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JPH11347029A - 超音波撮像方法および装置並びにスペーサ - Google Patents

超音波撮像方法および装置並びにスペーサ

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Publication number
JPH11347029A
JPH11347029A JP15880398A JP15880398A JPH11347029A JP H11347029 A JPH11347029 A JP H11347029A JP 15880398 A JP15880398 A JP 15880398A JP 15880398 A JP15880398 A JP 15880398A JP H11347029 A JPH11347029 A JP H11347029A
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JP
Japan
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ultrasonic
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image
echo
wave
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JP15880398A
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Yasuto Takeuchi
康人 竹内
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GE Healthcare Japan Corp
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GE Yokogawa Medical System Ltd
Yokogawa Medical Systems Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検体の浅部についても高調波エコーによる
撮像が可能な超音波撮像方法および装置並びにスペーサ
を実現する。 【解決手段】 被検体に超音波を送波し被検体内での非
線形効果による高調波エコーに基づいて画像を生成する
に当たり、被検体4への超音波の送波を音響伝播媒体か
らなるスペーサ30を介して行ない、非線形効果が発現
する領域が体表付近から始まるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波撮像方法お
よび装置並びにスペーサに関し、特に、被検体内での超
音波伝播の非線形効果を利用して撮像を行なう超音波撮
像方法および装置、並びに、超音波伝播の非線形効果を
利用して撮像を行なうためのスペーサに関する。
【0002】
【従来の技術】被検体内での超音波伝播の非線形効果を
利用して撮像を行なう超音波撮像装置は、パラメトリッ
クソーナー(parametric sonar)として知られている。こ
の装置では、被検体内に超音波を送波したときに、体内
での超音波伝播の非線形性により発生する2次や3次の
高調波エコーを利用して撮像を行なう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】非線形効果は、超音波
ビームの瞬時音圧が上昇するいわゆる焦点以降の領域で
発現するので、一般に焦点よりも手前になる被検体の体
表およりそれに近い浅部については高調波エコーによる
撮像ができないという問題があった。
【0004】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は、被検体の浅部についても高
調波エコーによる撮像が可能な超音波撮像方法および装
置並びにスペーサを実現することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】(1)上記の課題を解決
する第1の発明は、被検体に超音波を送波し前記被検体
内での非線形効果による高調波エコーに基づいて画像を
生成する超音波撮像方法であって、前記被検体への超音
波の送波を音響伝播媒体からなるスペーサを介して行な
う、ことを特徴とする超音波撮像方法である。
【0006】(2)上記の課題を解決する第2の発明
は、被検体に超音波を送波し前記被検体内での非線形効
果による高調波エコーに基づいて画像を生成する超音波
撮像装置であって、前記被検体への超音波の送波経路に
設けられた音響伝播媒体からなるスペーサ、を具備する
ことを特徴とする超音波撮像装置である。
【0007】第1の発明または第2の発明において、前
記音響伝播媒体はB/A値が水より大きいものであるこ
とが、非線形効果の発現が容易な点で好ましい。この場
合、前記音響伝播媒体は油であることが、適切なB/A
値を得る点で好ましい。
【0008】また、第1の発明または第2の発明におい
て、前記超音波は長距離集束ビームであることが、非線
形効果の発現距離が長い点で好ましい。この場合、長距
離集束ビームはベッセルビームであることが、ビームの
長距離集束性が良い点で好ましい。
【0009】(3)上記の課題を解決する第3の発明
は、中空の筒部材と、前記筒部材の両端の開口部を封止
する音響学的に実質的に透明な膜部材と、前記筒部材お
よび前記膜部材で囲まれた空間を満たすB/A値が水の
B/A値より大きい音響伝播媒体と、を具備することを
特徴とするスペーサである。
【0010】第3の発明において、前記音響伝播媒体は
油であることが、適切なB/A値を得る点で好ましい。 (作用)本発明では、音響伝播媒体からなるスペーサに
より被検体の体表までの送波超音波の伝播距離を長く
し、非線形効果を被検体の浅部で発現可能にする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態
に限定されるものではない。図1に、超音波撮像装置の
ブロック(block) 図を示す。本装置は、本発明の実施の
形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装
置に関する実施の形態の一例が示される。本装置の動作
によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例が示
される。
【0012】本装置の構成を説明する。図1に示すよう
に、本装置は、超音波プローブ(probe) 2を有する。超
音波プローブ2は、スタンドオフ(stand-off) 30を介
して被検体4に当接されて超音波の送受波に使用され
る。スタンドオフ30は、本発明におけるスペーサの実
施の形態の一例である。
【0013】超音波プローブ2は、図示しない超音波ト
ランスデューサアレイ(transducerarray)を有する。超
音波トランスデューサアレイは、複数の超音波トランス
デューサをアレイ状に配列して構成される。個々の超音
波トランスデューサは、例えばPZT(チタン(Ti)酸ジ
ルコン(Zr)酸鉛)セラミックス(ceramics)等の圧電材料
で構成される スタンドオフ30は、例えば、プラスチック(plastics)
等の音響学的に実質的に透明な物質からなる容器に、油
等の音響伝播媒体を満たして構成される。これによっ
て、スタンドオフ30は、超音波プローブ2を被検体4
の表面に所定の距離を隔てて対面させるとともに、両者
を音響伝播媒体により音響的に結合するものとなる。
【0014】具体的には、スタンドオフ30は、例えば
図2に示すように、断面形状が概ね長方形の中空の筒体
302と、その両端の開口部を封止する音響学的に実質
的に透明で伸縮可能な膜304,306とからなる容器
に、油を充満させたものとして構成される。筒体302
の内壁に吸音材を設けることが、内壁からの超音波の反
射を無くす点で好ましい。
【0015】筒体302は、本発明における筒部材の実
施の形態の一例である。膜304,306は、本発明に
おける膜部材の実施の形態の一例である。油は本発明に
おける音響伝播媒体の実施の形態の一例である。
【0016】このようなスタンドオフ30を、膜30
4,306のうちの一方を被検体4に当接し、他方に超
音波プローブ2を当接して使用する。膜304,306
が伸縮可能でかつ内側が油で満ちていることにより、ス
タンドオフ30の両当接部は被検体4および超音波プロ
ーブ2の表面にそれぞれよく馴染むものとなる。
【0017】音響伝播媒体として油を用いることは、音
響伝播の非線形性を表すいわゆるB/A(B over A)の値
が油は水の2倍以上であり、非線形効果が発現し易い点
で好ましい。勿論、非線形効果がやや弱いことを許容す
るなら、油の代わりに水を用いることも可能である。
【0018】超音波プローブ2は送受信部6に接続され
ている。送受信部6は、超音波プローブ2に駆動信号を
与えて、超音波を送波させるようになっている。送受信
部6は、また、超音波プローブ2が受波したエコーを受
信するようになっている。
【0019】送受信部6のブロック図を図3に示す。同
図において、送波タイミング(timing)発生回路602
は、送波タイミング信号を周期的に発生して送波ビーム
フォーマ(beamformer)604に入力するようになってい
る。
【0020】送波ビームフォーマ604は、送波タイミ
ング信号に基づいて、送波ビームフォーミング(beamfor
ming) 信号、すなわち、超音波トランスデューサアレイ
中の送波アパーチャ(aperture)を構成する複数の超音波
トランスデューサを時間差をもって駆動する複数の駆動
信号を発生し、送受切換回路606に入力するようにな
っている。
【0021】送受切換回路606は、複数の駆動信号を
超音波トランスデューサアレイに入力するようになって
いる。アレイ中の送波アパーチャを構成する複数の超音
波トランスデューサは、複数の駆動信号の時間差に対応
した位相差を持つ複数の超音波をぞれぞれ発生する。そ
れら超音波の波面合成により超音波ビームが形成され
る。
【0022】超音波ビームの送波は、送波タイミング発
生回路602が発生する送波タイミング信号により、所
定の時間間隔で繰り返し行われる。超音波ビームの方位
は送波ビームフォーマ604によって順次変更される。
それによって、被検体4の内部が、超音波ビームが形成
する音線によって走査される。すなわち被検体4の内部
が音線順次で走査される。
【0023】送受切換回路606は、超音波トランスデ
ューサアレイ中の受波アパーチャが受波した複数のエコ
ー信号を受波ビームフォーマ610に入力するようにな
っている。受波ビームフォーマ610は、複数の受波エ
コーに時間差を付与して位相を調整し次いでそれら加算
して、音線に沿ったエコー受信信号の形成、すなわち、
受波のビームフォーミングを行なうようになっている。
受波ビームフォーマ610により、受波の音線も送波に
合わせて走査される。以上の、送波タイミング発生回路
602乃至受波ビームフォーマ610は、後述の制御部
18によって制御されるようになっている。
【0024】このような構成の送受信部6は、例えば図
4に示すような走査を行なう。すなわち、放射点200
からz方向に延びる超音波ビーム(音線)202が扇状
の2次元領域206をθ方向に走査し、いわゆるセクタ
スキャン(sector scan) を行なう。
【0025】送波および受波のアパーチャを超音波トラ
ンスデューサアレイの一部を用いて形成するときは、こ
のアパーチャをアレイに沿って順次移動させることによ
り、例えば図5に示すような走査を行なうことができ
る。すなわち、放射点200からz方向に発する音線2
02を直線状の軌跡204に沿って平行移動させること
により、矩形状の2次元領域206がx方向に走査さ
れ、いわゆるリニアスキャン(linear scan) が行なわれ
る。
【0026】なお、超音波トランスデューサアレイが、
超音波送波方向に張り出した円弧に沿って形成されたい
わゆるコンベックスアレイ(convex array)である場合
は、リニアスキャンと同様な音線操作により、例えば図
6に示すように、音線202の放射点200を円弧状の
軌跡204に沿って移動させ、扇面状の2次元領域20
6をθ方向に走査して、いわゆるコンベクススキャンが
行なえるのは言うまでもない。
【0027】送受信部6はBモード(mode)処理部10に
接続され、各音線毎のエコー受信信号をBモード処理部
10に入力するようになっている。Bモード処理部10
はBモード画像データ(data)を形成するものである。B
モード処理部10は、例えば図7に示すように基本波処
理部110および高調波処理部130を備えている。基
本波処理部110および高調波処理部130には、受波
ビームフォーマ610の出力信号が共通に入力される。
【0028】基本波処理部110は、基本波エコーすな
わち送波超音波の中心周波数と同じ周波数を持つエコー
受信信号を通過させる図示しないフィルタ(filter)を有
する。高調波処理部130は、高調波エコーすなわち送
波超音波の中心周波数の例えば2次の高調波(第2高調
波)と同じ周波数を持つエコー受信信号を通過させる図
示しないフィルタを有する。なお、このフィルタは、必
要に応じて3次またはそれ以上の高次の高調波に対応す
るものとしても良いのは勿論である。
【0029】基本波処理部110は、入力信号につき、
基本波エコーを対数増幅および包絡線検波することによ
り、音線上の個々の反射点でのエコーの強度を表す信号
すなわちAスコープ(scope) 信号を得て、このAスコー
プ信号の各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモー
ド画像データを形成するようになっている。すなわち基
本波処理部110は基本波エコーに基づくBモード画像
データを生成する。
【0030】高調波処理部130は、入力信号につき、
第2高調波エコーを対数増幅および包絡線検波すること
により、音線上の個々の反射点でのエコーの強度を表す
信号すなわちAスコープ信号を得て、このAスコープ信
号の各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモード画
像データを形成するようになっている。すなわち高調波
処理部130は、第2高調波エコーに基づくBモード画
像データをそれぞれ生成する。
【0031】Bモード処理部10は画像処理部14に接
続されている。画像処理部14は、Bモード処理部10
から入力される複数系統のBモード画像データに基づい
て複数のBモード画像をそれぞれ生成するものである。
【0032】画像処理部14は、図8に示すように、バ
ス(bus) 140によって接続された音線データメモリ(d
ata memory) 142、ディジタル・スキャンコンバータ
(digital scan converter)144、画像メモリ146お
よび画像処理プロセッサ(processor) 148を備えてい
る。
【0033】Bモード処理部10から音線毎に入力され
た基本波エコーおよび第2高調波エコーによるBモード
画像データは、音線データメモリ142にそれぞれ記憶
される。音線データメモリ142内にはそれぞれの音線
データ空間が形成される。
【0034】ディジタル・スキャンコンバータ144
は、走査変換により音線データ空間のデータを物理空間
のデータに変換するものである。ディジタル・スキャン
コンバータ144によって変換された画像データは、画
像メモリ146に記憶される。すなわち、画像メモリ1
46は物理空間の画像データを記憶する。画像処理プロ
セッサ148は、音線データメモリ142および画像メ
モリ146のデータについてそれぞれ所定のデータ処理
を施す。
【0035】画像処理部14には表示部16が接続され
ている。表示部16は、画像処理部14から画像信号が
与えられ、それに基づいて画像を表示するようになって
いる。表示部16は、例えばカラー(color)画像が表示
可能なグラフィックディスプレー(graphic display) 等
によって構成される。
【0036】以上の送受信部6、Bモード処理部10、
画像処理部14および表示部16は制御部18に接続さ
れている。制御部18は、それら各部に制御信号を与え
てその動作を制御するようになっている。また、制御部
18には、被制御の各部から各種の報知信号が入力され
るようになっている。制御部18による制御の下で、超
音波撮像が遂行される。
【0037】制御部18には操作部20が接続されてい
る。操作部20は操作者によって操作され、制御部18
に所望の指令や情報を入力するようになっている。操作
部20は、例えばキーボード(keyboard)やその他の操作
具を備えた操作パネル(panel) で構成される。
【0038】本装置の動作を説明する。操作者は、超音
波プローブ2をスタンドオフ30を介して被検体4の所
望の個所に当接し、操作部20を操作して撮像を行う。
撮像は、制御部18による制御の下で遂行される。
【0039】撮像は、例えば図4に示したようなセクタ
スキャンにより、各音線ごとに超音波ビームを送波し、
そのエコーを受信し、エコー受信信号に基づいてBモー
ド画像を生成する。勿論、図5および図6に示したリニ
アスキャンおよびコンベックススキャンを行なうように
しても良い。
【0040】このようなスキャンが行なわれる音場にお
いて、被検体4の体表は、スタンドオフ30を介在させ
た分だけ超音波プローブ2の超音波放射面から遠い距離
にある。これにより、被検体4の体表に到る非線形性を
有する超音波伝播距離が長くなり、超音波ビームの焦点
領域、すなわち、非線形効果が発現する領域を体表付近
から始まるようにすることができ、被検体4の極く浅部
からも高調波エコーを得ることができる。
【0041】各音線のエコー受信信号に基づき、Bモー
ド処理部10でBモード画像データが形成される。Bモ
ード画像データは、基本波エコーに基づくものと第2高
調波エコーに基づくものとがそれぞれ形成され、画像処
理部14の音線データメモリ142に記憶される。
【0042】画像処理プロセッサ148は、音線データ
メモリ142の複数系統のBモード画像データを、ディ
ジタル・スキャンコンバータ144で走査変換してそれ
ぞれ画像メモリ146に書き込む。
【0043】操作者は、操作部20を操作して、これら
のBモード画像を表示部16に表示させる。そして、表
示された基本波エコー像と第2高調波エコー像とを観察
し、両画像の比較対照等により診断を行なう。第2高調
波エコー像は、被検体の体表から始まる画像を含むの
で、基本波エコー像との比較対照を行なうのに都合が良
い。
【0044】このようにスペーサ30を用いるとき、撮
像対象のレンジ(range) が遠くなるので、送波の超音波
ビームとしては、長距離集束ビームを利用するのが好ま
しい。長距離集束ビームの典型例はベッセルビーム(Bes
sel beam) である。
【0045】ベッセルビームについては、例えば文献:
山田,多勢,中村,「コニカル形の放射面を用いたベッ
セルビームトランスジューサ」日本音響学会誌48巻1
2号,pp.871−875,1992に記載されてい
る。
【0046】それによれば、回折の全く生じない波動ビ
ームが理論的に存在し、この波動ビームは、0次の第1
種ベッセル関数J0(J0関数)で与えられる断面内分
布を持ち、中心軸上のどの位置においても同じ分布を保
ったまま伝搬する。このような無回折ビームは、本来開
口が無限の場合にのみ存在するものであるが、有限の開
口面から放射された場合でも、ある程度長い距離範囲に
わたり広がらずに伝搬する。
【0047】ベッセル形の超音波ビームを放射するトラ
ンスデューサ(transducer)としては、圧電セラミック(c
eramic) 振動子をJ0関数の形に対応させて分極した
後、これを一様な電圧で駆動するようにしたものや、一
様に分極された振動子に設けた電極を同心リング状に分
割し、各電極への印加電圧をJ0関数の形に応じて変え
るようにしたものがある。
【0048】ベッセル形の超音波ビームは、中心軸上あ
る程度長い距離範囲にわたってビームが集束したものす
なわち長距離集束ビームとなり、かつその範囲において
瞬時音圧の変化が小さくなる。
【0049】図9に、ベッセルビーム送波用の超音波ト
ランスデューサアレイの模式的構成を示す。同図に示す
ように、超音波トランスデューサアレイ20は、複数の
超音波トランスデューサ22の2次元アレイによって構
成される。
【0050】送受信部6による超音波トランスデューサ
アレイ20の駆動は、ベッセル形の超音波ビーム(超音
波ベッセルビーム)を形成するように行われる。具体的
には、例えば図10に示すように、超音波トランスデュ
ーサアレイ20の開口における相対的な振動速度分布が
0次の第1種ベッセル関数J0(J0関数)の形になる
ように、個々の超音波トランスデューサ22を駆動する
ことによって行われる。なお、図10のグラフの横軸
は、開口半径によって正規化された距離を表す。
【0051】これによって、図11に示すように、ビー
ムの中心軸に垂直な断面内の瞬時音圧分布がJ0関数で
与えられる超音波ビーム、すなわち超音波ベッセルビー
ムが得られる。超音波ベッセルビームは、本発明におけ
る長距離集束ビームの実施の形態の一例である。このビ
ームは、同図に示すように、半値幅が開口の10分の1
程度の集束ビームとなる。なお、図11の音圧と距離は
いずれも正規化された値である。
【0052】このような瞬時音圧分布が、ビームの中心
軸上ある程度長い距離範囲にわたって保たれる。すなわ
ち、ビームの集束状態が長い距離範囲にわたって維持さ
れ、長距離集束ビームが形成される。また、このとき、
ビームの中心軸上の瞬時音圧は、図12に示すように、
長い距離範囲にわたって変化量の少ないものとなる。な
お、図12における音圧と距離はいずれも正規化値によ
って表す。
【0053】超音波の送波が、ベッセルビームすなわち
長距離集束ビームによって行われることにより、被検音
場の深さ方向の広い範囲で瞬時音圧がほぼ同じになり、
スペーサ30の介在により遠くなった被検体4でも適切
に撮像することができる。また、ビームの集束が超音波
トランスデューサアレイ20の直近から始まるので、被
検体4の浅部から非線形効果を発現させることができ
る。したがって、撮像の深度によってはスペーサ30を
省略することも可能となる。
【0054】長距離集束ビームの送波部としては、上記
のような2次元アレイが、超音波トランスデューサの駆
動条件を個々に調節でき、精度の良いベッセルビームを
得る点で好ましいが、それに限るものではなく、他の送
波手段を利用するようにしても良い。
【0055】図13に、長距離集束ビームの送波部の他
の形態例を示す。図13の(a)は、リング(ring)状の
超音波トランスデューサ221を用いた例である。同図
では、超音波トランスデューサ221を断面図によって
示す。これを駆動したとき、超音波トランスデューサ2
21から、同図に同心円ないし円弧で示すように、ドー
ナッツ状の波面を成す超音波が送波され、それら波面の
合成により、中心軸230に沿って、瞬時音圧の変化が
少ない集束ビームすなわち長距離集束ビームが形成され
る。
【0056】図13の(b)は、回転双曲線型の放射面
を有する超音波トランスデューサ222を用いたもので
ある。超音波トランスデューサ222は断面図で示す。
これを駆動したとき、放射面の各部からそれぞれ法線方
向に放射される超音波の波面合成によって、瞬時音圧の
変化が少ない集束ビームが中心軸230に沿って形成さ
れる。
【0057】図13の(c)は、上記の構成を簡略化し
たものであり、コーン(corn)状凹面を有する超音波トラ
ンスデューサ223を用いている。超音波トランスデュ
ーサ223は断面図によって示す。この場合も、(b)
に示したものと同様に長距離集束ビームが送波される。
ただし、超音波送波面の形状を簡略化した分だけビーム
の性状は劣るが、用途によってはこれで十分である。
【0058】以上、Bモード撮像の例について説明した
が、超音波撮像はそれに限るものではなく、エコーのド
ップラシフト(Doppler shift) を利用して動態画像を撮
像するものであっても良いのはいうまでもない。
【0059】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、被検体の浅部についても高調波エコーによる撮像
が可能な超音波撮像方法および装置並びにスペーサを実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図
である。
【図2】本発明の実施の形態の一例の装置におけるスタ
ンドオフの模式的構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例の装置における送受
信部のブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態の一例の装置による音線走
査の概念図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例の装置による音線走
査の概念図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例の装置による音線走
査の概念図である。
【図7】本発明の実施の形態の一例の装置におけるBモ
ード処理部のブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態の一例の装置における画像
処理部のブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態の一例の装置における超音
波トランスデューサアレイの模式的構成を示す図であ
る。
【図10】本発明の実施の形態の一例の装置における超
音波トランスデューサアレイの動作状態を示す波形図で
ある。
【図11】本発明の実施の形態の一例の装置が利用する
ベッセルビームの中心軸に垂直な方向の音圧分布を示す
グラフである。
【図12】本発明の実施の形態の一例の装置が利用する
ベッセルビームの中心軸方向の音圧分布を示すグラフで
ある。
【図13】本発明の実施の形態の一例の装置における超
音波トランスデューサの模式的構成を示す図である。
【符号の説明】
2 超音波プローブ 30 スタンドオフ 4 被検体 6 送受信部 10 Bモード処理部 14 画像処理部 16 表示部 18 制御部 20 操作部 602 送波タイミング発生回路 604 送波ビームフォーマ 606 送受切換回路 610 受波ビームフォーマ 110 基本波処理部 130 高調波処理部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体に超音波を送波し前記被検体内で
    の非線形効果による高調波エコーに基づいて画像を生成
    する超音波撮像方法であって、 前記被検体への超音波の送波を音響伝播媒体からなるス
    ペーサを介して行なう、ことを特徴とする超音波撮像方
    法。
  2. 【請求項2】 被検体に超音波を送波し前記被検体内で
    の非線形効果による高調波エコーに基づいて画像を生成
    する超音波撮像装置であって、 前記被検体への超音波の送波経路に設けられた音響伝播
    媒体からなるスペーサ、を具備することを特徴とする超
    音波撮像装置。
  3. 【請求項3】 中空の筒部材と、 前記筒部材の両端の開口部を封止する音響学的に実質的
    に透明な膜部材と、 前記筒部材および前記膜部材で囲まれた空間を満たすB
    /A値が水のB/A値より大きい音響伝播媒体と、を具
    備することを特徴とするスペーサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008049063A (ja) * 2006-08-28 2008-03-06 Osaka Prefecture Univ 光トモグラフィ装置用プローブ

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