JPH11171562A - 製瓶用プランジャおよびその製造方法 - Google Patents
製瓶用プランジャおよびその製造方法Info
- Publication number
- JPH11171562A JPH11171562A JP34743097A JP34743097A JPH11171562A JP H11171562 A JPH11171562 A JP H11171562A JP 34743097 A JP34743097 A JP 34743097A JP 34743097 A JP34743097 A JP 34743097A JP H11171562 A JPH11171562 A JP H11171562A
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- JP
- Japan
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- plunger
- bottle
- coating
- making
- carbide
- Prior art date
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- Pending
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B9/00—Blowing glass; Production of hollow glass articles
- C03B9/13—Blowing glass; Production of hollow glass articles in gob feeder machines
- C03B9/193—Blowing glass; Production of hollow glass articles in gob feeder machines in "press-and-blow" machines
- C03B9/1932—Details of such machines, e.g. plungers or plunger mechanisms for the press-and-blow machine, cooling of plungers
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐摩耗性,耐久性に優れ、表面にピンホール
の発生のない製瓶用プランジャを提供する。 【解決手段】 鋼材あるいは鋳鉄からなる製瓶用プラン
ジャ1のチップ部2の表面に、超高速フレーム溶射法
(HP/HVOF法)によりタングステンカーバイトも
しくはクロームカーバイトを主成分とする超硬合金の耐
摩耗性溶射皮膜3を形成する。耐摩耗性溶射皮膜3は、
膜厚0.10〜0.50mm、気孔率0.1%以下、ビ
ッカース硬さ1,000〜1,450とする。
の発生のない製瓶用プランジャを提供する。 【解決手段】 鋼材あるいは鋳鉄からなる製瓶用プラン
ジャ1のチップ部2の表面に、超高速フレーム溶射法
(HP/HVOF法)によりタングステンカーバイトも
しくはクロームカーバイトを主成分とする超硬合金の耐
摩耗性溶射皮膜3を形成する。耐摩耗性溶射皮膜3は、
膜厚0.10〜0.50mm、気孔率0.1%以下、ビ
ッカース硬さ1,000〜1,450とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製瓶工程で使用さ
れるプランジャおよびその製造方法に関し、さらに詳し
くは、製瓶工程でガラスのゴブを金型に入れる際に使用
されるプランジャとそのプランジャに表面硬化処理を施
す方法に関する。
れるプランジャおよびその製造方法に関し、さらに詳し
くは、製瓶工程でガラスのゴブを金型に入れる際に使用
されるプランジャとそのプランジャに表面硬化処理を施
す方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、製瓶時にガラスのゴブと
直接触れることになるプランジャは、そのゴブ温度が8
00〜950℃程度と高温になっていることから、一般
に鋼材あるいは鋳鉄にて製作されるプランジャを繰り返
し使用するとその表面に酸化皮膜が形成され、この酸化
皮膜が製品の中に混入して成形不良を招くおそれがあ
る。
直接触れることになるプランジャは、そのゴブ温度が8
00〜950℃程度と高温になっていることから、一般
に鋼材あるいは鋳鉄にて製作されるプランジャを繰り返
し使用するとその表面に酸化皮膜が形成され、この酸化
皮膜が製品の中に混入して成形不良を招くおそれがあ
る。
【0003】このようなことから、従来は、プランジャ
そのものの耐摩耗性を高めつつ上記の酸化皮膜の発生を
防止するために、プランジャ表面にプラズマ溶射法、フ
レーム溶射法等により自溶合金やセラミック、例えばニ
ッケル合金やコバルト合金を溶射して耐摩耗性溶射皮膜
を形成するとともに溶融処理(フュージング)した上、
機械加工あるいは研磨加工等の後加工を施すようにして
いる。
そのものの耐摩耗性を高めつつ上記の酸化皮膜の発生を
防止するために、プランジャ表面にプラズマ溶射法、フ
レーム溶射法等により自溶合金やセラミック、例えばニ
ッケル合金やコバルト合金を溶射して耐摩耗性溶射皮膜
を形成するとともに溶融処理(フュージング)した上、
機械加工あるいは研磨加工等の後加工を施すようにして
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、プランジャ表
面にピンホールが存在していると、その影響を受けてゴ
ブが瓶へと成長する過程で製品たる瓶内部にピンホール
が発生してしまう傾向がある。そして、上記のような従
来の表面硬化処理方法の場合、耐摩耗性溶射皮膜自体の
面粗度、平滑性および気孔率におのずと限界があること
もさることながら、フュージングに伴うピンホールの発
生を完全には回避することができず、このピンホールの
発生を原因として製瓶品質の向上に限界がある。
面にピンホールが存在していると、その影響を受けてゴ
ブが瓶へと成長する過程で製品たる瓶内部にピンホール
が発生してしまう傾向がある。そして、上記のような従
来の表面硬化処理方法の場合、耐摩耗性溶射皮膜自体の
面粗度、平滑性および気孔率におのずと限界があること
もさることながら、フュージングに伴うピンホールの発
生を完全には回避することができず、このピンホールの
発生を原因として製瓶品質の向上に限界がある。
【0005】また、上記のように溶射後の機械加工や研
磨加工等の二次加工(後加工)が必須であるために、加
工工数の増加によりコストアップを招く結果となって好
ましくない。
磨加工等の二次加工(後加工)が必須であるために、加
工工数の増加によりコストアップを招く結果となって好
ましくない。
【0006】その上、溶射による耐摩耗性溶射皮膜の特
殊性として溶射粒子の引っ張り応力によって溶射皮膜が
形成されるために、その溶射皮膜の密着強度や硬度が低
く割れの原因となりやすい。特に、高硬度の耐摩耗性金
属を厚く溶射すると、冷却時に耐摩耗性皮膜に割れが発
生し、したがって長期使用に耐え得るような必要十分な
厚さの耐摩耗性皮膜を形成することは困難であった。
殊性として溶射粒子の引っ張り応力によって溶射皮膜が
形成されるために、その溶射皮膜の密着強度や硬度が低
く割れの原因となりやすい。特に、高硬度の耐摩耗性金
属を厚く溶射すると、冷却時に耐摩耗性皮膜に割れが発
生し、したがって長期使用に耐え得るような必要十分な
厚さの耐摩耗性皮膜を形成することは困難であった。
【0007】本発明は以上のような課題に着目してなさ
れたもので、耐摩耗性溶射皮膜におけるピンホールの発
生防止と加工工数の低減を図りながら、とりわけ高硬度
で母材密着力に優れ且つ長期使用に十分に耐え得る耐摩
耗性溶射皮膜を備えた製瓶用プランジャとその製造方法
を提供しようとするものである。
れたもので、耐摩耗性溶射皮膜におけるピンホールの発
生防止と加工工数の低減を図りながら、とりわけ高硬度
で母材密着力に優れ且つ長期使用に十分に耐え得る耐摩
耗性溶射皮膜を備えた製瓶用プランジャとその製造方法
を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、鋼材あるいは鋳鉄からなる母材の表面に、超高速フ
レーム溶射法により、膜厚0.10〜0.50mm、気
孔率0.1%以下、ビッカース硬さ1,000〜1,4
50の超硬合金の機能皮膜を形成したことを特徴として
いる。
は、鋼材あるいは鋳鉄からなる母材の表面に、超高速フ
レーム溶射法により、膜厚0.10〜0.50mm、気
孔率0.1%以下、ビッカース硬さ1,000〜1,4
50の超硬合金の機能皮膜を形成したことを特徴として
いる。
【0009】ここで、上記の超高速フレーム溶射法はH
P/HVOF法(High Pressure/Hig
h Velocity Oxy−Fuel)と呼ばれる
もので、高燃焼圧力、高ガス流速、高速粒子の溶射法で
あるところに特徴がある。すなわち、HP/HVOF法
は、基本的には既存のHVOF法の改良型ではあるが、
HVOF法と異なる点は、HVOF法では気体燃料(プ
ロパン、プロピレンあるいは水素)を使用しているのに
対して、HP/HVOF法では液体燃料である灯油(も
しくはケロシン)を使用することで、連続高燃焼圧(1
20〜130psi程度でHVOF法の約1.5倍)を
可能とし、その圧力で2,100m/sec程度という
フレーム速度を達成して、高粒子速度で溶射材料を溶射
するものである。
P/HVOF法(High Pressure/Hig
h Velocity Oxy−Fuel)と呼ばれる
もので、高燃焼圧力、高ガス流速、高速粒子の溶射法で
あるところに特徴がある。すなわち、HP/HVOF法
は、基本的には既存のHVOF法の改良型ではあるが、
HVOF法と異なる点は、HVOF法では気体燃料(プ
ロパン、プロピレンあるいは水素)を使用しているのに
対して、HP/HVOF法では液体燃料である灯油(も
しくはケロシン)を使用することで、連続高燃焼圧(1
20〜130psi程度でHVOF法の約1.5倍)を
可能とし、その圧力で2,100m/sec程度という
フレーム速度を達成して、高粒子速度で溶射材料を溶射
するものである。
【0010】そして、請求項2に記載の発明では、上記
の超硬合金の機能皮膜となる粉末成分として、主成分で
あるタングステンカーバイトもしくはクロームカーバイ
トに、コバルト、ニッケル、自溶合金、クロームおよび
ニッケルクロームのうちのいずれかを単独もしくは二種
以上含むものを使用することを特徴としている。
の超硬合金の機能皮膜となる粉末成分として、主成分で
あるタングステンカーバイトもしくはクロームカーバイ
トに、コバルト、ニッケル、自溶合金、クロームおよび
ニッケルクロームのうちのいずれかを単独もしくは二種
以上含むものを使用することを特徴としている。
【0011】また、請求項3に記載の発明では、請求項
1または2に記載の製瓶用プランジャを製造するにあた
り、上記の超高速フレーム溶射処理に先立って、母材表
面にブラスト処理もしくは洗浄処理を施すことを特徴と
している。ただし、母材に対する耐摩耗性溶射皮膜の一
層の密着力向上の上では、母材表面の粗面化を目的とし
た上記ブラスト処理の方が有利である。
1または2に記載の製瓶用プランジャを製造するにあた
り、上記の超高速フレーム溶射処理に先立って、母材表
面にブラスト処理もしくは洗浄処理を施すことを特徴と
している。ただし、母材に対する耐摩耗性溶射皮膜の一
層の密着力向上の上では、母材表面の粗面化を目的とし
た上記ブラスト処理の方が有利である。
【0012】したがって、各請求項に記載の発明では、
母材たるプランジャの表面に形成された耐摩耗性溶射皮
膜である機能皮膜は、ビッカース硬さで1,000〜
1,450という高硬度を有していることもさることな
がら、気孔率が0.1%以下であって、空孔のほとんど
ない緻密な組織であることから、溶射したままでもその
皮膜表面は優れた平滑性を有しており、フュージング処
理は一切不要となるほか、機械加工や研磨加工等の二次
加工も必ずしも必要としない。そのために、耐摩耗性溶
射皮膜におけるピンホールの発生は皆無となる。
母材たるプランジャの表面に形成された耐摩耗性溶射皮
膜である機能皮膜は、ビッカース硬さで1,000〜
1,450という高硬度を有していることもさることな
がら、気孔率が0.1%以下であって、空孔のほとんど
ない緻密な組織であることから、溶射したままでもその
皮膜表面は優れた平滑性を有しており、フュージング処
理は一切不要となるほか、機械加工や研磨加工等の二次
加工も必ずしも必要としない。そのために、耐摩耗性溶
射皮膜におけるピンホールの発生は皆無となる。
【0013】また、HP/HVOF法で溶射された機能
皮膜の母材に対する密着強度は10,000psi(7
00kg/cm2)以上ときわめて優れており、膜厚が
0.10〜0.50mm程度であればその剥離や割れの
発生は全くない。これはHP/HVOF法の溶射皮膜が
圧縮応力で形成されるいわゆる圧縮皮膜(従来のHVO
F法等による溶射皮膜は引張皮膜)であるためで、その
皮膜自体の残留応力も圧縮応力であるが故に、母材金属
に対して皮膜が高張力と高密着性とを有していることに
なる。
皮膜の母材に対する密着強度は10,000psi(7
00kg/cm2)以上ときわめて優れており、膜厚が
0.10〜0.50mm程度であればその剥離や割れの
発生は全くない。これはHP/HVOF法の溶射皮膜が
圧縮応力で形成されるいわゆる圧縮皮膜(従来のHVO
F法等による溶射皮膜は引張皮膜)であるためで、その
皮膜自体の残留応力も圧縮応力であるが故に、母材金属
に対して皮膜が高張力と高密着性とを有していることに
なる。
【0014】
【発明の効果】本発明の製瓶用プランジャによれば、鋼
材あるいは鋳鉄からなる母材の表面に、超高速フレーム
溶射法により、膜厚0.10〜0.50mm、気孔率
0.1%以下、ビッカース硬さ1,000〜1,450
の超硬合金の機能皮膜を形成したものであり、また、本
発明の製造方法によれば、上記の超高速フレーム溶射処
理に先立ってブラスト処理もしくは洗浄処理を施したも
のであるから、HP/HVOF法の特殊性としてその機
能皮膜の平滑性が高いために従来のようなフュージング
処理が一切不要で、また機械加工や研磨加工等の二次加
工が必ずしも必要でなくなり、加工工数の低減によりコ
ストダウンを図ることができるとともに、その耐摩耗性
溶射皮膜におけるピンホールの発生をなくして製瓶品質
の向上に貢献できる効果がある。しかも、膜厚の小さな
機能皮膜をもって高硬度と高密着力とを付与することが
できることから、機能皮膜自体ひいてはプランジャの摩
耗に対する耐久性が大幅に向上する効果がある。
材あるいは鋳鉄からなる母材の表面に、超高速フレーム
溶射法により、膜厚0.10〜0.50mm、気孔率
0.1%以下、ビッカース硬さ1,000〜1,450
の超硬合金の機能皮膜を形成したものであり、また、本
発明の製造方法によれば、上記の超高速フレーム溶射処
理に先立ってブラスト処理もしくは洗浄処理を施したも
のであるから、HP/HVOF法の特殊性としてその機
能皮膜の平滑性が高いために従来のようなフュージング
処理が一切不要で、また機械加工や研磨加工等の二次加
工が必ずしも必要でなくなり、加工工数の低減によりコ
ストダウンを図ることができるとともに、その耐摩耗性
溶射皮膜におけるピンホールの発生をなくして製瓶品質
の向上に貢献できる効果がある。しかも、膜厚の小さな
機能皮膜をもって高硬度と高密着力とを付与することが
できることから、機能皮膜自体ひいてはプランジャの摩
耗に対する耐久性が大幅に向上する効果がある。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る製瓶用プラン
ジャの代表的な実施の形態を示す図で、製瓶すべき瓶形
状に応じた形状をなす鋼材あるいは鋳鉄製のプランジャ
1のうち略球状のチップ部2の表面には、表面硬化処理
として、前述した超高速フレーム溶射法(HP/HVO
F法)により機能皮膜として所定厚みの耐摩耗性溶射皮
膜3が形成されている。この耐摩耗性溶射皮膜3の膜厚
は0.10mm〜0.50mm程度の範囲に設定されて
いる。
ジャの代表的な実施の形態を示す図で、製瓶すべき瓶形
状に応じた形状をなす鋼材あるいは鋳鉄製のプランジャ
1のうち略球状のチップ部2の表面には、表面硬化処理
として、前述した超高速フレーム溶射法(HP/HVO
F法)により機能皮膜として所定厚みの耐摩耗性溶射皮
膜3が形成されている。この耐摩耗性溶射皮膜3の膜厚
は0.10mm〜0.50mm程度の範囲に設定されて
いる。
【0016】上記のチップ部2に耐摩耗性溶射皮膜3を
形成するには、先ず、機械加工を施した母材としてのプ
ランジャ1のチップ部2の表面の錆、油脂あるいは黒皮
等の除去を目的として洗浄処理を施すか、もしくは洗浄
処理することなくブラスト処理を施した上で、チップ部
2の表面に溶射を実施して、上記の耐摩耗性溶射皮膜3
を形成する。ただし、洗浄処理は工数的にはブラスト処
理よりも有利であるが、後述する耐摩耗性溶射皮膜3の
より一層の密着力向上の上では、チップ部2の表面の粗
面化を目的としたブラスト処理の方が有利である。
形成するには、先ず、機械加工を施した母材としてのプ
ランジャ1のチップ部2の表面の錆、油脂あるいは黒皮
等の除去を目的として洗浄処理を施すか、もしくは洗浄
処理することなくブラスト処理を施した上で、チップ部
2の表面に溶射を実施して、上記の耐摩耗性溶射皮膜3
を形成する。ただし、洗浄処理は工数的にはブラスト処
理よりも有利であるが、後述する耐摩耗性溶射皮膜3の
より一層の密着力向上の上では、チップ部2の表面の粗
面化を目的としたブラスト処理の方が有利である。
【0017】耐摩耗性溶射皮膜3となる粉末材料として
は、タングステンカーバイトもしくはクロームカーバイ
トを主成分として、これにコバルト、ニッケル、自溶合
金、クローム、ニッケルクロームのうちのいずれかを単
独もしくは二種以上加えたものを用い、その粒子の大き
さは15μm〜45μm程度とし、この粉末を溶射ガン
のチャンバ内における酸素と灯油との燃焼炎中に搬送ガ
スとともに送り込むとともに、その粉末粒子を飛行さ
せ、チップ部2の表面に高衝突エネルギにより積層して
耐摩耗性溶射皮膜3を形成する。
は、タングステンカーバイトもしくはクロームカーバイ
トを主成分として、これにコバルト、ニッケル、自溶合
金、クローム、ニッケルクロームのうちのいずれかを単
独もしくは二種以上加えたものを用い、その粒子の大き
さは15μm〜45μm程度とし、この粉末を溶射ガン
のチャンバ内における酸素と灯油との燃焼炎中に搬送ガ
スとともに送り込むとともに、その粉末粒子を飛行さ
せ、チップ部2の表面に高衝突エネルギにより積層して
耐摩耗性溶射皮膜3を形成する。
【0018】すなわち、溶射する材料の粉末としては、
タングステンカーバイト(88%)+コバルト(12
%)、タングステンカーバイト(83%)+コバルト
(17%)、タングステンカーバイト(88%)+ニッ
ケル(12%)、タングステンカーバイト(50%)+
自溶合金(50%)、タングステンカーバイト(73
%)+クローム(20%)+ニッケル(7%)、タング
ステンカーバイト(84%)+コバルト(12%)+ク
ローム(4%)、クロームカーバイト(80%)+ニッ
ケルクローム(20%)、クロームカーバイト(75
%)+ニッケルクローム(25%)、クロームカーバイ
ト(80%)+ニッケル(20%)のうちのいずれかの
組成のものを用いて溶射を行う。
タングステンカーバイト(88%)+コバルト(12
%)、タングステンカーバイト(83%)+コバルト
(17%)、タングステンカーバイト(88%)+ニッ
ケル(12%)、タングステンカーバイト(50%)+
自溶合金(50%)、タングステンカーバイト(73
%)+クローム(20%)+ニッケル(7%)、タング
ステンカーバイト(84%)+コバルト(12%)+ク
ローム(4%)、クロームカーバイト(80%)+ニッ
ケルクローム(20%)、クロームカーバイト(75
%)+ニッケルクローム(25%)、クロームカーバイ
ト(80%)+ニッケル(20%)のうちのいずれかの
組成のものを用いて溶射を行う。
【0019】この時、プランジャ1の回転に同期して、
均一な厚みの耐摩耗性溶射皮膜3を形成すために、溶射
ガンをそのチップ部2の球面形状にあわせて揺動運動さ
せる。
均一な厚みの耐摩耗性溶射皮膜3を形成すために、溶射
ガンをそのチップ部2の球面形状にあわせて揺動運動さ
せる。
【0020】HP/HVOF法により形成された耐摩耗
性溶射皮膜3は、HVOF法等のものと異なり圧縮皮膜
として形成されるために、HVOF法のものと比べてそ
の耐摩耗性溶射皮膜3の厚膜化は可能であるが、割れ等
を考慮すると0.05mm〜1.0mm程度、より望ま
しくは0.10mm〜0.50mm程度とする。そし
て、このHP/HVOF法による耐摩耗性溶射皮膜3の
特殊性として、気孔率が0.1%以下ときわめて緻密な
組織が形成されるために、その表面の平滑性に優れてお
り、フュージングが不要となるために耐摩耗性溶射皮膜
3にピンホールの発生は全くなく、機械加工や研磨加工
等の後加工は必ずしも必要としない。仮に後加工する場
合でも研磨加工で十分である。同時にその皮膜硬度もビ
ッカース硬さで1,000〜1,450にも及び、硬度
の面でも著しく優れている。
性溶射皮膜3は、HVOF法等のものと異なり圧縮皮膜
として形成されるために、HVOF法のものと比べてそ
の耐摩耗性溶射皮膜3の厚膜化は可能であるが、割れ等
を考慮すると0.05mm〜1.0mm程度、より望ま
しくは0.10mm〜0.50mm程度とする。そし
て、このHP/HVOF法による耐摩耗性溶射皮膜3の
特殊性として、気孔率が0.1%以下ときわめて緻密な
組織が形成されるために、その表面の平滑性に優れてお
り、フュージングが不要となるために耐摩耗性溶射皮膜
3にピンホールの発生は全くなく、機械加工や研磨加工
等の後加工は必ずしも必要としない。仮に後加工する場
合でも研磨加工で十分である。同時にその皮膜硬度もビ
ッカース硬さで1,000〜1,450にも及び、硬度
の面でも著しく優れている。
【0021】したがって、上記の耐摩耗性溶射皮膜3が
形成されたまま後加工しない状態のプランジャ1を実際
の製瓶に供したとしても、従来のような酸化皮膜の発生
やピンホールの発生は全くなく、本発明者等の実験によ
れば、従来のものに比べてその耐摩耗性が著しく向上す
ることが判明した。
形成されたまま後加工しない状態のプランジャ1を実際
の製瓶に供したとしても、従来のような酸化皮膜の発生
やピンホールの発生は全くなく、本発明者等の実験によ
れば、従来のものに比べてその耐摩耗性が著しく向上す
ることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製瓶用プランジャの代表的な実施の形
態を示す要部断面説明図。
態を示す要部断面説明図。
1…製瓶用プランジャ 2…チップ部 3…耐摩耗性溶射皮膜(機能皮膜)
Claims (3)
- 【請求項1】 鋼材あるいは鋳鉄からなる母材の表面
に、超高速フレーム溶射法により、膜厚0.10〜0.
50mm、気孔率0.1%以下、ビッカース硬さ1,0
00〜1,450の超硬合金の機能皮膜を形成したこと
を特徴とする製瓶用プランジャ。 - 【請求項2】 前記超硬合金の機能皮膜は、タングステ
ンカーバイトもしくはクロームカーバイトを主成分とし
てコバルト、ニッケル、自溶合金、クロームおよびニッ
ケルクロームのうちのいずれかを含むものであることを
特徴とする請求項1に記載の製瓶用プランジャ。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の製瓶用プラン
ジャを製造する方法であって、超高速フレーム溶射処理
に先立って、母材表面にブラスト処理もしくは洗浄処理
を施すことを特徴とする製瓶用プランジャの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34743097A JPH11171562A (ja) | 1997-12-17 | 1997-12-17 | 製瓶用プランジャおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34743097A JPH11171562A (ja) | 1997-12-17 | 1997-12-17 | 製瓶用プランジャおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11171562A true JPH11171562A (ja) | 1999-06-29 |
Family
ID=18390185
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34743097A Pending JPH11171562A (ja) | 1997-12-17 | 1997-12-17 | 製瓶用プランジャおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11171562A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20040009223A (ko) * | 2002-07-23 | 2004-01-31 | 주식회사 대주기공 | 내화벽돌 제작용 금형의 용사 코팅으로 금형의 마모 수명 연장 |
GB2464108A (en) * | 2008-10-02 | 2010-04-07 | John Lapping | Coating for glass container plungers |
JP2012532202A (ja) * | 2009-06-30 | 2012-12-13 | ハンプレンコ プレシジョン エンジニアズ リミテッド | コーティング組成物 |
EP2612944A1 (en) * | 2012-01-04 | 2013-07-10 | MEC Holding GmbH | Plunger for use in manufacturing glass containers |
CN111500964A (zh) * | 2020-04-30 | 2020-08-07 | 三一石油智能装备有限公司 | 一种球墨铸铁柱塞的制备方法及柱塞 |
-
1997
- 1997-12-17 JP JP34743097A patent/JPH11171562A/ja active Pending
Cited By (6)
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