JPH1160330A - 溶融シリカ質耐火物の製造方法 - Google Patents
溶融シリカ質耐火物の製造方法Info
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Abstract
しながら、1〜2%程度の見かけ気孔率と耐火物表面の
粒子の剥離防止とを実現する。 【解決手段】 粒度調整された溶融シリカ粉末100重
量%に、硼素および燐よりなる群から選ばれる少なくと
も一種の元素を含有する化合物をB2O3、またはP2O5
に換算した合計量で0.5重量%〜10重量%の範囲と
なるように添加し、さらに適当な成形助剤を混合して成
形用混合物を生成する。次に、その成形用混合物を所望
形状に成形して成形体を得た後、その成形体を50容量
%以上の水蒸気を含む雰囲気下で焼成する。前記化合物
としては、H3BO3、H3PO4、またはBPO4が好適
に使用される。
Description
火物の製造方法に関し、さらに言えば、表面粒子の剥離
現象が生じない溶融シリカ質耐火物が得られる溶融シリ
カ質耐火物の製造方法に関する。
張率が低く耐熱衝撃性に優れているだけでなく、耐化学
薬品性、溶融金属(例えば、溶鋼など)に対する耐食性
においても優れている。このような性質を持つ溶融シリ
カを主原料として製造される溶融シリカ質耐火物は、溶
融シリカと同等の優れた耐熱衝撃性や耐化学薬品性を持
っているが、化学薬品や溶融金属に対する耐食性や耐浸
潤性が不十分であり、使用中に亀裂、剥離などの損傷を
受ける場合が多い。これは、従来の一般的な溶融シリカ
質耐火物が高い見掛気孔率(通常、10%程度)を持つ
ことに起因する。
見掛気孔率を低くして、換言すれば、溶融シリカ質耐火
物を緻密化して、化学薬品や溶融金属に対する耐食性や
耐浸潤性を改善する方法が種々提案されている。
は、「粒径10μm以下の粒子を10wt%以上含む溶
融シリカ粉を主骨材とした配合物を鋳込み成形し、得ら
れた成形体を水蒸気雰囲気下で焼成することを特徴とし
た溶融シリカ質焼結体の製造方法」が開示されている。
焼成温度は、好ましくは1050〜1250℃の範囲に
設定される。この従来方法によれば、見掛気孔率を一般
的な10%程度より低くすることができ、見掛気孔率が
1%以下の緻密な溶融シリカ質焼結体(耐火物)を得る
ことも可能である、とされている。
は、「溶融石英(溶融シリカ)を主原料とし、これにコ
ロイダルシリカおよび(又は)超微粉体シリカ5〜15
%と燐酸、硼酸もしくはそれらの塩類を1〜10%添加
混練して成形し、1000〜1200℃で焼成すること
を特徴とする溶融石英を主体とする耐火物の製造法」が
開示されている。この従来方法によれば、コロイダルシ
リカは焼成時に燐酸、硼酸などと反応してガラス相を形
成し、それによって溶融石英本来の性質を損なわずかつ
気孔率も小さく極めて良く焼結した耐火物を得ることが
可能である、とされている。ただし、この場合の見掛気
孔率はせいぜい10%程度である。
4301号公報に開示された従来方法では、製造された
溶融シリカ質焼結体(耐火物)の見掛気孔率は低くなる
が、表面の粒子が剥離しやすい性質を持つ。その結果、
化学薬品の熱処理容器や溶融金属の容器として使用する
と、その化学薬品や溶融金属を汚染する恐れがあるとい
う問題がある。
示された従来方法では、製造された溶融シリカ質耐火物
の見掛気孔率はせいぜい10%程度であり、緻密化(す
なわち見掛気孔率の低下)が不十分である。このため、
化学薬品や溶融金属に対する耐浸潤性や耐食性が満足で
きるレベルに達していないという問題がある。
耐火物の持つ低熱膨張性、すなわち良好な耐熱衝撃性を
維持しながら、1〜2%程度の見かけ気孔率と耐火物表
面の粒子の剥離防止とを実現できる溶融シリカ質耐火物
の製造方法を提供することにある。
粒度調整された溶融シリカ粉末100重量%に、硼素お
よび燐よりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を
含有する化合物をB2O3、またはP2O5に換算した合計
量で0.5重量%〜10重量%の範囲となるように添加
し、さらに適当な成形助剤を混合して成形用混合物を生
成する第1工程と、前記成形用混合物を所望形状に成形
して成形体を得る第2工程と、前記成形体を50容量%
以上の水蒸気を含む雰囲気下で焼成する第3工程とを備
えてなることを特徴とする。
(P)を含有する化合物がシリカ(SiO2)と反応す
ると、硼珪酸ガラスまたは燐珪酸ガラスをそれぞれ形成
する。このため、硼素または燐あるいはその双方を含有
する化合物を溶融シリカ粉末に添加して焼成すると、得
られた溶融シリカ質耐火物の粒界に硼珪酸ガラスまたは
燐珪酸ガラスの相あるいはそれら双方の相が形成され
る。この発明の溶融シリカ質耐火物の製造方法では、こ
のガラス相の作用を利用して、溶融シリカ質耐火物の表
面の粒子の剥離を防止する。
報には、「コロイダルシリカが焼成時に燐酸、硼酸など
と反応してガラス相を形成し、それによって気孔率を低
減できる」旨が開示されている。しかし、当該公報で
は、得られる見掛気孔率はせいぜい10%程度であり、
近年の一般的な溶融シリカ質耐火物のそれと同じであ
る。よって、1〜2%程度の見かけ気孔率を実現するこ
の発明の溶融シリカ質耐火物の製造方法とは、明らかに
達成すべき目標値が異なるものである。
ば、このガラス相が過剰に存在すると、溶融シリカ本来
の低熱膨張性が低下あるいは喪失し、逆に、このガラス
相が過少であると、所望のガラス相が形成されないこと
が判明した。そこで、この発明の溶融シリカ質耐火物の
製造方法では、硼素または燐あるいはその双方を含有す
る化合物の添加量を、B2O3、またはP2O5に換算した
合計量で0.5重量%〜10重量%の範囲に調整してい
る。こうすることにより、ガラス相の過剰により溶融シ
リカ本来の低熱膨張性が低下あるいは喪失するのを防止
しながら、溶融シリカ質耐火物の表面の粒子の剥離を防
止するものである。
体を所定量の水蒸気を含む雰囲気下で焼成するのは、前
記焼結体を十分緻密にするためである。雰囲気中に含ま
れる水蒸気は、前記溶融シリカ質の成形体を焼成する際
にその成形体中の溶融シリカ粒子が拡散するのを促進す
る作用を持つ。このため、前記成形体は焼結しやすくな
り、その結果、得られる焼結体は緻密となる。水蒸気の
含有量を50容量%以上とするのは、水蒸気の含有量が
50容量%未満では焼結体組織の緻密化作用(見掛気孔
率の低下作用)が不十分であり、また、焼結体の表面粒
子の剥離防止作用も不足するからである。
記溶融シリカ粉末としては、必要とする溶融シリカ質耐
火物の物性に応じて、任意に粒度調整された溶融シリカ
の粉末を使用できる。例えば、粒径100μm以下の粒
子を50重量%以上含むものを使用できる。前記溶融シ
リカ粉末の形態も任意である。すなわち、破砕片状であ
ってもよいし、球状であってもよいし、その他の形状で
あってもよい。
くとも一種の元素を含有する前記化合物としては、硼素
または燐あるいはその双方を含有する化合物であれば任
意のものを使用可能である。例えば、硼酸(H3B
O3)、燐酸(H3PO4)または燐酸硼素(BPO4)を
使用できる。
て任意の液体やバインダーを使用できるが、入手の容易
性やコストなどを考慮すると、水が好ましい。しかし、
例えばポリビニルブチラール(PVB)溶液のようなア
ルコール溶液なども使用可能である。
混合物の成形方法は、鋳込み法であるのが好ましい。そ
れは、鋳込み法では、粒子がより緻密に充填されるの
で、高密度な成形体を得やすいからである。しかし、他
の成形法(例えば、プレス成形法)も使用可能である。
形体を乾燥させる乾燥工程を設けてもよい。乾燥しない
で焼成すると、昇温時に水分が急激に蒸発して焼結体に
亀裂などを生じ易いからである。その乾燥工程には任意
の乾燥法を使用できる。前記焼成工程において前記成形
体を徐々に加熱する場合は、乾燥工程は不要である。
の焼成温度は、1050〜1250℃の範囲に設定され
るのが好ましい。1050℃未満では焼結効果が十分で
ないからであり、1250℃を超えると、クリストバラ
イトが生成されて前記焼結体の強度が低下するからであ
る。
時間は、0.5〜20時間であるのが好ましい。焼結時
間が0.5時間未満であると、十分な焼結強度が得られ
ず、反面、20時間を超えても、焼結効果にほとんど寄
与しないからである。
体的実施例に基づいて説明する。
「fine」を意味する)(粒径297μm以下)の溶
融シリカ粉末100重量%に、粒度145meshF
(粒径105μm以下)の硼酸(H3BO3)粉末を1重
量%(これは酸化硼素(B2O3)に換算すると、0.5
6重量%に相当する)添加・混合した。その後、この混
合物に成形助剤として水を16重量%添加・混練してス
リップを得た。次に、このスリップを公知の石膏型に流
し込んで鋳込み成形した。さらに、得られた成形体を1
00容量%の濃度の水蒸気を含む空気中で、1150℃
の温度で10時間焼成し、30mm×30mm×100
mmの四角柱形の溶融シリカ質耐火物を得た。
さ比重、常温曲げ強さ、熱間線膨張率をJIS−R16
01の規定に従って測定したところ、見掛気孔率は0.
9%、かさ比重は2.18、常温曲げ強さは12.5M
Pa、1000℃における熱間線膨張率は0.04であ
った。
観察により調べたところ、硼珪酸ガラスの相の存在が確
認された。
子の剥離の有無を次のようにして調べた。すなわち、得
られた30mm×30mm×100mmの四角柱形の溶
融シリカ質耐火物を1000℃で15分間加熱した後、
室温まで冷却して15分間放置した。以後、この加熱・
冷却工程を5回繰り返し、この耐火物の表面から粒子が
剥離するか否かを調べた。その結果、実施例1では、表
面粒子の剥離は見られなかった。これは、この耐火物が
化学薬品や溶融金属用の熱処理容器として使用可能であ
ることを意味する。
の溶融シリカ質耐火物の緻密化が十分なされていること
が分かる。これは、化学薬品や溶融金属に対する耐浸潤
性および耐食性が良好であることを意味する。常温曲げ
強さの上記値により、この溶融シリカ質耐火物の常温に
おける機械的強度が十分高いことが分かる。熱間線膨張
率の上記値により、この溶融シリカ質耐火物では、溶融
シリカ本来の良好な耐熱衝撃性が維持されていることが
分かる。
末100重量%に、実施例1と同じ硼酸(H3BO3)粉
末を実施例1より多い8重量%(これは酸化硼素(B2
O3)に換算すると、4.50重量%に相当する)添加
・混合した。その後、この混合物に水を17重量%添加
・混練してスリップを得た。次に、このスリップを実施
例1と同じ石膏型に流し込んで鋳込み成形した。さら
に、得られた成形体を実施例1と同じ条件で焼成し、実
施例1と同じ形状の溶融シリカ質耐火物を得た。
さ比重、常温曲げ強さ、熱間線膨張率を実施例1と同様
にして測定したところ、見掛気孔率は0.6%、かさ比
重は2.19、常温曲げ強さは11.2MPa、100
0℃における熱間線膨張率は0.04であった。
して調べたところ、実施例1と同じ硼珪酸ガラス相の存
在が確認された。さらに、加熱・冷却による表面粒子の
剥離の有無を実施例1と同様にして調べたところ、表面
粒子の剥離は見られなかった。
れた溶融シリカ質耐火物は、実施例1と同等の緻密化と
ガラス相の形成がなされており、その結果、実施例1と
同等の物性を有することが分かる。
例1よりも低いのは、硼酸の添加量が増えたことに起因
すると推測される。この結果より、硼酸の添加量が増加
すると、それに応じて見掛気孔率が低下すると推測され
る。
末100重量%に、実施例1と同じ硼酸(H3BO3)粉
末を実施例2よりもさらに多い16重量%(これは酸化
硼素(B2O3)に換算すると、9.01重量%に相当す
る)添加・混合した。その後、この混合物に水を18重
量%添加・混練してスリップを得た。次に、このスリッ
プを実施例1と同じ石膏型に流し込んで鋳込み成形し
た。さらに、得られた成形体を実施例1と同じ条件で焼
成し、実施例1と同じ形状の溶融シリカ質耐火物を得
た。
さ比重、常温曲げ強さ、熱間線膨張率を実施例1と同様
にして測定したところ、見掛気孔率は0.5%、かさ比
重は2.19、常温曲げ強さは11.0MPa、100
0℃における熱間線膨張率は0.06であった。
して調べたところ、実施例1と同じ硼珪酸ガラス相の存
在が確認された。さらに、加熱・冷却による表面粒子の
剥離の有無を実施例1と同様にして調べたところ、表面
粒子の剥離は見られなかった。
れた溶融シリカ質耐火物は、実施例1と同等の緻密化と
ガラス相の形成がなされており、その結果、実施例1と
同等の物性を有することが分かる。
例2よりも高いのは、硼酸の添加量がさらに増えたこと
に起因すると推測される。
て、燐酸(H3PO4)を5重量%(これは酸化燐(P2
O5)に換算すると、3.62重量%に相当する)添加
・混合した以外は、実施例2と同じ条件で溶融シリカ質
耐火物を得た。
さ比重、常温曲げ強さ、熱間線膨張率を実施例1と同様
にして測定したところ、見掛気孔率は0.7%、かさ比
重は2.18、常温曲げ強さは10.6MPa、100
0℃における熱間線膨張率は0.04であった。
して調べたところ、燐珪酸ガラス相の存在が確認され
た。さらに、加熱・冷却による表面粒子の剥離の有無を
実施例1と同様にして調べたところ、表面粒子の剥離は
見られなかった。
れた溶融シリカ質耐火物は、実施例2と同等の緻密化と
ガラス相の形成がなされており、その結果、実施例1と
同等の物性を有することが分かる。
て、燐酸硼素(BPO4)を3重量%(これは酸化燐
(P2O5)に換算すると、3.00重量%に相当する)
添加・混合した以外は、実施例2と同じ条件で溶融シリ
カ質耐火物を得た。
さ比重、常温曲げ強さ、熱間線膨張率を実施例1と同様
にして測定したところ、見掛気孔率は0.4%、かさ比
重は2.20、常温曲げ強さは12.7MPa、100
0℃における熱間線膨張率は0.04であった。
して調べたところ、硼珪酸ガラス相と燐珪酸ガラス相の
存在が確認された。さらに、加熱・冷却による表面粒子
の剥離の有無を実施例1と同様にして調べたところ、表
面粒子の剥離は見られなかった。
れた溶融シリカ質耐火物は、実施例2と同等の緻密化と
ガラス相の形成がなされており、その結果、実施例1と
同等の物性を有することが分かる。
積%(残部は空気)に下げた以外は、実施例4と同じ条
件で溶融シリカ質耐火物を得た。
さ比重、常温曲げ強さ、熱間線膨張率を実施例1と同様
にして測定したところ、見掛気孔率は2.8%、かさ比
重は2.11、常温曲げ強さは9.5MPa、1000
℃における熱間線膨張率は0.04であった。
して調べたところ、燐珪酸ガラス相の存在が確認され
た。さらに、加熱・冷却による表面粒子の剥離の有無を
実施例1と同様にして調べたところ、表面粒子の剥離は
見られなかった。
れた溶融シリカ質耐火物は、実施例1と同等の緻密化と
ガラス相の形成がなされており、その結果、実施例1と
同等の物性を有することが分かる。
例4の4倍になっているのは、焼成時の水蒸気濃度を5
5容積%に下げたことに起因する。この現象から、焼成
時の水蒸気濃度が、焼結体の緻密化すなわち見掛気孔率
の低下に大きな影響を及ぼしていることが分かる。
表1のようになる。
末100重量%に、実施例1と同じ硼酸(H3BO3)粉
末を実施例1より少ない0.5重量%(これは酸化硼素
(B2O3)に換算すると、0.28重量%に相当する)
添加・混合した以外は、実施例1と同様にして、実施例
1と同じ形状の溶融シリカ質耐火物を得た。
さ比重、常温曲げ強さ、熱間線膨張率を実施例1と同様
にして測定したところ、見掛気孔率は1.1%、かさ比
重は2.17、常温曲げ強さは11.0MPa、100
0℃における熱間線膨張率は0.04であった。
して調べたところ、硼珪酸ガラス相の存在が確認できな
かった。さらに、加熱・冷却による表面粒子の剥離の有
無を実施例1と同様にして調べたところ、表面粒子の剥
離が見られた。
れた溶融シリカ質耐火物は、実施例1と同等に緻密化は
なされているが、ガラス相が存在しないことにより、表
面粒子の剥離が防止できていないことが分かる。これ
は、硼酸粉末の添加量が不足していることに起因すると
推測される。
末100重量%に、実施例1と同じ硼酸(H3BO3)粉
末を実施例1よりはるかに多い30重量%(これは酸化
硼素(B2O3)に換算すると、16.89重量%に相当
する)添加・混合した以外は、実施例1と同様にして、
実施例1と同じ形状の溶融シリカ質耐火物を得た。
さ比重、常温曲げ強さ、熱間線膨張率を実施例1と同様
にして測定したところ、見掛気孔率は1.2%、かさ比
重は2.17、常温曲げ強さは10.9MPa、100
0℃における熱間線膨張率は0.38であった。
して調べたところ、硼珪酸ガラス相の存在が確認され
た。さらに、加熱・冷却による表面粒子の剥離の有無を
実施例1と同様にして調べたところ、表面粒子の剥離は
見られなかった。
れた溶融シリカ質耐火物は、実施例1と同等に緻密化は
なされているが、熱間線膨張率が飛び抜けて高いことに
より、耐熱衝撃性が大幅に低下していることが分かる。
これは、硼酸粉末の添加量が過大であることに起因する
と推測される。
積%に下げた以外は、実施例4と同じ条件で溶融シリカ
質耐火物を得た。
さ比重、常温曲げ強さ、熱間線膨張率を実施例1と同様
にして測定したところ、見掛気孔率は6.0%、かさ比
重は2.05、常温曲げ強さは9.0MPa、1000
℃における熱間線膨張率は0.04であった。
して調べたところ、燐珪酸ガラス相の存在が確認され
た。さらに、加熱・冷却による表面粒子の剥離の有無を
実施例1と同様にして調べたところ、表面粒子の剥離が
見られた。
れた溶融シリカ質耐火物は、ガラス相は存在するが、実
施例1に比べて緻密化の程度が著しく劣っており、その
結果、表面粒子の剥離を防止できていないことが分か
る。
例1の6.7倍程度に高くなっているのは、焼成時の水
蒸気濃度を40容積%に下げたため、組織の緻密化が不
足したことに起因すると推測される。
た以外は、実施例4(および比較例3)と同じ条件で溶
融シリカ質耐火物を得た。
さ比重、常温曲げ強さ、熱間線膨張率を実施例1と同様
にして測定したところ、見掛気孔率は9.2%、かさ比
重は1.96、常温曲げ強さは8.5MPa、1000
℃における熱間線膨張率は0.04であった。
して調べたところ、燐珪酸ガラス相の存在が確認され
た。さらに、加熱・冷却による表面粒子の剥離の有無を
実施例1と同様にして調べたところ、表面粒子の剥離が
見られた。
れた溶融シリカ質耐火物は、ガラス相は存在するが、実
施例1に比べて緻密化の程度が著しく劣っており、その
結果、表面粒子の剥離を防止できていないことが分か
る。
例1の10倍程度に高くなっているのは、焼成時の水蒸
気をゼロとしたため、組織の緻密化がほとんどできなか
ったことに起因すると推測される。
れも添加せずに、実施例1と同じ溶融シリカ粉末100
重量%のみに水を16重量%添加・混練し、スリップを
得た。次に、このスリップを実施例1と同じ石膏型に流
し込んで鋳込み成形した。さらに、得られた成形体を比
較例4と同じ条件で焼成し、実施例1と同じ形状の溶融
シリカ質耐火物を得た。
さ比重、常温曲げ強さ、熱間線膨張率を実施例1と同様
にして測定したところ、見掛気孔率は10.3%、かさ
比重は1.96、常温曲げ強さは8.2MPa、100
0℃における熱間線膨張率は0.04であった。
して調べたところ、ガラス相の存在が確認されなかっ
た。さらに、加熱・冷却による表面粒子の剥離の有無を
実施例1と同様にして調べたところ、表面粒子の剥離が
見られた。
れた溶融シリカ質耐火物は、ガラス相が存在せず、実施
例1に比べて緻密化の程度が著しく劣っており、その結
果、表面粒子の剥離を防止できていないことが分かる。
例1の11.4倍程度に高くなっているのは、硼酸、燐
酸、燐酸硼素のいずれも添加しなかったことと、焼成時
の水蒸気をゼロとしたことに起因すると推測される。
ようになる。
カ質耐火物の製造方法によれば、溶融シリカ質耐火物の
持つ低熱膨張性、すなわち良好な耐熱衝撃性を維持しな
がら、1〜2%程度の見かけ気孔率と耐火物表面の粒子
の剥離防止とを実現できる。
Claims (5)
- 【請求項1】 粒度調整された溶融シリカ粉末100重
量%に、硼素および燐よりなる群から選ばれる少なくと
も一種の元素を含有する化合物をB2O3、またはP2O5
に換算した合計量で0.5重量%〜10重量%の範囲と
なるように添加し、さらに適当な成形助剤を混合して成
形用混合物を生成する第1工程と、 前記成形用混合物を所望形状に成形して成形体を得る第
2工程と、 前記成形体を50容量%以上の水蒸気を含む雰囲気下で
焼成する第3工程とを備えてなることを特徴とする溶融
シリカ質耐火物の製造方法。 - 【請求項2】 硼素および燐よりなる群から選ばれる少
なくとも一種の元素を含有する前記化合物が、前記第3
工程において前記溶融シリカと反応してその溶融シリカ
の粒子の粒界にガラス相を形成する性質を持つ請求項1
に記載の溶融シリカ質耐火物の製造方法。 - 【請求項3】 硼素および燐よりなる群から選ばれる少
なくとも一種の元素を含有する前記化合物が、硼酸、燐
酸および燐酸硼素よりなる群から選ばれる少なくとも一
種である請求項1または2に記載の溶融シリカ質耐火物
の製造方法。 - 【請求項4】 前記第3工程における前記成形体の焼成
温度が、1050〜1250℃の範囲に設定されている
請求項1〜3のいずれかに記載の溶融シリカ質耐火物の
製造方法。 - 【請求項5】 前記第3工程における前記成形体の焼成
時間が、0.5〜20時間の範囲に設定されている請求
項1〜4のいずれかに記載の溶融シリカ質耐火物の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22408997A JPH1160330A (ja) | 1997-08-20 | 1997-08-20 | 溶融シリカ質耐火物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22408997A JPH1160330A (ja) | 1997-08-20 | 1997-08-20 | 溶融シリカ質耐火物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1160330A true JPH1160330A (ja) | 1999-03-02 |
Family
ID=16808386
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22408997A Pending JPH1160330A (ja) | 1997-08-20 | 1997-08-20 | 溶融シリカ質耐火物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1160330A (ja) |
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EP1840101A2 (en) | 2006-03-31 | 2007-10-03 | Nichias Corporation | Fused siliceous refractory and production method thereof |
JP2008156181A (ja) * | 2006-12-26 | 2008-07-10 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | シリカセラミックスの製造方法 |
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CN115340394A (zh) * | 2022-08-10 | 2022-11-15 | 武汉科技大学 | 一种磷酸硼增强石英质材料及其制备方法 |
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- 1997-08-20 JP JP22408997A patent/JPH1160330A/ja active Pending
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