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JPH10168164A - エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置

Info

Publication number
JPH10168164A
JPH10168164A JP33395596A JP33395596A JPH10168164A JP H10168164 A JPH10168164 A JP H10168164A JP 33395596 A JP33395596 A JP 33395596A JP 33395596 A JP33395596 A JP 33395596A JP H10168164 A JPH10168164 A JP H10168164A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
resin composition
temperature
component
semiconductor device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33395596A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadahito Misumi
貞仁 三隅
Tsutomu Nishioka
務 西岡
Takashi Taniguchi
剛史 谷口
Toshitsugu Hosokawa
敏嗣 細川
Tadaaki Harada
忠昭 原田
Kazuhiro Ikemura
和弘 池村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP33395596A priority Critical patent/JPH10168164A/ja
Publication of JPH10168164A publication Critical patent/JPH10168164A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Epoxy Resins (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】保存安定性および硬化性に優れたエポキシ樹脂
組成物と、それを用いて得られる耐半田耐熱性に優れた
高い信頼性を有する半導体装置を提供する。 【解決手段】下記の(A)〜(C)成分を含有し、さら
に下記の(D)成分を含有するエポキシ樹脂組成物であ
って、下記の特性(x)を備えたエポキシ樹脂組成物を
用いて半導体素子を封止した半導体装置である。 (A)エポキシ樹脂。 (B)フェノール樹脂。 (C)無機質充填剤。 (D)硬化促進剤からなるコア部が、熱可塑性樹脂から
なるシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有する硬
化促進剤含有マイクロカプセル。 (x)上記エポキシ樹脂組成物を、175℃×60秒の
成形条件で成形した際の硬化物のショアーDで示される
熱時硬度が60以上。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貯蔵時の保存安定
性および硬化性に優れたエポキシ樹脂組成物およびそれ
を用いた信頼性の高い半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トランジスタ、IC、LSI等の半導体
素子は、一般に、熱硬化性組成物を用いて、トランスフ
ァー成形等により樹脂封止され半導体装置化されてい
る。この種の熱硬化性樹脂組成物としては、その信頼性
等の点から、エポキシ樹脂および硬化剤となるフェノー
ル樹脂に加えて、硬化促進剤および無機質充填剤を配合
したエポキシ樹脂組成物が汎用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そして、半導体の高集
積化および半導体装置の薄形化に伴い、このようなエポ
キシ樹脂組成物からなる封止材料の特性に関して、益
々、厳しい要望が求められている。例えば、樹脂封止さ
れたパッケージの封止樹脂層となる硬化物にボイド等が
形成されるとパッケージの信頼性が著しく低下するた
め、このようなボイドの発生の低減が求められる。一
方、半導体装置の表面実装に伴い、半田浸漬あるいはリ
フロー工程時でのパッケージクラックの発生の防止が求
められている。このような問題の解決策として、従来か
ら、無機質充填剤の配合量を多くすることが提案されて
いるが、配合量を多くするにはエポキシ樹脂やフェノー
ル樹脂の軟化点および溶融温度を下げる必要がある。結
果、封止材料であるエポキシ樹脂組成物の保存性が低下
したり、封止材料が成形金型内を流動する間に反応が進
行してしまい、流動性が低下してパッケージの未充填部
分の形成や金線流れ等の成形不良が発生するという問題
が生じる。この保存性の低下を抑制するために硬化促進
剤の配合量を減少させることが試みられているが、その
ために、硬化性が低下するという新たな問題が発生す
る。
【0004】このように、従来のエポキシ樹脂組成物で
は、半導体パッケージのボイドの発生およびパッケージ
クラックの発生を低減させるとともに、封止材料自身の
保存性と硬化性をも両立させたものがなく、このような
エポキシ樹脂組成物を用いて樹脂封止を行った場合、先
に述べたように、パッケージの未充填部分の形成や金線
流れ等の成形不良が発生するという問題があった。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、保存安定性および硬化性に優れたエポキシ樹脂
組成物と、それを用いて得られる耐半田耐熱性に優れた
高い信頼性を有する半導体装置の提供をその目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下記の(A)〜(C)成分を含有し、さ
らに下記の(D)成分を含有するエポキシ樹脂組成物で
あって、下記の特性(x)を備えたエポキシ樹脂組成物
を第1の要旨とし、また、このエポキシ樹脂組成物を用
いて半導体素子を封止してなる半導体装置を第2の要旨
とする。 (A)エポキシ樹脂。 (B)アラルキル系フェノール樹脂、ジシクロペンタジ
エン系フェノール樹脂およびトリフェニルメタン系フェ
ノール樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一つのフ
ェノール樹脂系硬化剤。 (C)無機質充填剤。 (D)有機リン系硬化促進剤からなるコア部が、熱可塑
性樹脂からなるシェル部で被覆されたコア/シェル構造
を有する硬化促進剤含有マイクロカプセル。 (x)上記エポキシ樹脂組成物を、175℃×60秒の
成形条件で成形した際の硬化物のショアーDで示される
熱時硬度が60以上。
【0007】すなわち、本発明者らは、エポキシ樹脂組
成物を用いた半導体パッケージにおいて、樹脂封止部分
にボイドが形成されず、また半田耐熱性にも優れ、しか
も硬化性および保存安定性に関しても優れたエポキシ樹
脂組成物を得るべく、封止材料となるエポキシ樹脂組成
物について様々な観点から検討を行った。そして、その
検討の結果、上記特性の向上を図るためには、エポキシ
樹脂組成物を構成する各種成分はもとより、そのエポキ
シ樹脂組成物自身が有する特性と深く関係することを突
き止め、硬化性に関与する構成成分とともにエポキシ樹
脂組成物の物性について研究を重ねた。その結果、硬化
促進剤をコア部とし、これを熱可塑性樹脂からなるシェ
ル部で被覆した硬化促進剤含有マイクロカプセルを用い
るとともに、これを含有するエポキシ樹脂組成物とし
て、175℃×60秒の成形条件で成形した際の硬化物
のショアーDで示される熱時硬度が60以上〔特性
(x)〕となる特性を有するエポキシ樹脂組成物を用い
ることにより、所期の目的である、貯蔵時の保存安定性
とともに、ボイドの発生およびパッケージクラックの発
生が抑制され、硬化性に優れたエポキシ樹脂組成物が得
られることを見出し本発明に到達した。
【0008】なお、本発明における硬化促進剤をコア成
分とし、これを熱可塑性樹脂からなるシェル部で被覆し
た硬化促進剤含有マイクロカプセルを用いるとともに、
これを含有するエポキシ樹脂組成物は、示差走査熱量計
(DSC)による昇温時(10℃/分)での発熱開始温
度が130〜160℃を示し、また昇温型動的粘弾性測
定器による昇温時(16℃/分)での粘度の立ち上がり
温度が140℃以上を示すことからもわかるように硬化
性に優れる。
【0009】なお、本発明において、特性(x)の、エ
ポキシ樹脂組成物を、175℃×60秒の成形条件で成
形した際の硬化物のショアーDで示される熱時硬度と
は、上記成形条件(175℃×60秒)で成形した最終
的な硬化物のショアーDで示される硬度をいい、本発明
における特性(x)では、ショアーD硬度で60以上と
なることを意味する。
【0010】また、本発明において、上記示差走査熱量
計の昇温時(10℃/分)での発熱開始温度とは、上記
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製)を用いて、試
料(エポキシ樹脂組成物)10mgを精秤し、昇温速度
10℃/分で測定した温度をいう。そして、このように
して測定された発熱開始温度は、図1に示すように、横
軸に温度(℃)、縦軸に発熱量(mj/sec)を示し
た温度−発熱量の関係を表す曲線図において、エポキシ
樹脂組成物の硬化前の吸熱状態での曲線の最下点での接
線αと発熱ピークの立ち上がり側の接線βとの交点γの
温度を指す。したがって、上記発熱開始温度が130〜
160℃とは、上記交点γの温度が130〜160℃の
範囲内であることを意味する。
【0011】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0012】本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ
樹脂(A成分)と、特定のフェノール樹脂系硬化剤(B
成分)と、無機質充填剤(C成分)と、硬化促進剤含有
マイクロカプセル(D成分)を用いて得られるものであ
って、通常、粉末状もしくはそれを打錠したタブレット
状になっている。
【0013】上記エポキシ樹脂(A成分)としては、特
に限定するものではなく従来公知の各種エポキシ樹脂が
あげられる。例えば、クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ノボラッ
クビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン系エポキシ樹脂
等があげられる。なかでも、低粘度で低吸湿性を備えて
いるという点から、下記の一般式(1)で表されるビフ
ェニル型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0014】
【化1】
【0015】上記式(1)において、R1 〜R4 とし
て、水素原子、メチル基を有するものが好ましく、特に
そのなかでも、水素原子が70重量%以下で、残りがメ
チル基となるものが、低吸湿性および反応性の点から一
層好ましい。
【0016】このようなビフェニル型エポキシ樹脂とし
ては、エポキシ当量120〜300、軟化点50〜13
0℃のものが好ましい。
【0017】上記エポキシ樹脂(A成分)とともに用い
られる特定のフェノール樹脂系硬化剤(B成分)は、上
記エポキシ樹脂に対して硬化作用を奏するものであっ
て、アラルキル系フェノール樹脂、ジシクロペンタジエ
ン系フェノール樹脂、トリフェニルメタン系フェノール
樹脂が用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併
せて用いられる。なかでも、上記フェノールアラルキル
樹脂を用いることが好ましく、具体的には下記の一般式
(2)で表されるフェノールアラルキル樹脂を用いるこ
とが特に好ましい。
【0018】
【化2】
【0019】上記式(2)において、繰り返し数nは0
〜40の範囲が好ましく、特に好ましくはn=0〜30
の範囲である。
【0020】上記一般式(2)で表されるフェノールア
ラルキル樹脂は、水酸基当量150〜220、軟化点4
0〜110℃が好ましく、より好ましくは水酸基当量1
50〜200、軟化点50〜90℃である。
【0021】上記エポキシ樹脂(A成分)とフェノール
樹脂系硬化剤(B成分)の配合割合は、上記エポキシ樹
脂成分中のエポキシ基1当量当たりフェノール樹脂中の
水酸基が0.8〜1.2当量となるように配合すること
が好適である。より好適なのは0.9〜1.1当量であ
る。
【0022】上記エポキシ樹脂(A成分)およびフェノ
ール樹脂系硬化剤(B成分)とともに用いられる無機質
充填剤(C成分)としては、シリカ、クレー、石膏、炭
酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミナ、酸化ベリ
リウム、炭化ケイ素、窒素ケイ素等があげられる。なか
でも、溶融シリカ、結晶性シリカが好ましく用いられ、
具体的には、破砕状結晶性シリカ、球状溶融シリカがあ
げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
【0023】そして、上記無機質充填剤(C成分)の配
合量は、エポキシ樹脂組成物全体の75重量%以上に設
定することが好ましい。特に好ましくは80〜95重量
%である。すなわち、無機質充填剤(C成分)の配合量
が75重量%未満では、半田耐熱性が大幅に低下する傾
向がみられるからである。
【0024】上記エポキシ樹脂(A成分),フェノール
樹脂系硬化剤(B成分)および無機質充填剤(C成分)
とともに用いられる硬化促進剤含有マイクロカプセル
(D成分)は、硬化促進剤からなるコア部が、熱可塑性
樹脂からなるシェル部で被覆されたコア/シェル構造を
有するマイクロカプセルである。
【0025】上記コア部として内包される硬化促進剤と
しては、有機リン系化合物が用いられる。そして、この
場合、マイクロカプセルを調製する際の作業性や得られ
るマイクロカプセルの特性の点から、常温で液状を有す
るものが好ましい。なお、常温で液状とは、硬化促進剤
自身の性状が常温で液状を示す場合の他、常温で固体で
あっても任意の有機溶剤等に溶解もしくは分散させて液
状にしたものをも含む。
【0026】そして、上記硬化促進剤である有機リン系
化合物としては、例えば、エチルホスフィン、プロピル
ホスフィン、ブチルホスフィン、フェニルホスフィン、
トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブ
チルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニ
ルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフ
ェニルホスフィン/トリフェニルボラン錯体、テトラフ
ェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等の有機リ
ン系化合物があげられる。これらは単独でもしくは2種
以上併せて用いられる。なかでも、硬化促進剤含有マイ
クロカプセルの作製の容易さ、および取扱い性の容易さ
という点から、上記イミダゾール系化合物、有機リン系
化合物が好適に用いられる。
【0027】また、マイクロカプセルのシェル部(壁
膜)内に内包することができる有機溶剤としては、常温
で液状であれば特に限定するものではないが、少なくと
もシェル部(壁膜)を溶解しないものを選択する必要が
ある。具体的には、酢酸エチル、メチルエチルケトン、
アセトン、塩化メチレン、キシレン、トルエン、テトラ
ヒドロフラン等の有機溶剤の他、フェニルキシリルエタ
ン、ジアルキルナフタレン等のオイル類を用いることが
できる。
【0028】上記シェル部(壁膜)を形成する熱可塑性
樹脂としては、例えば、ポリウレア、ポリウレタン、ア
ミノ樹脂、アクリル樹脂等があげられる。なかでも、貯
蔵時の安定性と、硬化物成形時のシェル部の破壊容易性
等を考慮した場合、ポリウレアが好適である。
【0029】上記ポリウレアとしては、特に下記の一般
式(3)で表される繰り返し単位を主要構成成分とする
重合体が好ましい。
【0030】
【化3】
【0031】上記のように、式(3)において、R1
2 としては、水素原子または1価の有機基であり、R
は2価の有機基である。
【0032】上記式(3)で表される繰り返し単位を主
要構成成分とする重合体は、例えば、多価イソシアネー
ト類と多価アミン類との重付加反応によって得られる。
あるいは、多価イソシアネート類と水との反応によって
得られる。
【0033】上記多価イソシアネート類としては、分子
内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であれ
ばよく、具体的には、m−フェニレンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレ
ンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニ
ルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジ
メトキシ−4,4′−ビフェニルジイソシアネート、
3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイ
ソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、
トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、
ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレ
ン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−
1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、p
−フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン−1,
4−ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチオシア
ネート等のトリイソシアネート類、4,4′−ジメチル
ジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシ
アネート等のテトライソシアネート類、ヘキサメチレン
ジイソシアネートとヘキサントリオールとの付加物、
2,4−トリレンジイソシアネートとプレンツカテコー
ルとの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサント
リオールとの付加物、トリレンジイソシアネートとトリ
メチロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネ
ートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加
物、トリフェニルジメチレントリイソシアネート、テト
ラフェニルトリメチレンテトライソシアネート、ペンタ
フェニルテトラメチレンペンタイソシアネート、リジン
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の
脂肪族多価イソシアネートの三量体のようなイソシアネ
ートプレポリマー等があげられる。これらは単独でもし
くは2種以上併せて用いられる。
【0034】上記多価イソシアネート類のなかでもマイ
クロカプセルを調製する際の造膜性や機械的強度の点か
ら、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロ
パンの付加物、および、このキシリレンジイソシアネー
トとトリメチロールプロパンの付加物とトリレンジイソ
シアネートとトリメチロールプロパンの付加物の混合物
を用いることが好ましい。
【0035】一方、上記多価イソシアネート類と反応さ
せる多価アミン類としては、分子内に2個以上のアミノ
基を有する化合物であればよく、具体的にはジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,8
−オクタメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレン
ジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジ
アミン、p−フェニレンジアミン、o−キシリレンジア
ミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミ
ン、メンタンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチル
シクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミン、1,3
−ジアミノシクロヘキサン、スピロアセタール系ジアミ
ン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併
せて用いられる。
【0036】また、上記多価イソシアネート類と水との
反応では、まず、多価イソシアネート類の加水分解によ
ってアミンが形成され、このアミンが未反応のイソシア
ネート基と反応(いわゆる自己重付加反応)することに
よって、前記一般式(3)で表される繰り返し単位を主
要構成成分とする重合体が形成される。
【0037】上記硬化促進剤含有マイクロカプセルは、
マイクロカプセル化することができるならば特に限定す
るものではなく従来公知の各種方法にて調製することが
できる。特に界面重合法を用いて、シェル部(壁膜)を
形成しマイクロカプセル化することが、シェル部(壁
膜)の均質化や壁膜厚みの調整という観点から好まし
い。
【0038】上記界面重合法による硬化促進剤含有マイ
クロカプセルは、例えば、つぎのようにして得られる。
すなわち、液状の硬化促進剤をコア成分として、ここに
多価イソシアネート類を溶解させる。このようにして得
られる溶液は油状であって、これを水相中に油相として
油滴状に分散させてO/W型(油相/水相型)のエマル
ジョンを作製する。このとき、分散した各油滴の平均粒
径は0.05〜20μm、好ましくは0.1〜4μm程
度とすることが、重合中のエマルジョンの安定性の点か
ら好ましい。
【0039】一方、固体状の硬化促進剤を有機溶剤に溶
解してコア成分とする場合には、S/O/W(固相/油
相/水相)タイプのエマルジョンとなる。また、このエ
マルジョンタイプは硬化促進剤が親油性の場合であり、
硬化促進剤が親水性を有する場合には上記エマルジョン
タイプに形成され難いが、この場合には溶解度の調整を
行うことによりO/O(油相/油相)型のエマルジョン
タイプや、S/O/O(固相/油相/油相)型のエマル
ジョンタイプとして界面重合を行えばよい。
【0040】ついで、上記エマルジョンの水相に、多価
アミンや多価アルコールを添加することによって、油相
中の多価イソシアネートとの間で界面重合させ重付加反
応を行い、好ましくはポリウレア系の重合体をシェル部
(壁膜)とする、硬化促進剤含有マイクロカプセルが得
られる。
【0041】このようにして得られた硬化促進剤含有マ
イクロカプセル(D成分)は、コア/シェル構造の形態
をとり、シェル部内にコア成分として硬化促進剤を内包
してなるものである。そして、この硬化促進剤含有マイ
クロカプセルは、従来からの公知の手段、例えば、遠心
分離後に乾燥したり、噴霧乾燥したりする手段によって
単離することができる。また、例えば、上記エポキシ樹
脂やフェノール樹脂系硬化剤中に溶解混合させることが
できる。この際、必要に応じてマイクロカプセル中の有
機溶剤を減圧乾燥等の手段を併用して除去することもで
きる。
【0042】この硬化促進剤含有マイクロカプセル(D
成分)の平均粒径は、後述のように、マイクロカプセル
自身の安定性、エポキシ樹脂組成物の製造の際に加わる
剪断力、均一分散性等を考慮して0.05〜20μmの
範囲に設定することが好ましく、より好ましくは0.1
〜40μmの範囲である。すなわち、硬化促進剤含有マ
イクロカプセル(D成分)の平均粒径を上記範囲に設定
することにより、エポキシ樹脂組成物作製時の混練り工
程での剪断力による破壊を抑制することができ、また、
均一に系内に分散させることができる。なお、本発明に
おいて、この硬化促進剤含有マイクロカプセル(D成
分)の形状としては球状が好ましいが楕円状であっても
よい。そして、このマイクロカプセルの形状が真球状で
はなく楕円状や偏平状等のように一律に粒径が定まらな
い場合には、その最長径と最短径との単純平均値を平均
粒径とする。
【0043】この硬化促進剤含有マイクロカプセル(D
成分)において、内包される硬化促進剤の量は、マイク
ロカプセル全量の5〜70重量%に設定することが好ま
しく、特に好ましくは10〜50重量%である。すなわ
ち、硬化促進剤の内包量が5重量%未満では、硬化反応
の時間が長過ぎて、反応性に乏しくなり、逆に硬化促進
剤の内包量が70重量%を超えるとシェル部(壁膜)の
厚みが薄過ぎて内包される硬化促進剤(コア成分)の隔
離性や機械的強度に乏しくなる恐れがあるからである。
【0044】また、上記硬化促進剤含有マイクロカプセ
ル(D成分)の粒径に対するシェル部(壁膜)厚みの比
率は3〜25%に設定することが好ましく、特に好まし
くは5〜25%に設定される。すなわち、上記比率が3
%未満ではエポキシ樹脂組成物製造時の混練工程におい
て加わる剪断力(シェア)に対して充分な機械的強度が
得られず、また、25%を超えると内包される硬化促進
剤の放出が不充分となる傾向がみられるからである。
【0045】そして、上記硬化促進剤含有マイクロカプ
セル(D成分)の配合量は、エポキシ樹脂100重量部
(以下「部」と略す)に対して0.1〜30部に設定す
ることが好ましい。特に好ましくは5〜15部の割合で
ある。すなわち、上記硬化促進剤含有マイクロカプセル
(C成分)の配合量が、0.1部未満では、硬化速度が
遅過ぎて強度の低下を引き起こし、30部を超えると、
硬化速度が早過ぎて流動性が損なわれるからである。
【0046】なお、本発明のエポキシ樹脂組成物には、
上記エポキシ樹脂(A成分)、フェノール樹脂系硬化剤
(B成分)、無機質充填剤(C成分)および硬化促進剤
含有マイクロカプセル(D成分)以外に、必要に応じて
他の添加剤を適宜に配合することができる。
【0047】上記他の添加剤としては、例えば、難燃
剤、ワックス等があげられる。
【0048】上記難燃剤としては、ノボラック型ブロム
化エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等があげら
れ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。
【0049】上記ワックスとしては、高級脂肪酸、高級
脂肪酸エステル、高級脂肪酸カルシウム等の化合物があ
げられ、具体的にはポリエチレン系ワックス等が用いら
れる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。
【0050】さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物に
は、上記他の添加材以外にシリコーンオイルおよびシリ
コーンゴム、合成ゴム等の成分を配合して低応力化を図
ったり、耐湿信頼性テストにおける信頼性向上を目的と
してハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス等のイオン
トラップ剤を配合してもよい。
【0051】本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、
つぎのようにして製造することができる。まず、先に述
べたように、界面重合法にて、硬化促進剤含有マイクロ
カプセル(D成分)を作製する。
【0052】ついで、上記硬化促進剤含有マイクロカプ
セル(D成分)とともに、残りの他の成分を全て混合し
た後、ミキシングロール機等の混練機にかけ加熱状態で
混練りして溶融混合する。このとき、硬化促進剤含有マ
イクロカプセル(D成分)には熱と剪断力が働くが、こ
の段階では熱安定性が良好であり、このマイクロカプセ
ルには封止成形時に簡単にシェル部(壁膜)が熱により
破壊される性質を有する熱可塑性樹脂がシェル部(壁
膜)形成材料として用いられている。特にこの熱可塑性
樹脂としてポリウレアが好適に用いられる。また、先に
述べたように、マイクロカプセルに加わる剪断力に対し
ては、マイクロカプセルの平均粒径を0.05〜20μ
m、好ましくは0.1〜5μmの範囲に設定することが
マイクロカプセルの安定性および分散性の点から好まし
い。
【0053】つぎに、これを室温にて冷却した後、公知
の手段によって粉砕し、必要に応じて打錠するという一
連の工程を経由することにより目的とするエポキシ樹脂
組成物を製造することができる。
【0054】このようにして得られる本発明のエポキシ
樹脂組成物では、下記の特性(x)を備えていなければ
ならない。さらに、本発明においては、上記特性(x)
とともに下記の(y)をも同時に満たすことが好まし
い。
【0055】(x)上記エポキシ樹脂組成物を、175
℃×60秒の成形条件で成形した際の硬化物のショアー
Dで示される熱時硬度が60以上。
【0056】(y)示差走査熱量計の昇温時(10℃/
分)での発熱開始温度が130〜160℃。
【0057】上記特性(x)において、好ましくはショ
アーD硬度で示される熱時硬度は70以上である。すな
わち、熱時硬度が60未満では、成形物の取り出し時
に、ランナー部で成形物が折れる等作業性を著しく損な
うなど、成形物の外観不良等の問題を引き起こすからで
ある。
【0058】そして、上記特性(x)、さらに好ましく
は特性(y)に加えて、上記エポキシ樹脂組成物では、
175℃におけるゲル化時間が25秒以上となる特性
〔特性(I)〕を有することが好ましい。より好ましく
はゲル化時間は25〜35秒である。このように、17
5℃におけるゲル化時間を25秒以上に設定することに
より、成形時、パッケージ内に充填される際の硬化反応
による粘度上昇を抑えることが可能となり、半導体素子
の変形等の不良を抑制することができるようになる。
【0059】さらに、上記特性(I)に加えて、上記エ
ポキシ樹脂組成物では、昇温型粘弾性測定装置(昇温速
度16℃/分)における粘度の立ち上がり温度が140
℃以上となる特性〔特性(II)〕を有することが好まし
い。より好ましくは粘度の立ち上がり温度は145〜1
65℃である。この昇温型粘弾性測定装置(昇温速度1
6℃/分)における粘度の立ち上がり温度とは、上記昇
温型粘弾性測定装置(レオメトリック・サイエンティ・
フィック・エフ・イー社製)を用いて、試料(エポキシ
樹脂組成物)2gを精秤し、昇温速度16℃/分で測定
した粘度値が、当初は樹脂の溶融により下がり硬化反応
により逆に増粘する温度をいう。このように、昇温型粘
弾性測定装置(昇温速度16℃/分)における粘度の立
ち上がり温度を140℃以上に設定することにより、成
形時の低粘度領域を広げるとともに、製造中の混練り温
度を上げることができ、充分な均一混合が可能となる。
【0060】さらに、上記特性(I),(II)に加え
て、上記エポキシ樹脂組成物では、示差走査熱量計の昇
温時(10℃/分)での発熱ピーク温度が下記の不等式
を満足するもの〔特性(III)〕であることが好ましい。
上記発熱ピーク温度とは、前述の発熱開始温度〔特性
(y)〕での説明と同様、上記示差走査熱量計(セイコ
ー電子工業社製)を用いて、試料(エポキシ樹脂組成
物)10mgを精秤し、昇温速度10℃/分で測定した
温度をいい、図1に示す曲線図(温度−発熱量の関係を
示す曲線図)において、得られた曲線のピーク時の温度
をいう。
【0061】
【数1】 発熱ピーク温度(℃)<発熱開始温度(℃)+25℃
【0062】本発明において、上記エポキシ樹脂組成物
を用いてなる半導体素子の封止は、特に限定するもので
はなく、通常のトランスファー成形等の公知のモールド
方法により行うことができる。
【0063】このようにして得られる半導体装置は、上
記硬化促進剤含有マイクロカプセルを含有する、前記特
性(x)を有したエポキシ樹脂組成物を用いて樹脂封止
されているため、ボイドの発生およびパッケージクラッ
クの発生が抑制された高い信頼性を備えている。
【0064】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0065】実施例に先立ち、下記に示す方法に従って
硬化促進剤含有マイクロカプセルを作製した。
【0066】〔硬化促進剤含有マイクロカプセルC1〕
前述の界面重合法にて作製した。すなわち、より詳しく
述べると、キシリレンジイソシアネート3モルとトリメ
チロールプロパン1モルとの付加物10部を、硬化剤と
してのトリフェニルホスフィン4部に均一に溶解させて
油相を調製した。また、蒸留水95部とポリビニルアル
コール5部からなる水相を別途調製し、このなかに上記
調製した油相を添加してホモミキサー(8000rp
m)にて乳化しエマルジョン状態にし、これを還流管、
攪拌機、滴下ロートを備えた重合反応器に仕込んだ。
【0067】一方、トリエチレンテトラミン3部を含む
水溶液13部を調製し、これを上記重合反応器に備えた
滴下ロート内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下し
て70℃で3時間重合を行い、マイクロカプセルC1を
作製した。このようにしてトリフェニルホスフィンを内
包したポリウレアシェル(粒径に対するシェル厚み比率
20%)構造のマイクロカプセルC1を製造した(平均
粒径2μm)。
【0068】一方、下記に示す各成分を準備した。
【0069】〔エポキシ樹脂A1〕4,4′−ビス
(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3′,5,5′
−テトラメチルビフェニルエポキシ樹脂(エポキシ当量
200)
【0070】〔エポキシ樹脂A2〕クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂(エポキシ当量198)
【0071】〔フェノール樹脂B1〕前記一般式(3)
で表されるフェノールアラルキル樹脂(水酸基当量17
5:式(3)中、n=0〜21)
【0072】〔フェノール樹脂B2〕ジシクロペンタジ
エン系フェノール(水酸基当量167)
【0073】〔フェノール樹脂B3〕トリフェニルメタ
ン系フェノール(SKレジン、水酸基当量155)
【0074】〔フェノール樹脂B4〕フェノールノボラ
ック樹脂(水酸基当量105)
【0075】〔無機質充填剤〕球状溶融シリカ粉末と破
砕結晶性シリカ粉末の混合物〔球状溶融シリカ粉末/破
砕結晶性シリカ粉末=70/30(重量比)〕
【0076】
【実施例1〜5、比較例1〜7】下記の表1および表2
に示す各成分を同表に示す割合で配合し、ミキシングロ
ール機(100℃)で混練りして冷却した後粉砕するこ
とにより目的とする粉末状のエポキシ樹脂組成物を得
た。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】このようにして得られた実施例および比較
例の各粉末状のエポキシ樹脂組成物を用い、まず、エポ
キシ樹脂組成物自身の有する各種特性を下記に従って測
定した。さらに、下記に示す方法に従って保存性および
離型性を測定評価した。これらの結果を後記の表3〜表
5に併せて示す。
【0080】〔発熱開始温度〕示差走査熱量計(セイコ
ー電子工業社製)を用いて、各試料(エポキシ樹脂組成
物)10mgを精秤し、昇温速度10℃/分の条件で、
発熱の開始した温度を測定した。
【0081】〔硬化物のショアーDで示される熱時硬
度〕175℃×60秒の成形条件で成形して得られた硬
化物の硬度(ショアーD)を測定した。
【0082】〔粘度の立ち上がり温度〕先に述べたよう
に、昇温型粘弾性測定装置(レオメトリック・サイエン
ティ・フィック・エフ・イー社製)を用い、試料(エポ
キシ樹脂組成物)2gを精秤し、昇温速度16℃/分で
測定した。
【0083】〔ゲル化時間〕175℃におけるゲルタイ
ムを熱板式ゲルタイム測定法に従って測定した。
【0084】〔発熱ピーク温度〕上記発熱開始温度の測
定と同様、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製)を
用いて、各試料(エポキシ樹脂組成物)10mgを精秤
し、昇温速度10℃/分の条件で、発熱の開始して発熱
量がピークに達した温度を測定した。
【0085】〔保存性〕まず、粉末状エポキシ樹脂組成
物をタブレット状(直径24.5mm×厚み20mm)
に予備成形した。このタブレットを予め規定温度(17
5±5℃)に加熱した渦巻状のスパイラルフロー用金型
のポットの奥まで挿入し、型締めして型締め圧力を21
0±10kg/cm2 まで上げた。つぎに、型締め圧力
が210±10kg/cm2 に達した時点で、プランジ
ャーでエポキシ樹脂組成物を注入し、注入圧力70±5
kg/cm2 に到達した後、1分50秒間注入圧力をか
けた。ついで、トランスファー成形機のプランジャー圧
力を抜き、さらに型締め圧を抜いて金型を開いた。そし
て、成形物の渦巻長さを最小2.5mmまで測定するこ
とによりスパイラルフロー値を得た(EMMI 1−6
6に準ずる)。これを初期のスパイラルフロー値(初期
SF値)とした。
【0086】一方、上記と同様にして粉末状エポキシ樹
脂組成物をタブレット状(直径24.5mm×厚み20
mm)に予備成形し、このタブレットを30℃の温度条
件で3日間放置した。この放置後のタブレットを用い、
上記初期SF値の測定と同様にしてスパイラルフロー値
を得た。これを3日間保存後のスパイラルフロー値(保
存後SF値)とした。
【0087】上記初期SF値と保存後SF値から、下記
の式によりスパイラルフロー保持率(%)を算出した。
【0088】
【数2】スパイラルフロー保持率(%)=(保存後SF
値)/(初期SF値)×100
【0089】〔離型性〕まず、図2に示すような3層構
造(上型10,中型11,下型12)の成形型を用い
て、175℃×60秒の条件で成形を行い、エポキシ樹
脂組成物硬化体における離型時の荷重を測定した。図2
において、13はカル、14はスプルー、15はランナ
ー、16はキャビティーである。離型時の荷重の測定
は、図3に示すように、成形型の中型11を支持台17
上に載置し、プッシュプルゲージ18を用いて上方から
中型11内のエポキシ樹脂組成物硬化体19を脱型し
た。このときの荷重値を測定した。
【0090】さらに、上記各実施例および比較例で得ら
れた粉末状のエポキシ樹脂組成物を用いてタブレット状
(直径24.5mm×厚み20mm)に予備成形し、こ
のタブレットを30℃の温度条件で3日間放置した。つ
いで、この放置したタブレットを用いて半導体装置〔8
0ピン四方向フラットパッケージ:QFP−80(14
mm×20mm×厚み2.7mm)、リードフレームM
F202、半導体素子(8mm×8mm×厚み0.37
mm)〕をトランスファー成形(条件:175℃×2
分)にて作製した。
【0091】〔成形不良評価〕まず、得られた半導体装
置について、ボイド、未充填部分の形成、ダイシフトの
発生等、成形不良が発生した個数(120個中)をカウ
ントし、成形不良発生率を算出した。その結果を下記の
表3〜表5に併せて示す。
【0092】
【表3】
【0093】
【表4】
【0094】
【表5】
【0095】上記表3〜表5の結果から、全ての実施例
品は保存性に優れていることがわかる。また、離型性に
も優れていることから、実施例品のエポキシ樹脂組成物
は、貯蔵安定性が高く、これを半導体装置の封止材料と
して用いるのに適していることがわかる。さらに、成形
不良発生率も0%という良好な結果が得られた。このこ
とから、実施例のエポキシ樹脂組成物を半導体装置の封
止材料として用いると高い信頼性を備えた半導体装置が
得られる。これに対して、比較例品は保存性が低く、半
導体装置の不良発生率に関しては比較例1が45%で比
較例3が35%と高く、さらにそれ以外の比較例品では
上記比較例1,3以上に高い値となった。また、PCT
テストにおける結果も実施例品に比べて短時間であっ
た。
【0096】
【発明の効果】以上のように、本発明のエポキシ樹脂組
成物は、前記A〜D成分を含有するとともに、前記特性
(x)を備えたものである。このように、有機リン系硬
化促進剤からなるコア部が、熱可塑性樹脂からなるシェ
ル部で被覆されたコア/シェル構造を有する硬化促進剤
含有マイクロカプセル(C成分)を含有するため、硬化
促進剤による反応の進行が抑制され貯蔵安定性が向上す
るとともに、上記エポキシ樹脂組成物として特性(x)
を有するため、硬化反応の開始温度が高く設定され、し
かも硬化反応開始から急速に硬化を完了させることがで
きる。したがって、このエポキシ樹脂組成物を半導体封
止材料として用いた場合、成形用金型内を流動する間の
硬化反応を抑制することができ、しかも流動性が低下す
ることもないため、ボイドやパッケージクラックも形成
されず均一な樹脂封止による半導体パッケージが得られ
る。
【0097】そして、本発明のエポキシ樹脂組成物で
は、前記特性(x)に加えて、175℃における特定の
ゲル化時間〔特性(I)〕、および、特定の粘度の立ち
上がり温度〔特性(II) 〕を有することにより、これを
封止材料として用いた場合、より一層信頼性の高い半導
体装置が得られるようになる。
【0098】本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記のよ
うに半導体装置の封止材料として最適であるが、他の分
野、例えば、接着剤や塗料等の分野においても有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】示差走査熱量計により測定して得られた温度−
発熱量の関係を示す曲線図である。
【図2】離型性の評価方法に用いるエポキシ樹脂組成物
硬化体の成形方法を示す説明図である。
【図3】離型性の評価方法である荷重の測定方法を示す
説明図である。
フロントページの続き (72)発明者 細川 敏嗣 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 原田 忠昭 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 池村 和弘 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(C)成分を含有し、さ
    らに下記の(D)成分を含有するエポキシ樹脂組成物で
    あって、下記の特性(x)を備えていることを特徴とす
    るエポキシ樹脂組成物。 (A)エポキシ樹脂。 (B)アラルキル系フェノール樹脂、ジシクロペンタジ
    エン系フェノール樹脂およびトリフェニルメタン系フェ
    ノール樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一つのフ
    ェノール樹脂系硬化剤。 (C)無機質充填剤。 (D)有機リン系硬化促進剤からなるコア部が、熱可塑
    性樹脂からなるシェル部で被覆されたコア/シェル構造
    を有する硬化促進剤含有マイクロカプセル。 (x)上記エポキシ樹脂組成物を、175℃×60秒の
    成形条件で成形した際の硬化物のショアーDで示される
    熱時硬度が60以上。
  2. 【請求項2】 上記エポキシ樹脂組成物の、175℃に
    おけるゲル化時間が25秒以上である請求項1記載のエ
    ポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記エポキシ樹脂組成物の、昇温型動的
    粘弾性測定器による昇温時(16℃/分)での粘度の立
    ち上がり温度が140℃以上である請求項1または2記
    載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記(A)成分であるエポキシ樹脂がビ
    フェニル型エポキシ樹脂である請求項1〜3のいずれか
    一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載のエ
    ポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半
    導体装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1009025A3 (en) * 1998-12-08 2002-08-28 Nitto Denko Corporation Epoxy resin composition for encapsulation of semiconductor devices
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