JP3892514B2 - 熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化均一性に優れた熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた信頼性の高い半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トランジスタ、IC、LSI等の半導体素子は、一般にエポキシ樹脂組成物を用いて封止され半導体装置化されている。この種のエポキシ樹脂組成物には、通常、エポキシ樹脂とともに、各種硬化剤、無機質充填剤、さらに、硬化促進剤が含有される。
【0003】
しかしながら、上記エポキシ樹脂組成物は、予め、硬化促進剤を配合しておくと、硬化反応が進行するために、通常は、使用する直前に硬化促進剤を混合して用いられる。このようなエポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤を別に保存しておき必要に応じて配合し混合するが、混合後の可使時間が比較的短いため多量に混合することができず、従って、多量に使用する場合は、少量ずつ複数回に分けて配合しなければならず、作業能率が極めて悪いものである。
【0004】
一方、このような問題を解決するものとして、例えば、エポキシ樹脂をシェル部(壁膜)形成材料として用いたマイクロカプセル内に硬化促進剤を封入した、硬化促進剤含有マイクロカプセルを含有するエポキシ樹脂組成物が提案されている(特開平1−242616号公報)。さらに、上記マイクロカプセルのシェル部(壁膜)形成材料として、上記エポキシ樹脂以外に、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチルエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルトルエン、アクリルゴム等の各種重合体や、塩化ビニリデンやアクリロニトリル、メタクリル酸等のエチレン系単量体を主成分の単量体として得られる重合体を用いた硬化促進剤含有マイクロカプセルを含有するエポキシ樹脂組成物が種々提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような各種の硬化促進剤含有マイクロカプセルを他の成分とともに配合し混練して得られたエポキシ樹脂組成物を用いてなる硬化物では、硬化が均一になされず硬化均一性に劣るという問題がある。また、このように硬化均一性に劣るエポキシ樹脂組成物を半導体封止材料として用いた場合、ボイドや金線流れが生じるため、均一な樹脂封止によるパッケージが得られ難いという問題が発生する。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、硬化均一性に優れた熱硬化性樹脂組成物と、それを用いて得られる信頼性の高い半導体装置の提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、下記の硬化促進剤含有マイクロカプセル(α)とともに、熱硬化性樹脂および硬化剤を含有する熱硬化性樹脂組成物を第1の要旨とし、また、この熱硬化性樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半導体装置を第2の要旨とする。
(α)熱硬化性樹脂用の硬化促進剤からなるコア部が熱可塑性樹脂からなるシェル部で被 覆されたコア/シェル構造を有する硬化促進剤含有マイクロカプセルであって、上 記マイクロカプセルの平均粒径が0.3〜4μmであり、かつ、上記マイクロカプ セルの分散係数(粒径の標準偏差/平均粒径)が1以下である硬化促進剤含有マイ クロカプセル。
【0008】
本発明者らは、従来の熱硬化性樹脂組成物が硬化均一性に劣るという問題の原因を追求すべく、まず、熱硬化性樹脂組成物中に含まれる硬化促進剤含有マイクロカプセルを中心に研究を重ねた。その研究の過程で、上記硬化促進剤含有マイクロカプセルの平均粒径と分散係数(粒径の標準偏差/平均粒径)に着目し、これらが熱硬化性樹脂組成物の硬化均一性の問題と深く関与するのではないかと想起した。そして、さらに研究を続けた結果、従来の硬化促進剤含有マイクロカプセルには分散係数が1を超えるものが含まれるため、上記熱硬化性樹脂組成物の硬化均一性が劣るということを突き止めた。すなわち、上記硬化促進剤含有マイクロカプセルの平均粒径を0.3〜4μmの範囲に設定するとともに、上記マイクロカプセルの分散係数(粒径の標準偏差/平均粒径)を1以下に設定すると、上記マイクロカプセルが正規分布を示すことを見出した。そして、この正規分布を示す硬化促進剤含有マイクロカプセルを、熱硬化性樹脂や硬化剤とともに用いると、硬化均一性に優れた熱硬化性樹脂組成物が得られることを見出し本発明に到達した。
【0009】
さらに、この硬化均一性に優れた熱硬化性樹脂組成物を用いて、例えば、トランスファー成形等の半導体装置の封止作業を行うと、ボイドや金線流れの発生を防止でき、均一な樹脂封止によるパッケージを得ることができることを突き止めた。
【0010】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0011】
本発明に係る硬化促進剤含有マイクロカプセルは、熱硬化性樹脂用の硬化促進剤からなるコア部が、熱可塑性樹脂からなるシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するマイクロカプセルである。
【0012】
上記コア部として内包される硬化促進剤としては、熱硬化性樹脂用のものであれば特に限定するものではなく従来公知のものが用いられる。そして、この場合、マイクロカプセルを調製する際の作業性や得られるマイクロカプセルの特性の点から、常温で液状を有するものが好ましい。なお、常温で液状とは、硬化促進剤自身の性状が常温で液状を示す場合の他、常温で固体であっても任意の有機溶剤等に溶解もしくは分散させて液状にしたものをも含む。
【0013】
そして、上記硬化促進剤としては、例えば、アミン系、イミダゾール系、リン系、ホウ素系、リン−ホウ素系等の硬化促進剤があげられる。具体的には、エチルグアニジン、トリメチルグアニジン、フェニルグアニジン、ジフェニルグアニジン等のアルキル置換グアニジン類、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素等の3−置換フェニル−1,1−ジメチル尿素類、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン等のイミダゾリン類、2−アミノピリジン等のモノアミノピリジン類、N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロピル)アミン−N′−ラクトイミド等のアミンイミド系類、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、ブチルホスフィン、フェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン/トリフェニルボラン錯体、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等の有機リン系化合物、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7、1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン等のジアザビシクロウンデセン系化合物等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、硬化促進剤含有マイクロカプセルの作製の容易さ、また取扱い性の容易さという点から、上記イミダゾール系化合物や有機リン系化合物が好適に用いられる。
【0014】
また、上記硬化促進剤含有マイクロカプセルのシェル部(壁膜)内に内包することができる有機溶剤としては、常温で液状であれば特に限定するものではないが、少なくともシェル部(壁膜)を溶解しないものを選択する必要がある。具体的には、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、塩化メチレン、キシレン、トルエン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤の他、フェニルキシリルエタン、ジアルキルナフタレン等のオイル類を用いることができる。
【0015】
上記シェル部(壁膜)を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリウレア、ポリウレタン、アミノ樹脂、アクリル樹脂等があげられる。なかでも、貯蔵時の安定性を考慮した場合、ポリウレアが好適である。
【0016】
上記ポリウレアとしては、特に下記の一般式(1)で表される繰り返し単位を主要構成成分とする重合体が好ましい。
【0017】
【化1】
【0018】
上記のように、式(1)において、R1 ,R2 としては、水素原子または1価の有機基であり、Rは2価の有機基である。
【0019】
上記式(1)で表される繰り返し単位を主要構成成分とする重合体は、例えば、多価イソシアネート類と多価アミン類との重付加反応によって得られる。あるいは、多価イソシアネート類と水との反応によって得られる。
【0020】
上記多価イソシアネート類としては、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であればよく、具体的には、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフェニルジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、p−フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチオシアネート等のトリイソシアネート類、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネート等のテトライソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサントリオールとの付加物、2,4−トリレンジイソシアネートとプレンツカテコールとの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールとの付加物、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、トリフェニルジメチレントリイソシアネート、テトラフェニルトリメチレンテトライソシアネート、ペンタフェニルテトラメチレンペンタイソシアネート、リジンイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族多価イソシアネートの三量体のようなイソシアネートプレポリマー等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0021】
上記多価イソシアネート類のなかでもマイクロカプセルを調製する際の造膜性や機械的強度の点から、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、トリフェニルジメチレントリイソシアネート等のポリメチレンポリフェニルイソシアネート類に代表されるイソシアネートプレポリマーを用いることが好ましい。
【0022】
一方、上記多価イソシアネート類と反応させる多価アミン類としては、分子内に2個以上のアミノ基を有する化合物であればよく、具体的にはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、メンタンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、スピロアセタール系ジアミン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0023】
また、上記多価イソシアネート類と水との反応では、まず、多価イソシアネート類の加水分解によってアミンが形成され、このアミンが未反応のイソシアネート基と反応(いわゆる自己重付加反応)することによって、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を主要構成成分とする重合体が形成される。
【0024】
上記硬化促進剤含有マイクロカプセルは、マイクロカプセル化することができるならば特に限定するものではなく従来公知の各種方法にて調製することができる。特に界面重合法を用いて、シェル部(壁膜)を形成しマイクロカプセル化することが、シェル部(壁膜)の均質化や壁膜厚みの調整という観点から好ましい。
【0025】
上記界面重合法による硬化促進剤含有マイクロカプセルは、例えば、つぎのようにして得られる。すなわち、液状の硬化促進剤をコア成分として、ここに多価イソシアネート類を溶解させる。このようにして得られる溶液は油状であって、これを水相中に油相として油滴状に分散させてO/W型(油相/水相型)のエマルジョンを作製する。このとき、分散した各油滴の粒径は0.05〜20μm、好ましくは0.1〜10μm程度とすることが、重合中のエマルジョンの安定性の点から好ましい。
【0026】
一方、固体状の硬化促進剤を有機溶剤に溶解してコア成分とする場合には、S/O/W(固相/油相/水相)タイプのエマルジョンとなる。また、このエマルジョンタイプは硬化促進剤が親油性の場合であり、硬化促進剤が親水性を有する場合には上記エマルジョンタイプに形成され難いが、この場合には溶解度の調整を行うことによりO/O(油相/油相)型のエマルジョンタイプや、S/O/O(固相/油相/油相)型のエマルジョンタイプとして界面重合を行えばよい。
【0027】
ついで、上記エマルジョンの水相に、多価アミンや多価アルコールを添加することによって、油相中の多価イソシアネートとの間で界面重合させ重付加反応を行い、好ましくはポリウレア系の重合体をシェル部(壁膜)とする、硬化促進剤含有マイクロカプセルが得られる。
【0028】
このようにして得られた硬化促進剤含有マイクロカプセルは、コア/シェル構造の形態をとり、シェル部内にコア成分として硬化促進剤を内包してなるものである。そして、この硬化促進剤含有マイクロカプセルは、従来からの公知の手段、例えば、遠心分離後に乾燥したり、噴霧乾燥したりする手段によって単離することができる。また、後述の熱硬化性樹脂や硬化剤中に溶解混合させることができる。この際、必要に応じてマイクロカプセル中の有機溶剤を減圧乾燥等の手段を併用して除去することもできる。
【0029】
この硬化促進剤含有マイクロカプセルの平均粒径は、後述のように、熱硬化性樹脂組成物の製造の際に加わる剪断力や、上記マイクロカプセルを含有する熱硬化性樹脂組成物の保存性を考慮して、0.3〜4μmの範囲に設定する必要がある。なかでも、マイクロカプセルの安定性および分散性の点から、上記マイクロカプセルの平均粒径は、0.7〜2.0μmの範囲に設定することが好ましい。なお、本発明において、この硬化促進剤含有マイクロカプセルの形状としては球状が好ましいが楕円状であってもよい。そして、このマイクロカプセルの形状が真球状ではなく楕円状や偏平状等のように一律に粒径が定まらない場合には、その最長径と最短径との単純平均値を平均粒径とする。また、上記熱硬化性樹脂組成物の示差走査熱量計(DSC)による発熱ピークや、上記熱硬化性樹脂組成物成形体の離型性を考慮して、上記硬化促進剤含有マイクロカプセルの分散係数は1以下に設定する必要があり、好ましくは0.6以下である。そして、上記分散係数は、下記の式により求められ、この分散係数は、粒子の均一性を示す値である。
【0030】
【数1】
分散係数=粒径の標準偏差/平均粒径
【0031】
このように本発明に係る硬化促進剤含有マイクロカプセルは、平均粒径および分散係数が、いずれも上記特定の範囲に設定されたものでなければならない。すなわち、上記平均粒径および分散係数のいずれか一方が上記特定の範囲から外れると、上記マイクロカプセルが正規分布を示さず、このマイクロカプセルを含有する熱硬化性樹脂組成物を用いてなる硬化物の硬化均一性に劣るからである。そして、本発明に係る硬化促進剤含有マイクロカプセルとしては、よりシャープなピークを示す正規分布を有するものが一層好ましい。
【0032】
この硬化促進剤含有マイクロカプセルにおいて、内包される硬化促進剤の量は、マイクロカプセル全量の5〜70重量%に設定することが好ましく、特に好ましくは10〜50重量%である。すなわち、硬化促進剤の内包量が5重量%未満では、硬化反応の時間が長過ぎて、反応性に乏しくなり、逆に硬化促進剤の内包量が70重量%を超えるとシェル部(壁膜)の厚みが薄過ぎて内包される硬化促進剤(コア成分)の隔離性や機械的強度に乏しくなる恐れがあるからである。
【0033】
また、上記硬化促進剤含有マイクロカプセルの粒径に対するシェル部(壁膜)の厚みの比率は3〜25%に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜25%に設定される。すなわち、上記比率が3%未満では熱硬化性樹脂組成物製造時の混練工程において加わる剪断力(シェア)に対して充分な機械的強度が得られず、また、25%を超えると内包される硬化促進剤の放出が不充分となる傾向がみられるからである。
【0034】
そして、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記特定の硬化促進剤含有マイクロカプセルと、熱硬化性樹脂と、硬化剤を用いて得られるものであって、通常、粉末状もしくはそれを打錠したタブレット状になっている。
【0035】
上記熱硬化性樹脂としては、特に限定するものではなく、エポキシ樹脂、マレイミド化合物等の従来公知の各種熱硬化性樹脂があげられ、用途によって適宜に選択される。例えば、半導体封止用材料としては、一般には、エポキシ樹脂が汎用されている。上記エポキシ樹脂としては、特に限定するものではなく、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ノボラックビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン系エポキシ樹脂等があげられる。なかでも、低粘度で低吸湿性を備えているという点から、下記の一般式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0036】
【化2】
【0037】
上記式(2)において、R1 〜R4 として、水素原子、メチル基を有するものが、低吸湿性および反応性の点から一層好ましい。
【0038】
上記一般式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量160〜350、軟化点50〜150℃のものが好ましい。
【0039】
上記熱硬化性樹脂とともに用いられる硬化剤としては、上記熱硬化性樹脂に対して硬化作用を奏するものであれば特に限定するものではなく各種硬化剤が用いられる。例えば、上記熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合には、硬化剤としてフェノール樹脂が一般に用いられる。上記フェノール樹脂としては、特に限定するものではなく従来からエポキシ樹脂の硬化剤として作用する各種フェノール樹脂が用いられる。なかでも、フェノールアラルキル樹脂を用いることが好ましく、具体的には下記の一般式(3)で表されるフェノールアラルキル樹脂を用いることが特に好ましい。
【0040】
【化3】
【0041】
上記式(3)において、繰り返し数nは0〜40の範囲が好ましく、特に好ましくはn=0〜30の範囲である。
【0042】
上記一般式(3)で表されるフェノールアラルキル樹脂は、水酸基当量150〜220、軟化点40〜110℃が好ましく、より好ましくは水酸基当量150〜200、軟化点50〜90℃である。
【0043】
上記熱硬化性樹脂と硬化剤の配合割合は、例えば、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用い、かつ、硬化剤としてフェノール樹脂を用いた場合、上記エポキシ樹脂成分中のエポキシ基1当量当たりフェノール樹脂中の水酸基が0.8〜1.2当量となるように配合することが好適である。より好適なのは0.9〜1.1当量である。
【0044】
そして、本発明の熱硬化性樹脂組成物においては、特定の硬化促進剤含有マイクロカプセル、熱硬化性樹脂、硬化剤の他に無機質充填剤を配合することができる。この無機質充填剤としては、シリカ、クレー、石膏、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミナ、酸化ベリリウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等があげられる。なかでも、球状溶融シリカ、破砕溶融シリカ、結晶性シリカが特に好ましく用いられる。上記無機質充填剤の配合量は、熱硬化性樹脂組成物全体の70重量%以上に設定することが好ましく、特に好ましくは80〜95重量%である。
【0045】
なお、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、上記特定の硬化促進剤含有マイクロカプセル、熱硬化性樹脂、硬化剤および無機質充填剤以外に、必要に応じて他の添加剤を適宜に配合することができる。
【0046】
上記他の添加剤としては、例えば、難燃剤、ワックス等があげられる。
【0047】
上記難燃剤としては、ノボラック型ブロム化エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0048】
上記ワックスとしては、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸カルシウム等の化合物があげられ、単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0049】
さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、上記他の添加剤以外にシリコーンオイルおよびシリコーンゴム、合成ゴム等の成分を配合して低応力化を図ったり、耐湿信頼性テストにおける信頼性向上を目的としてハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス等のイオントラップ剤を配合してもよい。
【0050】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、例えば、つぎのようにして製造することができる。まず、先に述べたように、界面重合法にて、硬化促進剤含有マイクロカプセルを作製する。
【0051】
ついで、上記硬化促進剤含有マイクロカプセルとともに、残りの他の成分を全て混合した後、ミキシングロール機等の混練機にかけ加熱状態で混練りして溶融混合する。このとき、硬化促進剤含有マイクロカプセルには熱と剪断力が働くが、この段階では熱安定性が良好であり、このマイクロカプセルには封止成形時に簡単にシェル部(壁膜)が熱により破壊される性質を有する熱可塑性樹脂がシェル部(壁膜)形成材料として用いられている。特にこの熱可塑性樹脂としては、先に述べたようにポリウレアが好適に用いられる。そして、上記硬化促進剤含有マイクロカプセルの配合量は、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合には、エポキシ樹脂100重量部(以下「部」と略す)に対して0.1〜30部に設定することが好ましい。特に好ましくは5〜15部の割合である。すなわち、上記硬化促進剤含有マイクロカプセルの配合量が、0.1部未満では、硬化速度が遅過ぎて強度の低下を引き起こし、逆に30部を超えると、硬化速度が速過ぎて流動性が損なわれるからである。
【0052】
つぎに、これを室温にて冷却した後、公知の手段によって粉砕し、必要に応じて打錠するという一連の工程を経由することにより目的とする熱硬化性樹脂組成物を製造することができる。
【0053】
本発明において、上記熱硬化性樹脂組成物を用いてなる半導体素子の封止は、特に限定するものではなく、通常のトランスファー成形等の公知のモールド方法により行うことができる。
【0054】
このようにして得られる半導体装置は、前記熱硬化性樹脂、硬化剤とともに、特定の硬化促進剤含有マイクロカプセルを用いた熱硬化性樹脂組成物によって樹脂封止されているため、硬化均一性に優れた熱硬化性樹脂組成物による樹脂封止によって、パッケージ製造時のボイドや金線流れの発生を防止でき、均一な樹脂封止による半導体パッケージが得られる。
【0055】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0056】
実施例に先立ち、下記に示す方法に従って硬化促進剤含有マイクロカプセルを作製した。なお、マイクロカプセルの平均粒径および標準偏差は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製)を用いて測定した。ここでいう粒径とは、体積平均に基づくものである。
【0057】
〔硬化促進剤含有マイクロカプセルC1〕
前述の界面重合法にて作製した。すなわち、より詳しく述べると、キシリレンジイソシアネート3モルと、トリメチロールプロパン1モルとの付加物10部を、硬化促進剤としてのトリフェニルホスフィン4部に均一に溶解させて油相を調製した。また、蒸留水95部とポリビニルアルコール5部とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.15部からなる水相を別途調製し、このなかに上記調製した油相を添加して分散機(回転数:15000rpm)にて加圧、加温下で乳化しエマルジョン状態にし、これを還流管、攪拌機、滴下ロートを備えた重合反応器に仕込んだ。
【0058】
一方、トリエチレンテトラミン3部を含む水溶液13部を調製し、これを上記重合反応器に備えた滴下ロート内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下して70℃で3時間重合を行い、マイクロカプセルC1を作製した。このようにしてトリフェニルホスフィンを内包したポリウレアシェル(粒径に対するシェル厚み比率13%)構造のマイクロカプセルC1を製造した(平均粒径0.6μm、分散係数0.55)。
【0059】
〔硬化促進剤含有マイクロカプセルC2〕
前述の界面重合法にて作製した。作製方法は、上述と同一であるが、乳化したエマルジョンを作製する際の分散機の回転数を4000rpmで行った。このようにしてトリフェニルホスフィンを内包したポリウレアシェル(粒径に対するシェル厚み比率13%)構造のマイクロカプセルを製造した。そして、この分散機から遠心分離機を用いてマイクロカプセルC2を取り出した(平均粒径4μm、分散係数0.98)。
【0060】
〔硬化促進剤含有マイクロカプセルC3〕
前述の界面重合法にて作製した。作製方法は、上述と同一であるが、乳化したエマルジョンを作製する際の分散機の回転数を6000rpmで行った。このようにしてトリフェニルホスフィンを内包したポリウレアシェル(粒径に対するシェル厚み比率13%)構造のマイクロカプセルを製造した。そして、この分散機から遠心分離機を用いてマイクロカプセルC3を取り出した(平均粒径1.2μm、分散係数0.27)。
【0061】
〔硬化促進剤含有マイクロカプセルC4〕
前述の界面重合法にて作製した。作製方法は、上述と同一であるが、乳化したエマルジョンを作製する際の分散機の回転数を18000rpmで行った。このようにしてトリフェニルホスフィンを内包したポリウレアシェル(粒径に対するシェル厚み比率13%)構造のマイクロカプセルC4を製造した(平均粒径0.15μm、分散係数0.50)。
【0062】
〔硬化促進剤含有マイクロカプセルC5〕
前述の界面重合法にて作製した。作製方法は、上述と同一であるが、乳化したエマルジョンを作製する際の分散機の回転数を3000rpmで行った。このようにしてトリフェニルホスフィンを内包したポリウレアシェル(粒径に対するシェル厚み比率14%)構造のマイクロカプセルを製造した。そして、この分散機から遠心分離機を用いてマイクロカプセルC5を取り出した(平均粒径6μm、分散係数0.56)。
【0063】
〔硬化促進剤含有マイクロカプセルC6〕
前述の界面重合法にて作製した。作製方法は、上述と同一であるが、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを使用せず、乳化したエマルジョンを作製する際の分散機の回転数を15000rpmで行った。このようにしてトリフェニルホスフィンを内包したポリウレアシェル(粒径に対するシェル厚み比率14%)構造のマイクロカプセルC6を製造した(平均粒径0.3μm、分散係数1.1)。
【0064】
〔硬化促進剤含有マイクロカプセルC7〕
前述の界面重合法にて作製した。作製方法は、上述と同一であるが、乳化したエマルジョンを作製する際の分散機の回転数を8000rpmで行った。このようにしてトリフェニルホスフィンを内包したポリウレアシェル(粒径に対するシェル厚み比率13%)構造のマイクロカプセルC7を製造した(平均粒径3.9μm、分散係数1.1)。
【0065】
〔硬化促進剤含有マイクロカプセルC8〕
前述の界面重合法にて作製した。作製方法は、上述と同一であるが、乳化したエマルジョンを作製する際の分散機の回転数を3000rpmで行った。このようにしてトリフェニルホスフィンを内包したポリウレアシェル(粒径に対するシェル厚み比率13%)構造のマイクロカプセルC8を製造した(平均粒径6μm、分散係数1.4)。
【0066】
一方、下記に示す各成分を準備した。
【0067】
〔熱硬化性樹脂A1〕
4,4′−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3′,5,5′−テトラメチルビフェニルエポキシ樹脂(エポキシ当量200)
【0068】
〔熱硬化性樹脂A2〕
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量198)
【0069】
〔硬化剤B1〕
フェノールノボラック樹脂(水酸基当量105)
【0070】
〔硬化剤B2〕
前記一般式(3)で表されるフェノールアラルキル樹脂(水酸基当量175:式(2)中、n=0〜21)
【0071】
〔無機質充填剤〕
平均粒径20μmの球状溶融シリカ粉末
【0072】
〔ブロム化エポキシ樹脂〕
エポキシ当量275でブロム含有量36%
【0073】
【実施例1〜3、比較例1〜5】
下記の表1および表2に示す各成分を同表に示す割合で配合し、ミキシングロール機(100℃)で混練りして冷却した後粉砕することにより目的とする粉末状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
このようにして得られた実施例および比較例の各粉末状の熱硬化性樹脂組成物を用いて下記に示す評価試験(175℃におけるゲルタイム、175℃で60秒後の硬度、保存性)に供した。これらの結果を後記の表3および表4に併せて示す。
【0077】
〔175℃におけるゲルタイム〕
175℃におけるゲルタイムを熱板式ゲルタイムに従って測定した。
【0078】
〔175℃で60秒後の硬度〕
175℃×60秒の条件で成形した直後、ショアーD硬度計を用いて、熱時の硬度を測定した。
【0079】
〔保存性〕
まず、粉末状熱硬化性樹脂組成物をタブレット状(直径24.5mm×厚み20mm)に予備成形した。このタブレットを予め規定温度(175±5℃)に加熱した渦巻状のスパイラルフロー用金型のポットの奥まで挿入し、型締めして型締め圧力を210±10kg/cm2 まで上げた。つぎに、型締め圧力が210±10kg/cm2 に達した時点で、プランジャーで熱硬化性樹脂組成物を注入し、注入圧力70±5kg/cm2 に到達した後、1分50秒注入圧力をかけた。ついで、トランスファー成形機のプランジャー圧力を抜き、さらに型締め圧を抜いて金型を開いた。そして、成形物の渦巻長さを最小2.5mmまで測定することによりスパイラルフロー値を得た(EMMI 1−66に準ずる)。これを初期のスパイラルフロー値(初期SF値)とした。
【0080】
一方、上記と同様にして粉末状熱硬化性樹脂組成物をタブレット状(直径24.5mm×厚み20mm)に予備成形し、このタブレットを30℃の温度条件で3日間放置した。この放置後のタブレットを用い、上記初期SF値の測定と同様にしてスパイラルフロー値を得た。これを3日間保存後のスパイラルフロー値(保存後SF値)とした。
【0081】
上記初期SF値と保存後SF値から、下記の式によりスパイラルフロー保持率(%)を算出した。
【0082】
【数2】
スパイラルフロー保持率(%)=(保存後SF値)/(初期SF値)×100
【0083】
〔示差走査熱量計(DSC)半値幅〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製)を用いて試料約15mgを精秤し、昇温速度(10℃/分)にて測定した。すなわち、図1に示すように、発熱ピークにおけるピーク温度での熱量値(2a)の1/2の熱量値(a)におけるピーク幅(℃)を求めた。
【0084】
〔離型性〕
まず、図2に示すような3層構造(上型10,中型11,下型12)の成形型を用いて、175℃×60秒の条件で成形を行い、エポキシ樹脂組成物硬化体における離型時の荷重を測定した。図において、13はカル、14はスプルー、15はランナー、16はキャビティーである。離型時の荷重の測定は、図3に示すように、成形型の中型11を支持台17上に載置し、プッシュプルゲージ18を用いて上方から中型11内のエポキシ樹脂組成物硬化体19を脱型した。このときの荷重値を測定した。
【0085】
さらに、上記各実施例および比較例で得られた粉末状の熱硬化性樹脂組成物を用いてタブレット状(直径24.5mm×厚み20mm)に予備成形し、このタブレットを30℃の温度条件で3日間放置した。ついで、この放置したタブレットを用いて半導体装置〔80ピン四方向フラットパッケージ:QFP−80(14mm×20mm×厚み2.7mm)、リードフレームMF202、半導体素子(8mm×8mm×厚み0.37mm)〕をトランスファー成形(条件:175℃×2分)にて作製した。
【0086】
〔成形不良評価〕
まず、得られた半導体装置について、成形不良が発生した個数(120個中)を測定した。すなわち、自動成形機(TOWA社製、VPS−40)で上記QFP−80(14mm×20mm×厚み2.7mm)を10ショット成形して、未充填の発生、ボイドの形成を評価した。なお、上記ボイドの形成は、軟X線装置にて測定し、直径0.1mm以上のものが形成されたものを不良とした。また、得られた半導体装置を、121℃×2気圧×100%RH放置の条件に供し(PCTテスト)、パッケージ中のテストデバイスの通電試験を行い、ショートしたものを不良とした。その結果を下記の表3〜表5に示す。
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
上記表3および表4の結果から、全ての実施例品はスパイラルフロー保持率が高く保存性に優れていることがわかる。また、熱時硬度が高く、離型性にも優れていることから、実施例品の熱硬化性樹脂組成物は、貯蔵安定性が高く、これを半導体装置の封止材料として用いるのに適していることがわかる。さらに、成形不良発生率も0%で、DSC半値幅においても良好な結果(DSCによる発熱ピークがシャープになる)が得られた。このことから、実施例品の熱硬化性樹脂組成物を半導体装置の封止材料として用いると高い信頼性を備えた半導体装置が得られる。これに対して、比較例1,2品は、硬化促進剤含有マイクロカプセルの分散係数が上記特定の範囲内であるものの、上記マイクロカプセルの平均粒径が上記特定の範囲外であるため、保存性に劣ることがわかる。また、比較例3,4品は、上記マイクロカプセルの平均粒径が上記特定の範囲内であるものの、上記マイクロカプセルの分散係数が上記特定の範囲外であるため、熱時硬度が低く、また離型性も悪く、DSC半値幅の結果も劣る(DSCによる発熱ピークがブロードになる)ことがわかる。そして、比較例5品は、上記マイクロカプセルの平均粒径および分散係数が、いずれも上記特定の範囲外であるため、保存性に劣り、熱時硬度が低く、離型性も悪く、しかもDSC半値幅の結果も劣ることがわかる。
【0090】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る硬化促進剤含有マイクロカプセルは、平均粒径および分散係数(粒径の標準偏差/平均粒径)が、いずれも特定の範囲に設定されているため、上記マイクロカプセルが正規分布を示すようになる。そして、この正規分布を示す硬化促進剤含有マイクロカプセルを、熱硬化性樹脂や硬化剤とともに用いると、硬化均一性に優れた熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。
【0091】
さらに、この硬化均一性に優れた熱硬化性樹脂組成物を半導体装置の封止材料として用いると、ボイドや金線流れの発生を防止でき、均一な樹脂封止による半導体パッケージを得ることができる。また、DSCによる発熱ピークがシャープになる。そして、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記のように半導体装置の封止材料として最適であるが、他の分野、例えば、接着や塗料等の分野においても有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】DSC半値幅の測定を示す説明図である。
【図2】離型性の評価方法に用いるエポキシ樹脂組成物硬化体の成形方法を示す説明図である。
【図3】離型性の評価方法である荷重の測定方法を示す説明図である。
Claims (4)
- 下記の硬化促進剤含有マイクロカプセル(α)とともに、熱硬化性樹脂および硬化剤を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
(α)熱硬化性樹脂用の硬化促進剤からなるコア部が熱可塑性樹脂からなるシェル部で被 覆されたコア/シェル構造を有する硬化促進剤含有マイクロカプセルであって、上 記マイクロカプセルの平均粒径が0.3〜4μmであり、かつ、上記マイクロカプ セルの分散係数(粒径の標準偏差/平均粒径)が1以下である硬化促進剤含有マイ クロカプセル。 - 上記硬化促進剤含有マイクロカプセル(α)のシェル部を構成する熱可塑性樹脂がポリウレアである請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 上記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であり、かつ、上記硬化剤がフェノール樹脂である請求項1または2記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半導体装置。
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