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JPH11106214A - 無機複合体 - Google Patents

無機複合体

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Publication number
JPH11106214A
JPH11106214A JP27161497A JP27161497A JPH11106214A JP H11106214 A JPH11106214 A JP H11106214A JP 27161497 A JP27161497 A JP 27161497A JP 27161497 A JP27161497 A JP 27161497A JP H11106214 A JPH11106214 A JP H11106214A
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JP
Japan
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inorganic composite
water
magnesium
inorganic
sodium
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JP27161497A
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English (en)
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JP3848757B2 (ja
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Kazuhiro Otsuka
和弘 大塚
Masaharu Takeno
正晴 丈野
Kazuo Oki
一雄 隠岐
Mikio Sakaguchi
阪口  美喜夫
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた水の軟化作用、酸耐久性および保存安定
性を有する無機複合体ならびに該無機複合体を含む洗浄
剤組成物を提供すること。 【解決手段】無水物の一般式として、 aM1 CO3 ・bM2 O・c(M1 ,M2 )(An)m (式中、M1 はアルカリ金属、M2 はアルカリ土類金
属、Anはアニオンを示し、0<(b+c)/a≦10
0、0<c/b≦200、mは0〜20である)で表さ
れる無機複合体および該無機複合体を含む洗浄剤組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ炭酸塩を
主体とする無機複合体および該無機複合体を含む洗浄剤
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水への高い飽和溶解度を有するア
ルカリ炭酸塩は、各工業分野で各種原料およびアルカリ
剤として古くから使用されている。しかしながら、該ア
ルカリ炭酸塩は、一般的に水への溶解速度が遅いという
欠点がある。
【0003】前記アルカリ炭酸塩の中でも、炭酸カリウ
ムは、水への溶解速度が速いが、空気中の水分との反応
性が高く、保存安定性に乏しいため、使用上の制約を大
きく受けるという欠点がある。
【0004】また、炭酸ナトリウムは、水への溶解速度
が遅いが、水中で水和物の生成後、アルカリイオンと炭
酸イオンとを生成する性質を利用して、例えば、アルカ
リ発現剤として、広く利用されている。しかしながら、
該炭酸ナトリウムのアルカリ度は、炭酸カルシウムの水
中での解離状態により決定されるため、炭酸ナトリウム
単独で、アルカリの発現効果を高めるためには、該炭酸
ナトリウムの使用量を増加することが必要であり、その
ため水中の塩濃度の増加を招くという欠点がある。
【0005】さらに、前記炭酸ナトリウムをコンパクト
化の進んでいる衣料用洗剤として用いる場合には、理論
上のカルシウムイオン捕捉容量(Ca捕捉容量)が高い
ものの、炭酸ナトリウムの水への溶解速度が遅いため、
結果としてCa捕捉速度が遅くなるという欠点がある。
そのため、アルカリ発現効果を高めるためには、前記炭
酸ナトリウムの添加量を多くする必要があり、実用上好
ましくないという欠点がある。
【0006】これら諸問題を解決するため、例えば、前
記炭酸ナトリウムの形態を針状にすることにより、水へ
の溶解速度を向上させる方法が特開昭59−19021
6号公報に開示されている。しかしながら、この方法に
は、空気中の水分と反応するため、保存安定性に劣ると
いう欠点がある。
【0007】また、水への溶解速度を高めるため、水ガ
ラスとアルカリ炭酸塩とのコグラニュールを調製する方
法が特開平4−275400号公報に開示されている。
しかしながら、水ガラスは吸湿性に劣るため、特に高湿
度下での保存安定性に劣るという欠点がある。
【0008】そこで、洗剤中に炭酸カルシウムの種結晶
を添加し、見かけ上炭酸ナトリウムの反応性を高める方
法が、特開昭51−76198号公報、特開昭62−2
40394号公報に開示されている。しかしながら、前
記方法には、水中への炭酸カルシウムの再溶解、炭酸カ
ルシウムの衣類への再付着等の欠点がある。
【0009】さらに、炭酸ナトリウムとカルシウム塩と
を混合焼成した複塩をビルダーとして用いる方法が、W
O96/38524号公報に開示されている。前記方法
によれば、炭酸カルシウムの保存安定性を改善し、さら
に種結晶としてCaCO3 を添加することにより、水中
でのCa捕捉能を向上させ、洗浄性を向上する試みがな
されている。しかしながら、前記方法によれば、炭酸塩
の分解性が向上するものの水中のCa成分を捕捉する炭
酸ナトリウムの減少および炭酸カルシウムの残留によ
り、Ca交換容量が減少し、酸耐久性が低下し、洗浄性
能は低いという欠点がある。
【0010】かかる従来の方法では、Ca捕捉能、酸耐
久性、保存安定性等の物性を全て向上させることはでき
ず、これらの物性を全て向上させる物の開発が望まれて
いる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の無機複合体
は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、優れた
水の軟化作用、酸耐久性および保存安定性を有する無機
複合体を提供することを目的とする。本発明の他の目的
は、該無機複合体を含む洗浄剤組成物を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
(1) 無水物の一般式として、 aM1 CO3 ・bM2 O・c(M1 ,M2 )(An)m (式中、M1 はアルカリ金属、M2 はアルカリ土類金
属、Anはアニオンを示し、0<(b+c)/a≦10
0、0<c/b≦200、mは0〜20である)で表さ
れる無機複合体、(2) X線回折において、d値0.
300±0.050nm及び0.210±0.020n
mにピークを有することを特徴とする前記(1)記載の
無機複合体、(3) M1 がNaおよび/またはKであ
り、その組成比が0≦K/Na≦100であることを特
徴とする前記(1)または(2)記載の無機複合体、
(4) M2 がMgおよび/またはCaであり、その組
成比が0≦Ca/Mg≦100であることを特徴とする
前記(1)〜(3)いずれか記載の無機複合体、(5)
0<(b+c)/a≦50、0<c/b≦100、
0.01≦K/Na≦50および0≦Ca/Mg≦50
であることを特徴とする前記(1)〜(4)いずれか記
載の無機複合体、(6) Anが周期表の IVb、V
b、VI bおよびVIIb族からなる群より選ばれる元素
で構成されるアニオンであることを特徴とする前記
(1)〜(5)いずれか記載の無機複合体、(7) A
nがOH- 、CO3 2-、SO4 2-、SO3 2-、Cl-
NO3 - およびPO4 3-からなる群より選ばれる1種以
上のアニオンであることを特徴とする前記(1)〜
(6)いずれか記載の無機複合体、(8) 無機複合体
の無水式がaNa2 CO3 ・bMgO・cMgCl2
あり、0.05≦b/a≦50、0<c/b≦100で
あることを特徴とする前記(1)記載の無機複合体、お
よび(9) 前記(1)〜(8)いずれかに記載の無機
複合体を含む洗浄剤組成物に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の無機複合体は、無水物の
一般式として、 aM1 CO3 ・bM2 O・c(M1 ,M2 )(An)m (式中、M1 はアルカリ金属、M2 はアルカリ土類金
属、Anはアニオンを示し、0<(b+c)/a≦10
0、0<c/b≦200、mは0〜20である)で表さ
れるものである。
【0014】前記無水物の一般式において、M1 は、ア
ルカリ金属であり、その中でも、ナトリウム原子および
カリウム原子は、工業的に安価な原料として広く用いら
れており、経済性の観点からナトリウム原子およびカリ
ウム原子が好ましい。
【0015】M1 がNaおよび/またはKである場合に
は、K/Na値(モル比)は、0≦K/Na≦100が
好ましく、0≦K/Na≦80がより好ましく、0.0
1≦K/Na≦50が特に好ましい。即ち、K/Na
は、水への溶解性の観点から、0以上であり、好ましく
は0.01以上であることが望ましく、また、高湿度下
での保存安定性の観点から、100以下、好ましくは8
0以下、特に50以下であることが望ましい。
【0016】前記無水物の一般式において、M2 は、ア
ルカリ土類金属であり、その中でもコストおよび生物へ
の安全性の観点からマグネシウム原子およびカルシウム
原子が好ましい。
【0017】M2 がMgおよび/またはCaである場合
には、Ca/Mg値(モル比)は0≦Ca/Mg≦10
0が好ましく、0≦Ca/Mg≦80がより好ましく、
0<Ca/Mg≦50が特に好ましい。即ち、Ca/M
gは、酸耐久性の発現及び、水への溶解性の観点から、
0以上であることが好ましく、また、Ca捕捉能の観点
から、100以下、好ましくは80以下、特に50以下
であることが望ましい。
【0018】前記一般式において、Anとしては、例え
ば、周期表の IVb、Vb、VI bおよびVIIb族から
なる群より選ばれる元素で構成されるアニオンがあげら
れ、この中でも、水中への分散性および水への溶解性の
観点から、OH- 、CO3 2-、SO4 2- 、SO3 2- 、C
- 、NO3 - およびPO4 3- が好ましい。
【0019】前記無水物の一般式において、(b+c)
/a値(モル比)は、0<(b+c)/a≦100が好
ましく、0<(b+c)/a≦50がより好ましく、
0.01≦(b+c)/a≦50が特に好ましく、0.
05≦(b+c)/a≦40がさらに好ましい。即ち、
(b+c)/aは、酸耐久性を向上させる観点から、0
より大きく、0.01以上がより好ましく、0.05以
上がさらに望ましい。また、Ca、Mgの水中への溶出
量を抑制する観点から、100以下、好ましくは50以
下、特に40以下であることが望ましい。
【0020】前記無水物の一般式において、c/b値
(モル比)は、0<c/b≦200が好ましく、0<c
/b≦100がより好ましく、0.01≦c/b≦10
0が特に好ましく、0.03≦c/b≦50がさらに好
ましい。即ち、c/bは、水中への分散性及び、保存安
定性の観点から、0より大きく、好ましくは0.01以
上、特に0.03以上であることが望ましく、また、水
中でのイオン強度の観点から、200以下、好ましくは
100以下、特に50以下であることが望ましい。
【0021】前記無水物の一般式において、(M1 ,M
2 )(An)mはM1 (An)m1・M2 (An)m2
(m1 、m2 は0以上の数であり、m1 +m2 =mであ
る。但し、m1 、m2 は共に0ではない。)を意味し、
1 (An)m1 、M2 (An)m2 はそれぞれ単一の
組成でもよく、2種以上の組成からなっていてもよい。
例えばM1 (An)m1 が2種以上の場合、(An)の
数の総計がm1 となる。M2 (An)m2 が2種以上の
場合も同様に(An)の総計がm2 となる。
【0022】本発明の無機複合体は、前記の一般式を満
足するものであれば、特に限定されないが、これらのう
ち、好適なものの例示として、aNa2 CO3 ・bMg
O・cMgCl2 であり、0.05≦b/a≦50、0
<c/b≦100であるものが挙げられる。
【0023】本発明の無機複合体は、X線回折におい
て、d値0.300±0.050nm及び0.210±
0.020nmにピークを有するものが好ましい。かか
る特徴を有する無機化合物は、驚くべきことに、水の軟
化作用、酸耐久性、保存安定性等の物性に優れたもので
ある。
【0024】かかる構成を有する無機複合体は、本発明
の無機複合体の性能を阻害しないものであれば、該無機
複合体の電荷をバランスする範囲で、無機化合物をさら
に複合させてもよい。
【0025】前記無機化合物としては、特に限定がな
く、例えば、Al、B、Si、C、Zn、Ag、Au、
Fe、Zr、Ti、Y等の元素を含有する無機化合物が
あげられる。例えば、これらの元素の硫酸塩、塩化物、
硝酸塩、燐酸塩、珪酸塩、炭酸塩、水酸化物、あるいは
ゼオライト、タルク、ミョウバン等の粘土鉱物があげら
れる。前記無機化合物は、通常、単独でまたは2種以上
を前記無機複合体と混合させて、または、前記無機複合
体と反応させて複合化することができる。
【0026】本発明の無機複合体は、Ca捕捉容量、C
a捕捉速度、酸耐久性および保存安定性において優れて
いる。
【0027】Ca捕捉容量は、無機複合体を塩化カルシ
ウム水溶液に添加し、攪拌した後に、該無機複合体1g
が捕捉したカルシウムイオン量を炭酸カルシウム換算で
のmgで表したものである。本発明の無機複合体のCa
捕捉容量は、50mgCaCO3 /g以上であるのが好
ましく、100mgCaCO3 /g以上であるのがさら
に好ましい。
【0028】Ca捕捉速度は、無機複合体1gにより1
分間当たり捕捉されるカルシウムイオン量を炭酸カルシ
ウム換算でのmgで表したものである。本発明の無機複
合体のCa捕捉速度は、40mgCaCO3 /g/分以
上であり、50mgCaCO 3 /g/分以上であること
が好ましく、60mgCaCO3 /g/分以上であるこ
とがさらに好ましい。
【0029】酸耐久性は、無機複合体を含む溶液中に
0.1mol/dm3 の塩酸を滴下した場合に、pHが
10に達するのに要した塩酸の滴下量で表される。本発
明の無機複合体の酸耐久性は、50ml/g以上であ
り、60ml/g以上が好ましく、さらに好ましくは6
5ml/g以上であることが望ましい。
【0030】保存安定性は、30℃の雰囲気温度および
相対湿度80RH%の雰囲気湿度下で24時間保存した
無機複合体を、水に添加したのちにふるいに通し、該ふ
るい上に残留する無機複合体の乾燥重量の割合で表され
る。本発明の無機複合体の保存安定性は、残留する無機
複合体の乾燥重量において4%未満が好ましく、2%未
満がさらに好ましい。
【0031】本発明の無機複合体の製造に用いる原料と
しては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金
属を含有する無機化合物およびマグネシウムおよびカル
シウム等のアルカリ土類金属を含有する無機化合物があ
げられる。
【0032】前記アルカリ金属を含有する無機化合物と
しては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸
ナトリウムカリウム、セスキ炭酸ナトリウム、セスキ炭
酸カリウム等の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素
カリウム等の炭酸水素塩;塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム等の塩化物;硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の硝酸
塩;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩;亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩;珪酸ナトリ
ウム、珪酸カリウム等の珪酸塩;燐酸ナトリウム、燐酸
カリウム等の燐酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等の水酸化物;酸化ナトリウム、酸化カリウム等の酸
化物;ミョウバン等の鉱物等があげられる。前記無機化
合物を、通常、単独で、または2種以上を用いることが
でき、2種以上を用いる場合には、任意の割合で使用す
ることができる。
【0033】前記アルカリ土類金属を含有する無機化合
物としては、例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム等の炭酸塩;炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシ
ウム等の炭酸水素塩;塩基性炭酸マグネシウム、塩基性
炭酸カルシウム等の塩基性炭酸塩;塩化マグネシウム、
塩化カルシウム等の塩化物;硝酸マグネシウム、硝酸カ
ルシウム等の硝酸塩;硫酸マグネシウム、硫酸カルシウ
ム等の硫酸塩;亜硫酸マグネシウム、亜硫酸カルシウム
等の亜硫酸塩;珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム等の
珪酸塩;燐酸マグネシウム、燐酸カルシウム等の燐酸
塩;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化
物;酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の酸化物;ド
ロマイト、タルク、フォルステライト等の鉱物等があげ
られる。前記無機化合物を、通常、単独で、または2種
以上を混合して用いることができ、2種以上を混合して
用いる場合には、任意の割合で使用することができる。
【0034】本発明の無機複合体は、前記の各種原料化
合物を所定の割合で配合し混合して得ることができる。
配合の割合については、得られる所望の無機複合体の組
成により、適宜決定される。
【0035】原料を配合する方法としては、一般的に用
いられている方法であればよく、例えば、乾式、湿式の
いずれでもよく、配合時の状態としては、例えば、粉体
状態、ペースト状態、スラリー状態、溶液状態等があげ
られる。
【0036】湿式で行なう場合は、前記原料と液体とを
混合して行ってもよい。液体としては、一般に用いられ
ているものであればよく、特に限定されないが、例え
ば、経済性および環境への観点から、水が好ましい。
【0037】次に、前記配合物を混合する。配合物の混
合に用いる方法としては、一般に用いられているもので
あればよく、特に限定がないが、例えば、ヘンシェルミ
キサー、ハイスピードミキサー、ボールミル、アトリッ
ションミル等の媒体を介在した混合機等があげられる。
混合の際の雰囲気の温度は、配合物が流動性を示す範囲
で行なうのが好ましく、通常、常温以上で行なうが、必
要に応じ、50℃程度に加熱しながら混合することもで
きる。
【0038】配合物を混合する際には、得られる無機複
合体の分解を抑制する観点から、0.03重量%以上の
炭酸ガス濃度雰囲気下において行なうのが好ましい。混
合時間は特に限定されないが、0.5〜24時間行うこ
とが好ましい。また、前記配合物の反応性を高めるた
め、混合物中に炭酸ガス等の雰囲気ガスをバブリングさ
せてもよい。
【0039】また、必要に応じ、前記原料化合物を溶融
させて均一混合してもよい。原料を溶融させる条件とし
ては、得られる無機複合体の無水物としての組成が維持
できる条件であればよく、完全に溶融している必要はな
く、特に限定がない。均一混合の操作は、通常、炭酸ガ
ス濃度が0.03重量%以上含む雰囲気下で0.5〜2
4時間行なう。
【0040】また、前記混合の際に液体を含む場合に
は、混合の操作が容易になるように配合物を乾燥させて
もよい。この場合、通常、液体濃度が20重量%以下に
なるよう乾燥することが好ましい。乾燥の方法として
は、特に限定がなく、例えば、凍結乾燥、真空乾燥、熱
風乾燥等があげられ、具体的には、噴霧乾燥機、回転ド
ラム式乾燥機等を用いて配合物を顆粒状の形態に乾燥さ
せることができる。
【0041】次に、得られる無機複合体の性能を高める
目的で、前記のようにして得られた混合物を熱処理して
もよい。熱処理の温度は、混合物を構成する元素により
異なるが、これらを反応させ、固溶または混合物の元素
の反応生成物を析出させ、さらに酸耐久性の観点から、
200℃以上であり、300℃以上であることが好まし
く、400℃以上であることがさらに好ましく、また、
無機複合体の分解性および操作性の観点から、1000
℃以下であり、900℃以下であることが好ましく、8
00℃以下であることがさらに好ましい。
【0042】また、熱処理は、複合化または、反応によ
り生成した無機複合体の分解を抑制する観点から、0.
03重量%以上の炭酸ガス濃度雰囲気下において0.5
〜24時間行うことが好ましい。
【0043】熱処理の際の加熱方法としては、例えば、
炉を電気、ガス等を用いた内熱式、外熱式等で加熱する
方法があげられる。前記炉の形態としては、通常、一般
的に用いられるものであればよく、特に限定がないが、
例えば、ロータリー式キルン、シャトル式キルン、トン
ネル式キルン、流動層型キルン等があげられる。
【0044】本発明の無機複合体の粒子径は、用途によ
り異なるため、一概に限定することができないが、例え
ば、無機複合体の性能を速やかに発現させる必要のある
用途においては5.0mm以下であることが好ましい。
また、本発明の無機複合体は、分散性および水への溶解
性を向上させる観点から、任意の大きさの顆粒状の形態
に乾燥することで、顆粒化することができる。顆粒化の
方法としては、具体的には、噴霧乾燥機、回転ドラム式
乾燥機等の装置があげられる。
【0045】顆粒化の際に、無機複合体の性能を害しな
い範囲で、バインダー成分を配合することができる。前
記バインダー成分としては、例えば、界面活性剤、脂肪
酸、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコ
ール、ポリアクリル酸塩、でんぷん等の多糖類、ポリビ
ニルアルコール等の有機バインダー、非晶質珪酸塩、ス
メクタイト族等の無機バインダーがあげられる。また、
これらのバインダー成分は、通常、単独で、または2種
以上を使用することができ、2種以上を混合して用いる
場合には、任意の割合で使用することができる。
【0046】また、本発明の無機複合体を分散すること
が容易なアルミナ、シリカ等の無機物、PVA、セルロ
ース、でんぷん等の有機物、又は別に造粒された粒子、
例えば粉末洗剤の造粒物等の担体に被覆することができ
る。
【0047】本発明の無機複合体は、優れた水の軟化作
用を有し、酸に対する抵抗性が高く、優れた保存安定性
を有するものであり、例えば、脱硫剤、炭酸ガス除去
剤、衣料用洗剤、柔軟剤、食器用洗剤、金属用洗浄剤、
身体用洗浄剤、排水中和剤等の幅広い分野に使用するこ
とができる。次に、本発明の無機複合体を含有する洗浄
剤組成物について説明する。
【0048】洗浄剤組成物における無機複合体の配合量
は、製品の形態、及び使用される環境下の酸負荷、硬度
成分の量の観点から、0.5重量%以上、好ましくは1
重量%以上であることが望ましく、また、他の添加剤に
よる機能を付与する観点から、90重量%以下、好まし
くは80重量%以下であることが好ましい。
【0049】洗浄剤組成物には、前記無機複合体の他
に、界面活性剤、非晶質および/または結晶性珪酸塩、
非晶質および/または結晶性アルミノシリケート、硫酸
ナトリウム等の無機電解質、トリポリ燐酸ナトリウム、
EDTA、アミノポリ酢酸塩、ポリアクリル酸塩等のキ
レート剤、カルボキシメチルセルロース等の再汚染防止
剤、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ
等の酵素、例えば第3ブチルヒドロキシトルエン、モノ
スチレン化クレゾール、モノスチレン化フェノール等の
酸化防止剤、例えばホワイテックスSA(住友化学工業
(株)製)、チノパールCBS(チバガイギー社製)等
の蛍光染料、特公昭49−8005号公報、特公昭49
−26286号公報、特公昭53−45808号公報等
に記載の青味付剤、従来洗剤に配合される香料、例えば
特開昭63−101496号公報等に記載の香料等を必
要に応じて配合することができる。
【0050】また、表面改質剤として、例えば、アルミ
ノシリケート、炭酸カルシウム等の無機粉体を適宜配合
することができる。洗浄剤組成物を漂白洗浄剤に用いる
場合には、例えば、過炭酸ナトリウム、過硝酸ナトリウ
ム1水和物、過硝酸ナトリウム4水和物等の漂白剤、珪
酸マグネシウム等の過酸化物の安定化剤、または例えば
特開昭59−22999号公報、特開昭63−2584
47号公報、特開平6−316700号公報等に記載の
漂白活性剤等を配合することができる。また、本発明の
無機複合体を過酸化物に転換して配合してもよい。
【0051】界面活性剤としては、例えば、陽イオン界
面活性剤、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、
両性界面活性剤等があげられ、これらを単独でまたは2
種以上を任意の割合で混合して用いることができる。
【0052】陽イオン界面活性剤の具体例としては、例
えば、アルキルトリメチル塩等の4級アンモニウム塩等
があげられる。
【0053】陰イオン界面活性剤の具体例としては、例
えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルまたは
アルケニルエーテル硫酸塩、アルキルまたはアルケニル
硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪
酸塩またはエステル塩、アルキルまたはアルケニルエー
テルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシル
アミノ酸型界面活性剤等があげられる。
【0054】非イオン界面活性剤の具体例としては、例
えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸アル
キルエステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エ
ステル、高級脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグル
コシド、アルキルグルコースアミド、アルキルアミンオ
キサイド等があげられる。
【0055】両性界面活性剤の具体例としては、例え
ば、カルボキシ型またはスルホベタイン型等があげられ
る。
【0056】本発明の洗浄剤組成物における界面活性剤
の配合量は、界面活性剤の種類等により一概には限定で
きないが、例えば、洗浄性の観点から、0.5重量%以
上であり、1重量%以上であることが好ましく、3重量
%以上であることがさらに好ましく、また、水の軟化作
用等の他の機能を付与する観点から、99重量%以下で
あり、80重量%以下であることが好ましく、70重量
%以下であることがさらに好ましい。
【0057】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はかかる実施例等により
なんら限定されるものではない。
【0058】なお、(1)Ca捕捉容量および(2)酸
耐久性を以下の方法により測定し、評価した。結果を表
1に示す。
【0059】(1)Ca捕捉容量 試料0.04gを精秤し、塩化カルシウム水溶液(濃度
はCaCO3 として100ppm)100ml中に加
え、20℃で10分間撹拌した後、孔サイズ0.2μm
のメンブランフィルター(アドバンテック社、ニトロセ
ルロース製)を用いて濾過を行い、その濾液10ml中
に含まれるCa量をEDTA滴定により測定した。その
値より試料のカルシウムイオン交換容量(カチオン交換
容量)をCa捕捉容量として求めた。
【0060】以下の基準に基づいて各試料の値を、Ca
捕捉容量の大きい順に、A〜Cの3段階に評価した。
【0061】 A:100mgCaCO3 /gより大きいもの。 B:50〜100mgCaCO3 /gのもの。 C:50mgCaCO3 /g未満のもの。
【0062】(2)酸耐久性 炭酸カルシウム換算で71.4mg/kgとなるよう
に、塩化カルシウムをイオン交換水に溶解し、該塩化カ
ルシウム水溶液1000mlを水温20℃に保持し、そ
こへ、試料0.17gを添加し、2分間攪拌した後、3
0秒間隔で0.1mol/dm3 の塩酸を0.5mlづ
つ滴下し、水溶液のpHが10になるのに要した塩酸量
で試料の酸耐久性を示した。
【0063】以下の基準に基づいて、各試料の値を、酸
耐久性の大きい順に、A〜Cの3段階に評価した。
【0064】 A:60ml/gより大きいもの。 B:50〜60ml/gのもの。 C:50ml/g未満のもの。
【0065】実施例1 水酸化マグネシウム粉末11.4g、10%塩化マグネ
シウム6水和物の水溶液39.8gおよび20%炭酸ナ
トリウム水溶液114gを攪拌しながら混合した後、該
混合物を400℃に加温した熱風式乾燥機((株)モト
ヤマ製、DC−6060)内で2時間熱処理した。
【0066】得られた粉末状の無機複合体38gをめの
う乳鉢で粒子径が125μm以下になるように粉砕し
た。なお、粒子径はレーザー回折式粒度分布測定装置
((株)堀場製作所製、LA−710)を用いて測定し
た。
【0067】得られた無機複合体の組成は、M1 がナト
リウム原子、M2 がマグネシウム原子、AnがCl-
あり、(b+c)/aが1、c/b値が0.1のもので
あり、X線回折装置((株)リガク製、RAD−C)を
用いてX線回折を行ったところ、d値が0.296nm
と0.205nmにピークを有していた。X線回折のチ
ャートを図1に示す。なお、以下の実施例においても同
じX線回折の装置を用いた。
【0068】また、得られた無機複合体のCa捕捉容量
は185mgCaCO3 /g、酸耐久性は89ml/g
であった。また、水中での分散性も良好であった。
【0069】実施例2 水酸化マグネシウム粉末8.4g、炭酸マグネシウム粉
末6.0gおよび20%炭酸ナトリウム水溶液114g
を攪拌しながら混合し、実施例1と同様にして、粉末状
の無機複合体33gを得た。
【0070】得られた無機複合体の組成は、M1 がナト
リウム原子、M2 がマグネシウム原子、AnがCO3 2-
であり、(b+c)/aが1、c/b値が0.5のもの
であり、X線回折においてd値0.297nmと0.2
16nmにピークを有していた。
【0071】また、得られた無機複合体のCa捕捉容量
は178mgCaCO3 /g、酸耐久性は91ml/g
であり、また水中分散性も良好であった。
【0072】実施例3 水酸化マグネシウム粉末2.9g、炭酸マグネシウム粉
末21.2gおよび20%炭酸ナトリウム水溶液80g
を攪拌しながら混合し、実施例1と同様にして、粉末状
の無機複合体37gを得た。
【0073】得られた無機複合体の組成は、M1 がナト
リウム原子、M2 がマグネシウム原子、AnがCO3 2-
であり、(b+c)/aが2、c/b値が5のものであ
り、X線回折において、d値0.297nmと0.21
8nmにピークを有していた。
【0074】また、得られた無機複合体のCa捕捉容量
は153mgCaCO3 /g、酸耐久性は95ml/g
であり、また水中分散性も良好であった。
【0075】実施例4 Mg原料として、水酸化マグネシウム粉末0.2g、硫
酸マグネシウム粉末1.8gおよび20%炭酸ナトリウ
ム水溶液150gを攪拌しながら混合し、実施例1と同
様にして、粉末状の無機複合体28gを得た。
【0076】得られた無機複合体の組成は、M1 がナト
リウム原子、M2 がマグネシウム原子、AnがSO4 2-
であり、(b+c)/aが0.1、c/b値が10のも
のであり、X線回折において、d値0.302nmと
0.221nmにピークを有していた。
【0077】また、得られた無機複合体のCa捕捉容量
は230mgCaCO3 /g、酸耐久性は51ml/g
であり、また水中分散性も良好であった。
【0078】実施例5 水酸化マグネシウム粉末1.3g、硫酸カルシウム粉末
15.0gおよび20%炭酸ナトリウム水溶液70gを
攪拌しながら混合し、実施例1と同様にして、粉末状の
無機複合体27gを得た。
【0079】得られた無機複合体の組成は、M1 がナト
リウム原子、M2 がマグネシウム原子およびカルシウム
原子、AnがSO4 2-であり、(b+c)/aが1、c
/b値が5のものであり、X線回折において、d値0.
300nmと0.217nmにピークを有していた。
【0080】また、得られた無機複合体のCa捕捉容量
は157mgCaCO3 /g、酸耐久性は63ml/g
であり、また水中分散性も良好であった。
【0081】実施例6 水酸化マグネシウム粉末1.8g、水酸化カルシウム粉
末11.7gおよび20%炭酸ナトリウム水溶液100
gを攪拌しながら混合し、実施例1と同様にして、粉末
状の無機複合体30gを得た。
【0082】得られた無機複合体の組成は、M1 がナト
リウム原子、M2 がマグネシウム原子およびカルシウム
原子、AnがOH- であり、(b+c)/aが1、c/
b値が5のものであり、X線回折において、d値0.2
97nmと0.215nmにピークを有していた。
【0083】また、得られた無機複合体のCa捕捉容量
は152mgCaCO3 /g、酸耐久性は95ml/g
であり、また水中分散性も良好であった。
【0084】実施例7 炭酸マグネシウム粉末19.9g、水酸化カルシウム粉
末17.5gおよび20%炭酸ナトリウム水溶液50g
を攪拌しながら混合し、実施例1と同様にして、粉末状
の無機複合体42gを得た。
【0085】得られた無機複合体の組成は、M1 がナト
リウム原子、M2 がマグネシウム原子およびカルシウム
原子、AnがCO3 2-であり、(b+c)/aが5、c
/b値が1のものであり、X線回折において、d値0.
299nmと0.213nmにピークを有していた。
【0086】また、得られた無機複合体のCa捕捉容量
は103mgCaCO3 /g、酸耐久性は105ml/
gであり、また水中分散性も良好であった。
【0087】実施例8 K原料として20%炭酸カリウム水溶液2.0g並びに
Mg原料として炭酸マグネシウム2.0gおよび水酸化
マグネシウム1.4gを20%炭酸ナトリウム水溶液5
0gと共に用い、ボールミルで24時間混合粉砕後、N
i製るつぼを用い、電気炉中で500℃、2時間焼成を
行い、無機複合体12gを得た。
【0088】得られた無機複合体の組成は、M1 がナト
リウム原子およびカリウム原子、M 2 がマグネシウム原
子、AnがCO3 2-であり、(b+c)/aが0.5、
c/b値が1のものであり、X線回折において、d値
0.304nmと0.214nmにピークを有してい
た。
【0089】また、得られた無機複合体のCa捕捉容量
は155mgCaCO3 /g、酸耐久性は86ml/g
であり、また水中分散性も良好であった。
【0090】実施例9 K原料として、20%炭酸カリウム水溶液3.3g並び
にMg原料として炭酸マグネシウム66.3gおよび水
酸化マグネシウム9.2gを20%炭酸ナトリウム水溶
液50gと共に用い、ボールミルで24時間混合粉砕
後、Ni製るつぼを用い、電気炉中で500℃、2時間
焼成を行い、無機複合体77gを得た。
【0091】得られた無機複合体の組成は、M1 がナト
リウム原子およびカリウム原子、M 2 がマグネシウム原
子、AnがCO3 2-であり、(b+c)/aが10、c
/b値が5のものであり、X線回折において、d値0.
305nmと0.215nmを有していた。
【0092】また、得られた無機複合体のCa捕捉容量
は85mgCaCO3 /g、酸耐久性は141ml/g
であり、また水中分散性も良好であった。
【0093】実施例10 20%炭酸カリウム水溶液3.3gおよび10%水酸化
マグネシウムスラリー22.9g粉末、硝酸マグネシウ
ム58.4g、20%炭酸ナトリウム水溶液5gを攪拌
しながら混合し、実施例1と同様にして、粉末状の無機
複合体58gを得た。
【0094】得られた無機複合体の組成は、M1 がナト
リウム原子およびカリウム原子、M 2 がマグネシウム原
子、AnがNO3 - であり、(b+c)/aが50、c
/b値が5のものであり、X線回折において、d値0.
302nmと0.212nmにピークを有していた。
【0095】また、得られた無機複合体のCa捕捉容量
は65mgCaCO3 /g、酸耐久性は150ml/g
であり、また水中分散性も良好であった。
【0096】比較例1〜5 炭酸ナトリウム(比較例1)、炭酸ナトリウムカリウム
(K/Na=1)(比較例2)、炭酸カリウム(比較例
3)、炭酸マグネシウム(比較例4)、炭酸カルシウム
(比較例5)(全て(株)和光純薬製特級試薬)を用
い、実施例1と同様に各物性値を測定した。
【0097】Ca捕捉容量は、比較例1〜5でそれぞ
れ、234、233、234、0および0mgCaCO
3 /gであった。酸耐久性は、比較例1〜3でそれぞ
れ、47、47、47ml/gであった。また、X線回
折において、比較例1〜3ではそれぞれd値0.210
±0.020nmにピークが認められなかった。
【0098】実施例1〜10および比較例1〜5の評価
結果を表1に示すが、この結果より、実施例1〜10で
得られた無機複合体は、比較例1〜5と比べ、酸耐久性
に優れているだけでなく、Ca捕捉容量にも優れている
ことがわかる。
【0099】
【表1】
【0100】実施例11及び比較例6 以下の組成からなる洗浄剤組成物を調製した。
【0101】 (実施例11の洗浄剤組成物) ドデシルエーテル(EO付加モル7.0) 15% 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム (LAS−Na) 15% ゼオライト 40% 実施例1で得られた無機複合体 30%
【0102】 (比較例6の洗浄剤組成物) ドデシルエーテル(EO付加モル7.0) 15% LAS−Na 15% ゼオライト 40% 炭酸ナトリウム 30%
【0103】各洗浄剤組成物について、特開平7−27
0395号公報記載の製法で作成したグラビア汚染布を
用い、洗浄時間10分、洗浄剤濃度0.067%、水の
硬度71.4mgCaCO3 /kg、水温20℃で洗浄
後、水道水で5分間すすぎを行い、洗浄前後の反射率の
変化を自記色彩計((株)島津製作所製)で測定後、以
下の方法に従って洗浄率(D%)を求めた。その結果、
比較例6の洗浄剤組成物中の炭酸ナトリウムの代わり
に、実施例1で得られた無機複合体を使用した実施例1
1の洗浄剤組成物の洗浄率は65%であり、比較例6の
洗浄剤組成物の洗浄率55%と比較して優れた洗浄性能
を示した。
【0104】<洗浄率の算出> D=(L2 −L1 )/(L0 −L1 )×100 L0 :グラビア原布の反射率 L1 :洗浄前のグラビア汚染布の反射率 L2 :洗浄後のグラビア汚染布の反射率
【0105】
【発明の効果】本発明により、優れた水の軟化作用、酸
抵抗性および保存安定性を有した無機複合体が提供され
る。かかる無機複合体は、例えば、脱硫剤、炭酸ガス除
去剤、衣料用洗剤、柔軟剤、食器用洗剤、金属用洗浄
剤、身体用洗剤、排水中和剤等の幅広い洗浄分野に使用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で得られたX線回折の結果を示
す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阪口 美喜夫 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水物の一般式として、 aM1 CO3 ・bM2 O・c(M1 ,M2 )(An)m (式中、M1 はアルカリ金属、M2 はアルカリ土類金
    属、Anはアニオンを示し、0<(b+c)/a≦10
    0、0<c/b≦200、mは0〜20である)で表さ
    れる無機複合体。
  2. 【請求項2】 X線回折において、d値0.300±
    0.050nm及び0.210±0.020nmにピー
    クを有することを特徴とする請求項1記載の無機複合
    体。
  3. 【請求項3】 M1 がNaおよび/またはKであり、そ
    の組成比が0≦K/Na≦100であることを特徴とす
    る請求項1または2記載の無機複合体。
  4. 【請求項4】 M2 がMgおよび/またはCaであり、
    その組成比が0≦Ca/Mg≦100であることを特徴
    とする請求項1〜3いずれか記載の無機複合体。
  5. 【請求項5】 0<(b+c)/a≦50、0<c/b
    ≦100、0.01≦K/Na≦50および0≦Ca/
    Mg≦50であることを特徴とする請求項1〜4いずれ
    か記載の無機複合体。
  6. 【請求項6】 Anが周期表の IVb、Vb、VI bお
    よびVIIb族からなる群より選ばれる元素で構成される
    アニオンであることを特徴とする請求項1〜5いずれか
    記載の無機複合体。
  7. 【請求項7】 AnがOH- 、CO3 2-、SO4 2-、S
    3 2-、Cl- 、NO3 - およびPO4 3-からなる群よ
    り選ばれる1種以上のアニオンであることを特徴とする
    請求項1〜6いずれか記載の無機複合体。
  8. 【請求項8】 無機複合体の無水式がaNa2 CO3
    bMgO・cMgCl2 であり、0.05≦b/a≦5
    0、0<c/b≦100であることを特徴とする請求項
    1記載の無機複合体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8いずれかに記載の無機複合
    体を含む洗浄剤組成物。
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