JP3798456B2 - タービン用フェライト系耐熱鋼 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、従来のように膨大な実験と試行錯誤の繰り返しを必要とせず、理論的な手法で製造した高強度のフェライト系耐熱鋼、に関する。このフェライト系耐熱鋼は、高い高温強度をはじめとして従来のフェライト系耐熱鋼を凌ぐ優れた特性を有し、タービンロータや、タービンブレード、タービンディスク、ボルト等のタービン材料用材料として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
耐熱鋼の用途はきわめて広汎であるが、タービン用材料はその代表的なものである。火力発電システムでは発電効率を一層高効率化するために、スチームタービンの蒸気温度を益々上昇させる傾向にあり、その結果タービン用材料に要求される高温特性も一層厳しいものとなっている。
従来から上記用途に使用できる材料として数多くの耐熱鋼が提案されているが、その中でも特開平2−290950号、特開平4−147948号で提案されている開発耐熱鋼は、特に高温強度に優れていることが知られている。
上記開発耐熱鋼を含め、タービン材料としてこれまでに開発されたフェライト系耐熱鋼は、9〜12%のCrを含み、かつC、Si、Mn、Ni、Mo、W、V、Nb、Ti、B(ボロン)、N(窒素)、Cuをそれぞれ0.004〜2.0%の範囲で選択し、組み合わせて含有させたものがほとんどである。なお、この明細書では、特に断らない限り合金元素の含有量に関する%は質量%(mass%)を意味する。
【0003】
表1は、タービン用の主な耐熱鋼の組成を示すものである(「耐熱鋼の組成、組織とクリープ特性」日本金属学会、日本鉄鋼協会九州支部、第78回講演討論会資料、平成4年9月25日‥‥文献1‥‥参照)。これらの鋼種は各合金元素の添加量を少しずつ変化させた膨大な実験によって開発されてきた。そのような実験によって知られた各合金元素の作用効果は概ね下記のようにまとめることができる。
【0004】
【表1】
【0005】
Cr:耐食、耐酸化性を向上させる元素であり、鋼材の使用温度の上昇とともにその添加量を増加させる必要がある。
W,Mo:固溶強化と析出強化により、高温強度を増大させる。
しかし、添加量が増大すると延性脆性遷移温度(DBTT)が上昇する。脆化を抑制するためには、Mo当量[Mo+(1/2)W]を1.5%以下にすることが必要である。この方針に従って、従来の多くの合金のMo当量は1.5%近傍にある。
V,Nb:炭、窒化物による析出強化が期待できる。1050℃での焼なまし時の固溶限は、Vでは0.2%、Nbでは0.03%である。これ以上添加量が増えると固溶できない元素が焼なまし時に、炭、窒化物として析出する。これまでの実験結果によれば、クリープ破断強度から判断してVは0.2%、Nbは0.05%が最適とされている。このNbの値は固溶限を越えているが、固溶できなかったNbはNbCとなり、焼なまし時のオーステナイト粒の粗大化を抑制するのに効果がある。
Cu:オーステナイト安定化元素であるためδフェライト相および炭化物の析出を抑制する。またAc1点を低下させる作用が小さく、焼入れ性改善の効果を持つ。この外、溶接熱影響部の軟化層の生成を抑制する。しかし、1%以上入れるとクリープ破断絞りが減少する。
C、N:鋼の組織および強度に影響する元素である。クリープ特性に関しては、V、Nb等の添加量により、クリープ破断強度に最適なC含有量、N含有量は変化する。
B:0.005%程度の添加により鋼の焼入れ性が向上する。また組織が微細になり、強度と靭性の向上に効果があるといわれている。
Si、P、S、Mn:鋼の脆性抑制のため、いわゆるスーパークリーン化が考えられており、これらの元素はできるだけ少ない方が良いとされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、タービン用材料として、一層の発電効率の向上を図るためには、前記した開発耐熱鋼でも高温特性は十分ではなく、高温クリープ強度等を含めた高温特性をさらに向上させることが要望されている。また、従来の材料は経時的に靭性が低下するため耐久性に劣るという問題もあり、より高温での使用を可能とするためには、耐久性の改善を含めた特性の改善が望まれている。
そこで本発明者達は、発電効率の高効率化、耐久性の向上等を可能にするため、以下の観点から新しい耐熱鋼を開発するものとした。
(1)高温クリープ強度の向上
(2)高靭性化
(3)靭性の経時劣化の防止
【0007】
ところで、上記のように従来の合金開発の方法によって、各合金元素の効果はある程度明らかにされてきている。しかし、新たな鋼種を開発するためには、さらに膨大な実験が必要となる。例えば5種の合金元素からなる鋼の各元素の含有量を、それぞれ3種類ずつ変えて調べるとすれば、単純に計算して35(=243)もの鋼を溶製し、それぞれから各種の試験片を作製して実験を繰り返すことが必要となる。
表1に示すように、最近の耐熱鋼は10種類に余る合金元素から成るものが多く、この種の新規な鋼を従来の手法で開発するとすれば多大な労力、時間および費用を必要とする。
【0008】
本発明は、上記の事情を背景としてなされたものであり、分子軌道理論に基づく新しい金属材料の設計方法(その方法の概要は、「日本金属学会会報」第31巻、第7号(1992)599〜603頁(文献2)および「アルトピア」1991.9,23〜31頁(文献3)等に開示している)を用いて、従来のフェライト系耐熱鋼よりはるかに優り、タービン材料として好適なフェライト系耐熱鋼を提供することを目的としている。特に、高温クリープ強度の向上、高靭性化、靭性の経時劣化の防止、を図ることにより、高温特性、耐久性等に優れた耐熱鋼を提供することを目的とする。その目的を達成するために、以下の手段を講じるのが有効であることを見いだした。
(1)高温クリープ強度の向上は、Nb,Ta,Bの含有、さらにRe,Zr,Ti,Hfの含有、Ni,Mn含有量の低減による。
(2)高靭性化は、希土類元素、Caの添加による。
(3)靭性の経時劣化の防止は、Si,Mn,P含有量の低減による。
すなわち、これらの新しい知見と、分子軌道法による合金設計法を併せ用いて、フェライト系耐熱鋼を発明するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明のタービン用フェライト系耐熱鋼は、質量%で、炭素(C):0.02〜0.14%、クロム(Cr):9.0〜13.5%、モリブデン(Mo):0.02〜0.80%、バナジウム(V):0.10〜0.30%、ニオブ(Nb):0.02〜0.25%、タングステン(W):0.5〜2.6%、コバルト(Co):1.5〜4.3%、硼素(B):0.002〜0.020%、窒素(N):0.005〜0.100%、レニウム(Re):0〜3.0%を含み、さらにジルコニウム(Zr):0.001〜0.600%、チタン(Ti):0.001〜0.200%、ハフニウム(Hf):0.001〜0.600%の1種または2種以上を含有し、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物からなり、かつ体心立方晶の鉄基合金における各種合金元素について、d電子軌道エネルギーレベル(Md)および鉄(Fe)との結合次数(Bo)をDV−Xαクラスター法によって求め、下記(1)式および(2)式でそれぞれ表される平均Bo値と平均Md値とが、図3の点AとB、BとC、CとD、DとAを結ぶ直線で囲まれる領域(線上を含む)にあることを特徴とする。
平均Bo値=ΣXi・ ( Bo ) i‥‥‥(1)
平均Md値=ΣXi・ ( Md ) i‥‥‥(2)
ただし、Xiは合金元素iのモル分率、 ( Bo ) iおよび ( Md ) iはそれぞれi元素のBo値およびMd値である。
第2の発明のタービン用フェライト系耐熱鋼は、質量%で、炭素(C):0.02〜0.14%、クロム(Cr):9.0〜13.5%、モリブデン(Mo):0.02〜0.80%、バナジウム(V):0.10〜0.30%、ニオブ(Nb):0.02〜0.25%、タングステン(W):0.5〜2.6%、コバルト(Co):1.5〜4.3%、硼素(B):0.002〜0.020%、窒素(N):0.005〜0.100%、レニウム(Re):0〜3.0%を含み、さらにジルコニウム(Zr):0.001〜0.600%、チタン(Ti):0.001〜0.200%、ハフニウム(Hf):0.001〜0.600%の1種または2種以上を含有し、かつ不可避不純物のうちSiが0.10質量%以下、Mnが0.15質量%以下、Pが0.01質量%以下、Niが0.25質量%以下で、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物からなり、かつ体心立方晶の鉄基合金における各種合金元素について、d電子軌道エネルギーレベル(Md)および鉄(Fe)との結合次数(Bo)をDV−Xαクラスター法によって求め、下記(1)式および(2)式でそれぞれ表される平均Bo値と平均Md値とが、図3の点AとB、BとC、CとD、DとAを結ぶ直線で囲まれる領域(線上を含む)にあることを特徴とするタービン用フェライト系耐熱鋼。
平均Bo値=ΣXi・ ( Bo ) i‥‥‥(1)
平均Md値=ΣXi・ ( Md ) i‥‥‥(2)
ただし、Xiは合金元素iのモル分率、 ( Bo ) iおよび ( Md ) iはそれぞれi元素のBo値およびMd値である。
【0014】
第3の発明のタービン用フェライト系耐熱鋼は、第1または第2の発明に記載の合金元素に加えて、さらに質量%で、タンタル(Ta):0.001〜0.080%を含有することを特徴とする。
第4の発明のタービン用フェライト系耐熱鋼は、第1または第2の発明に記載の合金元素に加えて、さらに質量%で、カルシウム(Ca):0.003〜0.030%および希土類元素(REM):0.003〜0.030%の中の1種以上を含有することを特徴とする。
第5の発明のタービン用フェライト系耐熱鋼は、第1または第2の発明に記載の合金元素に加えて、さらに質量%で、タンタル(Ta):0.001〜0.080%、ならびにカルシウム(Ca):0.003〜0.030%および希土類元素(REM):0.003〜0.030%の中の1種以上を含有することを特徴とする。
【0015】
【発明を実施する最良の形態】
[I]合金パラメータによる合金元素の特徴の解明と合金元素の選択について
本発明では請求項1で述べたように、分子軌道計算法の一つであるDV−Xαクラスター法(三共出版「量子材料化学入門」、文献4および特公平5−40806号公報、参照)を用いて計算した2つの合金パラメータであるMdとBoを用いる。表2に計算によって得られた2つの合金パラメータの値を示す。その1つは、Fe−M原子間の電子雲の重なり度合を表す結合次数(Bond Order:Boと略記する)である。このBoが大きいほど原子間の結合は強い。もう一つは、合金元素Mのd軌道エネルギーレベル(Mdと略記する)である。このMdは、電気陰性度や原子半径と相関のあるパラメータである。Mdの単位はエレクトロン・ボルト(eV)であるが、簡単のため以下の説明では単位を省略する。表2に示した非遷移金属元素の炭素(C)、窒素(N)、および珪素(Si)のMdの値は、状態図や実験データを基にして決定した。d電子を持たないこれらの元素を遷移金属と同じ枠組みの中で議論するために、このような取り扱いを行った。
合金においては次式のように各元素の組成平均をとり、平均のBoおよびMdを定義する。
平均Bo値=ΣXi・(Bo)i‥‥‥(1)
平均Md値=ΣXi・(Md)i‥‥‥(2)
ここでXiは合金元素iのモル分率、(Bo)iおよび(Md)iは、それぞれi元素のBo値およびMd値であり、フェライト鋼では表2の値を使う。なお、表2中に記載されていない元素のMdおよびBoはともに0とする。
フェライト系耐熱鋼の合金元素としては、Boは高く、Mdは低い方が良い。Boが高ければ原子間の結合力が強くなるので、材料強化に有効である。一方、Mdは、後述するように合金の相安定性と関係しており、合金の平均Mdが高くなると第2相(δフェライト相など)が析出してくる(例えば、鉄と鋼、第78巻(1992)P.1377‥‥文献5‥‥参照)。
【0016】
【表2】
【0017】
[II]フェライト系耐熱鋼の相安定性の評価
フェライト系耐熱鋼ではクリープ特性および靭性向上のため、δフェライト相の生成を抑える必要がある。本発明方法ではかなりの精度でδフェライト相の生成が予測できる。
図1は、1050℃で焼ならしをしたNi含有量の異なる材料中に残留するδフェライト量を平均Mdパラメータによって整理した結果である。δフェライト相はNiが無添加の場合、平均Mdが0.852を越えたあたりから生成し始め、平均Mdが高くなるにしたがって、その量は比例的に増加する。またオーステナイト形成元素であるNiの添加によって、生成境界の平均Md値は若干高くなる傾向がある。
δフェライト量を合金組成から予測し、その生成を抑えることができるため、この平均Mdによる予測は、フェライト系耐熱鋼の合金設計にきわめて有用である。また、Laves相(Fe2W,Fe2Moなど)の生成もNiを含まない時は予測できる。Laves相はNi添加により生成しやすくなる。このほか、δフェライト相が生成しない範囲で、平均Bo値を増加させると、高温クリープ強度は向上する。その例を図2に示す。図はこれまで知られている主なフェライト系耐熱鋼の許容応力と平均Bo値との関係を示したものである。図中黒丸の鋼はδフェライトが生成しない鋼であり、白四角で示した鋼はδフェライトを生成する鋼である。
【0018】
[III][平均Bo−平均Mdマップ]上での最適範囲
図3に示した平行四辺形で囲まれる範囲が耐熱鋼の「平均Bo−平均Mdマップ」上での最適範囲である。ここで、直線BCは平均Bo値が1.805の直線であり、これより平均Bo値を下げるとクリープ特性が劣化する。直線ADは平均Bo値が1.817の直線であり、相安定性を保ったままで、これより平均Bo値を上げることは実際上不可能である。ABおよびCDの直線の方向は、表2に示したようにBo値が増加するとMd値が増加する。したがって、平均Bo値を上げようとすれば、平均Md値がこの方向に沿って上がる。
図3のD点は、平均Md値が約0.8628の点であり、これは材料の実際の製造時にδフェライトを生成させないための安全上限値である。B点(平均Bo値が1.805、平均Md値が0.8520)の値よりも更に平均Bo値と平均Md値を下げるのは、合金の高温特性上、好ましくない。
合金元素の種類およびそれらの含有量は、平均Boと平均Mdとが、前記図3の最適範囲(平行四辺形で囲まれる範囲)に入るように選定すればよい。
本発明のフェライト系耐熱鋼(前記、請求項3の耐熱鋼)の平均Md値と平均Bo値の範囲を太字の平行四辺形で示した。また、後述する本発明鋼の実施例の合金位置も各番号で同図中に示した。図4には、比較鋼と上述の最適平行四辺形領域との関係を示しておいた。
なお、図3、4中でAB,DCの式および各座標点(平均Md,平均Bo)は以下の式および値で示される。
ABの式 (平均Bo)=2.7907×(平均Md)−0.5727
DCの式 (平均Bo)=2.7907×(平均Md)−0.5908
座標点(平均Md,平均Bo)
A(0.8563,1.817)
B(0.8520,1.805)
C(0.8585,1.805)
D(0.8628,1.817)
【0019】
[IV]本発明方法の具体的実施の指針
これまでに述べた理論および経験則を基にして、本発明方法では、次のような指針に沿ってフェライト系耐熱鋼の成分設計を行う。
1)高温クリープ特性に有害なδフェライト相の析出を抑え、靭性ならびにクリープ特性を改善する。
2)Ac1 変態点をできるだけ高温にしてクリープ特性を改善する。Niはクリープ特性を劣化させるので、その使用を避け、不純物として混入する量も0.25%以下に抑える。MnもNi同様にクリープ特性を劣化させるので、その含有量を低減する。
3)上記1)および2)の観点から平均Md値の適正範囲を選ぶ。図1に示したように、δフェライトの生成を抑えるには、Niが0.25%以下の場合、平均Md値を0.8535以下とすることが必要であるが、後述するように、Coを4%程度まで高めに含有させることにより、平均Md値は0.8628まで高めることができる。
4)δフェライト相が生成しない範囲、即ち、平均Md値が0.8628以下である範囲で、できるだけ結合次数が高くなるように化学組成を選択する。
5)上記の1)〜4)から、平均Bo値が1.805〜1.817の範囲、平均Md値が0.8520〜0.8628の範囲にそれぞれ収まるように、化学組成を選定することを基本的な成分設計指針とする。
6)オーステナイト安定化元素であるCoを必須成分とし、さらに高温強度と相安定性の向上が必要な場合にはReの添加を行う。
7)高温クリープ強度の向上のために必須元素であるNb、Bを添加し、必要に応じてTa、Zr、Ti、あるいはHfを添加する。
8)高靭性化のため、希土類元素、Caを添加する。
9)靭性の経時劣化の防止のために、Si、Mn、P含有量を低減する。
10)Cr、W、Mo、V、Nb、ReおよびCoの含有量については、平均Bo値と平均Md値を基に最適化を図る。
上記の指針に沿って製造された鋼の例が、表3と4に示す本発明鋼である。また、これらの鋼の平均Md値、平均Bo値もそれぞれの表中に示した。さらに、本発明鋼と比較するための比較鋼の組成を表5に示した。また、比較鋼の平均Md値、平均Bo値も表5に示した。
【0020】
【作用】
本発明鋼は、高温クリープ強度が著しく大きく、かつ優れた延靭性をもつとともに、靭性の経年劣化が少なく、耐久性に優れている。
以下に、各成分元素の限定理由について具体的に説明する。
C:0.02〜0.14%
Cは、マルテンサイト変態を促進させるとともに、合金中のFe、Cr、Mo、V、Nb、Taなどと結合して炭化物を形成して高温強度を高めるために不可欠の元素であり、このような観点から最低0.02%を必要とする。また、0.14%を越えて含有させると、炭化物の粗大化が起こりやすくなり高温クリープ強度が劣化するので、その含有量を0.02〜0.14%に限定した。
なお、同様の理由により好ましくは、下限を0.05%、上限を0.13%とする。
【0021】
Cr:9.0〜13.5%
Crは、耐酸化性および高温耐食性を高め、さらに合金中に固溶して高温クリープ強度を高めるために不可欠の元素であり、最低9.0%必要である。一方、13.5%を越えると有害なδフェライトを生成し、高温強度および靭性を低下させるので、含有量を9.0〜13.5%に限定した。なお、同様の理由で下限を10.5%、上限を12.5%とするのが望ましい。
Mo:0.02〜0.80%
Moは合金中に固溶して低温および高温における強度を高めるとともに、微細炭化物を形成し、高温クリープ強度を向上させる。また、焼戻し脆化の抑制にも寄与する元素である。このため、最低0.02%の添加が必要である。一方、0.80%を越えるとδフェライトを生成して、クリープ強度が低下するので、上限を0.80%に限定する。なお、同様の理由で上限を0.60%とするのが望ましい。また、上記作用を十分に得るためには0.05%以上含有させるのが望ましい。
【0022】
V:0.10〜0.30%
Vは、微細炭化物、炭窒化物を形成して、高温クリープ強さを向上させるのに有効であり、最低0.10%を必要とする。一方、0.30%を越えると炭素を過度に固定し、炭化物の析出量が増して高温強度を低下させるので0.10〜0.30%に限定する。なお、同様の理由で下限を0.15%、上限を0.25%とするのが望ましい。
Nb:0.02〜0.25%
Nbは、微細炭化物、炭窒化物を形成し、高温クリープ強度を向上させるとともに、結晶粒の微細化を促進し、低温靭性を向上させる。このため、最低0.02%必要である。一方、0.25%を超えて含有させると、粗大な炭化物および炭窒化物が析出し靭性を低下させるので、上限を0.25%に限定する。なお、同様の理由で上限を0.15%とするのが望ましい。また、上記作用を十分に得るためには0.03%以上含有させるのが望ましい。
これら個々の合金元素の組成範囲の中で、平均Bo、平均Md値を使って組成の最適化を図り、実施例の鋼種を決定した。
【0023】
W:0.5〜2.6%
Wは、炭化物の凝集、粗大化を抑制し、また合金中に固溶してマトリックスを固溶強化するので高温強度の向上に有効であり、最低0.5%必要である。一方、2.6%を越えるとδフェライトやラーベス相を生成しやすくなり、高温強度を低下させるので0.5〜2.6%に限定する。なお、同様の理由で下限を1.5%、上限を2.5%に限定するのが望ましい。
Co:1.5〜4.3%
Coは、δフェライトの生成を抑制し、高温強度を向上させる。δフェライトの生成を防止するためには1.5%以上の含有が必要であるが、4.3%を越えて含有すると延性が低下し、またコストが上昇するので、含有量を1.5〜4.3%に限定する。なお、同様の理由で、下限を2.0%、上限を4.0%とするのが望ましい。
【0024】
B:0.002〜0.020%
Bは微量の含有で、焼入れ性が増大し、靭性を向上させるとともに粒界及び粒内の炭化物の析出凝集を抑え、高温クリープ強度の向上に寄与する元素であり、本発明で重要な元素の一つである。これらの効果を十分に得るためには0.002%以上の含有が必要である。一方、0.020%を超えると高温クリープ延性が著しく低下するため、その含有量を0.002〜0.020%に限定した。なお、同様の理由で下限を0.050%、上限を0.015%とするのが望ましい。
N:0.005〜0.100%
NはNb、V、Zrなどと結合して窒化物を形成し、高温クリープ強度を向上させる作用があり、これら作用を得るためには0.005%以上の含有が必要である。一方、含有量が0.100%を超えると、熱間加工性が悪くなるため、上限を0.100%とした。なお、同様の理由で下限を0.010%、上限を0.070%とするのが望ましい。
【0025】
Re:0〜3.0%
Reは極微量の添加で固溶強化に著しく寄与し、高温クリープ強度を向上させる効果を有するので所望により含有させる。一方、過剰に含有すると加工性を低下させるためその上限を3%とした。なお、この効果を十分に発揮するためには0.1%以上の含有が望ましく、同様の理由で下限を0.2%、上限を1.0%とするのがさらに望ましい。Reは高価な金属であるため、高温クリープ強度をそれほど高める必要がない場合には、含有させなくてもよい。
【0026】
Zr:0.001〜0.600%
Ti:0.001〜0.200%
Hf:0.001〜0.600%
これら元素は強窒化物形成元素であり、窒化物をマトリックス組織に微細分散させてクリープ強度を向上させる。
上記作用を得るために、それぞれの元素で下限以上の含有が必要であるが、過量に含有させると、窒化物が粗大化してクリープ強度が低下するため、それぞれ上限を定めた。
なお、同様の理由で、それぞれの下限を、Zrで0.005%、Tiで0.005%、Hfで0.005%とし、上限を、Zrで0.050%、Tiで0.080%、Hfで0.050%とするのが望ましい。
【0027】
Ta:0.001〜0.080%
Ca:0.003〜0.03%
REM:0.003〜0.03%
TaはNb同様、微細炭化物、炭窒化物を形成し、高温クリープ強度を向上させるとともに、結晶粒の微細化を促進し、低温靭性を向上させる元素である。これはNbより高融点金属であり、Nb添加量の少ないときには、添加すればよい。しかし、0.080%以上含有させると、粗大炭化物および炭窒化物が析出し、靭性を低下させるので、上限を0.080%に限定する。
REM(希土類元素)及びCaは、脱酸ならびに脱硫作用を有し、金属溶湯に希土類元素、Caを単味又は複合添加することにより、内在する非金属介在物の形状、分布のコントロールを図ることができ、この結果、衝撃吸収エネルギーが向上し、靭性が改善されるので所望により含有させる。
しかし、0.003%未満の含有では上記作用効果が認められない。また、0.03%を越えて含有させると酸化物が過剰に生成されて、かえって清浄度が低下し、その結果衝撃靭性が低下する。このため、希土類元素及びCaの含有量を上記範囲に限定した。なお、同様の理由でそれぞれ、下限を0.005%、上限を0.015%とするのが望ましい。なお、希土類元素としてはCe、Ndの他、Y、Sc等を例示することができ、添加においては1種または複数種の希土類元素を含有させることができる。
【0028】
(不可避不純物)
Si:0.10%以下
Siは、脱酸剤として通常使用されるが、Si含有量が高いと、鋼塊内部の偏析が増加し、また焼戻し脆化感受性が極めて大となり切欠靭性が損なわれ、さらに高温長時間保持により、析出物形態の変化を助長することにより靭性が経時劣化するので、極力低減することが望ましく、工業性などを考慮して0.1%以下に制限した。なお、同様の理由で好ましくは0.08%以下に限定する。さらに、0.05%以下とするのが一層好ましい。
【0029】
Mn:0.15%以下
Mnは、溶解時の脱酸、脱硫剤として一般的に使用されているが、MnはSと結合して、非金属介在物を形成して、靭性を低下させるとともに、靭性の経時劣化を助長させ、また、高温クリープ強度を低下させるので、含有量を低減させるのが望ましい。現在、炉外精錬などの精錬技術によりS量の低減が容易となり、Mnを脱硫剤として添加する必要がなくなってきている。本発明では、Mnを不可避的不純物とし制限するものとし、その許容含有量を精錬技術の限界を考慮して0.15%以下に制限した。なお、同様の理由で0.10%以下に制限するのが望ましく、さらに0.05%未満に限定するのが一層望ましい。
【0030】
P:0.01%以下
Pは、焼戻し脆化感受性を増大させる元素であり、靭性の経時劣化を助長させるので、経年劣化を減少させ、信頼性を向上させるためには、極力低減することが望ましい。ただし、その許容含有量は精錬技術の限界を考慮して0.01%以下とした。なお、同様の理由で0.008%以下に制限するのが望ましく、さらに0.005%以下に限定するのが一層望ましい。
【0031】
Ni:0.25%以下
Niは、不可避的に含有する場合があるが、その含有量が0.25%を越えるとクリープ破断強度を低下させるので上限を0.25%に制限した。なお同様の理由で0.20%以下に限定するのが望ましく、さらに0.15%以下に限定するのが一層望ましい。
【0032】
【実施例】
表3〜8に示す鋼種を真空誘導加熱炉を用いて10kg鋼塊としてそれぞれ溶製し、1150℃で鍛造後、ロータ軸形状に鍛造した。これらの鍛造材から、試験片素材を切り出し、実際のロータ軸材の軸芯相当の熱履歴をシミュレーションして、1050℃からの油焼入れ、570℃での1回目の焼戻し、700℃での2回目の焼戻しを施し供試材とした。
上記焼戻し後の供試材を高温クリープ試験及び衝撃試験に供した。また、前記焼戻し後の供試材に、600℃及び400℃で、3000時間の時効処理を施して衝撃試験に供した。なお、クリープ試験結果は、665℃、220Mpaの負荷における破断時間で示した。また、衝撃試験結果では、時効処理後のFATT(破面遷移温度)と焼戻しままのFATTとの差をΔFATTとして示した。これら試験結果は表9、10に示した。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
【表7】
【0038】
【表8】
【0039】
【表9】
【0040】
【表10】
【0041】
表から明らかなように、本発明の供試材は、クリープ強度、靭性、耐経時劣化特性が優れており、いずれも比較材よりも優れた材料特性を有していることが確認された。なお、本発明材のうち不純物を厳しく規制したNo.1〜37は、比較鋼はもとよりNo.38〜45に比べ、靭性の耐経時劣化特性が優れていた。
(表の説明)
表1 従来の代表的なタービン用9〜12Cr鋼の化学組成を示す表である。
表2 元素のMd値とBo値を示す表である。
表3〜8
本発明鋼と比較鋼の化学組成、平均Md値と平均Bo値を示す表である。
表9、10
本発明鋼と比較鋼のクリープ試験、衝撃試験の結果を示す表である。
【0042】
本発明では、体心立方晶の鉄基合金中における各種合金元素について、DV−Xαクラ
スター法によって計算されたd電子軌道エネルギーレベル(Md)、および鉄(Fe)との結合次数(Bo)を用いて、合金の平均Bo値と平均Md値を下記(1)式および(2)式でそれぞれ表すとき、平均Bo値が1.805〜1.817の範囲、同じく平均Md値が0.8520〜0.8628の範囲となるようにタービン用フェライト系耐熱鋼の化学組成を決定する。
平均Bo値=ΣXi・(Bo)i‥‥‥(1)
平均Md値=ΣXi・(Md)i‥‥‥(2)
ただし、Xiは合金元素iのモル分率、(Bo)iおよび(Md)iはそれぞれi元素のBo値およびMd値である。
【0043】
具体的には、クロム(Cr)の含有量が9.0〜13.5質量%、炭素(C)の含有量が0.02〜0.14質量%、コバルト(Co)の含有量が1.5〜4.3質量%、タングステン(W)の含有量が0.5〜2.6質量%であり、不純物としてのNiが0.40質量%以下で、前記平均Bo値および平均Md値が図3の点AとB、BとC、CとD、DとAを結ぶ直線で囲まれる領域(線上を含む)にあるフェライト系耐熱鋼であり、より具体的には、重量%で、C:0.02〜0.14%、Cr:9.0〜13.5%、Mo:0.02〜0.80%、V:0.10〜0.30%、Nb:0.02〜0.25%、W:0.5〜2.6%、Co:1.5〜4.3%、B:0.002〜0.020%、N:0.005〜0.100%、Re:0〜3.0%を含有し、さらに、Zr:0.001〜0.600%、Ti:0.001〜0.200%、Hf:0.001〜0.600%の1種または2種以上を含有し、所望によりTa:0.001〜0.080%、Ca:0.003〜0.030%、REM:0.003〜0.030%の1種または2種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる。
【0044】
本発明により、優れた高温クリープ強度と延靱性をもち、より高い温度にも耐え得る耐熱鋼が得られ、例えば、この耐熱鋼のタービン部材を用いることによって、発電効率を格段に高めることができる。
また、不可避不純物のうち、Si:0.10%以下、Mn:0.15%以下、P:0.01%以下、Ni:0.25%以下を許容含有量として規制すれば、さらに靭性の経時劣化が防止され、耐久性が向上する。
なお、本発明は、タービンロータやタービン部材に好適であるが、これら以外の用途に対しても、高温特性に優れ、かつ耐久性に優れた材料として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 平均Mdとδフェライト相の量との関係を示す図である。
【図2】 これまで知られている主なフェライト系耐熱鋼の許容応力と平均Bo値との関係を示す図である。
【図3】 本発明の耐熱鋼の平均Md値と平均Bo値の領域を示す図である。
【図4】 比較鋼の平均Md値と平均Bo値の領域を示す図である。
Claims (5)
- 質量%で、炭素(C):0.02〜0.14%、クロム(Cr):9.0〜13.5%、モリブデン(Mo):0.02〜0.80%、バナジウム(V):0.10〜0.30%、ニオブ(Nb):0.02〜0.25%、タングステン(W):0.5〜2.6%、コバルト(Co):1.5〜4.3%、硼素(B):0.002〜0.020%、窒素(N):0.005〜0.100%、レニウム(Re):0〜3.0%を含み、さらにジルコニウム(Zr):0.001〜0.600%、チタン(Ti):0.001〜0.200%、ハフニウム(Hf):0.001〜0.600%の1種または2種以上を含有し、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物からなり、かつ体心立方晶の鉄基合金における各種合金元素について、d電子軌道エネルギーレベル(Md)および鉄(Fe)との結合次数(Bo)をDV−Xαクラスター法によって求め、下記(1)式および(2)式でそれぞれ表される平均Bo値と平均Md値とが、図3の点AとB、BとC、CとD、DとAを結ぶ直線で囲まれる領域(線上を含む)にあることを特徴とするタービン用フェライト系耐熱鋼。
平均Bo値=ΣXi・ ( Bo ) i‥‥‥(1)
平均Md値=ΣXi・ ( Md ) i‥‥‥(2)
ただし、Xiは合金元素iのモル分率、 ( Bo ) iおよび ( Md ) iはそれぞれi元素のBo値およびMd値である。 - 質量%で、炭素(C):0.02〜0.14%、クロム(Cr):9.0〜13.5%、モリブデン(Mo):0.02〜0.80%、バナジウム(V):0.10〜0.30%、ニオブ(Nb):0.02〜0.25%、タングステン(W):0.5〜2.6%、コバルト(Co):1.5〜4.3%、硼素(B):0.002〜0.020%、窒素(N):0.005〜0.100%、レニウム(Re):0〜3.0%を含み、さらにジルコニウム(Zr):0.001〜0.600%、チタン(Ti):0.001〜0.200%、ハフニウム(Hf):0.001〜0.600%の1種または2種以上を含有し、かつ不可避不純物のうちSiが0.10質量%以下、Mnが0.15質量%以下、Pが0.01質量%以下、Niが0.25質量%以下で、残部が鉄(Fe)および不可避的不純物からなり、かつ体心立方晶の鉄基合金における各種合金元素について、d電子軌道エネルギーレベル(Md)および鉄(Fe)との結合次数(Bo)をDV−Xαクラスター法によって求め、下記(1)式および(2)式でそれぞれ表される平均Bo値と平均Md値とが、図3の点AとB、BとC、CとD、DとAを結ぶ直線で囲まれる領域(線上を含む)にあることを特徴とするタービン用フェライト系耐熱鋼。
平均Bo値=ΣXi・ ( Bo ) i‥‥‥(1)
平均Md値=ΣXi・ ( Md ) i‥‥‥(2)
ただし、Xiは合金元素iのモル分率、 ( Bo ) iおよび ( Md ) iはそれぞれi元素のBo値およびMd値である。 - 請求項1または2に記載の合金元素に加えて、さらに質量%で、タンタル(Ta):0.001〜0.080%を含有するタービン用フェライト系耐熱鋼。
- 請求項1または2に記載の合金元素に加えて、さらに質量%で、カルシウム(Ca):0.003〜0.030%および希土類元素(REM):0.003〜0.030%の中の1種以上を含有するタービン用フェライト系耐熱鋼。
- 請求項1または2に記載の合金元素に加えて、さらに質量%で、タンタル(Ta):0.001〜0.080%、ならびにカルシウム(Ca):0.003〜0.030%および希土類元素(REM):0.003〜0.030%の中の1種以上を含有するタービン用フェライト系耐熱鋼。
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