一方向Aへの回転が規制されて、ノブ14が「P」位置にロックされる。
一方、第1条件(例えば車両のブレーキの操作)が成立した場合には、第2ピン50Bが第2路20から中間路22に変位される(図13(B)参照)。このため、第2ピン50Bによる第2突起20Aの一方向Aへの回転規制が解除されて、ノブ14が「P」位置から一方向Aに回転可能にされる。さらに、第1ピン50Aによって第2突起20Aの一方向Aへの回転が規制されて、ノブ14の「D」位置から「M」位置への回転が規制されることで、ノブ14が「P」位置から「D」位置までの範囲で回転可能にされる(図13(B)参照)。
また、ノブ14が一方向Aに「D」位置まで回転された際に、第2条件(例えばノブ14の「D」位置への設定時間以上の配置(停止))が成立した場合には、第1ピン50Aが中間路22に変位される共に、第2ピン50Bが第2路20に変位される(図13(C)参照)。このため、第1ピン50Aによる第2突起20Aの一方向Aへの回転規制が解除されて、ノブ14が「D」位置から「M」位置に回転可能にされると共に、第2ピン50Bによって第2突起20Aの一方向Aへの回転が規制されて、ノブ14の「M」位置から一方向Aへの回転が規制される。
一方、ノブ14が「M」位置から「D」位置に回転された際には、第1ピン50Aが第2路20に変位(復帰)される共に、第2ピン50Bが中間路22に変位(復帰)される。
さらに、ノブ14が「D」位置に配置された際に、第3条件(例えば車両の速度が第1設定速度以上)が成立した場合には、第1ピン50Aが第1路18に変位されると共に、第2ピン50Bが第2路20に変位される(図13(D)参照)。このため、第1ピン50Aによって第1突起18Aの他方向Bへの回転が規制されて、ノブ14の「N」位置から「R」位置への回転が規制されると共に、第2ピン50Bによって第2突起20Aの一方向Aへの回転が規制されて、ノブ14の「M」位置から一方向Aへの回転が規制される。
また、ノブ14が「R」位置に配置された際に、第4条件(例えば車両の速度が第2設定速度以上)が成立した場合には、第1ピン50Aが第2路20に変位されると共に、第2ピン50Bが第1路18に変位される(図13(E)参照)。このため、第1ピン50Aによって第2突起20Aの他方向Bへの回転が規制されて、ノブ14の「P」位置から他方向Bへの回転が規制されると共に、第2ピン50Bによって第1突起18Aの一方向Aへの回転が規制されて、ノブ14の「N」位置から「D」位置への回転が規制される。
さらに、ノブ14が「N」位置に配置された際に、第5条件(例えば乗員によるシフトロックの操作)が成立した場合には、第1ピン50A及び第2ピン50Bが第1路18に変位される(図13(F)参照)。このため、第2ピン50Bによって第1突起18Aの一方向Aへの回転が規制されると共に、第1ピン50Aによって第1突起18Aの他方向Bへの回転が規制されて、ノブ14が「N」位置にロックされる。
また、ノブ14が「D」位置に配置された際に、第6条件(例えば車両のエンジン停止)が成立した場合には、制御装置32の制御により、自動変速機34のシフトレンジが「P」レンジに自動的に変更される。この場合には、ノブ14のシフト位置が、「D」位置から「P」位置に変化されて、自動変速機34のシフトレンジに対応されると共に、シフト装置10が第4モードに変更されて、ノブ14が「P」位置に配置される際に、第1ピン50Aがノブ14の第1路18の一方向A側から4番目の周位置(例えば第4周位置)に配置されると共に、第2ピン50Bがノブ14の第1路18の一方向A側から3番目の周位置(例えば第11周位置)に配置される(例えば図14(A)参照)。
そして、第1条件(例えば車両のブレーキの操作)が成立しない場合には、第1ピン50Aが第1路18に配置される共に、第2ピン50Bが第2路20に配置される(図14(A)参照)。このため、第1ピン50Aによって第1突起18Aの一方向Aへの回転が規制されると共に、第2ピン50Bによって第2突起20Aの他方向Bへの回転が規制されて、ノブ14が「P」位置にロックされる。
一方、第1条件(例えば車両のブレーキの操作)が成立した場合には、第1ピン50Aが第1路18から中間路22に変位される(図14(B)参照)。このため、第1ピン50Aによる第1突起18Aの一方向Aへの回転規制が解除されて、ノブ14が「P」位置から一方向Aに回転可能にされる。さらに、第2ピン50Bによって第2突起20Aの一方向Aへの回転が規制されて、ノブ14の「D」位置から「M」位置への回転が規制されることで、ノブ14が「P」位置から「D」位置までの範囲で回転可能にされる(図14(B)参照)。
また、ノブ14が一方向Aに「D」位置まで回転された際に、第2条件(例えばノブ14の「D」位置への設定時間以上の配置(停止))が成立した場合には、第1ピン50Aが第1路18に変位される共に、第2ピン50Bが中間路22に変位される(図14(C)参照)。このため、第2ピン50Bによる第2突起20Aの一方向Aへの回転規制が解除されて、ノブ14が「D」位置から「M」位置に回転可能にされると共に、第1ピン50Aによって第1突起18Aの一方向Aへの回転が規制されて、ノブ14の「M」位置から一方向Aへの回転が規制される。
一方、ノブ14が「M」位置から「D」位置に回転された際には、第1ピン50Aが中間路22に変位(復帰)される共に、第2ピン50Bが第2路20に変位(復帰)される。
さらに、ノブ14が「D」位置に配置された際に、第3条件(例えば車両の速度が第1設定速度以上)が成立した場合には、第1ピン50A及び第2ピン50Bが第1路18に変位される(図14(D)参照)。このため、第2ピン50Bによって第1突起18Aの他方向Bへの回転が規制されて、ノブ14の「N」位置から「R」位置への回転が規制されると共に、第1ピン50Aによって第1突起18Aの一方向Aへの回転が規制されて、ノブ14の「M」位置から一方向Aへの回転が規制される。
また、ノブ14が「R」位置に配置された際に、第4条件(例えば車両の速度が第2設定速度以上)が成立した場合には、第1ピン50A及び第2ピン50Bが第2路20に変位される(図14(E)参照)。このため、第2ピン50Bによって第2突起20Aの他方向Bへの回転が規制されて、ノブ14の「P」位置から他方向Bへの回転が規制されると共に、第1ピン50Aによって第2突起20Aの一方向Aへの回転が規制されて、ノブ14の「N」位置から「D」位置への回転が規制される。
さらに、ノブ14が「N」位置に配置された際に、第5条件(例えば乗員によるシフトロックの操作)が成立した場合には、第1ピン50Aが第2路20に変位されると共に、第2ピン50Bが第1路18に変位される(図14(F)参照)。このため、第1ピン50Aによって第2突起20Aの一方向Aへの回転が規制されると共に、第2ピン50Bによって第1突起18Aの他方向Bへの回転が規制されて、ノブ14が「N」位置にロックされる。
ここで、変更機構36の第1変更装置38A及び第2変更装置38Bがノブ14に対し第1ピン50A及び第2ピン50B(各規制バー48)をそれぞれ変位させて、第1ピン50A及び第2ピン50Bのそれぞれの配置が第1路18と第2路20との間で変更される。このため、第1ピン50A及び第2ピン50Bがそれぞれ1つの移動路(第1路18又は第2路20)のみに配置される場合とは異なり、第1ピン50A及び第2ピン50Bのそれぞれを第1路18と第2路20とに配置できて、同一種類のノブ14の回転規制機能を有するためのピン50(第1ピン50A及び第2ピン50B)の数を少なくでき、変更機構36の変更装置38(第1変更装置38A及び第2変更装置38B)の数を少なくできて、変更機構36の構成を簡単にできる。
また、第1ピン50A及び第2ピン50Bのそれぞれの配置が第1路18と第2路20との間で変更されて、ノブ14の回転可能範囲が変更される。このため、ノブ14の回転可能範囲を変更でき、ノブ14の回転規制機能の種類を多くできる。
さらに、第1路18及び第2路20のそれぞれに配置されるピン50が第1ピン50Aと第2ピン50Bとの間で変更されて、ノブ14の回転可能範囲が変更される。このため、ノブ14の回転可能範囲を変更でき、ノブ14の回転規制機能の種類を多くできる。
また、第1ピン50A及び第2ピン50Bのそれぞれが、中間路22に変位されて、全ての移動路(第1路18及び第2路20)から離脱される。このため、第1ピン50A及び第2ピン50Bのそれぞれによるノブ14の回転規制を解除でき、ノブ14の回転が不要に規制されることを制限できて、ノブ14の回転規制機能の種類を多くできる。
さらに、同一の第1路18及び同一の第2路20がそれぞれノブ14の回転方向において複数設けられている。このため、第1ピン50A及び第2ピン50Bのそれぞれが第1路18又は第2路20を越えた場合でも、第1ピン50A及び第2ピン50Bのそれぞれを他の同一の第1路18又は第2路20に配置できて、第1ピン50A及び第2ピン50Bのそれぞれがノブ14の回転を規制できる(例えば、図12の(A)~(C)の第1ピン50A、図11の(A)~(C)の第2ピン50Bを参照)。
また、ノブ14が「P」位置に配置される際(図11~図14の(A)参照)及びノブ14が「N」位置に配置される際(図11~図14の(F)参照)には、第1ピン50A及び第2ピン50Bの一方がノブ14の一方向Aへの回転を規制可能にされると同時に、第1ピン50A及び第2ピン50Bの他方がノブ14の他方向Bへの回転を規制可能にされる。このため、ノブ14の回転方向両側への回転を同時に規制でき、ノブ14を「P」位置及び「N」位置にロックできる。
さらに、ノブ14の一方向Aへの回転が「D」位置において規制された際には、第2条件の成立により、ノブ14の一方向Aへの回転の「D」位置における規制が解除される(図11~図14の(C)参照)。このため、ノブ14を「D」位置から一方向A側の「M」位置に回転できる。
また、ノブ14が「P」位置以外のシフト位置に配置された際に、第6条件の成立により、ノブ14のシフト位置が「P」位置に変化された場合には、第1ピン50A及び第2ピン50Bの少なくとも一方が第1路18又は第2路20に変位されて、ノブ14が「P」位置にロックされる(図11~図14の(A)参照)。このため、ノブ14を「P」位置に適切にロックできる。
なお、本実施形態では、モータ40によりピン50が変位される。しかしながら、他のアクチュエータ(ソレノイド等)によりピン50が変位されてもよい。
さらに、本実施形態では、第1路18、中間路22及び第2路20がノブ14の径方向に並べられる。しかしながら、第1路18、中間路22及び第2路20がノブ14の軸方向に並べられてもよい。
また、本実施形態では、ノブ14に第1路18、中間路22及び第2路20が設けられると共に、プレート12に第1ピン50A及び第2ピン50Bが設けられる。しかしながら、ノブ14に第1ピン50A及び第2ピン50Bが設けられると共に、プレート12に第1路18、中間路22及び第2路20が設けられてもよい。
さらに、本実施形態では、第1路18及び第2路20にそれぞれノブ14の4個の周位置が配置される。しかしながら、第1路18及び第2路20の少なくとも一方にノブ14の2個、3個又は5個の周位置が配置されてもよい。
また、本実施形態では、第1路18と第2路20とがノブ14の2個の周位置分ずらされる。しかしながら、第1路18と第2路20とがずらされなくてもよく、第1路18と第2路20とがノブ14の1個又は3個以上の周位置分ずらされてもよい。
さらに、本実施形態では、移動路がピン50の変位方向において2個(第1路18及び第2路20)設けられると共に、中間路22が1個設けられる。しかしながら、移動路がピン50の変位方向において3個以上設けられてもよく、中間路22が2個以上設けられてもよい。この場合、例えば、第1路18、中間路22及び第2路20が2組設けられて、各組の第1路18、中間路22及び第2路20に対しピン50が配置可能にされてもよい。
また、本実施形態では、ピン50(第1ピン50A及び第2ピン50B)が、中間路22に配置されて、第1路18及び第2路20から離脱される。しかしながら、中間路22が設けられなくてもよい。この場合等には、ピン50が第1路18又は第2路20との対向方向に変位可能にされることで、ピン50が第1路18又は第2路20に対し配置及び離脱可能にされてもよい。
さらに、本実施形態では、第1ピン50Aと第2ピン50Bとの間にノブ14の6個の周位置が配置される。しかしながら、第1ピン50Aと第2ピン50Bとの間にノブ14の周位置が配置されなくてもよく、第1ピン50Aと第2ピン50Bとの間にノブ14の1個~5個又は7個以上の周位置が配置されてもよい。
また、本実施形態では、ピン50が2個(第1ピン50A及び第2ピン50B)設けられる。しかしながら、ピン50が3個以上設けられてもよい。
さらに、本実施形態では、ノブ14(シフト体)が回転される。しかしながら、シフト体が回動又はスライドされてもよい。
また、本実施形態では、シフト装置10をコンソールに設置した。しかしながら、シフト装置10をインストルメントパネルやコラムカバーに設置してもよい。