JPH09184050A - フェライト系鉄基合金の製造方法、フェライト系耐熱鋼の製造方法およびフェライト系耐熱鋼 - Google Patents
フェライト系鉄基合金の製造方法、フェライト系耐熱鋼の製造方法およびフェライト系耐熱鋼Info
- Publication number
- JPH09184050A JPH09184050A JP35354495A JP35354495A JPH09184050A JP H09184050 A JPH09184050 A JP H09184050A JP 35354495 A JP35354495 A JP 35354495A JP 35354495 A JP35354495 A JP 35354495A JP H09184050 A JPH09184050 A JP H09184050A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- value
- average
- mass
- resistant steel
- iron
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
Abstract
的手法による、高強度のフェライト系耐熱鋼の製造。 【解決手段】 体心立方晶の鉄基合金における各種合金
元素について、d電子軌道エネルギーレベル(Md)お
よび鉄(Fe)との結合次数(Bo)をDV−Xaクラ
スター法によって求め、下記(1)式および(2)式で
それぞれ表される平均Bo値と平均Md値とが、合金に
求められる特性に応じた所定の値になるように添加すべ
き合金元素の種類および含有量を定める、フェライト系
鉄基合金の製造方法。平均Bo値=ΣXi・(Bo)i
……(1)。平均Md値=ΣXi・(Md)i……
(2)。ただし、Xiは合金のモル分率。(Bo)iお
よび(Md)iはそれぞれi元素のBo値およびMd
値。
Description
験と試行錯誤の繰り返しを必要とせず、理論的な手法で
製造した高強度のフェライト系耐熱鋼、に関する。この
フェライト系耐熱鋼は、高い高温強度をはじめとして従
来のフェライト系耐熱鋼を凌ぐ優れた特性を有し、ター
ビンロータや、タービンブレード、タービンディスク、
ボルト等のタービン材料用材料として好適なものであ
る。
タービン用材料はその代表的なものである。火力発電シ
ステムでは発電効率を一層高効率化するために、スチー
ムタービンの蒸気温度を益々上昇させる傾向にあり、そ
の結果タービン用材料に要求される高温特性も一層厳し
いものとなっている。従来から上記用途に使用できる材
料として数多くの耐熱鋼が提案されているが、その中で
も特開平2−290950号、特開平4−147948
号で提案されている開発耐熱鋼は、特に高温強度に優れ
ていることが知られている。上記開発耐熱鋼を含め、タ
ービン材料としてこれまでに開発されたフェライト系耐
熱鋼は、9〜12%のCrを含み、かつC、Si、M
n、Ni、Mo、W、V、Nb、Ti、B(ボロン)、
N(窒素)、Cuをそれぞれ0.004〜2.0%の範
囲で選択し、組み合わせて含有させたものがほとんどで
ある。なお、この明細書では、特に断らない限り合金元
素の含有量に関する%は質量%(mass%)を意味す
る。
示すものである(「耐熱鋼の組成、組織とクリープ特
性」日本金属学会、日本鉄鋼協会九州支部、第78回講
演討論会資料、平成4年9月25日‥‥文献1‥‥参
照)。これらの鋼種は各合金元素の添加量を少しずつ変
化させた膨大な実験によって開発されてきた。そのよう
な実験によって知られた各合金元素の作用効果は概ね下
記のようにまとめることができる。
あり、鋼材の使用温度の上昇とともにその添加量を増加
させる必要がある。 W,Mo:固溶強化と析出強化により、高温強度を増大
させる。しかし、添加量が増大すると延性脆性遷移温度
(DBTT)が上昇する。脆化を抑制するためには、M
o当量[Mo+(1/2)W]を1.5%以下にするこ
とが必要である。この方針に従って、従来の多くの合金
のMo当量は1.5%近傍にある。 V,Nb:炭、窒化物による析出強化が期待できる。1
050℃での焼なまし時の固溶限は、Vでは0.2%、
Nbでは0.03%である。これ以上添加量が増えると
固溶できない元素が焼なまし時に、炭、窒化物として析
出する。これまでの実験結果によれば、クリープ破断強
度から判断してVは0.2%、Nbは0.05%が最適
とされている。このNbの値は固溶限を越えているが、
固溶できなかったNbはNbCとなり、焼なまし時のオ
ーステナイト粒の粗大化を抑制するのに効果がある。 Cu:オーステナイト安定化元素であるためδフェライ
ト相および炭化物の析出を抑制する。またAc1点を低下
させる作用が小さく、焼入れ性改善の効果を持つ。この
外、溶接熱影響部の軟化層の生成を抑制する。しかし、
1%以上入れるとクリープ破断絞りが減少する。 C、N:鋼の組織および強度に影響する元素である。ク
リープ特性に関しては、V、Nb等の添加量により、ク
リープ破断強度に最適なC含有量、N含有量は変化す
る。 B:0.005%程度の添加により鋼の焼入れ性が向上
する。また組織が微細になり、強度と靱性の向上に効果
があるといわれている。 Si、P、S、Mn:鋼の脆性抑制のため、いわゆるス
ーパークリーン化が考えられており、これらの元素はで
きるだけ少ない方が良いとされている。
料として、一層の発電効率の向上を図るためには、前記
した開発耐熱鋼でも高温特性は十分ではなく、高温クリ
ープ強度等を含めた高温特性をさらに向上させることが
要望されている。また、従来の材料は経時的に靱性が低
下するため耐久性に劣るという問題もあり、より高温で
の使用を可能とするためには、耐久性の改善を含めた特
性の改善が望まれている。そこで本発明者達は、発電効
率の高効率化、耐久性の向上等を可能にするため、以下
の観点から新しい耐熱鋼を開発するものとした。 (1)高温クリープ強度の向上 (2)高靱性化 (3)靱性の経時劣化の防止
方法によって、各合金元素の効果はある程度明らかにさ
れてきている。しかし、新たな鋼種を開発するために
は、さらに膨大な実験が必要となる。例えば5種の合金
元素からなる鋼の各元素の含有量を、それぞれ3種類ず
つ変えて調べるとすれば、単純に計算して35(=24
3)もの鋼を溶製し、それぞれから各種の試験片を作製
して実験を繰り返すことが必要となる。表1に示すよう
に、最近の耐熱鋼は10種類に余る合金元素から成るも
のが多く、この種の新規な鋼を従来の手法で開発すると
すれば多大な労力、時間および費用を必要とする。
たものであり、分子軌道理論に基づく新しい金属材料の
設計方法(その方法の概要は、「日本金属学会会報」第
31巻、第7号(1992)599〜603頁(文献
2)および「アルトピア」1991.9,23〜31頁
(文献3)等に開示している)を用いて、従来のフェラ
イト系耐熱鋼よりはるかに優り、タービン材料として好
適なフェライト系耐熱鋼を提供することを目的としてい
る。特に、高温クリープ強度の向上、高靱性化、靱性の
経時劣化の防止、を図ることにより、高温特性、耐久性
等に優れた耐熱鋼を提供することを目的とする。その目
的を達成するために、以下の手段を講じるのが有効であ
ることを見いだした。 (1)高温クリープ強度の向上は、Nb,Ta,Bの含
有、さらにRe,Zr,Ti,Hfの含有、Ni,Mn
含有量の低減による。 (2)高靱性化は、希土類元素、Caの添加による。 (3)靱性の経時劣化の防止は、Si,Mn,P含有量
の低減による。 すなわち、これらの新しい知見と、分子軌道法による合
金設計法を併せ用いて、フェライト系耐熱鋼を発明する
に至った。
のフェライト系鉄基合金の製造方法は、体心立方晶の鉄
基合金中における各種合金元素について、d電子軌道エ
ネルギーレベル(Md)および鉄(Fe)との結合次数
(Bo)をDV−Xαクラスター法によって求め、下記
(1)式および(2)式でそれぞれ表される平均Bo値
と平均Md値とが、合金に求められる特性に応じた所定
の値になるように添加すべき合金元素の種類および含有
量を定めることを特徴とする。 平均Bo値=ΣXi・(Bo)i‥‥‥(1) 平均Md値=ΣXi・(Md)i‥‥‥(2) ただし、Xiは合金元素iのモル分率、(Bo)iおよび
(Md)iはそれぞれi元素のBo値およびMd値であ
る。
法は、第1の発明に記載の平均Bo値が1.805〜
1.817の範囲、同じく平均Md値が0.8520〜
0.8628の範囲となるように化学組成を決定するこ
とを特徴とする。第3の発明の高Crフェライト系耐熱
鋼は、クロム(Cr)の含有量が9.0〜13.5質量
%、炭素(C)の含有量が0.02〜0.14質量%、
コバルト(Co)の含有量が0.5〜4.3質量%、タ
ングステン(W)の含有量が0.5〜2.6質量%で、
前記平均Bo値および平均Md値が図3の点AとB、B
とC、CとD、DとAを結ぶ直線で囲まれる領域(線上
を含む)にあることを特徴とする。第4の発明の高Cr
フェライト系耐熱鋼は、第3の発明において、不可避不
純物であるSiが0.10質量%以下、Mnが0.15
質量%以下、Pが0.01質量%以下、Niが0.25
質量%以下であることを特徴とする。
は、質量%で、炭素(C):0.02〜0.14%、ク
ロム(Cr):9.0〜13.5%、モリブデン(M
o):0.02〜0.80%、バナジウム(V):0.
10〜0.30%、ニオブ(Nb):0.02〜0.2
5%、タングステン(W):0.5〜2.6%、コバル
ト(Co):0.5〜4.3%、硼素(B):0.00
2〜0.020%、窒素(N):0.005〜0.10
0%、レニウム(Re):0〜3.0%を含み、さらに
ジルコニウム(Zr):0.001〜0.600%、チ
タン(Ti):0.001〜0.200%、ハフニウム
(Hf):0.001〜0.600%の1種または2種
以上を含有し、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物
からなることを特徴とする。
は、質量%で、炭素(C):0.02〜0.14%、ク
ロム(Cr):9.0〜13.5%、モリブデン(M
o):0.02〜0.80%、バナジウム(V):0.
10〜0.30%、ニオブ(Nb):0.02〜0.2
5%、タングステン(W):0.5〜2.6%、コバル
ト(Co):0.5〜4.3%、硼素(B):0.00
2〜0.020%、窒素(N):0.005〜0.10
0%、レニウム(Re):0〜3.0%を含み、さらに
ジルコニウム(Zr):0.001〜0.600%、チ
タン(Ti):0.001〜0.200%、ハフニウム
(Hf):0.001〜0.600%の1種または2種
以上を含有し、かつ不可避不純物のうちSiが0.10
質量%以下、Mnが0.15質量%以下、Pが0.01
質量%以下、Niが0.25質量%以下で、残部が鉄
(Fe)および不可避的不純物からなることを特徴とす
る。
は、質量%で、炭素(C):0.02〜0.14%、ク
ロム(Cr):9.0〜13.5%、モリブデン(M
o):0.02〜0.80%、バナジウム(V):0.
10〜0.30%、ニオブ(Nb):0.02〜0.2
5%、タングステン(W):0.5〜2.6%、コバル
ト(Co):0.5〜4.3%、硼素(B):0.00
2〜0.020%、窒素(N):0.005〜0.10
0%、レニウム(Re):0〜3.0%を含み、さらに
ジルコニウム(Zr):0.001〜0.600%、チ
タン(Ti):0.001〜0.200%、ハフニウム
(Hf):0.001〜0.600%の1種または2種
以上を含有し、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物
からなることを特徴とする。
は、第5〜7の発明に記載の合金元素に加えて、さらに
質量%で、タンタル(Ta):0.001〜0.80%
を含有することを特徴とする。第9の発明の高Crフェ
ライト系耐熱鋼は、第5〜7の発明に記載の合金元素に
加えて、さらに質量%で、カルシウム(Ca):0.0
03〜0.030%および希土類元素(REM):0.
003〜0.030%の中の1種以上を含有することを
特徴とする。第10の発明の高Crフェライト系耐熱鋼
は、第5〜7の発明に記載の合金元素に加えて、さらに
質量%で、タンタル(Ta):0.001〜0.800
%、ならびにカルシウム(Ca):0.003〜0.0
30%および希土類元素(REM):0.003〜0.
030%の中の1種以上を含有することを特徴とする。
金元素の選択について本発明では請求項1で述べたよう
に、分子軌道計算法の一つであるDV−Xαクラスター
法(三共出版「量子材料化学入門」、文献4および特公
平5−40806号公報、参照)を用いて計算した2つ
の合金パラメータであるMdとBoを用いる。表2に計
算によって得られた2つの合金パラメータの値を示す。
その1つは、Fe−M原子間の電子雲の重なり度合を表
す結合次数(Bond Order:Boと略記する)である。こ
のBoが大きいほど原子間の結合は強い。もう一つは、
合金元素Mのd軌道エネルギーレベル(Mdと略記す
る)である。このMdは、電気陰性度や原子半径と相関
のあるパラメータである。Mdの単位はエレクトロン・
ボルト(eV)であるが、簡単のため以下の説明では単
位を省略する。表2に示した非遷移金属元素の炭素
(C)、窒素(N)、および珪素(Si)のMdの値
は、状態図や実験データを基にして決定した。d電子を
持たないこれらの元素を遷移金属と同じ枠組みの中で議
論するために、このような取り扱いを行った。合金にお
いては次式のように各元素の組成平均をとり、平均のB
oおよびMdを定義する。 平均Bo値=ΣXi・(Bo)i‥‥‥(1) 平均Md値=ΣXi・(Md)i‥‥‥(2) ここでXiは合金元素iのモル分率、(Bo)iおよび
(Md)iは、それぞれi元素のBo値およびMd値であ
り、フェライト鋼では表2の値を使う。なお、表2中に
記載されていない元素のMdおよびBoはともに0とす
る。フェライト系耐熱鋼の合金元素としては、Boは高
く、Mdは低い方が良い。Boが高ければ原子間の結合
力が強くなるので、材料強化に有効である。一方、Md
は、後述するように合金の相安定性と関係しており、合
金の平均Mdが高くなると第2相(δフェライト相な
ど)が析出してくる(例えば、鉄と鋼、第78巻(19
92)P.1377‥‥文献5‥‥参照)。
評価 フェライト系耐熱鋼ではクリープ特性および靱性向上の
ため、δフェライト相の生成を抑える必要がある。本発
明方法ではかなりの精度でδフェライト相の生成が予測
できる。図1は、1050℃で焼ならしをしたNi含有
量の異なる材料中に残留するδフェライト量を平均Md
パラメータによって整理した結果である。δフェライト
相はNiが無添加の場合、平均Mdが0.852を越え
たあたりから生成し始め、平均Mdが高くなるにしたが
って、その量は比例的に増加する。またオーステナイト
形成元素であるNiの添加によって、生成境界の平均M
d値は若干高くなる傾向がある。δフェライト量を合金
組成から予測し、その生成を抑えることができるため、
この平均Mdによる予測は、フェライト系耐熱鋼の合金
設計にきわめて有用である。また、Laves相(Fe
2W,Fe2Moなど)の生成もNiを含まない時は予測
できる。Laves相はNi添加により生成しやすくな
る。このほか、δフェライト相が生成しない範囲で、平
均Bo値を増加させると、高温クリープ強度は向上す
る。その例を図2に示す。図はこれまで知られている主
なフェライト系耐熱鋼の許容応力と平均Bo値との関係
を示したものである。図中黒丸の鋼はδフェライトが生
成しない鋼であり、白四角で示した鋼はδフェライトを
生成する鋼である。
上での最適範囲 図3に示した平行四辺形で囲まれる範囲が耐熱鋼の「平
均Bo−平均Mdマップ」上での最適範囲である。ここ
で、直線BCは平均Bo値が1.805の直線であり、
これより平均Bo値を下げるとクリープ特性が劣化す
る。直線ADは平均Bo値が1.817の直線であり、
相安定性を保ったままで、これより平均Bo値を上げる
ことは実際上不可能である。ABおよびCDの直線の方
向は、表2に示したようにBo値が増加するとMd値が
増加する。したがって、平均Bo値を上げようとすれ
ば、平均Md値がこの方向に沿って上がる。図3のD点
は、平均Md値が約0.8628の点であり、これは材
料の実際の製造時にδフェライトを生成させないための
安全上限値である。B点(平均Bo値が1.805、平
均Md値が0.8520)の値よりも更に平均Bo値と
平均Md値を下げるのは、合金の高温特性上、好ましく
ない。合金元素の種類およびそれらの含有量は、平均B
oと平均Mdとが、前記図3の最適範囲(平行四辺形で
囲まれる範囲)に入るように選定すればよい。本発明の
フェライト系耐熱鋼(前記、請求項3の耐熱鋼)の平均
Md値と平均Bo値の範囲を太字の平行四辺形で示し
た。また、後述する本発明鋼の実施例の合金位置も各番
号で同図中に示した。図4には、比較鋼と上述の最適平
行四辺形領域との関係を示しておいた。なお、図3、4
中でAB,DCの式および各座標点(平均Md,平均B
o)は以下の式および値で示される。 ABの式 (平均Bo)=2.7907×(平均Md)
−0.5727 DCの式 (平均Bo)=2.7907×(平均Md)
−0.5908 座標点(平均Md,平均Bo) A(0.8563,1.817) B(0.8520,1.805) C(0.8585,1.805) D(0.8628,1.817)
方法では、次のような指針に沿ってフェライト系耐熱鋼
の成分設計を行う。 1)高温クリープ特性に有害なδフェライト相の析出を
抑え、靱性ならびにクリープ特性を改善する。 2)Ac1 変態点をできるだけ高温にしてクリープ特性
を改善する。Niはクリープ特性を劣化させるので、そ
の使用を避け、不純物として混入する量も0.25%以
下に抑える。MnもNi同様にクリープ特性を劣化させ
るので、その含有量を低減する。 3)上記1)および2)の観点から平均Md値の適正範
囲を選ぶ。図1に示したように、δフェライトの生成を
抑えるには、Niが0.25%以下の場合、平均Md値
を0.8535以下とすることが必要であるが、後述す
るように、Coを4%程度まで高めに含有させることに
より、平均Md値は0.8628まで高めることができ
る。 4)δフェライト相が生成しない範囲、即ち、平均Md
値が0.8628以下である範囲で、できるだけ結合次
数が高くなるように化学組成を選択する。 5)上記の1)〜4)から、平均Bo値が1.805〜
1.817の範囲、平均Md値が0.8520〜0.8
628の範囲にそれぞれ収まるように、化学組成を選定
することを基本的な成分設計指針とする。 6)オーステナイト安定化元素であるCoを必須成分と
し、さらに高温強度と相安定性の向上が必要な場合には
Reの添加を行う。 7)高温クリープ強度の向上のために必須元素であるN
b、Bを添加し、必要に応じてTa、Zr、Ti、ある
いはHfを添加する。 8)高靱性化のため、希土類元素、Caを添加する。 9)靱性の経時劣化の防止のために、Si、Mn、P含
有量を低減する。 10)Cr、W、Mo、V、Nb、ReおよびCoの含
有量については、平均Bo値と平均Md値を基に最適化
を図る。 上記の指針に沿って製造された鋼の例が、表3と4に示
す本発明鋼である。また、これらの鋼の平均Md値、平
均Bo値もそれぞれの表中に示した。さらに、本発明鋼
と比較するための比較鋼の組成を表5に示した。また、
比較鋼の平均Md値、平均Bo値も表5に示した。
く、かつ優れた延靱性をもつとともに、靱性の経年劣化
が少なく、耐久性に優れている。以下に、各成分元素の
限定理由について具体的に説明する。 C:0.02〜0.14% Cは、マルテンサイト変態を促進させるとともに、合金
中のFe、Cr、Mo、V、Nb、Taなどと結合して
炭化物を形成して高温強度を高めるために不可欠の元素
であり、このような観点から最低0.02%を必要とす
る。また、0.14%を越えて含有させると、炭化物の
粗大化が起こりやすくなり高温クリープ強度が劣化する
ので、その含有量を0.02〜0.14%に限定した。
なお、同様の理由により好ましくは、下限を0.05
%、上限を0.13%とする。
中に固溶して高温クリープ強度を高めるために不可欠の
元素であり、最低9.0%必要である。一方、13.5
%を越えると有害なδフェライトを生成し、高温強度お
よび靱性を低下させるので、含有量を9.0〜13.5
%に限定した。なお、同様の理由で下限を10.5%、
上限を12.5%とするのが望ましい。 Mo:0.02〜0.80% Moは合金中に固溶して低温および高温における強度を
高めるとともに、微細炭化物を形成し、高温クリープ強
度を向上させる。また、焼戻し脆化の抑制にも寄与する
元素である。このため、最低0.02%の添加が必要で
ある。一方、0.80%を越えるとδフェライトを生成
して、クリープ強度が低下するので、上限を0.80%
に限定する。なお、同様の理由で上限を0.60%とす
るのが望ましい。また、上記作用を十分に得るためには
0.05%以上含有させるのが望ましい。
強さを向上させるのに有効であり、最低0.10%を必
要とする。一方、0.30%を越えると炭素を過度に固
定し、炭化物の析出量が増して高温強度を低下させるの
で0.10〜0.30%に限定する。なお、同様の理由
で下限を0.15%、上限を0.25%とするのが望ま
しい。 Nb:0.02〜0.25% Nbは、微細炭化物、炭窒化物を形成し、高温クリープ
強度を向上させるとともに、結晶粒の微細化を促進し、
低温靱性を向上させる。このため、最低0.02%必要
である。一方、0.25%を超えて含有させると、粗大
な炭化物および炭窒化物が析出し靱性を低下させるの
で、上限を0.25%に限定する。なお、同様の理由で
上限を0.15%とするのが望ましい。また、上記作用
を十分に得るためには0.03%以上含有させるのが望
ましい。これら個々の合金元素の組成範囲の中で、平均
Bo、平均Md値を使って組成の最適化を図り、実施例
の鋼種を決定した。
溶してマトリックスを固溶強化するので高温強度の向上
に有効であり、最低0.5%必要である。一方、2.6
%を越えるとδフェライトやラーベス相を生成しやすく
なり、高温強度を低下させるので0.5〜2.6%に限
定する。なお、同様の理由で下限を1.5%、上限を
2.5%に限定するのが望ましい。 Co:0.5〜4.3% Coは、δフェライトの生成を抑制し、高温強度を向上
させる。δフェライトの生成を防止するためには0.5
%以上の含有が必要であるが、4.3%を越えて含有す
ると延性が低下し、またコストが上昇するので、含有量
を0.5〜4.3%に限定する。なお、同様の理由で、
下限を2.0%、上限を4.0%とするのが望ましい。
るとともに粒界及び粒内の炭化物の析出凝集を抑え、高
温クリープ強度の向上に寄与する元素であり、本発明で
重要な元素の一つである。これらの効果を十分に得るた
めには0.002%以上の含有が必要である。一方、
0.020%を超えると高温クリープ延性が著しく低下
するため、その含有量を0.002〜0.020%に限
定した。なお、同様の理由で下限を0.050%、上限
を0.015%とするのが望ましい。 N:0.005〜0.100% NはNb、V、Zrなどと結合して窒化物を形成し、高
温クリープ強度を向上させる作用があり、これら作用を
得るためには0.005%以上の含有が必要である。一
方、含有量が0.100%を超えると、熱間加工性が悪
くなるため、上限を0.100%とした。なお、同様の
理由で下限を0.010%、上限を0.070%とする
のが望ましい。
リープ強度を向上させる効果を有するので所望により含
有させる。一方、過剰に含有すると加工性を低下させる
ためその上限を3%とした。なお、この効果を十分に発
揮するためには0.1%以上の含有が望ましく、同様の
理由で下限を0.2%、上限を1.0%とするのがさら
に望ましい。Reは高価な金属であるため、高温クリー
プ強度をそれほど高める必要がない場合には、含有させ
なくてもよい。
ックス組織に微細分散させてクリープ強度を向上させ
る。上記作用を得るために、それぞれの元素で下限以上
の含有が必要であるが、過量に含有させると、窒化物が
粗大化してクリープ強度が低下するため、それぞれ上限
を定めた。なお、同様の理由で、それぞれの下限を、Z
rで0.005%、Tiで0.005%、Hfで0.0
05%とし、上限を、Zrで0.050%、Tiで0.
080%、Hfで0.050%とするのが望ましい。
クリープ強度を向上させるとともに、結晶粒の微細化を
促進し、低温靱性を向上させる元素である。これはNb
より高融点金属であり、Nb添加量の少ないときには、
添加すればよい。しかし、0.80%以上含有させる
と、粗大炭化物および炭窒化物が析出し、靱性を低下さ
せるので、上限を0.80%に限定する。同様の理由
で、上限を0.40%とするのが望ましい。REM(希
土類元素)及びCaは、脱酸ならびに脱硫作用を有し、
金属溶湯に希土類元素、Caを単味又は複合添加するこ
とにより、内在する非金属介在物の形状、分布のコント
ロールを図ることができ、この結果、衝撃吸収エネルギ
ーが向上し、靱性が改善されるので所望により含有させ
る。しかし、0.003%未満の含有では上記作用効果
が認められない。また、0.03%を越えて含有させる
と酸化物が過剰に生成されて、かえって清浄度が低下
し、その結果衝撃靱性が低下する。このため、希土類元
素及びCaの含有量を上記範囲に限定した。なお、同様
の理由でそれぞれ、下限を0.005%、上限を0.0
15%とするのが望ましい。なお、希土類元素としては
Ce、Ndの他、Y、Sc等を例示することができ、添
加においては1種または複数種の希土類元素を含有させ
ることができる。
高いと、鋼塊内部の偏析が増加し、また焼戻し脆化感受
性が極めて大となり切欠靱性が損なわれ、さらに高温長
時間保持により、析出物形態の変化を助長することによ
り靱性が経時劣化するので、極力低減することが望まし
く、工業性などを考慮して0.1%以下に制限した。な
お、同様の理由で好ましくは0.08%以下に限定す
る。さらに、0.05%以下とするのが一層好ましい。
ているが、MnはSと結合して、非金属介在物を形成し
て、靱性を低下させるとともに、靱性の経時劣化を助長
させ、また、高温クリープ強度を低下させるので、含有
量を低減させるのが望ましい。現在、炉外精錬などの精
錬技術によりS量の低減が容易となり、Mnを脱硫剤と
して添加する必要がなくなってきている。本発明では、
Mnを不可避的不純物とし制限するものとし、その許容
含有量を精錬技術の限界を考慮して0.15%以下に制
限した。なお、同様の理由で0.10%以下に制限する
のが望ましく、さらに0.05%未満に限定するのが一
層望ましい。
の経時劣化を助長させるので、経年劣化を減少させ、信
頼性を向上させるためには、極力低減することが望まし
い。ただし、その許容含有量は精錬技術の限界を考慮し
て0.01%以下とした。なお、同様の理由で0.00
8%以下に制限するのが望ましく、さらに0.005%
以下に限定するのが一層望ましい。
が0.25%を越えるとクリープ破断強度を低下させる
ので上限を0.25%に制限した。なお同様の理由で
0.20%以下に限定するのが望ましく、さらに0.1
5%以下に限定するのが一層望ましい。
て10kg鋼塊としてそれぞれ溶製し、1150℃で鍛
造後、ロータ軸形状に鍛造した。これらの鍛造材から、
試験片素材を切り出し、実際のロータ軸材の軸芯相当の
熱履歴をシミュレーションして、1050℃からの油焼
入れ、570℃での1回目の焼戻し、700℃での2回
目の焼戻しを施し供試材とした。上記焼戻し後の供試材
を高温クリープ試験及び衝撃試験に供した。また、前記
焼戻し後の供試材に、600℃及び400℃で、300
0時間の時効処理を施して衝撃試験に供した。なお、ク
リープ試験結果は、665℃、220Mpaの負荷にお
ける破断時間で示した。また、衝撃試験結果では、時効
処理後のFATT(破面遷移温度)と焼戻しままのFA
TTとの差をΔFATTとして示した。これら試験結果
は表9、10に示した。
は、クリープ強度、靱性、耐経時劣化特性が優れてお
り、いずれも比較材よりも優れた材料特性を有している
ことが確認された。なお、本発明材のうち不純物を厳し
く規制したNo.1〜37は、比較鋼はもとよりNo.
38〜45に比べ、靱性の耐経時劣化特性が優れてい
た。 (表の説明) 表1 従来の代表的なタービン用9〜12Cr鋼の化
学組成を示す表である。 表2 元素のMd値とBo値を示す表である。 表3〜8 本発明鋼と比較鋼の化学組成、平均Md値と平均Bo値
を示す表である。 表9、10 本発明鋼と比較鋼のクリープ試験、衝撃試験の結果を示
す表である。
おける各種合金元素について、DV−Xαクラスター法
によって計算されたd電子軌道エネルギーレベル(M
d)、および鉄(Fe)との結合次数(Bo)を用い
て、合金の平均Bo値と平均Md値を下記(1)式およ
び(2)式でそれぞれ表すとき、平均Bo値が1.80
5〜1.817の範囲、同じく平均Md値が0.852
0〜0.8628の範囲となるように高強度フェライト
系耐熱鋼の化学組成を決定する。 平均Bo値=ΣXi・(Bo)i‥‥‥(1) 平均Md値=ΣXi・(Md)i‥‥‥(2) ただし、Xiは合金元素iのモル分率、(Bo)iおよび
(Md)iはそれぞれi元素のBo値およびMd値であ
る。
9.0〜13.5質量%、炭素(C)の含有量が0.0
2〜0.14質量%、コバルト(Co)の含有量が0.
5〜4.3質量%、タングステン(W)の含有量が0.
5〜2.6質量%であり、不純物としてのNiが0.4
0質量%以下で、前記平均Bo値および平均Md値が図
6の点AとB、BとC、CとD、DとAを結ぶ直線で囲
まれる領域(線上を含む)にあるフェライト系耐熱鋼で
あり、より具体的には、重量%で、C:0.02〜0.
14%、Cr:9.0〜13.5%、Mo:0.02〜
0.80%、V:0.10〜0.30%、Nb:0.0
2〜0.25%、W:0.5〜2.6%、Co:0.5
〜4.3%、B:0.002〜0.020%、N:0.
005〜0.100%、Re:0〜3.0%を含有し、
さらに、Zr:0.001〜0.600%、Ti:0.
001〜0.200%、Hf:0.001〜0.600
%の1種または2種以上を含有し、所望によりTa:
0.001〜0.80%、Ca:0.003〜0.03
0%、REM:0.003〜0.030%の1種または
2種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からな
る。
延靭性をもち、より高い温度にも耐え得る耐熱鋼が得ら
れ、例えば、この耐熱鋼のタービン部材を用いることに
よって、発電効率を格段に高めることができる。また、
不可避不純物のうち、Si:0.10%以下、Mn:
0.15%以下、P:0.01%以下、Ni:0.25
%以下を許容含有量として規制すれば、さらに靱性の経
時劣化が防止され、耐久性が向上する。なお、本発明
は、タービンロータやタービン部材に好適であるが、こ
れら以外の用途に対しても、高温特性に優れ、かつ耐久
性に優れた材料として使用することができる。
す図である。
鋼の許容応力と平均Bo値との関係を示す図である。
領域を示す図である。
す図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 体心立方晶の鉄基合金中における各種合
金元素について、d電子軌道エネルギーレベル(Md)
および鉄(Fe)との結合次数(Bo)をDV−Xαク
ラスター法によって求め、下記(1)式および(2)式
でそれぞれ表される平均Bo値と平均Md値とが、合金
に求められる特性に応じた所定の値になるように添加す
べき合金元素の種類および含有量を定めることを特徴と
するフェライト系鉄基合金の製造方法 平均Bo値=ΣXi・(Bo)i‥‥‥(1) 平均Md値=ΣXi・(Md)i‥‥‥(2) ただし、Xiは合金元素iのモル分率、(Bo)iおよび
(Md)iはそれぞれi元素のBo値およびMd値であ
る。 - 【請求項2】 請求項1に記載の平均Bo値が1.80
5〜1.817の範囲、同じく平均Md値が0.852
0〜0.8628の範囲となるように化学組成を決定す
ることを特徴とするフェライト系耐熱鋼の製造方法 - 【請求項3】 クロム(Cr)の含有量が9.0〜1
3.5質量%、炭素(C)の含有量が0.02〜0.1
4質量%、コバルト(Co)の含有量が0.5〜4.3
質量%、タングステン(W)の含有量が0.5〜2.6
質量%で、前記平均Bo値および平均Md値が図3の点
AとB、BとC、CとD、DとAを結ぶ直線で囲まれる
領域(線上を含む)にあるフェライト系耐熱鋼 - 【請求項4】 請求項3に記載の耐熱鋼において、不可
避不純物であるSiが0.10質量%以下、Mnが0.
15質量%以下、Pが0.01質量%以下、Niが0.
25質量%以下であるフェライト系耐熱鋼 - 【請求項5】 質量%で、炭素(C):0.02〜0.
14%、クロム(Cr):9.0〜13.5%、モリブ
デン(Mo):0.02〜0.80%、バナジウム
(V):0.10〜0.30%、ニオブ(Nb):0.
02〜0.25%、タングステン(W):0.5〜2.
6%、コバルト(Co):0.5〜4.3%、硼素
(B):0.002〜0.020%、窒素(N):0.
005〜0.100%、レニウム(Re):0〜3.0
%を含み、さらにジルコニウム(Zr):0.001〜
0.600%、チタン(Ti):0.001〜0.20
0%、ハフニウム(Hf):0.001〜0.600%
の1種または2種以上を含有し、残部が鉄(Fe)およ
び不可避的不純物からなることを特徴とするフェライト
系耐熱鋼 - 【請求項6】 質量%で、炭素(C):0.02〜0.
14%、クロム(Cr):9.0〜13.5%、モリブ
デン(Mo):0.02〜0.80%、バナジウム
(V):0.10〜0.30%、ニオブ(Nb):0.
02〜0.25%、タングステン(W):0.5〜2.
6%、コバルト(Co):0.5〜4.3%、硼素
(B):0.002〜0.020%、窒素(N):0.
005〜0.100%、レニウム(Re):0〜3.0
%を含み、さらにジルコニウム(Zr):0.001〜
0.600%、チタン(Ti):0.001〜0.20
0%、ハフニウム(Hf):0.001〜0.600%
の1種または2種以上を含有し、かつ不可避不純物のう
ちSiが0.10質量%以下、Mnが0.15質量%以
下、Pが0.01質量%以下、Niが0.25質量%以
下で、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物からなる
ことを特徴とするフェライト系耐熱鋼 - 【請求項7】 質量%で、炭素(C):0.02〜0.
14%、クロム(Cr):9.0〜13.5%、モリブ
デン(Mo):0.02〜0.80%、バナジウム
(V):0.10〜0.30%、ニオブ(Nb):0.
02〜0.25%、タングステン(W):0.5〜2.
6%、コバルト(Co):0.5〜4.3%、硼素
(B):0.002〜0.020%、窒素(N):0.
005〜0.100%、レニウム(Re):0〜3.0
%を含み、さらにジルコニウム(Zr):0.001〜
0.600%、チタン(Ti):0.001〜0.20
0%、ハフニウム(Hf):0.001〜0.600%
の1種または2種以上を含有し、残部が鉄(Fe)およ
び不可避的不純物からなることを特徴とする請求項3と
4のいずれかに記載のフェライト系耐熱鋼 - 【請求項8】 請求項5〜7に記載の合金元素に加え
て、さらに質量%で、タンタル(Ta):0.001〜
0.80%を含有するフェライト系耐熱鋼 - 【請求項9】 請求項5〜7に記載の合金元素に加え
て、さらに質量%で、カルシウム(Ca):0.003
〜0.030%および希土類元素(REM):0.00
3〜0.030%の中の1種以上を含有するフェライト
系耐熱鋼 - 【請求項10】 請求項5〜7に記載の合金元素に加え
て、さらに質量%で、タンタル(Ta):0.001〜
0.800%、ならびにカルシウム(Ca):0.00
3〜0.030%および希土類元素(REM):0.0
03〜0.030%の中の1種以上を含有するフェライ
ト系耐熱鋼
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35354495A JP3798456B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | タービン用フェライト系耐熱鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35354495A JP3798456B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | タービン用フェライト系耐熱鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09184050A true JPH09184050A (ja) | 1997-07-15 |
JP3798456B2 JP3798456B2 (ja) | 2006-07-19 |
Family
ID=18431562
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35354495A Expired - Lifetime JP3798456B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | タービン用フェライト系耐熱鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3798456B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7820098B2 (en) * | 2000-12-26 | 2010-10-26 | The Japan Steel Works, Ltd. | High Cr ferritic heat resistance steel |
JP2012219682A (ja) * | 2011-04-07 | 2012-11-12 | Hitachi Ltd | 蒸気タービン用ロータシャフトと、それを用いた蒸気タービン |
CN113278886A (zh) * | 2021-05-14 | 2021-08-20 | 威斯卡特工业(中国)有限公司 | 一种含锰硫钨的铁素体耐热钢及其制备方法 |
WO2023246465A1 (zh) * | 2022-06-22 | 2023-12-28 | 中国第一重型机械股份公司 | 一种用于630℃以上的马氏体耐热钢及其制备方法 |
-
1995
- 1995-12-28 JP JP35354495A patent/JP3798456B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7820098B2 (en) * | 2000-12-26 | 2010-10-26 | The Japan Steel Works, Ltd. | High Cr ferritic heat resistance steel |
JP2012219682A (ja) * | 2011-04-07 | 2012-11-12 | Hitachi Ltd | 蒸気タービン用ロータシャフトと、それを用いた蒸気タービン |
CN113278886A (zh) * | 2021-05-14 | 2021-08-20 | 威斯卡特工业(中国)有限公司 | 一种含锰硫钨的铁素体耐热钢及其制备方法 |
WO2023246465A1 (zh) * | 2022-06-22 | 2023-12-28 | 中国第一重型机械股份公司 | 一种用于630℃以上的马氏体耐热钢及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3798456B2 (ja) | 2006-07-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3315702B2 (ja) | フェライト系鉄基合金の製造方法及びフェライト系耐熱鋼 | |
EP0806490B1 (en) | Heat resisting steel and steam turbine rotor shaft | |
CA2886286C (en) | Method for producing cast steel having high wear resistance and steel having said characteristics | |
EP0384433B1 (en) | Ferritic heat resisting steel having superior high-temperature strength | |
EP0828010B1 (en) | High strength and high-toughness heat-resistant cast steel | |
JP3354832B2 (ja) | 高靭性フェライト系耐熱鋼 | |
JPH083697A (ja) | 耐熱鋼 | |
JP4222705B2 (ja) | 高純度高Crフェライト系耐熱鋼および高純度高Crフェライト系耐熱鋼の製造方法 | |
JP2000248337A (ja) | ボイラ用高Crフェライト系耐熱鋼の耐水蒸気酸化特性改善方法および耐水蒸気酸化特性に優れたボイラ用高Crフェライト系耐熱鋼 | |
EP0770696B1 (en) | High strength and high toughness heat resisting steel and its manufacturing method | |
JP3422658B2 (ja) | 耐熱鋼 | |
JP4177136B2 (ja) | 含B高Cr耐熱鋼の製造方法 | |
JP3798456B2 (ja) | タービン用フェライト系耐熱鋼 | |
JPH11209851A (ja) | ガスタービンディスク材 | |
JP2008518103A (ja) | クリープ抵抗を有するマルテンサイト硬化可能な調質鋼 | |
JPH1036944A (ja) | マルテンサイト系耐熱鋼 | |
JP2004124188A (ja) | 高Cr耐熱鋼及びその製造方法 | |
JP3759776B2 (ja) | 高クロムフェライト系耐熱鋼 | |
JP3662151B2 (ja) | 耐熱鋳鋼及びその熱処理方法 | |
JPH08120414A (ja) | 耐熱鋼 | |
JP3901801B2 (ja) | 耐熱鋳鋼および耐熱鋳鋼部品 | |
JP3397508B2 (ja) | 耐熱鋼 | |
JP3245097B2 (ja) | 高温用蒸気タービンロータ材 | |
JPH0931600A (ja) | 高温用蒸気タービンロータ材 | |
JP3581458B2 (ja) | 高温用蒸気タービンロータ材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20020903 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20030606 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20031202 |
|
A256 | Written notification of co-pending application filed on the same date by different applicants |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A2516 Effective date: 20031202 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040126 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050913 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051114 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060104 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060306 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060418 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060420 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090428 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120428 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120428 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130428 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |