JPH10182949A - エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置Info
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- JPH10182949A JPH10182949A JP34945496A JP34945496A JPH10182949A JP H10182949 A JPH10182949 A JP H10182949A JP 34945496 A JP34945496 A JP 34945496A JP 34945496 A JP34945496 A JP 34945496A JP H10182949 A JPH10182949 A JP H10182949A
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Abstract
物を提供する。 【解決手段】下記の(A),(B)成分を含有し、か
つ、(C),(D)成分を含有するエポキシ樹脂組成物
である。 (A)エポキシ樹脂。 (B)フェノール樹脂。 (C)下記の条件(α)を満たす金属元素を有する酸性
金属元素化合物からなる充填剤。 (α)上記金属元素の酸化物の解離熱ΔHを、陽イオン
数mと、酸素原子に対する配位数Cとの積で除した値
(ΔH/mC)が、400〜1500kcalである。 (D)硬化促進剤からなるコア部が、熱可塑性樹脂から
なるシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有する硬
化促進剤含有マイクロカプセル。
Description
たエポキシ樹脂組成物およびそれを用いた信頼性の高い
半導体装置に関するものである。
素子は、一般にエポキシ樹脂組成物を用いて封止され半
導体装置化されている。この種のエポキシ樹脂組成物に
は、通常、エポキシ樹脂とともに、各種硬化剤、硬化促
進剤、さらに、無機質充填剤が含有される。
ような無機質充填剤を、他の成分とともに配合し混練し
てエポキシ樹脂組成物を製造すると、組成物の系内で反
応が生起し貯蔵時の保存安定性に劣るという問題が生じ
る。また、これを半導体封止材料として用いた場合、流
動性が不安定なために、均一な樹脂封止によるパッケー
ジが得られ難いという問題が発生する。
もので、貯蔵時の保存安定性に優れたエポキシ樹脂組成
物と、それを用いて得られる信頼性の高い半導体装置の
提供をその目的とする。
め、本発明は、下記の(A),(B)成分を含有し、か
つ、(C),(D)成分を含有するエポキシ樹脂組成物
を第1の要旨とし、さらに、このエポキシ樹脂組成物を
用いて半導体素子を封止してなる半導体装置を第2の要
旨とする。 (A)エポキシ樹脂。 (B)フェノール樹脂。 (C)下記の条件(α)を満たす金属元素を有する酸性
金属元素化合物からなる充填剤。 (α)上記金属元素の酸化物の解離熱ΔHを、陽イオン
数mと、酸素原子に対する配位数Cとの積で除した値
(ΔH/mC)が、400〜1500kcalである。 (D)硬化促進剤からなるコア部が、熱可塑性樹脂から
なるシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有する硬
化促進剤含有マイクロカプセル。
成物の製造工程において生起する反応に着目し、この反
応の原因を追求すべく鋭意研究を重ねた。その研究の過
程で、各種無機質充填剤の中でも金属元素を有する酸性
金属元素化合物からなる充填剤と、硬化促進剤を用いて
混練すると、上記充填剤中の金属元素と硬化促進剤が反
応し硬化反応が遅延するという知見を得た。そして、こ
の知見に基づき研究を続けた結果、上記特定の金属元素
を有する酸性金属元素化合物からなる充填剤(C成分)
と、硬化促進剤からなるコア部が、熱可塑性樹脂からな
るシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有する硬化
促進剤含有マイクロカプセル(D成分)とを併用する
と、上記充填剤中の金属元素と硬化促進剤との反応を抑
制でき、貯蔵後でも硬化安定性に優れたエポキシ樹脂組
成物が得られることを見出し本発明に到達した。
性金属元素化合物として、酸化アルミニウム、二酸化ケ
イ素、炭化ケイ素、四窒化三ケイ素、窒化ホウ素および
炭化ホウ素からなる群から選ばれた少なくとも一つの充
填剤を用いると、上記充填剤中の金属元素と硬化促進剤
との反応を効果的に抑制できることを突き止めた。
しく説明する。
樹脂(A成分)とフェノール樹脂(B成分)とともに、
さらに特定の充填剤(C成分)と硬化促進剤含有マイク
ロカプセル(D成分)を用いて得られるものであって、
通常、粉末状もしくはそれを打錠したタブレット状にな
っている。
に限定するものではなく、例えば、クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、ノボラックビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン系
エポキシ樹脂等があげられる。なかでも、低粘度で低吸
湿性を備えているという点から、下記の一般式(1)で
表されるビフェニル型エポキシ樹脂を用いることが好ま
しい。
して、水素原子、メチル基を有するものが、低吸湿性お
よび反応性の点から一層好ましい。
エポキシ樹脂としては、エポキシ当量160〜350、
軟化点50〜150℃のものが好ましい。
られるフェノール樹脂(B成分)としては、特に限定す
るものではなく従来からエポキシ樹脂の硬化剤として作
用する各種フェノール樹脂が用いられる。なかでも、フ
ェノールアラルキル樹脂を用いることが好ましく、具体
的には下記の一般式(2)で表されるフェノールアラル
キル樹脂を用いることが特に好ましい。
は、0〜40の範囲が好ましく、特に好ましくは、n=
0〜30の範囲である。
ラルキル樹脂は、水酸基当量150〜220、軟化点4
0〜110℃が好ましく、より好ましくは水酸基当量1
50〜200、軟化点50〜90℃である。
樹脂(B成分)の配合割合は、上記エポキシ樹脂成分中
のエポキシ基1当量当たりフェノール樹脂中の水酸基が
0.8〜1.2当量となるように配合することが好適で
ある。より好適なのは0.9〜1.1当量である。
る特定の充填剤(C成分)としては、特定の金属元素を
有する酸性金属元素化合物からなるものが用いられる。
そして、上記特定の金属元素は、この金属元素の酸化物
の解離熱ΔH(kcal)を、陽イオン数mと、酸素原
子(O2-)に対する配位数Cとの積で除した値(ΔH/
mC)が、400〜1500kcalであることが必要
である。すなわち、上記金属元素において、ΔH/mC
の値が400kcalを下回ると、もともと酸性度が弱
いため、硬化促進剤含有マイクロカプセル(D成分)を
用いた場合との差が顕著でなく、逆に、ΔH/mCの値
が1500kcalを超えると、理由は明らかではない
が、硬化促進剤含有マイクロカプセル(D成分)を用い
たとしても硬化反応の遅延が大きくなるからである。お
そらく、これら酸性金属元素化合物は、窒素やリンのよ
うに不対電子を持った硬化促進剤を配位するため、硬化
遅延を引き起こすものと思われる。
る酸性金属元素化合物としては、例えば、酸化鉄(Fe
2 O3 、ΔH/mC=456kcal)、酸化アルミニ
ウム(Al2 O3 、ΔH/mC=456kcal)、酸
化クロム(Cr2 O3 、ΔH/mC=456kca
l)、酸化ホウ素(B2 O3 、ΔH/mC=754kc
al)、二酸化ケイ素(SiO2 、ΔH/mC=777
kcal)、酸化リン(P 2 O3 、ΔH/mC=121
4kcal)、炭化ケイ素(SiC、ΔH/mC=76
0kcal)、四窒化三ケイ素(Si3 N4 、ΔH/m
C=770kcal)、窒化ホウ素(BN、ΔH/mC
=750kcal)、炭化ホウ素(B4 C、ΔH/mC
=745kcal)等があげられる。これらは単独でも
しくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、
硬化促進剤との硬化反応を効果的に抑制できるという点
で、Al2 O3 、SiO2 、SiC、Si3 N4 、B
N、B4Cを用いることが特に好ましい。このように炭
化物や窒化物が酸性を示すのは、粒子表面に酸化物層が
形成されるためと思われる。
は、0.5〜40μmが好ましく、特に好ましくは2〜
30μmである。なお、充填剤(C成分)を使用する際
には、平均粒径が異なるものを混合して使用するのが通
常である。この場合、種類の異なる充填剤(C成分)を
混合して用いることが好適である。
エポキシ樹脂組成物全体の70〜95重量%に設定する
ことが好ましく、特に好ましくは85〜90重量%であ
る。
進剤含有マイクロカプセル(D成分)は、硬化促進剤か
らなるコア部が、熱可塑性樹脂からなるシェル部で被覆
されたコア/シェル構造を有するマイクロカプセルであ
る。
しては、特に限定するものではなく従来公知のものが用
いられる。そして、この場合、マイクロカプセルを調製
する際の作業性や得られるマイクロカプセルの特性の点
から、常温で液状を有するものが好ましい。なお、常温
で液状とは、硬化促進剤自身の性状が常温で液状を示す
場合の他、常温で固体であっても任意の有機溶剤等に溶
解もしくは分散させて液状にしたものをも含む。
ば、アミン系、イミダゾール系、リン系、ホウ素系、リ
ン−ホウ素系等の硬化促進剤があげられる。具体的に
は、エチルグアニジン、トリメチルグアニジン、フェニ
ルグアニジン、ジフェニルグアニジン等のアルキル置換
グアニジン類、3−(3,4−ジクロロフェニル)−
1,1−ジメチル尿素、3−フェニル−1,1−ジメチ
ル尿素、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチ
ル尿素等の3−置換フェニル−1,1−ジメチル尿素
類、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリ
ン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイ
ミダゾリン等のイミダゾリン類、2−アミノピリジン等
のモノアミノピリジン類、N,N−ジメチル−N−(2
−ヒドロキシ−3−アリロキシプロピル)アミン−N′
−ラクトイミド等のアミンイミド系類、エチルホスフィ
ン、プロピルホスフィン、ブチルホスフィン、フェニル
ホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフ
ィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホス
フィン、トリフェニルホスフィン/トリフェニルボラン
錯体、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレ
ート等の有機リン系化合物、1,8−ジアザビシクロ
〔5,4,0〕ウンデセン−7、1,4−ジアザビシク
ロ〔2,2,2〕オクタン等のジアザビシクロウンデセ
ン系化合物等があげられる。これらは単独でもしくは2
種以上併せて用いられる。なかでも、マイクロカプセル
の作製の容易さ、また取扱い性の容易さという点から、
上記イミダゾール系化合物や有機リン系化合物が好適に
用いられる。
ル(D成分)のシェル部(壁膜)内に内包することがで
きる有機溶剤としては、常温で液状であれば特に限定す
るものではないが、少なくともシェル部(壁膜)を溶解
しないものを選択する必要がある。具体的には、酢酸エ
チル、メチルエチルケトン、アセトン、塩化メチレン、
キシレン、トルエン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤
の他、フェニルキシリルエタン、ジアルキルナフタレン
等のオイル類を用いることができる。
樹脂としては、例えば、ポリウレア、ポリウレタン、ア
ミノ樹脂、アクリル樹脂等があげられる。なかでも、貯
蔵時の安定性を考慮した場合、ポリウレアが好適であ
る。
式(3)で表される繰り返し単位を主要構成成分とする
重合体が好ましい。
1 ,R2 としては、水素原子または1価の有機基であ
り、Rは2価の有機基である。
を主要構成成分とする重合体は、例えば、多価イソシア
ネート類と多価アミン類との重付加反応によって得られ
る。あるいは、多価イソシアネート類と水との反応によ
って得られる。
内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であれ
ばよく、具体的には、m−フェニレンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレ
ンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニ
ルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジ
メトキシ−4,4′−ビフェニルジイソシアネート、
3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイ
ソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、
トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、
ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレ
ン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−
1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、p
−フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン−1,
4−ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチオシア
ネート等のトリイソシアネート類、4,4′−ジメチル
ジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシ
アネート等のテトライソシアネート類、ヘキサメチレン
ジイソシアネートとヘキサントリオールとの付加物、
2,4−トリレンジイソシアネートとプレンツカテコー
ルとの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサント
リオールとの付加物、トリレンジイソシアネートとトリ
メチロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネ
ートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加
物、トリフェニルジメチレントリイソシアネート、テト
ラフェニルトリメチレンテトライソシアネート、ペンタ
フェニルテトラメチレンペンタイソシアネート、リジン
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の
脂肪族多価イソシアネートの三量体のようなイソシアネ
ートプレポリマー等があげられる。これらは単独でもし
くは2種以上併せて用いられる。
クロカプセルを調製する際の造膜性や機械的強度の点か
ら、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパ
ンの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロ
ールプロパンの付加物、トリフェニルジメチレントリイ
ソシアネート等のポリメチレンポリフェニルイソシアネ
ート類に代表されるイソシアネートプレポリマーを用い
ることが好ましい。
せる多価アミン類としては、分子内に2個以上のアミノ
基を有する化合物であればよく、具体的にはジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,8
−オクタメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレン
ジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジ
アミン、p−フェニレンジアミン、o−キシリレンジア
ミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミ
ン、メンタンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチル
シクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミン、1,3
−ジアミノシクロヘキサン、スピロアセタール系ジアミ
ン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併
せて用いられる。
反応では、まず、多価イソシアネート類の加水分解によ
ってアミンが形成され、このアミンが未反応のイソシア
ネート基と反応(いわゆる自己重付加反応)することに
よって、前記一般式(3)で表される繰り返し単位を主
要構成成分とする重合体が形成される。
成分)は、マイクロカプセル化することができるならば
特に限定するものではなく従来公知の各種方法にて調製
することができる。特に界面重合法を用いて、シェル部
(壁膜)を形成しマイクロカプセル化することが、シェ
ル部(壁膜)の均質化や壁膜厚みの調整という観点から
好ましい。
クロカプセル(D成分)は、例えば、つぎのようにして
得られる。すなわち、液状の硬化促進剤をコア成分とし
て、ここに多価イソシアネート類を溶解させる。このよ
うにして得られる溶液は油状であって、これを水相中に
油相として油滴状に分散させてO/W型(油相/水相
型)のエマルジョンを作製する。このとき、分散した各
油滴の粒径は0.05〜50μm、好ましくは0.05
〜10μm程度とすることが、重合中のエマルジョンの
安定性の点から好ましい。
解してコア成分とする場合には、S/O/W(固相/油
相/水相)タイプのエマルジョンとなる。また、このエ
マルジョンタイプは硬化促進剤が親油性の場合であり、
硬化促進剤が親水性を有する場合には上記エマルジョン
タイプに形成され難いが、この場合には溶解度の調整を
行うことによりO/O(油相/油相)型のエマルジョン
タイプや、S/O/O(固相/油相/油相)型のエマル
ジョンタイプとして界面重合を行えばよい。
アミンや多価アルコールを添加することによって、油相
中の多価イソシアネートとの間で界面重合させ重付加反
応を行い、好ましくはポリウレア系の重合体をシェル部
(壁膜)とする、硬化促進剤含有マイクロカプセル(D
成分)が得られる。
イクロカプセル(D成分)は、コア/シェル構造の形態
をとり、シェル部内にコア成分として硬化促進剤を内包
してなるものである。そして、この硬化促進剤含有マイ
クロカプセル(D成分)は、従来からの公知の手段、例
えば、遠心分離後に乾燥したり、噴霧乾燥したりする手
段によって単離することができる。また、上記エポキシ
樹脂やフェノール樹脂中に溶解混合させることができ
る。この際、必要に応じてマイクロカプセル中の有機溶
剤を減圧乾燥等の手段を併用して除去することもでき
る。
成分)の平均粒径は、後述のように、エポキシ樹脂組成
物の製造の際に加わる剪断力を考慮して0.05〜10
μm、好ましくは0.1〜4μmの範囲に設定すること
がマイクロカプセルの安定性および分散性の点から好ま
しい。なお、本発明において、この硬化促進剤含有マイ
クロカプセル(D成分)の形状としては球状が好ましい
が楕円状であってもよい。そして、このマイクロカプセ
ルの形状が真球状ではなく楕円状や偏平状等のように一
律に粒径が定まらない場合には、その最長径と最短径と
の単純平均値を平均粒径とする。
成分)において、内包される硬化促進剤の量は、マイク
ロカプセル全量の5〜70重量%に設定することが好ま
しく、特に好ましくは10〜50重量%である。すなわ
ち、硬化促進剤の内包量が5重量%未満では、硬化反応
の時間が長過ぎて、反応性に乏しくなり、逆に硬化促進
剤の内包量が70重量%を超えるとシェル部(壁膜)の
厚みが薄過ぎて内包される硬化促進剤(コア成分)の隔
離性や機械的強度に乏しくなる恐れがあるからである。
ル(D成分)の粒径に対するシェル部(壁膜)の厚みの
比率は3〜25%に設定することが好ましく、特に好ま
しくは5〜25%に設定される。すなわち、上記比率が
3%未満ではエポキシ樹脂組成物製造時の混練工程にお
いて加わる剪断力(シェア)に対して充分な機械的強度
が得られず、また、25%を超えると内包される硬化促
進剤の放出が不充分となる傾向がみられるからである。
セル(D成分)の配合量は、エポキシ樹脂100重量部
(以下「部」と略す)に対して0.1〜30部に設定す
ることが好ましい。特に好ましくは5〜15部の割合で
ある。すなわち、上記硬化促進剤含有マイクロカプセル
(D成分)の配合量が、0.1部未満では、硬化速度が
遅過ぎて強度の低下を引き起こし、逆に30部を超える
と、硬化速度が速過ぎて流動性が損なわれるからであ
る。
上記A〜D成分以外に、必要に応じて他の添加剤を適宜
に配合することができる。
剤、ワックス等があげられる。
化エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等があげら
れ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。
脂肪酸エステル、高級脂肪酸カルシウム等の化合物があ
げられ、単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
は、上記他の添加剤以外にシリコーンオイルおよびシリ
コーンゴム、合成ゴム等の成分を配合して低応力化を図
ったり、耐湿信頼性テストにおける信頼性向上を目的と
してハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス等のイオン
トラップ剤を配合してもよい。
つぎのようにして製造することができる。まず、先に述
べたように、界面重合法にて、硬化促進剤含有マイクロ
カプセル(D成分)を作製する。
セル(D成分)とともに、残りの他の成分を全て混合し
た後、ミキシングロール機等の混練機にかけ加熱状態で
混練りして溶融混合する。このとき、硬化促進剤含有マ
イクロカプセル(D成分)には熱と剪断力が働くが、こ
の段階では熱安定性が良好であり、このマイクロカプセ
ルには封止成形時に簡単にシェル部(壁膜)が熱により
破壊される性質を有する熱可塑性樹脂がシェル部(壁
膜)形成材料として用いられている。特にこの熱可塑性
樹脂としては、先に述べたようにポリウレアが好適に用
いられる。また、マイクロカプセルに加わる剪断力に対
しては、マイクロカプセルの平均粒径を0.05〜10
μm、好ましくは0.1〜4μmの範囲に設定すること
がマイクロカプセルの安定性および分散性の点から好ま
しい。
の手段によって粉砕し、必要に応じて打錠するという一
連の工程を経由することにより目的とするエポキシ樹脂
組成物を製造することができる。
を用いてなる半導体素子の封止は、特に限定するもので
はなく、通常のトランスファー成形等の公知のモールド
方法により行うことができる。
記特定の金属元素を有する酸性金属元素化合物からなる
充填剤(C成分)を用いたエポキシ樹脂組成物ととも
に、前記硬化促進剤含有マイクロカプセル(D成分)に
よって樹脂封止されているため、硬化安定性に優れたエ
ポキシ樹脂組成物による樹脂封止によって、パッケージ
製造時の流動性の低下も生ずることなく均一な半導体パ
ッケージが得られる。
明する。
硬化促進剤含有マイクロカプセルを作製した。
の界面重合法にて作製した。すなわち、より詳しく述べ
ると、キシリレンジイソシアネート3モルと、トリメチ
ロールプロパン1モルとの付加物10部を、硬化剤とし
てのトリフェニルホスフィン4部に均一に溶解させて油
相を調製した。また、蒸留水95部とポリビニルアルコ
ール5部からなる水相を別途調製し、このなかに上記調
製した油相を添加してホモミキサー(8000rpm)
にて乳化しエマルジョン状態にし、これを還流管、攪拌
機、滴下ロートを備えた重合反応器に仕込んだ。
水溶液13部を調製し、これを上記重合反応器に備えた
滴下ロート内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下し
て70℃で3時間重合を行い、マイクロカプセルを作製
した。このようにしてトリフェニルホスフィンを内包し
たポリウレアシェル(粒径に対するシェル厚み比率20
%)構造のマイクロカプセルを製造した(平均粒径2μ
m)。
(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3′,5,5′
−テトラメチルビフェニルエポキシ樹脂(エポキシ当量
200)
ク型エポキシ樹脂(エポキシ当量198)
ック樹脂(水酸基当量105)
で表されるフェノールアラルキル樹脂(水酸基当量17
5:一般式(2)中、n=0〜21)
脂〕エポキシ当量275でブロム含有量36%
に示す各成分を同表に示す割合で配合し、ミキシングロ
ール機(100℃)で混練りして冷却した後、粉砕する
ことにより目的とする粉末状のエポキシ樹脂組成物を得
た。なお、用いた充填剤の種類と平均粒径、および(Δ
H/mC)値(kcal)を表1および表2に併せて示
した。
例の各粉末状のエポキシ樹脂組成物を用いて下記に示す
評価試験(175℃における初期ゲルタイムの他は、3
0℃×7日放置後の粉末を用いての175℃におけるゲ
ルタイム、175℃×60秒後の硬度および離型性評
価)に供した。これらの結果を後記の表3および表4に
併せて示す。
におけるゲルタイムを熱板式ゲルタイムに従って測定し
た。
ゲルタイム〕30℃×7日放置した後、上記と同様にし
て175℃におけるゲルタイムを測定した。
60秒の条件で成形した直後、ショアーD硬度計を用い
て、熱時の硬度を測定した。
造(上型10,中型11,下型12)の成形型を用い
て、175℃×60秒の条件で成形を行い、エポキシ樹
脂組成物硬化体における離型時の荷重を測定した。図に
おいて、13はカル、14はスプルー、15はランナ
ー、16はキャビティーである。離型時の荷重の測定
は、図2に示すように、成形型の中型11を支持台17
上に載置し、プッシュプルゲージ18を用いて上方から
中型11内のエポキシ樹脂組成物硬化体19を脱型し
た。このときの荷重値を測定した。
れた粉末状のエポキシ樹脂組成物を用いてタブレット状
(直径24.5mm×厚み20mm)に予備成形し、こ
のタブレットを40℃の温度条件で7日間放置した。つ
いで、この放置したタブレットを用いて半導体装置〔8
0ピン四方向フラットパッケージ:QFP−80(14
mm×20mm×厚み2.7mm)、リードフレームM
F202、半導体素子(8mm×8mm×厚み0.37
mm)〕をトランスファー成形(条件:175℃×2
分)にて作製した。
置について、成形不良が発生した個数(120個中)を
測定した。すなわち、自動成形機(TOWA社製、VP
S−40)で上記QFP−80(14mm×20mm×
厚み2.7mm)を10ショット成形して、ボイドの形
成を評価した。なお、上記ボイドの形成は、軟X線装置
にて測定し、直径0.1mm以上のものが形成されたも
のを不良とした。その結果を下記の表3および表4に示
す。
施例品は、30℃×7日放置後の175℃におけるゲル
タイムが短く、しかも、175℃×60秒後の硬度も高
いことがわかる。また、離型性にも優れ、成形物の不良
発生率も0%であることから、実施例品のエポキシ樹脂
組成物は、貯蔵安定性が高く、これを半導体装置の封止
材料として用いるのに適していることがわかる。このこ
とから、実施例品のエポキシ樹脂組成物を半導体装置の
封止材料として用いると高い信頼性を備えた半導体装置
が得られる。これに対して、比較例品は、30℃×7日
放置後の175℃におけるゲルタイムが長く、しかも、
175℃×60秒後の硬度も低いことがわかる。
成物は、エポキシ樹脂(A成分)とフェノール樹脂(B
成分)を含有し、かつ、特定の金属元素を有する酸性金
属元素化合物からなる充填剤(C成分)と、硬化促進剤
含有マイクロカプセル(D成分)を含有するものであ
る。このように、充填剤として、上記特定の金属元素を
有する酸性金属元素化合物を用いるとともに、硬化促進
剤をマイクロカプセル化したものを用いるため、上記充
填剤中の金属元素と硬化促進剤との硬化反応が抑制さ
れ、貯蔵後でも硬化安定性に優れたエポキシ樹脂組成物
が得られる。そして、この硬化安定性に優れたエポキシ
樹脂組成物を半導体装置の封止材料として用いると、信
頼性の高い半導体装置を得ることができる。さらに、本
発明のエポキシ樹脂組成物は、上記のように半導体装置
の封止材料として最適であるが、他の分野、例えば、接
着や塗料等の分野においても有用である。
硬化体の成形方法を示す説明図である。
説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記の(A),(B)成分を含有し、か
つ、(C),(D)成分を含有することを特徴とするエ
ポキシ樹脂組成物。 (A)エポキシ樹脂。 (B)フェノール樹脂。 (C)下記の条件(α)を満たす金属元素を有する酸性
金属元素化合物からなる充填剤。 (α)上記金属元素の酸化物の解離熱ΔHを、陽イオン
数mと、酸素原子に対する配位数Cとの積で除した値
(ΔH/mC)が、400〜1500kcalである。 (D)硬化促進剤からなるコア部が、熱可塑性樹脂から
なるシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有する硬
化促進剤含有マイクロカプセル。 - 【請求項2】 上記(D)成分である硬化促進剤含有マ
イクロカプセルのシェル部を構成する熱可塑性樹脂がポ
リウレアである請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】 上記(C)成分である酸性金属元素化合
物が、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、
四窒化三ケイ素、窒化ホウ素および炭化ホウ素からなる
群から選ばれた少なくとも一つである請求項1または2
記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のエ
ポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半
導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34945496A JPH10182949A (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34945496A JPH10182949A (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10182949A true JPH10182949A (ja) | 1998-07-07 |
Family
ID=18403867
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34945496A Pending JPH10182949A (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10182949A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1996
- 1996-12-27 JP JP34945496A patent/JPH10182949A/ja active Pending
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