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JP4286399B2 - 半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置ならびに半導体装置の製法 - Google Patents

半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置ならびに半導体装置の製法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ樹脂系の封止剤であり、80℃以下の比較的低温下で低粘度を示し、特に吐出,塗布作業性に優れ、しかも貯蔵安定性に優れた半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置ならびに半導体装置の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、TAB(Tape Automated Bonding,テープオートメイティドボンディング),COB(Chip On Board ,チップオンボード)等における半導体封止には、液状封止剤が用いられている。そして、上記液状封止剤は、室温(25℃)で使用され、ディスペンサー、印刷等によって半導体素子を樹脂封止することにより、半導体装置が製造される。このような液状封止剤としては、一般に、液状のエポキシ樹脂と、酸無水物系硬化剤と、通常の硬化促進剤と、シリカ粉末とを含有してなるエポキシ樹脂組成物が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記液状封止剤は、硬化剤として酸無水物系硬化剤を用いるため、封止剤の液状化は容易であり、吐出および塗布作業性は良好であるが、耐湿下での吸湿率が高くなり、耐湿信頼性に劣るという問題が生じる。また、上記液状封止剤は、室温で液状であるため貯蔵安定性が悪く、室温貯蔵時に粘度が大きく上昇したり、シリカ粉末が沈降したりするため、樹脂を凍らせて固形化する等の、特別の貯蔵手段を講じる必要がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐湿信頼性および貯蔵安定性に優れるとともに、吐出および塗布作業性にも優れた半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置、ならびにその半導体装置の製法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用樹脂組成物であって、上記半導体封止用樹脂組成物の粘度が25℃で7000poise以上で、かつ80℃で5000poise以下に設定されている半導体封止用樹脂組成物を第1の要旨とする。
(A)ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、および、脂環式エポキシ樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一つの液状エポキシ樹脂。
(B)下記の一般式(2)で表される三官能固形フェノール樹脂、下記の一般式(3)で表される三官能固形フェノール樹脂、下記の一般式(4)で表される四官能固形フェノール樹脂、下記の一般式(5)で表される四官能固形フェノール樹脂、および、下記の一般式(6)で表される五官能固形フェノール樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一つの固形フェノール樹脂。
【化22】
Figure 0004286399
【化23】
Figure 0004286399
【化24】
Figure 0004286399
【化25】
Figure 0004286399
【化26】
Figure 0004286399
(C)潜在性硬化促進剤。
(D)無機質充填剤。
【0006】
また、本発明は、下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用樹脂組成物であって、上記半導体封止用樹脂組成物の粘度が25℃で7000poise以上で、かつ80℃で5000poise以下に設定されている半導体封止用樹脂組成物を第2の要旨とする。
(A)下記の構造式(7)で表される四官能ナフタレン型エポキシ樹脂、下記の化学式(8)で表されるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂、下記の構造式(ab3)で表される固形エポキシ樹脂、下記の構造式(ab4)で表される固形エポキシ樹脂、および、下記の構造式(ab6)で表される固形エポキシ樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一つの固形エポキシ樹脂。
【化27】
Figure 0004286399
【化28】
Figure 0004286399
【化29】
Figure 0004286399
【化30】
Figure 0004286399
【化31】
Figure 0004286399
(B)アリル化フェノールノボラックおよびジアリル化ビスフェノールAの少なくとも一方。
(C)潜在性硬化促進剤。
(D)無機質充填剤。
【0007】
また、本発明は、下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用樹脂組成物であって、上記半導体封止用樹脂組成物の粘度が25℃で7000poise以上で、かつ80℃で5000poise以下に設定されている半導体封止用樹脂組成物を第3の要旨とする。
(A)下記の化学式(9)で表されるエポキシ樹脂、下記の化学式(10)で表されるエポキシ樹脂、下記の化学式(11)で表されるエポキシ樹脂、下記の一般式(12)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂、四官能ナフタレン型エポキシ樹脂、および、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一つの固形エポキシ樹脂。
【化32】
Figure 0004286399
【化33】
Figure 0004286399
【化34】
Figure 0004286399
【化35】
Figure 0004286399
(B)下記の一般式(15)で表される三官能固形フェノール樹脂、下記の一般式(16)で表される三官能固形フェノール樹脂、下記の一般式(17)で表される四官能固形フェノール樹脂、下記の一般式(18)で表される四官能固形フェノール樹脂、下記の一般式(19)で表される五官能固形フェノール樹脂、および、下記の化学式(bc5)で表されるフェノール樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一つの固形フェノール樹脂。
【化36】
Figure 0004286399
【化37】
Figure 0004286399
【化38】
Figure 0004286399
【化39】
Figure 0004286399
【化40】
Figure 0004286399
【化41】
Figure 0004286399
(C)潜在性硬化促進剤。
(D)無機質充填剤。
【0008】
また、本発明は、配線回路基板上に、複数の接続用電極部を介して半導体素子が搭載され、上記配線回路基板と半導体素子との間の空隙が封止樹脂層によって封止されてなる半導体装置であって、上記封止樹脂層が、上記半導体封止用樹脂組成物によって形成されている半導体装置を第4の要旨とする。
【0009】
さらに、本発明は、配線回路基板上に、複数の接続用電極部を介して半導体素子が搭載され、上記配線回路基板と半導体素子との間の空隙が封止樹脂層によって封止されてなる半導体装置の製法であって、上記配線回路基板と半導体素子との間の空隙に、上記半導体封止用樹脂組成物を充填した後、硬化させることにより上記封止樹脂層を形成する半導体装置の製法を第5の要旨とする。
【0010】
また、配線回路基板面上に半導体素子が搭載され、配線回路基板と半導体素子とが電気的に接続され、上記半導体素子を内蔵するように半導体素子の周囲を封止樹脂層によって封止してなる半導体装置であって、上記封止樹脂層が、上記半導体封止用樹脂組成物によって形成されている半導体装置を第6の要旨とする。
【0011】
そして、配線回路基板面上に半導体素子が搭載され、配線回路基板と半導体素子とが電気的に接続され、上記半導体素子を内蔵するように半導体素子の周囲を封止樹脂層によって封止してなる半導体装置の製法であって、上記配線回路基板面上に半導体素子を搭載して配線回路基板と半導体素子を電気的に接続した後、上記半導体素子搭載面側の配線回路基板上に上記半導体封止用樹脂組成物を供給して硬化させることにより上記封止樹脂層を形成する半導体装置の製法を第7の要旨とする。
【0012】
さらに、実装用基板上に、複数の接続用電極部を介して樹脂封止層が形成された半導体装置が、それ自体の配線回路基板を対面させた状態で搭載され、上記実装用基板と半導体装置との間の空隙が封止樹脂層によって封止されてなる半導体製品であって、上記封止樹脂層が、上記半導体封止用樹脂組成物によって形成されている半導体製品を第8の要旨とする。
【0013】
そして、突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された半導体ウェハの、上記突起状電極部配設面に、上記半導体封止用樹脂組成物からなる所定の厚みの樹脂層を、上記突起状電極部の少なくとも先端部を上記樹脂層から露出するよう形成する工程と、上記樹脂層が形成された半導体ウェハを、個々の半導体素子に切断する工程とを備えた半導体装置の製法を第9の要旨とする。
【0014】
また、個々の配線回路が形成されたマトリックス状の配線回路基板上に搭載された複数の半導体素子全体上に、上記半導体封止用樹脂組成物を供給して半導体素子を内蔵するよう樹脂層を形成する工程と、上記半導体素子を内蔵するよう樹脂層が形成されたマトリックス状の配線回路基板を樹脂層とともに個々の半導体素子毎に切断する工程とを備えた半導体装置の製法を第10の要旨とする。
【0015】
さらに、突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された半導体ウェハの、上記突起状電極部配設面に、上記半導体封止用樹脂組成物からなる所定の厚みの樹脂層を形成する工程と、上記樹脂層が形成された半導体ウェハを個々の半導体素子に切断する工程と、上記切断された半導体素子の樹脂層形成面と、配線回路基板とを対面させた状態で、配線回路基板と半導体素子とを加熱圧着することにより両者を電気的に接続させるとともに、上記樹脂層を溶融して硬化させることにより、上記半導体素子と配線回路基板との間に封止樹脂層を形成して樹脂封止する工程とを備えた半導体装置の製法を第11の要旨とする。
【0016】
そして、個々の配線回路が形成されたマトリックス状の配線回路基板面に、上記半導体封止用樹脂組成物を塗布して樹脂層を形成する工程と、上記樹脂層が形成された配線回路基板を個々の配線回路基板に切断する工程と、複数の接続用電極部が各々に配設された半導体素子の接続用電極部配設面と、切断された配線回路基板とを対面させた状態で、半導体素子と配線回路基板とを加熱圧着することにより両者を電気的に接続させるとともに、上記樹脂層を溶融して硬化させることにより、上記半導体素子と配線回路基板との間に封止樹脂層を形成して樹脂封止する工程とを備えた半導体装置の製法を第12の要旨とする。
【0017】
すなわち、本発明者は、耐湿信頼性および貯蔵安定性に優れるとともに、吐出および塗布作業性にも優れた封止材料を得るため一連の研究を重ねた。その結果、特定のエポキシ樹脂と特定のフェノール樹脂と潜在性硬化促進剤と無機質充填剤とを含有し、しかも25℃および80℃の各温度において特定の粘度を有する樹脂組成物を用いると、所期の目的を達成できることを見出し本発明に到達した。
【0018】
そして、上記潜在性硬化促進剤として、特定のシェル部で硬化促進剤からなるコア部が被覆されたコア/シェル構造を有するマイクロカプセル型硬化促進剤を用いた場合、それを含有してなる半導体封止用樹脂組成物は、可使時間が非常に長くなり、貯蔵安定性に特に優れるという利点がある。
【0019】
さらに、無機質充填剤として球状溶融シリカ粉末を用い、これが半導体封止用樹脂組成物全体中に特定の割合で含有されている場合には、流動性に優れるようになり、吐出および塗布作業性に特に優れるという利点がある。
【0020】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0021】
本発明の半導体封止用樹脂組成物は、特定のエポキシ樹脂(A成分)と、特定のフェノール樹脂(B成分)と、潜在性硬化促進剤(C成分)と、無機質充填剤(D成分)とを用いて得られるものであり、25℃および80℃の各温度でそれぞれ特定の粘度を有するものである。
【0022】
そして、本発明の半導体封止用樹脂組成物においては、その必須構成成分であるエポキシ樹脂(A成分)とフェノール樹脂(B成分)の性質によって三つの態様に大別することができる。第1の態様はエポキシ樹脂(A成分)として特定の液状エポキシ樹脂(A1)を、フェノール樹脂(B成分)として特定の固形フェノール樹脂(B1)を用いた態様であり、第2の態様はエポキシ樹脂(A成分)として特定の固形エポキシ樹脂(A2)を、フェノール樹脂(B成分)として特定の液状フェノール樹脂(B2)を用いた態様であり、第3の態様はエポキシ樹脂(A成分)として特定の固形エポキシ樹脂(A3)を、フェノール樹脂(B成分)として特定の固形フェノール樹脂(B3)を用いた態様である。残りの潜在性硬化促進剤(C成分)、無機質充填剤(D成分)およびこれら以外の他の添加剤に関しては上記3態様とも共通のものが用いられる。
【0023】
まず、第1の態様である、エポキシ樹脂(A成分)として特定の液状エポキシ樹脂(A1)を、フェノール樹脂(B成分)として特定の固形フェノール樹脂(B1)を用いた半導体封止用樹脂組成物について述べる。
【0024】
上記特定の液状エポキシ樹脂(A1)としては、25℃で液状を示すものであり、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂があげられる。これらは単独であるいは2種以上併せて用いられる。なお、上記特定の液状エポキシ樹脂(A1成分)とは、単独で用いた場合25℃で液状を示すことはもちろん、2種以上併用した場合において最終的にエポキシ樹脂成分として25℃で液状を示すものをも含む趣旨である。
【0025】
そして、上記液状エポキシ樹脂としては、エポキシ当量が110〜220g/eqのものを用いることが好ましく、なかでもエポキシ当量が140〜200g/eqのものを用いることが好適である。
【0026】
上記特定の固形フェノール樹脂(B1成分)としては、上記特定の液状エポキシ樹脂(A1成分)の硬化剤として作用するものであって、25℃で固形を示すものであり、三官能固形フェノール樹脂、四官能固形フェノール樹脂、五官能固形フェノール樹脂があげられる。なお、上記固形フェノール樹脂を用いる場合は、数平均分子量が450以下のものを用いることが好適である。なお、上記特定の固形フェノール樹脂(B1成分)とは、単独で用いた場合25℃で固形を示すことはもちろん、2種以上併用した場合において最終的にフェノール樹脂成分として25℃で固形を示すものをも含む趣旨である。
【0027】
上記特定の固形フェノール樹脂(B1成分)のうち三官能固形フェノール樹脂としては、下記の一般式(2)で表される構造のフェノール樹脂、下記の一般式(3)で表される構造のフェノール樹脂があげられる。
【0028】
【化42】
Figure 0004286399
【0029】
【化43】
Figure 0004286399
【0030】
また、上記特定の固形フェノール樹脂(B1成分)のうち四官能固形フェノール樹脂としては、下記の一般式(4)で表される構造のフェノール樹脂、下記の一般式(5)で表される構造のフェノール樹脂があげられる。
【0031】
【化44】
Figure 0004286399
【0032】
【化45】
Figure 0004286399
【0033】
また、上記特定の固形フェノール樹脂(B1成分)のうち五官能固形フェノール樹脂としては、下記の一般式(6)で表される構造のフェノール樹脂があげられる。
【0034】
【化46】
Figure 0004286399
【0035】
そして、上記特定の固形フェノール樹脂としては、水酸基当量が30〜260g/eqで、軟化点が40〜100℃または融点が50〜210℃のものを用いることが好ましく、なかでも水酸基当量が50〜110g/eqで、軟化点が60〜90℃または融点が70〜190℃のものを用いることが好適である。
【0036】
上記特定の液状エポキシ樹脂(A1成分)と特定の固形フェノール樹脂(B1成分)との配合割合は、上記エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量当たりフェノール樹脂中の水酸基が0.6〜1.4当量となるように配合することが好適である。より好適には、0.7〜1.1当量である。
【0037】
第1の態様において、上記特定の液状エポキシ樹脂(A1成分)と特定の固形フェノール樹脂(B1成分)との組み合わせにおいては、例えば、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と上記特定の多官能固形フェノール樹脂とを組み合わせて用いることが、流動性、耐熱性、硬化性の点から好ましい。
【0038】
つぎに、第2の態様である、エポキシ樹脂(A成分)として特定の固形エポキシ樹脂(A2成分)を、フェノール樹脂(B成分)として特定の液状フェノール樹脂(B2成分)を用いた半導体封止用樹脂組成物について述べる。
【0039】
上記特定の固形エポキシ樹脂(A2成分)としては、25℃で固形を示すものを用いることができる
【0040】
上記特定の固形エポキシ樹脂(A2成分)のうち四官能ナフタレン型エポキシ樹脂としては、市販されている商品名EXA−4701(大日本インキ社製)があげられる。なお、上記EXA−4701は、下記の構造式(7)で表される。
【0041】
【化47】
Figure 0004286399
【0042】
また、上記特定の固形エポキシ樹脂(A2成分)のうちトリフェニルメタン型エポキシ樹脂としては、市販されている商品名EPPN−501HY(日本化薬社製)があげられる。なお、上記EPPN−501HYは、下記の化学式(8)で表される。
【0043】
【化48】
Figure 0004286399
【0044】
さらに、上記特定の固形エポキシ樹脂(A2成分)として、下記の構造式(ab3)で表される固形エポキシ樹脂、下記の構造式(ab4)で表される固形エポキシ樹脂、および、下記の構造式(ab6)で表される固形エポキシ樹脂が用いられる。
【化49】
Figure 0004286399
【化50】
Figure 0004286399
【化51】
Figure 0004286399
【0045】
そして、上記特定の固形エポキシ樹脂としては、エポキシ当量が140〜250g/eqで、軟化点が50〜100℃または融点が45〜150℃のものを用いることが好ましく、なかでもエポキシ当量が150〜220g/eqで、軟化点が60〜80℃または融点が50〜130℃のものを用いることが好適である。
【0046】
上記特定の固形エポキシ樹脂(A2成分)とともに用いられる特定の液状フェノール樹脂(B2成分)としては、上記特定の固形エポキシ樹脂(A2成分)の硬化剤として作用するものであって、25℃で液状を示すものであり、アリル化フェノールノボラック、ジアリル化ビスフェノールAがあげられる。これらは単独であるいは2種以上併せて用いられる。なお、上記特定の液状フェノール樹脂(B2成分)とは、単独で用いた場合25℃で液状を示すことはもちろん、2種以上併用した場合において最終的にフェノール樹脂成分として25℃で液状を示すものをも含む趣旨である。
【0047】
そして、上記特定の液状フェノール樹脂としては、水酸基当量が80〜200g/eqのものを用いることが好ましく、なかでも水酸基当量が100〜170g/eqのものを用いることが好適である。
【0048】
上記特定の固形エポキシ樹脂(A2成分)と特定の液状フェノール樹脂(B2成分)との配合割合は、上記エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量当たりフェノール樹脂中の水酸基が0.7〜1.4当量となるように配合することが好適である。より好適には、0.9〜1.1当量である。
【0049】
第2の態様において、上記特定の固形エポキシ樹脂(A2成分)と特定の液状フェノール樹脂(B2成分)との組み合わせにおいては、例えば、四官能ナフタレン型エポキシ樹脂とアリル化フェノールノボラックとを組み合わせて用いることが、耐熱性と流動性の点から好ましい。
【0050】
つぎに、第3の態様である、エポキシ樹脂(A成分)として特定の固形エポキシ樹脂(A3成分)を、フェノール樹脂(B成分)として特定の固形フェノール樹脂(B3成分)を用いた半導体封止用樹脂組成物について述べる。
【0051】
上記特定の固形エポキシ樹脂(A3成分)としては、25℃で固形を示すものであり、特定の多官能固形エポキシ樹脂、特定の結晶性エポキシ樹脂があげられる。これらは単独であるいは2種以上併せて用いられる。このような特定の多官能固形エポキシ樹脂としては、四官能ナフタレン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型があげられる。また、特定の結晶性エポキシ樹脂とは、X線回折により多数の結晶のピークが表れる固形エポキシ樹脂であって、物理的にはシャープな融点を示し、かつ溶融時には分子間相互作用が殆どなくなるため極端に粘度が低下する性質を有するものをいう。そして、結晶性エポキシ樹脂のなかでも融点が90℃以上のものを用いる場合は、80℃以下での流動性が良くなるという理由から、2種以上のものを組み合わせて用いることが好ましい。なお、上記特定の固形エポキシ樹脂(A3成分)とは、単独で用いた場合25℃で固形を示すことはもちろん、2種以上併用した場合において最終的にエポキシ樹脂成分として25℃で固形を示すものをも含む趣旨である。
【0052】
上記特定の固形エポキシ樹脂(A3成分)のうち特定の結晶性エポキシ樹脂としては、市販されている商品名GK−4137(新日鉄化学社製)、商品名GK−5079(新日鉄化学社製)、商品名YDC−1312(東都化成社製)があげられる。なお、上記GK−4137は、下記の化学式(9)で表される。また、上記GK−5079は、下記の化学式(10)で表される。また、上記YDC−1312は、下記の化学式(11)で表される。
【0053】
【化52】
Figure 0004286399
【0054】
【化53】
Figure 0004286399
【0055】
【化54】
Figure 0004286399
【0056】
さらに、上記特定の結晶性エポキシ樹脂のうちビフェニル型エポキシ樹脂は、下記の一般式(12)で表される。
【0057】
【化55】
Figure 0004286399
【0058】
上記一般式(12)中のR3 〜R6 で表される炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の直鎖状または分岐状の低級アルキル基があげられ、上記R3 〜R6 は互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0059】
そして、上記ビフェニル型エポキシ樹脂として、上記R3 〜R6 が全てメチル基である下記の式(13)で表される構造のビフェニル型エポキシ樹脂と、上記R3 〜R6 が全て水素である下記の式(14)で表される構造のビフェニル型エポキシ樹脂とが略同量で含有されている混合物を用いてもよい。
【0060】
【化56】
Figure 0004286399
【0061】
【化57】
Figure 0004286399
【0062】
そして、A3成分である特定の固形エポキシ樹脂としては、エポキシ当量が140〜270g/eqで、軟化点が50〜100℃または融点が40〜150℃のものを用いることが好ましく、なかでもエポキシ当量が150〜220g/eqで、軟化点が60〜80℃または融点が60〜130℃のものを用いることが好適である。
【0063】
上記特定の固形エポキシ樹脂(A3成分)とともに用いられる特定の固形フェノール樹脂(B3成分)としては、25℃で固形を示すものであり、特定のフェノール樹脂を用いるが、初期の目的を損なわない範囲であれば、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸等の酸無水物系硬化剤やアミン類、フタル酸類を併用してもよい。上記特定の固形フェノール樹脂(B3成分)としては、特定の多官能固形フェノール樹脂があげられる。これらは単独であるいは2種以上併せて用いられる。ここで、多官能固形フェノール樹脂とは、フェノール性水酸基が2個以上ついた芳香族環を少なくとも1個有し、かつ1分子中のフェノール性水酸基の総数が3個以上であり、しかも芳香族環を少なくとも1分子中に2個以上有する固形フェノール樹脂をいう。このような多官能固形フェノール樹脂としては、三官能固形フェノール樹脂、四官能固形フェノール樹脂、五官能固形フェノール樹脂があげられる。なお、多官能固形フェノール樹脂を用いる場合は、数平均分子量が450以下のものを用いることが好適である。なお、上記特定の固形フェノール樹脂(B3成分)とは、単独で用いた場合25℃で固形を示すことはもちろん、2種以上併用した場合において最終的にフェノール樹脂成分として25℃で固形を示すものをも含む趣旨である。
【0064】
上記特定の固形フェノール樹脂(B3成分)のうち三官能固形フェノール樹脂としては、下記の一般式(15)で表される構造のフェノール樹脂、下記の一般式(16)で表される構造のフェノール樹脂があげられる。
【0065】
【化58】
Figure 0004286399
【0066】
【化59】
Figure 0004286399
【0067】
また、上記特定の固形フェノール樹脂(B3成分)のうち四官能固形フェノール樹脂としては、下記の一般式(17)で表される構造のフェノール樹脂、下記の一般式(18)で表される構造のフェノール樹脂があげられる。
【0068】
【化60】
Figure 0004286399
【0069】
【化61】
Figure 0004286399
【0070】
また、上記特定の固形フェノール樹脂(B3成分)のうち五官能固形フェノール樹脂としては、例えば下記の一般式(19)で表される構造のフェノール樹脂があげられる。
【0071】
【化62】
Figure 0004286399
【0072】
さらに、下記の化学式(bc5)で表されるフェノール樹脂が用いられる。
【0073】
【化63】
Figure 0004286399
【0074】
そして、B3成分である特定の固形フェノール樹脂としては、水酸基当量が30〜260g/eqで、軟化点が40〜100℃または融点が50〜210℃のものを用いることが好ましく、なかでも水酸基当量が50〜110g/eqで、軟化点が60〜90℃または融点が70〜190℃のものを用いることが好適である。
【0075】
上記特定の固形エポキシ樹脂(A3成分)と特定の固形フェノール樹脂(B3成分)との配合割合は、上記エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量当たりフェノール樹脂中の水酸基が0.6〜1.4当量となるように配合することが好適である。より好適には、0.7〜1.1当量である。
【0076】
上記特定の固形エポキシ樹脂(A3成分)と特定の固形フェノール樹脂(B3成分)との組み合わせにおいては、例えば、結晶性エポキシ樹脂〔特に商品名GK−4137(新日鉄化学社製)と特定の多官能固形フェノール樹脂との組合せ、あるいは四官能ナフタレン型エポキシ樹脂またはトリフェニルメタン型エポキシ樹脂と二官能のビスフェノール樹脂との組合せで用いることが、硬化性、耐熱性、流動性の点から好ましい。
【0077】
そして、本発明の半導体封止用樹脂組成物においては、上記第1〜第3の態様における各エポキシ樹脂および各フェノール樹脂とともに、潜在性硬化促進剤(C成分)と、無機質充填剤(D成分)が必須成分として用いられる。
【0078】
上記潜在性硬化促進剤(C成分)は、これを含有してなる半導体封止用樹脂組成物の50℃雰囲気下72時間放置後における粘度(測定温度:80℃)が、放置前における粘度の10倍以下になるものであり、例えば、各種の硬化促進剤からなるコア部が、下記の一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分とするシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有し、そのシェル部に存在する反応性アミノ基がブロック化されているマイクロカプセル型硬化促進剤があげられる。このようなマイクロカプセル型硬化促進剤を用いることにより、これを含有してなる半導体封止用樹脂組成物は、可使時間が非常に長くなり、貯蔵安定性に特に優れるようになる。なお、通常の硬化促進剤を少量にした場合であっても、放置前の粘度に対し10倍以下、通常、1〜3倍となるのであれば潜在性硬化促進剤として考える。
【0079】
【化64】
Figure 0004286399
【0080】
上記マイクロカプセル型硬化促進剤において、コア部として内包される硬化促進剤としては、硬化反応を促進する作用を有するものであれば特に限定するものではなく、従来公知のものが用いられる。そして、この場合、マイクロカプセルを調整する際の作業性や得られるマイクロカプセルの特性の点から、室温で液状を示すものが好ましい。なお、室温で液状とは、硬化促進剤自身の性状が室温(25℃)で液状を示す場合のほか、室温で固体であっても任意の有機溶剤等に溶解もしくは分散させて液状にしたものをも含むものである。
【0081】
そして、上記内包される硬化促進剤としては、例えば、アミン系、イミダゾール系、リン系、ホウ素系、リン−ホウ素系等の硬化促進剤があげられる。具体的には、エチルグアニジン、トリメチルグアニジン、フェニルグアニジン、ジフェニルグアニジン等のアルキル置換グアニジン類、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素等の3−置換フェニル−1,1−ジメチル尿素類、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン等のイミダゾリン類、2−アミノピリジン等のモノアミノピリジン類、N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロピル)アミン−N′−ラクトイミド等のアミンイミド系類、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、ブチルホスフィン、フェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン/トリフェニルボラン錯体、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等の有機リン系化合物、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7、1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン等のジアザビシクロアルケン系化合物等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、硬化促進剤含有マイクロカプセルの作製の容易さ、また取扱い性の容易さという点から、上記イミダゾール系化合物や有機リン系化合物が好適に用いられる。
【0082】
前記式(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分とする重合体は、例えば、多価イソシアネート類と多価アミン類との重付加反応によって得られる。あるいは、多価イソシアネート類と水との反応によって得られる。
【0083】
上記多価イソシアネート類としては、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であればよく、具体的には、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフェニルジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、p−フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチオシアネート等のトリイソシアネート類、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネート等のテトライソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサントリオールとの付加物、2,4−トリレンジイソシアネートとプレンツカテコールとの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールとの付加物、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、トリフェニルジメチレントリイソシアネート、テトラフェニルトリメチレンテトライソシアネート、ペンタフェニルテトラメチレンペンタイソシアネート、リジンイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族多価イソシアネートの三量体のようなイソシアネートプレポリマー等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0084】
上記多価イソシアネート類のなかでもマイクロカプセルを調製する際の造膜性や機械的強度の点から、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、トリフェニルジメチレントリイソシアネート等のポリメチレンポリフェニルイソシアネート類に代表されるイソシアネートプレポリマーを用いることが好ましい。
【0085】
一方、上記多価イソシアネート類と反応させる多価アミン類としては、分子内に2個以上のアミノ基を有する化合物であればよく、具体的にはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、メンタンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、スピロアセタール系ジアミン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0086】
また、上記多価イソシアネート類と水との反応では、まず、多価イソシアネート類の加水分解によってアミンが形成され、このアミンが未反応のイソシアネート基と反応(いわゆる自己重付加反応)することによって、前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分とする重合体が形成される。
【0087】
さらに、上記シェル部(壁膜)を形成する重合体として、例えば、上記多価イソシアネートとともに多価アルコールを併用して、ウレタン結合を併有したポリウレタン−ポリウレアをあげることもできる。
【0088】
上記多価アルコールとしては、脂肪族、芳香族または脂環族のいずれであってもよく、例えば、カテコール、レゾルシノール、1,2−ジヒドロキシ−4−メチルベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−5−メチルベンゼン、3,4−ジヒドロキシ−1−メチルベンゼン、3,5−ジヒドロキシ−1−メチルベンゼン、2,4−ジヒドロキシエチルベンゼン、1,3−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、2,7−ナフタレンジオール、2,3−ナフタレンジオール、o,o′−ビフェノール、p,p′−ビフェノール、ビスフェノールA、ビス−(2−ヒドロキシフェニル)メタン、キシリレンジオール、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、グリセリン、ソルビトール等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0089】
上記マイクロカプセル型硬化促進剤は、例えば、下記に示す3段階の工程を経由することにより作製することができる。
【0090】
〔第1工程〕
コア成分である硬化促進剤を、壁膜(シェル)の原料である多価イソシアネート中に溶解もしくは微分散して油相を形成する。ついで、分散安定剤を含有する水系媒体(水相)中に、上記油相を油滴状に分散させてO/W型(油相/水相型)のエマルジョンを作製する。つぎに、上記O/W型エマルジョンの水相に、多価アミンを添加して溶解することにより、油相中の多価イソシアネートとの間で界面重合させて重付加反応を生起する。あるいは、上記O/W型エマルジョンを加温することによって、油相中の多価イソシアネートが水相との界面で水と反応してアミンを生成し、引き続き自己重付加反応を生起する。このようにして、ポリウレア系の重合体、好ましくは前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリウレアをシェル部(壁膜)とするマイクロカプセルを作製することにより、マイクロカプセル分散液が得られる。
【0091】
一方、固体状の硬化促進剤を有機溶剤に溶解してコア成分とする場合には、S/O/W(固相/油相/水相)タイプのエマルジョンとなる。また、このエマルジョンタイプは硬化促進剤が親油性の場合であり、硬化促進剤が親水性を有する場合には上記エマルジョンタイプに形成され難いが、この場合には溶解度の調整を行うことによりO/O(油相/油相)型のエマルジョンタイプや、S/O/O(固相/油相/油相)型のエマルジョンタイプとして界面重合を行えばよい。
【0092】
この場合の有機溶剤としては、室温で液状であれば特に限定するものではないが、少なくともシェル部(壁膜)を溶解しないものを選択する必要がある。具体的には、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、塩化メチレン、キシレン、トルエン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤のほか、フェニルキシリルエタン、ジアルキルナフタレン等のオイル類を用いることができる。
【0093】
〔第2工程〕
上記第1工程で得られたマイクロカプセル分散液に対して、ブロック化剤を添加し溶解もしくは分散させる。このとき、遠心分離等により一度水相中の分散安定剤や未反応アミンを取り除いた後に、上記ブロック化剤を添加することが効果的である。
【0094】
〔第3工程〕
上記第2工程でアミノ基をブロック化剤でブロックしたマイクロカプセル分散液を、遠心分離や濾過等により、過剰のブロック化剤を取り除いた後、乾燥することにより、粉末状のマイクロカプセル型硬化促進剤を作製することができる。
【0095】
まず、上記第1工程において、水系媒体(水相)に添加する分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシメチルセルロース等の水溶性高分子類、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等の界面活性剤類等があげられる。また、コロイダルシリカ、粘度鉱物等の親水性無機コロイド物質類等を使用することもできる。これら分散安定剤の添加量は、水相中、0.1〜10重量%となるよう設定することが好ましい。
【0096】
また、上記第2工程において使用するブロック化剤としては、アミノ基と反応性を有する化合物であれば特に限定するものではないが、例えば、エポキシ化合物、アルデヒド化合物、酸無水物、エステル化合物、イソシアネート化合物等のアミノ基と反応し共有結合を形成する化合物があげられる。さらに、酢酸、蟻酸、乳酸、蓚酸、琥珀酸等の有機カルボン酸類、p−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類、フェノール化合物、ホウ酸、リン酸、硝酸、亜硝酸、塩酸等の無機酸類、シリカ、アエロジル等の酸性表面を有する固体物質等のアミノ基と中和反応し塩を形成する酸性化合物があげられる。そして、これら化合物のなかでも、上記酸性化合物は壁膜表面および壁膜内部に存在するアミノ基を効果的にブロックする化合物として好ましく用いられ、特に蟻酸、有機スルホン酸類が好ましく用いられる。
【0097】
上記ブロック化剤の添加量は、壁膜表面および壁膜内部に存在するアミノ基と等量モル数のブロック化剤が添加される。実用的には、例えば、ブロック化剤として酸性化合物を用いる場合、マイクロカプセル調製(界面重合)直後の分散液に酸性物質(酸性化合物)を添加し、分散液のpHを塩基性から酸性、好ましくはpH2〜5に調整し、しかる後、遠心分離や濾過等の手段により過剰の酸性化合物を除去する方法があげられる。
【0098】
また、上記第1〜第3工程からなるマイクロカプセル型硬化促進剤の製法において、第2工程として、マイクロカプセル分散液を酸性陽イオン交換樹脂カラムを通すことにより、未反応の遊離アミンを除去したり、残存アミノ基を中和させる手法も用いられる。
【0099】
得られたマイクロカプセル型硬化促進剤の平均粒径は、特に限定されるものではないが、例えば、均一な分散性の観点から、0.05〜500μmの範囲に設定することが好ましく、より好ましくは0.1〜30μmである。上記マイクロカプセル型硬化促進剤の形状としては球状が好ましいが楕円状であってもよい。そして、このマイクロカプセルの形状が真球状ではなく楕円状や偏平状等のように一律に粒径が定まらない場合には、その最長径と最短径との単純平均値を平均粒径とする。
【0100】
さらに、上記マイクロカプセル型硬化促進剤において、内包される硬化促進剤の量は、マイクロカプセル全量の10〜95重量%に設定することが好ましく、特に好ましくは30〜80重量%である。すなわち、硬化促進剤の内包量が10重量%未満では、硬化反応の時間が長くなりすぎて反応性に乏しくなり、逆に硬化促進剤の内包量が95重量%を超えると、壁膜の厚みが薄すぎてコア部(硬化剤)の隔離性や機械的強度に乏しくなる恐れがあるからである。
【0101】
また、上記マイクロカプセル型硬化促進剤の粒径に対するシェル部(壁膜)の厚みの比率は3〜25%に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜25%に設定される。すなわち、上記比率が3%未満ではエポキシ樹脂組成物製造時の混練工程において加わる剪断力(シェア)に対して充分な機械的強度が得られず、また、25%を超えると内包される硬化促進剤の放出が不充分となる傾向がみられるからである。
【0102】
そして、上記潜在性硬化促進剤(C成分)の配合量は、前記各態様のフェノール樹脂(B1〜B3成分)100重量部(以下「部」と略す)に対して0.1〜40部に設定することが好ましい。特に好ましくは5〜20部である。すなわち、上記潜在性硬化促進剤の配合量が、0.1部未満では、硬化速度が遅すぎて強度の低下を引き起こし、40部を超えると、硬化速度が速過ぎて流動性が損なわれるおそれがあるからである。
【0103】
なお、本発明において、C成分である潜在性硬化促進剤として、上記した硬化促進剤含有マイクロカプセル以外に、所期の目的を損なわなければ、市販のマイクロカプセル型硬化促進剤を用いることができる。市販品としては、例えば商品名MCE−9957(日本化薬社製、メチルメタアクリレートを壁膜として使用しているもの)、旭チバ社製のノバキュアー(商品名HX−3748,3741,3742,HX−3921HR,HX−3941HP)等があげられる。また、マイクロカプセル型硬化促進剤以外の硬化促進剤であってもジシアンジアミド、または、富士化成工業社製のフジキュアーFXR−1030、FXE−1000等の触媒活性が弱いものや、通常の硬化促進剤を少量添加し触媒活性を弱くしたものでもよい。
【0104】
さらに、上記C成分とともに用いられる無機質充填剤(D成分)としては、特に限定するものではなく各種の無機質充填剤を用いることができる。例えば、シリカ、クレー、石膏、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミナ、酸化ベリリウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、アエロジル等があげられるが、ニッケル、金、銅、銀、錫、鉛、ビスマス等の導電性粒子を加えてもよい。なかでも、球状シリカ粉末、具体的には、球状溶融シリカ粉末が特に好ましく用いられる。さらに、平均粒径0.01〜60μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは0.1〜15μmの範囲のものである。なお、本発明において、球状とは、フロー式粒子像分析装置(SYSMEX社製のFPIA−100型)を用いて測定される真球度が平均で0.85以上であることをいう。
【0105】
そして、上記無機質充填剤(D成分)の含有割合は、半導体封止用樹脂組成物全体中の15〜85重量%となるように設定することが好ましく、特に好ましくは50〜80重量%である。すなわち、無機質充填剤の含有割合が15重量%未満では、25℃での粘度が低くなり、貯蔵時に無機質充填剤の沈降が生じたり、吸湿率が高くなって耐湿信頼性が悪くなる傾向がみられ、85重量%を超えると、流動性が低下し、吐出および塗布作業性が悪くなる傾向がみられるからである。
【0106】
さらに、本発明の半導体封止用樹脂組成物には、上記各必須成分以外に、必要に応じて他の添加剤を適宜配合することができる。
【0107】
上記他の添加剤としては、例えば難燃剤、ワックス、レベリング剤、消泡剤、顔料、染料、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤等があげられる。上記シランカップリング剤としては、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アミノ基含有シラン等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0108】
上記難燃剤としては、ノボラック型ブロム化エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属化合物、赤リン、リン酸エステル等のリン系化合物等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0109】
上記ワックスとしては、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸カルシウム、アミド系等の化合物があげられ、単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0110】
さらに、本発明の半導体封止用樹脂組成物には、上記他の添加剤以外に、シリコーンオイルおよびシリコーンゴム、合成ゴム、反応性希釈剤等の成分を配合して低応力化を図ったり、耐湿信頼性テストにおける信頼性向上を目的としてハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス等のイオントラップ剤を配合してもよい。
【0111】
本発明の半導体封止用樹脂組成物は、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、上記A〜D成分ならびに必要に応じて他の添加剤を混合した後、万能攪拌釜等の混練機にかけ加熱状態で混練りして溶融混合する。つぎに、これを室温(25℃程度)にて冷却することにより目的とする半導体封止用樹脂組成物を製造することができる。なお、半導体封止用樹脂組成物の流動性を調整するため、有機溶剤を添加することもできる。上記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジアセトンアルコール等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0112】
このようにして得られた半導体封止用樹脂組成物は、その粘度が25℃で7000poise以上で、かつ80℃で5000poise以下に設定されていなければならない。特に好ましくは、25℃で7000poise以上で、かつ80℃で3000poise以下である。なお、半導体封止用樹脂組成物の粘度において80℃での下限は通常1.0poiseである。すなわち、25℃で7000poise未満であり、かつ80℃で5000poiseを超える場合、貯蔵安定性や吐出および塗布作業性が悪くなり、初期の特性を満足させることができないからである。
【0113】
なお、上記半導体封止用樹脂組成物の25℃および80℃における各粘度は、上記各温度においてE型粘度計を用いて測定される。具体的には、以下に示すとおりである。
【0114】
〔25℃における粘度〕
東機産業社製RE80U形でロータは3°×R7.7を用い、コーンロータ回転数1rpmで1分間前処理後、0.1rpmで10分間放置後の値を測定する。
【0115】
〔80℃における粘度〕
東機産業社製RE80R形で、粘度1000poise未満になるものはロータ3°×R14、粘度1000poise以上になるものはロータ3°×R7.7を用い、コーンロータ回転数1rpmで1分間前処理後、0.5rpmで10分間放置後の値を測定する。
【0116】
本発明の半導体封止用樹脂組成物を用いての半導体装置の製造は、従来公知の各種の方法により行うことができる。例えば、フリップチップ、COB、グラフトップ、キャビティーフィル等による実装においては、加温(40〜90℃程度、好適には60〜80℃程度)された上記半導体封止用樹脂組成物をディスペンサーを用いてポッティングした後、加熱し硬化させて封止樹脂層を形成することにより半導体装置を製造することができる。また、予め加温せずに、固形または半固形の半導体封止用樹脂組成物を半導体素子上等に対して直接貼りつけまたは塗布を行ない、その後加熱し硬化させて封止樹脂層を形成することにより半導体装置を製造することもできる。なお、上記実装は、真空下で行ってもよい。
【0117】
上記半導体装置の製造方法のうちのフリップチップ実装について、サイドフィル封止方法と、プレスバンプ封止方法と、印刷封止方法を例として具体的に説明する。
【0118】
〔サイドフィル封止方法〕
まず、配線回路基板上に複数の接続用電極部を介して半導体素子が搭載されたものを準備する。そして、予め加温(40〜130℃程度、好適には60〜100℃程度)された配線回路基板と半導体素子との空隙に、加温(40〜90℃程度、好適には60〜80℃程度)された上記半導体封止用樹脂組成物をディスペンサーを用いて注入し充填した後、加熱し硬化させて封止樹脂層を形成することにより、フリップチップ実装による半導体装置を製造することができる。
【0119】
なお、予め加温せずに、固形または半固形の半導体封止用樹脂組成物を半導体素子上あるいはその近傍に対して直接貼りつけまたは塗布を行ない、その後加熱し硬化させて上記半導体素子と配線回路基板との空隙に封止樹脂層を形成することも可能である。
【0120】
また、上記サイドフィル封止方法による半導体装置の製造は、真空下で行ってもよい。真空下で行う装置としては、例えば武蔵エンジニアリング社製の型式MBC−Vシリーズ等があげられる。さらに、上記真空下で半導体装置を製造する際、真空下で配線回路基板と半導体素子との空隙に半導体封止用樹脂組成物をディスペンサーを用いて注入し充填した後、大気圧に戻してさらに半導体封止用樹脂組成物を充填するという差圧充填を行ってもよい。
【0121】
〔プレスバンプ封止方法〕
まず、配線回路基板上に加温(40〜90℃程度、好適には60〜80℃程度)された上記半導体封止用樹脂組成物をディスペンサーを用いてポッティングする。その後、フリップチップボンダー等によるプレスバンプ接続方式により、半導体素子と配線回路基板との電気的接続と同時に封止樹脂層を形成することにより、フリップチップ実装による半導体装置を製造することができる。
【0122】
なお、予め加温せずに、固形または半固形の半導体封止用樹脂組成物を半導体素子あるいは配線回路基板に対して直接貼りつけまたは塗布を行い、その後プレスバンプ接続方式により、半導体素子と配線回路基板との接続と同時に封止樹脂層を形成することも可能である。
【0123】
上記プレスバンプ封止方法による半導体装置の製造は、必要に応じて真空下で行ってもよい。
【0124】
また、ディスペンサーを用いてポッティングする代わりに、可能であれば、印刷により塗布し、その後、フリップチップボンダー等によるプレスバンプ接続方式により、半導体素子と配線回路基板との電気的接続と同時に封止樹脂層を形成してもよい。なお、印刷による塗布は印刷雰囲気全体を加温したり、マスク、スキージ等を部分的に加温してもよい(加温の目安は40〜100℃である)。
【0125】
〔印刷封止方法〕
まず、配線回路基板上に複数の接続用電極部を介して半導体素子が搭載されたものを準備する。そして、予め加温(40〜130℃程度、好適には60〜100℃程度)された配線回路基板と半導体素子との空隙に、加温(40〜90℃程度、好適には60〜80℃程度)された上記半導体封止用樹脂組成物をディスペンサーを用いて滴下し、印刷封止にて封止樹脂層を形成することにより、フリップチップ実装による半導体装置を製造することができる。
【0126】
上記印刷封止については、真空差圧を利用した東レエンジニアリング社製の真空印刷封止装置(型式VPE−100シリーズ)を用いるのが、封止樹脂層に気泡が入りにくいという点で好ましい。
【0127】
なお、予め加温せずに、固形または半固形の半導体封止用樹脂組成物をステージ、スキージ等に対して直接貼りつけ、塗布等を行ない、印刷封止することも可能である。
【0128】
一方、上記半導体装置の製造方法のうちのキャビティーフィル形態の半導体装置の製造方法について、具体的に説明する。
【0129】
まず、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤー等で電気的に接続されたものを準備する。そして、予め加温(40〜130℃程度、好適には60〜100℃程度)された配線回路基板と半導体素子に、加温(40〜90℃程度、好適には60〜80℃程度)された上記半導体封止用樹脂組成物をディスペンサーを用いてポッティングし加熱硬化して半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することにより、キャビティーフィル形態の半導体装置を製造することができる。
【0130】
なお、予め加温せずに、固形または半固形の半導体封止用樹脂組成物を、直接貼りつけ、または塗布を行い、その後加熱し硬化させて上記半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することも可能である。
【0131】
また、上記封止方法による半導体装置の製造は、真空下で行ってもよい。真空下で行う装置としては、例えば武蔵エンジニアリング社製の型式MBC−Vシリーズ等があげられる。
【0132】
他の製造方法について述べる。すなわち、まず、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤー等で電気的に接続されたものを準備する。そして、予め加温(40〜130℃程度、好適には60〜100℃程度)された配線回路基板と半導体素子上に、加温(40〜90℃程度、好適には60〜80℃程度)された上記半導体封止用樹脂組成物を印刷等により供給し、加熱硬化して半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することにより、キャビティーフィル形態の半導体装置を製造することができる。
【0133】
上記印刷封止による半導体装置の製造は、真空下で行ってもよい。さらに、真空下で半導体装置を製造する際、真空下で印刷封止した後、雰囲気の気圧を上げて半導体封止用樹脂組成物中のボイド抜きを行い、その状態のままでさらに仕上げ印刷を行ってもよい。
【0134】
このようにして得られた半導体装置は、例えば、実装用基板(マザーボード)の搭載に用いられ半導体製品の製造に供される。すなわち、実装用基板(マザーボート)上に、複数の接続用電極部を介して、それ自体の配線回路基板を対面させた状態で半導体装置を搭載するとともに、上記実装用基板と半導体装置との間の空隙を、本発明の半導体封止用樹脂組成物を用いて充填し、加熱硬化させることにより封止樹脂層を形成して半導体製品を製造する。
【0135】
上記半導体封止用樹脂組成物を加熱硬化させる方法としては、特に限定するものではないが、例えば、対流式乾燥機、IRリフロー炉、ホットプレート等を用いた加熱方法等があげられる。
【0136】
また、本発明の半導体封止用樹脂組成物を用いることによる上記実装用基板と半導体装置との間の空隙の充填方法としては、例えば、先の半導体装置の製造方法のうちのフリップチップ実装について述べたのと同様の方法、サイドフィル封止方法、プレスバンプ封止方法、印刷封止方法等があげられる。なお、上記の半導体封止用樹脂組成物に、ニッケル、金、銀、銅、錫、鉛、ビスマス等の導電性粒子を分散させ、ACF(Anisotropic Conductive Film )、ACP(Anisotropic Conductive Paste)としてフリップチップ実装に用いてもよい。その他の使用方法として、上記半導体封止用樹脂組成物を配線回路基板上にダム材として用いたり、配線回路基板と放熱板との接着剤およびダイボンド剤として用いてもよい。
【0137】
本発明の半導体封止用樹脂組成物を、半導体ウェハやマトリックス状の配線回路基板に対して用いた半導体装置の製造は、従来公知の各種の方法により行うことができる。
【0138】
突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された半導体ウェハに対して用いた場合について述べる。すなわち、上記突起状電極部配設面に、加温(40〜90℃程度、好適には60〜80℃程度)された上記半導体封止用樹脂組成物をディスペンサーを用いて塗布して半導体封止用樹脂組成物からなる所定の厚みの樹脂層を形成する。上記半導体封止用樹脂組成物からなる所定の厚みの樹脂層を形成する際には、上記突起状電極部の少なくとも先端部を上記樹脂層より露出させるよう設定する。ついで、上記樹脂層が形成された半導体ウェハを切断して半導体装置を作製する。
【0139】
上記半導体封止用樹脂組成物からなる樹脂層の形成方法としては、マスクの開口部を通して印刷により行う方法があげられる。
【0140】
上記形成された樹脂層は、最終的に加熱硬化されていればよく、加熱硬化工程は半導体ウェハの切断前であっても切断後であってもよい。
【0141】
一方、個々の配線回路が形成されたマトリックス状の配線回路基板上に搭載された複数の半導体素子全体上に、上記半導体封止用樹脂組成物を供給して上記半導体素子を内蔵するよう樹脂層を形成する。ついで、上記樹脂層を加熱硬化して複数の半導体素子を樹脂封止した後、樹脂封止された複数の半導体素子を個々の半導体素子毎に切断することにより半導体装置を作製する。
【0142】
上記形成された樹脂層は、最終的に加熱硬化されていればよく、加熱硬化工程は半導体素子毎の切断前であっても切断後であってもよい。
【0143】
上記半導体封止用樹脂組成物からなる樹脂層の形成方法としては、先に述べた方法と同様、ディスペンサーを用いる方法、マスクの開口部を通して印刷により行う方法等があげられる。
【0144】
また、突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された半導体ウェハの、上記突起状電極部配設面に、上記半導体封止用樹脂組成物を供給して所定の厚みの樹脂層を形成した後、上記樹脂層が形成された半導体ウェハを個々の半導体素子に切断する。ついで、上記切断された半導体素子の樹脂層形成面と、複数の配線回路基板とを対面させた状態で、配線回路基板と半導体素子とを加熱圧着することにより両者を電気的に接続させるとともに、上記樹脂層を溶融して硬化させることにより、上記半導体素子と配線回路基板との間に封止樹脂層を形成して樹脂封止する。このようにして半導体装置を作製する。
【0145】
さらに、個々の配線回路が形成されたマトリックス状の配線回路基板上に上記半導体封止用樹脂組成物を供給して樹脂層を形成した後、上記樹脂層が形成された配線回路基板を個々の配線回路基板に切断する。ついで、複数の接続用電極部が各々に配設された半導体素子の接続用電極部配設面と、上記切断された配線回路基板とを対面させた状態で、半導体素子と配線回路基板とを加熱圧着することにより両者を電気的に接続させるとともに、上記樹脂層を溶融して硬化させることにより、半導体素子と配線回路基板との間に封止樹脂層を形成して樹脂封止する。このようにして半導体装置を作製する。
【0146】
上記半導体封止用樹脂組成物からなる樹脂層の形成方法としては、先に述べた方法と同様、ディスペンサーを用いる方法、マスクの開口部を通して印刷により行う方法等があげられる。
【0147】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0148】
(1)本発明の半導体封止用樹脂組成物の、第1の態様(液状エポキシ樹脂と固形フェノール樹脂の組み合わせ)における実施例および比較例について述べる。
【0149】
まず、実施例に先立って下記に示す各成分を準備した。
【0150】
〔エポキシ樹脂aa1〕
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(25℃で液状:エポキシ当量158g/eq、東都化成社製のエポトートYDF−8170)。
【0151】
〔エポキシ樹脂aa2〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(25℃で液状:エポキシ当量170g/eq、ダウケミカル社製のDER−332)。
【0152】
〔エポキシ樹脂aa3〕
脂環式エポキシ樹脂(25℃で液状:エポキシ当量135g/eq、ダイセル化学社製のセロキサイド2021P)。
【0153】
〔フェノール樹脂ba1〕
下記の化学式(ba1)で表される四官能フェノール樹脂(25℃で固形:融点187℃、純度94%、本州化学工業社製のTHD−2344)。
【0154】
【化65】
Figure 0004286399
【0155】
〔フェノール樹脂ba2〕
下記の化学式(ba2)で表される五官能フェノール樹脂(25℃で固形:融点182℃、純度97.5%、本州化学工業社製のBisPG−26X)。
【0156】
【化66】
Figure 0004286399
【0157】
〔フェノール樹脂ba3〕
下記の化学式(ba3)で表される四官能フェノール樹脂(25℃で固形:融点156℃、純度93.6%、本州化学工業社製のMHD−2344)。
【0158】
【化67】
Figure 0004286399
【0159】
〔フェノール樹脂ba4〕
下記の化学式(ba4)で表される三官能フェノール樹脂(25℃で固形:融点94℃、純度98%、本州化学工業社製のHDM−234)。
【0160】
【化68】
Figure 0004286399
【0161】
〔フェノール樹脂ba5〕
下記の化学式(ba5)で表される固形フェノール樹脂(25℃で固形:融点95℃、純度89%、本州化学工業社製のTrisP−RK)。
【0162】
【化69】
Figure 0004286399
【0163】
〔フェノール樹脂ba6〕
トリフェニルメタン型フェノール樹脂〔25℃で固形:水酸基当量101g/eq、融点110℃、150℃粘度3〜4poise、明和化成社製のMEH−7500(3,4P)〕。
【0164】
〔フェノール樹脂ba7〕
下記の化学式(ba7)で表されるp−エチルフェノール樹脂(25℃で固形:水酸基当量129g/eq、融点98℃、明和化成社製)。
【0165】
【化70】
Figure 0004286399
【0166】
〔フェノール樹脂ba8〕
アリル化フェノールノボラック(25℃で液状:水酸基当量135g/eq、昭和化成社製のMEH−8005H)。
【0167】
〔酸無水物系硬化剤〕
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(メチル化HHPA、新日本理化社製のリカシッドMH−700)。
【0168】
〔硬化促進剤c1〕
前述した方法に準じてマイクロカプセル型硬化促進剤を作製した。すなわち、まず、キシリレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの付加物11部、トリレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの付加物4.6部を、硬化促進剤としてのトリフェニルホスフィン7部と酢酸エチル3.9部との混合液中に均一に溶解させて油相を調製した。また、蒸留水100部とポリビニルアルコール5部からなる水相を別途調製し、このなかに上記調製した油相を添加してホモミキサーにて乳化しエマルジョン状態にし、これを還流管、攪拌機、滴下ロートを備えた重合反応器に仕込んだ。
【0169】
一方、トリエチレンテトラミン3部を含む水溶液10部を調製し、これを上記重合反応器に備えた滴下ロート内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下して70℃で3時間界面重合を行い、マイクロカプセル型硬化促進剤の水性サスペンジョンを得た。続いて、遠心分離により水相中のポリビニルアルコール等を除去した後、蒸留水100部を加え再び分散を行いサスペンジョンを得た。
【0170】
このサスペンジョンに対し、蟻酸を滴下し系のpHを3に調整した。これにより壁膜表面および内部のアミノ基が蟻酸によりブロックされたマイクロカプセル型硬化促進剤を作製した。このようにして得られたマイクロカプセル型硬化促進剤は遠心分離にて分別、水洗を繰り返した後、乾燥することによって自由流動性を有する粉末状粒子として単離した。このマイクロカプセル型硬化促進剤の平均粒径は2μmであった。また、マイクロカプセルの粒径に対するシェル厚み比率は15%であり、トリフェニルホスフィンの内包量は全体の30重量%であった。
【0171】
〔硬化促進剤c2〕
日本化薬社製のMCE−9957。
【0172】
〔硬化促進剤c3〕
2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製のキュアゾール2E4MZ)。
【0173】
〔無機質充填剤d1〕
球状溶融シリカ粉末(平均粒径5.0μm、東燃化学社製のSP−4B)。
【0174】
〔無機質充填剤d2〕
球状溶融シリカ粉末(平均粒径15μm、電気化学工業社製のFB−48X)。
【0175】
〔無機質充填剤d3〕
球状溶融シリカ粉末(平均粒径0.56μm、アドマテックス社製のSE−2100)
【0176】
【実施例a1〜a12、比較例a1〜a4、従来例】
上記各成分を後記の表1〜表3に示す配合割合で配合し、万能攪拌釜にて混練りして溶融混合した。つぎに、これを室温にて冷却することにより目的とする半導体封止用樹脂組成物を作製した。なお、混練り条件については、つぎに示すとおりである。
【0177】
〔実施例a1〜a8、比較例a4〕
まず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂を仕込み、150℃で2分間混合し、固形分を全て溶解した。つぎに、90〜100℃まで温度を下げ、無機質充填剤を加えて10分間混合した。そして、75℃の温度に調節した後、硬化促進剤を加え2分間混合し受け入れた。
【0178】
〔実施例a9〜a12、比較例a2、a3〕
まず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂を仕込み、110℃で5分間混合し、固形分を全て溶解した。つぎに、90〜100℃まで温度を下げ、無機質充填剤を加えて10分間混合した。そして、65℃の温度に調節した後、硬化促進剤を加え2分間混合し受け入れた。
【0179】
〔比較例a1、従来例〕
まず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂または酸無水物を仕込み、80℃で10分間混合した。その後、同温度で無機質充填剤を加えて10分間混合した。そして、50℃まで温度を下げ、硬化促進剤を加え2分間混合し受け入れた。
【0180】
【表1】
Figure 0004286399
【0181】
【表2】
Figure 0004286399
【0182】
【表3】
Figure 0004286399
【0183】
このようにして得られた実施例および比較例の半導体封止用樹脂組成物について、25℃および80℃における各粘度をE型粘度計を用い前述の方法に従って測定した。さらに、ガラス転移温度(Tg)、貯蔵安定性(無機質充填剤の沈降度合い、粘度変化の度合い)、吐出および塗布作業性、可使時間について、下記の方法に従って測定・評価した。また、上記半導体封止用樹脂組成物を用いて作製した半導体装置の耐湿信頼性を下記の方法に従って測定・評価した。そして、これらの結果を後記の表4〜表7に示した。
【0184】
〔ガラス転移温度(Tg)〕
予め脱泡処理した半導体封止用樹脂組成物を150℃で3時間硬化させたテストピースを、リガク社製のTMA装置(型番MG800GM)を用い測定した。なお、測定条件は、昇温5℃/minで荷重30gで行った。そして、横軸を温度,縦軸を伸びとするグラフ図を作成し、50〜70℃間の接線と200〜230℃間の接線との交点をTgとして求めた。
【0185】
〔貯蔵安定性〕
*1:無機質充填剤の沈降度合い
内径16mmφ、高さ180mmの試験管に半導体封止用樹脂組成物を入れて密栓し(試料高さ:120mm)、25℃で30日間放置後、無機質充填剤の沈降度合いを確認した。沈降有無の判断としては、無機質充填剤が沈降するとその部分の半導体封止用樹脂組成物の濁度レベルが変わるため、目視にて濁度変化を確認した。濁度が減少(透明度が増す)したものを沈降有りとした。沈降部分の高さが1mm以上のものを沈降有りとして×を表示し、沈降部分が全くないものを沈降無しとして◎を表示した。
*2:粘度変化の度合い
25℃の雰囲気に放置し(30日)、放置前後の粘度をE型粘度計を用いて測定した(測定温度:80℃、従来例については測定温度:25℃)。そして、放置後の粘度が放置前の粘度の1.5倍以下のものに◎、放置後の粘度が放置前の粘度の1.5倍を超え3.0倍以下のものに○、放置後の粘度が放置前の粘度の3.0倍を超え10倍以下のものに△、放置後の粘度が放置前の粘度の10倍を超えるものに×をつけた。なお、E型粘度計を用いての粘度の測定は、前記25℃または80℃における粘度の測定方法と同様にして行った。
【0186】
〔吐出性、塗布作業性〕
80℃に加温した半導体封止用樹脂組成物をディスペンサーを用いて時間と圧力の一定条件で吐出した時の吐出量で評価した。すなわち、武蔵エンジニアリング社製のシリンジ10cc、金属ニードルSN−17G(内径2.4mm)を用い、圧力5kg/cm2 で10秒後の吐出量を測定した。その結果、吐出量が1000mg以上のものを◎、200mg以上1000mg未満のものを○、50mg以上200mg未満のものを△、50mg未満のものを×とした。なお、上記条件で50mg未満であれば、半導体の樹脂封止が不可のレベルである。
【0187】
〔可使時間(粘度変化)〕
各半導体封止用樹脂組成物について、50℃×72時間放置前後の粘度をE型粘度計を用いて測定した(測定温度:80℃、従来例については測定温度:25℃)。そして、放置後の粘度が放置前の粘度の1.5倍以下のものに◎、放置後の粘度が放置前の粘度の1.5倍を超え3.0倍以下のものに○、放置後の粘度が放置前の粘度の3.0倍を超え10倍以下のものに△、放置後の粘度が放置前の粘度の10倍を超えるものに×をつけた。なお、E型粘度計を用いての粘度の測定は、前記25℃または80℃における粘度の測定方法と同様にして行った。
【0188】
〔耐湿信頼性〕
上記各半導体封止用樹脂組成物を用いてつぎのようして半導体装置を製造した。すなわち、まず、半導体チップを実装したデュアルインラインパッケージ(DIP)フレームをDIP金型にセットし、金型を140℃に加温した(従来例については110℃)。そして、予め脱泡処理を行ない、60〜120℃に加熱した溶融状の半導体封止用樹脂組成物を滴下し、150℃で3時間の条件で硬化し(従来例については110℃で20時間の条件で硬化)、半導体装置を作製した。そして、耐湿下、130℃×85%RH×2.3atm(印加バイアス30V)に投入し、各パターンの導通チェックを行ない、不導通になれば不良品とする。なお、導通チェックは室温に取り出した後に行った。パッケージの不良率〔(不良パターン数/全パターン数)×100〕が50%以上になった時間を確認した。なお、その他の条件は、以下のとおりである。
・評価パッケージ:DIP16
・リードフレーム:4.2アロイ,厚み0.25mm
・チップ :シンコー社製の全面Alモデル素子3×6mm
(Alパターン厚み5μm,幅5μm)
・ワイヤー :99.99% Gold SR 25μmφ
・Agペースト :日立化成社製のEN−4000
・評価n数 :10パッケージ/試料(1パッケージに、+極2パターン
、−極2パターンが配線されているので計40パターン測
定できる。)
・PCT条件 :130℃×85%RH×2.3atm
(印加バイアス30V)
【0189】
【表4】
Figure 0004286399
【0190】
【表5】
Figure 0004286399
【0191】
【表6】
Figure 0004286399
【0192】
【表7】
Figure 0004286399
【0193】
上記表4〜表7の結果から、全ての実施例品は、従来例品に比べ、無機質充填剤の沈降がなく、また可使時間が長く、貯蔵安定性に優れていることがわかる。そして、吐出および塗布作業性にも優れており、得られる半導体装置の耐湿信頼性も良好であることがわかる。特に、実施例a1品〜a9品は、固形フェノール樹脂として多官能固形フェノール樹脂を用いているため、多官能固形フェノール樹脂ではない固形フェノール樹脂を用いたものに比べ、ガラス転移温度が高くなっている。また、実施例a1品,a3品〜a12品は、潜在性硬化促進剤として特定のマイクロカプセル型硬化促進剤を用いているため、市販のマイクロカプセル型硬化促進剤を用いたものに比べ、可使時間が非常に長く、貯蔵安定性に特に優れている。
【0194】
これに対し、比較例a1品は、液状エポキシ樹脂と液状フェノール樹脂を用いているため、貯蔵安定性が悪くなり、無機質充填剤の沈降が生じていることがわかる。また、比較例a2品も、25℃の粘度で7000poise未満であるため、無機質充填剤の沈降が生じていることがわかる。さらに、比較例a3品は、潜在性硬化促進剤ではない硬化促進剤を用いているため、可使時間が短くなり、貯蔵時の粘度変化が大きくなっていることがわかる。そして、比較例a4品は、半導体封止用樹脂組成物の粘度が80℃で5000poiseを超えているため、吐出および塗布作業性が悪くなっていることがわかる。
【0195】
つぎに、上記半導体装置の製法に関する実施例について説明する。
【0196】
【実施例a13】
前記実施例a4で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め100℃に加温された配線回路基板上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物をディスペンサーを用いてポッティングした。その後、フリップチップボンダーを用い、上記配線回路基板上に半導体素子を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0197】
【実施例a14】
前記実施例a5で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用いた。それ以外は上記実施例a13と同様にしてフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0198】
【実施例a15】
前記実施例a9で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された配線回路基板と半導体素子上に、70℃に加温された上記半導体封止用樹脂組成物を5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。つぎに、雰囲気圧を150Torrに設定し、上記半導体封止用樹脂組成物中のボイド抜きを行い、その150Torrの状態を維持したまま上記70℃に加温された上記半導体封止用樹脂組成物を用いて仕上げ印刷を行った。その後、150℃×3時間の条件で加熱硬化して半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することにより、キャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0199】
【実施例a16】
前記実施例a10で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用いた。それ以外は上記実施例a13と同様にしてフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0200】
〔半導体封止用樹脂組成物α1の作製〕
前記各成分を下記の表8に示す配合割合で配合し、万能攪拌釜にて混練りして溶融混合した後、70℃で真空脱泡した。つぎに、これを室温にて冷却することにより目的とする半導体封止用樹脂組成物を作製した。なお、混練り条件については、つぎに示すとおりである。すなわち、まず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂を仕込み、150℃で2分間混合し、固形分を全て溶解した。つぎに、90〜100℃まで温度を下げ、無機質充填剤を加えて10分間混合した。そして、75℃の温度に調節した後、硬化促進剤を加え2分間混合し受け入れた。
【0201】
得られた半導体封止用樹脂組成物α1について、25℃および80℃における各粘度をE型粘度計を用い前述の方法に従って測定した。さらに、ガラス転移温度(Tg)、貯蔵安定性(無機質充填剤の沈降度合い、粘度変化の度合い)、吐出および塗布作業性、可使時間について、前記と同様の方法に従って測定・評価した。また、上記半導体封止用樹脂組成物α1を用いて作製した半導体装置の耐湿信頼性を前記と同様の方法に従って測定・評価した。そして、これらの結果を下記の表8に併せて示した。
【0202】
【表8】
Figure 0004286399
【0203】
【実施例a17】
上記半導体封止用樹脂組成物α1を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に接続用電極部を介して半導体素子が搭載されたものを準備した。そして、予め100℃に加温された配線回路基板および半導体素子との空隙に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α1をディスペンサーを用いて充填した。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0204】
【実施例a18】
上記半導体封止用樹脂組成物α1を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に接続用電極部を介して半導体素子が搭載されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された配線回路基板および半導体素子との空隙に、5Torrの真空下で70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α1をディスペンサーを用いて充填した。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0205】
【実施例a19】
上記半導体封止用樹脂組成物α1を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に接続用電極部を介して半導体素子が搭載されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された配線回路基板および半導体素子との空隙に、5Torrの真空下で70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α1をディスペンサーを用いて充填した。その後、さらに大気圧に戻し、上記70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物αを充填(差圧充填)した後、150℃×3時間で加熱硬化させて配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0206】
【実施例a20】
上記半導体封止用樹脂組成物α1を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め100℃に加温された配線回路基板上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α1をディスペンサーを用いてポッティングした。その後、フリップチップボンダーを用い、上記配線回路基板上に半導体素子を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0207】
【実施例a21】
上記半導体封止用樹脂組成物α1を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め100℃に加温された半導体素子上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α1をディスペンサーを用いてポッティングした。その後、フリップチップボンダーを用い、上記半導体素子上に70℃に加温された配線回路基板を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0208】
【実施例a22】
上記半導体封止用樹脂組成物α1を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された配線回路基板上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α1を、5Torrの真空下でディスペンサーを用いてポッティングした。その後、フリップチップボンダーを用い、上記配線回路基板上に半導体素子を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0209】
【実施例a23】
上記半導体封止用樹脂組成物α1を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された半導体素子上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α1を、5Torrの真空下でディスペンサーを用いてポッティングした。その後、フリップチップボンダーを用い、上記半導体素子上に70℃に加温された配線回路基板を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0210】
【実施例a24】
上記半導体封止用樹脂組成物α1を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された半導体素子上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α1をマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。その後、フリップチップボンダーを用い、上記半導体素子上に70℃に加温された配線回路基板を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0211】
【実施例a25】
上記半導体封止用樹脂組成物α1を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された配線回路基板上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α1をマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。その後、フリップチップボンダーを用い、上記配線回路基板上に半導体素子を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0212】
【実施例a26】
上記半導体封止用樹脂組成物α1を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された半導体素子上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α1を、5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。その後、フリップチップボンダーを用い、上記半導体素子上に70℃に加温された配線回路基板を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0213】
【実施例a27】
上記半導体封止用樹脂組成物α1を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された配線回路基板上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α1を、5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。その後、フリップチップボンダーを用い、上記配線回路基板上に半導体素子を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0214】
【実施例a28】
上記半導体封止用樹脂組成物α1を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め100℃に加温された半導体素子上に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α1をディスペンサーを用いてポッティングした。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することによりキャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0215】
【実施例a29】
上記半導体封止用樹脂組成物α1を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された半導体素子上に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α1を、5Torrの真空下でディスペンサーを用いてポッティングした。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することによりキャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0216】
【実施例a30】
上記半導体封止用樹脂組成物α1を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された半導体素子上に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α1をマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することによりキャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0217】
【実施例a31】
上記半導体封止用樹脂組成物α1を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された半導体素子上に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α1を、5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することによりキャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0218】
【実施例a32】
上記半導体封止用樹脂組成物α1を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された半導体素子上に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α1を、5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。つぎに、雰囲気圧を150Torrに設定し、上記半導体封止用樹脂組成物α1中のボイド抜きを行い、その150Torrの状態を維持したまま70℃に加温された上記半導体封止用樹脂組成物αを用いて仕上げ印刷を行った。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することによりキャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0219】
【実施例a33】
実装用基板(マザーボード)上に、上記実施例a20で作製した半導体装置を載置し、電気的に接続して100℃に加温したものを準備した。その後、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物αを、実装用基板と半導体装置との間の空隙にディスペンサーを用いて充填した。そして、150℃×3時間で硬化することにより半導体装置と実装用基板との空隙に封止樹脂層を形成して半導体製品を製造した。
【0220】
上記のようにして得られた各半導体装置および実装用基板上に半導体装置が搭載された装置の封止樹脂層について、気泡の有無を目視により確認した。その結果を下記の表9〜表11に示す。
【0221】
【表9】
Figure 0004286399
【0222】
【表10】
Figure 0004286399
【0223】
【表11】
Figure 0004286399
【0224】
上記表9〜表11の結果から、実施例a28、a30を除き殆どの半導体装置の封止樹脂層には気泡が無い、あるいは少量の気泡が確認される程度であった。
【0225】
(2)本発明の半導体封止用樹脂組成物の、第2の態様(固形エポキシ樹脂と液状フェノール樹脂の組み合わせ)における実施例および比較例について述べる。
【0226】
まず、実施例に先立って下記に示す各成分を準備した。
【0227】
〔エポキシ樹脂ab1〕
下記の構造式(ab1)で表される四官能ナフタレン型エポキシ樹脂(25℃で固形:エポキシ当量167g/eq、軟化点68℃、大日本インキ社製のEXA−4701)。
【0228】
【化71】
Figure 0004286399
【0229】
〔エポキシ樹脂ab2〕
下記の化学式(ab2)で表されるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂(25℃で固形:エポキシ当量170g/eq、軟化点62℃、日本化薬社製のEPPN−501HY)。
【0230】
【化72】
Figure 0004286399
【0231】
〔エポキシ樹脂ab3〕
下記の構造式(ab3)で表される固形エポキシ樹脂(25℃で固形:エポキシ当量247g/eq、融点121℃、新日鉄化学社製のGK−4292)。
【0232】
【化73】
Figure 0004286399
【0233】
〔エポキシ樹脂ab4〕
下記の構造式(ab4)で表される固形エポキシ樹脂(25℃で固形:エポキシ当量174g/eq、融点79℃、新日鉄化学社製のGK−4137)。
【0234】
【化74】
Figure 0004286399
【0235】
〔エポキシ樹脂ab5〕
ビスフェノールF型エポキシ樹脂〔25℃で液状(13poise):エポキシ当量158g/eq、東都化成社製のエポトートYDF−8170)。
【0236】
〔エポキシ樹脂ab6〕
下記の構造式(ab6)で表される固形エポキシ樹脂(25℃で固形:エポキシ当量190g/eq、新日鉄化学社製のGK−5079)。
【0237】
【化75】
Figure 0004286399
【0238】
〔エポキシ樹脂ab7〕
トリグリシジルイソシアヌレート(25℃で固形:エポキシ当量100g/eq、日産化学社製のTEPIC−S)。
【0239】
〔フェノール樹脂bb1〕
アリル化フェノールノボラック(25℃で液状:水酸基当量135g/eq、昭和化成社製のMEH−8005H)。
【0240】
〔フェノール樹脂bb2〕
ジアリル化ビスフェノールA(25℃で液状:水酸基当量154g/eq、群栄化学工業社製)。
【0241】
〔硬化促進剤c1〕
先の第1の態様における実施例および比較例で用いた硬化促進剤c1と同様のマイクロカプセル型硬化促進剤を用いた。このマイクロカプセル型硬化促進剤の平均粒径は2μmであった。また、マイクロカプセルの粒径に対するシェル厚み比率は15%であり、トリフェニルホスフィンの内包量は全体の30重量%であった。
【0242】
〔硬化促進剤c2〕
日本化薬社製のMCE−9957。
【0243】
〔硬化促進剤c3〕
2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製のキュアゾール2E4MZ)。
【0244】
〔無機質充填剤d1〕
球状溶融シリカ粉末(平均粒径5.0μm、東燃化学社製のSP−4B)。
【0245】
〔無機質充填剤d2〕
球状溶融シリカ粉末(平均粒径15μm、電気化学工業社製のFB−48X)。
【0246】
〔無機質充填剤d3〕
球状溶融シリカ粉末(平均粒径0.56μm、アドマテックス社製のSE−2100)
【0247】
【実施例b1〜b10、比較例b1〜b4】
上記各成分を後記の表12〜表14に示す配合割合で配合し、万能攪拌釜にて混練りして溶融混合した。つぎに、これを室温にて冷却することにより目的とする半導体封止用樹脂組成物を作製した。なお、混練り条件については、つぎに示すとおりである。
【0248】
〔実施例b1〜b4、比較例b3、b4〕
まず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂を仕込み、110℃で5分間混合し、固形分を全て溶解させた。つぎに、90〜100℃まで温度を下げ、無機質充填剤を加えて10分間混合した。そして、65℃の温度に調整した後、硬化促進剤を加え2分間混合し受け入れた。
【0249】
〔実施例b5〜b7、比較例b2〕
まず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂を仕込み、130℃で10分間混合し、固形分を全て溶解させた。つぎに、90〜100℃まで温度を下げ、無機質充填剤を加えて10分間混合した。そして、75℃の温度に調整した後、硬化促進剤を加え2分間混合し受け入れた。
【0250】
〔実施例b8〜b10〕
まず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂を仕込み、150℃で10分間混合した。つぎに、90〜100℃まで温度を下げ、無機質充填剤を加えて10分間混合した。そして、65℃の温度に調整した後、硬化促進剤を加え2分間混合し受け入れた。
【0251】
〔比較例b1〕
まず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂を仕込み、80℃で10分間混合した。その後、同温度で無機質充填剤を加えて10分間混合した。そして、50℃まで温度を下げ、硬化促進剤を加え2分間混合し受け入れた。
【0252】
【表12】
Figure 0004286399
【0253】
【表13】
Figure 0004286399
【0254】
【表14】
Figure 0004286399
【0255】
このようにして得られた実施例および比較例の半導体封止用樹脂組成物について、25℃および80℃における各粘度をE型粘度計を用い前述の方法に従って測定した。さらに、ガラス転移温度(Tg)、貯蔵安定性(無機質充填剤の沈降度合い、粘度変化の度合い)、吐出および塗布作業性、可使時間について、下記の方法に従って測定・評価した。また、上記半導体封止用樹脂組成物を用いて作製した半導体装置の耐湿信頼性を下記の方法に従って測定・評価した。そして、これらの結果を後記の表15〜表17に示した。
【0256】
〔ガラス転移温度(Tg)〕
前記第1の態様と同様の方法にて求めた。
【0257】
〔貯蔵安定性〕
*1:無機質充填剤の沈降度合い
前記第1の態様と同様の方法にて求めた。
*2:粘度変化の度合い
前記第1の態様と同様の方法にて求めた。
【0258】
〔吐出性、塗布作業性〕
前記第1の態様と同様の方法にて求めた。
【0259】
〔可使時間(粘度変化)〕
前記第1の態様と同様の方法にて求めた。
【0260】
〔耐湿信頼性〕
前記第1の態様と同様の方法にて求めた。
【0261】
【表15】
Figure 0004286399
【0262】
【表16】
Figure 0004286399
【0263】
【表17】
Figure 0004286399
【0264】
上記表15〜表17の結果から、全ての実施例品は、無機質充填剤の沈降がなく、また可使時間が長く、貯蔵安定性に優れていることがわかる。そして、吐出および塗布作業性にも優れており、得られる半導体装置の耐湿信頼性も良好であることがわかる。特に、実施例b1品〜b4品は、固形エポキシ樹脂として多官能固形エポキシ樹脂を用いているため、多官能エポキシ樹脂ではない固形エポキシ樹脂を用いたものに比べ、ガラス転移温度が特に高くなっている。また、実施例b1品,b3品〜b9品は、潜在性硬化促進剤として特定のマイクロカプセル型硬化促進剤を用いているため、市販のマイクロカプセル型硬化促進剤を用いたものに比べ、可使時間が非常に長く、貯蔵安定性に優れている。
【0265】
これに対し、比較例b1品,b4品は、25℃で7000poise未満の粘度の液状であるため、貯蔵安定性が悪くなり、無機質充填剤の沈降が生じていることがわかる。また、比較例b2品は、80℃の粘度が5000poiseを超えるため、流動性が悪くなり、吐出および塗布作業性が悪いことがわかる。さらに、比較例b3品は、潜在性硬化促進剤ではない硬化促進剤を用いているため、可使時間が短くなり、貯蔵時の粘度が大きく変化していることがわかる。
【0266】
つぎに、上記半導体装置の製法に関する実施例について説明する。
【0267】
【実施例b11】
前記実施例b1で作製した半導体封止用樹脂組成物を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された配線回路基板と半導体素子上に、70℃に加温された上記半導体封止用樹脂組成物を5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。つぎに、雰囲気圧を50Torrに設定し、上記半導体封止用樹脂組成物中のボイド抜きを行い、その50Torrの状態を維持したまま上記70℃に加温された上記半導体封止用樹脂組成物を用いて仕上げ印刷を行った。その後、150℃×3時間の条件で加熱硬化して半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することにより、キャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0268】
【実施例b12】
前記実施例b3で作製した半導体封止用樹脂組成物を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された配線回路基板上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物をディスペンサーを用いてポッティングした。その後、フリップチップボンダーを用い、上記配線回路基板上に半導体素子を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0269】
【実施例b13】
前記実施例b4で作製した半導体封止用樹脂組成物を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された配線回路基板と半導体素子上に、70℃に加温された上記半導体封止用樹脂組成物を5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。つぎに、雰囲気圧を50Torrに設定し、上記半導体封止用樹脂組成物中のボイド抜きを行い、その50Torrの状態を維持したまま上記70℃に加温された上記半導体封止用樹脂組成物を用いて仕上げ印刷を行った。その後、150℃×3時間の条件で加熱硬化して半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することにより、キャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0270】
【実施例b14】
前記実施例b8で作製した半導体封止用樹脂組成物を用いた。それ以外は上記実施例b13と同様にしてフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0271】
〔半導体封止用樹脂組成物α2の作製〕
前記各成分を下記の表18に示す配合割合で配合し、万能攪拌釜にて混練りして溶融混合した。つぎに、これを室温にて冷却することにより目的とする半導体封止用樹脂組成物を作製した。なお、混練り条件については、つぎに示すとおりである。すなわち、まず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂を仕込み、110℃で5分間混合し、固形分を全て溶解させた。つぎに、90〜100℃まで温度を下げ、無機質充填剤を加えて10分間混合した。そして、65℃の温度に調整した後、硬化促進剤を加え2分間混合し受け入れた。
【0272】
得られた半導体封止用樹脂組成物α2について、25℃および80℃における各粘度をE型粘度計を用い前述の方法に従って測定した。さらに、ガラス転移温度(Tg)、貯蔵安定性(無機質充填剤の沈降度合い、粘度変化の度合い)、吐出および塗布作業性、可使時間について、前記と同様の方法に従って測定・評価した。また、上記半導体封止用樹脂組成物α2を用いて作製した半導体装置の耐湿信頼性を前記と同様の方法に従って測定・評価した。そして、これらの結果を下記の表18に併せて示した。
【0273】
【表18】
Figure 0004286399
【0274】
【実施例b15】
上記半導体封止用樹脂組成物α2を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に接続用電極部を介して半導体素子が搭載されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された配線回路基板および半導体素子との空隙に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α2をディスペンサーを用いて充填した。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0275】
【実施例b16】
上記半導体封止用樹脂組成物α2を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に接続用電極部を介して半導体素子が搭載されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された配線回路基板および半導体素子との空隙に、5Torrの真空下で70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α2をディスペンサーを用いて充填した。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0276】
【実施例b17】
上記半導体封止用樹脂組成物α2を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に接続用電極部を介して半導体素子が搭載されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された配線回路基板および半導体素子との空隙に、5Torrの真空下で70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α2をディスペンサーを用いて充填した。その後、さらに大気圧に戻し、上記70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α2を充填(差圧充填)した後、150℃×3時間で加熱硬化させて配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0277】
【実施例b18】
上記半導体封止用樹脂組成物α2を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された配線回路基板上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α2をディスペンサーを用いてポッティングした。その後、フリップチップボンダーを用い、上記配線回路基板上に半導体素子を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0278】
【実施例b19】
上記半導体封止用樹脂組成物α2を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め90℃に加温された半導体素子上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α2をディスペンサーを用いてポッティングした。その後、フリップチップボンダーを用い、上記半導体素子上に70℃に加温された配線回路基板を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0279】
【実施例b20】
上記半導体封止用樹脂組成物α2を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された配線回路基板上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α2を、5Torrの真空下でディスペンサーを用いてポッティングした。その後、フリップチップボンダーを用い、上記配線回路基板上に半導体素子を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0280】
【実施例b21】
上記半導体封止用樹脂組成物α2を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め90℃に加温された半導体素子上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α2を、5Torrの真空下でディスペンサーを用いてポッティングした。その後、フリップチップボンダーを用い、上記半導体素子上に70℃に加温された配線回路基板を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0281】
【実施例b22】
上記半導体封止用樹脂組成物α2を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め90℃に加温された半導体素子上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α2をマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。その後、フリップチップボンダーを用い、上記半導体素子上に70℃に加温された配線回路基板を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0282】
【実施例b23】
上記半導体封止用樹脂組成物α2を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された配線回路基板上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α2をマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。その後、フリップチップボンダーを用い、上記配線回路基板上に半導体素子を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0283】
【実施例b24】
上記半導体封止用樹脂組成物α2を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め90℃に加温された半導体素子上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α2を、5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。その後、フリップチップボンダーを用い、上記半導体素子上に70℃に加温された配線回路基板を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0284】
【実施例b25】
上記半導体封止用樹脂組成物α2を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された配線回路基板上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α2を、5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。その後、フリップチップボンダーを用い、上記配線回路基板上に半導体素子を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0285】
【実施例b26】
上記半導体封止用樹脂組成物α2を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された半導体素子上に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α2をディスペンサーを用いてポッティングした。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することによりキャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0286】
【実施例b27】
上記半導体封止用樹脂組成物α2を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された半導体素子上に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α2を、5Torrの真空下でディスペンサーを用いてポッティングした。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することによりキャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0287】
【実施例b28】
上記半導体封止用樹脂組成物α2を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された半導体素子上に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α2をマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することによりキャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0288】
【実施例b29】
上記半導体封止用樹脂組成物α2を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された半導体素子上に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α2を、5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することによりキャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0289】
【実施例b30】
上記半導体封止用樹脂組成物α2を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された半導体素子上に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α2を、5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。つぎに、雰囲気圧を50Torrに設定し、上記半導体封止用樹脂組成物α2中のボイド抜きを行い、その50Torrの状態を維持したまま70℃に加温された上記半導体封止用樹脂組成物α2を用いて仕上げ印刷を行った。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することによりキャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0290】
【実施例b31】
実装用基板(マザーボード)上に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α2をディスペンサーを用いてポッティングした。そして、この実装用基板上に、上記実施例20で作製した半導体装置を載置し、IRリフロー炉(条件:240℃×10秒間)を用い、半導体装置と実装用基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に半導体装置と実装用基板との空隙に封止樹脂層を形成することにより半導体製品を製造した。
【0291】
上記のようにして得られた各半導体装置および実装用基板上に半導体装置が搭載された半導体製品の封止樹脂層について、気泡の有無を目視により確認した。その結果を下記の表19〜表21に示す。
【0292】
【表19】
Figure 0004286399
【0293】
【表20】
Figure 0004286399
【0294】
【表21】
Figure 0004286399
【0295】
上記表19〜表21の結果から、実施例b26、b28を除き殆どの半導体装置および半導体製品の封止樹脂層には気泡が無い、あるいは少量の気泡が確認される程度であった。
【0296】
(3)本発明の半導体封止用樹脂組成物の、第3の態様(固形エポキシ樹脂と固形フェノール樹脂の組み合わせ)における実施例および比較例について述べる。
【0297】
まず、実施例に先立って下記に示す各成分を準備した。
【0298】
〔エポキシ樹脂ac1〕
下記の化学式(ac1)で表される結晶性エポキシ樹脂(25℃で固形:エポキシ当量174g/eq、融点79℃、新日鉄化学社製のGK−4137)。
【0299】
【化76】
Figure 0004286399
【0300】
〔エポキシ樹脂ac2〕
下記の化学式(ac2)で表される結晶性エポキシ樹脂(25℃で固形:エポキシ当量173g/eq、融点145℃、東都化成社製のYDC−1312)。
【0301】
【化77】
Figure 0004286399
【0302】
〔エポキシ樹脂ac3〕
下記の化学式(ac3)で表される結晶性エポキシ樹脂(25℃で固形:エポキシ当量195g/eq、融点105℃、油化シェル社製のYX−4000H)。
【0303】
【化78】
Figure 0004286399
【0304】
〔エポキシ樹脂ac4〕
下記の化学式(ac4)で表される結晶性エポキシ樹脂(25℃で固形:エポキシ当量190g/eq、融点78℃、新日鉄化学社製のGK−5079)。
【0305】
【化79】
Figure 0004286399
【0306】
〔エポキシ樹脂ac5〕
下記の化学式(ac5)で表されるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂(25℃で固形:エポキシ当量170g/eq、軟化点62℃、日本化薬社製のEPPN−501HY)。
【0307】
【化80】
Figure 0004286399
【0308】
〔エポキシ樹脂ac6〕
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(25℃で液状:エポキシ当量158g/eq、東都化成社製のエポトートYDF−8170)。
【0309】
〔エポキシ樹脂ac7〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(25℃で液状:エポキシ当量170g/eq、ダウケミカル社製のDER−332)。
【0310】
〔エポキシ樹脂ac8〕
下記の構造式(ac8)で表される四官能ナフタレン型エポキシ樹脂(25℃で固形:エポキシ当量167g/eq、軟化点68℃、大日本インキ社製のEXA−4701)。
【0311】
【化81】
Figure 0004286399
【0312】
〔フェノール樹脂bc1〕
下記の化学式(bc1)で表されるp−エチルフェノール樹脂(25℃で固形:水酸基当量129g/eq、融点98℃、明和化成社製)。
【0313】
【化82】
Figure 0004286399
【0314】
〔フェノール樹脂bc2〕
下記の化学式(bc2′)で表される三官能フェノール樹脂と、下記の化学式(bc2″)で表される四官能フェノール樹脂との混合物〔融点140℃、本州化学工業社製のMHD−244HG〕。なお、液体クロマトグラフ分析によるピーク面積比率(全ピーク面積に対しての面積比)は、式(bc2′)が約84%、式(bc2″)が約15%である。
【0315】
【化83】
Figure 0004286399
【0316】
【化84】
Figure 0004286399
【0317】
〔フェノール樹脂bc3〕
上記化学式(bc2″)で表される四官能フェノール樹脂と、上記化学式(bc2′)で表される三官能フェノール樹脂との混合物〔融点182℃、本州化学工業社製のBis26X−RS〕。なお、液体クロマトグラフ分析によるピーク面積比率(全ピーク面積に対しての面積比)は、式(bc2″)が約90%、式(bc2′)が約8%である。
【0318】
〔フェノール樹脂bc4〕
下記の化学式(bc4)で表される三官能フェノール樹脂(25℃で固形:純度98%、融点94℃、本州化学工業社製のHDM−234)。
【0319】
【化85】
Figure 0004286399
【0320】
〔フェノール樹脂bc5〕
下記の化学式(bc5)で表されるフェノール樹脂(25℃で固形:三井化学社製のBPF−ST)。
【0321】
【化86】
Figure 0004286399
【0322】
〔フェノール樹脂bc6〕
アリル化フェノールノボラック(25℃で液状:水酸基当量135g/eq、明和化成社製のMEH−8005H)。
【0323】
〔硬化促進剤c1〕
先の第1の態様における実施例および比較例で用いた硬化促進剤c1と同様のマイクロカプセル型硬化促進剤を用いた。このマイクロカプセル型硬化促進剤の平均粒径は2μmであった。また、マイクロカプセルの粒径に対するシェル厚み比率は15%であり、トリフェニルホスフィンの内包量は全体の30重量%であった。
【0324】
〔硬化促進剤c2〕
日本化薬社製のMCE−9957。
【0325】
〔硬化促進剤c3〕
2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製のキュアゾール2E4MZ)。
【0326】
〔無機質充填剤d1〕
球状溶融シリカ粉末(平均粒径5.0μm、東燃化学社製のSP−4B)。
【0327】
〔無機質充填剤d2〕
球状溶融シリカ粉末(平均粒径15μm、電気化学工業社製のFB−48X)。
【0328】
〔無機質充填剤d3〕
球状溶融シリカ粉末(平均粒径0.56μm、アドマテックス社製のSE−2100)
【0329】
【実施例c1〜c11、比較例c1〜c4】
上記各成分を後記の表22〜表24に示す配合割合で配合し、万能攪拌釜にて混練りして溶融混合した。つぎに、これを室温にて冷却することにより目的とする半導体封止用樹脂組成物を作製した。なお、混練り条件については、つぎに示すとおりである。
【0330】
〔実施例c1〜c11、比較例c2〜c4〕
まず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂を仕込み、150℃で10分間混合し、固形分を全て溶解させた。つぎに、90〜100℃まで温度を下げ、無機質充填剤を加えて10分間混合した。そして、75℃の温度に調節した後、硬化促進剤を加え2分間混合し受け入れた。なお、比較例4については、65℃の温度に調節した後、硬化促進剤を加えるようにした。
【0331】
〔比較例c1〕
まず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂を仕込み、80℃で10分間混合した。その後、同温度で無機質充填剤を加えて10分間混合した。そして、50℃まで温度を下げ、硬化促進剤を加え2分間混合し受け入れた。
【0332】
【表22】
Figure 0004286399
【0333】
【表23】
Figure 0004286399
【0334】
【表24】
Figure 0004286399
【0335】
このようにして得られた実施例および比較例の半導体封止用樹脂組成物について、25℃および80℃における各粘度をE型粘度計を用い前述の方法に従って測定した。さらに、ガラス転移温度(Tg)、貯蔵安定性(無機質充填剤の沈降度合い、粘度変化の度合い)、吐出および塗布作業性、可使時間について、下記の方法に従って測定・評価した。また、上記半導体封止用樹脂組成物を用いて作製した半導体装置の耐湿信頼性を下記の方法に従って測定・評価した。そして、これらの結果を後記の表25〜表27に示した。
【0336】
〔ガラス転移温度(Tg)〕
前記第1の態様と同様の方法にて求めた。
【0337】
〔貯蔵安定性〕
*1:無機質充填剤の沈降度合い
前記第1の態様と同様の方法にて求めた。
*2:粘度変化の度合い
前記第1の態様と同様の方法にて求めた。
【0338】
〔吐出性、塗布作業性〕
前記第1の態様と同様の方法にて求めた。
【0339】
〔可使時間(粘度変化)〕
前記第1の態様と同様の方法にて求めた。
【0340】
〔耐湿信頼性〕
前記第1の態様と同様の方法にて求めた。
【0341】
【表25】
Figure 0004286399
【0342】
【表26】
Figure 0004286399
【0343】
【表27】
Figure 0004286399
【0344】
上記表25〜表27の結果から、全ての実施例品は、無機質充填剤の沈降がなく、また可使時間が長く、貯蔵安定性に優れていることがわかる。そして、吐出および塗布作業性にも優れており、得られる半導体装置の耐湿信頼性も良好であることがわかる。特に、実施例c1品〜c7品は、固形フェノール樹脂として多官能固形フェノール樹脂または多官能固形エポキシ樹脂を用いているため、多官能固形樹脂系ではない固形樹脂を用いたものに比べ、ガラス転移温度が特に高くなっている。また、実施例c1品,c3品〜c8品,c10品,c11品は、潜在性硬化促進剤として特定のマイクロカプセル型硬化促進剤を用いているため、市販のマイクロカプセル型硬化促進剤を用いたものに比べ、可使時間が非常に長く、貯蔵安定性に特に優れている。
【0345】
これに対し、比較例c1品は、液状エポキシ樹脂と液状フェノール樹脂とを用いているため、貯蔵安定性が悪くなり、無機質充填剤の沈降が生じていることがわかる。また、比較例c2品も、25℃の粘度が7000poise未満であるため、貯蔵安定性が悪くなり、無機質充填剤の沈降が生じていることがわかる。さらに、比較例c3品は、80℃の粘度が5000poiseを超えているため、吐出および塗布作業性が悪くなっていることがわかる。そして、比較例c4品は、潜在性硬化促進剤ではない硬化促進剤を用いているため、可使時間が短く、貯蔵安定性が悪くなっていることがわかる。
【0346】
つぎに、上記半導体装置の製法に関する実施例について説明する。
【0347】
【実施例c12】
前記実施例c1で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された配線回路基板と半導体素子上に、70℃に加温された上記半導体封止用樹脂組成物を5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。つぎに、雰囲気圧を150Torrに設定し、上記半導体封止用樹脂組成物中のボイド抜きを行い、その150Torrの状態を維持したまま上記70℃に加温された上記半導体封止用樹脂組成物を用いて仕上げ印刷を行った。その後、150℃×3時間の条件で加熱硬化して半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することにより、キャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0348】
【実施例c13】
前記実施例c4で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め100℃に加温された配線回路基板上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物をディスペンサーを用いてポッティングした。その後、フリップチップボンダーを用い、上記配線回路基板上に半導体素子を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0349】
【実施例c14】
前記実施例c6で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用いた。それ以外は上記実施例c12と同様にしてフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0350】
【実施例c15】
前記実施例c7で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用いた。それ以外は上記実施例c12と同様にしてフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0351】
【実施例c16】
(併用エポキシ樹脂+併用フェノール樹脂)
前記実施例c11で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された配線回路基板と半導体素子上に、70℃に加温された上記半導体封止用樹脂組成物を5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。つぎに、雰囲気圧を150Torrに設定し、上記半導体封止用樹脂組成物中のボイド抜きを行い、その150Torrの状態を維持したまま上記70℃に加温された上記半導体封止用樹脂組成物を用いて仕上げ印刷を行った。その後、150℃×3時間の条件で加熱硬化して半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することにより、キャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0352】
〔半導体封止用樹脂組成物α3の作製〕
前記各成分を下記の表28に示す配合割合で配合し、万能攪拌釜にて混練りして溶融混合した後、70℃で真空脱泡した。つぎに、これを室温にて冷却することにより目的とする半導体封止用樹脂組成物を作製した。なお、混練り条件については、つぎに示すとおりである。すなわち、まず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂を仕込み、150℃で10分間混合し、固形分を全て溶解させた。つぎに、90〜100℃まで温度を下げ、無機質充填剤を加えて10分間混合した。そして、75℃の温度に調節した後、硬化促進剤を加え2分間混合し受け入れた。
【0353】
得られた半導体封止用樹脂組成物α3について、25℃および80℃における各粘度をE型粘度計を用い前述の方法に従って測定した。さらに、ガラス転移温度(Tg)、貯蔵安定性(無機質充填剤の沈降度合い、粘度変化の度合い)、吐出および塗布作業性、可使時間について、前記と同様の方法に従って測定・評価した。また、上記半導体封止用樹脂組成物α3を用いて作製した半導体装置の耐湿信頼性を前記と同様の方法に従って測定・評価した。そして、これらの結果を下記の表28に併せて示した。
【0354】
【表28】
Figure 0004286399
【0355】
【実施例c17】
上記半導体封止用樹脂組成物α3を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に接続用電極部を介して半導体素子が搭載されたものを準備した。そして、予め100℃に加温された配線回路基板および半導体素子との空隙に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α3をディスペンサーを用いて充填した。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0356】
【実施例c18】
上記半導体封止用樹脂組成物α3を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に接続用電極部を介して半導体素子が搭載されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された配線回路基板および半導体素子との空隙に、5Torrの真空下で70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α3をディスペンサーを用いて充填した。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0357】
【実施例c19】
上記半導体封止用樹脂組成物α3を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に接続用電極部を介して半導体素子が搭載されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された配線回路基板および半導体素子との空隙に、5Torrの真空下で70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α3をディスペンサーを用いて充填した。その後、さらに大気圧に戻し、上記70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α3を充填(差圧充填)した後、150℃×3時間で加熱硬化させて配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0358】
【実施例c20】
上記半導体封止用樹脂組成物α3を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め100℃に加温された配線回路基板上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α3をディスペンサーを用いてポッティングした。その後、フリップチップボンダーを用い、上記配線回路基板上に半導体素子を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0359】
【実施例c21】
上記半導体封止用樹脂組成物α3を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め100℃に加温された半導体素子上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α3をディスペンサーを用いてポッティングした。その後、フリップチップボンダーを用い、上記半導体素子上に70℃に加温された配線回路基板を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0360】
【実施例c22】
上記半導体封止用樹脂組成物α3を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された配線回路基板上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α3を、5Torrの真空下でディスペンサーを用いてポッティングした。その後、フリップチップボンダーを用い、上記配線回路基板上に半導体素子を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0361】
【実施例c23】
上記半導体封止用樹脂組成物α3を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された半導体素子上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α3を、5Torrの真空下でディスペンサーを用いてポッティングした。その後、フリップチップボンダーを用い、上記半導体素子上に70℃に加温された配線回路基板を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0362】
【実施例c24】
上記半導体封止用樹脂組成物α3を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された半導体素子上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α3をマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。その後、フリップチップボンダーを用い、上記半導体素子上に70℃に加温された配線回路基板を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0363】
【実施例c25】
上記半導体封止用樹脂組成物α3を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された配線回路基板上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α3をマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。その後、フリップチップボンダーを用い、上記配線回路基板上に半導体素子を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0364】
【実施例c26】
上記半導体封止用樹脂組成物α3を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された半導体素子上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α3を、5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。その後、フリップチップボンダーを用い、上記半導体素子上に70℃に加温された配線回路基板を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0365】
【実施例c27】
上記半導体封止用樹脂組成物α3を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された配線回路基板上に70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α3を、5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。その後、フリップチップボンダーを用い、上記配線回路基板上に半導体素子を搭載し、熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0366】
【実施例c28】
上記半導体封止用樹脂組成物α3を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め100℃に加温された半導体素子上に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α3をディスペンサーを用いてポッティングした。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することによりキャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0367】
【実施例c29】
上記半導体封止用樹脂組成物α3を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された半導体素子上に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α3を、5Torrの真空下でディスペンサーを用いてポッティングした。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することによりキャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0368】
【実施例c30】
上記半導体封止用樹脂組成物α3を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された半導体素子上に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α3をマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することによりキャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0369】
【実施例c31】
上記半導体封止用樹脂組成物α3を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された半導体素子上に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α3を、5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することによりキャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0370】
【実施例c32】
上記半導体封止用樹脂組成物α3を用い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備した。そして、予め70℃に加温された半導体素子上に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α3を、5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。つぎに、雰囲気圧を150Torrに設定し、上記半導体封止用樹脂組成物α3中のボイド抜きを行い、その150Torrの状態を維持したまま70℃に加温された上記半導体封止用樹脂組成物α3を用いて仕上げ印刷を行った。その後、150℃×3時間で加熱硬化させて半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することによりキャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0371】
【実施例c33】
実装用基板(マザーボード)上に、上記実施例20で作製した半導体装置を載置し、電気的に接続して100℃に加温したものを準備した。その後、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物α3を、実装用基板と半導体装置との間の空隙にディスペンサーを用いて充填した。そして、150℃×3時間で硬化することにより半導体装置と実装用基板との空隙に封止樹脂層を形成して半導体製品を製造した。
【0372】
上記のようにして得られた各半導体装置および半導体製品の封止樹脂層について、気泡の有無を目視により確認した。その結果を下記の表29〜表31に示す。
【0373】
【表29】
Figure 0004286399
【0374】
【表30】
Figure 0004286399
【0375】
【表31】
Figure 0004286399
【0376】
上記表29〜表31の結果から、実施例c27、c29を除き殆どの半導体装置および半導体製品の封止樹脂層には気泡が無い、あるいは少量の気泡が確認される程度であった。
【0377】
(4)つぎに、本発明の半導体封止用樹脂組成物を半導体ウェハおよびマトリックス状の配線回路基板に用いた半導体装置の製法に関する実施例について述べる。
【0378】
【実施例d1】
前記実施例a1で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにして半導体装置(ウェハレベルCSP)を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された半導体ウェハの上記突起状電極部配設面に、上記半導体封止用樹脂組成物をディスペンサーを用いて、厚み150μmとなるよう塗布することにより樹脂層を形成した。塗布後、5Torrの真空下で脱泡し、150℃×3時間で加熱硬化することにより封止樹脂層を形成した。その後、上記突起状電極部の先端部が上記樹脂層より露出するよう樹脂部を研磨し、ダイサーにて切断して個片化して半導体装置(ウェハレベルCSP)を作製した。
【0379】
【実施例d2】
前記実施例a1で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにして半導体装置(ウェハレベルCSP)を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された半導体ウェハの上記突起状電極部配設面に、上記半導体封止用樹脂組成物を5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて厚み150μmとなるよう印刷封止した。印刷封止した後、150℃×3時間で加熱硬化することにより封止樹脂層を形成した。その後、上記突起状電極部の先端部が上記樹脂層より露出するよう樹脂部を研磨し、ダイサーにて切断して個片化して半導体装置(ウェハレベルCSP)を作製した。
【0380】
【実施例d3】
前記実施例a1で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにして半導体装置(ウェハレベルCSP)を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された半導体ウェハの上記突起状電極部配設面に、上記半導体封止用樹脂組成物を5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて厚み150μmとなるよう印刷封止した。印刷封止した後、150Torrに戻して泡抜きを行い、さらに150Torrの真空下で仕上げ印刷を行った。仕上げ印刷した後、150℃×3時間で加熱硬化することにより封止樹脂層を形成した。その後、上記突起状電極部の先端部が上記樹脂層より露出するよう樹脂部を研磨し、ダイサーにて切断して個片化して半導体装置(ウェハレベルCSP)を作製した。
【0381】
【実施例d4】
個々の配線回路が形成されたマトリックス状の配線回路基板上に、ボンディングワイヤーを介して複数の半導体素子を搭載した。そして、前記実施例a1で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにして半導体装置(MAP−BGA法)を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、マトリックス状の配線回路基板上に搭載された半導体素子全面に、ディスペンサーを用いて上記半導体封止用樹脂組成物を塗布し、半導体素子を内蔵するよう樹脂層を形成した。樹脂層を形成した後、5Torrの真空下で脱泡し、その後150℃×3時間で加熱硬化することにより封止樹脂層を形成した。その後、ダイサーにて切断して個片化して半導体装置(MAP−BGA法)を作製した。
【0382】
【実施例d5】
個々の配線回路が形成されたマトリックス状の配線回路基板上に、直接、複数の半導体素子を搭載した。そして、前記実施例a1で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにして半導体装置(MAP−BGA法)を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、マトリックス状の配線回路基板上に搭載された半導体素子全面に、上記半導体封止用樹脂組成物を5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて印刷封止した。その後150℃×3時間で加熱硬化することにより封止樹脂層を形成した。その後、ダイサーにて切断して個片化して半導体装置(MAP−BGA法)を作製した。
【0383】
【実施例d6】
個々の配線回路が形成されたマトリックス状の配線回路基板上に、直接、複数の半導体素子を搭載した。そして、前記実施例a1で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにして半導体装置(MAP−BGA法)を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、マトリックス状の配線回路基板上に搭載された半導体素子全面に、上記半導体封止用樹脂組成物を5Torrの真空下でマスクの開口部を通じて印刷封止した。印刷封止した後、150Torrに戻して泡抜きを行い、さらに150Torrの真空下で仕上げ印刷を行った。仕上げ印刷した後、150℃×3時間で加熱硬化することにより封止樹脂層を形成した。その後、ダイサーにて切断して個片化して半導体装置(MAP−BGA法)を作製した。
【0384】
【実施例d7】
前記実施例a1で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにしてフリップチップ実装による半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された半導体ウェハの上記突起状電極部配設面に、上記半導体封止用樹脂組成物をディスペンサーを用いて、厚み50μmとなるよう塗布することにより樹脂層を形成した。その後、ダイサーにて切断して個片化した。つぎに、予め70℃に加温された配線回路基板と、上記個片化した半導体素子の樹脂層形成面とを対峙させフリップチップボンダーを用いて熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)することにより半導体素子と配線回路基板とを上記突起状電極部を介して電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0385】
【実施例d8】
前記実施例a1で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにしてフリップチップ実装による半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された半導体ウェハの上記突起状電極部配設面に、上記半導体封止用樹脂組成物を、マスクの開口部を通じて厚み50μmとなるよう印刷封止した。その後、ダイサーにて切断して個片化した。つぎに、予め70℃に加温された配線回路基板と、上記個片化した半導体素子の樹脂層形成面とを対峙させフリップチップボンダーを用いて熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)することにより半導体素子と配線回路基板とを上記突起状電極部を介して電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0386】
【実施例d9】
前記実施例a1で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにしてフリップチップ実装による半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された半導体ウェハの上記突起状電極部配設面に、上記半導体封止用樹脂組成物を、マスクの開口部を通じて厚み50μmとなるよう印刷封止した。印刷封止した後、5Torrの真空下で泡抜きを行った。その後、ダイサーにて切断して個片化した。つぎに、予め70℃に加温された配線回路基板と、上記個片化した半導体素子の樹脂層形成面とを対峙させフリップチップボンダーを用いて熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)することにより半導体素子と配線回路基板とを上記突起状電極部を介して電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0387】
【実施例d10】
前記実施例a1で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにしてフリップチップ実装による半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された半導体ウェハの上記突起状電極部配設面に、上記半導体封止用樹脂組成物を、マスクの開口部を通じて、5Torrの真空下で厚み50μmとなるよう印刷封止した。印刷封止した後、150Torrの真空下に戻し泡抜きを行った。さらに、150Torrの条件で仕上げ印刷を行った。その後、ダイサーにて切断して個片化した。つぎに、予め70℃に加温された配線回路基板と、上記個片化した半導体素子の樹脂層形成面とを対峙させフリップチップボンダーを用いて熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)することにより半導体素子と配線回路基板とを上記突起状電極部を介して電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0388】
【実施例d11】
前記実施例a1で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにしてフリップチップ実装による半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、個々の配線回路が形成されたマトリックス状の配線回路基板全面に、上記半導体封止用樹脂組成物をディスペンサーを用いて5Torrの真空下で塗布することにより樹脂層を形成した。その後、ダイサーにて切断して個片化した。つぎに、予め70℃に加温された、複数の接続用電極部が各々に配設された半導体素子の接続用電極部配設面と、上記個片化した配線回路基板の樹脂層形成面とを対峙させフリップチップボンダーを用いて熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)することにより半導体素子と配線回路基板とを上記突起状電極部を介して電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0389】
【実施例d12】
前記実施例a1で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにしてフリップチップ実装による半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、個々の配線回路が形成されたマトリックス状の配線回路基板全面に、上記半導体封止用樹脂組成物をマスクの開口部を通じて印刷することにより樹脂層を形成した。その後、ダイサーにて切断して個片化した。つぎに、予め70℃に加温された、複数の接続用電極部が各々に配設された半導体素子の接続用電極部配設面と、上記個片化した配線回路基板の樹脂層形成面とを対峙させフリップチップボンダーを用いて熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)することにより半導体素子と配線回路基板とを上記突起状電極部を介して電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0390】
【実施例d13】
前記実施例a1で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにしてフリップチップ実装による半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、個々の配線回路が形成されたマトリックス状の配線回路基板全面に、上記半導体封止用樹脂組成物をマスクの開口部を通じて印刷して樹脂層を形成した後、5Torrの真空下で泡抜きを行った。その後、ダイサーにて切断して個片化した。つぎに、予め70℃に加温された、複数の接続用電極部が各々に配設された半導体素子の接続用電極部配設面と、上記個片化した配線回路基板の樹脂層形成面とを対峙させフリップチップボンダーを用いて熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)することにより半導体素子と配線回路基板とを上記突起状電極部を介して電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0391】
【実施例d14】
前記実施例a1で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにしてフリップチップ実装による半導体装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、個々の配線回路が形成されたマトリックス状の配線回路基板全面に、上記半導体封止用樹脂組成物をマスクの開口部を通じて5Torrの真空下で印刷して樹脂層を形成した後、150Torrの真空下に戻し泡抜きを行った。さらに、150Torrの条件で仕上げ印刷を行った。その後、ダイサーにて切断して個片化した。つぎに、予め70℃に加温された、複数の接続用電極部が各々に配設された半導体素子の接続用電極部配設面と、上記個片化した配線回路基板の樹脂層形成面とを対峙させフリップチップボンダーを用いて熱圧着接続(条件:150℃×2kg×20分+220℃×0.5kg×2分)することにより半導体素子と配線回路基板とを上記突起状電極部を介して電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0392】
上記のようにして得られた各半導体装置の封止樹脂層について、気泡の有無を目視により確認した。その結果を下記の表32〜表33に示す。
【0393】
【表32】
Figure 0004286399
【0394】
【表33】
Figure 0004286399
【0395】
上記表32〜表33の結果、得られた半導体装置の封止樹脂層には気泡が無いか、もしくは少量の気泡が確認される程度であった。
【0396】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、特定のエポキシ樹脂(A成分)と、特定のフェノール樹脂(B成分)と、潜在性硬化促進剤(C成分)と、無機質充填剤(D成分)とを含有する半導体封止用樹脂組成物であって、25℃および80℃の各温度における、半導体封止用樹脂組成物の粘度が特定の範囲に設定されている。このため、従来の液状封止剤に比べ可使時間が長くなり、貯蔵安定性に優れている。しかも、室温で固形または半固形であっても、40〜80℃程度の低い温度で急激に粘度が低下して液状化できるため、吐出および塗布作業性に優れている。なかでも、本発明の半導体封止用樹脂組成物は、常温では固形または半固形であるため、半導体素子または配線回路基板において封止後硬化しない状態であっても、常温で自由に取り扱いができることから、この半導体封止用樹脂組成物を半導体ウェハやマトリックス状の配線回路基板等に塗布した後、個々の素子および配線回路基板に切断してフリップチップボンダー等で配線回路基板と半導体素子とを熱圧着等による接続が可能となる。また、本発明の半導体封止用樹脂組成物は、室温下において、固形または半固形の状態で貯蔵できるため、無機質充填剤(D成分)が沈降してしまうことがない。したがって、固形または半固形の状態で貯蔵し、その後、必要に応じて低い温度下で液状化して用いることができるため、良好な封止を行うことができ、結果、信頼性、特に耐湿信頼性の高い半導体装置が得られる。
【0397】
そして、上記潜在性硬化促進剤(C成分)として、特定のシェル部で硬化促進剤からなるコア部が被覆されたコア/シェル構造を有するマイクロカプセル型硬化促進剤を用いた場合には、それを含有してなる半導体封止用樹脂組成物は、可使時間が非常に長くなり、貯蔵安定性に特に優れるという利点がある。
【0398】
さらに、上記無機質充填剤(D成分)として球状溶融シリカを用い、これが半導体封止用樹脂組成物全体中に特定の割合で含有されている場合には、それを含有してなる半導体封止用樹脂組成物は、流動性に優れるようになり、吐出および塗布作業性に特に優れるという利点がある。

Claims (21)

  1. 下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用樹脂組成物であって、上記半導体封止用樹脂組成物の粘度が25℃で7000poise以上で、かつ80℃で5000poise以下に設定されていることを特徴とする半導体封止用樹脂組成物。
    (A)ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、および、脂環式エポキシ樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一つの液状エポキシ樹脂。
    (B)下記の一般式(2)で表される三官能固形フェノール樹脂、下記の一般式(3)で表される三官能固形フェノール樹脂、下記の一般式(4)で表される四官能固形フェノール樹脂、下記の一般式(5)で表される四官能固形フェノール樹脂、および、下記の一般式(6)で表される五官能固形フェノール樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一つの固形フェノール樹脂。
    Figure 0004286399
    Figure 0004286399
    Figure 0004286399
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    (C)潜在性硬化促進剤。
    (D)無機質充填剤。
  2. 下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用樹脂組成物であって、上記半導体封止用樹脂組成物の粘度が25℃で7000poise以上で、かつ80℃で5000poise以下に設定されていることを特徴とする半導体封止用樹脂組成物。
    (A)下記の構造式(7)で表される四官能ナフタレン型エポキシ樹脂、下記の化学式(8)で表されるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂、下記の構造式(ab3)で表される固形エポキシ樹脂、下記の構造式(ab4)で表される固形エポキシ樹脂、および、下記の構造式(ab6)で表される固形エポキシ樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一つの固形エポキシ樹脂。
    Figure 0004286399
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    Figure 0004286399
    Figure 0004286399
    Figure 0004286399
    (B)アリル化フェノールノボラックおよびジアリル化ビスフェノールAの少なくとも一方。
    (C)潜在性硬化促進剤。
    (D)無機質充填剤。
  3. 下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用樹脂組成物であって、上記半導体封止用樹脂組成物の粘度が25℃で7000poise以上で、かつ80℃で5000poise以下に設定されていることを特徴とする半導体封止用樹脂組成物。
    (A)下記の化学式(9)で表されるエポキシ樹脂、下記の化学式(10)で表されるエポキシ樹脂、下記の化学式(11)で表されるエポキシ樹脂、下記の一般式(12)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂、四官能ナフタレン型エポキシ樹脂、および、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一つの固形エポキシ樹脂。
    Figure 0004286399
    Figure 0004286399
    Figure 0004286399
    Figure 0004286399
    (B)下記の一般式(15)で表される三官能固形フェノール樹脂、下記の一般式(16)で表される三官能固形フェノール樹脂、下記の一般式(17)で表される四官能固形フェノール樹脂、下記の一般式(18)で表される四官能固形フェノール樹脂、下記の一般式(19)で表される五官能固形フェノール樹脂、および、下記の化学式(bc5)で表されるフェノール樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一つの固形フェノール樹脂。
    Figure 0004286399
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    (C)潜在性硬化促進剤。
    (D)無機質充填剤。
  4. 上記(C)成分である潜在性硬化促進剤が、メチルメタアクリレートを壁膜としたマイクロカプセル型硬化促進剤である請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体封止用樹脂組成物。
  5. 上記(C)成分である潜在性硬化促進剤が、硬化促進剤からなるコア部が、下記の一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分とするシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するマイクロカプセル型硬化促進剤である請求項1〜のいずれか一項に記載の半導体封止用樹脂組成物。
    Figure 0004286399
  6. 上記(D)成分である無機質充填剤が、球状溶融シリカ粉末であって、上記球状溶融シリカ粉末が、半導体封止用樹脂組成物全体中に15〜85重量%の割合で含有されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体封止用樹脂組成物。
  7. 配線回路基板上に、複数の接続用電極部を介して半導体素子が搭載され、上記配線回路基板と半導体素子との間の空隙が封止樹脂層によって封止されてなる半導体装置であって、上記封止樹脂層が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体封止用樹脂組成物によって形成されていることを特徴とする半導体装置。
  8. 配線回路基板上に、複数の接続用電極部を介して半導体素子が搭載され、上記配線回路基板と半導体素子との間の空隙が封止樹脂層によって封止されてなる半導体装置の製法であって、上記配線回路基板と半導体素子との間の空隙に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体封止用樹脂組成物を充填した後、硬化させることにより上記封止樹脂層を形成することを特徴とする半導体装置の製法。
  9. 配線回路基板面上に半導体素子が搭載され、配線回路基板と半導体素子とが電気的に接続され、上記半導体素子を内蔵するように半導体素子の周囲を封止樹脂層によって封止してなる半導体装置であって、上記封止樹脂層が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体封止用樹脂組成物によって形成されていることを特徴とする半導体装置。
  10. 配線回路基板面上に半導体素子が搭載され、配線回路基板と半導体素子とが電気的に接続され、上記半導体素子を内蔵するように半導体素子の周囲を封止樹脂層によって封止してなる半導体装置の製法であって、上記配線回路基板面上に半導体素子を搭載して配線回路基板と半導体素子を電気的に接続した後、上記半導体素子搭載面側の配線回路基板上に請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体封止用樹脂組成物を供給して硬化させることにより上記封止樹脂層を形成することを特徴とする半導体装置の製法。
  11. 実装用基板上に、複数の接続用電極部を介して樹脂封止層が形成された半導体装置が、それ自体の配線回路基板を対面させた状態で搭載され、上記実装用基板と半導体装置との間の空隙が封止樹脂層によって封止されてなる半導体製品であって、上記封止樹脂層が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体封止用樹脂組成物によって形成されていることを特徴とする半導体製品。
  12. 突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された半導体ウェハの、上記突起状電極部配設面に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体封止用樹脂組成物からなる所定の厚みの樹脂層を、上記突起状電極部の少なくとも先端部を上記樹脂層から露出するよう形成する工程と、上記樹脂層が形成された半導体ウェハを、個々の半導体素子に切断する工程とを備えたことを特徴とする半導体装置の製法。
  13. 上記樹脂層を形成する工程が、マスクの開口部を通して印刷により行われる請求項12記載の半導体装置の製法。
  14. 個々の配線回路が形成されたマトリックス状の配線回路基板上に搭載された複数の半導体素子全体上に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体封止用樹脂組成物を供給して半導体素子を内蔵するよう樹脂層を形成する工程と、上記半導体素子を内蔵するよう樹脂層が形成されたマトリックス状の配線回路基板を、樹脂層とともに個々の半導体素子毎に切断する工程とを備えたことを特徴とする半導体装置の製法。
  15. 上記樹脂層を形成する工程が、マスクの開口部を通して印刷により行われる請求項14記載の半導体装置の製法。
  16. 突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された半導体ウェハの、上記突起状電極部配設面に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体封止用樹脂組成物からなる所定の厚みの樹脂層を形成する工程と、上記樹脂層が形成された半導体ウェハを個々の半導体素子に切断する工程と、上記切断された半導体素子の樹脂層形成面と、配線回路基板とを対面させた状態で、配線回路基板と半導体素子とを加熱圧着することにより両者を電気的に接続させるとともに、上記樹脂層を溶融して硬化させることにより、上記半導体素子と配線回路基板との間に封止樹脂層を形成して樹脂封止する工程とを備えたことを特徴とする半導体装置の製法。
  17. 上記半導体封止用樹脂組成物からなる樹脂層を形成する工程が、マスクの開口部を通して印刷により行われる請求項16記載の半導体装置の製法。
  18. 上記半導体封止用樹脂組成物からなる樹脂層を形成する工程が、ディスペンサーを用いて行われる請求項16記載の半導体装置の製法。
  19. 個々の配線回路が形成されたマトリックス状の配線回路基板面に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体封止用樹脂組成物を塗布して樹脂層を形成する工程と、上記樹脂層が形成された配線回路基板を個々の配線回路基板に切断する工程と、複数の接続用電極部が各々に配設された半導体素子の接続用電極部配設面と、切断された配線回路基板とを対面させた状態で、半導体素子と配線回路基板とを加熱圧着することにより両者を電気的に接続させるとともに、上記樹脂層を溶融して硬化させることにより、上記半導体素子と配線回路基板との間に封止樹脂層を形成して樹脂封止する工程とを備えたことを特徴とする半導体装置の製法。
  20. 上記半導体封止用樹脂組成物を塗布して樹脂層を形成する工程が、マスクの開口部を通して印刷により行われる請求項19記載の半導体装置の製法。
  21. 上記半導体封止用樹脂組成物を塗布して樹脂層を形成する工程が、ディスペンサーを用いて行われる請求項19記載の半導体装置の製法。
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