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JP3662151B2 - 耐熱鋳鋼及びその熱処理方法 - Google Patents

耐熱鋳鋼及びその熱処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温での使用に際しても強度、靭性に富む鋳鋼に係り、特に使用温度が高温となる蒸気タービン車室材料、弁箱材料等に用いられる鋳鋼の組成及びその熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高温で使用に供される鋳鋼、特に火力発電設備に用いられる蒸気タービン車室、弁箱等の高温部品、従来より1.25Cr-0.5Mo鋳鋼や1Cr-1Mo-0.25V鋳鋼等の低合金耐熱鋳鋼が多用されている。一方で、近年の火力発電設備は蒸気条件の高温化が急速に進められ、特公平4-53928、特公平3-80865等の公報に開示されるような高強度で耐環境特性等に優れた高Cr系耐熱鋳鋼の使用が増加してきた。ここで開示されている高強度鋳鋼を用いることで部材の肉厚増加を抑制でき、結果として発電設備を構成するタービン等の起動/停止に伴う温度差に起因する熱応力の低減も可能になることから、タービンの運用性の向上にも貢献している。
【0003】
近年の火力発電プラントは、高い熱効率とともに優れた経済性が要求される傾向にあり、プラント構成機器の材料に対しても従来と同等あるいはそれ以上の機械的性質や製造性を有し、さらに経済性に優れていることが不可欠となりつつある。特開平2-217438、特開平8-269616等の公報に開示される鋼はこの様な目的に合致したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、厚肉の鋳造品として製造し、高Cr系耐熱鋳鋼の代替材として使用することを前提とした場合、より高強度・高靭性かつ安定な金属組織を得ることが必要となる。本発明の目的は、このような課題に対処するためになされたもので、高温の蒸気環境中で安定な運用ができ、かつ経済性に優れた蒸気タービン車室材料あるいは弁箱材料等に適用可能な耐熱鋳鋼およびその熱処理方法を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の耐熱鋳鋼は、重量%で、C:0.15〜0.30、Si:0.1〜0.4、Mn:0.1〜0.5、Cr:2.0〜2.5、Mo:0.3〜0.8、V:0.15〜0.23、W:1.5〜2.5、Ti:0.005〜0.015、Nb:0.01〜0.06、N:0.005〜0.03、B:0.004〜0.008を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の第二の耐熱鋳鋼は、重量 % で、 C 0.15 0.30 Si 0.1 0.4 Mn 0.1 0.5 Cr 2.0 2.5 Mo 0.3 0.8 V 0.23 0.23 を含まず)〜 0.35 W 1.5 2.5 Ti 0.005 0.015 N 0.005 0.03 B 0.004 0.008 を含み、残部が Fe 及び不可避的不純物からなることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の第三の耐熱鋳鋼は、重量 % で、 C 0.15 0.30 Si 0.1 0.4 Mn 0.1 0.5 Cr 2.0 2.5 Mo 0.3 0.8 V 0.15 0.23 W 1.5 2.5 Ti 0.015 0.015 を含まず)〜 0.03 N 0.005 0.03 B 0.004 0.008 を含み、残部が Fe 及び不可避的不純物からなることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の第四の耐熱鋳鋼は、重量 % で、 C 0.15 0.30 Si 0.1 0.4 Mn 0.1 0.5 Cr 2.0 2.5 Mo 0.3 0.8 V 0.23 0.23 を含まず)〜 0.35 W 1.5 2.5 Ti 0.015 0.015 を含まず)〜 0.03 N 0.005 0.03 B 0.004 0.008 を含み、残部が Fe 及び不可避的不純物からなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第五の耐熱鋳鋼は、第二ないし第四の耐熱鋳鋼に含まれるFeの一部にかえて、重量%で、Ni:0.1〜0.3を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第六の耐熱鋳鋼は、第二ないし第四の耐熱鋳鋼に含まれるFeの一部にかえて、重量%でCu:0.3〜0.7を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本願の第七の発明である耐熱鋳鋼の熱処理方法は、第一ないし第六の耐熱鋳鋼のいずれかの鋳鋼を1,030〜1,070℃の温度で焼ならしを行い、この温度から油冷することを特徴とする。ここでいう油冷とは、油を入れた容器に焼きなまし後の鋳鋼を浸すことにより冷却することを意味している。
【0012】
以下に本発明で組成範囲を限定した理由を説明する。なお、以下の記載において組成を表す「%」は、特に断らない限り重量%とする。
【0013】
Cは焼入れ性の確保とともに、析出強化に寄与する炭化物の構成元素として有用な元素であるが、0.15%未満では焼入れ性が低く炭化物の析出量が不足するため十分な強度が得られず、0.3%を超えると炭化物の凝集が過剰に促進されるとともに加工性、溶接性が低下する。このため本発明に係る鋳鋼では、含有量を0.15〜0.3%とした。特に下限を0.17%、上限を0.25%とすることでさらに好適な特性を得ることができる。
【0014】
Siは脱酸剤として有用であり、良好な鋳造性の確保にも不可欠である。また、耐水蒸気酸化特性を向上させる。しかし、その含有量が高い場合は靭性の低下及び脆化の促進という問題があるため、この観点からは含有量は可能な限り抑制することが望ましい。本発明に係る鋳鋼ではその含有量が0.4%を超えると上述の問題が発生するため、その含有量を0.1〜0.4%とした。特にその下限を0.15%、上限を0.35%とすることでさらに好適な特性を得ることができる。
【0015】
Mnは脱硫剤として有用な元素であるが、0.1%未満では脱硫効果が認められず、0.5%を超えるとクリ−プ強度を低下させるため、本発明の鋳鋼ではその含有量を0.1〜0.5%とした。
【0016】
Crは耐酸化性、耐食性の改善に有効であるとともに析出強化に寄与する析出物の構成元素としても有用な元素であるが、2.0%未満では上述の効果が小さく、2.5%を超えると靭性、溶接性及び組織安定性が低下するため、本発明の鋳鋼ではその含有量を2.0〜2.5%とした。
【0017】
Moは固溶強化及び炭化物析出強化の構成元素として有用であり、0.3%以上の添加によりその効果が大きくなる。しかし、0.8%を超えると靭性の低下及びフェライトの生成を促進するため、本発明の鋳鋼においてはその含有量を0.3〜0.8%とした。
【0018】
VはCやNと結合して微細な炭窒化物の形成に寄与し、0.15%以上の添加でこれらの微細析出物が十分に析出し回復を抑制する。Ti及びNbと複合添加する場合、0.23%を超えると靭性の低下と粗大炭窒化物の生成傾向が高くなるため、本発明に係る鋳鋼ではその含有量を0.15〜0.23%とした。また、Nbを意図的に添加しない場合は、微細析出物の密度を確保するため下限を0.23%(0.23%を含まず)とし、凝集粗大化を抑制するために上限を0.35%とした。
【0019】
Wは固溶強化及び炭化物析出強化の構成元素として有用である。Wの固溶量を長時間にわたり高く維持するためには1.5%以上の添加が必要であるが、2.5%を超えると靭性の低下及びフェライトの生成を促進するため、本発明の鋳鋼ではその含有量を1.5〜2.5%とした。
【0020】
Tiは脱酸効果を有するとともに、0.01%以上の添加で微細炭窒化物を形成することにより析出強化に寄与する。V及びNbと複合添加した場合、0.015%以上の添加では粗大な炭窒化物を多量に形成し、析出強化作用が認められなくなる。また、Nbを意図的に添加しない場合は、微細析出物の密度を確保するため、本発明に係る鋳鋼では、その下限を0.015%(0.015%を含まず)とし、凝集粗大化を抑制するために上限を0.03%とした。
【0021】
NbはCやNと結合して炭窒化物を形成することによりクリープ強度に寄与する。0.01%未満ではこれらの効果が認められず、0.06%以上では粗大な炭窒化物を多量に形成し、析出量の促進が認められなくなるため、本発明に係る鋳鋼ではその含有量を0.01〜0.06%とした。NbはV及びTiと類似の効果を有する元素であり、V及びTi若しくはこれらのうちのいずれかの添加量を増加させることによりNbの代替が可能となり、この場合はNbは意図的に添加しない。
【0022】
Nは窒化物あるいは炭窒化物を形成することにより析出強化に寄与する。さらに母相中に残存するNは固溶強化にも寄与するが、0.005%未満ではこれらの効果が認められない。一方0.03%以上では窒化物あるいは炭窒化物の粗大化を促進し靭性を損なうため、本発明に係る鋳鋼ではその含有量を0.005〜0.03%とした。特に下限を0.01%、上限を0.025%に制限することでさらに好適な特性を得ることができる。
【0023】
Bは微量の添加で焼入れ性を高めるとともに、炭化物の分散、高温長時間での安定化を可能にする。その効果は0.004%以上の添加で認められ、結晶粒界及びその近傍に析出する炭化物の粗大化抑制効果を発揮するが、0.008%を超えると溶接性が著しく低下するため、本発明に係る鋳鋼ではその含有量を0.004〜0.008%とした。
【0024】
Niは、フェライト形成元素を多量に添加する場合に、組織安定性を高めるうえで有効であり、0.1%以上でこの効果が認められる。一方、0.3%を超えると高温クリープ強度を低下させるため、本発明に係る鋳鋼ではその含有量を0.1〜0.3%とした。
【0025】
Cuは、フェライト形成元素を多量に添加する場合に、組織安定性を高める上で有効であり、0.3%以上でこの効果が認められる。一方、0.7%を超えると硬化が著しくなるため、本発明に係る鋳鋼ではその含有量を0.3〜0.7%とした。
【0026】
上記成分ならびに主成分であるFeを添加する際に付随的に混入する不純物は極力低減することが望ましい。
【0027】
次に、焼ならし温度、焼ならし後の冷却及び焼戻し温度について、その限定理由を含めて説明する。本発明に係る鋳鋼は、炭窒化物形成元素であるTi、V、Nbを多量に含有するため、鋳造後の冷却過程でこれらの元素が粗大な状態で鋼中に残存する。これらは焼ならしにより溶解した後、焼戻しにより分散させ、微細な炭窒化物として再度析出させることで強度向上に寄与するが、粗大な炭窒化物は1,030℃未満では溶解しない。一方1,070℃を超えるとオーステナイト単相領域からはずれ、焼入れ後にフェライトが残存するなどの金属組織的な不均一が生じるため、焼ならし温度として1,030〜1,070℃を設定した。
【0028】
また、本発明に係る鋳鋼はCr、Mo、W、V等のフェライト形成元素を比較的多く含有するため、焼ならし後の冷却過程で靭性低下や亀裂の発生促進等、強度向上を図るうえで好ましくないαフェライトを生成する傾向が高い。この現象を回避するためには冷却過程でαフェライトの生成領域を通過しない冷却速度が必要であり、本発明の鋳鋼の場合は化学組成の違いによらず、油冷によってαフェライトを生成しないベイナイト単相組織を得ることができる。
【0029】
一方、焼ならし後に空冷した場合、材料組成によってはベイナイト中にαフェライトを含む組織が得られる鋳鋼が知られている。この場合、表4に示すように、αフェライトの面積率が5%を超えると一部の上記特性が低下する。そこで、特性に影響を及ぼさない範囲でαフェライトの生成を許容し、焼ならし後の冷却方法によっては金属組織上の制限を設定することも考えられる。
【0030】
さらに、本発明の鋳鋼を用いて蒸気タービン車室あるいは弁箱を製造した場合、その形状が複雑で、かつ肉厚は数10〜400mm程度の範囲になることが想定される。製品全体にわたり十分な焼戻しを施すには、660℃未満での焼戻しでは著しく長時間の熱処理を必要とし、一方740℃を超える温度では焼戻しが過剰になり残留ひずみの緩和等所望の効果を得られない部位が発生することから、焼戻し温度として660〜740℃を設定することも考えられる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第一の実施の形態を表1に示した化学組成範囲の鋳鋼を用いた実施例により説明する。表1に示した供試鋳鋼のうち、P1〜P30は本発明に係る鋳鋼の材料組成であり、C1〜C10はその組成が本発明の材料組成の範囲にない比較例である。これらは電気炉溶解後、砂型に鋳込んだ鋳塊を焼なました後に徐冷し、続いて本発明の焼ならし温度範囲にて焼ならしの後、油冷により焼入れを行い、所定の焼戻し温度範囲にて焼戻しを施し、常温引張強さを710〜750MPaに調整した。なお、所定の焼き戻し温度範囲とは、課題を解決するための手段の項で述べた660〜740℃の範囲を想定している。
【0032】
各鋳鋼についてJIS 4号2mmVノッチシャルピー衝撃試験片を採取して20℃で実施したシャルピー衝撃試験を行い、これにより得られた衝撃吸収エネルギーを表2に示す。本発明の組成範囲にある鋳鋼は比較例の鋳鋼より優れた衝撃吸収エネルギーを示した。
【0033】
また、各鋳鋼について600℃-196MPaで実施したクリープ破断試験を行い、これにより得られたクリープ破断時間を表2に示す。本発明の組成範囲にある鋳鋼は、比較例の鋳鋼より長いクリープ破断時間を示した。
【0034】
比較例のうちC4〜C7のように本発明の組成範囲にある鋳鋼と同等の衝撃吸収エネルギーを示す鋳鋼はクリープ破断時間が短く、また、比較例のうちC8及びC9のように本発明の組成範囲にある鋳鋼と同等のクリープ破断時間を示す鋳鋼は20℃での衝撃吸収エネルギーが低いことがわかる。これらの結果、鋳鋼の材料組成を本発明の組成範囲とすることにより、比較例に比べ衝撃性質及びクリープ破断性質に優れた耐熱鋳鋼を得ることができる。
【0035】
本発明の第二の実施の形態では、本発明の材料組成の範囲にある鋳鋼を本発明の焼ならし温度範囲で焼ならした場合に均質な金属組織が得られることを説明する。供試鋳鋼は表1に示したもののうちP2、P11、P15、P20及びP27であり、これらは電気炉溶解後、砂型に鋳込んだ鋳塊を焼鈍後徐冷し、続いて焼ならし空冷により焼入れを行ったものである。
【0036】
各焼ならし温度から空冷した後の各鋳鋼の材料組織における粗大生成物及びベイナイト以外の相の生成の有無を表3に示す。1,030℃未満の温度で焼ならした場合は、未固溶の粗大生成物が残存し、1,070℃を超える温度で焼ならした場合は、単相組織にならなかった。
【0037】
すなわち、本発明の焼ならし温度範囲で焼ならしを施した場合、未固溶の粗大生成物が残存せず、かつ、単相の金属組織が得られることがわかる。この結果、鋳鋼の材料組成を本発明の組成範囲とし、この鋳鋼を所定の温度範囲で焼きならすとにより、比較例に比べ衝撃性質及びクリープ破断性質に優れた耐熱鋳鋼を得ることができる。
【0038】
本発明の第三の実施の形態では、本発明の材料組成の範囲にある鋳鋼を本発明の焼ならし温度範囲で焼ならした後、油冷した場合に優れた焼入れ性と均質な金属組織が得られることを説明する。供試鋳鋼は表1に示した材料組成を有し、電気炉溶解後、砂型に鋳込んだ鋳塊を焼鈍後徐冷し、続いて本発明の焼ならし温度範囲にある1,050℃にて焼ならし後油冷により焼入れを行ったものである。
【0039】
焼入れ後の各鋳鋼のビッカース硬さ及び金属組織におけるフェライトの生成の有無を表4に示す。本発明の材料組成の範囲にある鋳鋼は高い硬さ値を示し、金属組織におけるαフェライトの生成は認められなかった。
【0040】
比較例においては、焼入れ後の硬さ値が低い鋳鋼あるいはαフェライトが生成する鋳鋼が認められ、焼入れ性、金属組織の安定性ともに低かった。
【0041】
すなわち、本発明の化学組成範囲にある耐熱鋳鋼を本発明の焼ならし温度範囲で焼ならした後、油冷した場合、制限した材料組成の範囲全般にわたり優れた焼入れ性と均質な金属組織が得られることがわかる。この結果、鋳鋼の材料組成を本発明の組成範囲とし、この鋳鋼を所定の温度範囲で焼きならすとにより、比較例に比べ衝撃性質及びクリープ破断性質に優れた耐熱鋳鋼を得ることができる。
【0042】
本発明の第四の実施の形態では、本発明の材料組成の範囲にある耐熱鋳鋼を本発明の焼ならし温度範囲にある1,050℃で焼ならした後、空冷した場合に、良好な焼入れ性と制限以下の面積率のフェライトが得られることを説明する。供試鋳鋼は表1に示した材料組成を有し、電気炉溶解後、砂型に鋳込んだ鋳塊を焼鈍後徐冷し、続いて本発明の焼ならし温度の範囲にて焼ならし後空冷により焼入れを行ったものである。
【0043】
焼入れ後の各鋳鋼のビッカース硬さ及び生成したαフェライトの面積率を表4に示す。本発明の材料組成の範囲にある鋳鋼は良好な硬さ値を示し、金属組織におけるフェライト面積率は最大でも5%未満であった。
【0044】
比較例においては、焼入れ後の硬さ値が低い鋳鋼あるいは生成したαフェライトの面積率が5%を超える鋳鋼が認められ、焼入れ性、金属組織の安定性ともに本発明の化学組成範囲にある鋳鋼より低かった。
【0045】
すなわち、本発明の材料組成の範囲にある耐熱鋳鋼を本発明の焼ならし温度範囲で焼ならした後、空冷した場合、制限した化学組成範囲全般にわたり良好な焼入れ性が得られるとともに、制限値以下のαフェライトを含む金属組織が得られることがわかる。この結果、鋳鋼の材料組成を本発明の組成範囲とし、この鋳鋼を所定の温度範囲で焼きならすとにより、比較例に比べ衝撃性質及びクリープ破断性質に優れた耐熱鋳鋼を得ることができる。
【0046】
第五の実施の形態では、本発明の材料組成の範囲にある耐熱鋳鋼を焼入れ後、所定の焼戻し温度範囲で焼戻しを施した場合に限り、十分な焼戻しが可能であることを説明する。
【0047】
供試鋳鋼は表1に示したうちP2、P11、P15、P20及びP27であり、これらは電気炉溶解後、砂型に鋳込んだ鋳塊を焼鈍後徐冷し、続いて焼ならし後、焼入れを行い、その後、一片が80mm、厚さが15mmの板に切断し、常温引張強さの目標値を約730MPaとして焼戻しを施した。
【0048】
表5は常温引張強さの目標値を達成するために要する時間を焼戻し温度ごとに示したものである。所定の焼戻し温度の範囲にて焼戻しを施した場合は、約3〜40hで常温引張強さの目標値を確保したが、所定の焼戻し温度の範囲を下回る温度で焼戻しを施した場合は、目標値を達成するために約200hと著しく長時間を要した。一方、所定の焼戻し温度の範囲を上回る温度で焼戻しを施した場合は、著しく短時間で目標値を達成できたが、実寸大の蒸気タービン車室あるいは弁箱は数10〜数100mmの肉厚を有するため、素材全体にわたり均一かつ十分な焼戻しは期待できない。
【0049】
すなわち、本発明の材料組成の範囲にある耐熱鋳鋼を焼入れ後、所定の焼戻し温度範囲で焼戻しを施すことにより、実操業上許容可能な所用時間で、かつ、実寸大の厚肉大型部材においても十分な焼戻しが可能であることがわかる。この結果、鋳鋼の材料組成を本発明の組成範囲とし、この鋳鋼を所定の温度範囲で焼きならし、所定の焼き戻し温度範囲で焼き戻すことにより、比較例に比べ衝撃性質及びクリープ破断性質に優れた耐熱鋳鋼を得ることが期待できる。
【0050】
【発明の効果】
以上の結果、本発明の材料組成の範囲にある耐熱鋳鋼、及びその熱処理方法によれば過酷な蒸気条件下においても高い信頼性を発揮し、特にこの鋳鋼を蒸気タービン車室あるいは弁箱等の高温部品に適用した場合、その性能、運用性、経済性の向上に貢献が可能な耐熱鋳鋼を得ることができる。
【0051】
【表1】
Figure 0003662151
【0052】
【表2】
Figure 0003662151
【0053】
【表3】
Figure 0003662151
【0054】
【表4】
Figure 0003662151
【0055】
【表5】
Figure 0003662151

Claims (7)

  1. 重量%で、C:0.15〜0.30、Si:0.1〜0.4、Mn:0.1〜0.5、Cr:2.0〜2.5、Mo:0.3〜0.8、V:0.15〜0.23、W:1.5〜2.5、Ti:0.005〜0.015、Nb:0.01〜0.06、N:0.005〜0.03、B:0.004〜0.008を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする耐熱鋳鋼。
  2. 重量 % で、 C 0.15 0.30 Si 0.1 0.4 Mn 0.1 0.5 Cr 2.0 2.5 Mo 0.3 0.8 V 0.23 0.35 W 1.5 2.5 Ti 0.005 0.015 N 0.005 0.03 B 0.004 0.008 を含み、残部が Fe 及び不可避的不純物からなることを特徴とする耐熱鋳鋼。
  3. 重量 % で、 C 0.15 0.30 Si 0.1 0.4 Mn 0.1 0.5 Cr 2.0 2.5 Mo 0.3 0.8 V 0.15 0.23 W 1.5 2.5 Ti 0.015 0.03 N 0.005 0.03 B 0.004 0.008 を含み、残部が Fe 及び不可避的不純物からなることを特徴とする耐熱鋳鋼。
  4. 重量 % で、 C 0.15 0.30 Si 0.1 0.4 Mn 0.1 0.5 Cr 2.0 2.5 Mo 0.3 0.8 V 0.23 0.35 W 1.5 2.5 Ti 0.015 0.03 N 0.005 0.03 B 0.004 0.008 を含み、残部が Fe 及び不可避的不純物からなることを特徴とする耐熱鋳鋼。
  5. Feの一部にかえて、重量%で、Ni:0.1〜0.3を含むことを特徴とする請求項2ないし請求項4に記載の耐熱鋳鋼。
  6. Feの一部にかえて、重量%でCu:0.3〜0.7を含むことを特徴とする請求項2ないし請求項4に記載の耐熱鋳鋼。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかの鋳鋼を1,030〜1,070℃の温度で焼ならしを行い、前記温度から油冷することを特徴とする耐熱鋳鋼の熱処理方法。
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